■ エキゾースト パーツ

モトクロスシーズン開幕、関東選手権第1戦は先週終了。再来週には全日本選手権関東大会開催の
この時期に、主力機種ではないにも関わらずYZシリーズのチャンバーとサイレンサーに時間を費やします。
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右側の少し小さいのが65チャンバー。
左の二つは85チャンバー
それぞれサイレンサーとセットの商品となります。

新型のYZ65とモデルチェンジされたYZ85発売当初から製作していて
既に実戦経験豊富な仕様のエキゾーストパイプ達です。

出荷先は決まっているので在庫はありません。
ご注文後の受注生産のみ対応できます。


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今回は新しい試みで、通常アルミサイレンサーはバフ研磨仕上げでしたが
オフロード走行の宿命で土砂のスプラッシュ攻撃を受け、アルミ表面が荒れて外観が損なわれてしまいます。

その都度磨けばよいのですが、中々手間がかかります。
そこで表面硬度を上げてアルミ表面の劣化を防ぐ効果で、ガンコート仕上げしてみました。
金属表面と塗膜の密着を強固にするため
サンドブラスト後、ハイブリッドプライマー+ガンコート、170°Cオーブン焼き付けという
高度な塗装技術をビンテージMXでお世話になっているHollyエクイップさんに発注して施工していただきました。費用はサイレンサー本体と同等くらい掛かりますが、この際採算は度外視で商品性向上の見極めのため実施することを決めました。(一般のお客さんに進言するための確認作業です)

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全日本選手権第1戦から投入予定です。

外観で直ぐにわかるようになっているので
ご興味のある方は探してみてください。

21モデルKX250Fは新型とはそれほど違いが感じられないので今更ですがスペアエキゾースト製作に
着手します。
KXのオーナーさんは気付いていると思いますが、エキパイ、ミドルパイプ、パイプエンド、ノーマルは鉄です。大した重量メリットは無いように思いますが部品を外して手に持った瞬間に分かるはずです。

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エキパイは管長を主体にモデルチェンジされていますが
21モデルからすると若干の延長と
レゾネータ寸法形状などが違うところです。

難関はφ35からφ45までの拡管ですが
油圧のパイプエキスパンダーは導入していないので(コストの問題)
切断したパイプに油圧プレスでマンドレル(芯棒)を押し込んで広げる方法です。





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テーパー状に滑らかに接続したいので
φ35⇒φ38.1⇒φ42.7⇒φ45、という具合に
3段階で拡管しております。

扇形の板を巻いて繋ぐ手法もありますが
パイプの板厚が1.2tなので同じ板厚のパイプに揃えた方が内径、外径の段差を極力無くすことができます。
レゾネーターは最もシンプルで横幅が増えない円筒を上乗せするタイプ。
ノーマルのようなプレスのチャンバーより
容積の計算が容易なこともメリットの一つ。

当然容積で排気騒音も変わるし、パワーフィーリングにも影響するはずです。

業務の都合でサイレンサー部分は後日製作実施する予定で、ノーマルサイレンサーと組み合わせです。

2024最初のプロダクツはKLX230マフラーとなります。
純正マフラー外して持ってみるとズッシリと重量感のある5.2kg、触媒内臓と思われる鉄製ですから
仕方ないですが、この部分はなんとか改善できるかなと思って、軽量素材で新造することにしました。
パワーなどは元々期待していないし競技目的でないので、見た目と軽さを変えることが目的です。

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エキパイはノーマルと同径のチタンですが
若干管長を短くしたのでレゾネータ追加で
どんなフィーリングになるか試作を兼ねています。

サイレンサー部分はノーマルより明らかに出口が大きい高回転型を考えましたが
オーバーレブはリミッターの影響で10000rpm以上は伸びません。
回転引っ張って乗るものでもないので
実用回転域は軽快に走ってくれます。




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もちろんFI仕様なのでO2センサーボスも取り付けてあります。
チタンの厚板から切り出して作っているので
センサーボスだけでも高額な出費ですが
センサー取り付けのネジがM12なので一般的なタッピングで加工できました。








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サイドカバー外して取り付け状態です。
リベット止めの部分にステンレスバンドはオリジナルデザインのレーザー加工。
2mm厚のマウントステー切り板もレーザーで
それぞれ協力工場で依頼して作りました。

完成重量ですが
エキパイのノーマル1.0kgに対しチタン製は0.6kg

サイレンサーのノーマル5.2kgに対しチタン製は1.6kg

車体の取り回しや運動性能に効果ありそうです。(レーサーじゃないんで気分的に)

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音量はちょっとした爆音なので乗っていて気分いいですが、なるべく迷惑にならない田舎の方でぶっ飛ばすことにします。

新車より高い中古車でしたが装備はいろいろ付いていて、グリップヒーターなので冬場でも通常のグローブでも快適に乗れそうです。
バックミラーが全く見えないバーエンドタイプだったのをノーマル買い足して取り換えたり
足つきが悪くて一時停止の度に足先が辛いのでリヤショックのイニシャルを最弱にして車高さげたり(リンクプレート変更はやらない主義)
段々、自分仕様になってきました。

2024年が明けました。去年大晦日の夜まで新しいチタンエキゾースト作っておりまして、
エキパイの取り回しに難航し、「このままでは取り付け不可能な形状でやり直しするしかない」
予感までしましたが、ギリギリの隙間で知恵の輪のように回せば取り付くことができて安堵したところです。

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排気ポートが左向きなので
外すときにエキパイをシリンダー側に寄せないとスタッドボルトをクリアできないのです。
そのためのシリンダー横のクリアランスを十分広くとることが脱着のカギなのですが
パイプを曲げているときは
全体を繋ぐことだけに囚われて
着脱することが考慮されてなかったのです。

なのでノーマルはサイレンサー装着状態で
前に抜ける形状ですが
このエキパイはサレンサー外して
エキパイエンドをフレームの外側に振るように動かすと口元が前に外れます。
プロトタイプ1号機なんでこれでOKかな。

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空冷2バルブエンジン、最高出力19PS
スーパーモタードではないストリート・モト
KawasakiはDトラッカーの水冷ツインカムエンジンを辞めて、新設計の空冷2バルブを市場に投入したわけは・・・
実はこのタイプの(オンでもオフでもない)
ラインナップはどのメーカーでも販売しておらず、ハイパフォーマンスなシングルエンジンを今更求めるユーザーは少ないだろう。
(スペックを求めるならリッターSSに流れると思う)
取り回しが重くて、やたら馬力があって危険、転がったら高額な出費確定の大型車よりも全てにおいて手頃な廉価版のモタード車があれば顧客ニーズに応えるであろう。
そんなメーカーの思惑が見える1台ですが、既に生産中止、買いたいと思っても手に入らないのが現状です。どうやらこれと同系統のエンジンでメグロやらW230といったレトロ路線を模索しているようで
そっちこそが年配ライダーの求めるところかもしれません。
そうは言いましてもこのクソ重いマフラーを早急になんとかしたい願望で、正月からマフラー作りに没頭します。

メーカー純正フラットトラッカーが販売された時代もありましたが、とっくの昔に廃れてしまい
FT223などはオフビのダートトラック場で時々見かけるくらいです。
今回はお客さんの改造車でRZ250ベースのフラットトラック仕様にする手伝いになります。
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フロントの19インチ化
リヤブレーキはRZ250のドラム式から
ディスクブレーキに変更など
改造の度合いが高度な車体です。

チャンバーはフラットトラックらしく右側に2本出しの社外チャンバーを支給いただいて
テールパイプから後ろ側を作って一体型マフラーに加工しました。






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マフラーの筒を溶接する前に中身のパイプを作ってから、外側を差し込む手順ですが

テールパイプの出口は曲がっているため
外筒の取り付けが難儀なものでした。
1日で出来ると想定したのが甘くて
二日掛かりになってしまいました。



このあと画像のシートに合わせたアルミタンクの製作が依頼の内容です。
70年代旧車モトクロッサーのチャンバーは、ご注文された時だけ小ロット生産していますが
前回生産から数か月や1年以上経過すると忘却曲線に従い作り方を忘れてしまうので
取り付けレイアウトの隙間10mm以下の部分などは実車で確認しないと保証できなくなります。

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サイレンサーは直線的なパイプなので
取り付けの差は出ないですから支給品で確認します。

問題なくハマることは分かりました。

幾つかチェックポイントがあります。







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ダウンチューブとパイプ内側の隙間
5mm設定とします。













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ガソリンタンク下とフロントフェンダーとの
最も近い部分で10mm空いています。
前後どちらに移動しても当たりそうです。











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この位置でシリンダーヘッドとの隙間は
最も近いフィンの角で8mm空いています。
ここも僅かに後ろに傾いたら当たります。
前に傾くとフェンダーに擦るというわけです。

このパイプを基準に組み立て治具に隙間を記しておいたので、今回の製造ロットは同じレイアウトを守れるはずです。

ワンオフ製作だと比較するものが無いので
1回クリアすればOKですが
ロット生産の場合はクリアさせる回数が増えるのでその分難しくなります。

来月半ばまでこれに掛かりきりになる予定です。

77年型を継続しながら現代まで販売されているTS185。国内に輸入される台数は限られているため
発売当初より高騰しているらしいので既に高値の華になってしまいました。
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色はオーナーさんの趣味で塗り替えられています。ミリタリーな感じです。

ワンオフチャンバー作ったら製作者は何するか。
試し乗りですね。
アバウトな外観の注文しか受けていないので、スペックやパワーフィーリングは全くのお任せというわけで
ノーマルよりパワーダウンなどということがあったら商品になりませんからね。

久しぶりに乗った空冷2ストローク単気筒。
まあまあ実用には十分な性能ですが新車といえどもスペックは旧車なので
このフィーリングを頭に記憶した状態で
ワンオフチャンバーに交換、再度試し乗りです。
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エンジン掛けた瞬間、音の違いで笑みが零れます。
さあて、低速スカスカのピーキーでないことを祈りながらクラッチミート。

出足はノーマル同等です。低速も普通にあって半クラッチなど必要なく発進できます。
そして加速。
タコメーターついているので数値で確認できます。
8000rpmからレッドゾーンのメーター読みで
シフトアップポイントは7000rpm付近。
針の動きが明らかにノーマルより早いです。
そしてトルクの谷はありません。一気にレッドゾーンです。

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一般道ですが80km以上出ているので必要ないですが、さらに引っ張ってみます。
11000rpm過ぎても頭打ち感なく伸びていきますので、ストレスなく乗れるエンジン特性ですが、それなりにエンジン消耗するはずなのでレッドゾーン以下を守っても十分走ります。

そんなに回さなくても空冷2ストロークのモトクロッサーそのものの響きが心地よいです。
道路脇のみんなが振り返る感じで、ずっと聞いていたいサウンドです。

二度と作らないのでオーナーだけの特権です。

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サイレンサーは取り外し不可な溶接タイプに
指定されていたのでこのとおりです。

グラスウールはメンテナンスできるように
パイプエンドがリベット止めになっています。

異例のテールパイプ短さなんで、付きレスがノーマルよりよろしいでしょう。

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マウントステーはブレーキペダルのアジャスターボルトからブラケットを取り付けしましたのでフレーム側は無加工です。


サイレンサー位置はしばらく吟味しましたが
ここがベストでしょう。これ以上考えられません。




それでは納車の日までお預かりしておきます。






国内に新車で買える2スト車(公道走行用)は絶滅していますが、海外向けにはあるようです。
TS185がそれですが、外観はハスラーの125と250の間のように見えます。1977年型から生産を続けていて、南米向けのみ販売されているらしく近年の排ガス規制などが無縁の仕向け地なのでしょう。
この車両の存在を知ったのは、お客さんからのメールでチャンバーをオリジナル製作して換装したいという依頼が何件も届いていましたが、多忙を理由に受注する返事はしたことがありませんでした。

ところが、今回は半年ほど前から問い合わせをいただいていたお客さんから再三の問い合わせで
空返事していたのが正式な約束と取られたみたいで車体をお持ち込みになられたため
預かりスペースが少ないので早急にチャンバー製作することにします。

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車体色も塗り替えられ、カスタムしていく方向を説明され、こちらでエキゾースト部分だけ作ることになったのですが
アメリカの方で2ストトレール車をダートトラック専用車に改造したものがあり、その写真が見本として提示されたのですが
その写真の車種も車体もTS185とは別の物であることから
当然完成品もなくスペックも不明な状態からの新造となります。

先ずはエキパイの形状から決めていくのですが膨らましパイプのカーブが想定通りに出来ませんので1本目は曲げカーブのデータ取りにして2本目に着手しております。

この製法真似して作られる方の多くは狙った形状にするのが困難で諦めてしまうらしいですが
私がやっても初めての物は一回で完成できず、やり直しているんです。
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上のエキパイが曲げカーブが下向きで失敗したので、切断面が2?ほど上向きになるようにやり直したものです。

このエキパイに合わせて輪切りのテーパーパイプを作ってレイアウト検討です。

理想的な形状ではないですが予算に限りがあると思うで、このパイプを切り開いて
展開図とします。
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この展開図を画張りにして鉄板に罫書いて作っていきます。

ワンオフの場合でも、二度と使いませんが
製造上このプロセスが必要です。

元HRC契約ライダーの人から18年ぶりに連絡があり、最近トレーニング用にCR125R最終型を入手したのでチャンバー製作依頼を受けました。

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05モデルの型は残っていました。
発売当時はいっぱい作りましたが15年以上作った記憶がないので完全に忘れています。

取り回し形状がうまくいかず、何か所かパイプのカーブをやり直しして何とか完成に漕ぎつけました。






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ホンダが最後の2ストレーサーモデルとして
肝いりの開発して、1年限りのラインナップとなった同モデル。

依頼人も開発テスト携わって、前から欲しかった最終型125ということで
今回予想もしてなかったチャンバーの再生産。
ワンオフではありますが元トップライダーが保存していただけるということは光栄に思います。



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取り付け完了しました。

ショートタイプのサイレンサーも注文されましたのでセットになっています。

走っている姿を見てみたいですね。









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ノーマルのマウント位置と全く合わなかったのでマウントステー増設しました。

元々旧型のCR125はラバーマウント1か所だったので、十分な固定だと思います。

ジュニアクロスの入門車、YZ65のチャンバー製作の依頼を地元のお客さんから受けて
ワンオフですが製作しました。

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初めて作るチャンバーはパイプのカーブを決めるために、円形の鉄板を鉄棒に刺したモデルを作って検討します。

円形はパイプの内径を鉄棒は長さを表します。

計測したチャンバーの図面を起こしてストレート図を描いて直線の串刺しモデルを作り、
車体に合わせながら手曲げでカーブを決める作業です。
そして造形された曲げカーブになるように
板金の展開図を作成して水圧成形でパイプの基を製作します。

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溶接接合する前にパイプの外径や長さを測定して、設計値に合っているか確認します。

違っていたら展開図の寸法を調整して
再度、水圧成形することを繰り返して
図面値に近付けていきます。




構成部品が全て溶接できました。



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車体取り付けしてシリンダー横、ケースカバー上等の隙間が適切であるか確認します。

サイレンサーはノーマルでフィッティングしましたが、YZ85と位置関係が共通のため
後日サイレンサー製作とします。

次の関東選手権から出走すると思うので
性能は証明されるでしょう。
ノーマルから諸元変更しているので
良い方向へ向かうことを期待します。

箱型マフラーの内部が判明したので、同様のパイプワークでノーマル風に作っていきます。

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長いダウンマフラーですが、
500ccの単気筒の排圧は高く
限られた車体サイズの中では排気管長が足らないということで
チャンバー内でUターンして
チャンバーで膨張した後
第2の部屋へ内部のパイプを通って
サイレンサー側に抜けていくという寸法。



これでようやく箱を閉じることができます。


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マフラー全体が出来上がったので
車体に取り付けて収まり具合をチェックしてみます。

隙間が少ない部分はこの段階で修正しておきます。
ステップ廻りやリヤフォーク横の隙間がギリギリでした。

キックも忘れずに踏んでおきました。
ダウンマフラー作った時はお約束ですね。




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ヒートガードは支給されていたので
取り付け確認しました。
ネジ穴位置もコピーしましたので
イイ感じに付きました。

これが往年のXTスタイルなんですね。
中々手間のかかる作業でした。






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72年頃、新車で販売されたときは
それ程高価な車体ではなかったと思いますが、50年先まで走らせることを想像した人はいなかったではないでしょうか。

特にマフラーなんて薄板の鉄に耐熱塗装を施しただけの部品が半世紀も原形を留めていることが奇跡のようですが
腐食して穴が空いたオリジナル品は貴重なので実走に使用することはなく
レプリカ品作って、ガンガン走っていただければ幸いです。


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リヤショックを避ける形状の異形なテールパイプは、どのように作ろうか悩みましたが
最短期間(費用)で仕上げるため
このような板金製作にしました。

内部確認のために切開したオリジナル品は
使う予定はないと思いますが鉄板で塞いで
保存してただきたいと思います。


長期間(10か月)滞留してしまったXT500マフラーも大詰めを迎えます。


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錆び止めに耐熱ブラックに塗装して
外観はノーマル・ルックになりました。
カスタムバイクではないので
他車と違う自己主張をしないことが重要ですが、図面なしでオリジナルの寸法を再現することが簡単ではないことが分かる経験ができたように思います。

同じ物を二つ作る気力が残ってないので
これっきりのワンオフ製作にしておきます。
(ラインナップには加えないという意味)
去年の5月からお預かりしているXT500の車体ですが、その目的は
オーナーさんがレストアして新規登録するためにノーマルマフラーが欲しい。
しかし50年前に製造された車体なので残っていたとしても腐食して使い物にならない
改造マフラーならいくらでもあると思いますが、陸運局へ持ち込むため型式認定当時の仕様に準じておく必要があるということ。
安易に引き受けてしまったものの、分かるのは外観だけ、金型も無いのにどのようにしてノーマル仕様のマフラーを作ったらよいものか途方に暮れて、何も進まないまま9か月が過ぎてしまいました。

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貴重な現存するノーマルマフラー。
腐食していて実用には耐えないはずなので
これでエンジン掛けることはせず
なるべく忠実に同仕様マフラーを作って取り付けるのが目標です。

唯の箱のようにみえますが
外側に何かの逃げのためか
凹み加工とヒートガード取り付け用のネジが4か所ついていますので
これに似せた外板を作っていきます。




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金型がないのでプレス機で一発成形というわけにはいきません。

鉄板を切って叩いて溶接して、工場板金で拵えた外板に
凹み加工をするための治具を作ります。

この部分だけで2日掛かっていますが先は長いので黙々と進めていきます。






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治具にセットして油圧プレスで棒を押し込んで加工します。

凹み3か所なので3回位置を決めて成形します。
図面などは無く、目測による作業です。

鉄板で上下から挟んで拘束しておかないと
棒で押した周辺が反ってしまって変形するので、このような工法で行っております。





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ヒートガード取り付けネジですが
4か所共、平面でなく高さや角度も違っているので、取り付け治具で穴位置や傾きを合わせるようにします。

ネジは旋盤で作っておいて外板の裏から溶接で取り付けます。








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ここまで作りましたが、箱を閉じる前に
内部構造は分かっていません。

ノーマルの音を再現するためには
中身を同様にしなければなりません。

中身を仕込んでから左右の外板を溶接で閉じることができます。







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全然わからなかったですが
内部構造を見るために、切って構わないとオーナーさんから許可を得ているので
車体内側の外板を切り開かせていただきました。

なるほど排気の流れが判明しました。
エキパイが部屋の奥でUターンして
前向きに排気しています。
部屋の後ろ側から3角形の部屋へ導くパイプを通って、
後方のサイレンサーへ向かう流れとなっています。

まだまだ完成は遠いです。

先週平日に名阪スポーツランドへモディファイしたエンジンとサスのセッティングのため行ってきました。
担当するライダーの休みが本番まで取れず、私が代わりにセッティング作業することにしました。

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しかし名阪スポーツランドは走ったことないです。
慣れないサンド質の荒れた路面に
沢山のレール。
コース攻略しながらのセッティング作業でしたが、予め決めておいたオーダーが誠に調子が良くて、大きく変更しないまま完了してしまいました。

翌日に頼んでおいた国際A級のライダーにテスターしてもらって
普段レースで乗っている250のタイムから6秒落ちくらいで走ってしまうので
全日本レディースのトップクラスより3秒は上回った結果でした。
これで乗り手次第で勝てる仕様に仕上がったところで終了です。

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さて一月前にプロトタイプ作ってテスト走行したCRF125のエキパイとサイレンサーの
市販バージョン作りました。

この諸元をベースにロット生産していく予定です。

手曲げステンレスのエキパイとオールアルミサイレンサーの組み合わせです。







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車体装着













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複雑なカーブのエキパイですが
再現するためにマスターのサイレンサーのジョイント部に装着できるようにレイアウトします。

パイプが3次元カーブなので手曲げの精度が要求される作業です。







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アルミは板厚1.5mm、固くて凹み難いと思います。

排気効率はノーマルよりアップしているので
そのままでも走れますが、FI車のため社外ECUで燃調もアップしてもらうとさらに良くなるようです。

この商品はBLITZさんの企画のものなので、
こちらにお問い合わせされても対応できませんので、ご了承ください。

非公式ですが日本最速のミニモトレーサーに弊社のチャンバーとサイレンサーを着けさせていただきました。

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パイプの成形したものを所定の位置で切断し組み合わせる作業です。

切断面どうしが同じ外径で、円形でなければ接合できないので
平板の展開図の段階から繊細な作業が求められます。


曲率の小さいカーブも極力避ける形です。
本当は直線のパイプが最高ですが
車体に取り付け可能な形になっています。

排気ガスがカーブを通過することで流速に損失が生じますので、
排気系は損失も含め総合的に性能が決まる部品になります。

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サイレンサーとセットです。

ワンオフなので車体合わせなしのご注文には対応できません。(通信販売は無理)

サイレンサーは選手の要望で、抵抗の少ないショートタイプになっています。
パイプエンドもワンランク拡大していますので、高回転、高出力型に対応します。
(低速トルクは考慮してない)



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国際A級ライダーだけのミニモトクラスがあるとしたら確実に上位にランクされると思います。

ジュニア時代からトップクラスで2階級特進した選手ですからね。
こういうところにチャンバー供給できて光栄なことだと思います。

モトクロスで利益得ようと考えてないので
一般販売は致しません。



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ショートタイプでオールアルミ、排気効率もさることながら、これ以上軽い素材がないので
手に持って軽さに気が付くはずです。

9月から全日本で忙しいので合間の
MCFAJなどで走っていただく予定です。

元々、ノーマルで国際B級一桁ゼッケンを抜いてしまうスピードですから
排気系の効果は関係ないかもしれませんがね。


スバル360のコンペティション用チャンバーを解体して内部構造を測り、復刻したのが20年前。
オーナーさんからリヤエンドのパイプが破損したので、修理してほしいということで
現品が送られてきました。

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この象の鼻のようなエキパイを作ることが難しいということで
我社に依頼されて作ったチャンバーでした。

タイコの部分は3部屋に分かれていて、
腐食して使用不能だったオリジナルのタイコを切開して内部寸法まで再現してあるので
性能も同等になっていると思います。

破損したパイプエンド以外は劣化も少ないようなので、早速エンド部分の修復に取り掛かります。



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デュアルエンドのはずが、1本はベースの板が割れてパイプが無くなっています。


パイプはリヤバンパーの下側に付き出す形ですが、タイコの変形はないので
圧力波による振動が原因で鉄板に金属疲労を起こして割れたと思われます。







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図面は残っていないですが
残った現品は2重パイプになっているので
同様に2重パイプを作っておきます。

バンパーを避けるために若干曲がったパイプになっています。









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ベースの板を重ねて溶接します。

タイコ内部に3cmほど突き出した仕様なのでベース板に差し込んであります。











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本溶接して修復完了です。














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スバルのオーナーさんは
ずっと乗り続けていきたいとおっしゃるので
時々亀裂チェックしながらでしたら
使い続けられるでしょうと申しておきました。

このタイプ2台くらい作ったと思いますが
20年経ってこれくらいの外観なら
問題無さそうです。







CRF125Fの新型モデル、フューエル・インジェクションの空冷2バルブ125ファンバイクですが
作ったことないのに、ブームを呼んでいるせいか、問い合わせが多いので
フルエキゾースト作ってみることにしました。

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サイレンサー、オールアルミ

フロント、リヤのエンドキャップはビレット。

サイレンサー・スキンはA5052、板厚t1.5?

インナー・パンチングメタルはSUS304板厚t0.8?

強度と軽さを兼ね備える素材を採用

リヤエンドのバッフルは
実走テストにより内径の変更する可能性があります。

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フルエキの概要です。

ノーマルエキパイがφ22のところ
φ25.4に拡大して排気効率アップ

排気の抜けすぎによる低速トルク低下を
サイレンサー側のバッフルで調整するという
構想です。






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エキパイの材質はSUS304 φ25.4

横の張り出しを極力抑えた取り回し。

ヒートガードは必要ないでしょう。









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マウントステーは板厚t4.0 2枚拝みあわせ

アルミでありながら高剛性を目指した作りとなっています。


このあと車体ごとオーナーに引き渡して
ロードテストする予定なので
リリース日程は、今のところ未定です。

事情があって再販しない機種のチャンバー、最後の製作になります。

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お問い合わせ来ても対応できませんので
これで終了というお知らせです。

製作物は左右チャンバーと口元フランジの4点です。

車体現合に必要なマウントステーと
サイレンサーは支給いただいたものに合わせてのワンオフ製作ということです。


















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実は、元々付いていたフランジに合わせてエキパイ側のスプリングフックを取り付けたので
新造のフランジに付けるとスプリングのテンションが甘いことがわかり、

1・フックを付け直す

2・別のスプリング(5mm短い)に変更

3・フランジ側フックを再加工

以上の選択肢の中から納品に一番影響がない3番を選択し、フランジ側フック部分に加工の跡が見えます。

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支給いただいたサイレンサーのフランジに
ボルト取り付けピッチを合わせなければなりません。

現物計測して数値化すればレーザー加工に外注できますが
これくらいはハンドワークでも問題なかろうということで、毎回罫書く手間を省くことと、同一性を持たせるために画張り制作して作ったフランジです。

最後にサイレンサーの捻り具合を実車取り付けで決定するので、フランジ溶接が重要工程になります。
サイレンサーの捻りが左右アンバランスになると品位が著しく劣る気がするのです。
おそらく、納車後にオーナーさんがバックビューを眺めてほほ笑むことでしょう。

いよいよビモータマフラー製作最終段階です。
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レーザー加工したφ100ディスクをプレス成型し、パイプに差し込むセパレータを溶接した構造のフロント、エンドキャップ


マフラー外筒にリベット止めします。









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ツインマフラーなので左右の整列を見なければなりません。

パイプエンドの高さと車体との隙間が
丁度良い位置に合わせて、マウントステーを取り付けます。









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チタンプレートを油圧プレスで曲げたステーを作って、ノーマルのマウントブラケットに位置合わせします。

プレートの曲げ角度は現車合わせでないとわかりません。
曲げ角度を微調整しながらプレスで3回くらい曲げ加工して溶接ラインを決めます。








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下2本がノーマルマフラー
マウント方法はバンドなのですが
オーナーさんの希望で溶接ステーにしました。

振動でバンド締め付け部分が擦れるのを防ぐ目的です。

重量はマフラー片側でノーマルは3.0kg
チタンマフラー1.8kg

中身がストレートパンチングになっている効果が大きいと思います。
グラスウールは4ストレーサー用入れてます。
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パイプエンド形状

リベットの下に0.3mmのステンバンドをレーザー加工したオリジナル品を使っています。

リベットを外すときにパイプ本体を傷つけない目的です。






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ジョイントパイプ側の形状

溶接固定していますが、板厚2mmなので
大丈夫とは思いますが
念のため内側に補強プレート入れて
2重にジョイントパイプを支える構造にしてあります。







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取り付け完了したので
明日エンジン掛けて排気音聞いてみます。














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エンジン始動してみました。
実は昨日やったのですが
フロントキャップのコーキング無しで組み立てたため隙間から排気がもれていたので
リベット外してコーキングし、一晩置いてあったのです。

冷間始動でもセル一発で目覚める90度Vツインはシングルやマルチとは違う独特のサウンドで周囲の空気を揺るがすハーモニーを奏でます。
音量大き目ですがブリッピングしても破裂音は出ないから心地いい音色です。
同時に外観だけでなく明らかな存在感のある音で、この音を発しながら移動することを想像するとシールドの中は笑みに溢れると思います。
ストレート排気なので騒音によってはディフューザーも検討するつもりでしたが、これでいいと思います。

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どちら側から見てもイケてるスタイル

ハブステアのフロントはセリアーニタイプに比べて軽快なハンドリングです。
フロントフォークの重量がステアリングに掛からないことが大きく影響していると思います。
汚れてはいけないので試乗ではなく
押し歩いた感想です。
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年末に車体搬入いただき
着手してから2か月近くかかりましたのは
チタン材の切断にシャーリングやレーザー加工外注と、溶接治具、プレス成型治具など整えてからの製作によるもので、
外注や治具製作には図面作成(紙と鉛筆で)など、アナログ的作業満載のハンドメイドであることによります。

外注品の待ち時間にはバックオーダーの仕事を進めているので業務は滞りなく続いていきます。

着々と進行中ですが、作業時間の大部分は治具作りなのです。

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筒に嵌める部品作りですが
巻いた輪の端面に円盤を溶接中
バックシールド用の治具に嵌めて内側に
アルゴンを流しています。


突合せ角だけ溶接すると裏側は酸化して
排圧の振動で割れる恐れがあるから
裏側もシールドしなければなりません。





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このように筒に嵌めて、後で穴開けしてリベット結合します。

前後の板はレーザー加工が上がってきたら
プレス成型して組み立てします。









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治具の構造はこのようになっています。

リングを上面の板が突き当たるまで圧入して、中央の穴から供給されたアルゴンが溝の中に充填される仕組みです。

そのため角の内側がシールドされます。








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次の治具はディスクのプレス成型用

右の2種類の棒を押し込んで絞ります。
下側の棒でテーパー形状にして
上側の棒で内径のサイジングを行います。

2枚の鉄板で挟んでいるのは平板を歪ませないためです。






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絞ったディスクをパイプに嵌めて、補強のために使うので筒の中の部品です。

これでサイレンサー内部に使う部品の加工は終わりました。





チタン板0.8t φ100×450パイプ2本作ってありましたが、気に入らない部分があってやり直しました。

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材料代13000円掛かりますが
前回のは捨てることにします。

右2本がやり直したパイプです。
前回のは突合せした溶接面が歪んでしまい
真円度が悪いのです。

溶接ビードを止めないように努めたのですが
これが原因で熱が入り過ぎたようです。
溶融した金属が冷えるときに収縮するので
材料を引っ張って、突合せ面が盛り上がってしまいます。

溶接条件を変えてやり直した方は熱影響が少なく、突合せ面が平滑になりました。

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マフラーの主要な部分なので、妥協できなかったですね。

高価な材料を試作で失うことになりますが
加工方法の経験にはなりますので
必要な作業です。(鉄やアルミと同じ方法では上手くできません)

板厚0.8mmなので熱が上がらないように溶接スピードを遅く、
クレータ電流と溶接電流の繰り返しで溶かしていくのですが、溶接電流を短時間にすることで熱影響を減らします。

それと前工程で板をロールベンダーで巻くときに、少し小さめのRで曲げて突き合わせると
熱影響を受けて、希望したRになります。


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うちの猫、シロちゃん11歳
体重6キロ、肥満気味

なかなか賢いネコちゃんで
名前を呼ぶと確実にお返事します。
さすがに会話はできませんが
自分の名前は認識しているようです。

エサをネダルときしつこいので
ダイエット食にシーバか懐石を混ぜてご機嫌を取らないといけません。

縁側にやってくる外猫に警戒して
至るところにマーキングするので家中ペットシーツだらけなのが悩みです。

まあ、こいつも共同生活者なので人生に癒しを与えてくれる大事な存在、何をしても許します。

チタンφ100×450ツインマフラーの続きです。

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ジョイントパイプの部分です。

φ54のチタンパイプR曲げ4本

丁度良い長さで切断して接合します。
前側の差し込みはφ52なので
φ50.8から拡管して作りました。

溶接はパイプ両端を密閉して
アルゴンを充填して行います。






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エンドパイプは斜めに切断したピースを接合するため
ポジショナーの回転軸に対して接合面が水平に回るように治具を作りました。
接合面の水平とセンターが容易に合わせられます。

これで一回転連続して溶接できます。
溶接を止めたところにブローホールが出来るのを避ける目的です。




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溶接完了です。
ジョイントパイプは炙りの焼け跡を消すため
ヘアラインに磨いておきました。

パイプエンドはキャップに溶接するので、まだ磨きません。








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パイプの曲げは完了しているので
マフラーのレイアウトはこのとおりです。

この位置でマウントステーの寸法を決めます。

前後キャップとインナーパイプを作ればマフラーの加工は終わりです。
その他部品はレーザー加工外注なので上がってきたら
一気に組み立てます。

ありふれた形状ですが、滅多にやらない加工なので悪戦苦闘しました。

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他の人はどうやって作っているか知りません。
こうすれば出来るんじゃないかという一例です。



最初はフレア加工から始めます。
パイプエンドを横に広げます。






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テーパー状に面取りした穴に押し込んで
パイプエンドが裏返しになるようにして圧入します。

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下まで押し込んで抜きます。











再びフレア加工。

先端がテーパー状の棒を押し込んで
パイプエンドを広げます。

エンドが広がったら逆さまにして
テーパー穴に圧入する。
これを3回繰り返すことでパイプエンドが
カール形状になります。




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これで加工完了です。

ツインマフラーなので2個です。











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実はこれだけ失敗しました。

形状不良なのがおわかりでしょう。

加工トライが1回で成功するとは限りません。

どのような原因で失敗するか、やってみて初めて分かるといったものです。
大体コツは掴めました。





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Φ54のパイプの極小曲げが無理なので
輪切りにして繋ぎます。

これからバックシールド用のフタを作って溶接です。



去年からお預かりのビモータ用マフラー、材料が入荷しましたので加工を始めます。

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0.8mmチタン2種板のロール曲げです。

長さが、これまで最長の450mmもありますので、いきなり3本ロールでは曲がらないです。

そこで鼻曲げは、このような方法を採りました。
曲げRより小さめの棒を板の端末に当てて曲げます。
この状態でダンプカーのアオリを持ち上げるようにして力任せに曲げます。



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この辺はロールでは曲がらないので予め曲げておきます。

ロールベンダーの会社はあるのですが
なるべく内作で加工することがコスト削減の秘訣ですが、知恵と労力は掛かります。

棒に巻き付けて全部巻くことはできません。
曲げRが均一にならないためです。
Rが均一でないと真円パイプ作ることは不可能です。




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あとはロールベンダーで巻いていきますが
Rの緩いとこ、キツイとこが出来るのでロールのすき間を調整しながら巻いていく必要があります。

道具があれば誰でも簡単ということはないと思います。
ハンマー持っていても上手に板金できないのと同じです。

材料代も高価なのでお釈迦にしないように慎重に進めていきます。
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大まかに曲がれば、芯棒に嵌めて形を整えて真円パイプに成形していきます。











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450mmのパイプなのでバックシールド用の治具を作りました。
板をお付き合わせして、裏側をアルゴンでシールドして溶接する方法です。

酸化チタンは脆い性質なので、バックシールドして酸化を防ぎます。







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付き合わせ溶接できました。

付き合わせの端に溶接棒をチョットだけ置いてナメ付けするだけです。
なるべく止めないで一気にビードを引くようにしています。

熱で歪んでくるので、また芯棒に嵌めて矯正します。


このパイプを基に次の部品が加工されていくことになります。



元国際A級、Y田部さんからの依頼でKLX250改のエキゾースト製作しました。
22年初仕事になりますが、私に手間を掛けさせないためなのか材料支給で車体お持ち込みいただきました。
別機種の社外エキパイとカワサキKXFの年式不詳サイレンサーを切ったハッタして付けてほしいという内容です。

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エキパイ切ったハッタして、全然別物の形状にしてフィッティングしました。

KXのサイレンサーは切断なしで、マウントステーだけ溶接追加して取り付きました。

ほぼ一日で出来ましたので、通常のワンオフ製作より大幅に時間短縮です。
それなりに安上がりになります。
(お友達価格)




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支給されたエキパイはもっと長いものでしたが、不要な部分を切除してパイプの向きと接合部の直径を合わせて、溶接で組み立てします。

材質はSUS304のようです。

レゾネーター部分はそのまま流用です。
管長が短いので少しでも容量があった方が都合がいいからです。
(管長短いと低速トルク落ちると思います。)
サイレンサーミドルパイプが長いので、まあまあのバランスだと思います。


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サイレンサーマウントブラケットの位置を合わせるためアルミ板t8.0を溶接で追加しています。
ミドルマウントはフレームのネジ穴とミドルパイプ側のネジ穴が離れているので
ステンレス板を介してボルト締めしてあります。

私は前職強度屋だったので、取り付け部分の信頼性に配慮して作っています。





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サイレンサーの位置は、車体持ち込み時に打ち合わせした通りにやっています。

250レーサー用のサイレンサーですが
エンジン始動して、アイドリング時が非常に静粛です。
この年式では近接騒音の94dBを目指していたはずなので、高回転ではそれなりにレーシーなサウンドに変わります。





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サイドカバー装着確認して全行程完了です。

社外の外装とタイヤも新品で、あとは何するんでしょう。
Y田部さん自動車塗装屋だから外装オールペンするかな。
完成形見たいから
暖かくなったらツーリングでも誘ってもらおう。





路面の凍結が無くなってきた午後、試走してみました。これはキャブ車なのでチョーク引いて暖気運転し、3分くらいでアイドリング安定してきたので近所の裏道でぶっ飛ばしてみました。
心配していた低速は全く問題なく、極小ターンも楽々回れます。交通量のないストレート、加速時のレスポンスが鈍いのはCVキャブの特徴で、負圧に応じた可変ベンチュリーの賜物。
マイルドだけど谷間の無いトルク感で一気に加速し、数秒で100キロに到達してさらに伸びる感じなので
250トレールなら十分な性能だと思います。フラットなエンジン特性で乗りやすいのでバトラックスBT46のタイヤのグリップ性能を楽しみながら峠攻める姿を想像してしまいます。
年末が近づいてきましたが、仕事はまだまだ終わりません。
大晦日も予約の修理があるので、発送業務はこれで終わりです。

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73年型MX250用で数年前に2回くらい作っただけなので、記憶を辿りながら作りました。

2度と需要は無いと思っていたので図面など残していなかったのです。
アーカイブから過去のプロダクツを閲覧されたと思いますが
一回作ったからといって同じ物が作れるとは限らないのです。





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幸いノートに書いてあった寸法を見つけたので作り方が分かりました。

チャンバーのテールパイプがL側リヤショックの外側を通っているので、サイレンサーの差し込み口は左側にオフセットされています。

そのためインナーパイプも曲がって取り付く構造です。
特に理由はないですが、ノーマルが同様になっていたので真似た形です。




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グラスウール詰めて組み立てました。

耐熱ブラックに合わせてカラーリベットにしてみました。
もちろん分解可能です。











明日は厄介な改造車のステップがもぎ取れたのを修理するんですが、どんな感じか車体来るまでわかりません。
出来る保障はないですが、早めに終わらせて年明けに乗るバイクの整備がしたいですね。








あと1週間で年末ですが、業務は順調に予定通り進んでおります。

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467チャンバー無限タイプ
半分は納品済みで残りも完成です。
明日発送手続きします。

これが優先的に実行される理由は
半年以上お待ちいただいていることと、全額前金でお振込みいただいているためです。

来客されないで1点限りの通信販売による取引きが優先でない事情が零細企業には
度々起こります。

たまに入手困難なマフラーなどの現品を送るので同様な物を作れないかと相談を受けますが、当該マフラーは製造メーカーが金型や治具を整えた上で量産された製品なので
金型や生産設備、治具の償却代金を製品単価に反映しないかぎり実現しないことをご理解いただきたいです。(普通は理解されていると思います)
そこで、量産品と同様にはできませんが、車体に合わせてワンオフ製作なら可能だということで商売につなげていることも、承知されたお客さんの依頼だけ応えることができます。

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一本づつ手作りです。
何10回も同じ物作ってきたので
大体の製作期間は分かりますが
飛び込みの業務も多数来ますので
なかなか予定通りにいかないものですが

今回は他の予定を全て後廻しにして連続してやることで間に合いました。

荷物発送したら次のワークに取り掛かりますが、年内は、あと二品くらいで終了だと思います。


ありがたいことに、新規お客さんからのメール、電話など、お問い合わせが多数寄せられていますが、
年末までの予定と年明け1月中旬までは予約の仕事が完了できそうにありません。
そのため、ご注文はワンオフ、ラインナップ共に1月以降にお聞きしますので、ご不便をお掛けしますことをお許しください。

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先月仙台から運搬したKDX125SRです。
チャンバーの取り回しに毎回悩みますので
車体合わせできない場合はお引き受けできません。

今回もオイルタンク下側とキックペダルの収納でクリアランスがギリギリでした。
車体に取り付け確認できるので安心して
納品できます。

仙台までのトランスポート運賃は
ETC料金と燃料代合わせて、往復24000円でした。
納品でもう1往復すると運賃だけで48000円実費で掛かりますので、長距離のお客さんは難しいと思います。
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サイレンサーは治具合わせで製作して
ノーマルとSPLチャンバー共、取り付け適合することを確認できました。



完成後、オーナーさんに連絡し仙台からお引き取りに来ていただきました。
運搬はお客さん持ちが基本になりますので
安易な気持ちでは頼めませんね。
もちろん受ける方のプレッシャーも半端ないです。


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日本最速の鳶職、(株)武蔵重量社長
ケンヤさん。
クラブマンMXのトップライダーに150用のチタンマフラーをお使いいただき感謝いたします。
第7戦MX408大会で初めて走行するのですが、セッティング出ているか心配しましたが
ポン付けで好調に走る様子をみて、一安心。
ケンヤさん気合が空回りしたのかスリップダウンでライバルに先行されましたが、レースなんで仕方ないですね。


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走行後、普段使っているY社より回ると
インプレをいただきましたので
次回レースに期待しましょう。

私の持っている試作品とは仕様が違っていて、エキパイのレゾネータ追加と
パイプエンドの内径を絞り、ディフューザーは外してあります。
ヒート2は並みいる2スト勢に競り勝ちトップ走行中にまたも転倒、ライバルに先行を許す展開で終了しました。



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その代わりYZ85チャンバー、サポートの24さんが2ヒート共トップ走行。
スポット参戦の現役IB#10平塚選手に抜かれて両ヒート2位でしたが、スピードの高さは十分にアピールされたでしょう。










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当ブログ筆者は、全く喜べない結果。
先月の四国選から弱点が完全に見えては
いるのですが、どのように改善していくかが
課題です。

ここMX408は誰でも開けられる反面、路面が荒れてくると体力勝負な部分があって
疲労が溜まった58歳のオジサンにとって
ペースアップするのが辛いので
安全に走りきろうと思ってスピードが出せない状態です。
そういっても撃速の60代元A級、B級ライダーも走っておられますので、やる気不足であることは明白です。

次戦は全日本MX最終戦と日程が重なっているので今回が21年ラストレースとなります。また来年

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今製作中の467チャンバー。
10台分作るので来月中旬まで掛かりきりになるでしょう。

467は排気量ではありません。
ホンダCR250Rの機種ナンバーです。
空冷の最終モデルなので世界中にデリバリーされて保存されているはずです。

前モデルの430とはかなり変更されていて
チャンバーも互換性がないので専用設計になります。
これはホーリーさんから提供された無限ME仕様のチャンバーを採寸して作っています。

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非常に難解な取り回しです。
ダブルクレードル・フレームのため二股のダウンチューブの真横ぎりぎりにテーパーパイプを立ち上げ、フロントフェンダーに当たらないようにシリンダーヘッドの上を通るレイアウトが特徴です。

ニーグリップ部分の張り出しは430より内側に収められています。

前回製作から5年くらい経っていますので作り方を忘れているので段々慣れてくる感じでやっております。

今月の仕事はこればっかりで、月末は四国へ帰省して年貢のお米を貰いに行く予定です。

















今週末はクラブマンMX第7戦、第105回全日本モトクロス競技大会。
全日本という名称は競技団体が日本でここだけしかなかった黎明期から続く伝統らしいです。
今年2回目のフルサイズMXerでのレース、実は来週のための肩慣らしのつもりです。

17日は四国モトクロス選手権、82年以来の四国戦出場に新たな気分で臨みます。
実家の草刈りのついでに四国遠征で、会場は8月に練習に行った美馬モーターランドです。
MFJライセンスも20年失効していたのでノービスクラスです。実力どおりなので調度いいと思います。

そして24日はMFJ日本GP、SUGO大会観戦ですが、主目的は仙台のお客さんから車両預かりに行くことです。埼玉までレンタカー借りて2往復運搬していただくのは申し訳なく思い、GP観戦と抱き合わせれば1往復で済むでしょう、という考えです。

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今製作中のCRF150R用チタンサイレンサー。

お客さんから受注したので、今週中に完成させなくてはレースにいけません。



材料が少し取り寄せ中なので中断しています。
待っている間に別の仕事も進めておかなくては。



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ノーマルサイレンサーが取りつくようにチタンのエキパイも作っておきます。

今回はサイレンサーとセットの注文なので
それぞれ純正部品との互換性を持たせるようにしています。

エキパイ上部にレゾネーター装着してありますが、効果のほどは、150用としては今回初めてなので、納品してからインプレ聞いてみたいと思います。



金曜日に材料が入荷すれば間に合うのだが・・・

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純正部品と互換性を持たせるため

サイレンサーはノーマルエキパイに取り付くように作ります。

サイレンサーのチタン材についてメリットはあるのか、
グラスウールが入ってない状態で
重量は800gしかありません。
ノーマルはグラウウール入りで1.6kg
中々軽いですがアルミボディとステンレス材の組み合わせです。
アルミの部分は柔らかいので凹みや傷がつきやすいですが、チタンは硬いので0.8mmという薄板でも凹みや傷に対して強いというメリットになります。

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ここのプレートが材料待ちの状態なので

スチールプレートで位置合わせまで完了させておきます。

チタンプレート入荷と同時に同形状のステーを作って溶接するだけです。








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チタンエキパイも当たり前ですが取り付くことを確認して、材料を待つだけです。

なんとか今週末のレースに行けるかな。











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上がノーマルエキパイ
中はチタンパイプに置き換えただけの仕様
下が今回レゾネーター追加した仕様。

フランジは3つとも、アルミビレットにて製作

今回は拡管の方法を変えました。
パイプを曲げる前に
φ31.8⇒φ35
φ35 ⇒φ38.1
パイプの端を油圧プレスで拡管してから
手曲げしておりますので
中より下のパイプは繋ぎ目が少なく出来ております。

一日経って

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チタンプレート t2mm 
レーザー加工が出来上がったので
油圧プレスで曲げます。

曲げ角度はスチールプレート試作したもので
車体合わせしたので
同様に曲げるだけです。








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t2チタン3枚合わせです。

絶対に亀裂入らない構造だと思います。

今度乗るライダーが規格外なので
丁度良い耐久性確認できそうです。









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グラスウールも詰めて組み立て完了
車体は自前のCRFを治具代わりとしているので
マフラー、エキパイ単体で納品です。
オーナーは今週末HSRへ行っているので来週ですがね。




これで明日、軽井沢MPへ出発できます。
そして日曜日はオジサンライダー集まって、お楽しみのMXレースです。


猛暑日に皮ツナギ着てサーキット走る気力がないので、1年間放置していたNSR50を可動状態にしておこうと重い腰をあげることにしました。
もっとやることあるから時間が取れないということが正直なところ、いつまでも着手しなかったら永遠にストップするなと思って、他の作業を投げうって、中古NSR入手時から計画していたチャンバー製作です。

中古車にはメーカー不詳の社外チャンバーが付いており、ノーマルチャンバーは前オーナーが部品売却したか知りませんが付属してなかったのです。
一応中古の後期型ノーマルチャンバーを入手してノーマルマシンでの試運転は果たしました。
しかし、初日で転倒してしまい、ハンドルやタンクの修理(アルミタンク製作)で走行可能にしたつもりでした。

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50用のチャンバーは経験がなく、どんなパワー特性が得られるか
ダイノジェット計測でノーマルチャンバーと比較してみたいと思います。

我社から徒歩3分のモトグラッドさんへ押してきました。
トランポ必要ない便利さです。

これからノーマルとニューチャンバーとそれぞれのパワーチェックして比較します。



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暖気運転しますが、ノーマルラジエターなのに中々水温上がりません。

5分くらいレーシングさせて60℃超えてから計測スタートです。

モトグラッドのK店長、50ccのパワーチェックは初めてだそうで、パワー掴むまで何回もトライするのですが
実はキャブレターが不調であることが、この時点で判明しました。

一時的に解消していたオーバーフローが
再発してきました。
タンク外してキャブばらして、フロートバルブ動作確認したりすること数回、気まぐれなキャブレターの機嫌が直った瞬間に、なんとか計測できましたが、高回転でアクセル煽っても付いてこない症状で満足ではありませんが、今日は補修パーツも無いのでこのまま突っ走りました。

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キャブセッティングはオーバーホールしてからにします。

現状のパワーチェック、ノーマルと新チャンバーの数値を重ねたグラフになります。

ノーマルNSRのスペックは
最高出力7.2ps/10000rpm
最大トルク0.65kgm/7500rpm

計測データは
ノーマル(緑)7.2ps
新チャンバー(青、赤)8.7ps

最大トルク
ノーマル0.6kgm
新チャンバー0.7kgm
ノーマルはカタログ数値どおりの結果であること、新チャンバーは馬力、トルク共にノーマルを上回っていること、
特に10000回転付近でノーマルは出力低下していくのに新チャンバーは少し落ち込んでから
12000回転でピークパワーが復活してくることが判りました。
パワーの谷間の改善は後でトライしてみますが、サーキット走行には新チャンバーが有利な結果であることは間違いないでしょう。



オイ!いつ乗りに行くんじゃ。
CRM250Rのマイナーチェンジの詳細はわかっておりませんので、モデルチェンジ毎のチャンバー取り付けに関わる現合確認は行っていましたが、25年前に作った治具と車体との整合性に確信が持てず
お客さんの了解が得られたら車体をお預かりして取り付け確認するようにしています。

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今回お預かりした車体CRM250Rrです。

アップサイレンサーの排気で汚れないように
ウインカーをフェンダーの横に移設されています。









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ここまではいつも通り

曲がったテーパーのパイプを拵えて
治具に合わせて組み立てします。










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治具に合わせてパイプを組み立てして
車体に適合するか確認する目的です。

全部車体合わせで作ってしまったら
毎回違った取り回しになるので
治具に取りつかないものが出来るはずです。



今回は両方に取り付くように組み立てる必要があります。


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車体への取り付けは問題なくできています。

オイルタンクとの隙間も想像より空いていますね。
隙間寸法は治具に反映しておきます。

実は2か所、現状の治具と一致しない部分が発覚しました。

ミドルマウント・ステーは車体の位置で溶接しましたので適合して当たり前ですが


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治具の穴位置を改修しておきました。

もう一つの穴はAR用の穴で
以前に車体合わせして確認したものです。

3型とARの穴位置がこれだけ違うので
チャンバーは互換性がないのです。







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もう一つの相違点はエキパイ前側のフェンダーとの隙間です。

ギリギリで当たらないですが
フロントフォークがフルボトム時にタイヤが近くなる場所なので適合させるべきところです。

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具体的にはエキパイ上側の隙間(15)と
フレーム・ロアパイプ側の隙間(8)を厳守することで、フェンダーとの隙間を確保します。

ここの数値を曖昧にしておくと、直ぐフェンダーと擦ってしまう取り回しです。

以上2か所治具に反映したので
車体と治具の整合性はOKということです。






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チャンバーの取り付け確認のため
予めサイレンサーを作っておきました。
セットでも単品でも互換性を持たせてありますので、単品売りも可能となっています。

灯火類カスタムされていますので
排気ガスによる汚れはナンバープレート裏側だけになるでしょう。






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3型とARは共通の治具で
マウントステーの穴位置とエキパイフランジの穴位置を選択することで使い分けています。

今回車体合わせと治具で両方確認できたので次回製作時の不安が解消されたと思います。









2か月掛かりで同じ型のチャンバー作ってました。
数量は10個ですが1本あたり3日掛っているので、このような期間になりました。

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鉄板の膨らましから始めますが
水圧かけてブクッと膨らむわけではありません。
この機種は4種類の曲がったパイプを素材にするのですが
1本のパイプ膨らませるのにハンマーで叩く回数を数えてみました。

大きさやカーブが違うので一律ではないですが、大体1000回叩いてこの形状に出来ています。
水圧だけではここまでいきません。
ハイドロフォーミングではなく
ハンマーフォーミングです。

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そして不要な部分を切り取り
製品の元となるパイプが得られるのですが

このまま溶接にはなりません。
切断面が真円でないので
お互いの溶接面が寸分の狂い無く
合わさっていなければ溶接不可能です。

そのため切断面の真円を出すために
1断面あたり1000回くらい叩いて形状を整えます。



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合わせ面を完全に一致させたら
仮り付けして動かないようにします。

仮付けが不十分だと、溶接しながらパイプが歪んできて、接合面が狂ってしまいます。

そのためなるべく多数の点溶接をしておきます。






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曲がってないパイプの溶接はポジショナーで回しながら溶接を止めないように着けます。

溶接を止めたところがピンホールになりやすいので、止めない方が後処理が楽です。









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曲がったパイプの接合面を一致させるのが容易でありません。
接合する前に隙間や段差がないように
裏金を当てながらハンマーで叩いて均していきます。

仮止めしたら修正は無理なので、根気よく合わせていきます。

この時点でチャンバー1本作るのに1万回以上叩いていることになります。
10本作ったから10万回ですね。


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曲がったパイプはポジショナーで回せないので、パイプを固定して人間が回るように溶接するので、不連続になります。

溶接止めたところがピンホールにならないように確認しながらの作業です。

他にも車体に合わせて位置決めするので
接合だけで1日掛かりになります。






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車体に装着確認して完成です。

小ロット生産ですが、他の仕事止めているので一気にやりました。

次の予定がありますので、これにて終了。










最後に作ったYZ85チャンバーは排気デバイス無しの旧型に対応した物でした。
19年にモデルチェンジ後、新型は作ってなかったのですが、マスター車お借りできたので
チャンバーを新型へ更新することになりました。

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右が試作1号ですが
旧型の低速トルクを改善したタイプに
口元だけを新型の寸法に取り換えたものです。

パイプの形状は旧型と共通なのだろうと思っていたのですが、どうやら違ったみたいです。
排気デバイス無しの旧型エンジンは高回転高出力型なので低回転域を軽視した出力特性でした。
排気デバイス追加することでコストアップも懸念されたので採用されなかったでしょう。
その出力特性は、高速コースでは有利ですがスピードレンジの低いコースでは欠点といえるものだったでしょう。

その低速域を改善した諸元のチャンバーを新型に付けたら、どうだったでしょう。
トップエンドの伸びが無くなってしまいました。
おそらく低速トルク改善した新型のエンジンには旧型より高回転型の諸元に変更したチャンバーになっているはずです。
もう一度、ノーマルと試作1号の諸元を測ってみて導き出した更新型が左側です。

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低速トルクは可変ポートによって増加させ
中高速は排気バルブが全開になったタイミングに合わせたチャンバー諸元ということで

旧型よりエキパイとコンバー(収束)コーンを短縮した設定になっています。

ロードテストの結果、低速域も十分で
加速域からトップエンドまで強力な出力を体感できました。

しかしノーマルのチャンバーも凄くいいパワーが出ていて何も不満はない感じですが、社外チャンバーに取り換えたい人は何を求めているのか聞いてみたいところです。

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ロードテストはサイレンサーもセットで交換しましたが、ついでにノーマルチャンバーにSPLサイレンサーをつけるとどんなフィーリング
なのか走ってみました。
ノーマルと比較で変わらないかと想像していましたが、この組み合わせがハッキリと分かるくらいパワー感がありました。
もしかしたら、チャンバーの仕上がりはノーマル同等でサイレンサーの抵抗が違っているのかもしれません。
あくまで田舎B級だったテストライダーの感覚なので、幸運にもこのサイレンサーを付けた人だけが体感することができるでしょう。

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競技用部品なので騒音規定は満足しなければなりません。

2mMAX法で計測しました。

ノーマル 108.9 dB/A
    109.3 dB/A

SPL 109.7 dB/A
   110.8 dB/A

器差がありますのでノーマルとの比較で
殆ど差がないことがわかります。
計測は5回くらい測って最小と最大の数値を除外したものです。

全日本シーズンに向けて去年からオーダー受けていたので、なんとか間に合わせることができそうです。
4スト全盛の若手諸君には意味不明とは思いますが
70年代にモトクロッサーが市販化されて以来、エキスパンションチャンバーの取り回しは
シリンダーヘッドの上とガソリンタンクの下を通ってシートレールに沿ってテールパイプを後方に配管した形が定番でした。
とても理に叶ったレイアウトで横の張り出しが少ないレイアウトですから、転倒時のパイプへのダメージが少ないデザインであったと思います。
ところが88年に今まで見たことのないレイアウトのチャンバーを付けたモトクロッサーが発表されます。

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これが2輪史上初のローボーイと呼ばれたレイアウトのチャンバーです。
当該車両は89モデルですが
88モデルと同じ金型で製造された部品です。

これまでのアップタイプに比べると
車体の低い部分に横幅が広い形状であることが分かります。

このモデル以降、ホンダだけでなく他の全てのメーカーのモトクロッサーにローボーイが採用されていくことになります。

そのため多くのモトクロスライダーが転倒によるチャンバーの凹みという問題に悩まされることになるのでした。
では何故、これほど転倒によるダメージを避けられないデザインに移行したかというと、低重心化を実現するために、メインパイプを下げガソリンタンクを低い位置に下げる車体の設計をしたためです。
ただでさえロングストロークのサスペンションを備えた車体ですから運動性を上げるためにはマスの集中化が不可欠だったでしょう。マスの集中化⇒前後方向と上下方向、具体的にはリヤショックを中央よりに
タンク位置を下方へ、その結果排気系は下へと改変されたわけです。

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このチャンバーもお約束のように凹んでいますが
保管状態がよかったためか
殆ど腐食してなく板厚が完全に維持されていますので修理します。









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凹み直りました。

何回も公開してきたので
飽き飽きするので
修理工程は省きます。











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先週はこれに集中していました。
KX85チャンバーとサイレンサーです。

隣の県から電話でお問い合わせだったのですが、
「去年から通信販売は中止しました。来店のお客さん中心の業務になっております。」

レース用のチャンバーですからレース日程に合わせた納品ということも難しいということで
いつできるかわからないというお返事をしておいたのですが
そのお客さんは直接来店されて、2台分全額代金をお支払いの上、納期はこちらの都合でいつになっても構わないとおっしゃるので、逆にお断りする理由がなく
長期間代金をお預かりするわけにいかず、予定変更で製作実行に至ったものです。
今月中に新型投入予定のチャンバーに取り掛かりたいので、3月は全く日程に余裕がありません。

出ました、ハスラーシリーズ最大のシリンダー。
僕ら中学生のころのバイクですが、住んでいた地域では実車を見たことがなく
もちろん触ったり、乗ったりしたことないですが、250のかぼちゃシリンダーに対して
ハスヨンはスイカシリンダーと呼んでおりました。
加速は当時のナナハンを凌ぐと雑誌で読んだことがあります。

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きれいにレストアされています。
オフロード走らせないためか
タイヤもフラットトラック仕様になっています。

タンクはR・デコスタが乗ったRH72を模して
グラフィック作っているようです。

R・デコスタのRH72はバリー・シーンに譲渡されバリーが亡くなったあと未亡人がオークションに出品して別の人が所有しているそうです。


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でかいシリンダーですよね。
そのためヘッドとタンクのすき間がなく
ハスヨンのアップチャンバーは不可能なのであります。



そんで、オーナーさんのこだわりは
RH72風のダウンチャンバーというわけですが、400の型が無くて
以前作ったRH72のモディファイで模造しました。
性能は問わないと言われてましたので
十分なのではないかと思います。

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RH72風というからには
3か所のスプリングフックが付くのです。

エンジンケースのボルトとオイルドレンに
スプリングを引っかけるプレートを締め付けて引っ張っています。

テンションスプリングは全てスズキ純正で
72年当時のものが供給ありでした。






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オーナーさんこだわりの位置でマウンティングブラケット取り付け。

フレーム側にマウント増設してから
チャンバー側ステーの位置決めを行いました。

ブレーキケーブルとブレーキスイッチをギリギリ避ける絶妙の位置です。
ラバーマウントはワンオフです。




去年の7月ころから頼まれていたので
ようやく完了しました。

隣の空き地を駐車場として借りているのですが、地主が土地の境界にある塀を撤去して、新たにブロック塀を作る工事を発注してしまいました。
狭い敷地内に資材置き場として塀に沿ってスチール棚を置いて、雨に濡れないように屋根も設置してあったのを工事の妨げにならないように移動させられました。
丸一日掛かって物置の移動をやりましたが、ブロック塀が完成したら元の位置に戻さなければなりません。
年末の忙しい時期になんと迷惑なことか、当然、資材置き場の移動や復元に掛かる人件費はでません。
本気で隣の空き地を売りに出したいようなので、駐車場が無くなってしまうため預かり車両の保管場所も
縮小されることになるので、なるべく長く土地が売れないことを祈ります。(こんな場所買う人いるんかな)

357のチャンバーは見通しが立ったので、今度はサイレンサー作りです。

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スチールプレートのオーバルパイプを巻いて
パイプエンドの蓋をプレス成型しました。

ピッチリハマると気持ちイイです。



今回は2個取りになります。







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パンチングとジョイントパイプを接合して

オーバルパイプにグラスウールを巻いて差し込みします。


ジョイントパイプは車体レイアウトに合わせて微妙に曲げてあります。
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グラスウールを詰めたらパイプエンドを溶接します。

この溶接性のため嵌め合い部分をキッチリ作る必要があるのです。










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サイレンサー本体の組み立ては終わりました。

オーバルの上側に切り欠いた部分がありますが、取り付ける357のフレームがファクトリー仕様のため、リヤショックがレイダウンされています。
そのためリヤフレームに補強のガセットが増設されていて、それを避けるための切り欠き加工をしています。

なるべく見本に忠実に加工を行っています。


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マウントブラケット取り付けできました。


実は、このサイレンサー位置は満足でありません。

チャンバーテールパイプの向きがシビアなのでサイレンサーの取り付けも適切なポジションになりにくい為に
ラバーマウントステーも新造することにします。



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マウントステー2台分

フラットタイプがサイレンサー用
オフセットタイプがチャンバー用

マウントボルト2軸の締め付け面の高さが違ってきます。







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サイレンサー取り付け位置が満足でないというわけは、これです。

フェンダーに穴を開けてテールパイプを貫通させているのですが
リヤタイヤがボトム時にサイレンサー内側を擦ってしまうと思うのです。

オリジナルサイレンサーも形状に苦心の跡が見られたので、新たに作る場合は改善を試みることになります。




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新しいマウントステーにより
サイレンサーを左側に寄せて取り付けたので、タイヤクリアランスが3mm取れました。


これがオリジナルだと言い張っても誰にも分らないと思います。

長期滞留車が3台もあるのに、今年中に終わりそうなのは1台だけ
1週間掛かりきりで途中なのですが

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73、74年ころのCR250Rということですが、私は全然わかりません。

製造年が小学6年か中1の時代ですから
オートバイ雑誌初めて読んだのが中2のころなので知っているわけないです。
中2でようやくロードレースだのモトクロスだの競技名を知ったくらいで
2輪車の知識は殆どゼロだったのですね。

それから46,7年経ってパイプだけ作るという使命を預かるようになりました。
無限の協力メーカーで作ったと思われるパイプが見本なのですが、こんなレイアウトでOK出たのかな、という
形状なので悩みました。

シリンダーヘッドとパイプのすき間が僅かで口元引きに抜こうとしても無理でした。
しかたなくフランジボルトを外し無理やり取り外せた感じだったので、新たに作る場合は脱着性を考慮しなければなりません。

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なるほど、どうやってもこの展開図では
シリンダーヘッドが近くなってしまうのだなと思い、エキパイ部分のカーブで若干上方に
レイアウト変更してギリギリクリアした感じです。

それでも外すときは、この角度しか無理!という知恵の輪でしか外れません。







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サイレンサーの位置に自由度がないため

後ろ側も左右上下、がんじがらめになって
クリアできる奇跡のレイアウトでした。

大体、ヤマハやスズキも当時のアップチャンバーはすき間1mmのがんじがらめばっかりなので、レイアウト検討鍛えあげられているのですね。

このあとサイレンサーもレプリカ作って
さらにもう1台分作るので、年末まで掛かることは想像できるでしょう。



今日はMCFAJ最終戦。「今年のマシンは今年の内に」実行するため10月から3連戦やってきました。
1日4ヒート出走は若いころでもやってない挑戦。本当は2ヒートで十分なんですが3ヒート目に疲労がピークに達し、4ヒート目は何も残ってない感じです。
来年はどうするか全く考えてないですが、人間は苦しかったことを忘れる生き物なので、またやるかもしれません。
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前日にバッフルの仕様を変えて騒音計測したチタンサイレンサー

計測結果は最大で111.9dBでした。
2mMAX法で何度か測りましたが
全部これ以下の数値です。
規定上限ギリギリという、これ以上望めない
消音性能が実現できたので満足です。

また、ステンメッシュを外したので、アフターバーンがでます。
アウターバーンのときは完全に騒音オーバーするのですが
アフターバーンが出ないアクセルの開け方を試しました。
このマシンはFCRキャブレターなので加速ポンプ付きです。
そのためアクセル急開したときに燃料がリッチになり、燃え残った燃料がマフラー内で着火するのがアフターバーンです。
これを起こさないアクセルの開け方は、エンジン回転を緩やかに上昇させ全開にすることです。

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昼休みの語らい

ビッグネームの人たちと同じレースを走るので光栄なんですが、
速さが違い過ぎるので
もう一クラス設けて、別のレースで走った方がいいと思うのですが台数が増えないので
しょうがないですね。

最終戦の成績は150が5位、6位で総合6位
フルサイズは11位、16位の総合14位
後半に向かって疲れて成績が悪い傾向がありますね。
また鍛えなおさなくては。


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今日は快晴で風も穏やか、いつもこんな状態ならレースも楽しいですね。

コースは全日本翌週ですが、ジャンプを低く削ってあって危なくないのでオジサンには優しいです。

なにより福本さんが熱心にコース整備していただいたお陰で安全に快適なモトクロスができました。

政府は,、あと10年でガソリンエンジン車の販売禁止することをを発表しておりますが10年後のモータースポーツは今までどおり継続することができるのか、
動向を見守ると同時に
終焉が訪れるとしても自分たちが生きてきた証として最後まで走り続けてきたいと思います。


組みあがったサイレンサーの音量計測と実走確認してきました。

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完成品の重量は1.4kg
最も軽い4ストローク用サイレンサー
・・ではないだろうか。














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コールド・スタートなので、5分ほど暖気運転してから騒音計測します。

2mMAXで106.1dBでした。
規定は112dBなので、かなり余裕があります。

これはスパークアレスターの効果ですね。
ステンメッシュが火炎の温度を奪うので
サイレンサー出口でアフターファイヤーが起こらないことが、騒音低減に起因すると考えられます。

アイドリング時、ノーマルより抵抗がある感じがしましたが、アクセル開けていくと十分な加速が得られたので、パワーフィーリングは思ったより悪くないです。ジャンプの飛距離や加速感に問題はなかったのでOKですが
バッフルをもう少し拡大してもいいかもしれません。

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バッフルを交換するのにリベットを外して
リヤパイプを抜く必要があるので
レース前日にバッフル拡大したもので再確認してみたいと思います。

今年のクラブマンMXはコロナ禍のため4,5月の大会が中止され、代替大会のため12月に1戦残っています。僕は活動休止しておりましたが10月から復帰して最終戦もエントリーの予定です。
今年中の予定で150用マフラーを更新することにしていたのですが、なんと最終レースに間に合いそうな感じです。
モトクロスは高齢化による体力低下を防止するためであり、若手のレーサーと違い、レース結果は練習の成果を見る意味でしかありません。それと同時に自分で作った快音が響かせられるかどうかが重要なファクターなので
マフラー作ったら効果確認するために走らせます。

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里帰りから戻って、仕入れておいた材料でコツコツと作り始め、サイレンサー本体の加工が終わりました。

来週、注文してあるマウントステーのレーザー加工とグラスウールが入荷すれば溶接、組み立てして完成となります。


ウイークデーに事前練習行って、詳細はその後に投稿します。




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騒音対策にスパークアレスター付きです。

もちろん外せますけど、間違いなく騒音オーバーになると思いますので
この仕様で計測して、パワーフィーリングの兼ね合いで決めたいと思います。


実際は来週一回しか日程がとれないので
このままになるでしょう。

重量はグラスウールとマウントステーなしで
800gです。クラス最軽量かもしれません。
チタンはアルミより比重が高いですが強度があるので板厚を薄くして軽さと強度をだせるのです。
欠点といえば材料代が高価なことくらいです。

快晴の土曜日、河原に音量計測しにいきました。

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2mMAXに準じて騒音計を設置し
3分ほどの暖気運転の後計測です。

チタン製とノーマルの比較ですが
MAPの1と2における相違もわかりました。

チタンMAP1  105.1ー111.9
  MAP2  111.2?112.7

ノーマルMAP1  104.9?110.7
   MAP2  110.1?110.5

スケールdB/A MAXホールドです。

ノーマルは規定値112より2dBほど余裕があります。
チタン製は大体1dB上がりましたが規定値内でした。(合格)
繰り返し計測行っていくと、段々数値が上がってきます。チタンのMAP2では0.7オーバーも出ましたが
レギュレーションでは3回計測で2回オーバーまで猶予するので問題ないです。
また、走行直後の計測は2dBオーバーまで猶予する。
そして、器差を考慮し、読み取り値に対し?1で判断する規定なので、自主計測ではOKと判断します。

問題は翌日MX408で計測を受けるのでどうなるか。

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ちなみにエキパイは自家製の手曲げチタンパイプを使用しております。

性能はどうなんだ?ときどき聞かれますが
私くらいの腕ではノーマルと比較して
デメリットは全く感じておりません。

それよりKTM純正部品も高額なので
無傷のまま残しておくということが主な目的です。





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MX408は112dBオーバーの車両は走行をお断りするという注意事項がありますから
一応従う姿勢で計測してもらいました。

うちの騒音計より若干厳しめか、走行後(朝機材の保管場所がわからず)
計測のためかギリギリでクリアできました。

これで目標達成、今年のモデルは今年のうちに、シーズン終盤でようやく完了です。

これ作るのに1週間は仕事止まる感じなんで、時間余裕のない私にはなかなか実行できなかったんです。



チタンステーはレーザー加工で切り出してもらいました。
鉄やアルミは切削で作りますが、チタンは難削材なので外注です。
材料はこちらで支給ですが、加工賃は安価にできます。

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SP(スチールプレート)でゲージ作って
図面に反映します。

曲げ角度も4枚共、微妙な曲げなので
一枚ずつ現物合わせで曲げる必要があります。









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ついでに折り曲げベンダー作って
チタンプレートを曲げます。

油圧プレスなので簡単に折り曲げできます。
90度以内と鋭角用のV溝に押し込む方法です。

実際にフレームに取り付けないと
サイレンサーとの合わせ面がわからないので2,3回微調整する必要がありました。

なかなか図面化できない工程です。


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車体に取り付けてステー溶接です。
特殊なサイドカバー形状なので
仮止めがやりにくいですね。

マウントラバーとサイドカラーは純正の部品を使用します。

確実な固定と振動対策のため、強度的なクオリティーを満足させます。





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取り外してマウントステー本溶接して
加工完了です。

今日はグラスウールも入荷したので
組み立ても完了しました。
グラスウールは社外汎用品では消音性能や耐久性が満足できないので
値段は張りますがレース用の専用品を取り寄せています。






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フルパワーだとサウンド・オブ・サンダーなので、インナーバッフルで音圧調整しました。

なかなかいい音になったので、週末天気がよくなったら音量計測してみます。

目標はMX408の計測をパスすることです。

サイレンサー重量

ノーマル 2.6kg
チタン  1.8kg
高価な材料代払った結果です。

スパークアレスター装着により消音させているサイレンサーもありますが
あからさまにパワーダウンした感じを避けるために
このサイレンサーにはスパークアレスターは装着しておりません。別の方法で音圧調整してあるので
実走と音量計測、週末が楽しみです。








今年のモデルは今年の内に、10月になってやり始めました。
実は今年のレースは一発も走っていなくて、このままは走らず仕舞いかと思いましたが
ようやく重い腰を上げて始動したのには訳があります。
慢性的な腰痛で、体力に自信が無くなりモトクロスする気分でなかったのですが
朝晩、ヨガのストレッチで、かなり背中の柔軟性が出てきて、もうすぐ180°開脚までいきそうなので
そろそろレース走ってみようかなと思ってMCFAJのモトクロス、150とフルサイズのダブルエントリー(4ヒート)したところ、今週末は台風の影響でマディー確実ではないですか。

150のレースは8年ぶりになりますが、エンジン・リニューアルしたことと、150乗った方が体が動くので
フルサイズのレース前に準備運動になる気がします。
MC出始めのころは30代だったので、ダブルエントリーしてましたが、4ヒート出走するのはたぶん20年ぶりなんで、どうなることやら。


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KTM350用リヤパイプ

今回はフルチタンにしてみました。
新規デザインのヘキサゴン断面です。

チタンの厚板をマウント・ステーにするため
板金屋さんにワイヤーカット外注しています。

ウチの切断機ではチタンのカットが困難なので精密に切ってもらうため、外注です。
切断形状と曲げ角度はこちらで図面描く必要があります。
寸法違ったら取りつかないことになります。


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今回はステンバンドも外注しました。

リベットの穴位置を決めて0.6mmステンレス板からレーザーで切り出してもらいました。

ステンバンドをしっかりとサイレンサーボディに巻き付けて穴位置を罫書き、リベット穴を開ける方法を採りました。

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ステーの製作待ちですが
今週末のレースに使う予定ではないので
余裕をもって進めたいと思います。

シェイクダウンはドライコンディションでやりたいですからね。



途中経過なので
詳細は次回にします。

業務連絡、進捗状況説明のため、画像を載せています。(お客さん了承済み)

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ステンレス板を巻いて、パイプ溶接できました。

この形状を得るために新規に型作成したので、5日掛かりですが

サイレンサーまで作りますので
あと3日くらいですね。
新造はなかなか進まないのです。






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まだテールパイプもマウント・ステーも付いていません。

車体との位置関係を確認しています。
問題なければ月曜日からサイレンサー作り
始めます。



予約がたくさん控えていますので
早く完成させたい。

                   


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チャンバーのマウントステー装着と
サイレンサー製作完了しました。

車体が小さいので
KDX125SRのラインナップ品と比較して
車体が小さいため、テールパイプとサイレンサーが短くしてあります。
スペック絡みではないです。
サイレンサーエンドをタイヤエンドから突き出ないための寸法です。

排気の抵抗が若干下がるのではないでしょうか。


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これでフルエキ完成です。

ちょっと雨降ってきたので
後でエンジン掛けてみましょう。




           

 





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エンジンはノーマルのようですが
キャブレターはPWK30に交換されており
レイアウト上エアクリーナーは付けられないのでショートファンネルにステンメッシュのカバーという吸気系です。
オイルは分離給油なので
冷間始動は白煙がモウモウ出てきて
屋外でないと始動できません。

3分ほどブリッピングして白煙が消えてきたら暖気運転完了です。
後付けの水温計が役に立ちます。

騒音はトレールバイク並み、ステンレスの響きはありますが静かです。
走り出すと低速も普通にあるので
発進に神経は使いません。
KR150RRより低速域が扱い易い印象です。
チョットアクセル開けていくと中速からハッキリとパワーが立ち上がってくる。(KIPSの効果か)
そのままフラットに高速域まで吹けあがっていくので、乗り易く十分なパワー感じます。
12インチホイールなのでコーナリングは唐突な動きに気をつければ安全でしょう。

小さい車体で1クラス上の動力性能、そのままの感想です。
なんといっても、このユニークなスタイリング、面白いではないですか。












 

最近の改造車の傾向は125クラスの車体に250のエンジンを換装することが多いです。
今回はさらに小さい80クラスの車体に125のエンジンですから、補器類はかなり狭いスペースに
押し込まれることになります。

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エンジンマウントに苦心の跡が見られますが、言われなければ分からないくらい違和感のないKDX125エンジンに換装されています。

敢えて小さい車体に載せるメリットはなんでしょうか。フレームの剛性やサスペンション性能、バンク角など幾つかの犠牲はあると思いますが
レジャーバイクに一クラス上の動力性能。
これに尽きるではないでしょうか。
KDX125ノーマルより軽い車体に機動性というテーマだと思いますが
この車体専用のワンオフ・チャンバーが必要だったということです。

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お客さんの注文で、ステンレス製にすることにしました。

エキパイ部分をトレールバイクの型を流用してステンレス板の膨らましで製作しました。

小さい車体なのでパイプ前半で距離をかせいでおきたかったのです。







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パイプ後半の部分は形状を検討しなければなりません。

製作に必要な展開図を得るため
手計算で描いた図面に基づいて、鉄板でパイプの模型を作ってレイアウト検討します。

地上高が低いため極力フレームに近づけた
位置にしようと思います。

最近はPC上で展開ソフトを使って作図するみたいですが、僕は30年前から作っているので、紙と鉛筆があれば作図できますので
ソフトウエアいらないです。(時代遅れ)

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展開図作成できました。

これをステンレス板に罫書いて
板金ハサミで切り出し、手で巻いて作ります。

ステンレス板は鉄板より硬いので
切ったり巻いたりするのに2倍の労力を要しますので、製作費もスチール製の2倍ということにしています。

ワンオフの場合は型代別途一万円。




2ストトレール車のエンジンを125クラスのロードバイクに換装した場合、販売されている車種の
チャンバーを流用することは不可能ですが、切った張ったで改造して取り付けておられるのを見かけます。
当然そのエンジンのスペックには合ってないはずですが、それでも取り付いて走ってしまうのが
面白いですね。
どうせ作るなら、そのエンジンに合ったスペックのチャンバーにすれば本来のエンジンキャラクターを
発揮できると思うのですが、今回の場合はどおでしょう。

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125オンロードバイクの車体はコンパクトですから、200クラスのシングルエンジン用チャンバーでは長すぎて、通常のダウンチャンバー形状では収まりません。

そこでエキパイ部分をクネクネとカーブをつけて距離を稼ぎ、小さい車体に納めるのです。

チャンバーのスペックは、そのエンジン専用の寸法で形状を車体に合わせて取り回ししますが
一発で形状決まることはありません。
エキパイ形状を変えて何回か仮組みして検討したのちに決めています。


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チャンバーの形状はサイレンサーをどの位置に持ってくるかで違ってくるので

サイレンサーも作っておいて実際に取り付けてみないとわかりません。

なるべくフレームからはみ出さない形状で
パイプのスペックを守りながら、このような形状になりましたが
改造車ですから、ダウンチューブの前にマウントされたラジエターや
ブレーキペダル、リヤフォークなどのクリアランスを適切にしなければならないので、エンジンは同じでもエキパイの形状は毎回違う物になります。

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サイレンサーはお客さんの要望でカーボンパイプにしました。
通常のアルミパイプに比べて、材料代6千円だけ高く1.8万円。

パイプエンドが、これも特注で外径の太いものにしてあります。
中身はテールパイプに合わせた内径なので
ノイズはそれほど大きいものではありません。


一旦出来上がったチャンバーでしたが、2本共エキパイ部分から切り落としてやり直ししました。

ここまで2週間も費やしたのですが6月初旬から実家で1週間も片付け作業していたこともあり、
今月の売り上げは5千円しかありません。(マフラー修理一件)
幸いなことに、コロナ対策の特別給付金と四国電力株の配当で最低限の支払いはできました。

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気を取り直して

やり直す羽目に至ったのは
右側に分離給油のオイルタンクが付いていて、それを避けるデザインのパイプを作ったのですが、張り出しが大きく出来上がってから却下しました。

これはTC250のモトクロッサー化のための
キットパーツだったはずなので
混合ガソリンに分離給油のオイルタンクは
必要ないだろ、
後で気が付いたのでした。
事前打ち合わせに一切出てこなかったのですが、当たり前のことなので敢えて言われなかったのでしょう。
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前回作ったヒートガード取り付け用の溶接治具はそのまま使用して
溶接ナット作りました。











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左側パイプも取り付きました。

大体左右対称の形状です。
本物の形状は見たこともないので

取説の写真だけで想像した形なので
正式には分かりません。
(たぶん日本中に居ないと思うので、これがオリジナルと言い張ればよいのです)






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本当はヒートガードも専用デザインにすれば
もっとスリムな形状に出来るのですが

マニュアルの画像がノーマルのヒートガード付ける指示になっているので、それを遵守した格好です。









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一か所だけ遵守してないところが、ココです。
エキパイの口元はネジで固定されているのですが、
ネジを外さないでパイプを差し込んだ構造に改造しています。
シリンダーのネジ山が崩れかけていたので
何度も脱着しない方が安全だと考えました。
密着の悪いフランジより気密性はよいと思います。




悪戦苦闘のTC250チャンバー一件落着、
明日から次の予定に掛かります。

遠方からのお預かり車両、置き場所にも限りがあり、次の車体の持ち込みをお待ちいただいておりますので早急に進めさせていただきます。


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このとおりツインエンジンなので
デュアル・エキゾーストです。

GT250はダウンマフラーだったので
このレイアウトは初めてみました。

フランジはシリンダーにねじ込み式のものなので、支給いただいたノーマルのフランジを使います。






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マニュアルもお借りしてあるのですが
モトクロッサーに改造するための
ポート拡大やヘッド面研の数値、
フレームの補強パッチの入れ方など
書かれているのですが

マフラーはオプションのキットパーツに取り換えることになっているのですが
そのキットパーツのマフラーが世界中に残ってないということで

新造することにしました。
印刷された画像一枚しかないので
全体的に憶測で作ります。


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まず右側のチャンバーから作ってみます。

マニュアルの画像と見比べながら
こんな感じだっただろう、みたいな方法で
パイプを作っていきます。

右側は、テールパイプとマウントステー付けて、ノーマルのヒートガードを付ける溶接ナットを作れば完了なので
左側チャンバーは対称の形状でいけると思います。



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曲げパイプ素材はこれだけです。

切断位置でパイプ径、長さが決まりますので車体取り回しに影響がでる部分です。

右側で出来ているので左側も問題ないでしょう。










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  ヒートガードの溶接治具です。

 溶接ナットの位置や傾きがあるため
4か所のネジは3次元で捉えなければ取り付きません。







コロナ禍の影響ではないと思いますが、4月のマフラー関係注文数が例年より多いです。
全部完成するまで2か月以上かかりますので、GW中ですが休まず仕事です。

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この車体を見て車種を当てられる人は
オフロードバイク・エンスーですね。

車体は2世代前のCRF450Rで
エンジンはCRM250ARに換装されています。
このアッセンブリーには関わっておりませんので説明はいたしません。
ただこれにフィットできるチャンバーがないので、ワンオフ製作してほしいという依頼です。


ではCRM250AR改チャンバーの作り方をダイジェストでお見せします。

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CRM250R用のパイプを作ります。

取り回し可能かどうか、これを使ってレイアウト検討します。
私の憶測ですが、このままのカーブで取り付くのではないかと思います。

違っていれば作り直せばいいのです。







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フランジはオーナーさんが取り付けたものがありましたので、
これに合わせて口元設計しました。

D断面のOリングはCR250Rの最終型と思います。
付属部品は廃番になってない純正部品がいいでしょう。








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エキパイは口元から先に位置決めしていきます。

ガムテープでパイプの接合位置を決めてから溶接していきます。









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パイプを取回す最終段階は
サイレンサーのジョイントとテールパイプの位置を合わせることです。

この車体にはCR250RのUSサイレンサーが取り付いているので、それに合わせてテールパイプの位置を決めます。








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サイレンサージョイントは振動で広がってしまうので、テールパイプ側を2重にしてバックアップしています。











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CRFのフレームなので、サイレンサーのフロント・マウントがサブフレーム下側にあります。
ラバーマウント・ステーはCRM250用のままです。









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ミドルマウント・ステーも取り付き
チャンバーの製作はこれで完了ですが
ラインナップ品のチャンバーを流用しているため隙間関係はギリギリになってしまいました。
ラジエターシュラウドの下とオイルポンプ・カバーの上が1mmも空いていません。

走行に支障ないと思いますが十分な隙間を持たせるためには専用のデザインが必要でしょう。




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レーサーならRCバルブ付きCR250エンジンがいいと思いますが、これはトレールモデルCRM250だということを考えると
もし2ストモデルの生産が続行されていたならこのようなニューモデルになっていたかもしれないという架空のマシンを、このオーナーさんが作ったと言えるでしょう。

日銀は金融緩和で80兆円が国債買取り上限のところ、制限なしに買い取るように決定しました。
国債を買い取るという行為は銀行券を印刷して政府の口座に振り込むということです。(金融素人なんで
違ってたらスミマセン)
お札を大量に増やすと貨幣の価値が下がりますね。それがインフレを生むわけですが、労働者の給料が変わらないで(不況で下がると思いますが)貨幣価値が下落なら物価が上がるに等しくなります。
商品の値上げなしに原材料の価格が上げっていくので、私のような製造業にとっては明るくないですね。10万円給付よりはるかに大きい金額の損失が出ると予想しています。
(休業要請よりはマシと捉える)
だから給付金の出し方に反対です。

サイレンサーの中身はどうなっているでしょう。完成図しかお見せしてないので
途中工程は秘密でないので、参考までに公開します。

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サイレンサーエンドはビレットです。

丸棒からオーバル形状に削って
裏返して中グリもこのとおりです。

強度が必要な部分なので
板物より肉厚に加工する目的です。









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板金して作ったエンドパイプと丁度いいキツさではまるように寸法を調節しています。

分解組立てのしやすさと気密性を両立させた形です。










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ポジショナーで固定して本溶接します。

ターンテーブルを傾けているのは
溶接作業者の体型に合わせて床に腰かけた高さで無理のない溶接姿勢を保つためです。










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インナーパイプをアルミ化するには板厚を厚くしないと強度的に問題があります。

そのためインナーパイプはステンレスの
パンチングメタルを巻いて溶接します。

実は穴空きの0.8mmステンレス板を突合せ溶接するのが一番嫌いです。

気を付けて溶接しないと酸化クロムになったり、溶けすぎて穴が広がったりで、難しいのです。
これはまあまあ上手くいきました。


IMG_0642.JPGエンドパイプは研磨して溶接ビード消してしまいます。

見えなくなる部分ですが均一に溶接することに努めます。

その他はバフ研磨で艶出しています。









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これはRMX250S用のマウントステーですが
ノーマルのグロメットを使いますので
特殊な形状のステーです。

中々手間が掛かりますが最後の溶接個所なので集中力をきらさないようにしています。







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このサイレンサーまで4月中に完了する予定でしたので
日曜も休まず進めてきたおかげで間に合いました。

明日出荷です。







5月は製作業務以外の仕事が多くて、かなり中断すると思います。(近況は追々公開予定です)

75年型といえば私は中学生でしたから、この車体は初めて見ます。
初めて見る車体にチャンバーを新造するという、ご注文です。

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困ったことにノーマルチャンバーが取り付かない車体で、純正マフラーの取り付け状態を
確認することができません。

この年式のシリンダーヘッドは
アップチャンバーを取回すため
ヘッドの冷却フィン右側が削除されたデザインになっているはずですが

この車体はシリンダーヘッドの冷却フィンは切り欠かれていないため
チャンバーを通す隙間がありません。



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このとおりタンクとフ冷却フィンの隙間がありません。
Φ90のパイプが当たるほどの狭さなので
パイプの上下を潰して通しましたが
これで隙間限界でしょう。

「冷却フィンを削らないで」という依頼者からのご注文なので仕方ないでしょう。







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しかもサイレンサーをマウントするステーが
フレーム側には存在しません。

ノーマルがどのように取り付いていたか確認できない以上、自分で決めさせていただくことにしました。

フレームが綺麗に塗装済みのため
ステーの増設はしないで
2か所のバンドに溶接ナット付けて、テールパイプとサイレンサーを固定してテールの動揺を抑えました。
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サイレンサーはノーマルが付くようにしました。

リヤショックを避けるために極小RのS字テールパイプになっています。

これに合わせてオリジナルサイレンサーを作ります。






以上業務連絡でした。
3月中の完成に余裕をもって進行中です。
ワンオフ製作ですが、滅多に作らないチタンサイレンサーです。
廉価な製品作りが売りの当店では材料代が高価なので単価が安く抑えられませんので
ラインナップに加える予定はありません。

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チタン板厚1mmなので固いです。

ロールベンダーで巻くことは不可能でした。
途中までは曲がりますが
接合面が当たるまでいきませんでしたので
結局、ハンドパワーで丸くしました。

大体フライパン折り曲げるくらいの固さを想像してください。

接合面が合えば、シールドガス流しながら
TIGでナメ付けです。




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パイプ径φ65
パイプ長280mm
ジョイント部内径φ25.4
エンドパイプ径φ31.8
重量620g
価格 ASK

主なスペックです。


取り付けバンドはお客さんの車両についているので省きました。





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フロントキャップはアルミです。

ジョイント部ネジを締めて、ロックする方式です。


テンションスプリング式だと振動でパイプが広がってしまったりするので
締め付けた方が良好なジョイントになります。






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パイプエンド部カール加工しました。

エンドキャップとも金型製作してからの成形で、しかも注文数1個ですから利益少ないですね。(だから滅多にやらない)

実はKRRのチャンバー頼まれたついでなのですが、こちらの方が大変でした。









92年限りでモトクロスに区切りをつけていた自分ですが、96年からミニモト乗り始めてから
モトクロッサー手に入れる度に欠かさない伝統があります。
乗っている全てのマシンにオリジナルパイプを作って乗ってきたことです。
それは自分の乏しい技術と限られた資金で何ができるかという検証のためであったり、
誰からも教わったことのないパイプ作りの考案であったりするわけです。
そして2020年モデルもオリジナルパイプの製作を行いました。

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パイプベンダーはありませんので
チタンパイプ手曲げです。

画像は失敗の曲げです。
炙り過ぎてパイプが潰れてしまったので
使えません。
大体ひと曲げ失敗すると5千円くらい材料を捨ててしまうので
失敗する度に損失がでます。

なのでやり直すときは集中力がアップして
真剣になります。(そりゃそうだ)




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チタンパイプはバックシールドしながら溶接します。
パイプの内側が酸化してしまうのを防ぐ目的ですが
シールドされてないと曲げ加工するときに割れてしまいますが、シールドが健全に行われると材料が伸びても割れずに加工できます。








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パイプの口元とジョイント部は潰れないように2重板にして耐久性を確保しました。

レゾネーターはノーマルパイプに倣って同様の容積のサブ・チャンバーを取り付けました。










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口元はエキゾーストフランジのテーパーに食い込む形で組み付けるるのですが
二重パイプでバックアップしておかないと
排気熱でチタンが柔らかくなっている状態で
テンションスプリングの力で口元が潰れていくので、それを防止する構造にしています。










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材料代が高価なので販売はできません。
KTMのパワーパーツなどで注文していただいた方が楽だと思います。

私は製造者の宿命なので、自作してみただけです。





ファクトリー・パイプには不定期ですが、続編が公開されると思います。


トレール車のDT230は扱った実績がありませんので、チャンバーのラインナップにもありませんが
半年前からご依頼の改造車のDT230用チャンバーを作る順番がきましたので実行しました。

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先ず、大きなラジエターが付いていますが
明かにフロントフェンダーがラジエターコアに衝突すると思い
フロントフェンダーの位置をタイヤとスレスレに近く付け直し
下側のホースを切り詰めてラジエターをフレーム側に寄せました。

これでフロントフォークのトップキャップを外してフルボムさせてフェンダーとラジエターに隙間があることを確認しました。

エキパイの正面にラジエターがあるのでエキパイを前側に出すことはできません。


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この車体最大の特徴はリヤフォークがガルアームに換装されていることです。

そのためかサイレンサーを止める位置が高くなっているので、チャンバーを後ろ上がりにすることにしました。
折角のガルアームなので、そのスペースを活用したのですが
リヤサスのリンクがフレーム真下に存在するので、チャンバーを内側に追い込むことはできませんでした。




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RZ125の車体ならタンデムステップのブラケットに倣ってサイレンサーを取り付けるのですが
この車体にはタンデムステップは廃止されています。
そのためチャンバー・ミドルマウントはステップブラケット下側に
サイレンサーはシートレールからステー増設で取り付けてあります。

試乗はしてませんが2スト230ですから
相当速いバイクのような気がします。
シングルなので運動性も250ツインより上でしょう。
ブレンボの前後キャリパーがスピードに見合った制動力を発揮してくれると思います。
どうぞご安全にお乗りください。


2年前に製作したRH72のアップチャンバーを更新しました。
前回はオリジナルのダウンチャンバーを採寸してアップタイプに形状変更したものでしたが
今回キャブレターやエンジン関係のモディファイが加わり、さらにパワーアップを求められたのでした。

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手前がモディファイ品

エキパイ長やパイプ全長に変更を加えました。
推定の仕様変更なので
パワー特性は実走して確認したいと思います。









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近所のテストロードへもってきました。

サスペンションが変わっていて車高が現行車並みに高いです。全く足届かないので
プラットホームからスタートします。

ダートでなくアスファルト路面で走ることによってチャンバー交換したときのフィーリングがつかみやすいのです。

エンジンかけて暖気運転しますが空冷の250ccはいままで体感したことのない(初めて乗った250は既に水冷でした)振動とノイズで緊張感は現行車以上です。
ブロックタイヤはあっさりグリップを失うので
ゆっくりスタートして、アクセルレスポンス確かめながら全開。
両側フェンスの道路なので直線安心して飛ばせます。
前回のとモディファイ品、両方乗ってみましたが結構違ったフィーリングであることがわかりました。
どちらも中速から高速まで息つきすることなく加速していきますが、前回の方がマイルドな感じで
モディファイ品の方が急激な加速をします。高回転は同じような伸びですがレブ特性は悪くないです。

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コース設定にもよると思いますが
関東のMXコースでは最高速は必要ないので、中間の加速を使って走るとペースアップできそうです。
振動が多いので、ブーツ履いていても足に伝わってくるバイブレーションで心配になってくる感じはありますが
アクセル開けていくと、エンジン振動だけでない車体の揺れが発生して、ステアリングのジオメトリーかフレームの剛性のためか
原因はわかりませんが、パワーを掛けたときに起こる車体の捻じれだろうと推察します。(とにかく恐ろしい)
他のどのモトクロッサーとも違う感覚で
乘りなれてないうちは怖い感じがします。

サスペンション強化されているので、現行車と張り合ってみたくなる性能は出ているかと思いました。



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年代を感じさせるエンジン形状、フレームの構成ですが、しっかりと戦闘力も持たせてあって、旧車なのに新鮮な感じがします。

依頼主さんは70年代のエキスパートジュニアチャンピオンの経歴をもっておられて
70歳をすぎてもMXレースに挑戦されている姿勢を見習わなくてはなりません。

車体があるうちに、もう1本チャンバー作っておきました。

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パイプの輪切りを一か所省略して
ノーマル風に加工しました。

前回のチャンバーも同様に加工やり直します。










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今回の注文はツインショックYZのエキスパートの人なので、サイレンサーの部材だけほしいということです。

ノーマルはテールパイプの内側にオフセットした取り付け構造になっているので
中身はこのように斜めにパンチング・パイプが通った形になります。








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曲げたテールパイプも支給します。
破損したノーマルチャンバーに移植するための部材です。













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ノーマル形状を踏襲したスペシャル・パイプです。

純正廃番になってもリプレイス可能です。












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サイレンサー後部にマフラーダンパーで吊り下げるのがノーマルの止め方のようなので
同様に取り付けたいと思います。

ビンテージバイクはオリジナルに拘ることに価値があるのですね。










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前回のサイレンサーは内側にオフセットされていますが、今度はテールパイプがセンターに差し込まれています。

後ろ側をマフラーダンパーを介して取り付けた形です。
ノーマルの取り付けがこのようになっていたことが後で判明しました。







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そして、ノーマルには無いのですが
このフレームにはダウンチューブにマウントブラケットが装着されていましたので
これを利用してマウントステーを追加しました。

紆余曲折しましたが、SPLチャンバーはこれにて完了とします。



オリジナル製作の前にサイレンサーを模倣して作っておきます。

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上はノーマルサイレンサー。

インナーパイプが壊れていたので
修理して、グラスウールをリパックしてあります。

したが模倣して作ったもの
極力似た形に仕上げてあります。

割り締めのバンドは新作しました。






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修理したテールパイプに取り付け確認です。

小さいのでサイレンサー本体のステーはありません。

バンドとテンションスプリングで脱落を防ぎます。

簡単な構造ですが、蓋の成形には金型製作が必要で、丸一日掛かりました。




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さて、ノーマルチャンバーを採寸して

エキパイと楕円パイプ作りました。
特に考えはありません。
当時ものをリプレイスする目的なので
同寸であれば性能も変わらないと思っています。








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仮組して取り付けレイアウトを確認します。

意外と左右、上下に隙間がなく雁字搦めな位置決めですが
ノーマル形状なので、やり直しすることなく
クリアできました。

当時はダウンチャンバー時代から
アップチャンバーに移行した最初のモデルが、このYZ250だったと思います。
この後の他メーカーも同様なレイアウトになっていきました。



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これでノーマルチャンバーとサイレンサーのリプレイス品製作完了なのですが

フレームに一か所マウントステー追加するのかしないのか、
ノーマルはテールパイプのマウントだけなので振動が集中して亀裂が入っていたことから、もう一か所止めると安全になると思うのですが
要検討です。
国内に動く車体は5台しかないという73年型、ヤマハとして最初のトレールバイクDT1と同じエンジンを搭載したレーサーモデルYZ250。
ツインショックのYZ250は1年しか生産されなかったことが個体数の少ない理由の一つと言われています。74年型からリヤサスはカンチレバー式に変更されていました。

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チャンバー修理のため取り外しています。

損傷はありますが十分原型を留めたノーマルチャンバーとアメリカのビルダーが製作したスペシャルパイプと2種類あるのですが

ノーマルチャンバーは廃番でアメリカのビルダーさんが高齢のため廃業されたため入手不可能になったものをオリジナル製作の予定です。






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上がスペシャルパイプ
下がヤマハ純正

タンク下を通るパイプの胴体の縦幅が狭くなった楕円断面であることが特徴です。










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まずはノーマルチャンバーの損傷部分を取り替えるためエキパイ新作しました。

この後はサクサクと進行していくと思います。











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テールパイプ
上がノーマル
下は新たに曲げたパイプ。

このように滑らかなカーブの方がよろしいんではないか。









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エキパイを繋ぎました。

まあまあ、ノーマルを再現できたのではないかと思います。

このチャンバーはフレームにどこもマウンティングされません。
フレーム・メインパイプからスプリングで吊り下げるだけのようです。

初期のトレールバイクだから大胆な発想です。



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テールパイプも繋いでみましたが
サイレンサーがちょっと上向きですね。
これはやり直しします。

しかし、この形状ではテールパイプを固定する場所がありません。
ショックのアッパー・マウントを利用すると思いますが
明日レースなので、今日はここまで
月曜から続きをやります。







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雨のオフビ、泪雨。
ヴィンテージバイク走れそうなコンディションではなかったので早々にリタイヤ届して
本戦のSEクラスだけ走っておきました。

両ヒートとも苦手な場所で転倒してしまい
リザルトは見てないですが不完全燃焼ながら、課題は見えてきました。
今年最終レースなので、また来年に向けて
トレーニングに励みたいと思います。






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さて月曜になり、泥汚れの後片付けを済ませたら、チャンバー修理の続きです。


テールパイプ曲げ直して
リヤショックマウントにステーを取り付けました。

修理の方はこれで完了ですかね。


サイレンサーも同様の寸法でリプレイス品作る予定です。



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エキパイ移植状態

大体ノーマル形状再現できました。

同じ形状で、次回全体のリプレイス品を製作する予定です。

前回エンジンマウントやり直したKDX125車体の200エンジン用チャンバーの製作です。

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この車体に取り付くチャンバーの型は存在しないので、一品製作です。

過去にKDX200ノーマル車体に取り付くチャンバーは2回ほど作ったことがあることが分かりましたが
資料が殆ど残っていなく、手探りで形状を決めることになりました。

3日ほど取り付け不可能なパイプを試作しては、やり直すこと5回くらい繰り返して
まあまあ取り付くであろう形状のパイプができました。
ラインナップ品ならこの作業は必要ないので
一品製作する場合は作業時間が計画できないので、納期を質問されても「やってみないとわかりません」と答えるしかありません。

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作ったパイプを全部繋ぎましたが
この状態でないと取り付けレイアウトの正確な位置はわからないのです。

下に置かれているのは取り付け不能だった
パイプの残骸です。
全部スクラップになります。









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マウントステー類が取り付けば
最後に耐熱クリア塗装で出荷状態になります。

錆止めが目的なので、ラベンの缶スプレーですが無料でサービスしています。









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車体取り付け状態です。

サイレンサーは社外品に合わせて、テールパイプ作りました。
パイプの諸元は寸法で把握しておりますが
200のエンジンということもあり
中速の吹け上がりが強力かもしれません。
推定なのであまり調節はできないんですが。

エンジン動くようになってからキャブセッティングで乗り易いところを決めるといいでしょう。


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エンジンは載っかっていますが
いろいろなパーツが取り付いていない状態ですね。
後は乗る人が考えて仕上げられると思います。

口元のOリングやテンションスプリング関係はKDX200の純正部品が供給できましたので助かりました。

機種によっては純正廃番もあるのでカワサキは比較的いいですね。


盆休みを除いて2週間かかったマフラー作りもいよいよ終盤に

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チャンバーのマウントをどのようにするか、

右1本ならステップ・ブラケットのボルトから
ステーを伸ばす、など考えられますが

左側はフレームに全く取り付け可能な部分がありません。
唯一つエンジンハンガーのボルトがありましたが、ドライブチェーンの真下なので
隙間ギリギリです。

ラバーマウントにしようかと思っていましたが
全然スペース無いので、却下
アルミプレートを作ってステー代わりにしました。
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右も同様のステーです。














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サイレンサー・マウントはタンデムステップのブラケットにノーマルの取り付け穴が付いていたので利用して
サイレンサー・バンドはビレットで作りました。











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依頼されていたエンジンハンガーの溶接も施工しましたが、厚板のアルミなんで
フレーム全体が高温に加熱されてビニールが溶けるかと思いました。(養生しておいて大丈夫でした)



これで一件落着かな。








今日はサイレンサー2本の加工とテールパイプ取り回しを行い、
パイプ全体の作成は完了しました。

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マウント関係は一切できていません。

車体側にチャンバーやサイレンサーを取り付けるステーが無いためです。

マウンティングのための材料やラバー類を取り寄せ中なので、今週はここまででストップです。








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2本のサイレンサーを平行に持ってくることがデザイン上の命題でした。

一番、2番がバラバラの向きであれば
大した問題でないのですが

パイプエンドを平行に揃えるためのチャンバーの形状であったり、テールパイプの曲げカーブであります。


最初は何も決まってないので
出来たものの形が当たり前のようにできていることが大切です。

5年くらい前からめっき処理の取り引き先が廃業したことにより、特注の場合を除きメッキ処理依頼代行をしておりません。
理由は以前の価格と納期を維持できなくなり、安価な製品を求められる弊社顧客に対してお応えできないということです。
めっき処理依頼可能な企業はたくさんありますが、単品での依頼はワンオフ製作同様、研磨や治具の設定など熟練工の作業が不可欠となり、安価なめっき処理は製品をダメにする可能性も秘めているのでリスク回避という面でもお引き受けできないという考えにいたりました。

そうは言っても、どうしてもクロームめっきで納品してほしい熱心なお客さんもおられます。
個人的にはチャンバーが排気熱で色が変わっていくのが面白いと思っているので
色が変わらないめっき被膜では楽しみが半減すると思うのですが
確かに錆対策を定期的にやらないと外観が悪くなってしまうのも煩わしいという意見も理解できます。

そこで現在では知り合いの業者さんでなくてもインターネットで全国各地メッキ業者さん検索できるので
今回は全く取引してないですが、2輪部品も多数手がけておられる有名店に依頼することにしました。


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光沢は前の業者さんと同等ですね。
内Rとか電気が流れにくいところの膜厚が乗らない傾向にありますので
そこのところは今回の方が光沢が出ている感じですね。

電気メッキなんで限界があると思います。








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品質は良好ということで

価格と納期ですね。
びっくりしますよ。

他社と比較されると困りますので
具体的には言えませんが
ざっくり前の3倍と納期は品物発送後
一か月ちょっとです。

一見さんなのに無理な注文を聞いてもらっているので妥当な仕事だと思います。

ご注文いただいたお客さんも十分理解のうえ、前金でお振込みいただいて
こちらとしても安心して処理依頼できました。


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見積もりの金額が増えないように
細かい依頼は省きました。
2輪部品多数手がけているプロですから
注文つけるのも失礼かなと。

しかし、予想したとおりの問題はありました。

パイプの端末はめっきの花咲現象が見られるのです。

このことでφ28.6のパイプ径はφ29.5くらいに拡大し
一般部でもφ29.0くらいまで膜厚が乗っているのでサイレンサーのジョイントは差し込み不可能になります。

そのことは分かっているので、前の業者さんには差し込み部分にマスキングを指定してメッキが乗らないように対策していました。
今回はそれを指定しなかったので案の定でした。

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CRM250RRサイレンサーとセットのご注文なので、組めるように加工しました。

めっきの花咲はグラインダーで面取りして
外径の太った差し込み部分は
サイレンサージョイントの加工やり直しで
差し込めるようにしました。

めっき後のパイプ径は予めわからないので
後で作ったほうが間違いないですが
その分納期が遅くなるということです。




以上です。めっき処理ご検討の方は参考にしてみてください。

全日本シーズン前になると毎年作っている気がします。
YZ250Fのノーマルマフラーを改造しているのです。

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マフラーを変更するには根拠が必要です。
手間をかけて作り変える根拠があるのですが、ノウハウに関わる部分は公開できません。


そのかわり、マフラーの役割について解説しましょう。

多くの人はマフラーは排気を促進する機能があると思うでしょう。
それは逆で、排気を滞らせる役割を持っているのです。

排気ポートが開いて高温の排気ガスが音速で排出されエキパイを通ってマフラーへ達しますが、排気ガスは水の流れのようにパイプを流れているわけではありません。
圧力の高いところから低いところへ移動(膨張)しようとして
高圧の燃焼室から圧力の低いマフラー側へ移動すると考えるのが正しいです。
そして排気ガスが必ずしもパイプの後ろに移動するわけではありません。
排気ポートが開いていれば燃焼室へ戻りますし、吸気バルブも同時に開いているタイミングではインテーク側まで達します。(バックファイヤー)
以上のことを踏まえて、音速で移動した排気ガスの後に起こることが問題になります。
移動した排気ガスの後は真空状態になります。
このことを利用してマルチエンジンでは次の排気を負圧で引張り、排気速度を増す集合管の方法がありますが、ここではシングルエンジンに限定して考えます。
もし、マフラーが無かったらどうなるか、排気は一瞬で完了して大気中に爆音となって拡散していくでしょう。最も早い排気の状態ですが、それと同時に燃焼室内に吸入された混合気も負圧で引っ張って排出するでしょう。
直ぐに排気ポートが閉じて混合気の一部は燃焼室に留まって、次の圧縮、燃焼へ繋がっていくでしょう。
そこで排気された一部の混合気は本来燃焼してエネルギーになるはずのものが、無駄に排気してパワーダウンを起こす要因となってしまうわけです。
上記は分かりやすく極端な例を挙げましたが、要するに抜けのいいマフラーがパワーアップする根拠にはならないということです。
音速で排気された後の真空を適当にコントロールできれば吸入された混合気を逃がさないで本来のパワーを発揮することができると考えるのです。
それができるのが、排気の圧力を適当に減衰させるマフラーです。

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純正のマフラーですから中身に問題はありません。信頼性の高い構造を採られていますから使わない手はないです。
排気ガスの圧力をコントロールするのに
エンドパイプの仕様を変更して調節しているわけですが
金型作って成形するには生産数が少ないですから資金的に無理です。

そこでステンレス板を板金して拵えて、現実的な価格に抑えようとしています。

異形断面のサイレンサーにインサートして
φ5の穴8か所がずれることなく一致しなければ装着不可能なので非常に慎重な作業です。

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サイレンサー本体に仮組みして
8か所の穴にM5ビスを取り付けて装着確認後、バフ研磨して完成です。

ノーマルはリベット止めなのでM5ビスに変更することでメンテナンス性が向上しています。





明日は積雪の予報なので発送は週明けということにします。





2018排気デバイス付けて価格も50万円超えという強気なミニモト、YZ85ですが
旧型の欠点が完全に払拭されたエンジン特性らしいので、18モデルに乗り換えるのが最善だと思います。
しかし、旧型YZが遅いわけではなく乗り方次第でクラス最速を叩き出すことも事実です。
そんな旧型でもうちょっと戦いたいという熱心なお客さんもおられますので、取り替えるだけで確実に効果を発揮するチャンバーだとお伝えしたいと思います。

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18モデルと旧型は口元の寸法が変更されていて

旧型は外側のOリングですが
新型は内側Oリングで排気ポートに被せる形になっています。

NEWスペックに従って分割パイプを製作します。






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02年から使っている治具に合わせてパイプを組み立てています。

車体レイアウトは20年以上変わってないようです。

それがようやく今年フルモデルチェンジされました。

今のところ、チャンバーは旧型対応のみラインナップしています。





CIMG7252.JPG

溶接完了しました。

去年、大磯ムスタング西選手のマシンをお借りしてロードテストしましたが
ノーマルでは6000rpm付近までアクセルに付いてこないで急に吹け上がる特性なので
日本にありがちな狭いコーナー、固くて滑る路面や荒れた路面では回しっぱなしで走るのは無理なので低回転のトルクが必要なのですが
そこが弱いわけですから、乗り手次第のエンジンだと思うのですが
これに取り替えるだけで低速からアクセルに付いてくるし高回転に切り替わる部分もリニアに吹け上がるので、誰でも乗り易く改善されていると確信しています。
当分の間納期未定ですが来年、試してみたい人はご予約お待ちしております。

YZ450Fのエキパイフランジをアルミ製からチタンに更新するため
当社では加工不可能なので協力メーカーに依頼しました。

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チタン板 10mm厚

ワイヤーカットで切ってもらいました。
切り代は0.25mmだそうです。

下穴は放電加工

加工寸法は私が適当に計測した数値で
図面を描き
メーカーさんでCADに置き換えて加工機へ送信という手順です。

計測が違っていたら、当然取り付かないことになります。



CIMG7188.JPG

図面どおり加工完了です。

PF文字は試し切りしてもらったもので
15分くらいで切れるそうです。

精密ですね。バリも出ないので手仕上げ無しで使えます。


カネは掛かりますけどね。






CIMG7190.JPG

YZ450Fは固定フランジなので
パイプと同じ材質でないと溶接できないので、チタンフランジが必要でした。

明日、車体持ってきてもらって
位置決めしてから溶接します。










バックオーダーシリーズ第3段、RMX250Sチャンバー。6月に注文いただいた分です。

CIMG7181.JPG
CIMG7182.JPG

















曲ったパイプは買ってくるものではなく
平板から製作するものです。

切り板寸法は製品の形状を予測して
平面の板を切り出すので
2次元を3次元に変換する
幾何学的な考察が必要です。









CIMG7184.JPG

口元の方から溶接して取り付け確認しながら進めていきます。

接合面が傾くとパイプの向きが変わって取り付かなくなるので、慎重な作業です。











CIMG7185.JPG

段々出来てきました。
ここまで来れば一安心。

テールパイプ付けて、マウントステー作れば製作完了です。










CIMG7186.JPG

2000年に作った治具なので
初号機から19年も経つんですね。
ロングセラーです。

2ストトレール用チャンバーのラインナップは

CRM250RR、AR
DT200WR
RMX250S
KDX125SR
各チャンバーとサイレンサーです。

旧車なのでいつかは終了すると思いますので、来年は現行モデルのラインナップも
拡張する予定です。





今4月中旬のご注文分を作っています。4か月お待ちいただいての製作ですから
今注文されると年末ころ出来るという状況ですね。
よく納期の問合せを受けますので、ラインナップ品なら大体それくらい
ワンオフ製作はもっと先になるでしょう。
要するに受注生産なので直ぐ欲しい注文は無理ということなのでご注意ください。

今回はラインナップ品KDX125SRサイレンサーの特注で
丸断面とエンド曲げパイプ付きになります。

CIMG7174.JPG

治具に取り付けて作っています。

サイレンサー断面はφ70です。

90年代からオフロード車のオーバル断面が流行りだしたのですが
依然は丸断面が当たり前でもっと小さいものでした。

ところがオフロードレースでも騒音規制されるようになり、消音器の容積をアップするデザインに変わってきて、
横幅の狭いオフロード車のスペースに収まるように幅を詰めた楕円断面に移り変わるのでした。

CIMG7171.JPG

本来、排気ガスの膨張はパイプに対してラジアル(放射状)方向になりますので
膨張室の丸断面が理に適っているはずで
同じ表面積の板材からパイプを作った場合
新円が最も容積が大きく
3角形が最小になることから
消音性能的に新円が一番有利であると言えます。
パイプの展開面積=金属材料の重量ですから軽量化にも寄与します。

付け加えると排気ガスが音速で消音器内部の壁に衝突を繰り返して減衰していくことを考えると
パンチングパイプから消音器内壁までの距離が遠い方が音の減衰が働き(即ち大きいマフラー)
同時に膨張速度を抑え、熱を吸収するグラスウールが介在することで消音が機能します。
CIMG7173.JPG

ではサイレンサーが大きいとどうなるか。

消音器内部の圧力は下がりますから
排気出口の勢い(流速)は衰えます。
よって排気速度が落ちるということです。

だから騒音規制のないフォーミュラ1やドラッグレースなどは高回転回すためにサイレンサー無しです。(モトGPは小さいのが付いている)
ところが一般車両やオフロード車は低中速の扱い易さが重要なのでサイレンサー無しではそもそもうるさくてあり得ないですが
充填効率が落ちてパワーダウンしてしまうのも適切な排気抵抗が運転性に関係してくることを表しています。
CIMG7175.JPG


サイレンサーエンドの曲げパイプは
ウインカーやライセンスプレート回りのオイル汚れを防止するためと
後続車にも優しいと思います。

エンドパイプのテーパーカバーは、衝突突起物を無くすように考案した私オリジナルのデザインですが
KDXのようにサイドカバー内側に引っ込んだ位置のサイレンサーには必要のない形状ですから、これでいいのだと思います。










盆休みで実家の草刈りや墓参りなどしようと愛媛に帰っていたのですが
恐ろしい電話がかかってきて、「チャンバーの前側が出すぎてタイヤに当たります」
あーしまった、フロントフォーク沈めて確認しておくべきだった。
気がついてもあとの祭り、やり直し決定です。

まあ一日あれば出来るはずの変更なんで、用事を済ませてから埼玉へ戻ってやり直しました。

CIMG7170.JPG

片側エアのフロントフォークを縮じめて
パイプに最も近い位置にして確認します。

画像は改修後












CIMG7169.JPG

前回はブロックの高さ分食い込んだ位置でしたが

改修後は1センチくらい隙間できました。
これで大丈夫でしょう。











CIMG7167.JPG

田舎帰っても大雨警報ばっかりで
4日滞在中毎日雨で今年は災難でした。

雨あがったら急いで
来島海峡や今治造船見にいきましたが
チャンバー出来上がっていなかったので
上の空でした。

海峡の大橋や大型船舶の建造は驚異です。(巨大さと難易度の高さ)
数10メートルの鋼材を組み立てて接合面を
精密に切削しないとブロックが傾いて組たたらなくなることは想像できますが
それが入る加工機は無いはずなので、どのように面研しているか見てみたいです。

あれに比べたら鉄板のパイプなんか比べものにならない微細さです。


連休二日目なのに働いています。
今日の午前中はこんな状態です。
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ジュニア・ワールドチャンピオンシップに向けて頼まれたチャンバー製作を実行中です。

私は「水押し」とか「膨らまし」とか呼んでいる製法で、パイプ素材を膨らませます。

鉄板が水圧で伸びてこのような形状になるので平面の展開図は違った形を予測して
鉄板を切ります。

2000回以上作っているので、初めて作るものは大体1回やり直しで思った形状になります。(絶対ではないですが)


CIMG7162.JPG

夜になってパイプを溶接し終えました。

ミニバイクとしては極太チャンバーです。

どんなパワーフィーリングでしょう。











CIMG7165.JPG

実はマスター車のエンジンが故障中で
始動できません。


確認はできませんので、このまま持っていってもらうしかありません。
一応スペアのチャンバーは送った車体に付いているはずなので、これは今回のレースのために作った特注品になります。







CIMG7164.JPG
張り出しが大きいので右側に倒したら
確実に凹むと思いますが
内側はシリンダーとの隙間がギリギリなのでこれ以上中に入らないのです。

そもそも転倒していたら成績も上位は狙えないので、ミスしないように集中して乗っていただくしかありません。


これで渡豪の日程には間に合わせましたので、役目は果たせました。


毎回取り回しに悩みラインナップを避けてきたKDX125SRチャンバーの組立て治具を作ってみました。
夜勤の派遣業務の合間ですから非常にタイトなスケジュールで1分一秒も無駄にできない感じなので
お問合せの電話などはご遠慮いただき、メールでの質問でお願いします。

CIMG7135.JPG

まず、設計寸法に従い鉄板を膨らませてパイプを作ります。

ハイドロフォーミングという呼称は正しくありません。
高圧の水圧成形には素材の外側に金型が必要で、圧力も2000気圧かけて行いますが

これは金型は使いません。
自由成形で圧力も50気圧程度です。
正式なハイドロフォーミングとは全く違う理屈で行われていることがわかります。



このパイプ素材から必要な部分を切り出して溶接していくわけですが
KDXのどの部分が難解な取り回しであったか以下に示します。

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右側シュラウド下
オイルタンクとの隙間

数ミリの隙間しか取れません。

個々の隙間を空けるためには
KIPSカバーの隙間が無くなってきます。








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KIPSカバー隙間

今回は余裕持たせた分上寄りになっています。

全体の形状に影響するのでここだけの隙間を考えていては成り立たないのです。









CIMG7136.JPG

キックアームとブレーキスイッチの隙間

今回はブレーキスイッチのゴムカバーとギリギリになってしまったので
スイッチカバーをタイラップでフレーム側に引き付ける処置を施させていただきました。

自分のマシンならスイッチの移設をしたいところです。







CIMG7142.JPG

ホーンの隙間

ここも調度チャンバーを通したい位置にあるため、形状で逃がす必要があります。

やはり、自分のマシンならホーンの移設をしたいところです。







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ラバーマウントステー

当たってはならない部分に注意を払うあまり
マウントステーの位置に余裕がないことが発覚。

パイプ全部溶接した後なので
なんとかギリギリ収まった感じです。

ヲーターホースのバンドは完全にボルト頭に被っていたのでバンド位置を変えさせていただきました。

このようにボルトオン?ではありますが若干の手を加えていただいて取り付けしていただくことになります。
CIMG7144.JPG


この形状でパイプ位置、車体との隙間関係を記した治具を製作しました。

口元とテールパイプ位置はノーマルチャンバーを取り付けて確認しましたので
口元とテールパイプの関係はノーマル同等になっています。


一応これで車体預かり無しで受注生産可能になっているはずです。




CIMG7143.JPG

お預かり車両と治具製作品の初物になります。

サイレンサーは社外のが付いてますが
ノーマルが取り付く治具で確認してあるので
別の車体でも大丈夫のはずです。

参考までに
当KDXチャンバーは90年代KX125スペックをモディファイして設計されており
実車での走行確認、キャブセッティングも標準でOKでした。

最もノーマルと違うと思われる点は重量で、
チャンバー単品の比較で、ノーマルが4.2kgに対し
当社品が1.4kgになっています。
あと右側に倒すと必ず凹みそうなパイプの形状もかなり内側に追い込んであるので
転倒によるダメージも軽減できると思います。(コケないのが一番)













先週は残業で午前3時終了のあと、通勤は徒歩で片道1時間かけているので
4時半ころ帰宅する日課のため、昼の仕事が2時間ずつしかできませんでした。

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1週間で完成できませんでしたが
8日目でここまできました。
RMX250Sチャンバーです。
2か所からご注文いただいているうちの
一つですが、いずれも納期はいつでもよいということでお引きうけしております。

現在急な依頼、注文はお引き受けしておりません。
電話での対応もあまり時間がとれませんので、問合せはメールでお願いします。

あとサイレンサーもセットで注文いただいているので土日を使って、なんとか完成させたいと思います。


先日作りましたGT750チャンバーのお客さんからメールをいただきまして
ダイノジェットでパワーチェック実施したということで
計測時の動画をYouTubeにアップロードされています。




旧車のナナハンでエンジン出力84.6psは立派な数値です。
同年代の750と比較してもCB750fourが67ps
750RSが69psというカタログ数値を後輪実測で15馬力上回っているのですから
チューニングの成果ですね。

当方では頼まれたスペックでチャンバーを作っただけで、エンジンリビルドや、キャブレターのPWK換装、ジェッティングなど全てオーナーさんの手によるものです。



昼間稼働が5時間以下になりましたから、5月一杯かかると思っていましたが
GW前半の3日で残りの#3チャンバーが完成したので、これでエンジンかけられる状態になりました。

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トリプルチャンバー、形状は3型とも違う形状です。


一型づつ作って車体に取り付けて次の型のレイアウトを決める、という手順でやりました。










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フランジはボルト固定です。

ノーマルガスケットで排気ポートをシーリングするのでオイル漏れは無いでしょう。

エンジンがラバーマウントのため
振動で動きますから
フレームの固定は無しで
テールパイプ部のみラバーマウントします。

一応振動対策です。





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テールパイプ部補強パッチのようす。

マウントステーはタンデムステップ付近に
取り付けられたラバーマウントにボルト固定されます。












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バンク角確保のため
左右のチャンバーはフレーム幅より張り出しはありません。

その代わり#3チャンバーが真下を通るレイアウトなので地上高は低いです。
縁石乗り越えは厳禁です。

ラダーでトラックに積む場合は#3だけ外さないと擦ってしまうでしょう。






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#1チャンバーはサイドスタンド内側を通していますので
バンク角は転倒しても擦らないレベルでしょう。


あと、リヤアクスルがサイレンサー装着のまま抜ける位置という要件もクリアしています。


エンジンかけてみました。

・・・・2ストトリプルのサウンド最高ですね。
オートバイの好きな音がいくつかあるのですがこれは絶対捨てがたいものです。
まさに実写版ワイルド7です。
大きくて重いのが操縦する満足度を高めた時代のマシンですが
随所に新しいパーツを組み込んであって、旧車なんだけど古めかしくないうらやましい感じのオートバイだと思います。

CIMG6979.JPG

























量産の定義に明確な数はありませんが、一日の生産数が100個以下は量産と呼べないでしょう。
(小ロット生産といいます)
4輪なら一日2000台の完成車を作るために、エンジンはもちろん2000機生産するのですが
足回り部品は毎日8000個生産しないと間に合わないことになります。
これだけの数生産すると全数合格するわけではないですから、不良品もあわせるともっと大量になります。
最近夜の仕事しながら思っているのは一個のマフラー作るのに何日もかかっていたのでは、到底仕事とは言えないわけであります。
やはり大きい会社で働いて、空いた時間に好きなことするのが理想的な生き方だと思いました。
しかし、品質の安定化や省人化の目的で金型使っているのに、やはり大勢の人の労力を借りないと
仕上げや出荷ができないのですから
「近い将来製造の現場から人がいなくなる」と言った経済学者さんに是非製造というものを体験していただきたいものです。


CIMG6970.JPG

10時ー15時の時間帯でも少しずつ出来てきました。

今週は#1シリンダーのチャンバーができました。
サイドスタンドの内側を通してありますので
バンク角は十分でしょう。









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すでに2本揃ったところで、残るは#3側のエキパイを中央に回して、2本の下側に持ってこようと考えています。

会社の方は9連休なのでGW中に完成するのではないかと思います。



連休の予定は、レース1回、モトクロス練習1回の他は仕事です。



起業の動機は、アメリカで125クラスのチャンバーとサイレンサーセットで100ドルで買えると聞いたとき、同じ商品が日本では3万、4万と値段が付いて売られていたことで
素材から作ればアメリカ並み(人件費が違うのですが)の価格で作れるんじゃないかと考えたことでした。
結論は日本の物価や生活水準ではシングルのチャンバー2.5万円で売っていては利益が出せないということになりました。
いつまでも赤字部門抱えていては破綻すると思い、一定の給与を確保したうえで、これまでの商売を維持していくことに方針転換したのでした。
そして、先週までは1勤の時間帯で派遣先の企業で働いていましたから、夜7時ころ帰ってきて2時間くらいしか進まなかったですけど
昨日の日曜日に少し進展したのがこれです。

CIMG6969.JPG

トリプルチャンバーなので3本とも違う形状になりますから
3型作らなければなりません。

最初に中央の#2シリンダーから決めていきます。
これが右側に出てバンク角を稼ぐ位置に置いた状態で#1シリンダーを真ん中通しで
作って
#3シリンダーはエキパイをクロスして
サイドスタンドの内側を通す構想でおります。




今週以降は希望通り2勤の時間帯で派遣先に出勤しますので
終了は夜中の2時で帰宅して3時になります。
こちらの仕事は営業時間、午前10時から午後3時まで5時間くらいできますので
従来の半分くらいのペースで進行できると思います。
当面はバックオーダー優先で6月末くらいまでかかる予定です。

ここの記事を読んで事情を察していただいたお客さんから「いつまでも待ちます」ということで
ご注文いただいてますが、予定どおりやっていきますのでご安心ください。



Wワーク夜の部、早くも今週木曜日から出勤です。
始業時間が早いとPM4:00 遅いときはPM6:00と変動するので
来客や電話は夕方から対応できませんので、御用の方はメールで問い合わせていただくか
PM3:00までに電話していただきたいと思います。

今日午前中は派遣先の現場を見てきました。
守秘義務があるので会社名や職種は明かすことはできません。
午後からRH250の続きです。

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テールパイプ作りました。

文章だと一行ですが、難しい取り回しのため夕方までかかり

マウントステーも付いたので
装着確認です。









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クリーナーボックスを貫いて
リヤフレームをギリギリ避けながら
サイレンサーへ向かいます。

色んなものに隙間がありませんので
これ以外のパイプ位置が出せませんでした。









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スチール製なので
耐熱クリヤ塗装して完了です。

まあまあ予定通りの作業時間でした。




一件落着






CIMG6944.JPG

サイレンサーはオーナー自ら製作した一品だそうです。

城北SPLに似てますが別物です。

オリイ社長はレーザー加工が得意な会社を経営されているので溶接技術も私なんか比較にならないくらい上手なんです。

「アップチャンバー作ってくれ」と頼まれては恐れながらお引き受けするしかなかったですね。
55歳でもモトクロスの世界では小僧みたいなもんです。

YOGP(元神戸木の実RTでカワサキの契約ライダー、その後レーシングドライバーの従野孝司さん主催のオフロードイベント)
で快音響かせていただければ、いいのですが。

今日の午前中は派遣社員の登録に行ってきました。
近いうちに別の会社で働きますので、こっちの仕事は趣味に転向されると思います。
派遣期間終了後に正規雇用されることを目指します。

午後から製作中のRH250チャンバーの続きです。

CIMG6936.JPG

なんとか晩飯前にパイプが繋がりました。

文章だと一行ですが

チョー大変、これ以上ないほど困難な取り回しでした。

2度と出来ないんじゃないかと思うくらい
奇跡のレイアウトでした。

ゼーゼー・・・





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なんでこんなに上も下も隙間がないんだというくらいキッチキチです。


なんとか当たらない位置に収まっているんです。


俺の脳みそフル回転。
難しいパズルみたいなもんです。







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エアクリーナーの中を貫いています。
こんなのアリか!

明日はテールパイプとマウントステー作れば完成なんですが
親戚の結婚式に出席するので
仕事は無し。

日曜も休みで月曜日完成する予定なんですが

月曜は新しい職場へ見学に行く時間もあるので微妙なところです。

最近私事で昼間の仕事を減らしてWワークすることにしました。
債権者さんが「早よ金払えー!」と言ってこられまして、私も事情があって
支払いが滞った月があるのは分かっていましたが、口座記録の全体までは把握できてなかったので
お怒りになる金額を試算してみたら、およそ20年間で全額1300万くらいのうち500万円が未払いと出てきました。
これはちょっと直ぐには工面できない金額です。
では債務の内容は何かといいますと、私の知り合いのうち半数近くの人が同様な経験をされている
例の件で、具体的には明かせませんが、養育費や慰謝料といった司法の判断を、
経てない約束と
いいましょうか、そんなことで月づき払うことになったのですが
元々収入の不安定な個人事業のうえ、怪我の治療や震災時の不振、親の介護など就業不可能な期間も重なって支払い困難な時期もありました。
金融からの借金とか何かを購入したとか実態のないことなので後回しにしておりました。

水道に例えると蛇口が緩んで水が漏れ続けている状態、少しずつでも長い時間が経つと大きなプールになってしまいます。
水が溜らないためには蛇口を締めればよいのです。そしてバケツで水を汲みだしていけば、いつかプールも空っぽになるというわけです。

そういうわけでWワーク始めますので、これまでの生産ペースは維持できなくなりますのでご了承ください。
債権者さんが「いつまでも値段据え置きで安く働いているから生活苦になるんだ、値上げしろ」
と仰るのですが、これはむしろ逆効果だと言わざるをえません。
お金次第で高級なものや希少なものでも手に入る時代です。
高級なものには価格の理由があって、まず材料が高価、加工が困難、生産設備が高額、高性能、高精度、私のように設備投資もなく、ハンドワークで量産品なみの品質をつくれない製造屋が高額な工賃で
頼まれるわけがありません。
それからお客さんの殆どは顔を見ることのない通信販売によるものです。
お金を前払いして本当に商品が届くのか、初めて頼む人は不安ですよね。
だから万が一あげてしまっても困らないくらいの金額なら注文してみようという心理も働きます。
それは、あってはならないことですがネット通販ではよく起こるトラブルらしいし、心配して当然です。
だから可能なら通販ではなく、対面で交渉した上での仕事をしたいと思うのです。


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今回も初めて作るので時間掛けてやっていますよー

RH250ということで、スズキのモトクロッサー75年モデルは市販のTM250から
RM250にモデルチェンジする中間で生産されたワークス向けレーサーで
生産台数が少ないので希少モデルだそうです。

ノーマルはダウンチャンバーですが
オーナーの注文でアップチャンバー希望されているのでクラッチワイヤーが外回しなんです。
マグラの油圧クラッチ付ければオイルライン中通しできるのですが、どおでしょう。

スペシャルパイプ半分くらい組み上がってきました。あと二日かかるかな。
2018年モデルCRFを見て重大なことに気付きました。
ホンダが81年にシングルショックになったときから、吸気系を避けるためにリヤショックが右側にオフセットされていました。
私ら強度グループはフレームの応力測定をおこなっていました。
量産前のテスト車に歪みゲージを貼り、国際A級ライダーを雇って桶川のコースで実走計測した経験から、フレームの右側センターパイプ、ピボットの上付近の応力が左より高いことがわかっていました。
即ち、リヤクッションの荷重がフレームの右側に偏ってかかっていることを表しています。
だからギャップで跳ねられてオートバイは左向きに傾いて転倒する確率が高いはずです。
転倒はしなくてもリヤショックからの入力でフレームが捻じれる動きになります。
そこで捻じれ剛性を確保するためにフレームの強度をあげないとギャップ走行で真直ぐ走れない乗り物になるのです。

そこでリヤショックがセンターに持って来れることがどれだけのメリットがあることか、
捻じれ剛性を落とせるので同じ剛性なら軽いフレームが作れるということです。
最低重量が決められていますから、車体の軽量化できた分を補器類に回せるというメリットがでてきます。
これはFIの導入でスロットルボディをリヤショックの横に持ってくる必要がなくなったことに起因しますが
ヤマハは後方排気モデルからセンターショックになっていたので、優位性は証明されていますね。
こういうことがシングルショックになって36年の年月を経て変革されたことで、モトクロッサーは面白いなと思うのです。


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2018モデルCRF250Rマフラー

作っただけです。
これからいろいろなことが分かるでしょう。


軽量化のため、チタンとアルミの複合です。

金型、プレス機、ベンダーなど一切ありません。
全部手巻きのハンドメイドになります。





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チタン製エンドパイプ

チタンはバネ鋼のような性質なので
曲げるのが難しいです。
成形できる形状には限界がありますが
紙の図面を描いて形状をデザインしています。
コンピューターは使いません。
(CAD持ってないからね)







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アルミの筒にエンドパイプをはめ込む
キツさを調整するのに神経をくばっています。
キツ過ぎると組立てが困難になるし
緩いと排気漏れになってしまうので
絶妙の公差で板を曲げていくのですが

機械的な製造は一切ないので手加減だけが頼りになります。

やった人じゃないと分からないですね。





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マウントできました。

左右対称だから作りやすいでしょうと言った人がおられましたが

ゼロから作るものにやりやすいと感じることはありません。

シングルエンジンなのに2本も作るのかという気分です。







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18モデルのマフラーは左右の張り出しが大きく、その部分だけは直したいと思っていました。

このレイアウトで満足だと思います。
サイレンサー内部にバッフルは入れていません。
ストレート構造のパンチングですが
騒音計測してみました。

2mMAX法で

モードセレクト標準で107.2dB/A

アグレッシブで109.3dB/A
測定器誤差を鑑みても余裕の消音性ですね。

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サイドカバーとの隙間

ノーマルはストッパーラバーに当たる位置まで広がっているので、15mmほど内側に追い込んだ取り付けレイアウトになっています。


ついでに重量比較ですが

ノーマル左右共 2.0kg

SPLマフラー左右共 1.6kg

なかなかの軽量化です。

とりあえず今週末のMCFAJ開幕戦から使って耐久性など確認したいと思います。
(テストライダー雇うカネがないんで自分で乗ります)


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モードセレクト、アグレッシブで走行しました。

中速までは普通の加速で過激な感じではないのでスムーズに乗れますが
高速域に入るとパンチが効いてくるので
ジャンプなどで狙った着地位置より飛びすぎてしまって戸惑う場面がありましたので
体を慣らしていく必要があります。

全体的なフィーリングはコントロールしやすい、回せばパワーも十分という感じでした。


CIMG6918.JPG

一番の目的、マフラー後部の張り出しを内側に追い込んだ形状

ノーマルマフラーはサイドカバーにフィットした位置なので、かなり横幅狭くできました。
タイヤが擦らない程度でスリムな方が
転倒も多いモトクロッサーに適していると考えています。
チャンバー・ワンオフ製作のため、お持ち込みいただいているKMX200(87年式)です。

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取り回しはノーマル形状で依頼されていますので
ソックリとはいきませんがノーマル形状踏襲しました。

意外と難しい形状で、長時間費やしてしまいましたが料金は取り決めてあるので
金額アップはありません。








CIMG6834.JPG

まあまあ似てきましたね。

まだステーは取り付けていません。













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ノーマルサイレンサーに合わせたテールパイプ位置です。

タンク下のスペースが奇跡的に一発で収まったので助かりました。

全部繋いでみないとギリギリのところはわからないんです。








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サイレンサーも新作です。

ノーマルのフロントパイプが外側にオフセットされています。
インナーパイプのラインを食い違うようにして消音する構造ですが
当然抜けが悪いはずなので

ストレート構造にしてあります。







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エンドパイプは排気ガスがナンバープレートを避けるように左下45°方向に


大事な旧車ですからね、汚くならないことも大事です。











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これで完了です。
ノーマルチャンバー外形寸法測定しても
パイプが2重なので正確にはわかりません。
そのため1枚板の寸法を推測して補正したスペックを作って製作しました。
パワー特性確認のため
近所のテストコース(公道)で走らせてみました。
冬期のため水温が適性になるまで暖気運転してから急加速、10000rpmのレッドゾーン手前まで息付きなく吹け上がります。
低速トルクは思ったより少ない感じですが
アクセルだけでついてくるので問題ないでしょう。
パワーバンドは6000rpmから、(たぶんKIPSの開くタイミング)ワイドな感じでストレスありませんが十分速いので一般道では安全に気を付けましょう。


























カワサキのオートバイについてなーんも知らんのにKMX200について語ろうとする私。
どれだけカワサキを知らないかというと、乗った(所有した)ことあるのは2台だけ。
本で読んだとかネットで調べたなどという程度のことは知っているうちにカウントしません。
一台はKX80の最初のラージホイール、88モデル
もう一台はKX80の最初の倒立フォーク、92モデル
どっちもミッションかクランク壊して全バラしたのでちょっとだけ知っているわけです。

さてKMX200の前に82年だったかKDX200というオフロード車がありました。
後期モデルと違って、空冷エンジン、カンチレバータイプのユニトラックでスタイルは良かった。
ツインショック時代からKXというモトクロッサーはありましたが、それと区別する200という排気量は
その前にあったKDX175のスケールアップ版で
KXはカワサキ・クロスの略だと思いますが、真ん中にDがつくのはデザート、デューン(砂漠、砂丘)を表していて200クラスというレースカテゴリーは無いかわりに砂漠のようなオープンエリアを走るために作られたと推察できます。
そのため国内販売は無かったですが、時代は87年空前の2輪ブームの真っただ中。
排気デバイス付き水冷エンジンのKX125を模したKMX200の登場でした。

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31年前の車両とは思えないコンディションのKMX200

リヤクッションはボトムリンク式
左側シングルラジエターの水冷エンジン
遠心ガバナーでピニオンギヤを駆動する
排気デバイスKIPS。
右側はラジエターが無い代わりにチャンバーのスペースが取れるレイアウトは
現行のKX85の左右が反対ではあるが
そっくりだということに気がつきます。

91年になってKDXに変更されるのですが
デュアルラジエターになった理由は
シングルラジエターのKMXがオーバーヒートしやすかったとか。
CIMG6832.JPG

先日、国際A級ライダー出口君がフレーム修理に来て、このマシン見て言ったのは
「風祭の兄貴が乗ったやつみたいだ」
漫画「風を抜け」に登場するKXは87年型なので同じに見えたでしょう。

私の年代の87KXの印象は国際B級固定ゼッケン2番クレージー安藤さん(ジュニアライダース)です。
カワサキに乗る前は上福岡のスーパーベルレーシングや足立区のポイント・1に所属された地元では有名なライダーでした。




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すばらしいパッケージで
シートレール下のスペースに
冷却水のリザーバー、バッテリー、分離給油のタンクとエアクリーナーBOXとショックユニットまで収まっているという
見事なコンパクト設計です。

これはアップチャンバーだから可能なレイアウトで後期のミドル通しではタンク類が他へ追いやられることになります。

ようやくチャンバー作り着手して、ワンオフなので型作り中です。




KMXは僅か3年の生産で終了した短命モデルなので、公道で見かけることもなく希少な車種だと思います。
KMXという名称は引き継がれることなく、カワサキのトレールは再びKDXに戻されたわけですが
KMXの由来はなんであったか、文献はないので、推察するとカワサキ・モータースに未知数という意味のエックスを付けてKMX。
KXのカワサキ・クロスカントリーとは開発者の理念が違ったもので
カワサキのトレールはこれで行くんだ!という意気込みが感じられたのにあっさりモデルチェンジされたのであります。
しかし、上述のパッケージのコンパクトさや、KDX125と同格の車体サイズに200ccというパワフルなエンジンで当時他メーカーの同クラス車種を完全に凌いでいたでしょう。


2輪車の名称は何気なく使ってきましたが由来は興味深いものです。
ホンダCRの60年代はCR110(50cc)、CR93(125cc)という市販ロードレーサーがありましたが
カブ・レーシングという意味でした。
またはサーキット・レーサー。名神高速道路も開通してない時代に日本にサーキットという言葉は存在せず、国際的にはスピードウェイと呼ぶのが一般的で
ホンダが日本で最初に作った鈴鹿サーキットにエントリーモデルを開発してCRと名付けたわけです。
後にロードレーサーはRS、モトクロッサーはCRに統一されましたが
RSはレーシング・スピリッツ、CRはクロスカントリー・レーサーの略です。

スズキRMは簡単です。レーシング・モトクロッサー。
Zが付くと究極とか最後のという意味でRMZという4ストロークモトクロッサーになります。
ヤマハYZも同様にヤマハと究極でYZ。
ファクトリーマシンに付くMはモディフィケーション、RはレーシングでYZM、YZRですね。
トレール車のIT,DTはインターナショナル・トレール(国際的トレール)、デザートトレール(砂漠のトレール)実際の使い方は様々ですが開発の仕向地を指しています。
YDSはヤマハ・デザイン・スポーツ、ATはアクション・スポーツ。

カワサキのKRは単純にカワサキ・レーサー、KSRはカワサキ・ストリート。レーサー。
ホンダの代名詞CBは何の略かというと
ホンダ広報によるとCUBは熊などの猛獣の子供という意味の英語で
最も成功した商品CUBに付けられた名称ですが、間のUを外してCBとしたという説です。
CBRはシービー・レーシングになります。
カワサキ750RSのRSはロード・スター
NINJAやKATANAはそのままですが日本文化が欧米でも神秘的な魅力をもっていて親しまれていることが採用の理由でしょう。
GPZとGSXか、もうお分かりですね。 グランド・プリックス・究極、グランド・スポーツ・未知数。

それからホンダのスポーツカーNSXはニュー・スポーツ・未知数のエックス。
NRはレーサーの開発部門でニュー・レーシングの意味
楕円ピストン禁止されたNR500はニューレーシングだったはずですが今ではオールド・レーサーです。
ワークスレーサーの冠にはRCと表記されます(RC166、RC250Mなど)
RCの意味はリモート・コントロール、レインフォースド・コンクリート、またはレジスタンス・キャパシタンス
が一般的な略号ですが、ホンダのワークスレーサーはレーシング・コンポーネンツではないかと思います。
年末進行第2弾、ハスラーのダウンチャンバー作り

CIMG6714.JPG

外出しのキックアームに交換したので

ダウンチャンバー製作にこぎつけました。













CIMG6715.JPG

TM250タイプダウンチャンバー

タンデムは無理かもしれません。
オーナーに承認済み







明日、マウントステーとサイレンサー作りますが
フレームにマウントブラケットが溶接されてないので一工夫が必要です。



CIMG6716.JPG

ノーマルのアップチャンバーを取り付ける
ネジ穴は使えない位置にあるため

フレームに未加工でダウンチャンバー取り付けるための
アダプターを製作しました。

サイレンサーステー
M8ボルト用ラバーマウント
フレームクランプ




CIMG6718.JPG



キックアームのクリアランス
十分開いています。

これでもノーマルキックは当たるんです。











CIMG6717.JPG



サイレンサーは200mmショートタイプ

テンションスプリングとマウントステーで
確実な固定を行いました。











CIMG6720.JPG

ダウンチャンバー取り付け完了

TM250タイプです。


バッテリー上がりで始動はできませんでしたので音は聞いていません。(きっとすごい音がするだろうな)








CIMG6721.JPG

ダウンチャンバーはこの角度から見るのがイイですね。


なんとか年内納品できます。 ヨカッタ









あと一件難題残っていますので年内完了できるかどーか。

作り始めて20年は超えているCRM250サイレンサーに関することですが
当初はトレール車のエンデューロレースが盛んにおこなわれていたので、
競技用として売っていたんです。
それを公道走行に使用しても全く構わないわけですけど、
リヤフェンダー後部にウインカー、テールランプ、ライセンスプレートなどが取り付いていて
調度サイレンサーの出口の真後ろ(20cmくらいは離れていますが)にあるため
排気ガスで汚れてしまうという難点があります。
KDXなどはサイレンサーエンドがウインカーから離れているため、それほど問題ではないようですが
CRMはちょっと対策した方がいいかもしれません。

CIMG6678.JPG

レース用は後ろから衝突する場面が多いので突起物を無くし、サイレンサーエンドは丸めることが定石ですが

公道で後ろから衝突したり、後ろ向きにひっくり返るということは
通常ではありえないですね。

だからエンドパイプを曲げて排気を斜め下方向に逃がすということも
ウインカー廻りの汚れを気にするなら
必要なのかなと思いました。

これは以前に納品した先輩のCRM250R2型のサイレンサーですが、リクエストにお応えしました。
(昼ご飯と現金2千円で)

CIMG6680.JPG

斜め横向きにしてあります。

パイプエンド下向きにするメリットはもう一つあります。
屋内保管の車両は関係ないですが
水平方向のパイプエンドは雨水が侵入します。
特に放置車両は水が溜り続けてチャンバーが満水になり排気ポートからクランクケースに達します。
こうなるとクランクシャフト全損になります。

マシン大事にしている人からすると信じられないことですが、何台も見てきました。
必ず決まり文句があります。
「キックが下りない」
あたりまえですね。
ラインナップしてないKDX125SRのチャンバー/サイレンサー。
車両お持ち込みで作りました。今回で記憶によれば5台めくらいですが
なかなかイイ形に落ち着かず、ローボーイタイプからアップタイプに変わって2回目です。

CIMG6613.JPG今回の形

チャンバースペックは変えていません。
パイプの取り回しが前回と違っています。

サイレンサーはショートタイプ。
消音性能は充分なので
排気がウインカーに届かないように考慮したのですが
KDXは従来の長さでも問題なさそうです。







CIMG6614.JPG

シュラウドとKIPSカバーの隙間が共に数mmしかありません。

ここをクリアさせるカーブに毎回苦心しているのでラインナップして冶具合わせで作るのが難しいだろうということで
車体合わせでしか作ってない理由です。









CIMG6615.JPG


サイレンサーショートタイプにしなくても
十分ウンカーとの距離はありますが
荷紐フックが近くなりますので
こっちの長さがいいでしょう。










CIMG6616.JPG


アップタイプはこんな取り回しです。
ダウンチューブ右側にホーンがあるのですが、お客さんが外しておいてくれたので
邪魔になりませんでした。

多分このレイアウトでもホーン取り付くと思います。
ウインカーは小さいものに交換されているので排気の影響もなさそうでGOODです。











ラインナップ品でも予告して仕様変更することがあります。
およそ20年前(96年から)に作成した古い冶具で3型やAR用も作ってきましたが
そろそろ需要がなくなる頃になって変更することにしました。

CIMG6581.JPG

全体的なフォルムは変更ありません。

マウントステーが取り付けられていないのは
これから持ち込まれる車両に合わせて付けるためです。

車両は以前にチャンバー作った2型のCRMですが
社外のサイレンサーに合わせてテールパイプ位置が決まっているので
ノーマルとは違うだろうという予測のため
冶具ではなく車両合わせでマウントステー取り付けします。



CIMG6585.JPG

変更内容は2点

パイプエンドのカバーが2重になっていますが、分割できるようにしました。
そのため、ぶつけて凹んでも修理または交換できる構造になっています。

もう1点は組み立てると見えない部分ですが、インナーパイプの差し込み部分。
寸法を見直しメス側に段差加工を施し
内径を同一として排気効率をアップしました。

どちらも工数は上がっていますが価格は据え置きの¥12300で提供しています。
2ストオフロード車向けサイレンサーは全車共通なのです。(消費税10%までは変更ありません)

CIMG6587.JPG

CRMサイレンサー作り始めたころは
トレール車限定のエンデューロレースが盛んだったので、それに向けたレース用部品として売っていたんです。

レース時は保安部品も外されていて問題なかったことですが、これを公道で使うようになると法的に問題になる騒音ではないですが、排気ガスがウインカーに当たってオイルで汚れるという打ち上げが出てきました。

ウインカーが汚れないためにサイレンサーの取り付け位置は変更できません。
希望者にはブサイクになってしまいますが
パイプ出口に斜め下方向に曲げたパイプを追加溶接することで対応してきました。
2ストに乗っていてオイル汚れを嫌うというのもどうかと思いますが、走り終わったら汚れを拭き取るか
パイプエンドに曲げパイプを追加する以外に無いと思います。
どちらも嫌だが2ストトレールは乗っていたいという人はノーマルサイレンサーをお使いいただきたい。

CIMG6590.JPG

社外サイレンサーのラバーマウントが純正部品でないもの使っていたので
急遽自作ラバーマウント作りました。

5mmゴム板2枚重ねに穴をあけて
アルミカラーを作って組み込んであります。

CRMのチャンバーのラバーマウントと
サイレンサーのラバーマウントは廃番になっていて購入不可能です。

別機種の部品流用するか、自作するしかありませんのでご注意ください。
純正のラバーは貴重品なのでなるべく捨てないで取っておくことをお勧めします。




フルモデルチェンジが噂されているYZ85ですが、16年ぶりにチャンバーの更新を行いました。
YZ85は低速域からアクセル急開してもパワーが出るまで時間がかかります。
そしてパワーが急激に立ち上がってくるので、フロントが持ち上がってしまいます。
このあたりを上手く乗るには回転を中速以下に落とさないこと、低速コーナーは半クラッチで回転キープするなどしてテクニックを駆使する必要があります。
せっかく高速のパワーは出ているのに、コース状況によっては使えないことありますね。

CR85の最終型は05年にチャンバー形状を変更しました。
燃焼室形状とポート位置の変更に伴ってのことですが、CRとYZはボア・ストローク47.5×47.8で
同じシリンダースペックです。
圧縮比がYZの方が高いのとクランクケースリードバルブも影響して高回転高出力型なのです。
そのため低速域を犠牲にしてしまった性能になったわけですが、
逆にピストンリードバルブと控えめな圧縮比のCRをYZに近づけるためのチャンバー形状ではなかったかと考察して、今度はCRタイプのYZチャンバーでパワー特性を見直したものにしました。

CIMG6537.JPG

















CIMG6536.JPG

YZに合うように新規作成しました。

冶具も作りましたのでラインナップに加えます。












CIMG6542.JPG

ロードテストしてみました。

先にノーマルチャンバーつけて
発進加速
中速から急開
低速走行
高速全開(場所の都合で4速まで)

なるほど低速パーシャル状態から
アクセル開けても加速しません。
しかし、ある回転数から急にパワーが立ち上がってフロントが浮きます。
高回転は十分なパワーです。
真価を発揮するのは12000rpmからですね。

CIMG6538.JPG

次にニューチャンバーに変えてのってみました。
同じような確認方法で
低速トルクはノーマルよりありますから
低速走行も楽になりました。
中速から急開してみると
ノーマルほど過激な立ち上がりでなく
スムーズに上昇していくので前後姿勢が乱れにくいです。
それでもフロントが上がってくるのは同じなので戦闘能力はあると感じました。

低中速が扱いやすくなって、ノーマルと同等に高回転まで伸びてくれるはずです。

CIMG6519.JPG

サイレンサー組み上がったので
大体完成ですね。

カーボンパイプはお客さん支給です。

このフレームは4ストNSF用なので
サイレンサーはセンターアップがノーマルの取り付け位置なんです。

リヤカウルのマウントネジを利用して
シート下に取り付けましたので
フレーム未加工で付きました。

アルミ棒のステーが気に入らない(ちょっと重い)ので、作りなおします。



CIMG6520.JPG

無垢の丸棒が重かったので
フライスで平に肉抜きしてから曲げました。

やり直すと材料も時間も無駄にはなるのですが
僕が我慢ならんことはお客さんも我慢ならんと思うので、ためらいはありません。









CIMG6521.JPG

サイレンサーはスペアも含め2個頼まれました。

φ62カーボンパイプは支給していただいたので、ちょっと安くしておきます。











CIMG6523.JPG

ようやく完成です。

NSF100フレームにCR85エンジン載せるためのエンジンマウントが社外で販売されているらしいです。

どおりでフレーム加工なしでスワッピングされていて、なかなかの技術力です。








CIMG6525.JPG

カウルセットはNSR用だということで
脱着も簡単でよくできています。

アンダーカウルも装着確認できたので
これで納品できます。

シングルのチャンバーは簡単にできてそうに見えますが
最適なレイアウトはここしかないので逆に自由度がなくて正確さが要求される形状です。
ミニバイクは思った以上にグランドクリアランスが少ないのです。
多分サーキットでは最も寝かせて走るバイクだと思います。
バックステップ削ってますからね。
チャンバー作ったのにパワーチェックはやらないんですか。
これは以前お客さんから提示いただいたスペックに基づいて作りましたので
スペック通りに出来ていれば僕の役目は終わりです。
うちからダイノジェット計測音が聞こえるくらいの場所に「モトグラッド」さんがありますから
計測頼みに行けばいいだけですが、無料じゃないですからね。
チャンバー製作代に計測代をチャージしてよろしければ、喜んでデータお付けしますよ。
先週のmotoGPといい明日のMX日本GPも大雨のレースで、本当に日本はどうしちゃったんだろう。
こんなことでは参加する人も観戦する人も減少するのは必至だと思います。
現役のころは雨でもマディーでも練習するのが当たり前でしたが
最近の人は雨の練習をお休みすることが多いらしいですね。(マディー走行こそ上達のチャンスなのに)
私はとっくにお気楽モードですから、雨の日は出かけないで工場に籠って仕事します。

昔S80と呼んだのですが、85ccエンジン禁止のクラスがあるようです。
必然的に旧型の80エンジン探すようになるので煩わしいですよね。
そこで、レース関係ないサーキット走行なら85エンジンで作っても自由なわけです。
ミニバイクはNSR80ワンメイクな感じがしていたのですが
今回は4ストNSFの車体にエンジンスワップしたCR85エンジンのレーサーです。


CIMG6510.JPG

NSRに似ているようで
フレームが違うんです。

エンジンは削り出しのマウントブラケットで
フレーム未加工のままCR85エンジンが
搭載されていますが

これにボルトオンで付くチャンバーは無いんです。
だから新規製作するしかありません。

チャンバーレイアウト検討中




CIMG6511.JPG

本当はチャンバーをエンジン側に近づけたいのですが、ロアークロスパイプが干渉するため、高さはここが限界です。
NSRフレーム仕様より低い位置になりますが、アンダーカウルは取り付くはずなんで
このまま続けます。


パンチングメタル入荷したので早速インナーパイプ作って、マフラー組立てました。
今回のは従来型と違っていて、φ54からφ38.1に絞るので
途中で2種類のインナーパイプを結合する方法です。

CIMG6499.JPG

重量測定

エキパイ
 チタン 0.6kg(スプリング込み)
 ノーマル 1.0kg(バンド除く)

サイレンサー 
  アルミ/チタン 2.2kg
   ノーマル  3.0kg

フルエキ重量 2.8kg
 
1.2kg軽量化達成です。



CIMG6501.JPG

600gチタン

全部手曲げです。

拡管金型2種類と
口元ツバ出し金具製作が必要です。

チタン素管3種類で4。5万円くらい仕入れました。

サイレンサージョイントのφ54は1.3万円
(2m)仕入れです。
カネ掛かりますけど材料無いとつくれんけんね。


CIMG6502.JPG

ノーマルと同等の長さですが
斜め右に突き出したマフラーは
張り出しが大きく、転倒時にぶつかる懸念があるため
途中で曲がったサイレンサーにして
シートレールと並行に出しました。

インナーパイプも中で曲がっているのです。








CIMG6503.JPG

組立て完了

音量測定も実施しました。

2mMAXで 106.9dB/A

ノーマルサイレンサーも同条件で測定し
 
109.7dB/A 意外とうるさい。

計測器機差もあるため参考ですが
ノーマルを3ポイント下回る性能のため
音量オーバーしたときにディフューザーを入れることも考えていましたが、不要ですね。

ストレートパンチングを使ったサイレンサーテクノロジーの成果です。


それから、これらはラインナップ品ではありませんので、車体お持ち込みなしでは作れません。


新規製作は型作りしながら行うので、時間かかりましたが、大体見えてきました。

CIMG6493.JPG

チタン・エンドパイプ

チタン板は固いので成形は難しいと思います。
3ピースを溶接でつなぎ合わせています。

ノーマルより軽いはずです。

取り付け穴は整備性を考慮して
リベットでなく、M5ビス止めにしてあります。






CIMG6494.JPG
マフラージョイント・パイプ繋がりました。


マウントステーはこれから作ります。

実はパンチングメタル欠品に昨日気付き、
注文しましたが月曜入荷ということなので
完成は火曜日ですね。

土日は違うことして過ごします。







CIMG6496.JPG

マウントブラケット取り付けました。

6mm板に3mm補強パッチ付きで
耐久性を確保。
モtクロスの縦Gは強力なものです。

強度屋こだわりのマウント形状です。

最近のモトクロッサーはラバーマウントにしてない理由として考えられるのは
サブフレームと一体でしなるように設計されていることです。
ジョイントパイプがしなって応力を逃がす方向です。

因みに6角断面の理由は
丸や楕円よりパイプの縦横剛性が上がるためですね。
平な板はしなりやすいですが折り目を付けることで板がしなり難くなります。
また、3角断面が一番剛性高いと思いますが、最も容積が小さくなります。
角を4角、5角と増やすことで同じ板面積でパイプの容積が増していきます。
生産性とパイプの剛性確保という意味で6角断面を選択しました。


CIMG6497.JPG

ジョイントパイプ接続部

ガスケット無しで差し込んでいます。
絶妙の嵌め合いキツさに拡管するため
金型作っています。

ガスケットや金属バンドが重量物になるので省略できます。

φ54パイプの隙間が上下数ミリというレイアウト。製作の難易度を上げています。

早くパンチングとグラスウール入れて音を聞きたいです。

2018モデル、直に見るのは初めてですが、これぞ新型のThe Motcrosser!ですね。
エレクトリック・スターターは指先の軽いタッチで、コールドスタートにも関わらず瞬間で始動します。
コーナリング中にエンストしたとしても足を着く前に再始動できるそうです。
あれだけ腰痛になるくらいキック踏んでいたのや、再始動に時間がかかって順位を落としてしまったり
そういうことがこれからのモトクロスには無くなるのだ。
不安が取り除かれることで嫌いになっていたレースも楽しみになってくるかもしれません。

リチウムイオン・バッテリーとセルモーターで僅か2kgなのに、潔いことにキックシャフトやギヤも存在しません。Rケースカバーにはキックを取り出す穴さえ無いんです。
走行しながら充電するし、3か月くらい走行しなくても電圧は保てるそうです。

さらにWiFiルーターがLサイドカバー内に取り付けられ、純正のセッティングツール無しでも
スマホでFIセッティングが無線で可能だという。
私が持っているCRFなんかセッティングツールとノートパソコン、12Vバッテリーが必要で
それぞれメインハーネスにカプラーで接続しなければ送信できないというわずらわしさ。
電源は車載のバッテリーを使うのでハンドルのスイッチで起動できるし
アクセル開度や水温、エンジンの運転時間などセンサーで計測されたデータは保存されて
任意に確認できるため正確なメンテナンス時期も設定できるでしょう。

そんなデジタル時代のオートバイですが、マフラー作りの現場はアナログの世界です。

CIMG6489.JPG

後方排気のエキゾーストは
特徴的なレイアウトでシリンダーに沿って回っていますが、かつてない太いサイズのパイプのため
手曲げの難易度が高くなります。

φ48.6の90度曲げに失敗して
チタンパイプ1mも無駄にしてしまいました。
限りなく利益が出ないと思いますので
ワンオフ製作しかやりません。

マフラーもレーサーとしては最大級です。
これより軽いやつを作ってほしいという依頼。
音量もノーマルで大きめだというので
手強い相手になりそうです。
CIMG6490.JPG







エキパイ繋ぎ終わったとこです。
フランジを固定しないと位置決めできないのですが
このとおり、マフラーとエンジンハンガーが付いた
状態ではアクセスできません。

何回も脱着して確認しました。


CIMG6491.JPG

マウントステーとスプリングフック装着。

φ48.6部分の曲げがうまくいきませんでした。
輪切りにしようかと思いましたが
比較的マシな部分を使って繋いでみました。
これくらいが手曲げ限界ですね。








CIMG6492.JPG

シリンダーを取り巻くエキパイ。

これは他メーカーのマシンと違って
張り出しがないので
転倒や跳ね石で凹むリスクが無い形状です。

転倒がつきもののモトクロスにはベストな形かもしれません。
後方排気とストレート吸気でなければ
こうなっていなかったはずです。

モノクロスから始まり4ストモトクロッサーや、5バルブなど
斬新なアイディアを世の中に排出して楽しませてくれるヤマハです。














先週のおさらい、現行チャンバー採寸⇒YZ125ノーマルスペックと比較⇒モディフィケーション
⇒さかなの骨による取り回し検討⇒展開図作成⇒チャンバー製作⇒サイレンサー製作
⇒チャンバーとサイレンサーマウント。
ここまで5日間の工程でした。

CIMG6480.JPG

現行チャンバーより全長を短く
テーパー角度はきつくしました。

加速性と高回転の充填効率をアップする効果を狙いました。

テールパイプの寸法も変更し、排気の流速を速め、それに合わせた内部構造のサイレンサーで抵抗の少ない排気を目指します。







CIMG6486.JPG

チャンバーのマウントは現行のステー穴位置変更で取り付きました。

サイレンサーは専用のバンドを作ってマウントしています。











CIMG6484.JPG
エンジンはYZ125です。

チャンバーはモトクロッサーの諸元より少し変更してあります。

ミッションカートに要求される特性が未経験のため大幅な変更ではありませんが
現行品よりノーマルに近い寸法にしてみました。

取り回しはこの車体専用なのでオリジナルの型を新規作成が必要です。





CIMG6487.JPG

サイレンサーの位置は特に規定はないそうですが、エンドは後ろ向きがよろしいでしょう。
真直ぐ後方排気も考えたのですが
マウント方法が大掛かりになりそうなので現行品を踏襲した形にしました。

日本のモータースポーツを2輪、4輪と
黎明期から牽引してきた一族の主宰される
スピードショップ・KUBOさんのステッカーが強面のマシンです。
6月のクラブマンMXで元全日本チャンピオンを地面に転がしていました。

夜の帝王K山さん所有ミッションカートのチャンバー製作中です。

CIMG6478.JPG

地元秋祭りの役員で土日、設営と撤収頼まれて二日ほど仕事が進んでいません。
慰労会はお断りして日曜夜、テールパイプまで行きました。



ようやくパイプが繋ぎ終わりましたが
まだマウントしてないです。

今日マウントとサイレンサー作るので
明日完成予定です。


一般的にチタンマフラーは軽いと思われがちです。
実際はちょっと違うと思います。板厚が同じならアルミマフラーの方が軽いはずです。
その理由は比重を見れば一目瞭然です。
比重(同じ体積で水を1として比較した重量)
Fe 7.8
Ti 4.5
AL 2.7
Mg 1.74

チタンは鉄とアルミの中間なので、同じ大きさのマフラーならアルミの方が軽いはずです。
それから見落としがちなのはグラスウールの重量です。
容積の大きいマフラーほどグラスウールの量が多いですから、外側の金属が軽くても
グラスウールの量が多かったり、湿っていたりすると重量が増えるわけです。
ではチタンのメリットは何かというと、アルミより硬いということです。
同じ荷重で変形する度合いがチタンの方が少ないでしょう。

しかし、クラッシュして直接荷重を受けて凹まないわけではないので
今回の修理品のように最初は横からの荷重で歪みが入っただけだと思われますが
エンジン回転と同じ周波数で振動する板に歪みが入った部分が加工硬化して
応力集中して亀裂に至ったという経緯です。

CIMG6449.JPG

亀裂がクモの巣状に進展してしまって
板金修理は不可能な状態でした。

これ以上亀裂進展しないように
外側にチタン板を当てて溶接しました。
ツインウォールの部分は強度アップされています。

しかし溶接時の熱歪みで内側と外側の板が離れようとして隙間が開いてくるので
溶接は均一にはできませんでした。
隙間が開きそうになると溶接棒を入れて
埋めていかなくてはならないからです。

買う時は高価なマフラーだったと思いますが
凹まして亀裂が入るようになったら
諦めて新しいのに換えることをお勧めします。
持ち主には今度割れたら、アルミで巻いて作ると伝えておきました。


CIMG6451.JPG

今月2本目のCRM250チャンバー

ARじゃなくて初期型でした。
初期型はラインナップしてないので
車体お持ち込みいただいて
ワンオフ製作です。










CIMG6454.JPG
車体合わせ手間はかかりますが
取り回し確認できて安心です。

確実に取り付け保証できますからね。

CRMも純正部品廃番になっていて
オーバーホールも難しくなっています。

下側のラバーマウントステーも廃番で
入手不可なんですが
ラバーが8割剥がれてマウント不能になっていたので
ラバーの中心を貫通ボルトで固定して
再使用しました。
いずれマウントステーも作るようです。

世間はお盆休みに入ってしまいました。我が社は休みなしです。どこにも行きません
それより、直ちにやるべきことが山積みなんで少しでも進めておきたいです。

CIMG6414.JPG

エキゾーストはこれで終了
マフラースプリングのフックを溶接するのと
先日試乗したとき、排気音が大きすぎたので、消音バッフルを装着しました。

あのままの音が最高なんですが
廻りの迷惑を考えると、やむを得ず音量下げさせていただきました。
かなり上品な音になりました。
きっと満足していただけるでしょう。






CIMG6415.JPG

実はまだオプションがありまして
社外の可倒式アルミステップを付けてほしいということで
ステップブラケット加工しました。

取り付け位置はノーマルと同寸ですが
50mm厚の板から削り出しで
材料の8割は切り粉にしてしまいました。

左右セットで丸一日掛かりです。






CIMG6416.JPG

加工完了して取り付けてみると
思わぬ問題に気つきました。

黒いのがノーマルステップですが
アルミステップの方はピンの位置がオフセットされていて、ステップ位置が下がりました。
ノーマルのゴムの厚みが無くなることでさらに低い印象です。

問題はチェンジとブレーキペダルよりステップが低くなって操作しずらいということです。
これはアジャスターをいじって、両ペダルの角度を変えて、ステップ高さに合わせましたので乗るのに支障ないでしょう。


CIMG6417.JPG

ペダル調整して、こんな感じにできました。

完成して取り付け確認するまで分からないことばっかりです。












CIMG6419.JPG

もう一つのオプションはグラブレールです。

ノーマルのタンデムバーと一体のものを外して左右のブリップだけに変更しました。

普通は鉄でクロームめっき仕上げにするのですが、ここでは日程に余裕がなく
アルミ棒で作りました。

左右セットで2時間ちょっとの加工です。

センタースタンドかけて使い勝手も確認しました。 良好です



2気筒のフルエキでちょっと時間かかりましたが、これにて終了です。







毎日暑いですが、ここの工場も35°あります。エアコンありますが日中は太陽光のエネルギーに負けて室温は下がりませんので使ってません。
それより人間の冷却機能を働かせながら仕事しています。
溶接にパイプ手曲げなんて作業は真夏にストーブ当たっているようなもんです。あー涼しい

CIMG6411.JPG

完成ではないですが、エキパイつなぎ終わりました。

ノーマルはブレーキペダルの上通しなんですが
φ41.3パイプは1本でギリギリです。
そこでLバンク用はエンジン下からブレーキペダル下へ取り回しました。
ブレーキ踏んでも当たらないクリアランスと
センタースタンドも使えるように考えると
あまり自由度はないです。

そのため、こんなデザインがよろしいかと。



CIMG6412.JPG

中間パイプはフレーム下にボルト止めしてあります。

ドカティやアプリリアのリヤバンクほど短くないですが、Rバンクのエキパイが短いです。
そのためサブタンク取り付けました。
パイプを回して延長すると見た目が不自然になると思いました。

あくまでお客さんの要望は右2本出し
メガホンショートマフラーという形を優先して、他は僕の裁量に任せるという仕事です。




CIMG6413.JPG

マフラーエンド
ノーマルに比べると大きい穴です。
これが小さいとつまらんものになると思いますが
肝心なのは音ですね。






昨日からエンジンかけてもRバンクの火が付いてないようで片肺でした。
プラグ外してみると火花は良好
火が飛んでてかからないのはガソリンが来てないのだな。
コックがONを確認してRESに切り替え・・・かかった。
ガソリン残量が少なく、サイドスタンドで始動する場合、Rキャブ位置が高いためガソリンが来なくなる。
よってLバンクだけ火が付くというわけです。
逆に、左コックで2気筒の車両は右旋回時にガソリンの落下が悪くエンジン不調⇒エンスト⇒転倒になることがあります。
ガソリン残量に気をつけましょう。

そういうわけでGSまで給油にいきました。
音は、ハーレーに似てます。加速していくとインディアン・スカウトにも。
Vツイン独特の不等間隔の爆発音がします。
音が大きいので後続車があきらかに車間距離をとっているのがわかるので、これは安全です。
ホーン必要ないですね。シメシメ




























































































中間パイプをレイアウトする前にマフラーを作っておきます。
マフラーの適切な位置が決まってからでないと検討しにくいからです。

CIMG6382.JPG

右2本出しなので2個です。

デザインはお客さんの要望どおりなので
私の意思で決めてないですが
作り方は自分で考えなくてはいけません。

過去に同じ寸法の物は作ってないので
一個限りですが、型製作が必要です。








CIMG6384.JPG

エンドキャップは金型3個作りました。

エンド部分が内側カールに成形するためです。
油圧プレスが無いので、円錐はステンレス板を巻いて作っています。

中身の部品とマウントステーは明日作ります。

発売から40年経つGLのフルエキゾースト製作頼まれました。
全く経験のない車種なので、最初の工程からお見せします。

CIMG6377.JPG

エキパイの曲げからですが
機械ベンダーはありませんので
手間げで作ります。

曲げられるカーブに制限がありますので
可能かどうか、鉄パイプでマスターを作ります。
鉄で曲がらないものはチタンでも曲りませんからね。

3次元曲げなので曲げながら車体合わせすることはできませんので
マスターと比較しながら曲げカーブを調整していく作業です。


CIMG6378.JPG

チタンパイプで本番です。
2mで1万円しますので失敗は許されないですね。
内Rのゲージを鉄棒で作って当てがいながら曲げRを確認します。

ここでパイプの精度が決まってしまうのですが力ではなく炙り加減が肝心なのかと思います。







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R、Lエキパイ曲がりました。
L側エキパイが20mm長いです。

正確にはパイプエンドは同じ位置で
L側フランジが20mm前です。

これはV型エンジンなので、コンロッド大端部の幅だけLシリンダーが前にある設計なんです。

Vバンクは77°
1本のクランクピンにコンロッドが連結されていますので、点火時期は77°ずれています。2番シリンダが点火してから283°クランクが回って1番シリンダが点火というタイミングです。
では水平対向4気筒のGL1000はというと180°クランクです。
1本のクランクシャフトに180°ずれたクランクピンが二つあり、やはりコンロッド一本の幅だけL側シリンダーが前にあります。片側のシリンダーに180°クランクのピストンが並列2気筒で動き
反対側のシリンダーがコンロッド幅だけ前後にずれて並列2気筒の動きをするボクサーエンジンでした。


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フランジできました。

これが決まってないと次の工程へ進めません。
口元が1度傾くとパイプエンドの位置は数センチ違ってくるので
フランジを固定してから中間ジョイントのレイアウトを検討する作業になります。



CR250Rの空冷エンジン最終型が467ということですが
50歳以下の人はリアルタイムで見たり乗ったりした人は殆どいないと思います。
当時小学生でCR250乗るわけないですからね。
私も最初に乗ったホンダのモトクロッサーはKA3(水冷の初期型)ですから
467は見たことあっても触ったことが全然ないのに、チャンバー作りで初めて触るという
因果な巡り合わせです。

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80年頃、五明(松山オートテック)へ練習に行くと、瀬戸レーシングのメンバーが430、467を並べて置いてあったのを思い出します。
あんな竹馬みたいに背の高いバイクは俺には乗れねエと思っていました。

瀬戸レーシング言えば、最初のRSC契約ライダー、
吉村太一さん、上野広一さんのチームメイト松本満男さんですね。
私が見たころはギリギリ現役の松本さんの姿でしたが
四国では、うず潮RCか瀬戸レーシングかという勢力でした。

そうか、そうか、あのとき見たマシンなのだなと。
名前を憶えているんは、池田昇さんと小椋兄弟ですかね。
当時の師匠、中川さんが「立っとるか座っとるかわからんやろ」というのが池田さんで小柄なのに速いナーと思って見ていました。
小椋さんの弟は僕と同期なんですが、兄貴の方が国際B級で81年の全日本松山大会の予選だったですけど、スタート直後の1コーナー立ち上がりでマシンから投げ出されて、駆け寄っていく姿がみえました。すると起こしたマシンのハンドルが折れていたので、そのままリタイヤでしたが、
あんな速い人が予選で転ばされるのかと思って、俺なんか絶対全日本なんか走りたくないなと思ったもんです。

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四国出身の国際A級ライダーは福本敏夫さんがカワサキで走られていたころなんですが、
それより先にメーカーと契約された人がおられたことも知らなかったんです。

当時はオートバイ雑誌しか情報がなかったですからね。
なーんも知らんとモトクロスしよりました。







また昔話かと思われるかもしれませんが
オッサンが集うと見事に昔話しかしません。
30年、40年前のことを先月のことのように、です。
「オレは小野沢に勝ったんだ」
「ええー!ほんとうですか、すごいじゃないですか」
そんで「いつの話ですか?」
「ノービスの時だ」
「なんだ35年も前のことじゃないですか」
こんな感じです。

思い起こすと、今より若かったころの方が楽しかったのでしょう。
そして人は過去の経験、出来事を積み重ねて構築されている生き物のようです。

新しいことを言うときは仕事の打ち合わせ時ですが
そうしないと生活していかれないので仕方ありません。

治具製作が完了して車両返却の準備が整いました。

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今日は天気がいいので
試運転を兼ねてフォトセッション日和です。

1週間以上風邪ひきに見舞われ
体調が絶不調です。
オートバイに乗る気にならないので
アスファルト上でエンジン吹かすだけです。










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暖気運転してから、直線だけ全開加速してみるつもりが

中速域でホイルスピンしてしまうので
パワーが出ていてもスリップするだけです。
タイヤの接地面が数秒で溶けてしまいました。

やはりモトクロスタイヤは土の上でしかグリップ力を発揮できないですね。

急なアクセルワークでも息つきすることなく
強烈に加速しますが
排気バルブの効果なのか
高回転手前でもう一段加速が強まり
回転が伸びていきます。

2段ロケットのような感じです。
中速域はアクセルワークでコントローラブルに乗り、直線では高回転の伸びを使って車速を上げるような乗り方になります。
遠心ガバナーは中間にセットされているそうで、ここからもう一伸びか、中速寄りとかに変更できると思います。

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サイレンサーは菱形断面のアルミパイプ

ノーマルよりちょっと軽いのと
若干ショートタイプ

音はノーマルと同じ感じです。










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これで明日OFVへ納車するだけです。

急な仕事と体調不良で
モトクロスどころでないGWですが
連休明けに通常の業務に戻ります。

納期が決まっているため、進行状況の連絡です。

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チャンバー取り付け確認しました。

パワーは充分あるので、ノーマルパイプより
上方に取り回しできまいか、という依頼に答えて、これ以上あがりません。
ラジエターにぶつかるので振動を考慮するとこれくらいが限度です。
エンジンとの隙間も狭いところで3mmくらいで交わしています。

チャンバーの諸元も大体狙いどおり
1作目にしては精度がいいです。

一応ノーマルサイレンサーと互換性を持たせて
この後サイレンサー製作にかかります。

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フルエキゾースト完了したら
秘密のテストコース(舗装路)で
走行確認します。

新車に泥を付けたくないためと
泥の路面はトラクションが一定でないので
パワーフィーリングは舗装路の直線があれば十分わかります。








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サイレンサー作りましたが
こちらも難題が多いことがわかりました。
外車のニューモデルなので
オリジナルデザインにするため
従来とは違う形にしたこと。

チャンバーのテールパイプがφ30.2という日本に無いサイズのパイプなので
250クラスでは標準のφ28.6に置き換え、
ノーマルサイレンサーと互換性を持たせるため、ジョイント部のみφ30.2に拡管しました。

安易に考えていたプラスチックのサブフレームは溶接熱には耐えられません。
アルミステーの仮止めには点付けを瞬時に済ませ、直ちに取り外すという神経を使う作業です。
またラバーマウントでないため取り付け穴が1mmずれると取り付け不可能になります。
ネジ山壊すとプラスチックパーツの鋳込みナットは修復が困難なので
次回からは、国産車同様にラバーマウントにしたいです。
ハスクのサイレンサーマウントがプラスチックバンドを使っている理由がサイレンサーの熱でサブフレームを溶かさないためであることがわかりました。

まだまだ治具作りとかで仕事が終わりませんのでGWは休みなしになりそうです。

期限が決まっている仕事なので業務連絡です。

TDR125のエキゾーストは5年以上前に作った覚えはあるのですが
2度と作らないワンオフのつもりだったので、何にもデータが残っていませんでした。
なので、またゼロから作り始めました。

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チャンバーの諸元をどれでいくか

オーナーさんの要望を聞いて
過去のデーターを引っ張り出し
適当なものを作ってみますが
取り回しが中々うまくいかず
何回もやり直ししています。

期限が決まっているので
与えられた時間は僅かです。
その中で結果を出すしかない
緊迫の時間です。

人間は困ったときに普段と違う集中力を発揮するようです。



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何故TDR125改か?
ATHENAの170ccキットパーツを組み込んであるそうです。
当然ナンバーも小型二輪登録なので
高速道路走れます。

排気量に合わせたモディファイもあるんですが、ノーマルでも回転の頭打ちが早かったそうなので、その対策がメインです。

大体、高回転の伸びないエンジンは
低中速のトルクが出ていて、一般道路で乗り易かったりするので悪いことではないですが、
その低中速域を損ねることなく高回転を伸ばすとなると高度なテクニックが要求されるでしょう。
最初は回転が伸びないエンジンに対してはレーサーのスペックにしてみようとチャンバーの諸元を調べたら、YZとTDRはあまりにも違っていて
おそらくYZスペックのチャンバーでは回ったとしても高回転だけで低中速のパワー感のない特性になることが予想されるので、これは却下。
やはり一般道走るには、発進が楽で加速が良くなければ評価が悪くなると思いますので
低中速は無視できませんね。

それから10000rpmから始まるレッドゾーンの手前で加速が鈍る傾向はECUのリミッターが作動していると思います。
点火時期早めていくとノッキングのようになって回転が伸びなくできます。
エンブレにならないように絶妙に頭打ちしてくるので乗りにくさはありません。
排気系で改善できなければ「GET」とかのECUを探してみるといいかもしれません。
実際ATHENAとGETは提携してチューニングパーツを開発しているようですから。

 狙い通りの出力特性をエキゾーストの製作一発だけで実現することは無理だと思いますが
元から付いているものよりは上回りたいですね。

月曜日の時点でチャンバーは取り付いているので火水曜でサイレンサー作ってギリギリ間に合う予定です。
今週は全日本前でもっと緊急な仕事を頼まれているので、待ったなしの状況です。



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サイレンサーはオーソドックスな丸パイプ

エンドパイプは後方の排気ガスを下向きにする形状。
後ろからTR250でついてくる奥さんにオイルを吹きかけない配慮です。









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夜、冷え込んでいるのに取りに来られました。
圏央道を走って帰られるそうで
高速性能はどうだったでしょうか。

昼間試乗してみましたが
加速はいい感じだったですが
あまりスピード出せませんでしたので
確認できていません。

オーナーさんは170cc組んだときに
ダイノジェット計測されていましたので
キャブセッティングも含めてお任せすることにします。


参考までにパイプの全長でYZより長く、TDRより短いです。
エキパイ径はTDR相当、
ダイバー部TDRよりテーパーきつく、コンバー部YZ相当というモディファイでした。

あと気になったのがYPVSですが、ボアアップだと排気バルブのラウンド形状も拡大されているはずです。
ノーマルでも回転の伸びは同じくらいだったそうなので排気バルブの開閉タイミングも影響あるのかなと。
可変ポートタイミングの方法は排気ポート形状に加工されたドラムが回転してコントロールします。
ヤマハは電子制御でモーターを作動させ、ワイヤーで連結したドラムを回転させて行います。
確認の方法はドラムの横にあるカバーを開けて、予め全閉と全開の位置をマーキングしておき
エンジンをかけて目視でドラムの動きを確認します。
全開になっていなかったら高回転伸びないということですが
タイミングが合っていればメーカーの設定した仕様ということになります。





 ヨンサンマル、3年ぶりのロット生産です。79年型CR250R用チャンバー

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車体ないので治具で作っていますが

年月が経つと作り方忘れてますね。

こんな感じだったかな











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一応治具にははまっていますので

信用するしかないですね。

単純な形状に見えますが、旧車は隙間関係がシビアな部分があります。


まだまだ予定が残っていますので進行中。








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今日は一日雨降りだったので
洗車を済ませました。
現地の洗車だけでは泥が落としきれてないので、出るわ出るわ

マディーの後はいつものルーティンです。
そうしないと次の作業に掛かれません。

奥のRMとフェンダーの高さが歴然です。
78年と2013年ですから
年式差35年です。
乗り比べると技術の移り変わりが良く分かります。
両者はレーサーですから
2輪メーカーにとって戦闘機なわけです。
その時代の技術者が最も競争に適合すると思われる商品を開発したわけですから、両方の時代の技術屋さんの感性というものを
動的に味わえるという点で、幸運なことだと思えるのです。

あと35年後のオートバイはどのように変わっているでしょう。見れるかなー

今週は土曜日が練習日でしたがMX408のインターバルがキツイかったです。
近隣住民に配慮して20分走行して10分休憩を繰り返すのですが
午前中だけで20分5ヒートを僅か10分の休憩をはさんで走り続けました。
しかも450ですから体力の限界を感じて半日で終了しましたが、日曜の朝は体が固まって
動けませんでした。
ヴィンテージレースにエントリーしていましたが体力的に無理だと思い、出かけないで
遅れている仕事をやっつけることにしました。

東京の2ストマニアさんのご注文で16年型YZ125サイレンサーを作りました。
一月前にチャンバーの修正で車体を預かっていたのですが
そのついでにサイレンサー着手できず、代わりにノーマルサイレンサーを元に
治具製作しておいたので、一応ラインナップ品として公開します。

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治具に取り付けてマウントステー溶接したところです。














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こちらはKX85ですが
先週の関東選でクラッシュして
歪んでしまったのを修理中です。

マウントステー剥がして
ジョイントパイプ曲げ直し

エンドキャップの凹み直し

新品だったんですが、全部作っている時間もったいないんで
修理で再使用してもらいます。




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両方ともバフ研磨しましたので
発送するだけです。

日曜働くか否かで、月曜日の段取りがスムーズになります。

だいぶ体力回復してきました。
2014年にモデルチェンジされたKX85ですが、今週末に関東選手権開幕ということで
急遽、チャンバー/サイレンサー作りました。

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エンドキャップを中にはめるタイプです。

アルミの丸棒から削り出すので
キャップ部分だけで3時間もかけています。

大会社なら型押しプレスで大量生産するところですが、
パンチング以外オールアルミなので
強度が必要な部分だけ厚肉にしたいことが
削り出しの理由です。






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ジョイントパイプ内径φ21から
エンドパイプ内径φ24に拡大しています。

この方がパワーフィーリングが良いということなので採用しています。
音量測定も去年合格しているので問題ありません。

2mMAX法になってから近接騒音時代より規制が緩い感じがするので
作り側からすると簡単です。





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チャンバーは一昨年、実走確認したタイプの継続です。
高回転高出力の割に低速の落ち込みも少ない仕様なので、扱い易さとパワーアップを両立できていると思います。


今週末はOFVで関東選チェックしに行きましょう。







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こんな取り付け状態です。

ノーマルと大幅に違っていますので
実車で確認するまでよくわかりませんでした。

適性なクリアランスを保って取り付いているので治具に反映させたいと思います。

ローボーイとアップチャンバーの中間のような形状でサイレンサーのマウントに合わせたか、テールパイプの距離を稼いだデザインのサイレンサー。
いろいろと考えられたデザインなのです。


CIMG6102.JPG
OSK(オーツカショウカキ株)さんとこのKX85です。
社長は18歳でHRC契約ライダーとなり
オートマチックRC250Mの勝利など
モトクロス界でも希な経歴の持ち主です。
現役時代に契約しなかったカワサキでやらせているのもメーカーのしがらみのない
独自路線で活動していく意思の表れかと推察します。

KX250F実車装着して発覚したのですが、エキパイの取り回しが右側に張り出している。
右足を前に出すときにブーツが当たってしまう、などの問題でエキパイを作り直すことにしました。

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前回、内側50Rで曲げたところを
40Rで曲げ角度180°にトライしました。
手曲げとしては限界のRでしょう。

たまたま一発でできたので、これを使います。










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パイプ切断長は前回と同様で
走行インプレッションは聞いてあるので
このままの寸法にします。

φ35からφ45まで拡管して繋いでいます。

これを溶接する前に所定の位置に穴あけしてサブチャンバーを挿入します。

低中速トルクと騒音軽減のための仕様です。





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溶接完了しました。

全体的にはホンダの250に似ていますね。












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内側40Rで右側の張り出し位置は
ノーマルエキパイと同等に仕上がっているはずです。

ノーマルは車体レイアウト上、最短距離の排気管長になっているようなので
パイプサイズアップと管長を伸ばして
出力特性の変更を行うことが目的のパーツ製作です。







CIMG6069.JPG

サイレンサーも進行中です。

去年型が全日本の音量ギリギリだったそうなので

少し消音のため加工を増やしました。

スパークアレスターは金網の線径アップと
エンドパイプにインナーバッフル装着しました。

計測は実車があるときに行います。





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2017でサイレンサーマウント位置が16mm前に変更されているのに伴い
サイレンサー更新しました。

上記インナーバッフル以外は昨年型と同等です。

私の前職は製造屋ではありませんでした。品質管理屋だったのですが
専門は新製法、新材料の鉄鋼と非鉄金属における部品品質です。
本田はエンジンやボディのような主要な部分を除いて、部品メーカーに製造を手配していますから
取引先メーカーの製造する部品品質を本田スペックに合わせることが仕事でした。
したがって会社に居ては何もわかりません。
メーカーの製造現場へ出張して製造工程を調べて重要管理項目を洗い出すことが品質管理の手法の一つでした。
そのため、単独ではなく設計や資材の担当者も交えてメーカーの会議室で打ち合わせして量産につなげていく作業を全ての重点管理部品に対して行っていたので、自分で製造はできないですが製造工程に関しては他の社員よりも熟知していたと思います。
それも25年前のことですから、技術は日々進歩しているので今は当時より高度な製造工程を展開されていることが予想されます。

そんな私は資金ない、技術ないという四面楚歌な状況から考え付いた方法でマフラー製作に取り組んできましたが、今回も人には説明できない内容を盛り込んだ新型のエキパイを公開します。

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マシンベンダーも金型もありません。
量産メーカーが持っている設備は皆無です。
お金を払ってメーカーに生産して貰えば考えることはないですが
仮に1千万円投資して1千万円売ったとしても収支はゼロですから
そんなことはしないで、一台分の材料費だけで形を作ろうとしているのが本プロジェクトの目的です。

手間げはパイプ径が太いほど、曲げRがちいさいほど難しくなります。
内側50Rで曲げていますが、90°以上は私の技術ではパイプが潰れてしまうので無理ですね。
チタンパイプφ35なら2mで一万円くらいしますから無駄にはできないので慎重に扱います。

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エキパイの仕様はライダーの意見を聞いて
ノーマルからどのように変えていくかを
自分の経験値で決めています。

細かいインプレッションはベンチテストではつかめないと思いますので実走確認しかないと思います。

今回は口元の成形方法を新製法にてトライしました。
形状を見て製法を想像してみてください。
あなたならどうするでしょうか?




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2017モデルKX250Fは16モデルから設計変更されているので
先日お預かりした車両を元に治具製作しました。
そのため、車体合わせは一度もしておりません。
これで問題なく取り付くと信じております。
(信じられるのは自分だけ)


オートバイのサイレンサー、キャブトンやメガホンなど用途別のデザイン違いはあるにせよ
主流は丸断面の消音機が当たり前でした。
ところが80年代終わりころから楕円か長円断面のサイレンサーが出始めたら、楕円断面の方が主流になり、2010年代は異形断面へと移り変わりました。

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弊社も90年代からオーバル断面で作るようになったら、お客さんのリクエストは100%
オーバル断面とテーパーのリヤエンドということになっていました。

しかし、2スト全盛時代を知る人は
オーバルが似合わない
または不必要なデザインととらえていると思います。

なにせ排気ガスの拡散するイメージは
インナーパイプに対して放射状なのですから、真円パイプ中に拡散させるのが理に適っていると考えられます。


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では何故、オーバルが主流かというと
特にオフロード車は車体幅が狭い方がライディングポジションに影響を与えないですから、サイレンサーの容量アップに伴い
上下方向に容積を増やすデザインを考案したものでした。

幾何学的観点から
断面形状の周長(板取り寸法)が同じで、多角形の場合、角数が多いほど断面積が多く
真円で最大となる。
また三角形が最小である。

このことから材料あたりの容積が大きいのは丸断面ということになります。


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これはDT200WR用ですが、
弊社オリジナルはオーバル断面ですが

お客さんの要望で丸断面にしました。
本来はこちらの方が理想的な形状だということをお伝えしたいです。


シンプル・イズ・ベスト

2017年型KX250Fのマフラーを作ろうとしていますが、2016型との変更点を調べてみました。

外観だけですが

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エキパイの長さがジョイント部分で20mm前(短い)になっているのと

φ45部分の曲げ角度が変更になっていることからエンジン搭載位置が起きているか、
排気ポートの向きが水平方向に近づいたと考えられます。

そのため同じプロフィールのサイレンサーですが、マウントボルトの位置が16mm前に変更されています。

車体全体かサブフレームだけの変更かわかりませんが、車体長さの短縮、エンジン重心位置を後ろに移動したものと推察します。

エンジン位置を変える目的は、操縦安定性を変えることです。
80年代はCRのエンジンハンガー切り落としてエンジン位置変えて試したことがあります。

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従いまして、サイレンサーマウント位置16mm変更するアダプターを作って、旧型が取り付くようにしました(暫定)

新型用は治具に合わせて製作しますので
車両はこれで返却します。



いろいろやることがあるので、また後日
状況説明します。

さて、今年最初のプロダクツ完成に近づいてきました。

CIMG6023.JPG 
チャンバー

2台分です。

0.8t SPCC

エンジンCR80ですが
レギュレーションにより排気量制限があるのでしょう。(80cc以下)






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サイレンサー

φ60
筒長さ230mm

テールパイプφ22.2mm

出口内径φ26mm







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サイレンサーマウントステー

シートレールとサイレンサー間を
結合する部品












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2台分取り付け確認しました。

チャンバースペックはお客さんの提示により
形状のみデザインしましたので
走行確認はしません。







フルカウルを装着してみましょう。



CIMG6027.JPG

見事なグラスファイバー・プラスチックです。

造形も美しいし、フィッティングも容易で
理想的なカウリングです。

R25のビキニカウル作ってもらえませんか


・・・ああ、エキゾーストの干渉もなく
上手くまとまったと思います。






CIMG6028.JPG

リヤカウル

サイレンサーのマウントのところだけ
切らせていただきました。

これで問題なくつきます。










もう一台はまだエンジン載ってないそうですが、このエキゾースト基準にエンジンマウントをこしらえるということらしいです。(製作の順序が逆やー)まあいいか

日曜日なのに昨日の練習疲れで体中が痛いです。
少し進んだ分だけ公開します。


CIMG6016.JPG

サイレンサー本体の加工ができました。

左のクランプは
サイレンサーマウントが無いフレームに
止めるための部品です。

シートレールに未加工で付きます。









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取り付けレイアウト確認

テールパイプ、サイレンサーは80ccエンジンに最適な寸法で作ってあります。

撮影角度によりエンドが後方に見えますが
タイヤ後端より前になっています。

チャンバーのマウントステーをエンジンミドルマウントに固定と
シートレールのクランプとサイレンサーを固定するステーを作れば、エキゾースト取り付け完了します。



S80チャンバー

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エンジン換装した車体なので
専用設計です。

他の車体にはつきません。

取り付けレイアウトはこれでいきます。

年末なのに掃除もできていないので

完成は来週にします。






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テールパイプはジョイントで

同じ物二つという指示に従い
2台分です。












CIMG5998.JPG

サイレンサーの取り付け位置

本年はここまでです。


明日はしどきで走り納めとします。

3年ぶりにCRF250のキャブレター車も走らせます。

今から30年くらい後のビンテージMXのカテゴリーはキャブ車とFI車で分けられるかもしれませんね。

ドイツではガソリンエンジン車の新車販売を禁止する法案が成立したばかり
30年後はガソリンエンジンのオートバイは生産されていないかもしれませんので
今のうちに存分にやっておかないと後悔することになるでしょう。
そのころは私も80代ですから乗ってないと思いますけど。



新車で買える唯一つの2ストロークモデルですから最後の新作チャンバーになると思います。

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カワサキKDX125SRのスケールアップ盤エンジンですから
KDX125ベースでダウンチャンバーにしてみました。

オンロードモデルより中速域のトルクアップを狙ったスペックですが
新設計なので、実走確認したいと思います。







CIMG5935.JPG

相変わらず暖気運転に時間がかかります。
サーモスタット無しなので冷却水全体がお湯になるまでエンジンは温まりません。

5分くらい掛けてスタートしますが
4000rpm以下でクラッチミートすると
ストールしそうになります。
10分くらい走行すると低速の限界が上がります。
2000rpmから半クラッチなしで発進できますが低速トルクは全く期待できませんので
クラッチ使って4000rpm以上キープした方が快適に走ります。


パワーバンドは少し広がった感じがします。
5000rpmあたりからトルクが出てきて10000rpmまで一気に吹け上がりますがピーキーな感じでなく
フラットな立ち上がりで乗りやすいと思います。
サーキットでないのでオーバーレブ特性まで確認してないですが、7000rpmからの加速感は10000でも頭打ち感はありませんので伸びていく感じがします。
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キャブレターはVM28でノーマルだと思いますが、気温が低いせいか全体的にリーンな感じがします。
おそらく熱帯気候に合わせたセッティングのまま輸入されているせいでしょう。

低速などはパイロット系をリッチに変更すればもっとついてくると思います。
焼き付き防止にもメイン系をリッチに変更しておいた方が安全でトルク感も向上するでしょう。

分離給油なのにマフラーエンドが濡れてないのが証拠です。

まとめは、KDXより少し高回転型ですが
2ストらしい加速が味わえるエンジン特性です。


近所のテストロードへ向かう際、ラブホの前を通っていく時のことです。
仕事車が休憩に入る時間帯、正午をねらっていくのですが
ラブホの門は見通しが悪いもんと決まっていますから
こっちは注意して通過しているのに黒塗りの国産車がニュルっとでてきました。
運転手の顔を見てやったら昼間っから間抜け面のオッサンと阿保面の女が乗っていて、
「あんな奴らに突っ込まれて怪我したら大事だな」と思いました。
ライダーは忍者のようにNinjaに乗る。

13年ぶりに車体合わせで製作したRMXチャンバーを治具に取り付けてレイアウト確認した後、
治具更新して新造しました。

CIMG5892.JPG

RMX250Sチャンバー

今回はサイレンサーもセットです。

価格25700円と12300円(税込み)
送料(本州)1000円

ラインナップ品なので受注生産できます。








RZV500チャンバーのフロントバンク右側の修理状況です。

CIMG5887.JPG

社外品マフラーの修理依頼はお断りしております。

他メーカーのやるべきアフターサービスを弊社でやってあげる理由はないからです。
直すところが無ければ諦めてください。

不慮の事故で大事なマシンに傷がついて、なんとか修復をしたいとお考えの人が、インターネットで検索されて弊社に問合せされてくると思いますが
どんな場合でもうまく直せるわけではありません。
殆どのお問合せは「修理の可否」と
「修理の金額」を問うてこられます。
凹み修理は滅多にやらないので規定の料金や確立された修理方法もありません。
現品を確認しない限りわからないというのが正直なところです。
私はメーカー寄りの考え方なので、
自分で直せる人以外は古いクルマを維持し続ける努力をするより
新製品が常に生産されているのですから
新しいのに買い替えるのが現実的です。


大した凹みではないですが、異形断面なので水圧成形は不可能です。
形が変わってしまいますからね。

水圧成形は真円パイプのみ使用可能な方法です。

CIMG5893.JPG

二重構造なので切開板金も不可能です。

裏側から叩けない以上は引張るしかありません。

棒を溶接して引張りだしますが

擦り傷が消えるわけではありません。








CIMG5894.JPG

もちろん一回で元に戻ることはありません。

画像は2回目の引っ張りですが

微妙な凹みが散らばっていて
5か所くらい引張り出しました。

溶接痕はグラインダーで研磨して消すのですが
擦り傷が消えるまで研磨すると
板厚が無くなってしまうので
削ることはできません。




CIMG5917.JPG

普通の修理ではやらない方法ですが
エンジン内部の肉盛り等に使うデブコンで
擦り傷を埋めて、サンドペーパーで面出ししました。
完全硬化するとアルミ材程度の硬さで
耐熱温度1000℃だそうなので
排気熱くらいは問題ないでしょう。

板金パテでは剥がれてしまうと思います。







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本来、剥離して再塗装が理想ですが

お客さんが自分で塗装すると言われるので
耐熱塗料だけ吹いておきました。

艶消しなのでノーマル色にこだわるなら
板金塗装工場に依頼されるといいでしょう。












3大トレール車中最も取り回しが難解なRMX250Sは2000年に治具製作してラインナップに加えていました。
16年間で100本以上売れたと思いますが、2000年の治具はそのままにチャンバー形状の見直しを再三行っていました。最後に実車確認してから10年くらい経過していて治具では詳細なクリアランスが
分からなくなってしまいました。
そこで旧式車ということもあり1年以上受注が無ければ廃番にする予定でした。
しかし、最近になって複数の注文がはいり、不明確なまま取り付け不良になっては困ると思ってお断りするつもりでしたが、幸運なことに車体合わせで作ってほしいという申し出がありました。

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先ずは従来とおり治具に合わせてチャンバー製作し、
車体に取り付けて確認するという手順にします。

微調整が効くように、溶接仮止めの状態で
車体に合わせてから本溶接します。


接合部が1mmずれてもテール部は1cmくらい違ってきますので、仮止めの状態が重要な工程になります。




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本溶接してマウントブラケットも取り付けてから実車に装着確認です。

フレームやウォーターホース、オイルポンプカバーなど隙間5mm?10mmくらいで完璧な取り回しになっていました。
これ以上内側には追い込めませんので
ベストな形状だと思います。







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フレーム下側のマウントが無くなっていましたので、アルミのカラーにゴム板を巻いて
オリジナルマウンティングブラケット作りました。

チャンバーマウントは2点止めでは振られてしまうので3点止めが理想です。









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現在めっき処理は受け付けていません。

錆止めに耐熱クリア塗布して発送するようにしています。

ついでにエンジンかけてブリッピングしてみました。
2スト250ccの甲高いサウンドです。
高回転もよく回るのでメインジェット上げられるかもしれません。
この車両、林道よりオフロードコースで乗る機会(エンデューロ)が多いそうなので調度いいパワーでしょう。






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これは80年の世界GPかな。
アキラ・ワタナベ
ハリー・エバーツ
マーク・バルケニアス

125ccモトクロッサーのワークスマシンが水冷化された年で、翌年市販車が一斉に水冷エンジンで発売になりました。

日本人として誇らしい表彰式ですが
渡辺さん以降世界GPで優勝できるライダーが一人も出てこないとは、当時予想できませんでした。




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今度の日曜日がクラブマンMX最終戦ですが私にとっては、この20年で最も重要なレースとなります。

それなのに天気予報は雨、
おとといの雪でコースは酷い状態なのに追い打ちをかけるような仕打ちです。

タイヤはソフトパターンの新品がいいでしょう。
しかし、MXタイヤの定価を見て驚きます。
この値段で買っている人はいないと思いますが、ネットの影響でタイヤ価格は値崩れしていて定価の半額くらいが相場のようです。
私は業務用なんで部品同様に注文しておけば翌日届けられるので簡単です。
ネットより運送代が掛からない分、安価だと思います。

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雨と決まっていれば迷う必要がないので

あとは当日走るだけです。

泣いても笑ってもあと2ヒートでランキング決定です。
最終戦までもつれ込んでしまったのは私の力不足ですが
50過ぎてからのMXをどのようにやっていくかが課題なので苦戦することも楽しみのうちと思えば気が楽になります。

ミニモトクロッサーというカテゴリーの85は大人でも乗ることは普通ですから4メーカー(プラス外車1)の
エキゾーストを手掛けてきましたが、65となると完全に子供の乗り物ですから興味なかったです。
しかし、キッズ(の親御さん)は勝てるパーツを熱烈に要望されるため、熱意に釣られて65のチャンバーを作り始めたのが03年ころでした。

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国内でKX65のエキゾーストを手掛けたマフラー屋は見たことがありません。
外国製はありましたが、純正以外の国産マフラーはこれだけだと思います。

伊予の国小松藩妙口村の出身
乗り物工場の丁稚が
武蔵の国西入間郡鶴ヶ島村で開業した
パイプ工場で作り上げた一品

作り始めて13年も経過したロングセラーですから、おそらく生産数100本を超えているでしょう。
大勢のキッズレーサーが装着して活躍されてきました。
国内の2ストレーサーはそれ以降モデルチェンジがないので同じ仕様で作り続けています。

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自分で乗らないのにどうやってスペックを決めるか。

テストライダーは乗車経験も数年、人生も10年未満のスーパーキッズです。
インプレッションは「いい」「よくない」の一言しか表現しないので、走りを見てこちらで判断するだけです。

普通のミニレーサーはエンジン回転14000rpm回るので途中の回転数は割合で大体わかります。感覚がタコメーター変わりです。
パワーは途中の回転に到達するレスポンスで確かめます。トルクが出ていれば負荷を与えたときの回転の上昇が早いですから
その瞬間を感覚で理解するわけです。
そしてテスト走行したエキゾーストのスペックをどの方向に変更するかは作り手の勘に頼って決めていくわけです。エンジン特生という曖昧な表現を板金物の数字に置き換えていく作業はコンピューターでは無理だと思います。
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車体サイズが小さいのでコンパクトなφ60アルミボディーのサイレンサー。

インナーパイプの内径がノーマルより拡大されていて排気抵抗が少ない仕様です。

排気は吸気と連動しますから、より多くの空気を吸引しようとするのでメインジェットの番数も上げることができます。
多くの混合気を取り込んで燃やすことができればパワー増大するでしょう。




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パイプはなるべく新品の方がパワー出るでしょう。
1年も使い込んでいるとパイプの内面にオイル分が堆積して寸法が小さくなるのと
パイプ内がコーティングされて熱伝導が悪くなるので
中を洗浄して綺麗にすればよいのですが
劇薬とか使って環境汚染するので
新品に取り替えるのが効果的だと思います。
エンジンオーバーホールで部品交換するのと同じ理屈です。


今日は良くないニュースですが、原発の廃炉費用が当初の800億円から数千億円に膨らむということです。
最初の試算の根拠がなかったのか、それとも瓦礫の撤去に800億で本格的廃炉作業はこれから始まるので増額されるという見方もあります。
これには事故の賠償は入っていませんし、全国に54基もある原発の廃炉はこれからのことで
発電もしなくなった原子炉に40年かけて何10兆円もお金を払い続けるなど、最初からわかっていたはずなのに、なぜ原子力発電に着手してしまったのか。
それだけでなく核の廃棄物処理も全く決まってないまま、川内、伊方と再稼働してしまった。
有権者は全く無力です。
戦後CIAと中曽根康弘さんが組んで原発を推進したらしいですが、推進した本人が「原発計画は間違っていた」とコメントしておられるのですから、他の国民のうち誰が正解だったと言えるのでしょうか。

私の推察ですが、原子力開発に一歩リードして最初に核を持ってしまった米国が、被爆国日本に対して
憎悪しかない原子力に対して未来のある幸福のエネルギー政策であるかのように意識改革をさせたかった。
これは見事に成功して一時は資源の無い国日本にとって起死回生の政策として多くの国民が賛同したでしょう。
それから安倍総理も言っておられるとおり、原子炉の運転によって生成されるプルトニウムは核に必要な原料であり、日本にはロケットを飛ばす技術もあり、核保有国と同等の技術力を持っていることで抑止力になる。
(国内で核兵器をもたなくても原料や技術は輸出しています。使用済み核燃料を仏に送っている等)
そして原発を建設された僻地の住民に対して、産業に乏しいことをいいことに交付金という飴を見せて
悪魔の契約を結ばせる。
問題さえ起こらなければ原発周辺では夢のような甘い条件ですから、屈服させられる気持ちはわかりますが、有事の際の避難計画は「絵に描いた餅」、伊方の現地見ましたけど、絶対無理です。震災で炉心が壊れたときは、おそらく被害者を見捨てる気であることは明白です。


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営業色のないホームページですが
たまにはコマーシャルしましょう。


僕はあまり興味ないんですが
(実車持ってないですからね)

よく頼まれるのがKDX125サイレンサーです。
チャンバーとセットの場合もありますが
チャンバーはややこしいのでラインナップじゃないと申しておりますので
サイレンサーのみ受け付けております。

治具に合わせて取り付け位置を決めています。
原付2種ですから、2スト廃止後も保有台数が減らないのだと思います。
量産はしないですが毎月少量作っているので主力商品になってきました。

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バフがけして完成です。

自家製のバフですが
研磨だけの依頼は引き受けておりません。

研磨専門店の方が仕上がりがいいですからね。



出口の形状





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サイドビュー


価格は¥12300 と

送料¥1000(本州) で

合計¥13300(税込み)

たまに面識のないお客さんから
「もっと安くできんか」と言われるので
あなただけ割り引かなければならない理由がありません。
どちら様も平等でお願いします。
444サイレンサーの続きです。

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サイレンサー本体は組みあがりました。

まだまだ完成ではありません。













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マウントステーをこしらえます。

純正同様のラバーブッシュは支給品ですが
純正パーツリストに品番はありません。

マフラーCOMPに組み込まれた部品なので
ブッシュ単品の設定がないのです。

これはゴムメーカーに発注して製造していただいた部品だと思います。

ラバーブッシュはカラーに圧入しますが
圧入荷重のデータが無いために
カラーの内径を精密に加工しなければなりません。
内径が小さいと圧入できません。
内径が大きいと緩くて抜けてしまいます。
圧入荷重を適切にする加工寸法は私独自の理論がありますので、今回はそれを活用して行います。

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ブッシュの圧入は最後に行います。
圧入後溶接だとラバーが燃えて無くなってしまうためです。

そのためダミーのブッシュを作ってカラーの位置決めと仮溶接を行います。









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シートレール下のマウントステー

こちらは純正のラバーマウントステーを用いて位置決め(仮止め)します。

仮止めの熱でもゴムが焼けてきますので
本溶接は車体から取り外して行います。









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ラバーブッシュ圧入

完璧な圧入荷重でした。
けして外れることはないでしょう。












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マウントステー溶接完了。

これにて444サイレンサー全行程終了します。

ホーリーさんとこで塗装して商品化される予定となります。





誠に勝手ながら今週末からしばらく連絡とれないとこへ行くため、ご用の方は29日以降にお願いします。

日曜日のMXVは予想に反して雨も散水もないドライコンディションで本来走りやすいはずなんですが
自分の問題でダメなレースでした。
全然荒れてない路面なのに2回も転倒した250クラスと熱中症気味でペースダウンした450クラス
どちらも5位でしたが参加台数が少ないので30台出走なら10位とか20位くらいの結果でしょう。
このまま沈んで行きたくはないですが、老化だと受け入れておきます。

さて今週はこれです。

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444サイレンサー純正もどきです。

鉄板を巻いて作ります。

前後キャップは金型作って型押しする予定です。










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別件ですが、これは金曜までにやるんです。

長いエキパイを切り詰める作業ですが
エンジンも含めて完成形は無いみたいです。
できたものに対して常に新な要求が生まれてきて終わりがありません。
急な依頼は普通はお断りするんですが、
半年待っておられるお客さんもありますからね。
ちょっとこれはお断りしにくいといいますか
命令に近いものがありますので
なにがなんでも金曜までです。
(大したことしないんで大丈夫かな)


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サイレンサーエンドです。

丸棒から削った金型オス、メスを使って型押ししました。

板取寸法も成形を左右する要素なので
若干のトライが必要です。

与えられた見本の形状に沿った作り方を考えていますが、経験や知識はゼロに等しいので悪戦苦闘の連続です。(大袈裟な表現)




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サイレンサー・フロントキャップです。

プレス成形ではありませんが
サイジング用の型に押し込んで叩いて作りました。

パーツ毎に作っていますので
構成部品が揃ってから一気に組立てます。








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ちょっと残業してエキパイの切り詰めやっておきました。

CRF250は、やってないですからどんな仕様かわかりませんが、これで走りがよくなればお安いものです。










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ジョイントパイプ

砂詰めない手曲げです。

パイプエキスパンドは型押しで











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セパレーター

当然必要な構成部品です。

わかりやすく先に入れた図になっていますが
サイレンサー側に入れて溶接してから差し込まれる順番になります。








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パンチング

中身は防錆のしようがないので
0.8mmステンレスで巻いています。
もちろん鉄より固いです。




シンプルなサイレンサーですが
構成部品はまだまだあります。


444(79CR125)チャンバー無限MEタイプと呼んでおきましょうか。プロトタイプ完成です。

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オリジナル品のプレス成型品とは違いますが、手巻きと膨らましで作りました。

純正の444とは全く違うスペックに見えます。

計測はできませんが
お馬さんはおるかいねー。

曲ったサイレンサーに取り付けていますので、真っすぐなサイレンサー作りも急務です。




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このパイプは平らな板から切り出して作るのですが
最初から展開図が出来ているわけではありません。
一発目は狙いと違った寸法のものが出来てしまうので、そこから修正を加えて精度を上げていくので
このように展開した鉄板が大量にできてしまいます。







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車体に取り付けてクリアランスを確認します。














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マウンティングステー
補強のため座布団付きです。














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口元とスプリングフックの部分

エキパイ外径φ38













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テールパイプ

差し込み部分だけです。
非常にシンプルですね。












以上の仕様で初ロット50台分生産に掛かります。

急なご依頼には対応できませんので、ご了承ください。


80年代CR125の無限キットに使われていたピストンは444流用でした。
狭山レーシングで83の無限シリンダーを貰ったので、朝霞の無限本社までピストン買いに行った記憶があります。
444は市販車でもポーラスめっきシリンダーだったのですね。
それから世紀の失敗作フロント23インチもこの年(79年)だけの仕様。

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これはホーリーさんからの預かり物で
無限のファクトリーマシンらしく
前後サスペンションやチャンバーが量産とは違っています。
フロントも21インチに換わっています。

これが発売されたころ私は高専の2年生で
学生寮の勉強部屋にこれのカタログを貼っていましたが、高嶺の花で実車を見たのは
五明(松山オートテック)でしかありません。

まだどこの会社に入るかもわからない時代でしたから、これも何かの縁でしょう。



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今回はこの無限パイプの複製を頼まれましたが、プレス成型でなくハンドワークの手巻きと膨らましで似せて作ろうとしています。

量産型とは全然違う形なのでこのマシン所有しているレストアラー向けの補養パーツになるはずです。









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このパイプも激しく腐っています。
なんとか補修して使い続けようとした痕が見えますが、ここまで腐ったら諦めたほうがよいでしょう。

その代わりに寸法図って新品複製します。










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こんな感じで型を決めている最中です。

オリジナルもそうですが、ハンドル切ったときにフロントフェンダーが擦ってしまうので
なんとかギリギリ交わせたらいいのですが
難しいところです。



サイレンサーも横から突っ込まれて曲がっているので復刻する予定です。
これは位置決めの治具代わりです。




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なかなか似ているでしょう?

この型で行こうと思いますので明日から生産に掛かります。

完成までお待ちください。

廃番になった国産トレールモデルの代表格。
2スト生産終了になってからチャンバー作り始めて18年くらい経っています。
年間50台くらい生産とすると生産台数900台を超えていると思いますが
まだ初めて付けてくださるお客さんがおられるのですね。

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作ったらすぐ出荷してしまうので
CRMとRMXという2機種が揃っている図は珍しいので画像撮っておきました。

用途はナンバー付トレール車のエンデューロから林道ツーリング、公道専用と様々なシーンが想像されます。

レーサーモデルのマフラーではこのような長期間売れ続けるものは無いだろうと思いますので、ウチの主力機種ということになるでしょう。


                  
スチールチャンバーを初めて装着する人も少なくないようで
錆などについての質問を受けることがあります。
普通の商品なら買ってきたままで装着するわけですから、塗装もしてない鉄板は大気中で錆びてしまいます。雨や泥水を被ると即日赤錆になるでしょう。
レース用チャンバーなら未塗装というのが私のポリシーです。全開走行して焼いておけば錆の発生を防げるからです。
頻繁に整備もしますからチャンバー外して磨くことも手入れのうちと考えているのですが
一般の人はなかなか面倒でそんなことはしないと推察されますので
買っていただいたチャンバーがどこかで錆び錆びになっているのは忍びなく思うようになり
出荷時は耐熱クリア塗装してありますので大気中で錆びることはありませんが
排気熱やタイヤからのチッピングで段々剥がれてくるとは思いますが、そのときは剥離して再塗装すればよいでしょう。

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本田技研工業という会社の身分制度、江戸時代に例えるなら
現役の正社員や定年退職した人は武士、社長は将軍、所長クラスは大名とでもいいましょうか。
主任以下は下級武士、昇進したければ上司の気に入るように振る舞わなければなりません。
限られた特権階級の武士は豪商と癒着して私腹を肥やす。
そんな、ごますりや不正行為を見ながら、腐りきった会社組織から脱却したいと考え
武士を辞めると表明したらどうなるか、禄は取りあげられ屋敷も没収、無一文で世の中に放り出されることになります。
身分は都会なら町人、田舎なら百姓(農業従事者を指す言葉でなく、職人やその他の事業も含む)になります。
私は下級武士から足を洗って町人(手工業)に変わったので武士である本田技研工業の社員さんとは身分が違うので、対等にお話しすることはできないことをご了承ください。

最初の配属先の品質管理室に他の事業所から配属になった社員は初日の朝礼で挨拶するのですが
朝霞研究所から転勤してきた人の自己紹介でこんなのがありました、
「NR500のレースメカニックでR・ハスラム車を担当していました」
一見花形職業のように思えて、新人だった私は、すごい職場だなと思っていましたが、
朝礼の空気は冷ややかなもので「それがどうした、会社のカネで遊んでいたんだな」
「ここは量産車を製造する工場だからいままでのようにはいかないぞ」
そんな無言のプレッシャーを職場内に感じていました。
レースメカニックや開発業務というのは自分の意志でなく、たまたま配属先がそこだったというだけで
そこで才能を発揮するか落ちこぼれていくかは個人の技量の問題。
プロジェクトが解散すれば余剰の人員はよその部署へ移動になる。
与えられた仕事は全て経営側の企画に基ずく命令であるから、幸運にもレーシングマシンの担当になったとしても、いつまでも任されるわけではなく、いつかは辞令がきて移動になるのが会社員の宿命です。
私も新工場のプロジェクト(栃木、イングランド)で何年も移動になっていましたから、この先も上司の思惑で移動させられて適性にあってもいないことをやらされるかと思うと、会社に嫌気がさしてしまったのが退職の理由です。
定年まで勤め上げた人は相当我慢強いか、独立してやりたいことがなかったのでしょう。
いずれにしましても身分が違いますので、一定の距離は置いておかねばなりません。

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会社辞めてから始めた仕事なんで

会社員時代はこんなもの作れませんでした。

必要に迫られて考えてきた結果です。

曲ったパイプを自分の設計図に従って作っていきます。

これは2000年ころから作っているRMX250S(ストリート)
CRMと肩を並べる需要でしたが
近年は年間に数えるほどしか作らなくなりましたので廃番の時期が近いでしょう。

大体3年くらい注文のない機種は型や治具を廃却するようにしています。
治具置き場に限りがあるので、全く売上げない機種のために倉庫代をかけられないためです。

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パイプつなぎ終わりました。

15年も前に作った古い治具なので作り難いです。

現行車なら迷わず新型起こすところですが
RMXは絶版車なので
型の見直しをすることはないでしょう。







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2月ころ注文された商品ですが
完成のメールを送ったところ
支払いを待ってほしいという返事。

事情はわかりませんが、
通信販売ですから代金お振込みが無い場合は発送できないだけです。

大体1週間くらいが目途で対応なき場合はキャンセル扱いとさせていただき、以後請求はいたしません。

順番に作っているのですが次のお客さんに振り替えさせていただきます。
オートバイとは人が移動する乗りもの。当たり前ですが玄関から乗って好きな所へ行けるのがオートバイと思っているので、レーサーはオートバイとしての要件に欠如した乗り物です。(何処にも行けませんからね)
そのくせ私は一般道をオートバイで走るのが好きでありません。
特に信号機が多い道や自動車が連なって走っている状態が苦痛で仕方ありません。
それは自由がないからです。自分の好き勝手に走っていては、たちまち事故になってしまうでしょうし
見通しの悪い脇道や無法な自転車や動きの読めない歩行者などに注意しながら走るのでは、楽しみでも何でもないと考える人も多いのではないでしょうか。
だから、トランポなどで運搬する煩わしい思いをしてモトクロスに出かけるわけです。
一般道に比べれば相当な発散ができるからです。

そんな私でも場所と乗り物によっては楽しめる道路もあります。
愛媛の実家周辺などは、信号も交差点もない、歩行者も自転車も対向車も滅多に見ない
数えきれないカーブに勾配のきついアップダウンまである、ジャンプ以外の2輪テクニックを駆使して走るコースが多数存在します。
スピードなんか80キロも出れば十分なので大排気量車は持て余すだけです。
中型車でもちょっと重たい、原付一種ではパワーが足りない。
そんなロードには原付二種が最高だと思います。     

先日お客さんのKDX125SRのチャンバーを作って試乗したとき思ったのですが、一般道を走るに於いてこのエンジンは最高ではないか。
低速から充分なトルクを持って一気に高回転まで吹け上がるし、3速くらいで法定速度を軽くオーバーしてしまうので、全開しなくても余裕でスピードに乗れる扱い易さ。
そこで、こんな妄想をしてしまいました。
このエンジンを125クラスのロードレーサーのシャーシに載せて、田舎のワインディングを攻めたら、さぞかし楽しかろう。
トレールバイクでダートを走るのもつまらんだろうと思います。普段モトクロッサーで走っているので
性能の低いサス性能と走りずらい路面を想像すると、とてもやる気がしないのです。
絶景の景色を観るためにはダートバイクでも行けない場所が殆どですから、そんな場所は徒歩が一番です。

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最後の生産から15年以上経過していると思われるKDX125SRですが

原付二種なんで持ってても邪魔にならんのが人気の秘密でしょうか。
ステイタスにはならないですが
乗る喜びが他のカテゴリーのオートバイより広がる感じがするのですね。

お陰さまで、サイレンサーをラインナップに加えてからインターネットで探し当てて注文して下さるお客さんがおられるので、時々作らせていただいております。



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2ストトレール車は同じデザインで統一していますが

量産型ではありませんので
毎回ハンドワークで1個づつ作りますので
時間がかかっております。

このサイレンサーは2月にご注文で今頃完成しているのですから
長期間お待ちいただいているお客さんには申し訳なく思っています。





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2スト全盛期はマフラーのメーカーもたくさんあって、注文すれば直ぐ手に入る時代もあったようですが
絶版車のマフラーを新規に作っても
販売台数は期待できませんから
1個だけ注文に対応できる
超零細の我が社に辿り着いてしまうということなんです。

宗一郎さんじゃないですが、私の体が動く内は最後のお客さんまで対応していくでしょう。

遅れに遅れ、KX250Fのスペアマフラーができました。
当初の予定は全日本MX関東大会まででしたが、動向を見極めながら2作目着手しました。
それは新型マフラーなので性能や耐久性の評価ができないまま、同じ物を作ることに懸念が残るためです。
2戦ほど現地で確認した上で、車検の騒音計測も若干の余裕があるということなので
性能向上のためのモディファイを施したスペアマフラーとなります。

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車体は返却したので治具に合わせてエキパイ作っています。

ノーマルのようなサブチャンバーを無くしました。
加速性能重視の変更です。
騒音に対しては不利ですが、測定値のマージンを使わせていただきます。
エキパイ管長は少し長くしています。






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サイレンサーは前回より50mmカットしています。
排気抵抗を減らす目的です。
ストレートのエキパイとショートサイレンサーの組み合わせはレスポンス型に変わっているはずです。

次戦は神戸SXということなので
助走の短いジャンプコースで細かくタイムを短縮していただきたいです。

アフターバーン対策のステンメッシュは早い段階で燃え尽きたそうなので
今回は線径の太いものに変更しましたので
車検対応には秘密のアレを入れてみると効果あるでしょう。(教えられません)

機種番号400、75年型エルシノアを無限ファクトリーでモディファイしたマシン。
私は中学生でしたのでモーターサイクリスト誌の写真記事でしか見たことがありませんでした。
ライダーは鈴木秀明選手ゼッケンは#7だったかな。
白色に塗られた車体に赤いレザーに張り替えたシートの横にhideakiの文字。
何年か前にジャパンVETのセレモニーに実車が展示されていて驚きましたが
今回はそれに取り付いていたであろうサイレンサーの現物が届けられ、
中学時代の自分には到底予想もつかない展開だったでしょう。

400の無限マシンを模倣したチャンバーとサイレンサーは5年ほど前から作っていましたが、画像を参考にしただけなので見た目以外の詳細は殆どわからない状態での創作でした。
チャンバーのスペックは400のダウンチャンバーを採寸して形状をアップチャンバーに変更しただけなので動力性能に影響はないはずでした。

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上が無限の実物だそうです。

ようやくサイレンサーだけですが全容が目の当たりにできました。

下は弊社オリジナルですが、現物無しで作った割りには似ているではないでしょうか。
寸法を同じにできない理由は
創作したチャンバーとセットの部品なので
狭いフレームの中を通す都合で
再び車体で検証するか、チャンバーの形状も見直さないと取り付けが不可能になると思います。


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実物が届いてからサイレンサー前後の蓋を似せるために金型を作って成形しました。

あまりにも簡素な金型で全国の製造業の人から嘲笑を受けそうな作りですが
治具代ゼロ円で作っているといえば納得していただけるでしょうか。

月給保障された上にメーカーと癒着して私物を作ってもらっている一部の会社員のよにはできません。


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こんな感じで400サイレンサーのマイナーチェンジいたしました。

50台分ご注文いただいいるので当分の間新規取引を控えさせていただきます。











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本田技研工業(株)埼玉製作所時代に被っていた作業帽です。

私が会社員だった証になるものは、これくらいしかありませんので捨てられないで取ってあります。
同僚が書いた落書きがいい思い出です。

2連ジャンプをためらって飛ばなかったら次のステップには永遠に行けません。
会社辞めるのはすごく不安だったけど、辞めなければ次のステップに進めないのは
2連ジャンプと同じ理屈です。

ツインマフラーをフルエキゾーストで作るには相当な材料費、工数が掛かりますので
社外マフラーと互換性を待たせることで、スペアマフラーとして使えるという方法です。

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サイレンサー部分だけといっても
ツインマフラーですから、これだけの部品点数になります。

社外のジョイントパイプは左右同じサイズでφ40のパイプを差し込める寸法にしてあります。

パンチングパイプにはスパークアレスター付きがお約束になっています。(アフターファイヤー対策)




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社外のジョイントパイプ専用のスリップオン・サイレンサー完成です。

1.5mmアルミと0.8mmステンレスを使用していますが片側1.2kgと社外マフラーより400g軽量に仕上がっています。

もちろんMFJ対応、112dB/Aクリアします。





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実は全日本関東大会までと思っておりましたが時間の都合で今頃になってしまいました。これで菅生大会には間に合うでしょう。

車両持ち込みがあった場合に限り、ワンオフ製作してきましたKDX125用チャンバー。
どうも上手い取り回しが見つからず、毎回違った形状になっていましたが
今回は大幅に形状変更して、過去に作ったローボーイからアップチャンバーにしてみました。

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やはり作りにくい形状です。
なのでラインナップはできません。

遠方で車両持ち込みできないお客さんは頼まないようにしてください。

この後サイレンサーも作るのですが
この状態で試乗してみました。
思ったよりエンジン回ります。
ノーマルと取り替えて比較しましたが
低速は意外にも互角、
中速域にノーマルの方が若干トルクが出ている部分がありますが
回してしまうとスペシャルの方が高回転のパンチが効いています。

原付2種でこんなに走っていいものでしょうか。全開走行はあぶない感じです。

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取り回しが悪い原因のひとつ。

ダウンチューブの横にホーンが付いていて邪魔なんです。
これを避けるためにチャンバーが横に張り出します。

レーサーならフレームギリギリに寄せたい部分ですがこれでは無理です。

ホーンはフロントカウルの裏あたりに移設すればもっとコンパクトに取回せるのだが・・・



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そして内側に追い込まれたキックペダル。

調度よい位置に邪魔です。
ペダルのボスに1mmほど肉盛りするだけで
1cmくらい外側に避けられるのだが・・・

一般のお客さんは無加工で取り付かなければ文句を言われるでしょうから、
無理やり避ける形状にしています。

こういう取り回しは出来ればやりたくないと思っているのでラインナップしない理由です。

明日サイレンサー完成しますが
3日ほど家の一大事で休業します。そのまま5月連休に突入しますが、モトクロスイベント以外の日は通常業務の予定です。



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予定どおりサイレンサーも完成しました。

繰り返しますが
チャンバーはワンオフです。
メール注文では作れません。

サイレンサーだけラインナップしております。
メール注文で作れます。(ノーマルに取り付きます)







明日から新な課題に取り組んでまいりますが、当分の間新規受注を控えさせていただきます。
当ブログで興味を持っていただき、多数の問い合わせを受けるのですが
生産能力が無いために相当な量の仕事を溜めこんでしまいました。
表向きはシャッターを閉めて中でコツコツ残務に追われる日々です。

今度はエキパイ製作です。
要件はノーマルのエキパイ、サイレンサー相互に取り替えられることなので
ノーマルとスペシャル両方で取り付け確認します。

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ノーマルに準じたパイプサイズですが
ノーマルのステンレスに対して
チタンパイプを使用します。

サブチャンバーがパイプセンターからオフセットされている理由はこれです。

パイプに排出と戻りの穴が二つ開けられていますが、穴側のチャンバーが広くなっている構造です。






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エキパイ完成です。

手曲げパイプと巻きチャンバーの組み合わせ構造になっています。

フランジはアルミ2017削り出しです。










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フルエキゾースト試作1号

2号機の予定は・・・
あります。

マスター車あるうちに治具製作しなければなりません。









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無事金曜日にオフビレのパドックへ納品できました。
青森出身、高木嵩雅レーシングの若手
国際A級平山力(リキ)選手です。

ぶつけ本番で明日の公式練習から走ってもらえるそうですが、
その前に車検通過できるか、軽く心配です。

全日本モトクロスは人生をかけた戦いだと思います。
いつでもできるわけじゃなく、体力的に最高の時期でないと通用しないので、
僕のマフラーを選んでくれた以上はマシンが快調に走ってくれることが最大の望みなのであります。

今最大の懸案項目がこのマフラーです。
昨年から新規受注に関して納期未定と回答してきましたが
全日本モトクロスの日程は待ってくれません。
そこで代替え案として社外マフラー2本修理して使っていただくことで
先延ばしにしてきましたが、今週金曜日にパドックへ納品を目指して作業しています。

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マスター車は13モデルですが
排気系は2016まで互換性あるそうなので
これに合わせて作っています。

今回はIA2クラス対応を考えて
従来の弊社オリジナルマフラーより
新に2項目の変更内容があります。

一つはサイレンサーボディーのアルミ5052板が従来の1mmに対して
1.5mmに板厚アップしています。
比重の軽い材料なので数10gしか増量しないのに剛性が格段に上がります。

おかげでベンダー無しで曲げていますので
ものすごく怪力が必要でした。
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もう一つはスパークアレスター付きにしました。

インナーパイプの中にステンレスメッシュを挿入しています。
主に排気音軽減の目的ですが
空ぶかしで未燃焼ガスがマフラー内部で
燃焼するアフターバーンが騒音を悪化させる要因なので
ステンレスメッシュを燃焼ガスが通過するときに冷却される効果があります。

以上2項目追加して対応しました。


CIMG5257.JPG

まだラインナップではありません。
ワンオフ製作です。

この後エキパイも作りますが、間に合えば金曜日にレース車にて取り付け確認させていただきます。


重量はノーマル3.0kg
  スペシャル2.2kg

800g軽量化はt1.5アルミとt1.0チタン使用の賜物です。






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排気騒音計測してきました。

2mMAX法で
ノーマル110.5dB/A
スペシャルは7回計測して
104.7
105.1
113.1
113.1
112.7
105.2
113.2 dB/A
アクセル開け方によってアフターバーンが起こるようです。
車検は3回計測して1回クリアすれば合格なので大体OKでしょう。
あくまで車検場の計測器で判定なので、不合格の場合は次の手も考えてあるので、ご安心ください。


サイレンサー出来たのでテールパイプの形状を決めます。
スイングアーム外側ギリギリに追い込みたいのですが、旧車はアクスルシャフトとナットが飛び出していて、サスが沈むときに干渉しそうなので、あまり寄せられません。

CIMG5242.JPG

フレーム下とリヤリンクとの隙間も紙一重です。
これ以上は追い込めません。












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何が何でも今日中に終わらせます。

明日からの予定はさらにハードスケジュールなのです。












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フランジとチャンバー、サイレンサー
6点セットになります。

クロスチャンバーのメリットは
性能絡みではありません。

左右振り分けよりエキパイのカーブが長くなります。
そのためチャンバーの胴体部分が前に移動します。
TZR250のリヤリンクに胴体部分が干渉するため、内側に寄せるのに限界があり
フルバンク時に路面を擦ってしまうことになります。
そこで、胴体部分がリンクより前に位置することによってバンク角が稼げるというメリットです。
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カウル装着希望でしたので
装着しました。

実はボルトオンでは装着不可能でした。
エキパイが重なっている部分の厚みがあってカウルに当たってしまうのです。
当たるところをカットする方法もありますが

マウントステーを加工してカウル位置を下げることで問題なく装着できました。

見本で渡されたチャンバーも仮組みしましたがカウル装着は不可能でしたので、取り回し改善できたといえるでしょう。


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左側はサイドスタンドの収納とチェーンに干渉しないように留意しないといけません。

左右共カウルのクリアランスは取れました。

これにて絶版チャンバー製作完了ですが
同じ物はご注文いただいても作れませんので今回限定になります。









このお仕事はオファーいただいたのが去年の8月でした。
ちょうど骨折してリハビリ中だったので、直ぐできるわけはなかったですが
実に8か月掛かって完成したことになります。

新規受注をお断りしながらバックオーダー中心に作業しておりますので
ご注文のお客様は、もうしばらくお待ちください。

チャンバーの取り回しを決めるのにフランジが無ければできません。
治具代わりのマスター車にはノーマル用のフランジが付いておりますが、リプレイス用は付いておりません。
なので、取り回しを決める前にフランジ製作が先になります。

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左右2個、アルミ2017の棒と板から削り出しです。

チャンバーの口元はOリング2本入りですが
以前使っていたOリングが廃番になっており

急きょ現行モデルから探しだして設計変更したものです。

ようやくエキパイ部分の取り回しができます。
サイレンサー2本も作らないといけませんので、あと3日くらいでしょう。




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フランジ組み付けてレイアウト検討したのですが
見当で作った型がダメで、部分的にパイプのカーブを作り直しすることにします。











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エキパイ左右共ダメだったので
こちらもカーブ作り無しです。

これはエキパイをクロスさせるだけならいいのですが、カウル装着できるようにコンパクトさが求められます。

ノーマルは左右振り分けのエキパイなので
アンダーカウルのスペースが厳しいのです。





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これでまあまあのレイアウトに収まったのではないかと思います。

予定を一日オーバーしてしまいましたが
頭が悪いんで、一回で決まらないんです。
時間がかかったからといって、余計に工賃をいただくわけにいかないので
よく考えながらやるしかないです。







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全体像が見えてきましたが
テールパイプの向きは
サイレンサーがなければ最適な位置が決まりませんので

続きはサイレンサー2本作ってからということになります。


RM3型アルミタンクの塗装が仕上がりました。
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う、美しい

純正に忠実に塗ったと思いますが
調色といい、艶といい、
何も言うことありません。

下手な修理のタンクを嶋野さん(フラワーオート)に持っていきましたら
即座にダメ出しをもらい
「何年これでメシ食ってるのよ」
たぶん45年くらい
ヤクザのベンツの修理から
ワーゲンのチョップド・ルーフまで
あらゆる板金修理をこなしてきただけあって
歪んだサーフェイスは許し難かったようです。

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SUZUKIのロゴはホーリーさんとこで復刻していただいたデカールです。

純正に忠実に直すためには不可欠なアイテムです。

実はタンクの修理は10年に一回くらいしかやったことがないので、満足に直せません。
というかそれくらいしか需要がないということなので、自分のやつ以外はやる必要がないという結論にいたりました。





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同時にチャンバーも組み立たりました。

ノービス時代にこんな技は持っていませんでした
レース前はチャンバー作りからという基本は

安月給で部品も買えないのに、チャンバー凹ませて修理不能になったとき
鉄板から巻いて作れば、カネはかからんという理由からです。
パワーアップでもカッコでもないんです。
要はカネがないので仕方なくやっていたことです。
これで純正と対等に走れば文句ないでしょう。



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これで昨日とは違うマシンの外観になりました。

38年落ちのマシンで速さを求めるつもりはありませんが、自分だけのテイストは注ぎ込んでいきたいと思います。











来週はMCFAJのレースで翌週がチキチキYMXなので、もうちょっと手を加える時間がありますね。

80年ころ先輩から譲ってもらったRM125に乗ったころは何も出来んノービス君だった俺。
あれから36年経って、素人なりにも経験は積んできたので、あのころと違う自分が
あのころのRMに乗れるという奇妙な体験をするのであります。

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せっかくなんで、ちょっと覚えたチャンバー作りで
当時のマシンに味付けしてみようと思います。

修理したアルミタンク乗っけて、手作りチャンバーに交換して工場レーサー風というコンセプト。


肝心のエンジン、足回り部分は手付かずですが
故障しないことを祈ります。






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これは型を決めようとしているだけなので

製作はもうちょっと後になります。

なんせ遊びじゃけん仕事の合間にちょっとずつね。



先週日曜に埼玉県某所でテスト品のインプレッションをしてもらってきました。
テストライダーはO氏のご子息、だいぶ上達してきたので、性能比較の経験もいいかもしれない。

ただし2輪の乗車経験は65や85のモトクロッサーしかないので、他社との比較や感じ取ったことを
言語で表現するには、技術用語も必要でしょう。
たとえば性能曲線を理解しているか、馬力とトルクの物理的概念とかを定性的に判別できる能力があるかと
言われれば年齢的に不可能な部分があるので、私とO氏でインプレッションを解釈しながらの確認です。

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左端は普段使っているBUDレーシング。
高速の伸びが気に入っているようですが
低速トルクがなくて、コーナー立ち上がりで
半クラッチが必要らしい。

右から2本目は低速からトルクが出ていて
半クラッチの必要がなく、中間加速もBADと同等だが伸びはBADの方が良い。

3本目は2本目より高回転を狙ったが、中間までは同等だが、高回転はあまり伸びてない、または早く吹けきってしまう表現かもしれない。

そこで右端はBADの諸元を測って、オリジナル品と比較して同等の伸びを目指す目的で試作したので、今度乗ってもらう予定です。
日本のモトクロスシーンでは高回転型よりも低中速のトルクやパワーの立ち上がりがスムーズな方が、万人に扱いやすいと考えていますが、高回転キープできる体力やスキルのある人向けに高回転型もありかな、と思っていますが最終的に一つのスペックに絞らないとラインナップになりませんので、もう少しかかるでしょう。

CIMG5001.JPG

自社ノウハウを入れて作っておりますが

スペックが似ていれば形状も似てきました。

純正チャンバーも含めて5種類もスペックを計測して実走確認するので、ちょっとした知的財産になりますね。



2014年にモデルチェンジされたKX85に伴って、弊社ラインナップにありました同チャンバーも15年が経過し
全面的に見直す良い機会と考え、新型チャンバーに着手していましたが
出力特性に満足な結果が得られていなかったため試作トライをする計画だったが、骨折事故で中断を余儀なくされて、今日に至りました。

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ここにテスト済みチャンバーが2種類あります。

実走テスト結果は
一つは、高速域は良好だが低速トルク不足。

もう一つは、低中速域は良好だが、高回転時にトルクの谷がある。

どちらも有効な出力が出せる回転域に偏りがあるためスペックを補正する必要があると判断して、エキパイ長やテーパーの寸法を変更して
再トライする予定です。




CIMG4975.JPG

これで2種類のチャンバーができました。

狙いは上記の2種類の弱点を対策する方向で決めていますが、確証はないので後日、実走テストで調べる予定です。

テストライダーは前回もお願いした、ホンダとスズキでファクトリーライダーを務めた経験のあるO氏に依頼することにしています。

試作車両の乗車経験と開発能力があって、いまでも遜色なく走れるライダーは少ないと思いますので、インプレッションに信頼性が持てるのです。


すでに興味を持たれて、ご予約のお客さんもおられますので急ピッチで進めてまいります。
もうしばらくお待ちください。
先週から成形トライをやってきた467チャンバーの1号機が出来ました。

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見本は無限で製作された金型プレス品で
ZAS型鋳型機も大型プレス機もありませんから
板金製法でこしらえました。

費用は鉄板代と溶接ガス、電気代くらいでできてしまうのですが
板金には幾何学的考察が必要で
目で見て形状を頭の中で理解してから
鉄板の罫書き寸法に落とし込むという
技が必要です。

やり方は百万円くれれば誰でも教えますが
できるかどうかは努力次第ということになります。
(冗談)



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実車に取り付けてレイアウト確認です。

一台三日掛かりますから、50台作ると
休みなしで5か月掛かる計算になります。

隣町の有名コンストラクターさんの会社では
RC213VーS(2千万円のロードバイク)のマフラー250台分注文されているそうですが一か月くらいで生産してしまうんですね。

一流メーカーになるには技術力も資金力も全然足りません。
だから身の丈に合ったことをやっていくだけです。



他メーカーで製造されたマフラーのデザインを真似て作ったり、型取りしたりすることは個人的な趣味であれば問題ないですが、それを販売するとなると問題になります。
実際私のところに画像などを見せて複製してほしいという問い合わせがありますが、すべてお断りすることにしています。それを作っているメーカーか販売店に注文すればいいだけのことです。
私が引き受けているのは、入手不可能になった物で尚且つそれを作ったメーカーが製造を打ち切っている場合に限りますのでご注意ください。

35年前に製造されて一般流通もしたこともなく、それを作った組織も終了しているので不服はないと思っていますので公開していますが
これは商標権か特許を侵害していると申し立てる人がでれば中止することは明言しておきます。
そもそもレストアという作業の一環なので、当時の風合いを再現することが目的なのです。


467ccじゃないですよ、ホンダの機種ナンバーが467で表される80年型CR250Rです。
最後の空冷ツインショックですから、世界中に保管されているビンテージMXファンがいらっしゃるでしょう。

430とは排気ポートの向きやフレームの形状がちがうためチャンバーを流用するのは不可能なため
新型作りから始めました。

CIMG4776.JPG

このような作業を何百回も繰り返してきましたが
何回やっても難しいです。
スクラップを大量に生み出しながら
三日かかって、これだけできました。

これは型を決めている作業なので
このパイプを開いて展開型にします。








CIMG4777.JPG

全部膨らまして作ろうとしましたが
カーブが微妙なため、あきらめて巻きチャンバーにします。

マニア的にはこの方が古めかしい外観で好まれるかと思います。


業務連絡を兼ねて、本日完了のワークを2点ご説明させていただきます。
今回は車両お持込みのワンオフ製作なので同じ商品の注文があっても製作はできません。

CIMG4654.JPG先ずは製作物

チャンバーとサイレンサーです。
車種はKDX125SRですが
お客さんによるリヤ回り部品変更に伴い
ノーマルチャンバーとサイレンサーの取り付けに問題が生じたことが
新造に至った理由と思われます。

チャンバーは元々ラインナップしておりませんでしたが、テールパイプ形状変更でサイレンサーも専用になっています。(ノーマルチャンバーには取り付きません)



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リヤショックのサブタンク付きに換装されていますので
サブタンクとテールパイプが干渉していましたが
変更後はこのとおりジョイントラバーも楽々取り付け可能になりました。









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テールパイプはキックペダルを逃げる形になっています。
以前同車種のチャンバーを製作したときはキックシャフトのセレーションをひとつずらしてペダルを後ろに起こした位置にしてからキックペダルの内側にテールパイプを通しましたが
この車体はペダルがリヤブレーキスイッチのリターンスプリングに触ってしまい
リヤブレーキスイッチの戻り不良が起きそうなので、キックアームの位置変更はせずに取り回した結果です。


CIMG4658.JPG


この車両の画像を送っていただいたときは程度の良い中古車かと思っていましたが
実車を見て、エンジンからフレーム足回り、ハンドル回り、外観で見える部分は全て再塗装や新品組み換えなどにより、キズや汚れ、腐食など皆無なレストア状態であることがわかりました。
KDX125は鉄のリヤフォークのはずですが
これはアルミです。
先ほどのショックと同時にリヤ回り換装といった感じですが、ボルトオンであったか要加工であったかは聞いておりません。
トレール車には珍しいホイールのバランスウエイトも装着されており、オンロードでの快適性にも配慮されているようです。

数々のチョイ古トレールマシンを見てきましたが、仕上がり状態がトップクラスです。
これでダートは走らない方がいいですね。
実はトレールマシンをタウンユースにするのは非常にカッコいいんです。
ダートは高性能なMXerの方が断然楽しめると思います。
CIMG4660.JPG

全国にチャンバー作れる職人さんは大勢おられると思うのですが
私のような者に頼むために、静岡県から軽トラックで運んできてくださるのですから
下手な溶接で申し訳ありませんが、最大限力を尽くしました。

サイレンサーの位置はチョット失敗して付け直したことを白状いたします。
(実物見てもわからないと思いますが)
非常に難解な3次元に傾いた形状のジョイントパイプのリプレイスを試みました。

用意したチタンパイプのサイズは、4種類 φ50.8 φ45 φ38.1 φ31.8
長さは少量ですが材料代5万円分が必要です。
φ45の曲げRが小さく、手曲げは不可能と判断し、輪切りにして繋ぐ方法にしました。

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集合マフラーの逆です。
分散マフラーです。

この二又部分に排気ガスが音速で衝突するため、突き合わせ部は尖っていた方が
抵抗が少ないでしょう。

同時に左右にハッキリと排気を分けるためにも尖っていることが必要だと思います。

集合マフラーでは1番3番、2番4番のエキパイを振り分けるために集合部分に板を入れたりしますが、点火時期別に流れる排気ガスを干渉させることが目的で
排気ガスは圧力の波ですが、高圧で流れたあと減圧したところに次ぎの排気が来ると排気ガスの流れが加速される効果を狙ったものです。
これはシングルのエキパイをツインマフラーに振り分けるものですから、このような形状になっています。
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左がノーマル、右がチタンパイプ。
パイプの仕様は同等なので
性能の変化はあまり感じられないと思いますが。
ノーマルより板厚が薄い部分と、チタンの放熱性の影響で排気ガスの温度は冷える方向になるはずです。
結果的に排気温度が下がると低速になるため低回転のレスポンスは良くなるかもしれません。

パイプの組み立ては目見当のフリーハンドでやった割りにはパイプのカーブや向きが高精度にできているではありませんか。
サイレンサーを付けるときに全く力を要せず穴位置がぴたりと合っていました。
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φ50.8のパイプはリヤショックのスプリングに擦ってしまうのを防ぐために
絞りを入れて幅を狭くしてあります。

エキパイの差し込みはガスケットなしで
スペシャルバンドで締める構造です。

重量ですが
ノーマル900gに対し
チタンパイプ390g

およそ半分の軽量化です。



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このように左右のパイプの傾きが違っていて上向き角度も左右別なので、パイプの組み立てが難解であることが想像できるでしょうか。
純正品は一日に何百台も作らなければなりませんから、型物のパーツを組み合わせていますが、これは素管から切り出したハンドメイドなので3日掛りでした。
無限さんみたいに上手にできませんが、
これは自家製なので若干の材料代と自分の時間を費やすことによってできます。

これで450フルエキの製作は完了しましたが、終わりではありません。
次の段階は実走です。
これもプロライダー頼むとギャラが必要になりますので、耐久テスト含めて自分でやります。
(鎖骨の金具が痛うて、もうしばらくできんと思います。)


CIMG4649.JPG

普通のMXerはマフラー1本あればよかったのですが、CRFは3点セットが必要になり
当然加工時間も3倍かかってしまいます。

では、これを頼まれると価格はいくらになるか?
悩むところですね、手間が3倍だからマフラー3台分だと高額になってしまいます。
しかし、マフラーのジョイントパイプの部分がシングルマフラーより簡素だと言えなくもない。
そこでYパイプがシングルマフラーのジョイント2台分と考えると、
マフラー2台分が妥当な価格でしょう。
弊社の場合、¥47000×2=¥94000也

純正の3点セットの価格は¥92000 税込みで¥99360とギリギリ10万円を切っています。
他社のシングルマフラーと比較すると大幅なコストアップになりますね。
それから、これは450用なので、250はベース車両ありませんから、今のところ作る予定無しです。








ノーマルジョイントに取り付けるツインマフラーを作りました。
オリジナルコンセプトに基づき、社外メーカー品に似た物がないように留意します。
ノーマルより軽量でパワーが出るようにすることはもちろんですが
整備性、特に分解時にリベットの取り外しが必要の無い、ネジ止め方式にしました。
スチールやステンリベットの取り外しは憂鬱になる作業です。
マニュアルなどにはドリルで削り取るなどと書かれていますが、穴が偏芯したりスリーブが固着していたりで、無傷のまま外すことはほぼ不可能のためです。

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右マフラーは排圧を落とすため
ジョイントの部分でパイプ径を絞った寸法は
ノーマルに準じています。












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左マフラーはノーマルを外したところに同様にジョイントしてあります。

アルミボディーにステンレスエンドを使用し
サイレンサー単体重量は
ノーマル1.4kg
オリジナル1.2kg(左右共)
なので両側で400g軽量にできました。







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異形なヘキサゴンセクション
サイドカバーに丁度収まる形状です。

インナーパイプ、エンドパイプ共、ノーマルより拡大されており、出力向上を目指します。
排気音量は全部完成した後計測します。




次はジョイントパイプの製作になります。

非売品の無限製チタンパイプを見せていただきましたが、ノーマルのような型物は一切使用せず、全てハンドメイドの逸品でした。
うちは、それとは違った方法でハンドメイドすることにします。

新品めっきも研磨が命、クロームめっきが仕上がってきました。

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車体取り付け寸法上、先端付近のボディーとのクリアランスが無いため

メガホンのキャブトン形状にしました。
完全オリジナルです。



CIMG4631.JPG









研磨する前に車体に取り付けて排気音を聞いてみましたが
相当の爆音でカミナリ族仕様だったので
消音のためバッフルを取り付けることにしました。

バッフルはマフラーエンドに差し込むパイプの内径と長さを変更して音量を調節します。

本体は隔壁2箇所入っていますが、グラスウール等の消音材は不要なのでメンテナンスフリーです。



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トライアンフのキャブトンタイプがあったのですが、あれは茄子のように中央が膨らんだ形状でしたから、金型を使ってプレス成形する必要があり、ワンオフは無理でしたが
これはロールベンダーでメガホンを巻いて
フタだけプレス成形しましたので
一台分だけ安価に作る手法を選んだということです。



昨日、富士総合火力演習の予行を観に、東富士演習場へ行ってきました。
日曜日の本番ははがきとネット申し込みの倍率が29倍という狭き門であるチケットが
木曜の予行ではありますがいただきました。
正規に申し込んでも入手不可能な栄誉ですから、仕事の予定を中止しても価値があるでしょう。
朝出発が遅れて5時に出発したのですが、現場到着7時半にも関わらずスタンド席は満員で
地べたのシート席に何とか座れましたが10時の開演まで雨の中濡れながら座って待つという
経験したことのない苦行。
しかし、目の前で戦車が走って大砲をぶっ放すのを見たら、一生に一度は見たほうがよいと感じました。
詳細は陸上自衛隊のHPなどで見れると思いますが、動画編集できたら後日アップいたします。


さて去年から計画していたCRF450マフラー、用事が多くて着手できずに1年が経過してしまいました。
着手しないと永久に始まらないと感じましたので着手します。

CIMG4626.JPG

CRFのオーナーでなければ、ツインマフラーがどのような構造なのか、不明だと思います。
このように右マフラー脱着式で、左マフラーはジョイントパイプに溶接された非対称構造です。

オリジナルマフラー作るに当たって段階を踏む必要があります。
それは、ノーマルジョイントを利用してマフラーの位置決めをするため
左マフラーも脱着式に改造します。



CIMG4627.JPG


まず左マフラーを分解します。
パンチングは特殊な形状をしています。
ステンメッシュが巻かれていますが
スポット溶接で固定されており抜けない構造なので切り裂いて取る必要がありました。

ウール交換だけなら切り裂く必要はないでしょう。

これからフロントキャップ部分を切断して差し込みジョイントを加工したいと思います。



CIMG4628.JPG

このようなパンチングですが
パワー本位の設計ではないでしょう。

騒音の自主規制のためだと思います。
折角高精度に作られたマフラーですが
多くのレーサーたちは、あっさり社外マフラーに取り換えてしまいます。

これはメーカーが考えた十分な出力と静粛性を備えた設計ですから貴重なものです。
無傷で保存しておきたいと思います。

しかし、FIのセッティングが良好なためか
カーボンの付着が全くありません。
街乗りマフラーを時々バラシますが、酷いカーボンの付着ですよ。いかにでたらめな空燃比で乗られているか予想がつきます。

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差し込みカラーの装着ができました。
スペースが無いのでマフラー内部に挿入する構造です。

パンチングがマフラー外形に対してオフセットされているので、パンチングの微妙な傾きを再現するのがコツです。








CIMG4630.JPG
左マフラー装着完了です。

ジョイントパイプ径φ38.1

ノーマルジョイントで左右マフラー製作が第2段階

ジョイントパイプのチタン材で製作が第3段階

こういう予定で進行しますので、不定期更新いたします。


帰省渋滞が始まっているようですが、まだ出発しないのでギリギリまで働きましょう。

キャブトンという英語が存在するのかと思っていました。
Come And Buy To Osaka Nakagawa(大阪中川まで買いに来い)の頭文字だそうです。
戦前、メグロと大型2輪車の製造を二分したメーカーでキャブトン号という車名があったそうですが
現在ではキャブトンマフラーという名称だけが引き継がれています。
ご存知W1やトライアンフのような水平で直管の中央付近が膨らんだ形状のマフラーです。

CIMG4588.JPG

まずはキャブトンの特徴的な丸みを帯びた
フタをこしらえるため、金型作りです。

プレス成形も素人なので、鉄板を上手く絞れるかどうか手探りの作業です。

φ90とφ110の丸棒は材料代5千円くらいですが
下手な旋盤加工で製作費を浮かせたいと思います。





CIMG4587.JPG

これが素材の鉄板を円錐に巻いたものです。

これを金型に押し込んで丸く膨らんだカップに成形しようと企んだのですが

それは素人の浅はかさ、
見事に期待を裏切る仕上がりでした。







CIMG4589.JPG


このように失敗作を繰り返しながら、
段々とやり方をつかんできました。

時間に限りもあるので、金型の修正は最小限度に、素材形状も少し変えながら
成形トライを進めてきました。

金型があれば、即OKなんて甘い考えでしたね。





CIMG4590.JPG


まあこんなもんですかね。

大体思った形になりました。

これをキャブトンマフラーのフタに使います。










CIMG4591.JPG

通常のキャブトンは筒抜けですから
いい爆音が出るんですが

オーナーが世田谷の住宅地に乗り入れるということで、少し爆音を控えるための
隔壁を2枚仕込みます。

排気ガスの速度を鈍らせる効果があります。
見本で仮組みされたトライアンフマフラーも中身に隔壁が入っておりましたので
大体の見当で作りました。



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こういうわけですよ。

テーパーになっているのは、JZRスリーホイラーのエキパイがボディーに近いサイドマフラーのため前側は太くできなかったのです。

テーパーはGL500のマフラーと同様にしてあります。

この後全周溶接して研磨しますが
めっき屋さんも休みなので
完成はお盆明けに持ち越しです。



骨折列伝

1、17歳 空手の組み手練習中に右手親指を開放骨折。鉛筆が持てず落第するかと思った。

2、18歳 松山オートテックでモトクロス練習中。フィニッシュジャンプ後のメインストレートでハイサイド 
        転倒し左肩鎖骨骨折。同級生と一緒だったので運転してもらって帰れた。

3、26歳 利根川練習場でジャンプに失敗、前転して左肩鎖骨骨折。河川敷にいた知らない人に
        積み込み頼んで、片手運転で帰宅した。

4、28歳 藤沢スポーツランド練習中、1コーナーのギャップにフロントが突っ込んで前転し、右肩鎖骨
        骨折。コースにいた人たちに救護されて片手運転で帰った。マニュアルシフト車を4号線で
         13時間掛けて帰った。

5、38歳 桶川最後のレース、散水された1コーナーで追突されて転倒。後続車が胴体を轢いていった
        ので左上腕骨骨折。粉砕していたので肉だけで腕がぶら下がってしまってショックだった。
         初めて全身麻酔で手術した。

6、52歳 オフビのベテランレースで連続ギャップで転倒。右肩鎖骨骨折。骨が割れていて隙間があっ
        たので切開して金具固定手術。

靭帯損傷や捻挫、亜脱臼などもありましたが、骨折だけ振り返ってみました。
結構無駄な時間過ごしてきたと思います。
もうやるまいと思っていましたが、懲りてなかったみたいです。

連休前に研磨屋に頼んでおいたCRM250のチャンバーが出来上がったと連絡があったので
軽トラ片手運転で引き取りいってきました。まだ右手でハンドルは回せません。

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2型はラインナップでないので
車両持込みしてもらって作りました。

表面処理はお客さんの希望を聞いて施しています。

クロムプレーティング(クロームめっき)は
業者に持ち込みと処理料、引き取りまでやって1万5千円で承ります。
当社品に限りノーマージンでのサービスです。




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連休挟んでしまったので、預かりが長くなってしまいましたが
これで完了です。

怪我してなければ試乗してみようと思っていましたが止めておきます。

2型をラインナップに加えない理由は
管理する治具類を保管するスペースや殆ど注文の無い旧型品を廃止する方針でいるためです。
古い物に対してサポートすることによって寿命は延ばせられますが、それに囚われて
新しいことに取り組む時間が無くなってしまうことを懸念しているのです。

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ようやく今週末納品できます。

次は片手で何をしようかいねー


頭の中では、いろいろ考えてあるんですよ。

早よ骨つかんかなー

大型連休中もどこへも行かず、こういう時しかできないことをやっておきたいと思います。
R25改造計画、第4段スリップオンサイレンサー製作です。

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ヤマハR25の消音機部分を新作して、軽量化とルックス改善する目的です。

ノーマルエキパイとサブチャンバー部分に触媒が装着されており
騒音と排ガス浄化対策ができていますので
サイレンサー部分の役割は排圧の調整と排気音がメインとなります。







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サブチャンバー出口のパイプが非常に小径のため、ジョイント部分の見た目が貧弱にみえます。
そこで、外径アップされた(φ32⇒φ42.7)
ジョイントパイプとしました。

差し込み部分の隙間を管理した寸法としてありますので
ガスケットなしで吹き返しはありません。






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サイドビューです。

ショートサイレンサーですが、容量を大きめに取ってありますので、消音性能も良好です。

近接騒音4500rpmで80dB/A

2mMAXで91dB/A

ノーマルと殆ど変わりませんね。




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リヤビューです。

出口も大きく排気抵抗はノーマルより少ないでしょう。
消音性能は外観デザインは関係ありません。
中身の仕様が肝心だということです。

サイレンサー単体の重量は1.4kg
ノーマルが2.8kgですから
ちょうど半分の重量でできました。

素材は1.0アルミと0.8ステンレスを使用しています。




今日は快晴だったので、このあと所沢航空公園へ行ってきました。
モデラーの先輩がプラモデルの展示会をやっているのを鑑賞する目的です。
昨日の夜のうちにマフラー作っておいてよかったー。


全日本MX会場でマフラーお預かりしてきました。

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YZ250F後方排気用です。

パイプエンドが凹んでいます。
中身にダメージはありませんが
このまま使用するのは格好悪いですね。

取り外して交換すればいいのですが
この際ですからデザイン変更してみましょう。






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先ずは全バラ検証。

なるほどー、よく分かりました。

新型なんでしっかりとした作り込みですね。
金型代が相当かかってそうなので
しばらくモデルチェンジしないでしょう。

以前のYZマフラーに比べると内径が大きくなっていてパワーが出そうです。





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パイプエンドをテーパーコーン状に作りました。

パイプの内径はノーマルと同寸ですが
長さが伸びていますので、音量に対するマージンが上がっていると思います。

材質はオールステンレスで強度も充分でしょう。





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サイレンサーの断面が異形なオーバルなので嵌めあい寸法を守るために
サイレンサー現品を預かって現物合わせする必要がありますので
パイプエンド単品のご注文はお引き受けできません。

費用はパイプエンド製作1万円
サイレンサー分解、再組み立て4千円
ステンレスリベット50円×8本
グラスウールヤマハ純正部品
送料(本州)1000円
代引き料400円

以上が費用明細となります。

川越のベルレーシング所属だった先輩から御依頼のCRM250R用チャンバーです。
3型以降のチャンバーはラインナップしていますが、2型は取り回しが違っていて互換性ありませんので
車両持込みの場合に限り、現合で製作しております。

ベルレーシングと言えば、83年の国際B級固定ゼッケン7番山口さんが所属したクラブです。
その年の桶川のレースで足首を骨折してリタイヤされましたが、それ以来右足の装具をつけて、ブレーキペダルは踏めないので左ハンドブレーキに改造したCR250に乗っておられました。
私がノービスのころは、利根川の練習場で右足装具の山口さんにブッチギられたことを覚えています。

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チャンバーのスペックはCRM250RRやARと同じものを使いますが
パイプのレイアウトやマウントステーの位置など、共通でない部分が多いので
車体なしには作れません。










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距離は結構走っていますが、手入れの状態から大事に使っていることが分かります。

主目的は近郊の峠道へ走りに行くということです。
オフロードは全く行かないらしいので車体がきれいです。
実は先輩もベルレーシングの国際B級でジュニア時代は鈴鹿のGPで1ポイント取ったことがあるそうです。
モトクロスで酷使した膝の怪我で手術したそうなので、オフロードは封印したということです。


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隙間関係がギリギリの取り回しで出来ています。
この後、研磨してクロームめっきにする予定なので完成したら画像アップいたします。

サイレンサーは社外品が付いていますが
予算に限りがありますので、それをメンテナンスして使います。

折角なんで、これから買って乗る人もいないと思いますんで音も収録しておきました。





500?Vdueワンオフチャンバー作りましたが、稀なレイアウトと整備性の悪さで2週間の大作になってしまいました。
1回やっておくと2回目はもっと早くつくれるのですが、2度と頼まれることはないでしょう。
作る人は最初に鑑賞できる楽しみがありますが、乗る人の楽しみは計り知れないことでしょう。
Alesaggio 72mm  (ボア)
Corsa    61,25mm  (ストローク)
Cilindrata  499cm3   (排気量)
Rapporto Compressione 12,3:1  (圧縮比)

取説がイタリア語標記なので語学力ゼロの私には解読不可能です。
エンジン性格を推測するのに必要なエンジン諸元ですが、
オーバースクエアなディメンションに高圧縮な499ccは動けば相当なパワーを発揮するはず。
昔、KA3(CR125)が87年にケースリードバルブ方式に変更されましたが、86モデルがスクエアだったボアストローク比がロングストロークになったことがありました。
レース用のエンジンは高回転高出力型なのでショートストロークが定番だと思っていましたので
トルク重視のロングストローク化に変更する意義がわかりませんでした。
後にあくまで自論ですが、ケースリードバルブにすることによって吸気管長が短くなります。
そのことによって吸気抵抗が減る反面、燃料と空気の混合が不十分のまま吸入される。
従って低中速回転の燃焼効率が落ちてトルク不足になることを改善する目的のロングストローク化ではないかと考えました。
インテークが長いカブのエンジンなどは低速も扱い易いトルクがあるのは混合気の状態が良好なことも要因と考えられます。
そこで500Vdueはロータリーディスクバルブです。ケースリードよりも吸気管長が短いのです。
これは、低速域は重視しない高回転高出力を狙ったレース用エンジンのような性格を計画したのだろうと推察できます。


* ロータリーディスクは間違いで、どちらかのブログで読んだ記事を鵜呑みにしていました。
エンジン分解写真を見ると2軸のクランクシャフトなのでサイドギヤの形状とかタンデムツインの様子に似ているから誤解したのでしょう。
インジェクターが掃気ポートに噴射ということなのでタンデムのようにケースサイドに吸気穴は無く、ケースリードバルブが正解ということです。

いずれにしましても、このマシンには乗ったこともないですし、エンジンを始動さえしていないので、
その性格を知る手段がないなかでフルエキゾーストのハンドメイドを託される重圧というものがいかほどのものか、これを読む人には想像していただきたいと思います。

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チャンバーの元データはいただいてありましたので、スペックに関してはデータに沿って製作を行いました。
従ってパイプのレイアウトを決定して取り付けるまでが私の役割ということです。










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上から見た方がパイプワークわかりやすいですかね。













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カーボンパイプはトガシさんとこの内径77mmがノーマルに近いサイズだったので
お取り寄せしました。

前後キャップはアルミ削りだしにステンレスパンチングを差し込んであります。

サイレンサーバンドはビレットにしました。

ステンバンド製作する金型やプレス機が必要ですが、所有してないので外注するとサイレンサー本体より高価なバンドが出来てくると思い、ハンドクラフトしました。


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ノーマルのカーボンブラケット使用がオーナーさんの指定なので、サイレンサー位置もここに決まってしまいます。

出口は大きめなので、排気音に応じてディフューザーを後加工でつけようと思っています。







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燃料タンク乗せてフューエルホースの接続とフューエルポンプ、ゲージのハーネスを結線して、エンジン始動試みました。

試乗できるようになってないですが、排気音くらい聞いておこうと思いました。
この車種のレビューはネットにたくさん載っているのを読みましたが、エンジン始動に難がありそうです。
この個体も同様です。バッテリー電圧が充分なことを確認してからスイッチオン、
セルモーターは勢いよく回りますが一発もつきません。
始動する気配がしないので燃料系や点火系の動作を確認しなければなりませんが
問題箇所にアクセスするのに外装をばらさなければなりません。時間だけが過ぎていきますので一旦作業終了します。
溜まった修理品をかたずけに掛かりますので、夜にでもトラブルチェックしたいと思います。

オーナー様から始動の儀式を教わりました。
メインスイッチを入れてタコメーターの針が振り切って戻る動作をします。この間フューエルポンプも作動していて針が戻る前にセルスターター回せばOK。
昨日は針が戻ってから延々とセル回しても掛かりませんでした。
おそらく上記以外の方法ではECUが始動モードになってないのかもしれません。
スパークプラグもカブってしまって火花が出なくなっていましたので
新品のNGK BPR8ESに交換したら、あっさりと始動できました。
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1100rpmでアイドリングします。
3分ほど暖気運転してから
徐徐に回転上げてみます。
中速までレスポンスが鈍い感じですが
6000rpm過ぎると一気に10000rpmのレッドゾーンまで吹け上がります。
回して乗るタイプのエンジン特性ですね。

音量計測もしてみました。
最高出力発生回転の半分ですから
近接騒音で4500rpm95dB/A
5000rpm96dB/A
2mMAX法でも111dB/A(10000rpm)
車検は近接騒音で計測しますので
97年型のこの車両は合格するでしょう。
これにて一件落着


ようやくパイプの接合が終わりました。
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ビモータのVツイン
両方共後方排気なので取り回しが難解でした。

時間掛かりすぎて、早く完成しないと倒産確実です。

しかし、ここで焦ってはいけません。
急いては事を仕損じると言うではないですか。





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リヤフレームはありませんので、架空のマウント位置を探ります。

フロントバンクはこれでマウント完了。
リヤバンクはリヤカウルの内側にステーがありますので、カーボンモノコックのリヤカウルを被せてマウントステーの取り付けを行います。

サイレンサーは右2本出しになりますのでパイプエンドは右側に向けたデザインにしました。







残りの製作業務、一気にたたみ込もうと思っていましたが
身内に不幸があり、3日ほど中断させていただきます。
この年になると、毎年お葬式です。
昭和一桁生まれの人たちですが皆さんご立派で尊敬しています。
たぶん親族で私が一番出来が悪いと思いますから
こういう時くらいはお手伝いしておかないといけません。
30年後は自分の番なので参考にさせていただく意味もあります。
連絡のつかない所にいますので、急なご用件は対応いたしかねますので
ご了承ください。
久しぶりに天気予報に雨マークが無かったのでSUGO練習を敢行いたしました。
ドライコンディションのSUGO練習は05年以来なので実に10年ぶりですが、今のコースレイアウトになってからは勿論初めてです。
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気温低いですけど、風も弱くていい天気です。
関東にはこういう環境のMXコースはありません。交通費掛けても得るものは大きいと思います。

ここでレースに出る予定はないですが、普段と違った土質やギャップを経験することが目的です。30分4回みっちり乗らせていただきましたので、大分課題が見えてきました。

今回のSUGOへ来た、もう一つの目的は2015年KX85に向けて新しいチャンバーの走行テストです。

89年に若干18歳でHRC契約となり、91年の全日本MX鈴鹿大会では本田宗一郎最高顧問の御前試合でオートマチックRC250Mを勝利に導いた大塚忠和氏のご子息に依頼して新作チャンバーのインプレッションをしていただこうという企画です。
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去年1本目を作ったときは低速トルクの不足を指摘されて、チャンバー諸元を見直して今回2回目のトライとなります。
狙いは高速域を損ねることなく低速トルクも改善することです。

寸法上は、いい数値に出来ていると思いますが、ライダーの乗り方に合わなければ成功とはいえません。

今回はノーマルとの比較ではありません。
テストライダーもSUGO走行が初めてということで、午前中はBUDレーシングというヨーロッパ製のキットパーツで完熟してもらい
午後から弊社チャンバーでインプレッションしてもらうという段取りです。


ノーマルと違う部分はサイレンサーが弊社オリジナルとBUDのショートサイレンサーを交互に換えてみました。キャブレターもMJとJNがバクダンキット装着なので、全然違ったフィーリングになっていると思います。

先に新チャンバーと弊社サイレンサーで乗ってもらい、タカト君にインプレを聞きましたら低速と高速は同じように走るが中速に谷があるそうで、キャブレターのセッティングを提案しましたが、順番に確認したかったので、サイレンサーをBUDのショートサイレンサーに換えてみました。
今度は中速も改善されたようなので、フィーリングは良好になったようです。
乗り手やコース状況によっては変わってくることもあるので、今日はこの組み合わせで乗り込みしていただいて、後日ワークスライダーの忠和さんに詳細を確認していただくことを約束して終了しました。

スペックの決まった物を作るのは板金屋さんの仕事。
スペックを決めるのはテスト屋さんの仕事。
決まったスペックで製品を設計するのは図面屋さんの仕事。
メーカーではそれぞれ別の担当者で分担して製品を作りあげますが
弊社にはそんな専門スタッフはおりませんので私一人で決めているので時間がかかるんですよ。
勿論テスト代は自腹で、給料もゼロです。
間違いなく営利目的ではありません。
本田宗一郎さんの名言に「何かを恐れてやらないことより、何もやらなかったことを恐れろ」
というのがありますが、正にこれを体現しているのであります。





























ツインチャンバーと言えばフロントフォークの方が有名ですが、これは2ストチャンバーの話。
オーナーさんの完全オーバーホールを経て最後のパーツ作りを託されているので、
ここで停滞させてしまっては申し訳ないということで、最優先業務として集中しております。

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Vツインの後方排気ですが
他の例を見ないレイアウトが可能なのは
EFIの吸気系であることです。

2本のパイプが様々な部品の干渉を避けて曲がりくねった形状になっています。

これは製作途中ですが、この後、複雑なレイアウトを検討しながら形状を決めていかなければなりません。

このマシンは普通のオートバイのように金属パイプのリヤフレームが存在しません。


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500V due、このマシンの開発に資金を使い果たして会社が倒産したと聞きました。
その後、別メーカーの傘下に入って存続したようです。

金属パイプのリヤフレームの代わりにドライカーボンのモノコックフレームが取り付きます。
このパーツ単品でR25の車体価格と同等らしいです。

チャンバーを付けるときはこれを外す必要があるのですが、取り付けレイアウト確認には、これを付けなければできません。
難解な作業になります。

右2本出しのサイレンサーも含めて、あと1週間くらい掛かりますので、完成するまで他の仕事は一切中断して集中することにします。

予約いただいてから10ヶ月くらい経ってしまったので、強引に始めることにしないと何時までもできないのでRZ改DT200チャンバーの製作です。
大変お待たせしました。
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ラインナップ品にステンレスチャンバーはありません。
なるべく廉価な商品を提供することが目的の事業なので
材料代や加工コストで金額が増えてしまうステンレスチャンバーの設定は外してあるのです。

さらにスチール型があるから同様に出来るものではなく、バネのような材料特性があるため曲げても戻る性質なので
成形には腕力を必要とします。
スチール品と同じ形状が出来たとしても3倍くらい時間を費やしてしまいます。

巻いたパイプはバフを掛けてあります。
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パイプの接合ができたので、取り付けレイアウトの確認です。

製作費は同等のスチール品に対して2倍いただくようにしています。

スチールの錆が問題ならば、塗装か鍍金をすればいいだけです。
レース用なら性能はスチールで充分ですから、ステンレス品のメリットは磨いたときの艶だけということになります。

このマシンはオーナーさんがRZ125にDT200をエンジンスワップしたものですが
チャンバースペックはDT200ではなくRZ用を踏襲しています。
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チャンバーを注文されるお客さんはサイレンサーの用意はされていない場合が殆どです。
新規に製作するわけですから、ほぼ全員がサイレンサーも同時に作るように依頼されます。

特にこだわりもありませんので、最もシンプルな構造のサイレンサーをあつらえるようにしています。
そのため、このタイプのサイレンサーが当社では一番作った製品かもしれません。



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取り付けできたので試乗してみます。
このエンジンには初めてのチャンバーなので、エンジン特性を確認しておく必要があります。
公道なんでダイナモデータより実走フィーリングが分かりやすいのです。
キャブレターがPWK38に換わっているので操作性がどうなっているか問題です。
アイドリングは安定しています。
3分ほど暖気運転してからローギヤで発進します。
3000rpmでクラッチミートですが、スムーズに走りだします。ギヤレシオの関係もありますが、レーサーのような難しさはありません。
2速、3速とシフトアップしながらゆっくりと加速してみますが、8000rpmまでスムーズに吹け上がっていきます。幅広いパワーバンドを感じますので乗りやすく、ピーキーさも感じないので安心して運転できます。
ちょっと見通しのよい直線で引っ張ってみますと、10000rpmまでは一気に加速していき徐徐に伸びが衰えていく感じでオーバーレブもギクシャクすることはないでしょう。
シフトアップポイントは6000から8000rpmの間が快適に走行できる範囲ですから、一般道で10000rpm以上は必要ないでしょう。

最新モデルは非常にいいんですが、いじれる範囲が少なくて、こういう旧式モデルのほうが好き勝手にいじれる楽しみがあると思います。オジさんは今日も単車いじりでニッコリです。

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昨日のブログ記事を見て、お客さんから速攻でメールが届きまして、
「サイレンサーをもっとカチ上げに、テールパイプを短くせい!」
と指示がありましたので
今日直しました。

自分なりに総合的に判断して問題無きように考えてはいるのですが
お客さんの注文ですから、言うとおりにするのが仕事です。




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バックステップなので
テールパイプ短くしてサイレンサーをカチあげにすると、ステップに乗せた足の踵がサイレンサーに触れてしまうのを懸念してのことです。
ホンダのロードレーサー(NSR)はカチ上げが多かったですがヤマハのロードレーサー(YZR)は低いサイレンサーの位置だったのが2スト時代の特徴でした。このヤマハは上向きがお好みでしたスミマセン。

カスタムの道は難しいのう。

3ヶ月前に作っただけで放置していましたCRF150Rのサイレンサー、外観と排気音のビデオ撮影しました。ショート管なので爆音を期待しましたが、意外と2mMAXで110,6dBでした。
エンジンレスポンス軽い感じでタイトコーナーから高速ストレートまでワイドレンジな仕上がりです。



多忙なため当分商品化できませんが一歩ずつ前進していきます。
預かり期限付きのYZ250のサイレンサーを作りました。
チャンバーも作る予定ですが、鉄板の在庫が無くなって取り寄せ中なので
アルミサイレンサーから先に取り掛かることにしました。
ラインナップ品ではありませんので、注文されても車体合わせなしでは作れません。
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構成部品をひとつずつ、加工していきます。

ステンレスパンチング以外はアルミ製です。











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車体に取り付けながら、サイレンサーの位置、マウントステーの寸法などを決めていきます。

図面指示はありませんので、目測で最適な位置を検討して決めています。
ようするにフリーハンドですから
2度と同じ物は出来ません。






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バフ研磨して、グラスウール詰めて組み立て完了です。
エンドキャップは通常リベット止めですが
お客さんの要望でM5ビス止めにしてあります。











明日からチャンバー製作に掛かりますので3日ほどお待ちいただきます。
実は06年アルミフレームにモデルチェンジされてからYZ250チャンバーは作っておりませんので
今回が新作になります。

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パイプは繋ぎ終えましたが
鉄フレームに比べてアルミフレームは厚みが違いますのでスペース的に狭いです。

元々コンパクトな取り回しを求めて、エンジン、フレームにギリギリの隙間で作ろうとするものですが
本当にギリギリで数ミリで交わしている部分があります。
パイプ本体は割りとスンナリ取り外しできましたが、テールパイプを溶接した途端、フレームを通過できなくなりました。
知恵の輪のようにひねりながら押し込む感じで、やっと取り付いた状態です。

マウントステーはこれから付けますがその前に、特別な追加工をする予定があります。

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これが追加工のパーツです。

エキパイより板厚分大きいパイプを作って
半分に切って使います。










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ツインウォール加工です。

250チャンバーは左右の張り出しがあり、転倒するとチャンバーが凹むだけでなく
最も外径の小さいエキパイ部分が曲がってしまいます。
この部分のパイプ強度を上げてダメージを抑えようという目的です。

これは試験研究の一環なので、お客さんの了解を得て追加料金無しでやらせていただきました。
加工時間と工数がどれくらい必要なのか確認する目的なので、通常品には行っていません。

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マウントステーも取り付け完了しました。

これで全工程終了です。

鉄フレーム時代、90年代と2001年ころにA級250で2人のライダーに装着していただきポイント獲得できたチャンバーと同スペックで作ってあります。
一桁入賞はワークスライダーなので、プライベートで15位以内入れば上々の結果だと思います。



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クネクネと複雑なカーブを描いてフレームに押し込んであります。

90年代からマスの集中化ということでタンク位置が下げられ、チャンバー位置がエンジンを囲むようにレイアウトされた、通称ローボーイが4メーカーで主流になりましたが、左右の張り出しと地面との近さから、コンパクトにレイアウトすることが命題となってしまったので、大変苦心したデザインであります。


会社員みたいに残業手当はつきません。予定より多く働くだけで体力と時間が消耗します。
残業理由は予定の仕事以外に納期が決まっている仕事があるためです。
以前お買い上げいただいたサイレンサーの仕様変更です。
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ロードレースですから低速より高速のパワーが重要だと思い、素人考えで内径大き目に作ってあったのですが
「低中速のトルク感が少ない」というインプレッションと
内径小さい別のサイレンサーに付け換えると改善された、という情報によって
仕様変更することになりました。
チャンバーが一つしかないワンオフなので他の同一機種でも同様かは不明です。

分解したサイレンサーの構成パーツ。
ダウンサイジングしたパンチングと、それを保持するカラー前後、左右で4個作りました。
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パンチングを差込み、内径に段差がないように寸法をそろえてあります。

外径は既存のパイプに圧入する寸法です。










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カラーは元のパイプに圧入してあります。

エンドピースを差し込む段差を残してあります。









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そしてワンランク細いエンドピースを手曲げでこしらえて、溶接です。

これでダウンサイジング加工完了です。

あとはグラスウール詰め込んで組み立てれば残業終了となります。


今日も工場内38℃ありました。
その上火炙りに溶接ですからアチチです。
世の中には鋳造や熱処理の工場もありますから、それよりマシだと思います。

ビンテージチャンバーはTIG溶接で昔の風合いを表現することは難しいと判断しました。
そこで思いついたことは、ガス溶接で作ることです。
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15年前はチャンバー作りはガス溶接で行っていました。

愛用の吹管は田中式00号。
20年前から使っています。
いや、途中で壊れたので一回更新して2機目になります。
ゴムホースもひび割れて全部取り換えました。長い年月使ってきたのです。

TIG溶接の方がビードのコントロールが容易でガス溶接を使う必要がなくなっていたのですが、外観を昔風に再現するためには製法も昔と同様にやらなくては違った感じに出来上がってしまうのです。
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そして15年ぶりにガス溶接で接合したチャンバーを作りました。

スズキのテスト屋さんが、一生懸命に板金溶接してこしらえたであろうチャンバー部分の再現です。

ところどころアレンジしていますが、大体こんな感じでいいのではないでしょうか。
駄目と言われたら、限界なので自殺するしかありません。




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焼け幅が広いのがガス溶接の特徴ですが
熱原はアセチレンと酸素を混合したガスを燃やした火炎です。
アセチレンと酸素の混合比は目盛りがあるわけではなく、火炎の色や大きさを見てガス量を調節します。
鉄に火炎の先端を近着けると焼けてきて鉄板が液体になる瞬間を待ってからトーチを移動させていきます。
初心者は鉄が溶ける状態や早さが分からないので均一なビードが引けないみたいです。溶接棒は一切使いません。
肉盛りの必要な場所だけ溶接棒を溶かします。
そしてもう一つの特徴は溶接ビードをハンマーと当て金を用いて叩き均してあることです。TIGではこの工程はやりませんので接合部に角が出ますが、ガス溶接では丸みを帯びた形状になります。ビードが生のように柔らかいのでこのような成形が可能となります。

72年は私、小学5年生でモトクロスなんて単語も知らなかったと思います。
もちろん吉村太一さんもジョエル・ロベールも名前を聞いたのは何年も後です。
最近でこそ、J・ロベールはネイションズのベルギーチーム監督として、TVに写っただけで分かるようになりましたが、彼がチャンピオンだったころのマシーンとなれば記憶にないのはもちろん、画像だってインターネット見るようになってからのことです。
そんな72年型ワークスマシンの復刻をやろうというのですから驚きの企画です。そのうちのマフラーの部分だけ我社で作ることを頼まれているのですが、安易にお引き受けした結果、分からないことだらけで参りました。
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物を作るのに図面が無いんですから、お手上げです。
寸法も自分で決めてくれということですから無い知恵を絞って寸法決めていますので時間がかかってしまうのは仕方ありません。

数枚の画像から形状を推定して型を決めていますが、どうしても分からないアングルがあって確認したくてもできない、もどかしさ。

大体のシルエットは出来ていると思い込んで作るしかありません。
これで展開してみます。

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開いてしまえば単純な展開図ですが
この妥協点に至るまで時間が掛かってしまいました。
日程的に限界がありますので、これで製作に取り掛かりたいと思います。









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パイプ繋いで車体とのレイアウトを確認してみます。
これ以上寄せられないクリアランスで出来ています。
ダウンチャンバーをフレームギリギリに収めるために、このようなデザインになっていることを改めて気付かされます。
大体5mmクリアランスを目指して取り回ししています。
車体合わせでないと製作不可脳なシビアさです。



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マウントステーも溶接して固定しました。
あと5台作りますので、今月は日程に余裕がありません。
お急ぎの加工依頼、修理等には当分の間対応できませんので、ご了承ください。


思えば、私が菅生へ走りに行くときはいつも大雨だったような気がします。
何故か?
あそこは著名な人だけでも4人死んでいます。
矢島金次郎さん、乗本周作さん、秀孝さんの息子、沙耶の兄貴、
志半ば無念の死だったと思いますが、あそこには献花の一つもありません。
コース側では危険のないように配慮したコース作りはしてこられたと思いますが、安全性にも限界があるでしょう。結局、乗り手の意識と運が決定することです。
私の場合は霊的な物が守ってきたということで、レース日に雨を降らせてスピードを遅くし、こけても柔らかい路面で怪我もしないようにしてくれているのだと思っています。
だから、あそこではいつも雨です。

くぬぎ山荘の前の道をロードコースが見えるところまで上がっていくと、高井幾次郎メモリアルがあります。
幾さんが転倒死亡したコーナーが見下ろせる位置に石碑が奉ってあるのです。
故人の功績を称えるとともに、いつまでも忘れないでいてあげることが大事なことだと感じます。

わざわざ民族の大移動のように混雑する時期に里帰りはしません。だから田舎の墓参りも行けません。
仕事の遅れも理由の一つですが、今年ばかりは自分の無能さを痛感することになりました。
どうやら高齢の親が危ない状態で、本来は子供が病院に連れていったり、付き添ったりするべきなのですが、埼玉に住んでいては不可能です。親の介護などという事態になれば仕事と両方は不可能でしょう。
仕事を取って親を見捨てるか、親の介護のため仕事を辞めるか、究極の選択を迫られているような気がしてなりません。
親としては、息子が定年退職したら実家に戻ってもらって面倒をみてもらおうと願っていたことでしょう。
ところが息子は定年退職するべき会社にも行っていない。仕事を辞めて親の介護に専念できる経済的な余裕もありません。
どうしたらよいものか、しばらく悩んでみることにします。

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今月のチャンバー作り
今までと違うことは、チャンバースペックがありません。
現品も見本もありません。
寸法が全くわからないことです。
テリー・グッドさんの画像だけを参考に複製するという前代未聞のやり方です。
だから型作りに難航しています。
兄弟車種と思われるTM250のパイプを作って仮止めしながら、画像と違う部分の形状を変更していくという作業ですが
型代1万円で1週間以上掛かっています。
製作代金は型が完成している前提の料金なので、ここ1週間は日当千円以下(材料、消耗品もここから払うので)で働いています。もっと早く作らないと倒産することになります。
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あと一日くらいで型作り完了するでしょう。
そのあとは二日に一台ペースで注文台数、一気に作っていきたいと思います。

それまではバックオーダーも、急な加工、修理依頼も一切受け付けできませんのでご了承ください。




いつまでもこの仕事できそうにありません。来年のいまごろどうしているか、全く予断の許さない状況であります。

450ツインマフラーの片側サイレンサーは150用よりサイズが小さいことがわかりました。
逆にいうと450ツインマフラー1本分で150は足りるということになります。
そこで450ツインマフラーの前に150用を完成させておくことにしました。
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プロトタイプ完成です。

エキパイはノーマルの溶接部をテーパーパイプに取り換えて研磨仕上げしたものです。オプションでアルミフランジに変更してあります。

MFJ適合を視野にいれて材質はアルミ、ステンレス製です。
重量は1.7kg




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07モデルのフルパワー(96dB)よりさらにパワーアップを狙った内部構造になっていますが、
音量規制をクリアするためには、少し絞る必要があるかもしれません。
実走確認しながら段階的に変更していく予定です。

具体的には数字は言えませんがパンチングパイプの変更で調整します。





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若干上向きのデザインですが、450のサイレンサー角度だと、出口水平になります。

エンドパイプでノーマルと同等の長さですが内径が拡大されているので、高回転型の特性だと思います。








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リヤビューです。出口は450のノーマルより大きいです。
ここを絞り過ぎるとパワーに影響するので、このままにして内部構造で変えていきたいと思います。

バックオーダーで忙しいので製品化は当分先になりそうです。(来年かも)

2014モデルを機会に新作したチャンバーですが、ノーマルより太いエキパイにしてありました。
OSKレーシングで走行確認をしてもらいましたが、高回転は普通ですが低速トルクが少ないという結果でした。
最高出力を上げるために排気ポートを拡大したり、それに合わせてエキパイ径を太くしたりすることがありますがデメリットもあるため、その現象を理解していないとスピードが遅くなってしまうでしょう。
ロードレーサーでは低速トルクはアクセルレスポンスが急過ぎてコーナリング時の挙動を乱すため無くしてしまう傾向があります。そのかわり重要なのはオーバーレブ特性でピークパワーの急激な落ち込みが少ないものがタイムを出しやすいらしいです。
オフロードではタイムで評価しても同一条件の路面を保てないため比較できるのは限られた条件下ということになります。それより、トラクションの悪い路面でコントロール性のいいパワー特性であることが、最高出力と同じくらい重要な要素になってきます。
今回はエキパイを太く設定したデメリットが出た格好なのでノーマル寸法に作りなおしたいと思います。
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全部作るのは時間も掛かるため、影響のあると思われる部分だけ作って取り換えたいと思います。

エキパイの太さの違いが目視でわかります。








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溶接部分を切断して同長でノーマルサイズのエキパイと取り換えました。

外径誤差0.5mm以内に仕上がりました。

その他の部分は全く変更していませんので再度実走確認してもらいます。

エキパイが太い方がいいと考えている人は参考にしてください。

絶滅危惧種と、2輪車の排ガス規制に伴い新車の製造販売が中止された機種全般を指して、呼ぶことがあります。廃販になって15年以上経つのですが、それより少し前に創業した弊社ではその年代のマフラーのラインナップが拡充されつつある時期でした。
いまでもトレールモデル3機種は、HYSでチャンバーとサイレンサーをラインナップ継続していますが、年間を通じると注文が絶えたことがないので廃止にできません。
治具類も古くなって維持や保管も難しくなってきますので、およそ3年を目途に注文がなかった機種から治具廃却することにしておりますので、その後は電話やメールで注文されても対応不可能になります。
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治具とは、このように車体あわせ無しで取り付け位置を固定できるものを指します。
需要のないもの、ワンオフ製作したものまで治具製作することはありません。
過去の注文状況に応じて再度作る可能性があるものだけを任意で製作しておりますので、需要のない機種の治具が溜まっていくんです。
ですから3年くらいを目途に廃却しているというわけです。
2ストトレール3機種に比べると需要の少なかったKDXは全く対応しておりませんでした。
偶然、知人がKDX125SRを持っていて
チャンバーとサイレンサーの製作を依頼されたので、ついでに作っておいたのがサイレンサー治具でした。
チャンバーはと言うと、当時のK車のチャンバーが嫌い(レイアウト的に)でやりたくない仕事だったからです。嫌いな理由は、当時のK車の車体デザインに関わることですが、普通はエンジン設計が先で、そのエンジンをマウントする車体をモックアップしていく作業になりますが、K車は車体デザインが先に決まると聞いたことがあります。そのため大物の変更しにくい部分はそのままで、排気系などの後で変更可能な部品の取り回しに皺寄せが集中することになります。
そのためK車にありがちなクネクネとパイプが曲がってエンジンやフレームの干渉を避ける形状が不恰好だと思っているのです。
クネクネとカーブが多いパイプは設計どおりの性能も発揮しにくいということになります。
過去を振り返るとK車の活躍した人気車種は排気系のスッキリまとまったものであることに気がつきます。
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そういうわけで、作りにくいチャンバー部分を見なかったことにしてサイレンサーだけラインナップとしたわけです。

サイレンサー本体はスッキリしていますがリヤフレームのマウント部分は後付けのデザインの象徴で位置の揃っていないステーが二ヶ所溶接されています。

アルミサイレンサーは全て自家製バフ仕上げですが、アルマイトやめっき処理でコストアップすることを避けたいです。
利点は外観が良くなることと、金属表面が滑らかになることで水の粒子が留まりにくくなります。そのため腐食の進行を遅らせることができます。
分離混合ガスの宿命で排気したオイルが排気管内に溜まっていきます。そのためオイルで湿ったグラスウールを容易に交換できる構造になっています。組み立て後、加締めはアルミリベット4箇所でOK。
絶滅するまで治具は残しておきますが、自分が先に滅ぶ可能性もありますのでご了承ください。


物作りに必要なのは数値です。作るために必要な寸法が分かっていないのに材料を切り出すこともままなりません。
今回も製作を始める前に現物の寸法を測るところから着手しますが、通常のチャンバーとは勝手が違っていました。
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大きくなったチャンバーの胴体を路面にヒットさせないための形状だと思いますが
三角断面のチャンバーの図面など見たことがありません。

チャンバーの図面はストレート図で表します。
口元からの距離と内径で描かれますが、現物は曲げないと車体に取り付かないわけで
ストレートチャンバーと曲がったチャンバーで同等な排気効率であるかという検証もできていません。
常識的にパイプにカーブがあると流体に損失がでることになります。

では同じ断面積の丸パイプと多角形パイプで排気効率が同等かということも未検証です。
おそらく明確に答えてくれる日本人は少ないんじゃないかと思います。
レイアウト的には同じ断面積の円と三角だとどちらがロードクリアランスを稼げるか、という問題ですが
真円が三角にトランスフォーメーション(変態)することを想像してください。
三つの角が出来ますから縦横の幅は円の直径より広がるはずです。
そのかわり、角を繋ぐ線の部分が円の直径より幅が狭くなりますから、その線の部分をマシンがコーナリング時に路面と最も近くなる場所に持ってくると、ロードクリアランスを稼げるということになります。
motoGPではバンク角が61度になることもあるらしく、それでも路面にヒットする部分がないという、よく出来たレイアウトです。
このマシンは実際のバンク角こそわかりませんが、コーナリングのGでリヤサスが沈み込んだあたりでチャンバーの胴体が擦るみたいです。
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これが見本のチャンバーですが、両側とも路面に擦ってしまっています。
チャンバーが擦ってしまっては、これ以上コーナリングスピードがあげられません。
しかし、このチャンバーが他と比べると、シャシダイの数値も実走のタイムも最高だということですが、既に絶販で製造元に尋ねてもどの仕様だか不明だということなので、再生することになった次第です。

なんとか擦らないように内側に追い込んで
内側はサスのボルトにガッツリ当たるようにレイアウトしたので、もっとコーナー寝かせられると思います。

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左右出しのツインマフラーは位置決めに時間がかかります。
リヤフォークとのクリアランスを気にしながら
左右の高さや角度をそろえないと不細工な格好になってしまいます。
しかし、左右同時に見ることが不可能なので、片方のサイレンサー位置を決めてから
反対側の位置を合わせる、みたいな手順になります。





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極力フレームからはみ出さないレイアウトを心掛けましたが、実際のバンク角はサーキット走行で確認していただくしかありません。

当たるとすれば、一番張り出した部分だけだと思いますので、後で凹ませる方法を取らせていただきます。





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アンダーカウル装着が要件ではなかったのですが、大きくカットされていましたので
問題なく装着できました。

これにて製作作業終了!

2014年KX85のモデルチェンジが成されましたが、チャンバー、サイレンサーに変更はありませんでした。これは大物の金型変更には多額の費用が必要なため、エンジンに仕様変更があっても可能な限り流用したいという営利面の都合があるためと思います。
我社はKX85用チャンバーは90年代からラインナップしてきましたが、製造に関する考え方も変わってきているため、新たに作ることにしました。
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まだ途中ですが公開します。

エキパイ径が拡大され、チャンバー本体はノーマルより6mmだけ短くなっていますが大体同じ仕様に留めてあります。
最も大きな変更点はテールパイプを短くしてあります。
KXやRMは古いタイプのチャンバーレイアウトでアップタイプなので、テールパイプが長くなっています・
細長いテールパイプは排気の抵抗になるわけですが、短くすることで排気抵抗が減るでしょう。
そのためにはチャンバーレイアウトの変更が必要です。
CRやYZはローボーイタイプの取り回しになっているのでテールパイプが短いです。それと同じ効果を狙ってみました。
これから実走して確認していく予定です。
サイレンサーもこの機会に新作します。

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サイレンサー従来品から変更した箇所はこれです。

パイプエンドの水平部分が最低30mm必要という車両規則に準じて新作しました。
従来は、CRやYZ同様のアップサイレンサーのパイプエンドと共通だったため、
エンドパイプの垂れ角が少し下向きだったのを水平に是正した格好です。

エンドカバーの溶接痕も研磨して美装に努めましたので、新感覚になりました。



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今回は大塚選手の要望により、従来品より30mm短いサイレンサーボディにしてあります。
最近の流行は2ストの短いサイレンサーだということで、どのような効果を期待するかといいますと
排気の抵抗が減ります。吹け上がり、伸び共に向上すると思いますが、気をつける点は体重の軽いライダーでないとトルク不足の傾向が出ると思われます。
エンジンは負荷を与えることで物理上の仕事をしたことになります。
空ぶかしではどんなにエンジンが回ってもピストンやクランクが運動するだけの仕事しかしていないはずです。
質量のあるものを一定時間にどれだけ移動させたか、ということが仕事なので、燃焼室の圧力がパワーの元ですから、適当な排気の抵抗が圧力の抜け過ぎを防止する効果があります。なので燃焼圧力と排気抵抗のバランスを考慮する必要があるのです。
音量的には2mMAX法だと楽に通過するそうなので、思い切って変更してみました。
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頼まれてないけどエンドカバー
ラッピングしておきました。

2ストマフラーの熱であれば溶けないはずです。アルミ地より傷が付きにくいと思います。

リプレイスマフラー作りをハンドワークに拘る理由を理解していただくために、
敢えて恥ずかしい部分をお見せしたいと思います。
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サイレンサーのフロントエンドキャップですが0.8mm厚ステンレスで板金します。
精密板金の経験者の方はどのようになるか分かると思います。
接合面の隙間、ズレなどが0.1mmくらいの精度で合っていないと溶接不可能ですね。
パイプに嵌める部品なので溶接棒で肉盛りは不可です。
溶棒無しで共付けが必須ですが、薄板ステンレスは溶接で引っ張られて歪んでしまうので予め仮止めをしておかないと接合不可能になりますのでバイスで圧力を掛けながら溶接します。
オートバイの取説風に言うと「ステンレス板を板金して溶接する。」くらいしか説明が無いでしょうが、これを付けるに至るまで多くの手法が潜んでいることは経験者でないと分からないでしょう。
最低レベルの溶接ですね。溶接専門店ではやっていけないでしょう。
板厚が1.5mm以上あればどうってことないですが0.8以下になると途端に難易度が上がります。
要するに苦労しているということです。
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板を巻いて突き合わせで溶接してありますが、最も神経を使うところです。
接合部に僅かなズレや隙間があっては付けられません。
溶接前の下拵えで出来栄えが9割決まってくるのです。
では、このような形状の部品を金型でプレス成形しない理由は完全にコストの問題です。
プレス成形は丸い形状は比較的簡単ですが角ばった形状は難しいのです。
金型の表面を金属が滑って塑性変形していくのですが、角になった部分で滑りが妨げられるので、金型は5段階くらいの据え込みを経て徐徐に最終形状にもっていきます。

おそらく1000トンくらいの圧力が出せるプレス機と数百万円程度の金型製作費が必要なので、1個や2個の成形ではコスト的に不可能なため、ハンドワークしかありえません。
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大きいマフラーメーカーなら少なくとも1000台以上の販売を見込んでいるため、ためらわずプレス成形するでしょう。
そうすれば仮に金型300万円掛かったとすれば1台あたり3000円で型代償却できますから成り立つ計算です。

我社は一人のお客さんの要望に答えつつ赤字を出しては事業の継続ができなくなるため、人件費を削っても高額な投資をしない方針でやってきました。



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サイレンサースキン、前後キャップが出来上がりました。
マウントステーと中身を拵えれば、エンジンかけられます。
明日半日くらいで完成予定です。

どんな音になっているでしょうか。







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組みあがりました、スリップオンサイレンサー。
サイレンサーボディーを大きくしたので1300の車格とマッチしていますね。

325ccが4つのエンジンですから大容量が必要です。
昔の集合管は抜けが良ければOKだったわけですが、今はその考えは古くて
排気管内は燃焼室と直結していますから
適当な圧力を持たせることによって燃焼室の充填効率を上げることができます。
高回転時は吸入した混合気の一部を排気してしまうので燃焼室内に留める作用が必要です。
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そこで排気の抵抗を利用するのですが、抵抗をつけただけでは負荷になってしまうので
排気管内で膨張させて排気を脈動として燃焼室に伝えれば排気損失のすくないマフラーになると考えています。

また排気音についても大気中で急激に膨張する気体が爆音の正体なので、マフラー内で圧力と温度を下げてから排気することで静粛な排気音になります。
やかましいのがパワーが出ているわけではないのです。

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エンジンかけてみました。
アイドリングで暖機運転しますが、排気音が殆ど聞こえません。
4連装のFCRキャブのスロットルバルブがカタカタと鳴っているだけで、非常に静粛です。
アクセルをあおってみますがエンジン回転に比例して大きくなる感じはしません。
明らかに消音されていましたので音量計測も行いませんでした。
おそらく5000rpmで94dB以下でしょう。
一応ディフューザー付けておきましたが1dBくらいの効果なので
外しても街乗りに不都合はない程度でしょう。
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バードビューはこんな感じでツインショックの外側出しですが、なかなかスリムにまとまっているではないですか。

グラスウールは儲からないのを承知で一番高い物を入れてあります。
社外の安モンでは性能が出ないので
入れても無駄になります。
4ストモトクロッサーで8年間、マフラーを実戦投入してきて得られた結果なのでこの部分はケチるわけにいかないのです。

現行の大型2輪の規制では触媒装着が必須になりますが、これも社外の触媒が出回っていますが浄化性能も耐久性もメーカー純正品に比べ劣りますので使えません。

ホンダの栃木研究所第1設計ブロックといえばエンジン設計ですが、触媒はエンジン設計で開発しています。
そこの主任研究員から直接、触媒の仕様についてレクチャーを受けて、実際にメーカーまで出掛けて製造工程まで確認してきましたから、私は製作所では一番の触媒スペシャリストでした。
その経験から言えることは現行車で純正並みのエミッション性能をそなえたワンオフマフラーを作るとマフラーの販売価格を10倍くらい貰わないと実現しませんから、もしどうしてもノーマル同等のエミッションを求めるのでしたらノーマルマフラーを破壊して触媒部分だけを取り出して使うしかないということを申し上げておきます。
チャンバーのリプレイス品を作る仕事をしておきながらアレなんですが、モトクロッサーの純正チャンバーを超えるものは無いと思っているのです。
それはエンジンを設計製造できるメーカーが決めたスペックをエンジン作れないマフラー屋が超えることは出来ないからです。仮に性能のいいチャンバーができたとしても、それはメーカーが決めたスペックを基にモディファイを繰り返した結果であり、ゼロからスタートしたわけではないからです。
しかも、一回の製造ロットで1000台単位を1ヶ月足らずで作ってしまう生産能力ですから、品質と生産数で社外品メーカーでは比較にならないでしょう。
では何故、私がリプレイス品を作り始めたかというと、今回のチャンバー加工に答えがあります。
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ホンダの2スト最終型、05モデルCR125の純正チャンバーです。

ホンダ製の特徴であるシーム溶接(ガソリン缶の製法と同じ、気密性に優れる)
の部分を削り取ってあります。
後で溶接するのですが
目的はチャンバーのボディ剛性を上げてパワーアップすることです。
中級のライダーですとメリットを感じないレベルですが、トップクラスになると加速域やピークパワーの部分で僅かでも有利になることを望みます。

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塗装も全部剥がします。
鉄板は直接空気に触れた方が良い。
ワークスパイプに塗装が施されないのと同じ理由です。
塗装やメッキは鉄板を保護して放熱が悪いのです。
排気ガスの温度はガスの流速や圧力と密接な関係にあります。
高温のガスは流速が早く、低温だと遅くなる性質があります。
即ちパイプが熱いときは高速型、冷めたときは低速型に変化するということです。
そのためには排気熱に対する応答性がよい薄板の鉄板で未塗装であることが最適なのです。
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さらにバフ研磨で表面を滑らかにします。
これは泥の付着を防ぐ目的と(軽量化と放熱性)
鉄板の表面粗さを少なくして水の粒子を留めなくすることで腐食(酸化)を防ぎます。








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そして削ったシーム溶接部分を再溶接して完成です。

私が最も使いたいチャンバーの仕様はこういうことなんです。

しかし、そのためには新品の純正チャンバーが必要です。パイプの内部にオイルが付着したものは同じ性能が出せないのです。

そこで新品の部品代があれば材料から手作りして同じ性能が出せればいいのではないかと考えてリプレイス品を作り始めたわけです。
理想はメーカー純正品であることを重ねて申しあげておきます。

もの忘れの悪い癖で鉄板の在庫を切らしてしまい、取り寄せ中です。

鉄板が無くてはチャンバー作りもできません。材料入荷するまでやっておくことがあります。

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CRF150R用のサイレンサーをモデルチェンジします。

2007から作っていた物はチタンパイプを使用していましたからMFJ公認レースは適合でありませんでした。

今年のモデルはMFJ適合を目指してステンレス/アルミを使用し、マンネリ化したデザインを一新して視覚的に闘争心をかきたてるように作ってみました。

実は250用のツインマフラーはシングルマフラーより若干サイズが小さいため専用サイレンサーを作る必要がありました。

そこで150用を作って同じサイズで250のツインマフラーを作るための前段階というわけです。左側は右と対称型でいけるはずです。

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断面は平行四辺形です。横幅を増やさず容積をアップさせています。

中身の作り込みは後日やります。

実車取り付け状態もその後で、

一応今のバックオーダーの分から新型マフラーに切り換えていく予定です。

 

 

 

 

 

CIMG3288.JPGそろそろ材料屋から電話が来ると思うのですが、もう少し進めておきます。

エキパイのジョイントを加工し、マウントブラケットを溶接して、取り付けレイアウト確認します。

全長はノーマル同等ですが、横投影図は大きく見えますね。

 

 

 

 

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リヤビューです。横幅は割とスリムなんです。

中身の構想は出来ていますが加工は、ずっと先になります。

材料屋から鉄板入荷の連絡があったからです。

これから材料取りに行ってチャンバー作りに復帰します。

長期滞留車はあと2台で終わるのですが、430チャンバー10台分なので最後の車両に取り掛かるのが3月後半くらいになるでしょう。

毎日、ご注文や修理依頼が入って参りますが、お引き受けできる状況にありませんので、全て納期未定と返事させていただいております。

長期滞留車集中業務、去年12月から第5弾になります。

今回はワンオフではなく10台ロットの生産になりますので、終了まで当分の間新規ご注文はお引き受けできません。

何故10台かと想像するに、35年前に生産されたCR250(機種コード430)がビンテージMXとしては世界中で最も保有台数が多いらしく、当然純正パーツは絶販で

チャンバーなどという薄板の板金部品は相当腐食して実用に耐えない状態のものが多いと推測します。そこで絶販のチャンバーが新品購入できるとなると、喜ぶビンテージマニアも少なからずおられるのではないかということで複製に挑みました。

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販売は全面的にホーリーさんになりますので、個人的に頼まれてもお作りすることはできません。

それはこの商品を企画し、原車提供していただいておりますので、その轍を踏まない方の依頼は430に限らず不可能であることを申しあげておきます。

パイプのレイアウトが一部出来上がってきました。

あと一日くらいで全体が見えてくると思います。

 

 

えー、上の状態は昨日昼ころで、次の画像は今日の午前中、歯医者へ行ってから昼前の状態です。

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パイプは一通り繋がりましたね。

サイドカバー付けて、構成部品の隙間等チェックして、マウントブラケットやスプリングフックを付ければ完成です。

 

ワンオフではないので複数作ったときの同一性を検証しなければなりませんが、このあと数個作ってみて比較してチェック項目を決めていきます。

 

 

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パイプの成形も基本的にハンドワークなので、均一なパイプを作るのは職人の手加減にかかっているところが、一般的な工業製品と違うところです。

従って外国に出回って模倣されようとしても、同じ努力をしなければ出来ないはずなので、作ることのしんどさに耐えられる人間でなければ無理でしょう。

 

 

 

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サイドカバー付けてみて焦りました。

隙間ギリギリなんです。

図ったわけではないですが運がいいだけですね。

ノーマルも同じような隙間だったのでパイプ作りの精度が間違っていなかったといえるでしょう。

5個くらい作って形状が安定していることを確認してから、取り付け治具を作成して車体なしで受注生産できる体制にする予定です。

長期滞留車の集中業務が続いております。去年11月から第4弾になります。

空冷エンジンのDT125は以前ノーマルベースのチャンバーを作りましたが、今回は79年型YZ125と同スペックで製作依頼を受けました。

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YZスペックでDTに取り付くように専用型作るのですが

当時のYZ125チャンバーは左出しに対してDTは右出しなので対照になっています。

最初は取り付くかどうかわからないので

同等のカーブで作ってみましたが、車体が小さいことと、フレーム中通しのレイアウトが取り回しを困難にしました。

 

 

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タンク下のクリアランスはこのとおり1センチくらいです。

この位置を下げるためにはエキパイのカーブを大幅変更するしかありません。

今回は走行性能のチェックが主目的だと思いますのでこのままいきます。

 

 

 

 

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フレーム中通しのテールパイプに苦しめられました。

サイレンサーはノーマルパイプがつく位置になっています。

カンチレバーのショックユニットが真ん中にありますので、ショックを避けるカーブが複雑になりました。

 

 

 

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全く実績のない組み合わせなので試乗してみます。

インプレッションは元国際田舎B級の私が勤めさせていただきます。

トレール車にレーサーのチャンバーつけただけではレーサーのエンジンにはならないだろうと思っていました。

それはノーマルの最高出力が8000rpmで発生に対してYZは11000rpmで発生すること、カタログ上の馬力は10馬力も差があることから、ポート形状やクランクが別物なのだろうと考えられたからです。

まず、3ヶ月も放置した割りにチョーク引いてキック一発で始動しました。軽く暖気してから走りだしますが、分離給油の混合比が濃いのか白煙を吐き出しながら走ります。一般道では5000rpmくらいで巡航できますので、全くパワー感がありません。6000rpm付近まではノーマルベースの方が力強く、走りやすかったです。

ところが7000rpmを超えた付近から豹変します。8000からレッドゾーンのタコメーターを11000まで一気に振り切りました。この加速でフロントも浮いてきます。相当スピードも出ますし、市街地では危ないでしょう。しかし交通の流れに乗った状態ではパワーバンドに入らず、つまらない特性なので走る場所を選ぶ必要があるでしょう。

ノーマルポートでこの変貌ぶりだとキャブレターもいじっていけばレーサー並みに走ると思いますが、乗りやすさとは別ですから、オーナーの判断に委ねることにします。

CIMG3255.JPGCB400SSマフラーの鍍金が仕上がってきました。

上手く研磨できています。

 

 

 

 

 

 

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エキパイ類もこのとおり

 

 

よーし、つけるぞー!

 

その前にノーマルマフラー装着して試乗しなければなりません。

元国際田舎B級の私が、試乗インプレッションいたします。

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CB400に動力性能を期待するなんてことはナンセンスです。明らかに旧車デザインのこれはCB360Tの雰囲気を現代風にアレンジしたはずなのです。

国内ロードスポーツのお客離れ、特に我々の世代は若い頃CBに乗っていたりするのはちょっと不良で勉強なんか嫌いな少年たちだった。

岩清水ヒロシみたいなガリ勉が乗っているわけがないのだ。

そして大学で勉強したエリートがデザイナーになって単車作ったって、我々世代の気持ちをつかむデザインや音がするものを作れるわけがないのだ。よって新型ロードスポーツに見向きもしないというわけだ。 CIMG3261.JPG(単なる懐古主義なだけなんですがね。スポーツ用のやつはなるべく新しいのにのるべきだと思います。)

根本的にCB360TはツインですがCB400はシングルなので乗り味が違うのは当たり前です。

シングルのデュアルエキゾーストですからエキパイは細くてよいわけですが、見た目ツインマフラーのようにしてあります。

ノーマルは3000rpm以下の低速トルクは弱いですが5、6000rpmのパワー感が良好で一般道で非常に乗りやすい特性でしょう。8000rpm以上回しても加速感は一定でパンチが効いていません。ゆっくりと流す程度に乗るのが一番心地よいでしょう。

そしてツインマフラーに交換して最初に気付くことは「音」です。ノーマルの原付みたいな大人しさに比べて明らかに存在を感じる太い音です。しかも爆音ではないので周りに存在をアピールできる調度よい感じです。走りだして低速から開けていきますが、太いマフラーにありがちな低速の落ち込みは感じません。むしろ抵抗が取れた軽い吹け上がりに変わっています。5000rpmからの加速はノーマルより若干速いかなと感じますが、大きな差はありません。同様に乗りやすいフラットなエンジン特性です。前述しましたがブン回して楽しむ必要のないクルマなので、軽くなったエンジンレスポンスと太い音で快適なドライブができると思います。

なんたってリヤビューから車種が特定できそうもないスタイルを楽しめることが最大の売りです。

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排気が抜けるようになるとキャブレターのオーダーも違ってきますが、これは走行中に違和感は特にありませんでした。

通常は抜けすぎると全開時や戻したときにアフターバーンが出ます。吸入空気が多くなってガソリンの割合が薄くなるためです。

これは走行中のアフターバーンは起こりませんが回転を上げてからアクセル全閉で少し出るくらいです。エアースクリューを若干閉めるか、スロージェットをワンランク上げる程度で改善するでしょう。

 

 

突然ですが、エキスパンションチャンバーという部品はエンジン部品か車体部品のどちらのカテゴリーに入るでしょうか。

動力性能に密接に関わる同部品ですが正解は車体部品です。エンジンの開発はエンジン設計者が担当し、車体の設計は車体専門の担当者という具合に別々に行われます。また製造もエンジン工場ではエキスパンションチャンバーは作りません。車体関係の部品メーカーが製造します。

では、その手法はエンジンの開発はベンチテストで行われ、排気系の諸元はストレート図で表すまでです。そして車体屋によってストレート図に基づいてパイプを曲げて車体に取り付く形状をデザインすることになります。

今回、手巻き製法のチャンバーを製作しますが、これはプレス成形の型を決めるための前工程となるものです。しかし量産用のプレス型をつくる必要がありませんのでワンオフで終了ということになります。

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先日寸法計測したチャンバーのストレート図を基にテーパーパイプを作成して取り回しの検討を行います。

 

 

 

 

 

 

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パイプは溶接しないで傾きを調節しながらカーブを決めていきます。

取り付ける車体は極秘なのでお見せできません。

作業の進行状況をお知らせする目的だけです。

フレームやラジエターとの隙間がギリギリに設定されていますので、取り回し検討だけで一日掛かりです。

このパイプは全部開いて展開図となります。

これからが製作本番です。

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取り掛かるまで気にしていませんでしたが問題が幾つかあることに気付きました。

それは、見本となる写真と預かった車体の仕様が異なること、チャンバー取り付けに必要なラバーマウント、ボルト類、テンションスプリングなどは一切ついてないこと、サイレンサーの取り付け位置も決まっていないなど懸案が続々です。

なんとかパイプが繋ぎ終わったのですが残念なことにテールパイプの傾きがいまいちです。シートレールに対して前下がりに見えます。

低いラジエターの干渉を避けるためチャンバー位置を下げたことが原因です。テールパイプをあと1センチ上げたいと思います。ここで妥協してしまうことは許し難い結果になります。

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こだわりの1センチです。

テンションスプリング付いていますが、見本がここでジョイントになっていたため忠実に再現します。

テールパイプがシートレールと同じ傾きに変更できました。

ホンダ純正のラバーマウントは既に廃番で入手できません。ホーリーさんとこで別メーカーの在庫を見繕っていただき、430用テンションスプリングと一緒に送っていただいたことでスムーズに取り付けステーの加工ができました。

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サイレンサーは推定84モデルKA4だと思いますが、リヤフレームとのオフセットを決めるため専用カラーをラバーマウントに装着して固定できました。

実車はお見せできませんが、チャンバーはこのとおり完成いたしました。

実に半年遅れの仕事でした。

明日から1ヶ月ほど身柄拘束されますので電話は出られないと思います。急用には対応できませんが用事のある方はメール送信していただければ、終業後に返信いたします。

 

 

研磨に出す前にまだまだやることが残っていました。

いつも即興で計画性のない仕事の進め方です。知能が低いのでお許しください。

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一旦繋がったパイプをぶった切ってジョイントにしました。

フレーム下のマウントステーを取り付けたらフランジが抜けなくなってしまったためです。

放熱性と軽量化のためアルミフランジを採用していますが、鍍金の電流条件がアルミと鉄では違うため、アルミフランジは外して鍍金する前提ではいたのですが、アンダーマウントのことをすっかり忘れていたのでした。

よって設計変更です。

しかもテンションスプリングのフックを溶接したら、またフランジが通らない始末。悩んだあげく、鍍金後にフランジを入れてから前側フックを溶接することにしました。取り付け位置は車体内側で、ステンレス棒を使うので鍍金上の溶接焼けは少なく、外観は損ねないだろうとの判断です。

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アンダーマウントは、このように左右のエキパイを固定するようになっています。

マフラーの振られを考えると、ここを止めないわけにはいかなかったのです。

 

 

 

 

 

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ノーマルは右1本出しのため、左側にサイレンサーマウントはありません。

ステップブラケット下に自家製ラバーマウントを取り付けしました。

 

 

 

 

 

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ウーム、魅惑のリヤビュー。

今度こそ加工終了です。

後は研磨屋へ2往復してフックの溶接とグラスウール詰め込んだら排気音が聞けるという段取りです。

年末に途中だったCB400SSマフラーの続きです。

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2本出しなのでエンドキャップも2個です。

グラスウール入れるタイプなので消耗したらメンテナンスできるように脱着できるようにします。

抜け止めはM6ボルトを使います。

 

 

 

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マフラー装着して左右取り付けバランスを確認します。

オートバイは左右対称ではありません。

L側はサイドスタンドとチェーンがあり

R側はブレーキパネルなのでリヤフォークの形状も非対称です。

2本のマフラーをバランスよく配置するために、一歩引いた位置から眺めないと至近距離ではわからないのです。

 

 

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理想的な位置が決まりました。

残りはフレーム下のマウントブラケットを取り付ければ加工完了です。

そのあと研磨屋へ持ち込み、クローム鍍金仕上げになります。

研磨屋には2週間ほど預かりになると思いますので、それまでの間次の車両に取り掛かろうと思います。

年明けから毎日、ご注文の電話が掛かっていますが今のところ滞留車の特注部品に集中しておりますので、全て納期未定と返事させていただいております。

突発の修理も予定に影響が出るものは対応できません。

一台一台進めていますので遠くない将来に終わると思いますので、ご予約いただいたお客様は気長にお待ちください。

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年末の追い込みです。

左右エキパイの曲げが終わったところです。

これからマフラー部分の形状をデザインします。

完成後はクロームめっき仕上げになります。

 

 

 

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今回は二重管にします。

めっきの焼け色を抑える目的ですが

実はエキパイのサイズが排気ポートより大きいのです。

排気の乱流を防止する目的で排気ポートに近いサイズのパイプを挿入しておきます。

 

 

 

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マフラーの前側の部分ですが

二重にします。板厚の分、縮小したパイプを挿入しています。

目的は、溶接ビードを研磨によって消してしまうため、排気圧で溶接面が剥離することを防ぐことです。内側のパイプが圧力を受け止めます。

後で4本マフラーの製作が控えているのですが、同じ方式で作ろうと考えているので製造トライを兼ねているわけです。

 

 

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パイプを仮り止めしてマフラーのレイアウトを検討しています。

年末の大掃除のため一旦中断して、正月明けに続きをやります。

 

 

 

 

 

 

安易に引き受けてしまって、またもや後悔の念に苛まれていますが、引き受けるに至った理由の一つに必要条件がなかったことが挙げられます。コストも制限されていませんし、サーキット走行目的なので音量や排ガスの規制もありません。作り手としては全く自由な要件なので、引き受けやすかったのです。取り掛かるまで日数も長かったので、やり始めてから考えればよかろうと思っておりました。

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L型ツインのリヤバンクは後方排気でエキパイ長が極端に短いのです。

ノーマルはマフラーというより箱型チャンバーです。後方排気の容積をチャンバー内の隔壁で距離をかせいで確保していると思われます。

触媒はフロントバンクのエキパイの途中とリヤバンク用はチャンバー内に装着されているのですが、排気効率を上げるためかハニカムをぶち壊して筒抜けにしてありました。

どうやらこの車体のスポーツマフラーが販売されていないか、べらぼうに高額なものしか無いようです。

隔壁によるマフラーの構造はノウハウがないためオーソドックスにパイプの延長で対策しようと考えましたが、ノーマルのマフラーしか取り付けようのないリヤフレームとカウルの形状のため、このような取り回しを余儀なくされました。

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これがノーマルのマフラーです。テールカウル下のスペースをいっぱいに使ったデザインです。

マウントはM8ボルト(中央)とM6(前側)2本の3箇所でぶらさがっている形です。

いわゆるマウントブラッケットなるものが無いので、新作マフラーの取り付けに苦労しているところです。

このマフラー単品で重量8.6kg

ライセンスプレートとテールランプをマフラー下に直接取り付ける大胆な構造で合わせて9.6kgになります。

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サイレンサーは左右独立したものを連結し、

ジョイントのパイプ2種類と燈火類を取り付ける金具を作りました。

マフラー全体の重量は5.6kgでノーマルより3kgの軽量化になりました。

 

 

 

 

CIMG3184.JPGレイアウトの都合上、サイレンサーの長さに制限があります。

リヤタイヤエンドから出ないように取り付け位置を決めましたが450マフラー2台分の容積を確保するため、このような大きさになりました。

外側から取り付けボルトにアクセスできない構造なので、取り付け金具の製作に丸二日も費やしてしまいました。

上がってしまったリチウムイオンバッテリーも新品に交換しましたので、明日エンジン始動してみます。

 

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翌日、メインスイッチを入れてセルボタンを押しても、全くセルモーターが回りません。

インジケーターや燈火類は全て正常に動作します。

お客さんにその旨を伝えたら、「持ってくる前からおかしかった」といいます。

「バッテリーあがりかと思っていたがセルモーターが焼きついているかもしれない」とも言われましたので、ここで排気音の確認はできないなと諦めかけていました。

ダメ元でセル始動数回、トライしてみました。

すると1回だけクランクが回転したので、もしかするとOKかもしれないと思い再度トライすると、2回転3回転」と段々回り始めました。5回目くらいにアフターバーンが起きたので確信して、もう1回トライしたら始動できました。

リチウムイオンバッテリーは活性化するのに少し時間が必要らしいです。しばらく電気を流しておくと能力が上がってくる性質です。それとコールドスタートでオイルが固かったことも影響していたと思います。

暖気1分くらいでアクセルあおってみますと、なんとレスポンスのよいエンジンか!ちょい開けで1万瞬時に回ります。音はトルク感ありそうな低音で、思ったほど爆音でないことからサイレンサーの容積が適切であったことが伺えます。ツインエンジンだけどマルチのような吹け上がりです。

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延長したリヤバンクのエキパイのはみ出し具合です。カウルの横方向は収まっているのでライディングには影響ないでしょう。

こんなオートバイに比べたら、私の所有車なんてカブみたいなもんです。

スーパーバイクを乗りこなすライダーを尊敬します。私は、このシート片足しか付きません。腕も真っ直ぐ伸ばしてやっとグリップに届きます。

危険なので試乗はやめておきます。

 

 

 

量産部品は必ずロット生産されています。ロットの種類や大きさは製造過程における品質特性によって様々です。量産でロット管理しなければならない理由は、材料ロットや熱処理ロットのように納入や処理条件が同一のグループで区別してトレーサビリティー(履歴追跡)を持たせることによって、あとで不具合が発覚したときに選別することにあります。

不具合の追跡調査が出来ないと対象の製品が分からないので改修コストが莫大になることを防ぐ目的があります。

弊社では生産数が少なく一品ずつハンドワークで加工するために部品の不具合は、加工時点で分かってしまいますのでロット生産することはありません。 CIMG2915.JPG

普通は注文数は1個なので構成パーツは1台分ずつ作りますが、今回は4個一気に作ります。

 

これだけ作るのに3日も費やしています。

1日1本製作するのが難しいアルミサイレンサーです。

 

 

 

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構成パーツを溶接組み立てしたところです。

部品が揃っていれば連続溶接できるのですが、同じ姿勢を長時間続けることによって血行不良になります。

エコノミークラス症候群という症状ですが、私の場合は肩こりや腰痛になってしまいます。

もう年寄りですね。

 

 

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溶接完了したらバフ研磨です。夏場と違って体が温まるくらいなので助かります。

研磨は自社製品しかやりません。

お客さんに頼まれても専門の業者さんを紹介するだけです。

 

ここまで出来れば、グラスウールを詰め込んで組み立てるだけです。

明日の段取りを考えながら発送の準備します。

 

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おまけはCBヨンフォア専門店シオハウスさんからお借りしたVMXマガジンから

ジム・ワイナートとトニー・ディスティファーノの接戦です。

トニーの顎にジムの左グリップが入っていますね。

トニーの右ブーツはジムのフロントフォークに引っかかっています。

ものすごい勝負への執念です。安全運転至上主義の私は見習いたいです。

 

9月一杯まで非常に立て込んでいる状況ですが、電話1本でマフラー1本作ることになりました。

9月1日にJNCCが月山で開催されるのでエントリーしたというので遅くとも29日迄に完成させなくてはなりません。

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道なき道を走るエンデューロなので上手いライダーでも転倒のリスクは付きまといます。

レーサーのマフラーは軽量化も考えてチタンパイプを使ったりしますが、今回はステンレスです。

アルミの筒は同じですが、ミドルパイプの強度がステンレスパイプの方が上なので転倒による影響をなるべく抑える目的であります。

重量はチタン製と比較して500gくらい増えますが走行性能には影響ないでしょう。

 

依頼者は元ワークスライダーの大塚忠和選手ですが、私とはノービスから国際B級まで走った年代がカブっていますので、同年代のトップライダーからの呪縛にかかっていると思われます。別の年代のトップライダーですと観客としてしか見ていないので、特に意識はしていません。

それから、大塚選手はオートマチックのRC250Mを走らせて鈴鹿サーキットで宗一郎さんの前で優勝した人ですから他のライダーとは違う意味合いを持っています。優勝直後に管制塔に呼ばれて宗一郎さんと弁当食べたライダーは彼1人だけです。私ごときが彼の頼みを断れるわけありません。

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製作は間に合ったのですが、グラスウールがまだ入庫しません。ギリギリの日程なのでセッティングする時間もないでしょう。

現在違うマフラーが付いてますが、音量検査が難しいので新品頼まれたのでした。

ウエポンで聞いたのですが彼のマシンは月山終わったら売却するらしいので、突貫で作ったマフラーも一回きりで終了かもしれません。んー残念

 

大塚選手に電話したら、月山は都合で出られないそうで、次の糸魚川から出場ということでした。私、ビビリまくりで損してますね。マシンは今売っても、シーズンオフでも金額は変わらないということで、今シーズン一杯使っていただけそうです。

ようやくできました。サイドカバーとリヤフェンダーが一体になった独特のデザインのため、サイレンサーの位置決めをちょっと考えておりました。

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形状はこのとおり、モトクロッサーと同様にヘキサゴンタイプです。

公道仕様のためディフューザーを追加してあります。

クローズドコースを走るときはディフューザー外してフルパワーにするとより楽しめるでしょう。

実はノーマルサイレンサーの出口には蓋が溶接されていて排気の抵抗になっていたため、改造はせずに、新作にしました。

 

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重量はノーマル2.8kgに対して2kgに仕上がりましたが容量はアップしていますので、騒音低めでパワーも向上しているでしょう。

セル付きなのですが、バッテリー上がりで回りません。

しかし、チョーク引いてキック一発で始動しました。ノーマルだと、始動性が悪く長くセルを回し続けないと始動しずらいと、オーナーが言っておられましたので、始動性も改善されたようすです。

音量は・・・明らかに静かなので計測するまでもありませんので、やめます。

07モデルで生産終了したCR85ですから、弊社ラインナップ品は最後に作ってから一年以上経ちますのでCRチャンバーの製作も終了したかと思っていました。

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注文数は2台分で、1台は日本でもう1台はイタリヤだそうです。

3月に頼まれたのがようやくできたのですが引き渡し方法が知らされておらず、このまま在庫にしてあります。

フィレンツェ在住の日本人ライダーに使っていただく予定ですが、お父さんの仕事の都合かと思いますが、羨ましいような環境でMXができているようです。現地のキッズレースの動画もメール添付していただいたので観てみましょう。

 

'>少なくとも関東にはこんなコース存在しませんね。日本の国土の90%は山なんですから、もっとマウンテンコースがあってもよいと思うのですが、難しい問題です。アップダウンもいいですがコース幅も申し分ありません。何といってもスタートフルグリッドというのがよいです。やっぱりMXはこうでないと。

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エキパイの鍍金が仕上がりましたので、マフラー製作の続きです。

 

今日はマフラーのジョイント部分とマウントステー作りに取り掛かります。

見本は量産品ですから、全て金型を用いてプレス成型により作られたものです。

量産は少なくとも千個ロットの生産だったでしょう。マウントブラケットなどは下請けのプレス工場などに外注して大量生産して安価に作られたものです。

しかし、当方には金型などありません。見本の形状を真似て成形するしかありません。充分な予算をいただいてあれば安心して立派なものを作れるのですが大概の部品は製作に費やした時間分の全てを請求するわけにはまいりません。それは、必要な生産設備が無い上に初めて成形する部品であるために、長時間を要するためです。

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これはジョイント部分ですが、非常に凝った形状であります。

ボルトを差し込む部分が袋状になっており、左右で4個のフクロを作って溶接で取り付けしてありますが、この部分だけで半日費やしています。

これができれば、エキパイにマフラーを差し込んで、位置決めに掛かれます。

 

 

 

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メガホンの溶接ビードは全て消してあります。

溶接のまま研磨屋に出しますと、ピンホールやハンマー痕などが残ってしまって、鍍金の仕上がりに影響してしまうため、研磨の下地はこちらで整えておかなければなりません。

研磨は全てお任せでは、上手く仕上がってこないことが分りました。

 

 

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ちょっとユニークな形状のマウントブラケットです。

上は見本ですが、なるべくノーマルのデザインを崩さないように真似ています。

締め付け面の凹ましが必要なので、イレギュラーな方法で鉄板を成形してみました。

鉄板はなかなか、言うことを聞いてくれません。

 

 

 

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なんとかマウントブラケットの成形ができたので、左右マフラーの取り付け位置を確認しながら溶接しました。

あとはエンジン下側に付けるマウントステーが残っていますが、今日はここまで。

明日、最後のステー取り付けを行って研磨屋に持っていく段取りが整うはずです。

 

 

 

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日付が変わって、エンジン下部に取りつけるマウントステーを作って溶接しました。

2枚合わせのステーですが、これも純正になるべく似せて作ってあります。

純正に似せる理由は、それ単品で見るとオリジナルだと思わせるようにしなければならないからです。

復刻されない希少なパーツを新品で再現するということは、旧車の維持には不可欠なことで、商業的に利益を得る目的の「偽物ブランド」とは全く次元の違う話だと思います。

 

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オリジナルと再現品を並べてみます。

B級マフラーと思いますが、大体同じ形状に出来ているでしょう。

鍍金が仕上がってきて、ピカピカになれば、素人さんならどちらが本物か見分けがつかないと思います。

これで私の作業は終わり、研磨屋に持っていってカネを払ってくるだけです。

ここまでエキパイと合わせて10日ほど掛かりましたが、一段落ということで会社なんかだと祝杯を上げたりするでしょうが、私にはあのような発酵した水など飲んだら気持ち悪くなってしまうので祝杯は上げません。そのかわり、気持ちよくなる音楽でも聴くとしましょう。

スパイロ・ジャイラのモーニングダンス。ものすごく爽やかな気分になります。寒気が来ていますので気分だけでもトロピカルでいきましょう!サンキュー、Mrベッケンスタイン(SAX)

'>1979年リリースの楽曲ですから、34年も経つのですね。カセットテープが擦り切れるほど聴いていましたが、何年経ってもエエモンはエエ! 

 

 

 

9月のもてぎでお預かりしたCB92のマフラーに着手です。オーナーの沖さんは小樽在住ですが、1月に群馬のスキー場へ来られる情報をお聞きしていたのに間に合いませんでした。次回は4月のイベントで埼玉へ来られるそうなので、猶予ができました。今から取りかかれば充分間に合うでしょう。

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完全オリジナルのCB92です。保管には細心の注意を配ります。

何年か前から北野元選手が浅間火山レースで優勝したマシンを入手してレストア中であることを聞いていましたので、2輪史に関る大事な仕事であると思います。

北野さんは関東では有名で、4輪のレースドライバーに転向して、板橋の川越街道沿いにあったロードレースの宋利光さんの店「アパッチ」の隣でタイヤショップを営んでおられました。

 

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託されたマフラー一式ですが、図面もありませんので、この現物を見本に同型のものを作らねばなりません。

具体的にマジマジと眺めてみると型物が随所に使われていて、ハンドワークで再現するのが難しいように思われます。

しかし、私には19年も何の道具も持たないで、「無いものは造ればよい」という信念でやってきた経験があります。

 

 

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緩いカーブを描いたエキパイは3次元に曲がっているのが分ります。

メーカーさんは機械ベンダーで曲げRと角度を設定して曲げていますが、私には曲げ機械はありません。手曲げで再現するには職人技を発揮する必要があるでしょう。

 

 

 

 

 

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マフラーのマウントステー部分の構成パーツが意外と多いことに気づきました。

おそらくこの部分の作り込みが半分くらいのウエートを占めると思います。

2枚の板の接合部はスポット溶接が用いられていますが、スポット溶接機もありません。この部分はプラグ溶接かTIG溶接で取り付けさせていただきますのでお許しください。

では製作の進行状況は随時アップすることにいたします。

 

2輪史について、何のことだか分らない人も多いかもしれません。最近のことだけ見ていると全体像は見えてきませんが、MX、ロードレース、ストリート、クラシック、改造バイク、一通りのカテゴリーを掻い摘んで見てきました。2輪車という乗り物は、およそ100年前の原点から始まり、研究開発が進んで新材料、新製法、新機構が世の中にリリースされ、お金を払えば誰でも堪能できる便利な時代になったと思っています。

しかし、この先100年同じように開発が進んでいくとは思えません。それは資源や環境の問題であったり人間の欲求の矛先であったり、残る部分と衰退していく部分が当然でてくるでしょう。今の繁栄は期間限定の楽しみと捉えてよいかもしれません。そのことを考えると、一見時代遅れに見えるようなことに魅力や価値観を見出していく懐古主義を営んでいくために手作り製法も、残された人生を豊かに(お金じゃないですよ)過ごしていくために有意義なことだと思って働いています。

 

CIMG2115.JPG最初に一番大物のメガホンマフラーから始めます。

通常はテーパーに削った鉄棒に鉄板を巻きつけながら作りますが、これは端材も含めて1m以上の長さがありますので巻いて作るのは難しいと考え、水押しで膨らますことにしました。

2枚の鉄板を展開図に従って切断し、溶接で張り合わせます。

今回は厚さ1mmの鉄板を使用しますが、成型後に溶接ビードは研磨して消してしまうため、通常より溶け込みを深く溶接しておきます。

CIMG2118.JPG膨らんだテーパーを所定の位置で切断して立ててみます。

製品の長さが77mmありますので、CB92のシートより少し高いです。

マフラーの長さは排気の脈動を利用して燃焼室の充填効率を高める効果がありますので、ノーマル寸法を守る必要があります。

旧車の場合はオリジナルに忠実な外観も必要なので、自分の意思は入れず同じように成型することに没頭するだけです。 

 

 

CIMG2119.JPGメガホンのエンド部分にはテーパーリングを溶接します。後で研磨して溶接ビードは消します。

テーパー状の絞りは排気の抜け過ぎを抑え、反射を起こすための形状です。

50年前からこのようなチューニングの技法が確立されていたのですね。

メガホンの加工はここで一旦停止です。先にエキパイの製作に掛からねばなりません。

その理由は、クローム鍍金仕上げ によってパイプジョイント部の外径が大きくなってマフラーが差し込めなくなるためです。

ラインナップ品のチャンバーなどはテールパイプのジョイント部をマスキングして、鍍金が付かないようにして対応していますが、CB92のエキパイは端まで鍍金されていますので、鍍金後の外径寸法にあわせてマフラージョイントを加工する段取りになります。

 

CIMG2122.JPG先ずは見本のエキパイから曲げゲージを作ります。左右対称ですが、3次元曲げなので両方のゲージが必要です。

 

 

 

 

 

 

 

 

CIMG2121.JPG曲げゲージを内Rに当てながらパイプを曲げていきます。

炙り加減と力を入れるタイミングは100%勘だけが頼りの手曲げです。

複合Rの距離が近いため、このカーブを成型するには高級な機械ベンダーが必要でしょう。

パーツメーカーさんならCNC加工機により高精度な仕上がりを実現します、というところですが、ここでは無縁の世界です。

 

 

CIMG2125.JPGエキパイの切断、フランジの加工を行って取り付け確認します。

先日作っておいたメガホンマフラーを仮止めして左右のバランスを見ます。

マフラーの位置が問題なければ、エキパイの加工は完了です。

このあとエキパイだけ鍍金処理に廻りますので、それまでマフラーの加工は中断します。

次の仕事が控えておりますので、続編は2週間後ということで。

 

 

 

ようやくセンター出しマフラーの音量計測です。

先日、マフラー完成後にエンジン始動しようとして失敗しました。

冷間時の初期始動性が良くないエンジンだと思いました。

考えられる要因はバッテリーの過放電、長くエンジン始動しないで放置しておくと漏電して電圧が下がってしまう現象。

もう一つはこのマシン特有ですが、ガソリンタンクの絶縁が悪く、フレームとタンクが金属接触しているため放電して引火することを恐れました。そのため、タンクを外して作業しようとしましたが、燃料ホースのカプラーが外しにくく、壊しても困ると思ってガソリンを抜いてしまいました。エンジン始動時にはガソリン給油して行いましたが、必要な燃圧に達していなかったかもしれません。

真相はわかりませんが、走行する必要はないので別の新品バッテリーを購入して電圧確認してから再トライしましたが、同様に始動せずバッテリーが弱ってきたので中止して、自家用車のエンジンをかけてブースターケーブル繋いでようやく始動できました。

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この車両はアンチグラビティー製のリン酸鉄リチウムイオンバッテリーが装着されています。

同じ性能のユアサと比べると体積で3分の1、重量が4分の1くらい違いますので、ユアサは取り付きませんがブースターで始動するために使用しました。

ブースターで充電しながらセルを回せるので、今度は簡単に始動できました。

そして、排気音は

車検は近接騒音で、最高出力回転数の50%に保持して計測するので

4500rpmで80dBという静かさ、10000rpmでも90dBくらいなので数値は余裕で合格です。

念のためマフラー出口にディフューザーを付けていますが、外しても2dBほど上がるだけなので、好みに応じて外しても問題ないでしょう。

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公道仕様のためテールランプとライセンスプレートのステーが必要です。

最もシンプルな取り付けをデザインしました。

アルミのリヤフレームにボルトオンでステンレス棒のステーを作ってみました。

 

 

 

 

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2?のアルミ板をベースにテールランプとライセンスプレートが取り付くはずですが私の仕事はここまで。あとはオートバイ屋さんにお引き渡しとなります。

 

大晦日にジョイントは完了していましたが、過労のためか正月早々に寝込んでしまい、3日から再開です。

CIMG2016.JPG左右のエキパイはマフラーの前で集合されています。

しかし、マフラーが固定されているわけではありませんので、リヤフレームに取り付けのためのステーを新設します。

リヤバンクのエキパイはフロントバンクのエキパイと等長とするため2回Uターンして長さを稼いでいます。

 

 

 

 

CIMG2018.JPGセンター出しマフラーの全容はこのとおりです。 

アルミとチタンの複合で、総重量2.2kgまるでレーサー並みです。 

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カウルをセットしてマフラーとの整列を確認してみます。

タイヤセンターとマフラーの芯を合わせるようにステーの位置決めをします。

FRP製カウルの位置は必ずしも車体中心と合っているわけではありません。取り付け穴位置を加工して中心になるように変更します。

 

 

 

 

CIMG2021.JPGここまで来れば、あと一息なのですが、マフラーのラバーマウントのための部品を発注しなければなりません。

来週まで部品屋が動きませんので、完成は来週に持ち越しですが、残りの加工は明日一日で終了です。

 

 

 

 

 

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マフラーのマウントが完了したのでリヤクッションフルボトムさせて、タイヤクリアランスを確認します。ショックのストロークを変更して対応しました。

ノーマルはオフオード車なのでロングストロークですが、オンロードならこれくらいのストロークで充分な気がします。

 

 

 

 

 

 

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マフラー取り付け業務完了しましたので、音量測定のためエンジン始動を試みましたが、残念ながらバッテリー電圧不足で始動できず、バッテリーチャージャーも持ち合わせておりませんので、後日電圧を復活させてトライしたいと思います。

これは公道走行可能なレベルに仕上げる目的なので、ライセンスプレートとテールランプのマウントステーも作らなければなりません。

あと少しですがリヤフレームに留められるスペースが殆どないので悩んでおります。

なかなかはかどりませんので、小出しにします。

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センター出しのマフラーは、こんな形状にします。

タイヤクリアランスの関係で横置きにします。

これが出来るとリヤフレームの変更内容が決まります。

年内に2つのエキパイの取り回しを行いますので新年早々にジョイント完了するはずです。

正月も遊ばないで仕事、仕事。

 

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リヤショックのスプリングコンプレッサーも自作です。

レーサーのショックはスプリングアジャスターを緩めれば簡単にスプリングが外せるので特殊工具は必要ありませんが、これはアジャスターを全部緩めてもはずれません。

特殊工具は工具店で購入できますが、私は買ってきません。自作にこだわります。

その理由はコスト削減のためです。「ワンオフのわりに価格が安いですね」と言われることがありますが、こういうことをして出費を抑えているんです。

これの場合は、充分元を取ったシャコ万とスクラップの鋼材で総額、数百円でしょう。高い特殊工具を買ってくる気はありません。他にもエンジンメンテナンスならケースプーラーやクランクシャフトインストーラーなど全部自作です。コストが安いだけでなく、用途に合わせて作っているので使い勝手がいいのです。

ようやく取り掛かる時期がきました、SXV550。アプリリアのVツインです。本当はモタード車ですが、依頼されたカスタム屋さんでロードタイプにモディファイされています。 CIMG1998.JPG

実は、電話でマフラー製作の話をいただいたときは、車両の状態が分らず、お引き受けに至りませんでした。

詳細が不明な状態で、出来ますとは返事ができないからです。

そこで、電話とメールのやり取りで段々と状況が見えてきました。

リヤサスのリンクを変更して車高が下げられていること、ノーマルのマフラーが取り付かなくなっていること、リヤバンクのエキパイが短く延長しなければならないことなど。

ちょっと厄介なことになりそうだったことと仕事も2ヶ月ほど溜まっていて、係っているとますます遅れてしまうことになると思い、受託の返事を保留していました。

そうすると、無理な部分を理解していただいたようで、やり易いようにリヤ廻りのジオメトリーを変更しても構わないということで了承いただき、車両持込みしていただくことになりました。年内に完了することは不可能なので、材料の手配はしておいて来年に持ち越しということになります。

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モタード車のノーマルマフラーはフェンダーを兼ねた箱型のサイレンサーに2本のエキパイが差し込まれた形状です。

リヤショックのスプリングを外してサスをフルボトムさせて、スペースの確認です。リンクで車高下げた場合は、車高が下がった位置からフルストロークするのでタイヤとフェンダーのスペースが無くなってきます。

この隙間にセンター出しのマフラーを取り付けるなどということは不可能なことがわかります。リヤフレームを改造してマフラーのスペースを確保することから掛かります。

来年の初物になると思いますが、続きはまた来年ということで。

ようやく2台目のNSR250のチャンバー作りです。製作実績がありませんので、毎回悩むところですが、今回はお客さんの要望で右二本出しのサイレンサーが特徴です。

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89モデルと思われますが外装部品は既に廃盤になっています。フルカウルは全塗装したのかと思っていましたが、じつはグラスファイバーで復刻したものでした。

ノーマルはインジェクション成型なので、裏地の肌が違うことで気がつきましたが、生産されない旧車のために、カウリングを少量生産するメーカーがあるようです。

引き締まったスタイリングが好感をもてますね。

 

 

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アンダーカウル装着のためにチャンバーの取り回しが複雑になります。

90度V型のリヤバンクは右出しに、フロントバンクはUターンして左出しという変則カーブを描きます。

通常左向きにひねったコンバージェントコーンを右向きに変更して右出しのテールパイプに繋げています。元々センタースタンドが無く、リヤサスのリンク位置も問題なく、後ろ側の取り回しは自然な形にできました。

 

 

まだまだ年内はワンオフの製作が続きます。当分の間、工房に篭って仕事していますので春ころまで掛かります。電話も出られないと思いますがご了承ください。

息抜きは必要なので、今日の音楽ネタはコテコテのジャズにロックを融合させて聴きやすい音楽を作ったフュージョン界の功労者、デイブ・グルーシンの立ち上げた演奏集団GRP AllStarsからマウントダンスです。自分はデイブ・グルーシンの演奏を観るのはこれが始めてで感動しました。ギターの神様リー・リトナーも参加されています。この楽曲聴いていると80年代が蘇ってきます。

 

'>

2スト全盛期は老舗のチャンバー屋さんが沢山ありましたので、選り取りだったと思います。2スト全廃の今では入手困難になってしまったようで、今頃になって初めて作ることになりましたNSR250用チャンバーです。

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左右非対称のチャンバーなので2種類の型を作らなければなりません。

先ずは90度V型ツインの前バンクの方から型を決めてレイアウト検討します。

ノーマルのアンダーカウル装着のため、エキパイのカーブもノーマル同様にしないと収まらなくなります。

その結果、オフロード車のチャンバーよりタイトな曲げカーブが必要になります。

 

 

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前バンク取り付け状態ですが、このようにクネクネ曲がっています。

このあと、後バンクからのエキパイのレイアウトを検討するのですが、ラジエターとシリンダーの隙間を通って右側に出てくることになります。

エキパイのクロスは過去最高の難易度となるでしょうが、長年の経験で決めていきたいと思います。

 

 

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後バンクのエキパイは前にラジエター、下に前バンクのエキパイが干渉するので狭い隙間を数ミリの隙間を空けて通っていきます。

これでクロス部分の取り回しが完了しましたが、テールパイプとサイレンサー2本の製作が残っていますので完成は来週に持ち越しということで、今週はここまで。

 

 

 

 

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パイプ本体が出来たとしても完了には程遠いです。

サイレンサー2本作ってテールパイプの曲げカーブを決めて、サイレンサーの取り付けバランスを見なければなりません。

最初は溶接されていないパイプを手で持って取り付けバランスを確認しますが、離れて見ることができないので、目見当だけが頼りです。

接合部にマーキングして溶接して再度取り付けて確認という作業を繰り返します。しかもアンダーカウルも脱着しながらということで

作業時間は刻一刻と過ぎていきますので、お時間の約束をしても守れたためしがありません。

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ひとまず取り付け完了しました。カウル装着すると全部隠れてしまいますので、この状態で撮影です。

今回も初めて作るチャンバーでしたが、製作するのに必要な図面やモデルも無しで白紙の状態から取りかかるのです。

しかも1週間くらいで仕上げないと商売になりません。他の仕事全部止めていますからね。

今回低い姿勢での作業が多く、無理な体位で腰痛が始まってしまったことが余計な悩みです。体の老化現象が確実に忍び寄っています。あと幾年続けられるか体力だけが頼りの仕事です。

先日、地域の盆踊り大会があって、今年役員をさせられていますので設営やら模擬店の手伝いにいってきました。このへんはホンダOBが多く居住されている場所で、定年になったOBの話を少し聞きました。

早期退社で退職金と厚生年金をもらって、金銭的には余裕がありそうですが、退職後の生活のことや在職中の職務の辛さなどを考えさせられ、どうしても、自分の立場と比較してしまうのは僻みというものでしょうか。

 

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シングルで最大排気量はDR800だと記憶していますが、これは2番目に大きいやつです。車体も大柄でいかにも外人向けな作りです。キックスターターもありません、セル始動なのが唯一の救いです。フルエキゾースト製作の依頼をお引き受けしたのですが、オーナーの境遇を聞かされて大変恐縮して作業に取り掛かっています。

それは、ご自宅が福島の強制避難区域にあるということ。避難先の社員寮に他のオートバイと一緒に移住しておられて、200km以上も自走して我社に車両もってきていただきました。

それを聞いたときに心を打たれました。原発事故がなければ自宅でそのまま好きなオートバイを大事にしながら過ごせていられたはずなのに、こんなことになってしまって・・・。幸い職場は再開されて経済活動はできていらっしゃるようですが、オートバイのことをあきらめないで乗り続けておられることに喜びを感じます。おそらく、大変多くのオートバイフリークが原発の影響を受けて、好きなことを諦めてしまったんじゃないかと察していたところです。

せっかく日本の原発がゼロになったというのに大飯原発は再稼動されるということです。高度成長期以降の日本の経済成長は原発を含めた電力がなければ不可能だったでしょう。もちろんこの経済を維持しなければ、社会保障や高齢者医療の財源が捻出できないということも充分理解できます。

しかし、原発再開に導く政策を決めているのは都市部の便利で快適な生活を営んでいる富裕層であろうということ、こういう人たちは、もう少し田舎に引っ越されて質素な生活を経験した方がいいと思いますよ。浪費している一部の人たちの幸福という名のもとに生活レベルを支えるために大きな犠牲を払ってしまった。なにより、処理困難な核廃棄物を作りつづけ、使用済み燃料プールももうすぐ満杯になってしまうというのに、最終処分の方針も全くきまっていないまま、この経済活動を続けるという動きは確実に将来、大きな災難が降りかかってくることを意味しています。何の反省も改善もみられない、事故の収束も止まったまま、国家のリーダーたちの采配に落胆するばかりです。

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現実は待ったなしです。先送りはできません。

結構仕事溜まっていますので、長くお待ちいただいているお客さんの希望に応えるために働き続けます。

XR650のデュアルエキゾーストは複雑な曲げカーブが必要なのでSUS304のパイプをこれだけの数曲げて、取り回しします。

SUS304は耐熱合金なので800℃くらい加熱しても強度があまり変わりません。手首の靭帯が切れてしまいそうな力を込めて曲げなくてはなりません。

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R曲げ9箇所になります。

溶接つなぎ終わりました。

クロスしたエキパイの製作は通常の1本ものと比べると加工時間が3倍になります。

ところが費用も3倍にはできないというところがこのエキパイの難しいところです。

材料代は現金で仕入れておりますので削減できませんが、人件費を削減して対応しております。

 

 

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ヒートガードも頼まれましたのでアルミ板金で製作しました。

最初はカーボンファイバーで、と言われたのですが我社では樹脂は扱っていませんので外注することになりますが、おそらくマフラー代よりも高額なヒートガードが出来上がってくると思いますので予算オーバーになります。

そういうわけで、これでしたら半日あれば充分なので迷わず実行です。

 

 

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フルエキゾースト完成です。

エンジン始動してみましたが、さすがビッグシングル!セルモーターでも始動にはコツがいる感じです。ホットスターターは付いていないCVタイプのキャブです。

たぶんキックスターターだとこのマシン嫌いになるでしょう。

チョークとアクセルチョイ開けの併用で目覚めました。バッテリーの電圧が命ですね。暖気運転中、エンジンストップして始動不能になって焦りましたが、10Aヒューズが切れていました。結構な発電能力を持っているようです。

ブローバイガス還元装置は取り外し大気開放にしましたのでエンジン回転が軽くなった気がします。ブリザーチューブから排出される圧力がエンジン内部に掛かっていることを考えると馬鹿にできないポンピングロスなのだと思いました。ノーマルの還元装置はブローバイガスをキャッチタンクを介してインテークに戻すしくみになっています。すなわち、エンジンの吸入負圧でケース内の圧力を抜くと同時に未燃焼ガスを再吸入して燃やすという働きをします。この装置を取り外したメリットはブローバイガスに含まれたオイルミストなどをインテークに吸引せずインテーク通路をクリーンに保つということです。万が一装置が故障してもケース内の圧力が上昇してしまうこともありません。

 

 

 

 

マン島の公道レースについて否定的な意見の人もおられるようですが、正しい論理で批判されているということを理解しながら、現代のモータースポーツと交通社会の係わりについて思うことがあります。

批判の要点は競争社会をベースに市場原理主義の縮図としてライダーや観客の命を軽視した観光産業と言われています。これはマン島TTレースの百年間に224名の死亡者を出しても懲りもせず、毎年危険な公道レースを続け、犠牲になった人は自己責任の名の下に葬り勝者を賛美しているどうしようもない人間の集まりと批評されているわけです。

そのように採られてもしょうがない一面はあると思いますが、これは合法で運営されている以上、日本の道路で交通違反をして事故を起こしている人たちからは批判を受ける筋合いは無いでしょう。私個人的には2輪の運転技術に公道やレース場の境界は無いと思っています。同じ技術をベースに道路に合わせて運転しているだけです。運転技術が高いということはレースの成績が良いことと、公道で安全に運転できるということに相関があるはずです。

日本では毎年1万人位、自動車事故で死亡しているらしいですが、自動車業界こそ競争社会、市場原理主義の象徴と言え、一部の顧客からの危険運転により交通事故が起きている現状をわすれてはなりません。少なくともモータースポーツに参加している人は運転技術の向上を目指して練習しているわけで、練習もしてないで道路で危険な運転をされては危なくて仕方ありません。

クローズドコースにおける技術より公道レースにおける技術の方が実際の交通の流れに入ったときに有効だと思います。実際の生活道路で限界の走行ができるのですから、法廷スピードで走ったときの安全性はレースに参加してないドライバーとは比較にならないでしょう。唯、レーサーだって人間ですから僅かなミスや疲労が重なって、レース中に事故が起きてしまったので、これを批判するよりレース経験も無いのにスピードを出す一般ドライバーに対して指導したほうが効果的というものです。

道路を走行中によく見かけますが、安全な車間距離をとって走行しているのに、周りのクルマよりスピードを出して割り込んでくる輩がいます。衝突しないのは周囲の運転者が避けてくれているだけということを理解する必要があるでしょう。上手い人は他人に不安を与える運転はしないはずです。

本題から離れてしまいましたが、公道バージョンのCRF250Xにレーサー用のサイレンサーを取り付けてみました。

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これはお客さんの依頼でエンデューロレースに出るために作ったサイレンサーで、250Xのノーマルより軽いこととパワーも上がっているはずです。

250Xのサイレンサーは米国EPA(環境保護庁)の認定を取っていますが、排気ガスの浄化より、枯れ草に火炎が飛ばないためのスパークアレスターを装備していますのでレーサー用より重いのは仕方ありません。

国内のエンデューロのスパークアレスターは義務付けられていませんので問題ないでしょう。

トレールバイク以外ではMXレーサー用のチャンバーとしては最も長く作り続けている車種YZ85です。80cc時代も含めると17年になります。

現在使用している組み立て治具に年式が書いてあるのですが、02年とありますので10年間同じ型で毎年製作してきたということです。本体のエンジンも01年あたりで、クランクケースやクランクシャフトが一新されましたが、そのまま開発は止まっているようです。 CIMG1179.JPG

YZ85は80時代に比べれば低速トルクもありますが、それでも排気デバイスを持った他メーカーの車種に比べると高回転高出力なエンジン特性です。

このチャンバーのコンセプトは低速から中高速へ繋がるパワーの上昇をフラット化して乗りやすくしてあります。ノーマルでも高回転をキープできる技量のライダーなら速く走れますが、低速コーナーが続いたり、スリッピーな路面では神経質にならざるを得ないでしょう。そういう部分で乗り手を助けてくれるはずです。

サイレンサーにおいては排気抵抗を軽減して軽いエンジンレスポンスを目指しつつ騒音もノーマル以下を実現しました。

これは車両が今でも新車販売されていることもありますが、若年層を中心に扱いやすさが評価されていることで製造が継続できていると考えられます。大体年間10台ほどの注文がありますが、仮にまとめて作るとすると20日くらいで出来ます。1ヶ月に満たない仕事量ですが、10年間継続してきているということで、この企画が間違っていなかったものと確信しています。

4ストのYZ150Fの噂もありましたが、欧米で需要が見込めないと判断されたとも言われていますが、メーカーとしてもミニバイクに250クラスと同等のコストをかけて販売するという暴挙にでる必要もないという冷静な判断の結果です。

しかし、この先10年、20年と同じエンジンを作り続けるとは思えません。時期モデルがどのように変化していくかが興味を持たれるところですが、おそらく20年後私が生きている保証がありませんので、やるなら早くやっていただけませんかヤマハさん。

世間は大型連休中ですが、予定の業務が終了していない弊社はエンドレスで進行中です。

1ヶ月近くお預かりしているマシンのチャンバー製作に着手しているところですが、予想に反して手強いです。

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TZR250の後期モデル、89年から3年しか生産されなかった前方吸気、後方排気という珍しいレイアウトのエンジン。

91年からV型となるため並列2気筒としては最後のモデルとなります。

しかし、このレイアウトはメリットとデメリットがあって総合的にはどうなのか、いろいろ乗り込んだ人しか分らないと思いますが、私個人的には面白いですね。

何で他の機種ではこういうレイアウトが採用されなかったのか興味深いところがあります。

クランクケース吸入ですから、キャブレターが後ろでも前でも吸気量は同じですが、通常レイアウトではキャブレター周りが熱くなってしまいますが、前方なら冷やされますから、フレッシュなエアーが吸入され充填効率が上げられるでしょう。排気管も後ろ向きの排気ポートからストレートに排気され抵抗も少ないでしょう。

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チャンバーの寸法は依頼者からエクセルで作図したものをメール送信していただき、それに従って製作するだけです。ところが、真っ直ぐなパイプを作るわけではありませんので微妙なカーブを作ることで難航しています。

左右のエキパイを成型して口元フランジを固定してみると、これではパイプの位置が高すぎます。シートの下が近くて配線などが焼けてしまうことになりそうなので、やり直しです。ここまで2日かかっていますが、惜しげもなく廃却です。

 

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即効で少し下向きに変えたカーブのエキパイ2本を作成して続行です。

このようなことを繰り返していますので予定どおり業務が進まないということになります。

納期は約束しても無駄ということです。

初めて作るものはどうしても時間がかかりますが完成したときの喜びも既成品とは違うものがあるのです。

 

 

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うーむ、官能的です。

リヤストレートとは名ばかりで、クネクネ曲がってないと、サブフレームやサイドカバーと干渉してしまうので、必然的なカーブを描いています。

これからテールパイプとサイレンサー2本作らなければ完成しません。

あと20時間くらいでしょうか、もうひと頑張りします。

 

 

 

CIMG0802.JPGサイレンサー2本、リヤカウルに空いた穴から突き出しています。

4ストのセンター出しは、このモデルから発展したと言えます。センターはリヤタイヤが上がってきますので、チャンバーは両側に張り出した形状にしないと当たります。

サイドカバー付けると全部隠れて見えなくなりますのでストリップ状態だとこのようになります。

これでオーナーの設計されたチャンバースペックで製作が完了しました。

GW+3日の工程費やしましたので、この後も過密スケジュールで進行していきます。

 

 

ワンオフ製作のチャンバーを希望されるお客さんは次のことに、ご注意ください。

製作したいチャンバーの寸法図、または見本が無い場合はお引き受けできません。チャンバーの諸元はエンジンの仕様と密接な関係がありますので、車種毎に専用設計になっています。寸法図が提示されない場合は新規に設計しなければなりませんが、経験の無い車種のチャンバーをゼロから製作するとなると相当な試作とテストを繰り返さなければ、満足な物は作れないでしょう。そういう決まっていない試作などの期間や費用はお約束できるものではないということが理由です。

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今回のDT125は全く経験ありませんでしたが、製作できる可能性があったことと、こういう依頼に対応できないと、弊社の存在意義も無いと考えましたので、お引き受けすることにしました。

ワンオフなど安易に引き受けるものではないことを思い知らされる例でした。

DT125といえば水冷エンジンのチャンバーしか経験が無かったのですが、このマシンは空冷エンジンでした。初期型は78年ですがこれは後期型の80年モデルのようです。

依頼内容はRZ125チャンバーのスペックで作りたいということだったのですが、ボア、ストロークが56×50で同じなので使えると思ったのですが駄目でした。ノーマルチャンバーの寸法とRZ用が違い過ぎて、おそらくパワーダウンするだろうと予測したからです。

では空冷エンジンのレーサー用ということで77CR125が56×50で同じボア、ストロークなので使えるのではないかと試作に取りかかったのでした。

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これが77CR125スペックですが、試乗してみて落胆しました。

全体的にトルク不足で高速も伸びない、ノーマルより全然走らない失敗作でした。

カタログ値だけの性能比較ですがDTは13PS/7500rpmに対して77CRは22PS/10000rpmということで、同じボア、ストロークでも性能が格段に違うということ。ポート形状やピストン形状など他の要素が大きく違っているためにチャンバー形状も違ってくるということを物語っています。

当時のDTと同じ鋳造型で製造されている80年式YZ125も同じボア、ストロークですが、26.5PS/11000rpmという高回転高出力型の特性を持ちます。一般市販車のDTの性能が違うのは公道での乗りやすさや安全性を重視した結果と考えられますので、やはりノーマルチャンバーをベースに作らなければならないということです。

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ノーマルチャンバーは膨張部が2重構造になっていますので、外形寸法からは内部の寸法が測れません。

ストレート部とコンバージェント(収束)コーンは125クラスの過去データーから妥当な寸法を導き出し、推測して決めました。

ようやくワンオフ製作に掛かることができます。

 

 

 

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テールパイプがモノクロスサスのショックとクリーナーボックスの狭い隙間をクネクネと曲がって通してあります。こういう部分は実車がないと製作不可能です。

サイレンサーも頼まれましたのでレトロな雰囲気のオールアルミで仕上げました。

試乗してみましたら、ノーマル同様の特性で5000rpmから8000rpmまでパワーバンドが広がる乗りやすいものにできました。

8000rpmからレッドゾーンなので、レーサーのように高回転で回す必要がないエンジンです。

32年前のオートバイなので部品も廃番になっています。壊さないように走り続けていただきたいと思います。

国内のモトクロッサーの排気量では250クラスがスタンダードだと思っていますが、中でも業界のリーダー的存在のホンダが製造しているCRFに力を注いでマフラーを作っています。 

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2012モデル用ですが

弊社オリジナルの特徴に触れてみたいと思います。

少量生産なのでアルミとチタン板、チタンパイプをハンドワークで加工しています。

 

 

 

 

 

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フロントキャップの部分です。通常、板物のキャップで作られるパーツですが、アルミ塊から削り出しています。板物の場合、クラッシュして大きな荷重が掛かったときに歪み易いのでアルミ塊の方が荷重に耐えられます。

チタンパイプが圧入してありますが、アルミが熱膨張してパイプが動いてしまうのを防ぐために、キャップ内側にフランジを溶接してボルト止めしてありますので絶対に動きません。

 

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エンドキャップ部分はチタン製です。リヤパイプの内径と長さの適正化により、騒音低減とパワーアップの両立を実現しました。騒音は2mMAX法で楽々クリアします。

菱形断面のアルミパイプは曲率の小さいR曲げと平面の面積を縮小することで、剛性を上げています。ノーマルのアルミサイレンサーより強度が高いと思います。

結合はM5のネジ止めにしてあります。ステレスリベット加締められるエアリベッターがなくてもヘキサゴンレンチだけで脱着できるのでグラスウール交換も容易にできます。

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フロントキャップの結合はM6のボルト止めで、こちらもヘキサゴンレンチで脱着可能です。

分解可能にすることで、ダメージを受けたパーツ別に修理したり交換することを前提としていますので、このマフラーのオーナーには、クラッシュしてダメージを受けても使い続けていただきたい思いを込めています。

 

 

 

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エキパイとミドルパイプの結合部分はガスケット不要です。

ノーマルのガスケット仕様ですとサブフレームの動きにあわせてサイレンサーも振られますので、ガスケットの内側でエキパイ端末が動いて、潰れてしまっているのを見た事がある人も多いと思います。

0.1mm隙間で嵌め合いしてありますので勘合部分の剛性が上がってパイプ端末が潰れないで済みます。

 

 

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手曲げエキパイはノーマルと同寸ですが重量は200g軽量、サイレンサーは、なんと1kg軽量になります。

またチタンは錆びないのは勿論ですが、泥汚れもつきにくく、マフラーの素材として理想的です。

製作費はエキパイが2万円、サイレンサーが48000円という量産品並みで提供させていただきますが、ハンドメイドなので納期は業務の状況で変動しますのでメール等でお問い合わせください。

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CRM250のチャンバーはARとRR(3型)で若干の仕様変更があります。チャンバー諸元は同じですが、口元フランジの穴位置と下側マウントステーの穴位置が違いますので、ARとRRは互換性ありません。

我社にとって、この10年間で最も売れたチャンバー、サイレンサーがCRM250です。数えてはいませんが200台くらいです。殆どのお客さんは、チャンバーとサイレンサーのセットで注文されますが、勿論どちらか一方でもノーマルに取り付くようになっています。

およそ半数はクローム鍍金を指定されますが、これは外注費として15000円別途かかりますので、総額39000円という少し高価なものになります。私的にはチャンバーは未塗装で焼け色を楽しむものだと思っていますので、邪道と思っていますが、乗りっぱなしでも錆びがでないクローム鍍金の手間要らずで外観がかわらないことは魅力かもしれません。

CRMの実車が近くにありませんので、装着画像は撮れませんが、鍍金工場から引き取って梱包する僅かの時間で完成品画像を取ってみました。

理想は、ラインナップ品は在庫をストックしておいて注文されると直ぐ発送、という形を取るべきですが、何を頼まれるか分らない上に1品あたり15時間程度製作にかかるため、オーダーが溜まってしまいます。通常1ヶ月以上、お待ちいただいているのに在庫品のために時間を割いている余裕がないということです。お待ちいただいているお客様には、申し訳ありません。

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チタンパイプに砂を詰めて手曲げします。

これはφ35ですが180°曲げは相当な経験が必要でしょう。

バーナーで炙りながら金属の固さを腕に感じながら柔らかくなったところで曲げていきますが、失敗するとパイプが潰れてしまったり、内Rにシワがよったりします。

曲げ可能な最小Rというものがありますが、これは内Rで45Rです。太いサイズほど曲げRは大きくなっていきます。

ベンダーマシンはありませんので、手曲げ技術だけが頼りの作業です。

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YZ250Fのノーマルエキパイを切ったものと比較ですが、遜色ないカーブを描いています。

オフロード用のエキパイはこれができないと形になりませんので必須テクニックでしょう。

 

 

 

 

 

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フランジの部分ですが、YZは口元が2mm拡大しています。フランジで押さえるためのツバ出し加工もしてあります。

フランジはA2017削り出しです。量産ではチタンやスチールのプレートをプレス打ち抜きやレーザーカットするのが普通ですが、スタッドボルトの締め付けで撓んでしまいますので、A2017の厚さ10mmのほうが、撓まず放熱性も良いので採用しています。

 

 

 

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後半のパイプはφ41.3ですが材料代が2mで16000円と高価なもので、2万円のエキパイを1本だけ製作すると完全に赤字です。2本作って材料代が払える程度ですから厳しい商売です。

こんな感じで購入した材料代を回収するために日々、仕事に励んでおります。

何故これを作るかといいますと、ノーマルエキパイに亀裂が入ったり、潰れたりして、修理を頼まれることがあります。修理可能な程度には限りがあります。その場合は新品購入をお勧めするのですが純正品でも相当高価なもので、なるべく出費を抑えたい要望に応えようとしているわけです。

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耳の痛い話ですが、80年代のモトクロス全盛期に存在したレース場のうち9割以上が無くなっている現実をご存知でしょうか。

関東では新潟の川西モトクロスコース以外、全てのコースが閉鎖されてしまいました。現在はその後つくられたコースで運営されていますが、コースが閉鎖される理由は幾つかあると思います。その一つに騒音問題というものがあって、コースの近隣住民から苦情を受けて対策を迫られるということがあるようです。

2輪メーカーは、国内においてはMFJ公認車両を製造することが、目的でありますから

MFJ公認レースが開催されて、それに適合した車両が販売されれば目的は達成なのです。近隣から苦情を受けるような場所でレースすることについては対応できないということが現状でしょう。実際、全日本開催コースで苦情がでた話を聞かないですし、市街地であったとしても川口や伊勢崎のオートレース場ではモトクロスの比較にならない爆音でレース開催できていますし、その場所で暮らす人たちの認識の違いもあるでしょう。そんな折、関西方面のコースでも騒音問題で一部車種が走行を断られるという対応をされているようなのです。あちらのコースで走られているお客さんから依頼がありまして、2011モデルYZ250Fのマフラーを消音加工してみました。お客さんの話では2012CRF250レベルだと問題ないそうで、カワサキかヤマハが問題の対照となっているということです。

送られてきたマフラーはYZ250FのUS仕様のサイレンサーとエキパイで、国内のノーマルより当然、うるさいとおもわれます。比較検討のため、ノーマルは手をつけずにUSの方を加工することになりました。

よく暫定的にマフラーの出口にバッフルを装着することがありますが、チューンアップされたエンジン性能を損ねることと、バッフル長が短く、出口付近にあるため風切り音が出てしまい、耳障りな音に変わったりして満足な効果は得られないでしょう。

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目的は暫定的な処置ではなく、CRF250並みの消音性能を目指すということで、取り外せる仕様にはなっておりません。

リヤパイプの内径を縮小しつつ、長さも延長しています。排気の吸い込みが有利になるように吸い込み口をテーパー状にしてあります。パンチングの太さはパワーに影響しますので細くしません。

マフラーの容積がCRFより小さいので同等にはならないですが、ノーマルに比べると違いが歴然となるでしょう。

 

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グラスウールが消音する上で重要なアイテムになります。

US仕様に組み込まれていたのは旧型のノーマルグラス&ステンウールでしたので、ホンダ純正に取り換えました。ヤマハさんに申し訳ないですが、こちらの方が消音性能が上なので、純正部品代7600円投資する必要がありました。

CRFサイズは画像の通り量が多いのでYZ用には2割ほどグラスウールを間引かないと入りません。

 

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エキパイもノーマルにサブチャンバーを仕込みました。騒音は1dBほど軽減されますが耳で聞いた程度ではあまりわかりません。

車検で数値ギリギリだったとすると1dB余裕ができるといった具合です。

パワーアップは殆ど変わらないでしょう。むしろ大人しい特性に変わります。直管に横穴が開いてサブチャンバーに入ることになるので排気の勢いが下がり、パワーがマイルドで騒音も少し減るということになります。

マフラーは排気することだけでなく、燃焼室と吸気系が連動していて、排気された分だけ空気が吸入されて適正な燃料がミックスされることで充填効率が上がってパワーアップに繋がるということです。マフラーに蓋をして騒音を下げるという手法は吸入の妨げになってパワーダウンすることになります。

パワーダウンは承知で、そのコースで走り続けるか、問題ない場所まで移動して走るか、いずれにしても最盛期のモトクロスから比較して、やりにくい時代になってきたと思います。

これは、ラインナップではありませんが、お客さんの要望で作ってみました。

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アルミの筒とチタンカップの組み合わせですが菱形断面にしました。オーバルより曲率の小さいR曲げにより剛性があがります。

その反面、チタン板の曲げが固くで難義です。プレス機なしで手加工ですから力技で成型しています。

250サイレンサーと同じ形状ですが、450の排気量にあわせて全長で50mm長くしてあります。完成してから2mMAX法で音量計測します。

 

 

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2012年型CRF450です。オーナーはフラワーオートの嶋野さん。

80年代、ATV協会創世記のころの3輪バギーチャンピオンで、あの"ダミアン号"の運転手でした。60歳過ぎても新型の450でMXでトレーニングする理由は、同年代の仲間が薬飲んでないと健康でいられないのに、MXで体を動かし汗をかくことで体力を維持するためだといいます。

友人が「嶋野くんは本当に薬を飲んでないのか?」と驚いて聞かれたので「MXが薬の代わりだ、バイ〇グラは時々飲むけどな」と笑いとばしたそうです。

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サイドカバー付けた状態ですが、サイレンサーエンドの位置がノーマルと同じです。

エンジンかけて吹かしてみましたが、アクセルのレスポンスもよく乗りやすそうです。騒音も思った以上に静粛で、2mMAX法で計測してみましたら110.6dBでしたので250と同等の消音性能を発揮しています。

今年、MCFAJも登録されたそうなのでレースの方も頑張って続けていただきたいと思います。

およそ45年くらい前に製造された車両でしょうか。これは、CSというロードスポーツタイプですが、これと同形式のエンジンを搭載したCLというスクランブラータイプが私の実家にありました。

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CL90はオヤジがスクランブルやるために買ったものではなく、会社に通勤するための実用車だったのです。母親は私が8才のときに亡くなっていましたが、記憶に残っていることがあります。

当時、父親は自動車は所有していなかったので、夫婦で買い物に出掛けるときは、オートバイで2人乗りのスタイルでした。まだヘルメット着用は義務でなかったですが、父親はシールド付きハーフキャップ被って、ジャンバーにスラックス、革靴という真面目な服装で乗っていて、母親は頭にスカーフを巻いて、ロングコートの下はスカートでタンデムシートに跨り、ヒールの踵をステップに引っ掛けて乗っかっていました。要するにお洒落着のままオートバイに乗って出かけていたのですね。そんな母親を見て「お母さんは風呂敷被っとった」と父親は言っていました。 40年以上前の話です。

その後、通勤車は自動車に代わったのでCL90は置きっ放しになっていました。私が中学2年になったころ単車に乗りたくて、乗りたくて我慢できずに、親が寝静まったころ、こっそりCL90を持ち出して乗り回すようになりました。クラッチもギヤチェンジも知りません。乗り方教える先生もいません。中学生がたった一人で真夜中の山道で、ライトを頼りに練習していました。真冬で寒かったので、ジャンバーの下に新聞紙を入れて真っ暗な道路を疾走しては、親に気づかれないように返しておく日々が続きました。悪いことは続かないもので、運転に慣れたころに国道を走って遠出したところで警察に捕まって、バレてしまいました。13才のころですから少年法で刑罰はありませんでしたが、夜の監視が厳しくなってしまいました。モトクロス場では13才どころか10才以下でも堂々と単車に乗れるのに、私らが子供のころの環境では非行の元としか見られていませんでした。早く就職して自由に単車に乗ってやると、強く思ったものでした。

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このオートバイを見てそんな昔のことを懐かしく思うのですが、今こうやって現役で走っていることが羨ましく感じます。あの思い出のCL90は、私の非行が元で、処分されてしまいましたから。

頼まれたのはメガホンのマフラーですが、レーシング仕様なので消音器は入っていません。浅間火山レースを彷彿される直管です。長さとテーパーの角度はノーマルのマフラーの中身を参考に最適寸法を推測して製作しました。成績を全く気にしない楽しみのためのレース仕様です。

震災があって3月の走行会が中止になってしまって、預かっていたK125が3ヶ月経って、ようやくチャンバー製作着手することになりました。

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チャンバーに取り掛かる前に、サーキット走行のためセンタースタンドを外す必要がありますが

フレームを貫通しているシャフトが中で曲がっているのか、全く抜けてこないためスタンド外し不可能でした。

やむを得ず、酸素で溶断しました。

シャフトの生材使用はやめましょう。クロームモリブデン鋼にしましょう。

代わりにレーシングスタンドを作ってから作業開始です。

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上がノーマルのマフラー。

2ストシングルなのですが、2個の排気ポートにそれぞれ独立したエキパイということで2本マフラーです。

下が製作したチャンバーとサイレンサー。

エキパイとチャンバーは溶接でワンピースです。

ノーマルは、ダイバージェント(拡散)もコンバージェント(収束)もありません。筒の中に仕切り板があって、反射を起こす構造で、仕切り板の位置を測ってチャンバーの諸元を推定しました。この置き換えは、あまり経験がありませんので、出来上がりの性能が楽しみです。

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オーナーが取り付けてあったステップブラケットもチャンバーのレイアウトの邪魔になるので移設させていただいて、スッキリとストレートチャンバーに決めました。

キックアームは始動時にブレーキペダルにぶつかるので、可倒式に交換するべきと思います。

12Vバッテリーつないで、キック始動してみました。暖まっていなくてもアイドリングは安定していて、分離給油のためかワイドオープンにすると白煙がものすごい。回転はストレスなく吹け上がってくるので、走行は問題なさそうです。後はサーキットでキャブセッティングということですが、ここから先はオーナーのお楽しみということで、お引き渡しです。

05年の全日本MX会場の和寒でヤマハのパドック前に展示されたアルミ合金製ハイブリッドフレーム。ハイブリッドとはダイキャストや鍛造という異質な製法で作られたパーツの複合体であるという意味。

そして06年モデルとして発売されたアルミフレームのYZ125が最終仕様という認識でした。 CIMG0375.JPG

これはお客さんがエンデューロ用に購入したマシンです。

実はYZ125チャンバーは高張力鋼管フレームの時代にラインナップしていましたので、エンジンの基本は大差ないだろうという考えで当時もののスペックで製作しました。

最終型のパイプ形状が若干変更になっており、治具に取り付かないので車体合わせのワンオフ製作です。

我社のチャンバーとヤマハエンジンとの相性は良かったと思います。YZ125に乗った忘れられないライダーがいます。

彼を初めて見たのは守谷のコースでした。

KXに乗っていたA級の若手で、千葉の八街市在住ということで名門習志野レーシングかと思っていました。すると翌年YZに乗り換えて、チーム登録は土浦レーシングになっていたライダーの名は斉藤慎也です。全日本A級でチャンバーサポートして最も好成績を挙げてくれたライダーと評価しています。

01年にA級125クラスで4位入賞でしたが、常にトップを狙う意気込みでした。翌年250クラスにステップアップして、YZ250のチャンバーも作りましたが、トップカテゴリーで15位以内ポイント獲得していましたので若手最有力ライダーでした。

当時チームYZでは、ノーマルで勝てるマシンを証明するということで、社外のパーツ装着を一切禁じていましたが、斉藤選手は「チャンバーだけはこれを使わせて下さい」ということをYZのスタッフに願い出て認めていただいたという経緯がありました。

なんと律儀なことか、作ってもらった物に対する思いというか、なんとしても結果を残したいという意欲が他のライダーと違っていたように思います。残念ながら菅生でヤマハの合同練習中に不慮の事故に遭い選手活動に支障を来たして辞める結果になってしまいました。

そのころから、菅生の赤土の路面は予期できない滑りで頭から落下して死亡したり重症にいたる事故が続いたので路面の改善に力を入れ始めたということで、斉藤選手をはじめ、幾人かのライダーが身をもって危険箇所を教えてくれて、路面の改善を実現してくれたものと感じています。

 

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NSR50のロードレーサーが今回の議題。

GPmonoでレースをされているナオキさんの練習車ですが、ミニバイクは転倒も多いそうでダウンチャンバーだと、サイレンサーは路面に擦ってしまうため

サイレンサーをリヤカウルの中を通す、センター出しに改造するためチャンバーをアップタイプに変更してフレームの中を通すレイアウトに作り変えるというもの。

 

 

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チャンバーを作るとき、最初にやることは元になるチャンバーの寸法を測ってストレート図に書き直すことです。

写真の上側は元のチャンバー

下側はストレート図に基づいて作られた模型

円盤はパイプの内径を表し、軸芯の棒はパイプの長さを表します。

この模型を曲げて車体に取り回すレイアウトを検討します。

 

 

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このようにエンジンやフレームとの隙間を確認しながら形状を決めていきます。

同じものは二度と作りません。この車両だけのためのワンオフ製作です。

このあとアンダーカウルやキャブレターの燃料ホースなどに当たらないようにクネクネと複雑なカーブを描いて、狭いフレームの隙間にチャンバーが収まっていきます。

明日は模型の形状に合わせてパイプを成型していきます。

 

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成型されたパイプを接合しました。

模型のカーブに似ていますが、車体がアップチャンバーを想定して設計されていないために取り回しはミリ単位でフレームをかわすシビアなものになりました。

アンダーカウル装着のため、フレームギリギリに寄せないと、グラスファイバーのカウルを溶かしてしまうことになります。

明日はラジエターのマウントとセンター出しサイレンサーのフィッティングを行います。

 

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絶販車のKDX125ですが、時々チャンバー、サイレンサーの製作依頼があります。

車体がなくてはレイアウトが不明のためお断りしてきましたが、今回サイレンサーのみ治具製作してラインナップとしました。

チャンバーはカーブが複雑なので、相変わらず車体持込に限り対応させていただきます。

チャンバーはノーマルのスペックではなくKX125の諸元を用いて、形状をローボーイタイプにモディファイしてあります。

 

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サイレンサー本体はアルミ製、ステンレスパンチングを差し込んで組み立てます。

重量はノーマルが2.2kgに対して0.8kgという軽量さです。

エンドキャップはリベット止めなのでグラスウール交換できます。

価格は¥12000、受注生産で納期は要確認です。

 

 

 

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取り付け状態はこんな感じで、

現在バックオーダーで2ヶ月以上かかりますが、お時間に余裕のある方はメール等でお問い合わせください。

時々、質問を受けますので、2ストシングルエンジンのチャンバーをワンオフ製作する場合の費用について通常の解答内容を明記しておきます。

車体持込が前提になりますので、北海道や九州のお客さんから問い合わせられましても対応できかねますので、ご了承ください。

製作の前にチャンバーのスペックを提示いただくか、こちらで過去データーから適当なものをチョイスすることになります。試作テストは別途になりますので既存のスペックによる製作のみ対応します。

新規に製作の場合、型(展開図)を作らなければなりません。型代が¥10000、1本製作でも複数でも変わりません。仮に10本製作なら型代1本当たり¥1000ということになります。

チャンバー本体と型(展開図)

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チャンバースペック(寸法)はストレート図で表されているもので、それを車体に合わせて取り回して形状を決定します。

決定したパイプを開いて、展開図となるわけです。

これを罫書きの型として使用することによって同寸のパイプが製作できます。

チャンバー本体の製作費は型が出来ていればシングル1本で¥25000です。

排気量が違っていても工数はあまりかわりませんが、複雑なカーブが多いと¥10000程度割り増しにしていただくこともあります。

ラインナップ品は複数販売できますので、若干割安の機種もあります。

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取り付けるサイレンサーが無い場合はサイレンサーの製作も必要です。

最もシンプルなタイプで¥10000です。

チャンバーとの結合はフランジをボルト締めで排気をシールするタイプです。

エンドキャップはリベット止めなので分解してグラスウールを取り換え可能です。

 

 

 

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完成すると型代¥10000と品代¥35000でワンオフ製作できます。

材質はSPCC(鉄板)とサイレンサーはアルミを使用した金額です。ステンレスで同スペックで製作の場合は2倍程度かかります。

車体の預かり期間は1週間程度です。

 

 

 

 

 

20年経過した車種なので、新規にサイレンサーのラインナップに追加することを渋っておりました。

モトショップ鷹様の熱烈なオファーによりラインナップすることになりました。                             

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上がノーマル、下が今回ラインナップに加えたアルミサイレンサー。

重量はノーマルの2kgに対して、僅か630gという軽量で、重心から遠い車体後部の軽量化に貢献するでしょう。

ノーマルは非分解で生ガスが溜まったら抜けるようにブリザーパイプがついていますが

アルミサイレンサーはリベットをはずして、湿ったグラスウールを交換できるようになっています。価格は特価¥12000也

ですが、現在バックオーダーで2ヶ月分業務が溜まっておりますので3月以降でないと作れませんのでご了承ください。

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ラインナップするためには、ノーマルのサイレンサーが取り付くように治具製作しなければなりません。

この治具で位置決めしながら製作しますが

最初は車体に合わせて確認しておかないと

取り付け保証はできませんので、マフラー現品送付でワンオフ製作を希望される場合もありますが、治具製作も含めて了承していただく必要があります。

 

 

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鷹さんの車両ですが、取り付け確認できると安心できます。

チャンバーとセットでこの様な感じで出来ました。

2スト、旧車のマフラーも続々出てくるでしょう。

現行車は高性能ですが非常に高価格で不景気な今の経済状況だと一部の富裕層しか購入できません。それほどお金かけなくても、いじって楽しめる旧車が時代のニーズに合っているのでしょう。

 

 

YZ販売台数日本一のモトショップ鷹の店長マシン。

3XPの初期型ですが、あまり乗ってません。美車です

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チャンバーはラインナップ品です。サイレンサーも車体をお預かりしていたのでワンオフ製作しました。

お問い合わせはモトショップ鷹まで!(売ってくれるとは聞いてませんけど)

依頼されてくる車種は大半がオンロードモデルで今回もその一つ。

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フランスヤマハ製で新車で2ストローク車を生産していますが

法律で出力規制が掛かっているとやらで

もう少しパワーアップを希望しているのがお客さんの願いです。

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ノーマルのチャンバーからは正確なチャンバー諸元が分りません。

そこで過去の同一排気量のデータから適当なものを選んで

形状を車体に合わせて新作しています。

微妙な変更はテストを重ねないと無理ですが、ノーマルより強力な物にするには

レーサーの諸元を引用することで可能となります。

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サイレンサーについても、デチューンの対象ですから排気の抵抗を下げつつ消音効果のある物に作り変えます。

オールアルミでバフ仕上げは2ストモトクロッサーで性能実証済みのアイテムであります。

完成後、チョット公道で試乗してみましたが、美味しい2ストのパワーとサウンドで早くオーナーさんに乗っていただきたいと思いました。

IMG_0677.JPG今回の依頼にはオプションがありまして、coocaseというボックスつきリヤキャリアの取り付けです。

ボックスはワンタッチで脱着できてツーリングに買い物に役立ちそうです。

但し、この車両にはボックスを装着できるキャリアが装備されていないので新作する必要があったのです。

IMG_0679.JPGこれはボックスをはずした様子。

グラブレールのねじ穴を利用してボルトオンにしてあります。完璧な立て付けです。(自画自賛)

 

2010モデルYZ250F用のエキパイをラインナップに加えました。 IMG_0663.JPGチタニウム製のエキパイとサイレンサーを50mmショートにしてオリジナルリヤパイプに換装しました

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エキパイはノーマルと等長ですがレゾネーター付、実用回転域のコントロール性向上と音量の低減が目的です。

サイレンサーはノーマルで音量に余裕があるのでショート化して排気抵抗を減らす目的です。

チタニウム製のオリジナルリヤパイプは騒音と排圧の調整をしたもので

音量は5000rpmで92dB/AでありますのでMFJのレースでも使用可能です。

気になる価格は、

エキパイ ¥21000(税込み)

リヤパイプ (ノーマルサイレンサー組み換え工賃込み)¥15750(税込み)

大分のホンダウイングイワオ様から特注の製作依頼です。

10モデルCRF250Rのエキパイ製作ですが

ノーマルがステンレスと鉄のフランジに対してチタニウムとアルミフランジでリプレイスします。

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チタンパイプφ35とφ38.1の2種類を使います・

片方に蓋を溶接して砂を詰めます。

この砂詰めが不十分だとパイプが潰れたり、皺が入って不良品になってしまいます。

1台分のパイプ代が1万円くらいしますの無駄にすることはできません。

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量産のエキパイは100%機械曲げです。

パイプを潰さないように曲げるためにはR曲げ専用の機械が必要で非常に高額な投資になります。

我社は高額な投資はしません。なぜなら、お客さんの必要数は1本だけだからです。

1本だけ曲げるのでしたら、このように万力と炙りバーナーだけで充分です。

180°曲げですが熟練した手曲げ技術がないと高価な材料を何本も無駄にしてしまうでしょう。

これができないとマフラー屋とは呼べませんね。

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取り回しは車両がありませんので、このような治具を作って合わせます。

イワオさんからノーマルのエキパイと取り付け状態の画像を送っていただき、それを元に車体との位置関係がうまくいくようにゲージを作っておきました。

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曲げたパイプをつなぎ合わせてノーマル形状のエキパイが出来ました。

フランジはアルミ板をフライス加工で作ったものです。

ホンダのモトクロッサーはHRCのキットパーツが別売りされていますので純正部品はコストダウンの対象なのでしょう。

やっぱり他メーカー並みにチタニウムにしていただかないと私の仕事が増えてしまいます。

私がモトクロスを始めたきっかけは渡辺明という世界チャンピオンの存在を知ったことです。

78年チャンピオン獲得マシンと同じ仕様の市販モトクロッサーが79年式RM125です。

私が四国選手権ノービスにデビューしたのも同マシンですから、30年も経って再会し、しかもそのチャンバーを復刻することになろうとは想像していませんでした。

何はともあれ、懐かしのマシン

丹精こめて作らせていただきました。

もちろん依頼されたオーナーさんのためのワンオフ製作です。 IMG_0107.JPG IMG_0105.JPG

IMG_0300.JPG IMG_0149.JPG85ccモトクロッサー国産4メーカーとKTMに対応したチャンバーとサイレンサーを製作し、供給して参りましたが、現在のラインナップは以下のとおりです。

ホンダCR85 チャンバー サイレンサー 04以前、05~モデル

ヤマハYZ85 チャンバー サイレンサー 02~モデル

カワサキKX85 チャンバー サイレンサー 05~モデル

KTM85SX チャンバー サイレンサー 06~モデル

主なレース戦歴

CR85 04,05キッズスーパークロスチャンピオン

CR85、YZ85、KTM85SX 全日本レディースで優勝あり

価格4メーカー共通

チャンバー ¥18000 

サイレンサー(MFJ対応) ¥12000税込み 送料別途

全機種受注生産です。納期はお問い合わせください。

ヤマハDT200WR、通称3XPのチャンバーをラインナップしました。

以前から問い合わせの多い機種で、ベースになる車両が見つからず長年、注文をお断りしてきましたが、熱烈なDTマニアのお客さんが車両持ち込みに来られて実現できました。

最初はワンオフのつもりでしたが、(生産中止後10年以上経過しているため)

チャンバー復刻を熱望されるお客さんの期待に応えるためオーナーさんの許可を得て治具製作してラインナップできました。サイレンサーはありません

価格チャンバー(スチール)¥25000税込み

クロームめっきは+¥15000

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ホンダCRM250は88年に1型として発売開始されました。

94年には3型としてフルモデルチェンジを経て97年からARとして最終型となりました。同車種のチャンバー、サイレンサーのラインナップは3型(RR)とARの2タイプになります。

取り付け寸法が若干違いますので年式を指定していただければ製作可能です。1型と2型はワンオフ扱いになりますので、車体お持込みに限り対応させていただきます。

チャンバーのスペックは2000年CR250Rの寸法でCRMの車体に合わせて取り回ししました。

従いましてノーマルよりレーサーよりのエンジン特性となります。

表面処理はチャンバーがスチールの未塗装とクロームめっきのどちらか選択になります。

サイレンサーはオールアルミ、バフ仕上げが標準です。

価格

チャンバー(スチール)¥24000

クロームめっきは+¥15000

サイレンサー¥12000(税込み)IMG_0070.JPG IMG_0071.JPG

 

IMG_0272.JPG KDX125チャンバー 1.jpgお客さんがカスタム中のKDX125

今では生産中止で珍しくなった2スト125ですがまだまだ現役で走っております。

特注ワンオフのチャンバーは250クラスのような取り回しでローボーイ化しました。

(ノーマルの取り回しが非常に気にいらなかったので)

スペックは95年KX125をモディファイして製作です。

サイレンサーはオールアルミでオリジナルデザインにしました。

チャンバーの型はありますので、車両持込みに限り製作できます。

値段はチャンバー¥25000 サイレンサー¥12000(税込み)ということで

チャンバーは溶接が主な作業と思われがちだが、実はこのような部材の成形に製作時間の大半を費やす。紙の上に設計されたパイプはテーパー状で、複雑に曲がっているため、形状を思い通りに仕上げることに長年の経験が必要となる。写真のパーツは一台分でつないだ全長は1メートルほどになる。ここまでできれば8割完成したも同然。 溶接でつないだパイプの完成品。成形された寸法精度が上手くできていれば溶接は容易にできるが、誤差が多いとつなぎ目に段差が出来たり、カーブが狂ってきて不良になる。パイプの成形が完成品の良否を決定する。この後、治具に装着し、テールパイプやマウントステーを取りつけて完成するが、全工程で15時間費やすのに、溶接は2時間くらいの作業だろう。コンピューター制御の工作機械全盛の世の中だが、チャンバー製作は自動化が不可能な手工業の世界でしか実現しないのだ。
 スズキ B-KING チタンサイレンサー(特注品)二股のジョイントパイプとツインのサイレンサーにチタニウムを採用し、内部構造をストレート排気にした。ノーマルで160ps/9600rpm のエンジンに不満はないが、ストレスをさらに軽減した作りでモアパワーを目指した。特殊グラスウールを使用し、排気音は90dB/ 4800rpmなので車検も適合する。重量はジョイントパイプ、ツインサイレンサー合わせて3.2kgと軽量効果も大きい。価格応談(オーナーの特注品のため)