Monograph 14 「チャンバー製作」

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チャンバーは溶接が主な作業と思われがちだが、実はこのような部材の成形に製作時間の大半を費やす。紙の上に設計されたパイプはテーパー状で、複雑に曲がっているため、形状を思い通りに仕上げることに長年の経験が必要となる。写真のパーツは一台分でつないだ全長は1メートルほどになる。ここまでできれば8割完成したも同然。 溶接でつないだパイプの完成品。成形された寸法精度が上手くできていれば溶接は容易にできるが、誤差が多いとつなぎ目に段差が出来たり、カーブが狂ってきて不良になる。パイプの成形が完成品の良否を決定する。この後、治具に装着し、テールパイプやマウントステーを取りつけて完成するが、全工程で15時間費やすのに、溶接は2時間くらいの作業だろう。コンピューター制御の工作機械全盛の世の中だが、チャンバー製作は自動化が不可能な手工業の世界でしか実現しないのだ。

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