■ モトクロッサー

あと1週間で5月になりますが、決まっていた予定を変更して
昨日から取り掛かっている仕事に専念することにします。

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来月の5日にシェイクダウン予定の
TC250新車です。

フルエキゾースト作りますが、新規製作なので
集中してかからないと、納車に間に合わなかったら責任重大です。

最新の2ストモデルは、とても熟成された印象です。

2001年の250SXのチャンバーは作ったことありますが、同系統のエンジンです。
シリンダーヘッドは燃焼室容積を変えるため
交換できるドームとスキッシュ

排気バルブの開閉タイミングを変えられる遠心ガバナーのスプリング等
開発の停止した他メーカーの2ストモデルを凌駕するにふさわしいスペック。

サイレンサーを取り出すために外装を外してみると、意外なことにエアボックスとサブフレームが一体成形のモノコックプラスチックです。
金属パイプは全く使われていない構造はデジタル時代らしい作りです。

メインフレームもアルミフレームが主流のモトクロッサーに比較してクロモリ鋼管を使用したもので
クラス最軽量の車体を実現。
もはやアルミフレームはスチールフレームほど軽くない、というか製作側の都合でダイキャストや鍛造部材の方がコストダウンできるのが目的です。
扱い切れないハイパワーの2ストロークと4ストモデルより遥かに軽量な車体で、どのような走りができるか想像しても恐ろしいです。

先ずは5月5日、OFVで走行確認に向けて鋭意製作するのみです。

終わったら予定の仕事に戻ります。
そして7日にジャパンVET、14日にMCFAJ軽井沢MPと全部モトクロス漬けです。



今日の残業はコレです。
もうすぐ全日本MX開幕ですから、凹んだエキパイの修理も日程が決まっています。

日常的にやらない修理なので記録に残しておかないと

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2017CRF450のエキパイ社外品です。

早くも凹ませていますが
このまま使うことはできませんね。


直しましょう。









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修理後の状態です。

傷は残りましたが、性能は完全に回復しているでしょう。





修理方法はパイプの開口部(3か所)を塞いで、窒素で加圧します。(およそ10気圧)
直したい部分をアセチレンバーナーで炙って赤熱します。
凸部を板金ハンマーで叩いて均すようにして形を整えると丸く戻ってきます。

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密閉する治具が引っかかるように
ストッパーリングを溶接しておく必要があります。

また直すこともあるので、このまま付けておくとよいでしょう。










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修理作業は3分ほどで終わりですが

蓋を3か所作らなければできませんので
一日掛かりになってしまいました。

修理代ようけもらわんと合いませんね。










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180度曲げのパイプの凹みを直した場合
カーブが10mmほど広がってしまうことがあるのですが
そのときは曲げ戻せば、取り付けに問題ないですが

今回のは1mm以内の歪みだったので
このまま修正なしで取り付くでしょう。

2輪車はエンジンだけでなく回転部分の多い乗り物です。
特に前後の車輪は最も大きな回転部分なので、車輪のメンテナンスを怠っているとマシンの性能も落ちるはずです。
高速道路でバランスの狂ったホイールで走らせると乗れたもんじゃないですよね。
オフロードだから、地面が凸凹なんでわかりゃしねえよ。という考えは浅はかです。
エンジンのクランクシャフトとホイールは駆動系で連結されているので、振れていることが
直接、加速や伸びに影響しているはずです。

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ノーマルのリムで1年も乗っていれば
リムが変形して真円でなくなります。
当然バランスが狂ってきますので
高回転回すほど振動になって回りが悪くなりますので
走りをよくするためには、狂ってないリムに交換してバランスをとる必要があります。

そこで、このDID強リム。
HRCのワークスマシンにも採用されている
ノーマルより高強度のリムです。

新品時にバランスがとれていても、走行中に変形してしまっては性能を維持できません。

なるべく良好な状態を保つために定期的に点検し、振れ取りが出来なくなったらリム交換が望ましいです。

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ハブは柳河精機
スポークは月星製作所(ムーンスター)

本田の純正部品は信頼性の高い超一流の部品メーカーが担当しています。
本田が要求する品質(数量)に応えられる
メーカーの存在がオートバイの生産に不可欠なものです。

1年以上も使ったホイールは泥水がニップルのネジに浸透してネジ山の摩擦抵抗を上げると同時に
アルミニップルとスポークの材質はSWP(ピアノ線)なので電位差からネジ山が腐食してニップルのトルクが上がってしまうか
悪化すると緩まなくなるので、切断するしか分解の方法がなくなります。
これはネジが腐食し始めていたので浸透潤滑剤をつけながら慎重にニップルを回す必要がありました。
ネジが生きていれば再使用するので、全部洗浄して汚れを落としておきます。

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リヤホイールはインナーとアウターでスポーク長が異なります。
フロントより幅広のハブなのでスポークの交差する部分をクリアするためにインナーを内側にオフセットさせた分、距離が遠くなるので長い方がインナースポークとなります。

あとはスポークの曲げ角度とハブとリムのタコ穴の向きが合うように加工されているので
間違った組み付けは不可能な設計になっています。





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専用の触れ取り台は持っていませんが
アクスルシャフトをバイスに固定して
ダイヤルゲージをリムの外周に当てて
振れ取りをしています。

最初はニップルの締め付けトルクを
緩めで均一になるように組立て
縦振れを無くすように締め込んで調整します。
縦振れが取れたら横触れを調節して
最後に全部のスポークの張力を確認して組立て完了となります。




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前後ホイール組み上がりました。

DID強リムの赤は一番人気なので
いつも品薄(というか受注生産)らしいです。

ウーム、また速くなっちゃうなー










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先週末は近所のCB専門店ジェイズさんと居酒屋で会合しました。

ツクバサーキットでZ勢に勝つことが目標だそうで、2バルブのZに4バルブのCBが勝てないことに納得がいかず、日々改良をする状況を伺い面白かったです。

4バルブなんで馬力は出しやすいそうなんです。但し加速は悪くなるので
ストレートの短いツクバでは加速のいいZの方が有利だということです。
私にも解決方法はわからないですが、成功した暁にはツクバサーキットに応援に行きたいと思いました。

実はお話しの大半はM繁さんが普段から取り入れているモトクロストレーニングについての内容で
ロードレースのライダーの多くはオフロード走行の経験が少なく、環境変化に伴うマシンコントロールができていないことが弱点で、頻繁に挙動変化するオフロード走行に対応できれば、オンロードにおける限界が上がると話されていました。
チューンアップとライディングテクニックという壮大なテーマに取り組んでおられる、お侍さんがおられました。



先日ウインズ・アサノでリクルス装着後、初試走してみたのですが
コースアトして大転倒したり、タイトコーナーで2回もエンストして、「これではメリットないじゃん!」
という思いと「俺の腕が悪いだけだ」という考えから
もう一度、リクルス性能確認を兼ねてしどきへ練習に行ってきました。



0:34あたりから左手の操作に注目してください。
クラッチ切らないでコーナリングが可能になっています。
動画ではわかりにくいですが、路面は固いところに砂が乗っかっていて
コーナーの中は固いレールで走りずらいコンディションです。

コーナー中もリヤブレーキでスピード調節していますが、全くエンストしないで
立ち上がり加速も程よく半クラッチが効いていて
運転技術をアシストしてくれていることがわかりました。


どういうシチュエーションでエンストするかというと
アクセル戻して進入するタイトコーナーで、スピード調節のために
リヤブレーキを踏んでいたり、エンジン回転が極低速になったときラフなアクセルワークをしてしまったり
したときに偶発的に起こります。
リクルスを正常に調整してあれば、アイドリングでギヤが入っているときでもリヤブレーキを踏んで
エンジンストップしないのです。
転倒して起こすときもクラッチ操作を気にしないで再スタートができるというメリットで
私のように股下が70cmしかなくてもキック始動する必要が無くなりますから
よりタイトコーナーの運転に神経を使わないで済むことになるはずです。


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今日のリクルス装着車

2013年型CRF450R
新車乗り換えないで
パーツ交換で改良していく予定です。











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3年ぶりにキャブレター仕様の
CRF250Rも動かしてみました。


サスのストローク詰めとシート加工で
5cm低く改造しています。
シリンダーヘッドはTフクジレーシングさんとこで貰った新品に交換したばかり(3年前に)なので
快調に走ります。
FCRのホットスターターは欠陥で
2次エアー吸ってしまうので塞いであります。
おかげでキック1発始動です。
身長低いライダーが経験すること、転倒してマシン起こすときにエンジンを止めてしまいます。
クラッチレバー握って起こせばよいではないかと思われますが、足場の悪いマディーなどの場合
倒れたマシンを起こすことが先決で、どうしても両手グリップを握ったまま起こすことができないのです。

今年のレースではエンストで多くのポイントを失いました。簡単にエンジンが掛けられればタイムロスは少ないですが、私の場合足が付かないのでキックの踏み下ろしが不十分でなかなかエンジン掛かりません。キック3回なら早い方一周遅れでようやく掛かることも、
なのでエンスト厳禁のライディングスタイルでタイトコーナーは特にクラッチを使ってアクセルを戻しすぎないように慎重になってしまいます。
ゆっくり回るタイムロスよりエンストのロスの方が時間も体力も大幅に失いますからね。
これを機械の性能で解消できればどんなに快適なモトクロスになるでしょう。

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今更ですが、これにご厄介になろうと思います。
高精度なビレットパーツの組み合わせです。
通常の湿式多板クラッチに独自の自動クラッチが合わさった構造で
2種類のレートの違うスプリングを選択して自動クラッチの設定を変更できます。
センターのプレッシャープレートアジャスターの調整で自動クラッチ(EXP)の接続タイミングを変更します。

この調整によってエンジン低回転時はギヤが入っていても動力は伝わりません。
アクセルをチョイ開けするだけでカブのように発進します。
エンジン回転が一定以上になれば通常のクラッチ操作になりますので、上述のエンストする状態での問題が解消できるはずです。

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早速装着して動作確認です。

マニュアルに従ってPPアジャスターを調整したら
エンジン掛けてギヤを入れるとクラッチが引きずった状態で停車しているとエンストしてしまいました。

マニュアル無視してアジャスターの締め込みを半回転くらい多く調整しましたら
アイドリングで完全にクラッチが切れた状態になりました。
チョイ開けでスムーズに発信していきますので、これならエンスト知らずのマシンになりそうです。

新型のセルスターターも魅力ですが、走行中には必要のない重量増ですから
スタートするときは踏み台使うので始動に問題ありません。
こっちのメリットに賭けたいと思います。



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XTRIGのクランプも導入してみます。

ステダンのステーが折れてしまったのを
自作ステーで対策したやつです。

これはオフセットを22mmに変更する目的のパーツですが、その性能は確認済みなので今度ライドするのが楽しみです。

手前のカラーは標準ハンドル(φ22)を装着するためのスペーサーです。
ファットバーは好きでないのでね。


 ホウこれは、ホンダの新型モトクロッサーじゃねー。

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エンジンも吸排気系も、

外装も前後サスも、

フレームも全部違う。

こんなことしよったら

モトクロッサーの値段は上がる一方じゃ。

肝心の性能はどうなんじゃろう。

とりあえずシートが高こうて足が付かんけん

乗れませんわい。


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ヨンゴーはクラッチが重いけん

よくエンストするんよ。

ほんでマグラの油圧クラッチに取り替えたら

手が疲れんようになるっちゅうわけよ。

2017年型マグラを世界で最初に付けました。

それだけです。

ホンダモーターレク契約ライダー(80年代)浅野正幸さんのMXコースへ初めて乗りにいきました。
評判通り完璧なコース整備された路面でした。
土質は平らな菅生という感じでアクセル開けられるのが人気の秘密だと思います。
設備も関東のコースではトップクラスで水は井戸を掘って地下水を使っていますが
飲めるほどきれいな水で縞鋼板を敷いた洗車場は申し分ありません。(500円洗い放題)

埼玉は土日雨が降り続いていたのに、あそこはベストコンディションでした。

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ピンぼけでスミマセン

あれ?いつもと違うゼッケンです。

伊田さんのマシン試乗中ですが
スペシャルサスと24mmオフセットのステアリングを試さしていただきました。

私のはノーマルのエアサスと22mmオフセットですが、全然違う性能に驚きました。

ノーマルエアサスはギャップの通過時が固くて立ち上がり加速でチャタリングが激しくて力で抑え込む必要がありましたが
スペシャルサスと24mmはチャタが全くでません。真っすぐ走っていくので体力の消耗が少ないのです。
ああーこれならレース後半までタレずに走り続けることができますね。
サスは幾らで作ってもらえるか相談します。
ステアリングはハンドワークで作れそうだから、お金を節約してフライス加工します。(買うと上下クランプ7万円くらいだそうです。)

フロントフォークはショーワのSFF(片側ダンパーとエア)なんですが
普段やってないので空気圧の調整を教わりました。
適性値はブリッツ・シュネルさんに合わせてもらったものですが
正確に調整するために自転車用FOXのデジタル・ポンプを仕入れて行いました。
そこで圧力の単位は何だ?ということになりkg/cm2かpsiかはたまたbarかという議論になり
このデジタル・ポンプは単位の換算を手元で瞬時に切り替え表示されるので
エアサスにはpsi(ポンドF・パー・スクエアインチ)で統一すると意思統一しました。

psiはポンド・ヤード法で非SI単位で1kg/cm2=14.2psi

barも非SI単位でギリシャ語の重さという意味のbarosが語源で1kg/cm2=0.98barですから
大体同じグラム・メートル法で使えます。

因みに気象における気圧の単位は1mbar=100paすなわち1hpa(ヘクトパスカル)
1bar=10の5乗pa ヘクトは100倍の意味

普段使わないので慣れた単位で換算しておくと分かりやすいです。
私の場合はトルクも圧力もメートル法でないと分かりません。


正直な話少し迷っています。
マフラー作りやエンジン整備なら職業柄、当然やるべきことと思っていますし、
モータースポーツは人力だけでなくマシン性能も競うものだと思っています。

そこでノーマル以外のいい物を付けて得た結果は自分の能力によるものではない
という考えと(自分で施したチューンアップは能力のうち)
一度いい物を味わってしまうと、それに劣るものは使いたくなくなるという考え

今のレースする目的は何か、ということを考えたらどうみても不利な条件、
体格や年齢からくる体力面を克服して結果を出すことですね。
順位が目標なのではなくで、「オレがやったらこれくらい」という実績がほしいのです。
だからレースやらなかったら何もわからないですからね。

もう少しマシンと向き合い、先輩のアドバイスもいただきながら精進したいと思います。
先日サスペンションのブリッツ・Sさんとこへ納品にいったとき
オーナーの中村ホールディングスさんが所有のハーレーダビッドソンFLH1800からインジェクターが外され、インジェクターの洗浄に出す話をしていたので
「私のもやってもらえませんか」と頼みましたら快諾してもらえたので、早速インジェクター外しました。

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4輪ではポピュラーなチューニング方法らしいですが
2輪も吸気系の構造は同様になっているので当然やるべきことだと前々から思っていましたが、なかなか機会がなく放置しておりました。

キャブレターでいうとメインジェットとニードルジェットのような役割のインジェクターですが
精密な部品なので僅かな消耗や汚れで性能が変わってしまうでしょう。

症状としてはインジェクター内のフィルターやノズルが詰まってパワーダウンします。
エアクリーナーに設置されたエアフローメーターで吸入空気量を計測しECUで瞬時に計算された燃料を適切な空燃比で噴射するという離れ技を行っているわけですが、電気的な信号を信頼するならインジェクターは動的な機械部品なので信頼性を保つことがエンジンの性能を発揮するために必要だと考えます。


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これがCRF450のインジェクターです。

フューエルポンプで一定の燃圧がかけられた状態で
インジェクター内のコイルに通電されると
ソレノイドが動いてプランジャーを開いて
燃料を噴射するというしくみです。

したがってプランジャーの開放時間が燃料の噴射量を決定するということなので
今回はその通路を洗浄して
設計通りの流量がえられるようにするという目的です。

施工業者さんから実施前後のデーターもメール送信されますので効果が可視化できます。データーは燃圧2.5ber時の噴射中画像と1分間の消費量で比較したものになるそうです。
燃料消費量が増えることで、元の状態よりスムーズな流れが得られたと考えられるわけですが
パワーアップと同時に燃費が悪くなるとお考えの方は誤りです。
例えば常用回転域でエンジンパワーが低いと余計にアクセル開けて回転数を増そうとしますから
これが燃費の悪化につながります。低速から十分にトルクが出せれば加速もよくなるので
結果的にアクセル開けなくてもよく走るということになるでしょう。

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インジェクター内部は壊さないと見れませんのでノズルの部分だけ観察しますと
このような穴が開いています。

ステンレスの板におそらくレーザー加工された精密な穴は
この機種ではφ5のノズル径に対して、推定φ0・2mmの穴が12個開いています。

この穴径と数が燃料の微細化と流量を決定していることから
吸入空気と吸気ポート内で混ざり合い燃焼室へ取り込まれる工程の要の部分であると言えます。

2014年に一年落ちのCRF450を新古状態で購入し、2015年は骨折などで半年くらいしか乗っておりませんが、3年落ちの実質1年使用くらいです。
全然不具合ないのでエンジンのメンテナンスもやっていませんが、レース前なので何もやらないで走るのもマズイなと思い、バルブクリアランスを測りました。

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2年ほどノーメンテだったので、バルブ周り摩耗しているだろうと思ったら
4本ともクリアランス規定値内で
本来バルブフェースが摩耗したらクリアランス減る方向なのに、規定値の上限に近いというのはどういうことか。

バルブシートにカーボンが堆積してくると逆にバルブステムが下がる現象が起きることがあるので、
今度燃焼室周りのカーボン除去することにします。




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スロットルボディー

2輪はキャブレターで十分と思っていたのは5年前。
これを手に入れてしまうとキャブ車はもう必要ないと思えます。
実際、一部のミニバイクを除いて生産されていませんが
何が違うかというとセッティングの可能性が無限大に広がるのです。

スロットル開度毎、エンジン回転毎の点火時期と燃料噴射量が任意に設定できるのですから

サスペンションに例えると減衰調整なしのショックと圧側伸び側減衰力調整付きショックのどちらを選ぶかといえば、断然後者でしょう。
たまに「オレは調整はしないから安い方がいいよ」という人もいますが、先端の技術は受け入れた方が賢明です。
なにしろ性能が違うのですから、
乗り手にとってはキャブ車だろうがFIだろうが、どうでもいいことで要は性能がいい方に乗りたいと思うはずです。
それにメーカーが応えてくれているのです。

もちろん性能本位でなく、排ガスのコントロールを可能にするための技術でもあります。
空燃比の調整は理論空燃比14.7:1を基準にリッチ(濃厚)やリーン(希薄)に設定するわけですが
冷感時に燃料の霧化が悪くリーンになるため不完全燃焼が起こる。
すると吸入空気中の窒素が反応してNOxを生成する。
逆に高負荷時に燃調をリッチにするとCOとHCが生成する。
これらの有害な排出ガスを完全燃焼できるように運転条件にあわせたマッピングで(3次元データ)解決できるわけです。
そこで排ガスのコントロールは同時にパワーフィーリングも変更できることになります。
キャブレター時代は点火時期の変更はステータベースを動かすことで行っていましたが、これでは全体がずれてしまうのでFIのようなアクセル開度別、エンジン回転別の変更などは不可能でした。

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フューエルインジェクター

φ5くらいのノズルに12個の微小な穴が開いており、燃料を霧状にして飛ばします。
スロットルボディーのバルブ直後、最大流速になる場所に噴射しますので空気と混合されて燃焼室に届きます。

燃圧はフューエルポンプで加圧されており
インジェクター内のソレノイドバルブ(電磁弁)が開閉し
エンジンのサイクルに同調して噴射する機構です。
高性能だけど意外と安くて、インジェクター単品で8700円です。
最近はチューニングカーの技術で、これを交換する方法もあるらしいです。(オレにはノーマルで十分だ)

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レギュレータ、レクチファイヤーとコンデンサー

ECU(コントロールユニット)
点火や燃料噴射を作動される頭脳のようなもの、これ一個で全ての電装部品をコントロールしています。37700円

キャブ仕様のレーサーには見慣れないレギュレータですが、コンピューターや各部センサーなど一定電圧の電源を作り出すために必要な装備です。

コンデンサーは強力な点火を生み出すためIGコイルへ接続されています。
バッテリーレスなので点火で電力を消耗してコンピュータの誤作動を防ぐための蓄電の役目だと思います。

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今回電装部品を取り外したわけは
ワイヤーハーネスの清掃のためです。

これには13個のカプラーが付いていますが
(2スト時代はカプラー1個くらいだったような)
カプラーには泥水が侵入します。
泥水が乾くと泥になります。
これを繰り返していくうちにカプラーがきつくなって外しにくくなったり、接点の腐食の原因になります。
なので時々外してカプラーを清掃しておくとよいのです。
高回転回すヒトやジャンプをたくさん飛ぶヒトにたまに起こるハーネスの断線がありますが
エンジンが止まってかからなくなります。
修理不能な部分なので、ワイヤーハーネスASSY交換するしかないですが
普段から脱着しておくと交換時の手順がスムーズに行えるでしょう。
ワイヤーハーネス12800円。いざという時にスペアを持っておきたい部分です。



2輪で三つのタイトル(全日本MX125チャンピオン・DHワールドカップ50オーバー世界チャンピオン・ワールドベテランズMX55オーバー世界チャンピオン)を持つ男、伊田さんから電話でお誘いがありました。「スペアホイールは、もう組んだんですか?」
先月、納品で伊田さんのお店へ行ったときにDIDの強リムでスペアホイールを作る計画を話していたのを覚えてくださって、在庫のホイールを譲ってくださるということでした。

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伊田さんがサポートをうけているテクニクスで発売しているTGRレーシングホイールです。

モトクロス用のホイールは賞味期限が1年くらいだと思います。
今までの経験ではリムが歪んで、真円で無くなってしまうので、振れ取りができなくなります。
オートバイの回転部分はエンジンだけではありません。ホイールバランスが狂っていると高速回転では振動になってしまい、動力性能やハンドリングに悪影響を及ぼすものです。
そこで耐久部品であるホイールをスペアと交互に使うことによって良いコンディションを保つことがスペアホイールの目的の一つで、他にも急な天候不良に備えてマディー用のタイヤを履かせておくという目的もあります。
このホイールの長所としては
1)リムの強度が高い DID強リム採用
     
2)ハブの材質が硬い ノーマルが鋳造品に対して鍛造材料をCNC加工したもの

3)スポーク数が4本多い  スポーク張力が同等なら本数が多い方がリムのたわみが減少

4)ダブルバッテットスポーク 強度が必要な端の部分が太く、中間は細くし、重量軽減

5)スプラインニップル 通常の四角断面でなくスプライン形状なのでニップルを舐めにくい

6)カラーアルマイト 芸術性の高いカラーで存在感アップ

このようにメリットが多いレーシングホイールですが、デメリットもあります。
一つは重量アップ
  強度が上がっているので当然ですが
ホイール単体で、サイドカラー、ビードストッパー込みの重量比較です。
 
FR ノーマル 3.0kg    Rr ノーマル 4.0kg
   TGR   3.4kg       TGR   4.6kg

リアホイールの600g増がどれほどの影響か、ホイールの剛性の方が体感できると思います。

もう一つは値段

 前後セットで希望価格 117720円
    フロント単品     64800円
     リア単品      70200円
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ちょっと高級なホイールではありませんか。

ノーマルハブでスペアホイール組み立てればいいと思っていたのですが

伊田さんのお誘いでは
ビードストッパー、新品タイヤ付きで
前後ホイールセットが
〇万円というサービス価格だったので
これをお断りする理由が無かったということで即決しました。




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早速、練習タイヤに履き替えました。

全日本OFV大会の翌週が私のレースですから、こいつで来週練習に行って来ようと思います。

チャンピオンもお誘いしてあるので質の高い練習を期待しております。

全日本MXのパドックともなれば、他メーカーのメカニック同士で毒舌を交えることになります。

スズキがモトクロッサーの性能で優位に立っていた時代に実際にあったことです。

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「ホンダさんはキックは
アルミなんですねー。」 (笑い)

スズキのメカニックは薄ら笑いでこう述べたそうです。

スズキのキックは鉄でしたが、スイングアームがアルミだったのです。

どっちの戦闘能力が上だったか、または自分で買うならどっちが良いか、
人それぞれかもしれませんが
担当者としては自社のマシンが上だと言っておきたかったのでしょう。


最近のメーカー同士はどんなことを言い合っているか聞いてみたいですね。

RC500と430はタンク形状が違うので、ロアハーフも違うのです。
違う機種のアッパーハーフとロアハーフを合体させるには、どうするかが今の課題です。
昨年夏、450で初めて練習したとき思ったことは
パワーがあることより、クラッチが重くて250より腕上がりが早いことです。
大体10分過ぎに握力が無くなって、ペースダウンしないと危険なことになると感じたのです。
そこでクラッチの荷重軽減に着手することにしました。
当該車種は13モデルなので、14から改良されたクラッチスプリングに交換して、クラッチワイヤーにスペシャル潤滑剤を浸透させ、まあまあ我慢できるレベルまで軽減していました。
そして昨日、さらに強力なアイテムを入手しました。

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先ずはノーマルのジャダースプリングを外した方がクラッチの切れがよいということで
クラッチプレートを外してみました。

そもそも低速でクラッチの切れが悪いときにエンストの発生する頻度が増えるので
是非やっておきたいと思ったのですが
やってありました。

浅野さん(ウインズ)とこの中古車だったので新車のうちから変えてあったのですね。

ジャダースプリングはクラッチダンパーやハブダンパーのようにミッション衝撃破壊を防ぐための機構ですが、オフロードではタイヤのグリップが低いので問題ないレベルでしょう。
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MAGURAの油圧クラッチです。
伊田さんが使った中古品ですが格安にて譲っていただきました。
伊田さんはMTBの関係で直接取引されているそうなのでアフターサービスも安心です。

しかし付いているのはショートレバーです。
これでは私の乗り方にちょっと合わないのでレバー長くしたいです。

ハンドルグリップの握り方について考えたことはあるでしょうか?
私は短めのハンドルを使って、グリップエンドを握ります。
子指側に力をいれて、人指し指と中指のツーフィンガーでレバー操作をします。
その理由は、剣道経験者なら分かりますよね。
柄尻の辺りを握って小指側から閉めていきます。竹刀は長い方が有利ですが、重くなるんです。
そこで短い竹刀の方が扱えるので、少しでも長さを稼ぐために柄尻を左手で持つのがセオリーです。
繊細なコントロールが必要な右手は添える程度、ゴルフクラブの握り方も同じ考えですね。
オートバイのハンドルは左手で舵取り、右手はアクセルワークに専念することを「片山敬済のロードレース」に書いてありました。
そして小指や薬指より人指し指の方が器用に動きますね。だから小指側(外側)に力を入れて握り、微妙なコントロールは内側のツーフィンガーで操作するということが理想です。
グリップ内側を強く握ってハンドルが振られている人は騙されたつもりで外側を握ってみてください。
ハンドルの押さえが楽になることが体感できるはずです。
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レバーの長さをピボット軸芯からエンドボール中心で比較しますと

MAGURAが124mm
CRF450ノーマルが140mm
旧型CRノーマルが157mm

なのでMAGURAを延長して150mmのレバーに改造してみます。

実は標準レバーは取り寄せ中なので、それまでのスペアパーツというわけです。


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オイルホースのヒートガードを忘れずに装着します。
エアホースを裂いて被せてあるだけです。

エキパイ内側を取り回すので接触させるとたちまち液漏れで使用不能になるということです。






これでよし。

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あっという間に取り付きましたが、握った感じは250と同等か、それ以下かもしれません。

伊田さんとは85年からの知り合いですがトップライダーだったのに
今だに私のモトクロスに協力して下さって有り難いと思います。
体感した「いいもの」を惜しみなくフィードバックしてくださることが、年をとっても向上心を持って継続できる源のように思います。

来週の水曜日に父親の四十九日法要のため、片道850キロ走って帰らねばなりません。
自走で帰る理由は、車両の運搬と納品を兼ねているからであります。

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こんなパイプを作っていますが、1本あたり3日掛かりますので土日休まずにやってもあと2本ちょっとしかできませんが
車両の返却がマスト要件なので月曜夜が積み込み期限で進行しています。

全長長いので通常のチャンバーより溶接が50%多いです。







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ビンテージチャンバーなのでガス溶接で繋いでみました。

車体は返却するので、治具で合わせたものと同等性を確認しているところです。

口元からテールパイプまで長いので僅かに傾いても位置が違ってしまうので、位置決めに相当な時間を割いています。

このような大きな商品は複数梱包すると荷物サイズの関係で、宅配便では送ってもらえません。
梱包も厳重に行わないと、運送中にダメージを受けることになるので、長距離ですが自走で運んだ方が安心ということです。

91年はホンダオブUKを立ち上げるためにイギリスに長期滞在しておりました。
土日は会社が休みなのでレース観戦に出かけるのですが、JULY 7th 開催の世界GPモトクロス500ccクラスは、ある意味で忘れられない日となりました。
それはレース当日の夕方5時の飛行機でベルギー出張の予定だったからです。
移動は出張者全員にカンパニーカーを貸与されていて自分で運転するのですが
会場のホークストーン・パークまで滞在先のファーリンドン村から2時間の距離です。
滞在はホテルを出て駐在員の社宅に居候していて、そこからヒースロー空港までは1時間の距離です。
F1レーサーのアイルトン・セナがスピード違反でつかまってニュースになったM40(モーターウェイ)を走ります。
この移動時間から、飛行機に間に合うためにはファーリンドンの社宅を3時出発がリミットでした。
従って早朝、ホークストーン・パークへ向かって午前中、500ccの公式練習と前座の250ccクラスのレースを観戦しました。
250のレースは当時AMAチャンピオンだったJM・バイルも出走していましたが、地元のカッコ悪いオッサンが速くて勝てないくらいレベルの高いものでした。
イギリスのコースはここに限らず、自然の地形を利用したものが多く、ハイスピードでテクニカルなものです。
日本に見られる狭い土地を平らにしてジャンプを造成したようなコースではスピードのレベルが違うことが分かります。
しかも長距離移動しなくても多くのサーキットが存在するし、ドーバー海峡を渡ればすぐフランスという立地の良さですから優秀なレーサーが育つのも当たり前かもしれません。
結局500ccのレースはスタートだけ観て、急いで帰りましたので決勝レースは観てなかったのでした。


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ホークストーンの売店で買ったTシャツ

KX500に乗るUFOのジャージは英国人ライダー、ポール・マリーンがモデルです。

この年はジョルジュ・ジョベがCR500の市販車で500ccタイトルを取りました。
ジョベやJ・マルテンス、B・ライルズなど本物のGPライダーの走りを目の前で観れたことに感動です。





ヒースロー空港に着いたのは搭乗時間30分前でしたが、同じ会議に出席するパーチャスセクション(購買部)のリック・スミスと偶然合流できたのでチェックインもやってもらってスムーズに飛行機に乗れました。
ベルギー・ブリュッセル空港には栃木からチーフエンジニアと現地法人の日本人が合流してホテルへ向かいました。
翌翌日はドイツ・ハノーバーで別のメーカーで会議。ドイツとイギリスは時差が1時間ありますので帰りの便は夕方5時にハノーバー発、5時ヒースロー着という不思議な体験でした。飛行は1時間でしたが地球の自転に逆行しているからなのですね。
ハノーバーの売店でスミスさんに「友人のコバヤシにドイツのエロチカルマガジンをお土産に買ってやりたい」と告げて本屋で物色していると、スミスさんが「そんなのイギリスにも売っている」と言うので
「いやいやドイツでしか売ってないのを探しているんだ」という意味の英語で伝えました。
法律でイギリスでは、男女の絡みは掲載禁止になっていますがドイツではOKなので、それを探していたのです。
ヒースロー空港に着いたらロングタームの駐車場に停めた社用車のバラードに乗り込もうとしたら、スミスさんが「ワイフに乗せてきてもらったから乗せて帰って欲しい」と英語で言うので乗せてあげました。
威勢よく走りだして、ヒール・アンド・トーでアクセルを吹かしながらクラッチミートさせていると
スミスさんが興味深く私のアクセルワークを見て「ヒール・アンド・トー!」と発声してました。

後日、国内のメーカーに出張するとき、今度はスミスさんのドライビングで乗せてもらって驚きました。
まるでラリードライバーのようなドライビングテクニックでタイヤをスライドさせながらブラインドのワインディング道路をカッ飛ばしていくのでビビリました。
モータースポーツの国ですから一般ドライバーが既に速くて上手いのです。
日本のように信号と一時停止で交通を遮断している国とはスピードに対する経験が違うようです。








預かり期限付きのYZ250のサイレンサーを作りました。
チャンバーも作る予定ですが、鉄板の在庫が無くなって取り寄せ中なので
アルミサイレンサーから先に取り掛かることにしました。
ラインナップ品ではありませんので、注文されても車体合わせなしでは作れません。
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構成部品をひとつずつ、加工していきます。

ステンレスパンチング以外はアルミ製です。











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車体に取り付けながら、サイレンサーの位置、マウントステーの寸法などを決めていきます。

図面指示はありませんので、目測で最適な位置を検討して決めています。
ようするにフリーハンドですから
2度と同じ物は出来ません。






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バフ研磨して、グラスウール詰めて組み立て完了です。
エンドキャップは通常リベット止めですが
お客さんの要望でM5ビス止めにしてあります。











明日からチャンバー製作に掛かりますので3日ほどお待ちいただきます。
実は06年アルミフレームにモデルチェンジされてからYZ250チャンバーは作っておりませんので
今回が新作になります。

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パイプは繋ぎ終えましたが
鉄フレームに比べてアルミフレームは厚みが違いますのでスペース的に狭いです。

元々コンパクトな取り回しを求めて、エンジン、フレームにギリギリの隙間で作ろうとするものですが
本当にギリギリで数ミリで交わしている部分があります。
パイプ本体は割りとスンナリ取り外しできましたが、テールパイプを溶接した途端、フレームを通過できなくなりました。
知恵の輪のようにひねりながら押し込む感じで、やっと取り付いた状態です。

マウントステーはこれから付けますがその前に、特別な追加工をする予定があります。

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これが追加工のパーツです。

エキパイより板厚分大きいパイプを作って
半分に切って使います。










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ツインウォール加工です。

250チャンバーは左右の張り出しがあり、転倒するとチャンバーが凹むだけでなく
最も外径の小さいエキパイ部分が曲がってしまいます。
この部分のパイプ強度を上げてダメージを抑えようという目的です。

これは試験研究の一環なので、お客さんの了解を得て追加料金無しでやらせていただきました。
加工時間と工数がどれくらい必要なのか確認する目的なので、通常品には行っていません。

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マウントステーも取り付け完了しました。

これで全工程終了です。

鉄フレーム時代、90年代と2001年ころにA級250で2人のライダーに装着していただきポイント獲得できたチャンバーと同スペックで作ってあります。
一桁入賞はワークスライダーなので、プライベートで15位以内入れば上々の結果だと思います。



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クネクネと複雑なカーブを描いてフレームに押し込んであります。

90年代からマスの集中化ということでタンク位置が下げられ、チャンバー位置がエンジンを囲むようにレイアウトされた、通称ローボーイが4メーカーで主流になりましたが、左右の張り出しと地面との近さから、コンパクトにレイアウトすることが命題となってしまったので、大変苦心したデザインであります。


81年の夏、人生の選択を迫られた時期に浜松のスズキ本社を訪れました。
定期採用の入社試験を受けるためです。そのあとに渋谷区神宮前のホンダ本社にも試験を受けに行きましたが、会社比較して両方内定をいただいたなら大半の人は私と同じ道を選択したでしょう。
内心は非常に悩みました。学生時代にモトクロスにのめり込み、スズキの技術革新に大変な興味をもって、できることならRMシリーズの開発に関わってみたいという思いもあったからです。
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タミヤ1/8スケール82年型RM250です。

当時はこれが一番速いモトクロッサーだと信じていました。
フルフローター2年目、スズキの250ccとしては初の水冷エンジン。
最初からラジエター位置がタンク下の両側に振り分けられたスタイルは現行車においてもスタンダードとなりました。

81年型125はダウンチューブ前のシングルラジエターだったので泥はねとタイヤクリアランスの点で問題があったのです。

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モトクロス黄金時代から画像拝借しました。

81年だけフルフローターで空冷エンジンの250ccが販売されました。

フルフローターの技術説明が理に適っていて、リヤサスペンションの新時代を予感させる画期的な構造は、ヤマハモノクロスを凌ぐものだったと思います。





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私が最初にMFJのレースに参戦した125モトクロッサーです。
画像は79年型ですが、翌年、リヤフェンダーが丸みのある形に変更された80年型だったことが判りました。
高専3年生のときに先輩から買った1年落ち中古車でしたが、自分にとっては1年落ちが新型ということで、貧乏学生の宝となりましたが、学業以外の時間は全てアルバイトに費やした覚えがあります。




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ホンダ在籍中に買ったRM125は90年型でした。
社内クラブ、狭山レーシングは88年に退部していたので、どのメーカーに乗ろうと自由になりました。
当時、フラッシュサーフェイスと呼ばれた
サイドカバーとリヤフェンダーが1連のデザインとなったプラスチックパーツも現在では当たり前ですが、このモデルが最初だったのです。



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そして、ホンダ退職後に買ったRMは92年型でした。

MFJのレースを走る現役最後のマシンがこれだったわけです。
仕事1週間休んで熊本の全日本を走りに行きましたが、当時28歳でエントリーリスト見ると年寄りから2番目の年齢だったので、潮時だと感じました。
最近は40代、50代でも全日本エントリーする人が多くてモトクロスも高齢化になったもんです。

今は頑張らない走りで健康維持のためにモトクロスしています。(ヤリ過ぎは禁物です)

CRF150Rは小型2輪としては60年代GPレーサー以来の4バルブエンジンで量産型としては初の形式でしたから、発表されるまでは本当に発売されるのか信じられませんでした。
それもそのはず、排気量が小さいだけで、先に量産されている250や450のレーサーと部品点数は変わらないはずですから、問題はその販売価格でした。
450と同等の生産コストが掛かっていたとすればミニバイクと言えども相当の価格は覚悟しなければなりません。ホンダだって遊びで商品作っているわけではないのです。
そこで出された結論は、同じカテゴリーの2ストモデルが30万円台なのに対し50万円ちょっと。じつに15万円増しのミニバイクでした。本当はもう少しいただきたかったと思うのですが購買層の限界値というか別の選択がある中で50万円を出してもらえるかという賭けだったかもしれません。
その代わり徹底したコストダウンが計られました。フルサイズのレーサーにアルミが使われている部分はホイール、スイングアームを除いて全て鉄!という徹底ぶりです。部品単価は僅かな差かもしれませんが、モデルチェンジを少なく長期間量産を続ければ長い目でコストダウンした部分が利益となって貯まっていくでしょう。
試作段階ではアルミフレームもあったらしいので高級車としての選択も考えていたかもしれません。その場合はフルサイズに近い価格になったでしょう。
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ホンダの最後のキャブレター車として150を保存していますが発売から8年もフルモデルチェンジはありません。
いい加減飽きてしまっているので、放棄しないために少しずつ手を掛けています。

正にコストダウンの対象だったフレームはオリジナルカラーに塗装し(剥離してプライマーから吹きつけてあります。)
鉄のキックペダルとブレーキペダルは250用のアルミ製を加工して取り付けてあります。(ボルトオンではないのでちょっとノウハウが必要です。)
しかし、これは暫定的な処置です。

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実はノーマルに手を加えることが今回の主旨であります。
ノーマルは安っぽい亜鉛めっきなので大気中で腐食してきます。
そこを研磨してクロームめっき処理することによって半永久の光沢を維持します。
長期間保存するには最適だと思います。

チャンバーをメッキに出しに行ったついでなので時間的ロスにはなっていません。(仕事中に自分のやつをやっている言い訳)

社外の他人が作った部品を取り付けて喜んでいるわけにいきませんからね。
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ウーム、装飾品の輝き。
実用的には全く変わらない性能ですが所有する喜びは、汚れた部品がそのまま取りつた状態と比べれば言うまでもないでしょう。

この次はニューデザインのマフラーに着手しますが、取りあえずバックオーダー優先であと1ヶ月くらい先でしょう。

07年を最後に生産中止になってしまったCR85ですが、ここに保存されようとしている1台があります。

05モデルを私も所有していましたので、チャンバーとサイレンサー、アルミサブフレームなど作っていました。MFJ公認レースではサブフレームの純正以外の使用を禁じていますので、趣味的使い方が目的です。中古で入手したサブフレームが歪んでいたらしくシートが取り付かなくなっていたのを修正に持ってこられた車両です。

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サブフレームの歴史は83年モデルCRシリーズ125、250が最初です。それまではシートレールがメインフレームに溶接されていましたから、クリーナーBOXの脱着性が悪かったり、シートレールが大きく曲がったときは直し辛かったでしょう。

アルミサブフレームを初めて作って一般向けに販売したのはトライアラーRTL用で、川越街道沿いのホンダショップ和光で扱っていました。

製造はドリーム・トキで、CR用も作っていて神戸のワールド零パワー(杉尾良文さんの店)でも扱っていました。

それ以外ではアルミサブフレームは成りを潜めていた感じでしたが、MFJレギュレーションで使用禁止では現役レーサーはレースで使えませんから仕方ないでしょう。

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なんと、この車両は我社のチャンバーとサイレンサーもチョイスしていただいてます。

サスペンションもブリッツ・シュネルでモディファイされているようで、大人のミニモトという感じに仕上がっています。

2ストCRは段々部品が無くなっていき、現在レースで乗っている人もいずれは、別の車両に乗り換えていくことになりますので、いつか誰も持っていない時期が来るでしょう。

そのときに本当に貴重な1台となっていることでしょう。

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苦労して作ったサブフレームもカバーをつけてしまうと、殆ど見えなくなってしまうのが残念なとこです。

 

これは、ラインナップではありませんが、お客さんの要望で作ってみました。

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アルミの筒とチタンカップの組み合わせですが菱形断面にしました。オーバルより曲率の小さいR曲げにより剛性があがります。

その反面、チタン板の曲げが固くで難義です。プレス機なしで手加工ですから力技で成型しています。

250サイレンサーと同じ形状ですが、450の排気量にあわせて全長で50mm長くしてあります。完成してから2mMAX法で音量計測します。

 

 

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2012年型CRF450です。オーナーはフラワーオートの嶋野さん。

80年代、ATV協会創世記のころの3輪バギーチャンピオンで、あの"ダミアン号"の運転手でした。60歳過ぎても新型の450でMXでトレーニングする理由は、同年代の仲間が薬飲んでないと健康でいられないのに、MXで体を動かし汗をかくことで体力を維持するためだといいます。

友人が「嶋野くんは本当に薬を飲んでないのか?」と驚いて聞かれたので「MXが薬の代わりだ、バイ〇グラは時々飲むけどな」と笑いとばしたそうです。

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サイドカバー付けた状態ですが、サイレンサーエンドの位置がノーマルと同じです。

エンジンかけて吹かしてみましたが、アクセルのレスポンスもよく乗りやすそうです。騒音も思った以上に静粛で、2mMAX法で計測してみましたら110.6dBでしたので250と同等の消音性能を発揮しています。

今年、MCFAJも登録されたそうなのでレースの方も頑張って続けていただきたいと思います。

趣味の時間ですが、4年間の熟成期間を経たツインマフラーの最終型をシングルマフラーに取り換えました。06から09まで生産されたツインマフラーのCRF250ですが、毎年マイナーチェンジを受けてきました。最初の年はノーマルに国内仕様のマフラーが同梱されて、1台に4本のマフラーが付いてきました。

1本のマフラーが純正部品で4.8万円と高価な部品で、左右セットとジョイントパイプで10万円オーバーという高額マフラーでしたが、2010のフルモデルチェンジと同時に1本仕様に変更されてしまいました。ツインマフラーのコンセプトはどうだったのでしょう?ということは過去のことになってしまいましたので、中古の09CRFもシングルマフラーに変更です。

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05年にHRCの250に試作車が登場して全日本で使用されたツインマフラーは06モデルの量産車に採用されました。左右の重量バランスを均等にしつつ、マスの集中化を果たす目的のレイアウト。マフラー2本だから静粛であるわけではなく、騒音規定値をギリギリクリアさせる技術。

二股のジョイントパイプの仕様が毎年変更されていたと思う。パイプの容積を増やしたり、カラーを仕込んだり、エンジンのパワーも向上させていたので、騒音が上がることをマフラーの仕様変更で対応していたでしょう。

 

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いずれ新作のマフラーを作るつもりですが、年内は時間がありませんので、使い道のなかった中古マフラーをリサイクルしてみました。

05年型CRF450マフラーですが、ジョイントパイプのみ変更で取り付きました。

これは国際A級の平塚正樹選手が使ったもので、大破していたのでサトケンさんが「何かに使って」といって持ってきてくれたので修理品サンプルにして取っておいたものです。大破した部分は完璧に修復してありますので、当分の間使えそうです。

6年前の450用マフラーは今の250用より小さいので容積が調度良さそうです。これで来週、テストライドに行けそうです。

四国地方では鉛筆やタイヤがすり減ることを「ちびる」といいます。埼玉へ配属されて「タイヤがちびる」と申しましたら先輩には通じませんでした。私の場合は正真証明のチビでしてMXライダーとしては全く不利な体型なので、周囲から「辞めた方がいいよ」とか「ロードレースにしろ」とか好き勝手なことを言われてきました。馬鹿にされたから、ハイそうですかと引き下がらないのが私の性分です。やってみなくちゃわからねえじゃねえか、今にみておれと反骨精神むきだしでMXに挑戦していきました。

スリーサイズは157センチ 52キロ 70センチ。 70は股下寸法ですね。中学生のころ160センチにならなかったら人生は終わりだということで自殺しようと考えたこともありましたが、バードハイとよばれたアメリカのバスケットボール選手の写真を見て、小さくてもかっこいいヤツがいるもんだと知りました。170センチ足らずの身長で2m超の選手を出し抜いてゴールを決めるスピードとジャンプ力。その後、雑誌ポパイに掲載されていたSXの記事でジェフワードのことを知り、完全にやる気が沸いてきました。柔道なら柔よく剛を制す、相撲なら舞の海が曙を倒す、など小さいやつが大きいのを倒すシーンが逆に魅力があるということでチビテクを追求してきました。会社の先輩が「東福寺はオートバイが傾く前に足が着くから転ばないけど、お前は足が届いたころにはオートバイが傾きすぎてコケるんだ」と言われましたので足を着かない走法に必死で取り組みました。狭山工場の部室に福本さんが来たとき直接アドバイスをもらったことがありました。「竹沢選手のように下半身をホールドして、上体でバランスを取るように乗るといい」ということで竹沢正治さんのフォームを参考にさせていただきました。

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実は30才になったらMXは辞めようと思っていました。実際に今の仕事を始める前は3年くらい完全に足を洗っていました。

最後に全日本に出たのが92年の九州大会でしたが、当時29才になっていて出場ライダーの上から2番目の年齢で、10代の若いライダーに負けることがみっともないと思うようになっていました。国際B級も5年目で、全く進歩がみられず、自分の能力の限界も見えてきた状態ですから30前に辞めると決めたのです。

ただ一つ希望がありまして、21世紀のオートバイはどのように進化しているだろうということで、21世紀のマシンには乗ってみたいと思っていました。そこで2000年モデルのCR125を新車で購入してまたやり始めたという経緯です。ライセンスも失効していてNBからやり直しですが、関東戦で優勝も果たしてNA昇格しましたが怪我して仕事に差し支えるようになったので、125は辞めて80で遊ぶ程度に変更しました。クラブマンMXがメインですが10年もミニバイクに乗っている間に125は4スト250に変更され21世紀のオートバイもちょっと違ってきました。再び21世紀マシンに乗ると決めましたが、2000年モデルより車体のサイズが拡大されていて、チビライダーには益々不利な状態です。シート高がスポンジを削ってあるにも関らず94センチもあり私の股下寸法では20センチ以上足りません。ただし現役時代もノーマルで乗ったことはありません。サスペンションやシート、ステップを自分専用に改造して対応していました。今回も自分専用の改造を施していきたいと思います。あのリッキーカーマイケルも他のマシンよりハンドル一本分低いマシンを作って走っていたのが印象的でした。来年にかけ仕事の合間にコツコツと作っていきたいと思います。

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車高を下げるために、フロントフォークは全長を30mm短くしました。

方法は、ダンパーロッドのストッパーに30mmのカラーを追加します。このままでは、スプリングにプリロードが掛かってしまいますので、スプリングのストッパー位置も30mm上方へ移動します。

そのとき、フォーク内のオイルチャンバーの容積も減少しますのでオイル量も調整します。フォークアウターはインナーチューブ内径φ44からインナーロッド径φ12.4を差し引いた面積に30mmを掛けるとオイル量21ccが算出されますので、標準オイル量368ccから21cc差し引いた量を入れます。フォークインナーのオイル量はカラーの容積5.8ccになりましたので標準オイル量187ccから差し引いて入れます。こうすることで、全長を詰めたフロントフォークでも標準の減衰性能を発揮できるはずです。

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リヤショックはピストン下部のストッパーに15mmのカラーを追加しました。

このショック長でリンクを介したリヤの車高変動は、リヤアクスルアジャスターボルトのロックナット付近で計測して33mm下がりました。

リンクプレートを伸ばして、車高を下げる方法は間違いでしょう。後ろ下がりになるだけでなくリンクの作用角が変わりますので、正しい減衰特性が得られなくなるはずです。

通常、空車時(サス全伸び)と乗車時のリヤアクスル移動量をレースサグといいますが

レースサグを100mmとるのが推奨されています。即ち乗車しただけで100mm車高が下がるわけですから、予め30mm下げておいてもサスペンションの性能は殆ど変わらないでしょう。そして、20センチ股下寸法が足らないところを17センチにできれば、足付き性は大きく改善されることになります。

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ステップはノーマルの上に15mm幅のプレートを追加します。

4スト車はステップからシートまでの高さがあり、スタンディングで体重移動するとき、内股がシートに当たって動きが制約されます。ステップを上げることによって股下のクリアランスが増えて体重移動する範囲が広がります。

 

 

 

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シートのスポンジもノーマルの厚みは必要ありません。厚さも減らしますが、特に角に丸みを持たせるように削ります。腰をずらして片足を着くときにシートの角が邪魔になるためです。

こうやって車高の高いマシンも体格のハンディの少ないチビ太仕様に仕上がりました。

これが私が乗車前に行う儀式です。

 

2011モデル対応の新作マフラーが完成しましたので発表します。

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目標としておりました、軽量化と騒音低減、

パワーアップと耐久強度など、満足できると思われるものです。耐久強度に於いては時間をかけて調べなければなりませんが、過去の事例を踏まえて最新の方法で対策しておりますので、定期的なメンテナンスをすることによってワンシーズントラブルの無いことを目標とします。

車両は全日本参戦中の国際B級、島崎選手のものをお借りしました。

音量の計測は2mMAX法で実施しましたが、115dBの規定に対して107dBでした。ノーマルが112dBでしたので5dBも騒音低減したことになります。2013年の新規制でもこのままの仕様で大丈夫です。

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サイレンサーはチタンとアルミを使用し、ノーマルの重量3.0kgに対して2.0kgという大幅な軽量化です。

エキパイはチタンパイプを手曲げにより製作したものですが2010から同じ仕様です。

ダイノジェットで仕様違いのエキパイでパワー計測しましたが、この仕様が一番良かったので採用しました。

重量はノーマルの580gに対し340gという軽量化です。

 

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ダイノジェット計測は近所のMOTO GLADさんでお願いしました。

 

左のグラフはトルクカーブで、Type2マフラーに数種類のエキパイを交換して比較したものです。青色の曲線の仕様をチタンエキパイに採用しました。MAXトルク1.9kg・mで中速域のトルクが高いことがわかります。

下のグラフはAFレシオ(空燃比)ですが、ノーマルでは各回転数で12:1で一定になるようにプログラムされていることがわかりましたが、新型サイレンサーでは低速でレシオが高く(薄い),高速に向かって低く(濃い)変化していることを表しています。

この性能曲線を参考にレシオを理論空燃比(14.7ですがパワーアップを狙うなら若干濃い目にする)に揃えるようにFIセッティングすれば、さらにパワーアップが期待できるということです。

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これはパワーカーブを表しています。

ノーマルサイレンサーとType2マフラーの比較ですが、最高出力はレブリミッターの影響か27psで同じ数値になっています。

最高出力で同じ位置に揃いますが、途中のパワーが格段に高いことがわかります。

緑色がType2マフラーの曲線です。

実用域のパワーが向上していますのでスタートやコーナーの立ち上がりなど、加速するシーンで有利なマフラーであることは間違いないでしょう。

ラインナップに於いては市場の動向を見ながら考えることにします。ハンドメイドなので製作には時間が必要です。

価格はアルミチタンサイレンサー¥48000、チタンエキパイ¥20000です。納期は電話かメールで確認ください。

05年の全日本MX会場の和寒でヤマハのパドック前に展示されたアルミ合金製ハイブリッドフレーム。ハイブリッドとはダイキャストや鍛造という異質な製法で作られたパーツの複合体であるという意味。

そして06年モデルとして発売されたアルミフレームのYZ125が最終仕様という認識でした。 CIMG0375.JPG

これはお客さんがエンデューロ用に購入したマシンです。

実はYZ125チャンバーは高張力鋼管フレームの時代にラインナップしていましたので、エンジンの基本は大差ないだろうという考えで当時もののスペックで製作しました。

最終型のパイプ形状が若干変更になっており、治具に取り付かないので車体合わせのワンオフ製作です。

我社のチャンバーとヤマハエンジンとの相性は良かったと思います。YZ125に乗った忘れられないライダーがいます。

彼を初めて見たのは守谷のコースでした。

KXに乗っていたA級の若手で、千葉の八街市在住ということで名門習志野レーシングかと思っていました。すると翌年YZに乗り換えて、チーム登録は土浦レーシングになっていたライダーの名は斉藤慎也です。全日本A級でチャンバーサポートして最も好成績を挙げてくれたライダーと評価しています。

01年にA級125クラスで4位入賞でしたが、常にトップを狙う意気込みでした。翌年250クラスにステップアップして、YZ250のチャンバーも作りましたが、トップカテゴリーで15位以内ポイント獲得していましたので若手最有力ライダーでした。

当時チームYZでは、ノーマルで勝てるマシンを証明するということで、社外のパーツ装着を一切禁じていましたが、斉藤選手は「チャンバーだけはこれを使わせて下さい」ということをYZのスタッフに願い出て認めていただいたという経緯がありました。

なんと律儀なことか、作ってもらった物に対する思いというか、なんとしても結果を残したいという意欲が他のライダーと違っていたように思います。残念ながら菅生でヤマハの合同練習中に不慮の事故に遭い選手活動に支障を来たして辞める結果になってしまいました。

そのころから、菅生の赤土の路面は予期できない滑りで頭から落下して死亡したり重症にいたる事故が続いたので路面の改善に力を入れ始めたということで、斉藤選手をはじめ、幾人かのライダーが身をもって危険箇所を教えてくれて、路面の改善を実現してくれたものと感じています。

 

MFJ競技規則によりますと、2011年式以降の4ストローク車の音量測定は2mMAX方式とすることに決まりました。

CRF250Rの2011モデルは前年から大きく変更された吸排気系となっており、特にサイレンサーの大型化が著しく感じます。当然、パワーへの影響も考えられますので、モディファイマフラーでチューンアップしたいところです。

先ずは09モデルで実績のあったマフラーで試してみるべく、11モデルに装着して計測することにしました。

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上がノーマルで重量3kgあります。

下がモディファイマフラーで

サイレンサーは04モデルがベースでパイプエンドを作り変えてあります。重量は2.2kgに仕上がりました。

その下はノーマルのエキパイに力コブを追加したものです。

09のサイレンサーは取り付かないのでジョイントパイプとステーを加工して取り付けました。11モデルは排気管長が非常に長いことが分ります。

CIMG0279.JPGIB島崎選手の車両ですが、来週の関東選手権に向けて製作中です。

09では92dBだったサイレンサーなので

エキパイ長も伸びていて、近接騒音はさらに静かになっているはずですが、2mMAX方式でノーマルと比較してみたいと思います。

 

今日は雨なので測定は明日にします。

 

 

 

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計測はスタンドに騒音計を固定して行います。

後輪の中心から斜め45°後方2mの位置で高さ1.35mに保持します。

エンジン暖気後、アイドリングからレブリミットまで回転を上げて測ります。

騒音計はMAXモードにしておくと読み取り数値が保存されて表示します。

数値の再現性を確認するため2個の計測器で別々に測定しました。

 

モディファイマフラーの結果は測定器Aが112.4dB/A 測定器Bが112.6dB/Aということで大体同じ数値でした。

ノーマルマフラーも比較のため測定しましたが、測定器Aが110.3dB/A 測定器Bが109.8dB/Aということで測定器は同等と言えるでしょう。

競技規則は115dB/Aなのでモディファイマフラーで余裕の合格ということになります。これでレース使用可能であることが分りました。サイレンサーの仕様がパワー的に有利にしてありますので、これにあわせてFIのセッティングを施せばさらに走るようになるはずです。

もう一つモディファイマフラーの利点があるのですが、それはコスト面です。ノーマルサイレンサーが9万円近くしているので、これが消耗品だとすると非常に高コストといえます。モディファイ品はノーマルの半額くらいで製作可能なので、アクシデントで潰してしまうことを考えると、ノーマルを買い換えるより大幅にコストダウンできるということです。無傷のノーマル品は車両を売却するときに付けて出せば査定額も上がるでしょう。

なにより人のマシンより差をつけて走ることがモータースポーツの面白身と言えるでしょう。

スズキRMの前のモデルはTMという名称でした。昭和38年生まれの私でさえ乗ったことがありません。

エンジンや車体はほぼハスラー250ではないかと思います。ハスラー90は持ってましたけど、何処へやってしまったかさえ覚えていない遠い昔のことになってしまいました。

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さて今回の製作依頼はTM250のチャンバーです。下に置かれた純正品が老朽化のため新作することになりました。

当時のレーサーはサイレンサーもありませんが、テールパイプにスプリングフックは付いているので

オプションでサイレンサーを装着できたのでしょう。

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潰れたノーマルチャンバーを元に採寸して製作したニューチャンバー。

 

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口元フランジも絶版ということで、新作し、ニューチャンバーとセットになります。

採寸した諸元はこのようにガバリを作成して鉄板に罫書いて製作します。

IMG_0695.JPGそして、オプションのサイレンサーも取り付けました。

 

レストア中のこのマシン、クランクケースもOH中なので内部が確認できますが

これはプライマリーキックではないことが分ります。

最近のオートバイは全てプライマリーが当たり前になっていて、ギヤが入っていてもクラッチを切ってエンジン始動ができる構造になっています。

それはキックギヤとクラッチアウターのギヤの間にプライマリーギヤが存在してメインシャフトの連結をクラッチで解除しながらクランクギヤを回せることで、ギヤが入っていても始動できるわけです。

しかしTMにはプライマリーギヤの軸穴が存在しないことが右ケースを見れば分ります。

キックギヤとカウンターシャフトのギヤが直結の構造です。

即ち、ギヤをニュートラルにしてからキック始動できたということです。

ギヤが入っていれば押しがけはできますから、ロードレースでも押しがけスタートが主流でした。

モトクロスでは、今のようなスターティングマシンは無く、エンジンを止めた状態でオフィシャルの日章旗を振る合図でキックスタートでレースしていました。

当然、右足でキックして、左足でギヤを入れてスタートするわけですから、予めギヤをいれてキックできるプライマリー車の方がスタートが優位だったわけです。

古いマシンを乗っている人を見て、「新型のマシンの方がいいよね」という人がいますが

これは古い名作映画を観たり、懐かしい歌謡曲を聴いたりするのと似ていると思うのです。

新型が性能がいいのは当たり前、いつまでも自分の青春時代のマシンを楽しんでいたいという欲求があることを非常に理解できます。

このダウンチャンバーのリバイバルは口元フランジとサイレンサーも新作で3台分同時に、しかも前金で依頼されていますので、他の仕掛かり業務も含めて8月中に急な依頼がありましてもお引き受けできませんのでご了承ください。

2010モデルYZ250F用のエキパイをラインナップに加えました。 IMG_0663.JPGチタニウム製のエキパイとサイレンサーを50mmショートにしてオリジナルリヤパイプに換装しました

IMG_0668.JPG

エキパイはノーマルと等長ですがレゾネーター付、実用回転域のコントロール性向上と音量の低減が目的です。

サイレンサーはノーマルで音量に余裕があるのでショート化して排気抵抗を減らす目的です。

チタニウム製のオリジナルリヤパイプは騒音と排圧の調整をしたもので

音量は5000rpmで92dB/AでありますのでMFJのレースでも使用可能です。

気になる価格は、

エキパイ ¥21000(税込み)

リヤパイプ (ノーマルサイレンサー組み換え工賃込み)¥15750(税込み)

IMG_0300.JPG IMG_0149.JPG85ccモトクロッサー国産4メーカーとKTMに対応したチャンバーとサイレンサーを製作し、供給して参りましたが、現在のラインナップは以下のとおりです。

ホンダCR85 チャンバー サイレンサー 04以前、05~モデル

ヤマハYZ85 チャンバー サイレンサー 02~モデル

カワサキKX85 チャンバー サイレンサー 05~モデル

KTM85SX チャンバー サイレンサー 06~モデル

主なレース戦歴

CR85 04,05キッズスーパークロスチャンピオン

CR85、YZ85、KTM85SX 全日本レディースで優勝あり

価格4メーカー共通

チャンバー ¥18000 

サイレンサー(MFJ対応) ¥12000税込み 送料別途

全機種受注生産です。納期はお問い合わせください。

綺麗にレストアされたCR125、機種番号444。鉄騎兵跳んだモデル

全塗装に再めっきで新品シートレザー、新品プラスチックパーツ、アルミタンクは純正品をワークスもどきに追加工したスペシャル。リヤショックは懐かしいFOX製エアショックだ。

ご注文はチャンバーとサイレンサー。純正スペックを復刻したオリジナル製作、サイレンサーはノーマルがスチールのところオールアルミでスペシャル仕様に変更した。

生産台数2台のワンオフ(ツーオフ?)マフラーの完成です。

これでオーナーさんは今年のVMXに参戦する模様。IMG_0265.JPG

【サイドビュー】

新車のマシンを走らせる前に、先ず自分好みの仕様にコーディネートする。

コンセプトは、買ってきたものは(メーカー純正品以外は)極力使わない。自分で手間をかけた部分だけがオリジナルなのだ。
新品のホイールをばらして、リムはアルマイトにハブは塗装で足回りを引き締めて魅せる。
エンジンも下ろしてフレームやリヤサスも塗装する。
やはり、うちのレーサーは黒が純正のカラーだろう。
しかし、プラスチックパーツは本職のデザイナーが作った純正のままがいい。
実は黒と赤の色のコーディネートが最強の色相なのだ。
余計な飾りも不要、ノンスポンサーを強調することが、オリジナルの意気込みを表現する。
要するに、人にやってもらったことに対してあまり価値観を見出していなくて 自分で手間をかけた部分にマシンいじりのロマンを感じているわけだ。

【サイドカバーはずし】

ノーマルと明らかに違うスタイルはエキゾースト。
チタンニウムのエキパイは去年から使用している物でエンジン特性が気に入っているので再使用した。
焼け色が変わっていくのも楽しみの一つ。
全体が焼けたら、サンドペーパーで磨いて何度でも新しい焼け色を楽しめる。
一見ノーマル風のサイレンサーは中身とエンドパイプがオリジナルのものに取り換えてある。
シングルのエキゾーストをデュアルに作り変える試みだが、排気音とパワーの出方を変更する目的だ。
アルミのブレーキとチェンジペダルは他機種の純正部品で流用しただけ。
フロントエンジンハンガーはノーマルの高張力鋼板から超ジュラルミンの削り出しに取り換えてある。

【リアフォーク・スプロケット】

150R最大の欠点であるリヤフォークの強度不足を対策した補強リヤフォーク。

7Nー01材で曲げ応力が最大になる箇所の断面積を30%増して対応している。
町工場はメーカー任せにする必要はないのだ。
一見スペシャルのスプロケットはノーマルベースで112個の穴空けをして軽量化した。
ノーマルはなんと、820gも重量があるのだが、570gまで落とした。
しかし、タロンのアルミは270gしかないので2倍の重量だ。(残念)
但し、耐久性は3倍くらい期待できるので、コストパフォーマンスで断然勝っているはずだ。

【デュアルマフラー】

テスト中の新型構造はマフラー内部で二股に分岐させ、2本のパンチングパイプを通って排気され る。
ノーマルの開口面積と同等の2つ穴にした場合、約1dB排気音が上がることが分かった。
排気を2列にすることで排気ガスの流速があがるためと思われる。
これがパワー的に有利だということを示しているのだが、あとは、パイプ径の調整をすれば音量のコントロールも可能だ。

とにかく、いつも同じマシンに乗っていたのでは、ライディングそのものの情熱が冷めていってしまうので 常に新しい試みと、ベストコンディションを保つメンテナンスを怠らないことがモトクロスを長く楽しむ秘訣ではないかと思う。

2スト車の車体に4ストエンジンのスワッピング(換装)は何度もやってきた。 しかし今回のスワッピングは今までのとはわけが違う。

これまでのエンジンは旧式の空冷2バルブであったのに対し、これは新型の水冷4バルブだ。 おそらく日本で初めての組み合わせだろう。前後サスペンションはホワイトパワー。リヤはリンクレス。 ブレーキはフォーミュラの対向ピストン。国産には採用されないヨーロッパ製品が目を引く。 画像はエンジンのレイアウトを検討している様子でエンジン位置は決定したがフレームのパイプは繋がっていない。高くなったキャブレターにあわせたエアクリーナーの変更、シリンダーヘッドをかわしたガソリンタンク製作、フレーム中通しの専用エキゾーストパイプetc.難題山積みである。 おそらく実走できるのは夏頃だろう。

 この製作計画を聞いて殆どの人は無意味だとか、改造しないでそのまま乗るのが一番いいとか思われるだろう。 実は製作を担当している自分自身も同様に思っていたのだが、製作を諦めさせる説得をしながら、自分の気持ちが完成させて走らせてみたい方向に変化していった。

これを無意味なことと思う人は、マシン選びにどれ程の理由があるだろう。 メーカーのイメージであったりレースで上位を走る機種であったり、バイク店との付き合いであったり。いずれにしても明確な根拠は存在しないはずである。しかも、高額な支払いをして手に入れたマシーンも翌年にはあっさりモデルチェンジされて旧式になってしまう。本当に乗りたいものを決める手段が完全にメーカー任せになっていて、お客さんは踊らされている状態だ。そんな宛がわれたような選択肢では、ただ流行にながされて、他人の真似しかしない日本人の一員になってしまう。

他人と違う方式を試みる精神がこの車両の製作に現れているではないか。 これが完成して走っている姿をみて、どんな乗り味なのか興味を持つ人は多いだろう。しかしその答えは作った者、乗った者にしかわからない領域だ。

 無意味だと思う人には一生わからない答えだろう。 そしてこの製作を実現する手段に弊社を選んだ依頼者に満足していただくために腕を振るわなければならない。

チャンバーは溶接が主な作業と思われがちだが、実はこのような部材の成形に製作時間の大半を費やす。紙の上に設計されたパイプはテーパー状で、複雑に曲がっているため、形状を思い通りに仕上げることに長年の経験が必要となる。写真のパーツは一台分でつないだ全長は1メートルほどになる。ここまでできれば8割完成したも同然。 溶接でつないだパイプの完成品。成形された寸法精度が上手くできていれば溶接は容易にできるが、誤差が多いとつなぎ目に段差が出来たり、カーブが狂ってきて不良になる。パイプの成形が完成品の良否を決定する。この後、治具に装着し、テールパイプやマウントステーを取りつけて完成するが、全工程で15時間費やすのに、溶接は2時間くらいの作業だろう。コンピューター制御の工作機械全盛の世の中だが、チャンバー製作は自動化が不可能な手工業の世界でしか実現しないのだ。
アルミタンクはワークスモトクロッサーだけの物ではない。70年代後半までは量産車がアルミタンクだったのに、大物は金型でプレス成形されるが、溶接などハンドワークの部分に熟練が必要なため、生産性のよいプラスチックタンクへと変更されていったのだ。 昨今のビンテージオフロードの盛り上がりで70年代後期のレーサーもレストアされレースに参加する台数も増えてきた。ところが30年も前のプラスチックはどうしても劣化が進み、軽い衝撃でも割れてしまって、ガソリンが漏れてしまうのだ。接着材で補修しても耐ガソリン性のものはなくて使い物にならない。塗装しても揮発するガスで塗膜が剥がれてしまう。 そんな悩みを解決するためにアルミタンクを製作することにした。タンク専門の会社に依頼すると、量産とそっくりな形状の品物ができるが、必要なモデル代、金型代、を負担した上に製作費がかかるので、すくなくとも35万円は かかるらしいが、お客さんの依頼は1個だけなのでそのような金額では諦めてしまうだろう。今回はプレス成形を行なわない方法、アルミ板から叩き出す板金手法で作ったタンクだ。 全体のデザインを決めるアッパーハーフをハンマーで叩きながらカーブをつけていく。見本と見比べながら感を頼りに曲げていくのだ。一枚板では不可能なので、要所要所分割して成形して溶接で組みたてていく。フレームに組みつけるロアーハーフも車体に取り付け確認をしながら成形していく。アッパーとロアーを接合する前に形状を整えないと、後からでは叩けないのだ。溶接が全て終了したら、水を満タンに入れて洩れがないか確認する。エアーを入れて水没させる方法もあるが、加圧してタンクが膨らんでしまうことがあるので、水を入れた方が安心なのだ。これでプロの塗装を施せば、アルミ製の複製タンクであることはよく観察しないと気がつかないだろう。 アルミタンクはけしてワークスチームだけのものではない、むしろ庶民的な旧車マニアのためにあるのだ。

初期型のアルミ/チタニウムサイレンサーのアルミ部分の強度アップを図りました。ミドルジョイント部分をオーバルのはめ込みに変更し、ステンレスリベットで荷締めて、緩み防止しました。取り付けステーの板圧アップとベース板追加によりオーバル部分の剛性を高めました。重量は1.4kgで収まりました。

価格45000円(税別)

IMG_0088.JPGRF125R、オリジナルアルミフレーム

エンジン XR100モディファイド

前後サスペンション CR85R2

エキゾースト オリジナルチタニウム&アルミサイレンサー

ガソリンタンク オリジナルアルミタンク

レース 06イバモトGPS優勝車両

プレシャスファクトリーによる実験車です。

アルミフレームの試作により強度、走安などの確認を行う目的でした

詳細は極秘です。