KX250のフルエキゾーストを作る計画が若干変更して、ノーマルマフラーを改造することにしました。

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ノーマルが少々長いのでショートサイレンサーにするため
切ってしまっては元に戻せなくなるため

アルミボディーとパンチングの長さの50mm
短縮したものを新造しました。

パンチングパイプの絞り加工が排気の乱れを生じさせるため
ストレートパンチングにしました。(騒音は若干上がると思いますので別の方法で消音させます)



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前後パイプを組み立てして、マウントブラケットの位置決めを現車で行います。

ゴムダンパーは溶接時の熱で燃えてしまうので、ダンパーと同寸のカラーを作って
ブラケット装着しています。









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マウントブラケット溶接しました。

軽量なアルミ素材ですが強度が必要な部分
は板厚を上げて応力が分散するように設計しています。

ラバーマウントとカラーはノーマルを使用します。






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見た目メーカー不詳のマフラーですが
ノーマルを50mm詰めて磨いただけです。
社外マフラーより圧倒的に低コストですが
性能も向上できれば言うことなしです。

今月末の四国戦に向けて準備中なのです。
実家帰省からHSR全日本MX第2戦、3戦
観戦後、翌週がレース日となっていますので、その前に1回乗っておこうと思います。






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音量測定実施しました。
50mmカットとストレートパンチングの状態では
2mMAXで4dBオーバーの118dB/Aという結果でした。
これでは地方戦も走行不可です。
そのため持ち帰って、サイレンサー分解し
パンチングパイプに加工を施しました。

加工方法は企業秘密で教えられません。
再測定した結果(実は2回、分解追加工を繰り返し)
114.3dB/Aという結果でした。
規則では小数点以下切り捨てなので
規定値クリアということです。
これで地方戦レース走れますので一歩前進です。



CR125の最終モデルのアルミフレームですが、このような亀裂は珍しいので公開します。
19年前の機種なので純正部品も廃番かもしれません。中古フレーム探すのも煩わしいですね。
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ヘッドパイプの前側、上から中央付近まで亀裂が入っています。
大変大きな不具合だと思いますが原因は何だったのでしょうか。

この素材はジュラルミンを鍛造で成形した物ですが型の合わせ面に見られるパーティングラインに沿って割れているので
製造工程で欠陥が生じてステムパイプからの荷重を受けて口が開いたと推察されます。

ここでは不具合の原因解析をする立場ではないので使用可能な状態に修復する作業をしたいと思います。

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亀裂に沿って溝を掘っています。
肉厚の厚いアルミパイプなので溶け込みを深くするため溝の底から溶かすようにして
溶接強度を増すためです。










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先ずパイプ部分の縦割れを溶接しておきます。
ベアリングの圧入部分は片側に大きな熱が入る溶接なので
真円が歪んで使えなくなる恐れがあります。
そのため圧入部分は切断して
新たに加工した部材を結合させる方法にします。







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切断した上部に新たに加工したベアリングの受けを載せてあります。

パイプの全長は切断前に測っておいて
接合後に同じ長さになるように調整します。

ベアリングの圧入代は現品を計測して同じ寸法に加工してあります。








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恐らく溶接過程で傾いてくると思われるので
パイプの内径φ45に軸を圧入して同軸度を保証しています。
軸は溶接後油圧プレスで抜き取ります。











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パイプを全周溶接して修理完了です。

純正部品と見比べなければ、最初からこのような作りだったように思うでしょう。

同梱されていたボトムブラケットとアッパーブラケットを装着して操舵確認しましたが
違和感なく操舵できましたので
これで出荷させていただきます。