■ オンロード

2024年が明けました。去年大晦日の夜まで新しいチタンエキゾースト作っておりまして、
エキパイの取り回しに難航し、「このままでは取り付け不可能な形状でやり直しするしかない」
予感までしましたが、ギリギリの隙間で知恵の輪のように回せば取り付くことができて安堵したところです。

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排気ポートが左向きなので
外すときにエキパイをシリンダー側に寄せないとスタッドボルトをクリアできないのです。
そのためのシリンダー横のクリアランスを十分広くとることが脱着のカギなのですが
パイプを曲げているときは
全体を繋ぐことだけに囚われて
着脱することが考慮されてなかったのです。

なのでノーマルはサイレンサー装着状態で
前に抜ける形状ですが
このエキパイはサレンサー外して
エキパイエンドをフレームの外側に振るように動かすと口元が前に外れます。
プロトタイプ1号機なんでこれでOKかな。

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空冷2バルブエンジン、最高出力19PS
スーパーモタードではないストリート・モト
KawasakiはDトラッカーの水冷ツインカムエンジンを辞めて、新設計の空冷2バルブを市場に投入したわけは・・・
実はこのタイプの(オンでもオフでもない)
ラインナップはどのメーカーでも販売しておらず、ハイパフォーマンスなシングルエンジンを今更求めるユーザーは少ないだろう。
(スペックを求めるならリッターSSに流れると思う)
取り回しが重くて、やたら馬力があって危険、転がったら高額な出費確定の大型車よりも全てにおいて手頃な廉価版のモタード車があれば顧客ニーズに応えるであろう。
そんなメーカーの思惑が見える1台ですが、既に生産中止、買いたいと思っても手に入らないのが現状です。どうやらこれと同系統のエンジンでメグロやらW230といったレトロ路線を模索しているようで
そっちこそが年配ライダーの求めるところかもしれません。
そうは言いましてもこのクソ重いマフラーを早急になんとかしたい願望で、正月からマフラー作りに没頭します。

2023も残りわずか。今年も何にもしなかったなー、と思うほど印象の薄い1年でした。
実は認知症が進んで何をやったか覚えてないのかもしれません。
そこで、直近のことなら覚えています。(1年経たずにわすれていると思いますけど)
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タンクの溶接が一通りできたところで
溶接痕やハンマー痕を見えなくなるまで磨きます。
外側の溶接ビードを削ったところは内側も溶接棒で肉盛りしてあるので平滑に均しても
ガソリン漏れになることはありません。

コックの取り付けが出来たら水を満タンに入れてリークテストを行います。






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燃料コックやフレームのマウントなど取り付けて完成です。












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マイラー風のナロースタイルにデザインしたタンクなので容量が少ないだろうと思っていましたが
水満タンで9.5L入りましたので
実用的な航続距離はありそうです。
(燃費によりますが)

タンクの固定はラバーマウントで問題なく取り付け確認できました。
コックの位置もキャブレターとのフューエルラインで適切な位置に出来たと思います。



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フューエルキャップは閉じた位置で左右対称に止まるように給油口を合わせて溶接しています。

塗装はオーナーさんの手配でヤマハインターカラーにすると思いますので
#400ヘアライン仕上げになっています。

ハンマー痕消えるまで研磨に丸一日掛かりました。





さて、予定通り年内に製作完了できましたので、残り3日で今年できなかった物に取り掛かることにします。
なので大晦日から正月明けまで休まず仕事です。
目途がついたら、運動不足解消モトクロスは2回くらい地元コースで走る予定です。

77年型を継続しながら現代まで販売されているTS185。国内に輸入される台数は限られているため
発売当初より高騰しているらしいので既に高値の華になってしまいました。
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色はオーナーさんの趣味で塗り替えられています。ミリタリーな感じです。

ワンオフチャンバー作ったら製作者は何するか。
試し乗りですね。
アバウトな外観の注文しか受けていないので、スペックやパワーフィーリングは全くのお任せというわけで
ノーマルよりパワーダウンなどということがあったら商品になりませんからね。

久しぶりに乗った空冷2ストローク単気筒。
まあまあ実用には十分な性能ですが新車といえどもスペックは旧車なので
このフィーリングを頭に記憶した状態で
ワンオフチャンバーに交換、再度試し乗りです。
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エンジン掛けた瞬間、音の違いで笑みが零れます。
さあて、低速スカスカのピーキーでないことを祈りながらクラッチミート。

出足はノーマル同等です。低速も普通にあって半クラッチなど必要なく発進できます。
そして加速。
タコメーターついているので数値で確認できます。
8000rpmからレッドゾーンのメーター読みで
シフトアップポイントは7000rpm付近。
針の動きが明らかにノーマルより早いです。
そしてトルクの谷はありません。一気にレッドゾーンです。

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一般道ですが80km以上出ているので必要ないですが、さらに引っ張ってみます。
11000rpm過ぎても頭打ち感なく伸びていきますので、ストレスなく乗れるエンジン特性ですが、それなりにエンジン消耗するはずなのでレッドゾーン以下を守っても十分走ります。

そんなに回さなくても空冷2ストロークのモトクロッサーそのものの響きが心地よいです。
道路脇のみんなが振り返る感じで、ずっと聞いていたいサウンドです。

二度と作らないのでオーナーだけの特権です。

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サイレンサーは取り外し不可な溶接タイプに
指定されていたのでこのとおりです。

グラスウールはメンテナンスできるように
パイプエンドがリベット止めになっています。

異例のテールパイプ短さなんで、付きレスがノーマルよりよろしいでしょう。

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マウントステーはブレーキペダルのアジャスターボルトからブラケットを取り付けしましたのでフレーム側は無加工です。


サイレンサー位置はしばらく吟味しましたが
ここがベストでしょう。これ以上考えられません。




それでは納車の日までお預かりしておきます。






僕が本田技研狭山工場時代に先輩社員だった星好さん。
所属は共に製品技術室、完成車技術課。僕は強度グループ担当、星さんはロードモデルのテスト担当。
埼玉製作所の2輪組み立て移管に伴い人事異動があって、星さんは朝霞研究所へ栄転されていきました。
その後の実績は機密保持を重視する職業なので一切情報がなかったですが、久しぶりにyoutubeでお姿を拝見することができました。



現在のmotoGP最速マシンを生産するドカティが星さんの特許を参考文献に挙げているというウイングレット。通常経験することのできない2輪の空力特性に関わる開発テストが星さんたちの研究グループで数々の試作品を作っては栃木PGで実走確認を行った様子が頭の中で想像できるお話です。

ダウンフォースがフロントタイヤに設置荷重を与えると同時に車体をリーンさせる重さが増加してハンドリングを悪化させる。一般道で運転するかぎり全く体験することのない現象ですが、レースを観戦するお客さんの立場では、このような開発競争もレース結果に影響することを思うと、ただ漠然とカウリングの形状を見ているより機能的な美しさを感じることができて、より楽しめるかなと思いました。

最近ハンドリングが悪いナーと思って原因が分からずにいたカワサキ10R。
バンクしていくと、カクッと倒れる。200kgが急に倒れると怖いですので摩耗したタイヤを疑って交換することにしました。

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リヤタイヤは去年パンクした際に交換してあったので新しいです。
中古で購入したときにパンク修理履歴のあるタイヤだと販売店から説明受けていたので納得済みでしたが
猛暑のせいか修理剤も溶けてきて4年目でエアが漏れてきたので文句なしでしょう。

そこでフロント、明らかに偏摩耗していて
丸いはずのトレッドが三角になっていました。
おそらくすり減った面に安定しようとして
車体が傾くのだと思います。
引き起こしも重く感じて軽快でなかったんです。

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ロードバイクのタイヤ交換は滅多にやらないのですが
オフ車よりはレバーによるスクラッチに気をつけて丁寧に交換します。
殆ど手で入りますから最後のビードがリムを越えるとこだけレバー3回くらい使うだけです。
リムプロテクターは外すときの最初だけですね。レバーをリム側に倒すときに傷つけるからですね。後は手で押すだけで外れます。

チョイスしたタイヤは新車装着のRS10からS22です。
RS10の方がドライグリップ性能が上らしいのですが、ツーリングメインなので、ウエットグリップがRS10より良くライフサイクルも長いとされるからです。
価格はモトクロッサーのリヤタイヤ3台分です。
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オンもオフもカワサキ乗ってますがたまたま手頃な中古車だったので
特にカワサキ党というわけではないです。

どちらもよく走るし故障もないので気に入っていますが
もう年なんで買うのは最後にしとこうかなと思っています。(毎年同じことを言っている)


正月休みのうちに完了しておきたいNSRカウリング装着。
残務は、ステムパイプとフロントカウルを連結するステー製作。
NSF用の別売りステーを買ってきてつけるのでは面白くない、自分で作ることが遊びになります。

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昨日で位置決めはできていたので
ステムパイプの穴からカウルビスの穴までの空間を連結するアルミのステーです。

左右対称ですが、車体中心線に対して
垂直の部分がありません。
斜めの棒とプレートの結合のため
溶接に関しては少し工夫しました。







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これでフロントカウルの固定は完了です。

スクリーンもアクリル板から作って取り付けましたが、アクリル板の曲面に加工するのが上手く出来なくて、失敗して2枚目で取り付いたことを白状します。

初めてやったのでこんなもんかな、次回作るときはもう少し上手くできると思います。


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これで正月休みの遊びは終了です。

明日(5日)から通常業務にかかります。

サーキット走行は路面温度が低い季節は行いません。
12インチタイヤが滑ったときの対応できるテクニックを持ち合わせてないので
温暖な季節だけ出動することにしています。

今年1回目の里帰りです。工藤家当主の私ですが先祖から引き継いだ土地を守るのには理由があります。祖父の時代は西条市の山奥、西之川という集落に住んで林業を営んでおりました。
ところが戦時中に農家の子供は兵隊に行かなくて済むと聞いて、山を売って現在の場所に移住して
農業を始めたのでした。
終戦の翌年に祖父は49歳で亡くなっており、想像でしかないですが家族思いの男気ある人物だったと思います。この家の子供で生まれ育った自分が、祖父が残した土地を粗末にするようなことはできない、
そんな親の意思にも添えることが出来なかった自分の、せめてもの罪滅ぼしのつもりで雑草の刈り取りに帰ってきました。
もちろん電気も水道も契約したまま、固定資産税も払っております。

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帰省初日は家の前を草刈り、季節的に草の量は少なく大体刈り終えたので

翌日天気が良くて、計画していたツーリングに出発します。

ZX10R、このガレージに下ろすのは2回目
前回は高知県室戸へ向かいましたが

今日は石鎚スカイラインからUFOライン(瓶ヶ森林道)を走ってきます。
絶景で有名なUFOラインは関東からも多くのバイカーが訪れる場所ですが、
私は自宅から70kmの場所なので半日で往復できる気軽さです。

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最短ルートはリッターSSには狭い道路を走ることになるので
2車線の国道33号線で行くルートは
この御三戸嶽の交差点を県道12号へ

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真っすぐ行くと面河渓
右折すると石鎚スカイライン
土小屋登山口まで10キロほどワインディングが続きます。

面河渓は小学生のころすでに母親が他界していたので家庭サービスのためか、父親がドライブに連れてきてくれた以来なので
実に50年ぶりにここへ来たのです。





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雄大な山の景色とワインディングを楽しみながら
途中の展望所で休憩です。

奥に見える尖った山が西日本最高峰石鎚山。
自宅から見える山頂は北壁ですが
ここからは南側の斜面がみえます。

おそらく笹の葉が茂って緑色に染まっていて美しいですね。
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最初の目的地、土小屋遙拝殿

石鎚登山土小屋ルートの出発点です。
この先の県道12号線が別名UFOラインとなりますが
この快晴なのに4月10日まで冬季通行止めということで、今日は通れません。

また後日出直しです。





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悔し紛れにUFOラインの中へ徒歩で入ってみます。

道幅は普通車のすれ違いは厳しいですが
2輪は問題ない幅です。
ところどころ路肩崩落はありますが
真ん中走っていれば、さほど危険は無さそうです。







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目視できる瓶ヶ森の山頂です。
木が生えてない緑色のあたりが絶景ロードの場所と思われます。

今日行きたかったなー



諦めて家に帰って明日九州へ行く支度をします。

朝8時半に家から出発しお昼前にここへ付いて、家に帰ったら2時半という距離です。

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第3の目的地は熊本です。

全日本モトクロス開幕戦HSR九州で土曜日予選見てから、宿泊地の熊本へ来ました。
熊本城初めて見ましたが震災の影響で
崩落した石垣や櫓の傷跡が多く見られ
修復は困難のようです。
そんな中でも天守部分は修理が完了し
立派な姿が見れましたが
熊本城は昭和35年に天守を再建した
新しい城なので
四国4城のような木造現存天守ではないです。

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IA2ヒート1スタート

今年J・ウイルソン♯16が全日本フル参戦だそうで、ヤマハとしては
やがて訪れるガソリンエンジン車滅亡に向けて最後のガソリンエンジン時代にチャンピオン獲得したメーカーになることを
確実とする施策に打って出たと思われます。

スタートゲートの横に武蔵重量ケンヤさんが見えますね。


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日本最速の重量鳶、違ってたら遠慮なく言ってください。

全日本会場全て出張コース整備しているそうです。
モトクロス愛も最強ですね。









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ここの特徴は第1コーナーがハイスピードで回っていくことです。
集団が直ぐにばらけないので接戦が長く続いていくので見ている方もエキサイトしてくるわけですが、当然走っている方が迫力満点だと思います。

レース内容については関わりないので語るつもりはありませんが
ホンダが作ったコースで上位をヤマハが占めるという皮肉な展開でした。
まあHRCは無くなったし、会社としてはそれほど力入れて取り組んでないのだろうと勝手に推察しています。

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日曜日帰ってきて
月曜に畑の草刈りがおわったので
翌日最終日にしようと思って
先日通行止めだったUFOラインへ行ってきましたが
天気予報は晴れ、降水確率10%なのに
瓶ヶ森林道は石鎚スカイラインの途中から雲の中
路面はウエットで恐ろしいし、視界10mという全く楽しめない状況になってしまいました。
ここへ来る場合は石鎚の山頂に雲が無いことを確認しないと来てはいけない場所だとわかりました。

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奇跡的に雲の切れた場所があったので瓶ヶ森の一部景色を楽しみます。

高知県側の斜面を厚い雲が上がってくるのが見えます。
凄い勢いなので数分後には視界不良になってしまいます。









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瓶ヶ森山頂に徒歩で行ける登山道があったので上ってみました。

全長で2kmくらいの石を積んだ階段のような道です。

緑色の正体は笹藪でした。

雲の中に県道12号線が微かにみえます。
晴れていれば絶景のはずです。



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ここまできたら四国カルストも行くべきです。
御三戸嶽へ戻って国道440から地芳峠経由で四国カルストの姫鶴平から
四国山地の稜線を4キロほど走ります。

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日本とは思えない景色はいいですが
走りそのものは途中の峠が狭いので
急勾配のタイトターンが多くストレスになります。

ここへ来るときは瓶ヶ森同様、雲が無いときに来ないと意味がないように思います。

実は四国ツーリングの醍醐味は別のところにあると、この後分かりました。




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カルストの時点で満タン給油してから150km以上走行していて、途中にガソリンスタンドも無かったので、給油最優先で
最寄りのスタンドを検索して給油に向かいました。

上浮穴郡から西予市に向かう国道197にでてきました。
地形の関係で山の斜面を削った峠や
河川に沿ったワインディングが殆どの四国路。
国道197は西予市から大洲市を流れる肱川沿いにあり、およそ50kmの間交差点や信号のない2車線のワインディングが続きます。
速度は申し上げられませんが
栃木県の国道4号バイパスくらいの速度でクルージングしながらのワインディング。おまけに平日のせいか殆どクルマに出会わないし
いたとしても対向車いないので一瞬で追い越しできる快適さです。
朝から走りっぱなしで帰路に付きますが国道197は伊予灘の国道378に出ます。
海沿いのワインディングはこの道路が一番お気に入りです。


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途中、予讃線下灘駅に寄ります。
2017年にCJ360Tで来たことがあります。
90年代まで日本で一番海に近い駅で
有名になった場所です。
カップルが撮影し合って中々どいてくれなくて、人が写り込まない1舜を狙っての撮影です。
これ撮れないと、ここを去るわけにいかないのですよ。
どれほど苦労してここまできたか分かってるか。

本日の走行距離388km、ワインディングばかり。
帰宅したのが夜7時、11時間乗りっぱなし。人生で一番四国路走った日でありました。












事情があって再販しない機種のチャンバー、最後の製作になります。

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お問い合わせ来ても対応できませんので
これで終了というお知らせです。

製作物は左右チャンバーと口元フランジの4点です。

車体現合に必要なマウントステーと
サイレンサーは支給いただいたものに合わせてのワンオフ製作ということです。


















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実は、元々付いていたフランジに合わせてエキパイ側のスプリングフックを取り付けたので
新造のフランジに付けるとスプリングのテンションが甘いことがわかり、

1・フックを付け直す

2・別のスプリング(5mm短い)に変更

3・フランジ側フックを再加工

以上の選択肢の中から納品に一番影響がない3番を選択し、フランジ側フック部分に加工の跡が見えます。

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支給いただいたサイレンサーのフランジに
ボルト取り付けピッチを合わせなければなりません。

現物計測して数値化すればレーザー加工に外注できますが
これくらいはハンドワークでも問題なかろうということで、毎回罫書く手間を省くことと、同一性を持たせるために画張り制作して作ったフランジです。

最後にサイレンサーの捻り具合を実車取り付けで決定するので、フランジ溶接が重要工程になります。
サイレンサーの捻りが左右アンバランスになると品位が著しく劣る気がするのです。
おそらく、納車後にオーナーさんがバックビューを眺めてほほ笑むことでしょう。

いよいよビモータマフラー製作最終段階です。
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レーザー加工したφ100ディスクをプレス成型し、パイプに差し込むセパレータを溶接した構造のフロント、エンドキャップ


マフラー外筒にリベット止めします。









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ツインマフラーなので左右の整列を見なければなりません。

パイプエンドの高さと車体との隙間が
丁度良い位置に合わせて、マウントステーを取り付けます。









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チタンプレートを油圧プレスで曲げたステーを作って、ノーマルのマウントブラケットに位置合わせします。

プレートの曲げ角度は現車合わせでないとわかりません。
曲げ角度を微調整しながらプレスで3回くらい曲げ加工して溶接ラインを決めます。








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下2本がノーマルマフラー
マウント方法はバンドなのですが
オーナーさんの希望で溶接ステーにしました。

振動でバンド締め付け部分が擦れるのを防ぐ目的です。

重量はマフラー片側でノーマルは3.0kg
チタンマフラー1.8kg

中身がストレートパンチングになっている効果が大きいと思います。
グラスウールは4ストレーサー用入れてます。
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パイプエンド形状

リベットの下に0.3mmのステンバンドをレーザー加工したオリジナル品を使っています。

リベットを外すときにパイプ本体を傷つけない目的です。






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ジョイントパイプ側の形状

溶接固定していますが、板厚2mmなので
大丈夫とは思いますが
念のため内側に補強プレート入れて
2重にジョイントパイプを支える構造にしてあります。







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取り付け完了したので
明日エンジン掛けて排気音聞いてみます。














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エンジン始動してみました。
実は昨日やったのですが
フロントキャップのコーキング無しで組み立てたため隙間から排気がもれていたので
リベット外してコーキングし、一晩置いてあったのです。

冷間始動でもセル一発で目覚める90度Vツインはシングルやマルチとは違う独特のサウンドで周囲の空気を揺るがすハーモニーを奏でます。
音量大き目ですがブリッピングしても破裂音は出ないから心地いい音色です。
同時に外観だけでなく明らかな存在感のある音で、この音を発しながら移動することを想像するとシールドの中は笑みに溢れると思います。
ストレート排気なので騒音によってはディフューザーも検討するつもりでしたが、これでいいと思います。

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どちら側から見てもイケてるスタイル

ハブステアのフロントはセリアーニタイプに比べて軽快なハンドリングです。
フロントフォークの重量がステアリングに掛からないことが大きく影響していると思います。
汚れてはいけないので試乗ではなく
押し歩いた感想です。
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年末に車体搬入いただき
着手してから2か月近くかかりましたのは
チタン材の切断にシャーリングやレーザー加工外注と、溶接治具、プレス成型治具など整えてからの製作によるもので、
外注や治具製作には図面作成(紙と鉛筆で)など、アナログ的作業満載のハンドメイドであることによります。

外注品の待ち時間にはバックオーダーの仕事を進めているので業務は滞りなく続いていきます。

KTMエンジン始動不良で練習用バイクを失ってるうちに
暖かくなったら桶川スポーツランドへ乗りに行くNSR50を整備しておこうと思います。
去年最後に乗った感じで、サスの性能が低いことが分かりダンピング・フォースを高めようと思います。
桶川の新レイアウト、2コーナー手前まで全開で入りたいのですが、緩いバンプでサスが底づきして
恐ろしいので安心して走れるようにしたいのです。

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まずはフロントフォーク

スプリングも換えたいですが
今回はインナーパイプのオリフィス径を
変更します。

ノーマルの原付1種用なのでサーキット走行に耐えられる性能ではありません。






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これは標準状態

フォークオイルは重力でボトムケースに溜まっていて、インナー下側の穴を抜けて
ピストン下側に満たされた状態です。

フォークインナーが圧縮方向に下がってくると同時にフォークオイルも圧縮されていきます。
そしてフォークインナーが上方に伸びて行き
ピストン下のオイルがオリフィスを通過して減衰力を生むわけですが
そのオリフィスを溶接で埋めて小さい穴に空け直すのです。

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φ2.8のオリフィスをφ2.0に変更しました。

穴位置ボトムからの距離は同じです。

これでオイル通過の抵抗が増えるので
サスのふわ付きが軽減されるはず。

本当は固いバネ入れたいですが、今回はこれで様子見です。

油面は10mm上げてエアーボリュームは減らしておきます。
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次はリヤショックです。

ノーマルは減衰調整付きですが
調整しても変わらないという代物です。

伸び側、締めてもロッドのスピード変わらなかったら調整付きの意味ないですからね。







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このショックの問題点は
ニードル先端の形状によるものだそうです。

写真のニードルは加工後のもの

ノーマルは先端部分の形状不良で
オイル通路を適正に絞れてなかったようです。






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ロッドCOMP組みあがったので
ショックオイル入れてダンパー組み立てします。

ホース付きはリザーバー一体式より組み立て難いです。









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ショック組み立て完了

窒素封入ですが
指定圧20kg/mm2ということで高圧です。


さてどんな乗り味になっているか楽しみです。







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桶川は関東ロードミニで大盛況なので
比較的空いている平日がテスト走行には狙い目でしょう。





KTMの部品待ちで乗れない休日に
ロードバイク整備でしたが
いよいよ国産モトクロッサー導入に動き出しているのでした。ムフフ・・・
















チタンφ100×450ツインマフラーの続きです。

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ジョイントパイプの部分です。

φ54のチタンパイプR曲げ4本

丁度良い長さで切断して接合します。
前側の差し込みはφ52なので
φ50.8から拡管して作りました。

溶接はパイプ両端を密閉して
アルゴンを充填して行います。






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エンドパイプは斜めに切断したピースを接合するため
ポジショナーの回転軸に対して接合面が水平に回るように治具を作りました。
接合面の水平とセンターが容易に合わせられます。

これで一回転連続して溶接できます。
溶接を止めたところにブローホールが出来るのを避ける目的です。




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溶接完了です。
ジョイントパイプは炙りの焼け跡を消すため
ヘアラインに磨いておきました。

パイプエンドはキャップに溶接するので、まだ磨きません。








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パイプの曲げは完了しているので
マフラーのレイアウトはこのとおりです。

この位置でマウントステーの寸法を決めます。

前後キャップとインナーパイプを作ればマフラーの加工は終わりです。
その他部品はレーザー加工外注なので上がってきたら
一気に組み立てます。

(株)カワサキモータースジャパン、衝撃の女性代表取締役社長・桐野英子氏就任
東京外国語大学出身ながらカワサキのフラッグシップ・モデルH2SXや市販モトクロッサーKX250F、450Fのデザインにも関わった敏腕技術者で、その才覚はフランスカワサキ駐在時代から発揮され、そのマーケティング能力により大型ネイキッドモデルZ1000のラインナップを提唱し、欧州での大ヒットに繋げた実績を持つという同社長。
国内2輪販売会社の女性トップとして唯一、そんな桐野社長率いる新装カワサキプラザ店へ顧客として行くことになりました。
町のオートバイ店は自転車や原付を扱いながら大型2輪も時々販売みたいなイメージでしたが
近年の自動2輪車の高品質高機能化でメーカーのレクチャーを受けた整備士が常駐していないと、あらゆるサービスに対応し難いという背景があるのでしょう。
4輪だとホンダ車はホンダカーズ、トヨタ車はトヨペットで専門的に扱うのと同様、
ホンダはドリーム店、カワサキはプラザ店という事業形態が時代の流れとなっているようです。

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都内某所 カワサキプラザ店にお邪魔しております。

大通りに面した、ゆったりとしたショールームと商談コーナー。

なかなか用事もなくこのような立派な店舗に入ることがタメラワれるのですが
ここの旧店舗で購入したバイクの法定点検の案内が届いたので、新店舗に来店する良い機会と捉え、朝から高速道路走ってやってきました。

カワサキのニューモデルばかり250から1000ccまでディスプレイされた店内。
在庫や預かり車、整備工場は地下の広々としたスペースに置かれ、整備中の車両のモニターはこのフロアから確認できます。
開店直後なので僕が貸し切りのフロアで展示車をなめ回してきました。

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ネオクラシック・Z900RS

ツートンのシングルステッチのシートがオシャレな、Z1らしいティアドロップ型タンク。

初代Z1は4本マフラーが迫力のスタイルでしたが新型は標準の集合マフラー。
カスタムの必要が無いよう最初からカフェレーサースタイルにしたのでしょう。
ビキニカウルも後付けすることがありません。

現行のカワサキ車で一番乗ってみたいのはこれです。


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H2SX、ムムーでかいな。
ちょっと乗りたくないかな。
スーパーチャージド・リッターバイクって
どんなだろうとは思いますが
乗る場所は選ばないと、楽しめないではないでしょうか。

とにかくスペックで選ぶならこれ以上はないと思います。






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廉価盤の(失礼)Z900ですか

最近流行りのネイキッド・スタイル
Z1とは違う設計のエンジンみたいですね。
現代の大型バイクの主流みたいな位置付けかもしれません。

サーキット走行意識したフルカウルモデルからするとかなり低めな価格で走りは十分速い、世界的に人気がある所以でしょう。





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待望?の250cc4気筒 ZX25R

インプレッション動画などでは高評価の
マルチエンジン250ですが
車検のいらない4気筒モデルは魅力ですね。
魅惑の20000rpmも体感してみたいし
大型乗るのやめたらこれに行きつくかもしれないダークホース的存在です。







さて法定点検ですが36か月点検ではがきが来ておりましたが、去年の車検時に自分で点検してユーザー車検したので、12か月に変更です。
法定点検実施してないと故障したときにメーカーの保障が受けられませんと書かれていたので、一応
ユーザーの権利は守っておこうということで、頼むことにしました。
点検費用はアルパインスターのモトクロスブーツが買えるくらいと申しておきましょう。
1週間後引き取りにくるので、電車に乗って帰りました。

大型2輪は日本の道路では必要ない。そういうことを言う人が多いですが、2通りの考え方に基づいていると考えられます。
一つは大型2輪で一般道を走ったことない人。(僕もその中の一人でした)高額な車両価格、使用目的に対して使い勝手の悪い大きさや重さ、不要な馬力。所有する理由が見当たりませんね。

もう一つは以前大型2輪所有して乗っていたが、手放して中型か小型車両に乗り換えた人。
これは実体験から明確な不要論が湧いてきて、経済的にも実走行においても扱いやすい方が満足感を得られると感じたでしょう。

僕は両方の考え方を理解した上で、体験してないことは無知と同じということですから、体験してから次のステップを踏むことにしたのです。
ZX10Rは高速道路で150km/h走行時、6速6500rpmですから13000rpmで300km/hに達するバイクですが、一般道で走る場合は別の性能を体感することになります。
250や400はいっぱい乗っていましたから、その排気量では無理なことが分かっているんですが、
田舎国道では高齢者なのか、ノロノロ運転の後ろに何台もクルマが連なって付き合わされることがあります。
直線が十分に長く対向車や道路脇の歩行者などがいないことを完全に確認できれば追い越しを掛けることが可能ですが、殆どの場合はその先にカーブがあって対向車を確認することはできません。
複数の車両を追い抜き中に対向車が現れたら元の車線に戻れないので、急ブレーキで回避ということに
なってしまいます。

ところがリッターSSの加速は短い区間で瞬時に追い越しが完了できるので、ノロノロ運転に付き合うことなく一瞬で抜き去るので、安全です。加速の悪いバイクでは、追い越し完了しないうちに対向車が現れて元の車線に戻ることになるでしょう。
そういうシーンが現れる度に、このバイクでよかったと実感するのです。
ハンドル切れ角の少ないセパハンなので市街地での乗り難さはトップクラスだと思いますが、それを相殺する喜びが味わえます。

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ここも行ったことなかった高知城
木造現存12天守のうち4つが四国には存在するのです。

初代築城主は長曾我部元親ですが
長曾我部は四国征伐で、僕の郷土妙口村の領主黒川氏を滅ぼした宿敵。
滅ばされた黒川氏の神社は実家の氏神石土神社に祀られていますが
ここは滅ぼした側の城ということで時代を超えて感慨深い気持ちです。

最初の高知城は河智城と名付けたほど、二つの河に囲まれた中州に立地したため
度重なる水害に嫌気がさして長曾我部はこの城を放棄して別の場所に城を築いたそうです。その後関ケ原での功績により山之内一豊が徳川家康から二十四万石の禄高を得て河智に移り
現在の石垣や天守は山之内の時代に建造されたものだそうです。

初めての高知市街で慣れない上に高知城の駐車場に入ると係員が「2輪はお預かりしてないんですよねー」と追い出そうとしました。駐車場ガラガラに空いているのに停めさせないという理由を聞いても無駄だろうと思って「どこに行けば停められますか」と尋ねたら「県庁に行って聞いてください」と言う。
行政の2輪に対する不条理な対応を経験しました。
付近をグルグルと走り回って、問題なさそうな公園内に押して入って置かせてもらいました。
そんなことしているうちに夕闇が迫ってきます。
天守に入るのは別の機会にして外観だけ鑑賞して帰路に付きたいと思います。

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多分愛媛県への最短ルート、いの町からR194を走って寒風山トンネル経由で西条市へ出る峠道です。
8月にキャラバンで逆ルートで走ったことがあり、2輪で走りたい、イイ道だと思っていました。

しかし日が暮れた四国山地の真ん中を走る国道はヘッドライトの明かり以外は漆黒の闇
カーブの向うは全く見えない恐怖感と
強風と気温4℃の寒さで快適とは言えない
ドライブになりました。

そんな闇夜の峠にひと際明るいラーメン店が見えたので、ここまで何も食べてなかったせいもあり、即効で立ち寄りました。
実は誰かのモトブログ見て知っていた店名「自由軒」ここだったのですね。願ってもない展開。
豚骨でも魚介でもない、鶏がらと野菜のスープなのかわかりませんが、他県では食べたことないアッサリ系、麺のゆで加減も申し分ない中細めん、厚切りのチャーシュー。
毎回通って全メニュー制覇したい美味しさでした。
これで、寒い峠道も最後まで走破できそうです。

いの町最後のGSで給油してから小松町の実家まで83.5km、高知県は近い。
本日の走行距離471.9km乗ったなー。

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実家に10R

こんな日が来ようとは、学生時代には予想できませんでした。

これからキャラバンに積み込んで埼玉へ出発です。







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折角なので香川県に寄り道して帰ります。

善通寺ICで降りて丸亀城を目指そうと思いましたが、琴弾公園の標識を見つけ

銭形砂絵見てきました。
標高200mくらいの琴弾八幡宮の山から見える寛永通宝の砂絵です。
気分のいい場所です。






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そして丸亀城

要塞のような高い石垣の上に見える天守は
木造現存天守の一つです。

外堀を渡って一の門から入場します。









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圧巻の高さと美しい石垣は日本一を誇るものです。

当時の石切職人と土木技術の高さに驚愕です。

トラックやクレーンがあったとしても難工事だと思いますが、全て人力によるものと考えると昔の人の耐力や技術は現代人をはるかに凌ぐのではないかと思って疑いません。



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別名鷹城

3階建ての天守は日本最小だとか。
石垣のスケールからすると意外ですが
この一の丸を囲む櫓と回廊が繋がっていたのですが明治のは廃城令で取り壊され天守部分だけ保存された形です。

丸亀市で最も高い場所なので讃岐平野の全貌が一の丸から見れます。
天守の西側に今治造船、東側に瀬戸大橋が見える眺望もここの魅力です。

この後は高松駅に移動して、思い出の高松港で散策しました。
初めて四国を出たのが小学3年、宇高連絡船で宇野へ渡り電車で大阪へ、EXPO'70行きました。
連絡船で初めて飲んだコーラ、いろんな初体験へ出発の場所、高松港。
新居浜のバイク仲間たちと小豆島ツーリング行って上陸10分でクラッシュして初めて救急車乗ったのもいい経験。高専卒業してから同級生と再び訪れた小豆島行フェリーも高松発です。
予讃線の終点と琴電の始発、駅の隣は高松城跡のある玉藻公園。
むちゃくちゃイイ場所に後ろ髪を引かれる思いで時間に限りがあるので、今度こそ埼玉へ出発しました。

毎年11月になると、地元の農家さんから年貢のお米を貰いに愛媛の実家へ帰ります。
しかし、10月にMX四国選に合わせて帰ったばかりで、草刈りは大体やってあります。
なので、今までやってないことをやりに帰ることにします。
業務も3か月分溜まっていますが、体が動ける時間が無くなってしまう前に行くべきだと思います。

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金曜夜移動で、グリーンパーク弘楽園の
全日本MX最終戦観戦です。

ここは15年くらい来ていません。
前回は誰かのメカニックで付いてきたので
個人的に来るのは初めてです。

今年も埼玉県の国際A級、B級ライダーの
フレームやマフラーの亀裂修理などすることがあって
実際の走りも見て、どのような負荷で壊れるか考察のため見ておこうと思いました。

リザルトや動画など見ても、起こっていることの大部分はわかりません。
実際に現地で見るのが最善の方法です。

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宿泊の予約などするのが面倒で、車中泊しましたが、夜中から朝の気温がマイナス4℃
ここは高原であることを思い知りました。

夜明けのコースは霜で真っ白です。
凍結した部分もあるでしょう。
朝の公式練習は嫌でしょうね。

だけど、夜明けとともにランニングに出かける選手の姿をみて、体を目覚めさせて怪我の防止に努める、当該選手が決勝でトップを走る姿も確認できたり、ここへ来たから見れたこともありました。

レースのレポートなどここでツラツラと書く気もありませんが、全ヒート確かに見届けました。
弘楽園に寄り道した理由は、尾道からしまなみ海道を渡れば愛媛県は直ぐ近くだからです。
最終レース見てから出発しても、夕方6時に実家に到着していました。
今度から弘楽園のレース日程に合わせて帰省してもいいかなと思います。

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今までやってなかったこと
それは四国ツーリングです。

関東人がフェリーで四国来てツーリングする動画がたくさん上げられているのを見て
生まれも育ちも愛媛県の僕が四国の道をオートバイで走ってないなんて、オカシイでしょう。
58歳にして初めて実行です。

なのでカワサキ10R、トランポしてきました。

自宅ガレージにこいつを下ろすことになろうとは夢にも思いませんでした。


ときどきTVやネットのニュースで、「2輪車で死亡事故」という記事を見かけます。死亡事故の件数でいうと4輪の方が圧倒的に多いはずです。それは免許人口が多いから当たり前のことですが
2輪の事故をクローズアップする意図は、その状況や原因の分析もないまま書かれているので
2輪の経験に乏しい記者が、印象と偏見で2輪は危険だと言いたいでしょう。
しかし、重量やサイズの大きい4輪の方が事故が起きたときの破壊力が圧倒的に大きいことは素人でもわかることです。
そして2輪は加害になるパターンより乗員だけがダメージを負う可能性が高いと言えます。
強固なボディに守られた4輪ドライバーより、衝突したら完全にアウトの2輪で安全と危険という相反する要素をコントロールしながらライディングの経験を積む、ということが僕のツーリングの目的です。

四国の道は2輪にとって好都合な要素が非常に多いと感じたから、この場所を選びました。
見通しのよい直線路を走っているだけでは、あまりスキルアップはないでしょう。
快適さを求めるなら圧倒的に4輪に乗ることを選ぶでしょう。
暑さ、寒さ、強烈な風圧、荒れた路面による外乱・・・全部4輪では味わえない体感ですが無事に走り終えた満足感は完全に2輪が上です。
そして今日も無事故で無事に家に帰るぞという、心構えが4輪に乗るときと比較にならない緊張感であることをお伝えしたいです。

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初日は長距離移動で疲れているので
10Rに乗って地元の巡回コースを流してみます。

今治造船西条工場の巨大クレーン。
建造中の大型船はフェンスに遮られて撮影しにくいので
その圧巻の姿は現地に行くしか見れません。

大型船の部品一個だけでも20mくらいのサイズなので重量も100トン以上になるでしょう。そんな巨大な鉄でできた部品を運ぶ姿が見れる、この場所に毎回立ち寄っています。

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母校の新居浜高専正門に停めて撮影です。

正面の校舎は機械科棟
元愛媛大学工学部の校舎だったそうです。

僕は新居浜高専の16期生として金属工学科(現在は材料工学科)に入学しました。
すなわち国立高等専門学校の制度が出来たのは昭和38年。
僕が生まれた年が創立の学校です。

あのころは何も知らないくせに希望に胸を膨らませていた学生でした。
あ、自慢じゃないですけど最初の中間テストは1位でしたが、そのあと全然勉強しなくて
ギリギリ単位取れてた感じでした。
「めちゃくちゃ成績が悪い学生が本田技研に就職した」と教授が言いふらしていることを最近知りました。
何十年も覚えてくれててありがとう!

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学生時代、学友とバイクで乗り付けては語らっていた思い出の店。
去年マスターの英治さんと40年ぶりに再会したので、今度またカフェレーサーしに来ようと思っていたのに・・・

今日は月曜日、定休は木曜のはず。
マスターも70代、何があってもおかしくない年齢。

いつでも寄れると思っていたのに、いつかは叶わなくなる時が来るのだなと思いました。



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翌日は畑の草刈り、夕方家に帰ってツーリングの支度です。

初めて使うヒーターグローブの調子は昨日確認したので朝から出発。
最初の休憩地は室戸岬なので

小松ICから高速乗って徳島ICへ向かったのですが、路面ウエットじゃないかい。
しかも、瀬戸大橋と鳴門大橋は強風のため2輪通行止め。
強風に煽られながらウエット路面の高速道路、最初から試練を与えてくれるな。

徳島ICおりてR11⇒R55経由で太平洋側を走っていきます。ていうかこれしか道路がない。
地形の関係で民家も交差点も信号もない。おまけに交通量も全く少ない。
自分だけのロードが延々と50km以上続く道。ここを2輪で走らないでどうする。
タイトでない見通しのよいワインディングが続くが初めて通るわけだから油断は禁物。

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昼前に室戸岬到着。

地元だったら毎週来そうな快適な道路と景色。

今日の行程はこの辺が中間地点です。
夜までに帰りたいから飯も食わずに走り続けます。







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10月にキャラバンで帰りながら寄ったのですが夕暮れで暗かったですから
展望台上って明るい景色を撮っておきます。

いい天気、風もこのころは穏やかになって走りやすいです。
12月1日ですが暖かいのでヒーターグローブの電線を外しました。

これから高知市街へ向かいます。




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高知市街に入るといきなり都会になって交通量が多くなります。
信号の交差点もいっぱいですから
僕のようなスモール・マンは難しくなります。
停車するときに細心の注意を払います。
シート高830mmに対して僕の股下寸法は700mm。
それも真っすぐ立っての寸法ですから
シート幅の広いリッターSSですから足を開いた状態ではさらに足らなくなります。
そのため、腰をずらしてつま先がバレリーナ状態で車重200kgを支えなくてはなりません。

ここは普段シート高980mmのモトクロッサーに乗った経験が活かされてきます。
シートが高く十分に足が付かなくても立ちごけしないための極意は、
スタンディング・スティルでバイクの直立を保って停車することによって、軽い力でバイクを支えることが可能になります。
もしバランスを崩してバイクを傾けてしまったら、大きくハングオンして片足べったり付ければ、立ちごけすることはありません。ただし、停車してから足を出すまでの短時間でバランスと体重移動を決めないと危険になるので、停車する数秒前に停車する位置の路面状況を把握しておく必要があります。
舗装路だけど路面は平坦じゃないからです。なるべくタイヤ接地面より足を着く位置が高くなった場所へ進入して止めるのです。
地面が下がっている方には絶対足を出しません。もし、右側の路面が低い場合はギヤをローに入れたまま停車して左足を着いて信号が変わるのを待ちます。
体格のハンディを乗り方でカバーするのです。
よく2輪の交通事故の記事に対するコメントに「足が十分に届かない車両に乗るな」とか「日本の道路には400cc以上は必要ない」とか書かれています。
フーン、それは僕に対してコメントしているのかな、と感じられますが
最初から上手く乗れた人間はいないはず、少なくとも練習してない人や注意力の無い人が2輪を運転したときに危険な状態になると思います。
人は体格も能力も同じじゃない、だから出来るようになる努力をすることに反論があるならお聞きしたいですね。僕は僕のやり方で、先生も教科書もありません。



還暦前のオールド・ライダーですが、モトクロス歴40年がミニバイクも乗ったことないようでは本当のバイク乗りと言えないのでは、と思ってやり始めたのが2019年。
その年に入手したNSR50でしたが、シェイクダウンの日に転倒してガソリンタンクを潰してしまい、面倒なので修理を先伸ばしにしていたら、パンデミックが起こり2020年は一回もサーキットへ行くことはありませんでした。
そして2021年、1度しか乗ってないNSRをせめて可動状態にしておくべきだと考え、ガソリンタンクの修理に着手。ところが切開したタンクは全面パテ盛りの板金不能タンクということが判明、いっそのこと
修理しやすく、錆の心配もないアルミタンクにして済ませようとしてタンク新造。
NSR購入時から計画していたチャンバーも作って、ダイノジェット計測もしました。
転倒してから2年の歳月が流れましたから、そろそろ行かなきゃいかんだろう。ということで

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行ってきました桶川スポーツランド

隣はマン島TTライダーの山中選手。
前々から練習ご一緒する約束をしていたのが、ようやく実現です。
全日本ロードレースも現役で、鈴鹿8耐は毎回出場できる速さを持っています。

サーキット初心者の私からすると雲の上の人なんですが
私の走りを見ながらアドバイスをいただいたので割と早期にレベルアップできるんじゃないかと期待しておりますが

今日最初にコースインしたときは自分でも恐ろしいくらいにバイクに乗れなくて、モトクロス40年の経験など何の役にも立ってないと痛感しました。
これは全く別のカテゴリーへの挑戦と開き直って取り組んでいく所存であります。

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オフロード専門の人は、おそらく舗装路のサーキットが簡単なんだろうと思うかもしれません。

もし普段からロードバイク乗った経験がないとしたら、経験したことのないスピードレンジで、転倒したらただ事ですまない感じがする
サーキットに戸惑うに違いありません。

ミニサーキットでさえ難しいですから、国際規格のサーキットがどれほどのものか、想像がつきません。
実は本田技研のライダー訓練で鈴鹿サーキットは走らされたことがありますが、恐怖でしかなかった記憶があります。(スピード出すことに向いてないんでしょう)
だからミニサーキットも満足に走れないようでは一般道や峠道で攻めることが危険行為の何物でもないと思って、舗装路のテクニックを身につけておこうという目的の練習です。

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ここは排気量やクラス別で3つのコース設定が決められているのですが
ミニバイクはミドルコースという設定で
メインストレートから最初の左ターンを第1コーナーとするレイアウト。
上級枠の基準タイムが45秒以下。
今日の私は頑張っても52秒代・・・
あと7秒も短縮することは不可能のように思えますが、まだ2回目のサーキット走行なので、どこまで詰められるかが、これからの頑張りに掛かっていると思います。

しかし、今日も午前中最終枠でスリップダウン。12インチのスリックタイヤは滑りだすと止められない感じであっけなく転倒します。
まあ攻めようとして失敗していることなので
乗り方を分析して、次回の走行で試そうと思っています。
それじゃ、これからはオン・アンド・オフで老化防止ライディングしていきます。

猛暑日に皮ツナギ着てサーキット走る気力がないので、1年間放置していたNSR50を可動状態にしておこうと重い腰をあげることにしました。
もっとやることあるから時間が取れないということが正直なところ、いつまでも着手しなかったら永遠にストップするなと思って、他の作業を投げうって、中古NSR入手時から計画していたチャンバー製作です。

中古車にはメーカー不詳の社外チャンバーが付いており、ノーマルチャンバーは前オーナーが部品売却したか知りませんが付属してなかったのです。
一応中古の後期型ノーマルチャンバーを入手してノーマルマシンでの試運転は果たしました。
しかし、初日で転倒してしまい、ハンドルやタンクの修理(アルミタンク製作)で走行可能にしたつもりでした。

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50用のチャンバーは経験がなく、どんなパワー特性が得られるか
ダイノジェット計測でノーマルチャンバーと比較してみたいと思います。

我社から徒歩3分のモトグラッドさんへ押してきました。
トランポ必要ない便利さです。

これからノーマルとニューチャンバーとそれぞれのパワーチェックして比較します。



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暖気運転しますが、ノーマルラジエターなのに中々水温上がりません。

5分くらいレーシングさせて60℃超えてから計測スタートです。

モトグラッドのK店長、50ccのパワーチェックは初めてだそうで、パワー掴むまで何回もトライするのですが
実はキャブレターが不調であることが、この時点で判明しました。

一時的に解消していたオーバーフローが
再発してきました。
タンク外してキャブばらして、フロートバルブ動作確認したりすること数回、気まぐれなキャブレターの機嫌が直った瞬間に、なんとか計測できましたが、高回転でアクセル煽っても付いてこない症状で満足ではありませんが、今日は補修パーツも無いのでこのまま突っ走りました。

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キャブセッティングはオーバーホールしてからにします。

現状のパワーチェック、ノーマルと新チャンバーの数値を重ねたグラフになります。

ノーマルNSRのスペックは
最高出力7.2ps/10000rpm
最大トルク0.65kgm/7500rpm

計測データは
ノーマル(緑)7.2ps
新チャンバー(青、赤)8.7ps

最大トルク
ノーマル0.6kgm
新チャンバー0.7kgm
ノーマルはカタログ数値どおりの結果であること、新チャンバーは馬力、トルク共にノーマルを上回っていること、
特に10000回転付近でノーマルは出力低下していくのに新チャンバーは少し落ち込んでから
12000回転でピークパワーが復活してくることが判りました。
パワーの谷間の改善は後でトライしてみますが、サーキット走行には新チャンバーが有利な結果であることは間違いないでしょう。



オイ!いつ乗りに行くんじゃ。
2輪部品は作りませんが、(メーカー純正でないと危険なので)組み立て治具や整備スタンドのようなものは自作で十分事足りると思っているのでオリジナル製作したものを使うポリシーであります。

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NSR50用のレーシングスタンドをお客さんが見つけて「いくらでできますか」と聞かれたので
「1万円くらいでいいんじゃない」
と適当に言ってしまったら
「作ってください」
と即決な感じだったので
「2輪用品店にいけば幾らでもうってますよ、
買ってきた方が早いですよ」
このように説得しようとしたんですが
「ジャストフィットのものがない、買ってきても加工しないと使えないので専用品を作っていただきたい」

なるほど既製品で満足しない理由があるのだなと思い、納期未定で作ることになりました。
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専用設計の理由は17インチホイール用ですがリヤフォークのスタンドアップ用に溶接されたカラーの位置が特殊で、既製品では使えないだろうという点です。

サイドスタンドしか装備されておらず、ダウンチャンバー仕様とアンダーカウル付きなのでジャッキアップも迅速でないです。

コスト削減のためパイプの加工は最小限度に難解なパイプ曲げ一切なしのシンプル設計です。



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ローラーはホームセンターで売っている
キャスターから金具を外したものです。

スムーズに動きます。

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スタンド解除用のグリップです。
50×25の角パイプを切って溶接しました。

この斜めカットで繋ぐ角度でリヤフォーク
外幅に収める必要がありますので正確さが要求される部分です。(目見当ですがね)


実際に作ってみて、材料代と加工時間で
1万円では時給300円くらいになってしまうので、口約束より割り増しでいただきました。
中々大変です。
近年多くのモトブロガーが四国ツーリングの動画を上げておられます。
中でも関東のライダーが四国を目指すとき、移動手段は二つしかない、というのがありました。
一つはフェリーによる運搬、東日本フェリー(有明ー徳島)に乗っていく
もう一つは高速道路を自走で行くというものです。(もちろん往復で)
もっと簡単な移動手段あるのに、というかレーサー運搬するのが当たり前の私らからすると、どちらもかったるくてやらない方法だなー。

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愛媛の実家へ帰るついでにキャラバンに積んでいけばいいだけです。

しかしリッターSSを荷台の高いキャラバンに押し上げるのは不可能です。
エンジンかけて上がるのですが
駆動力でラダーがずれたり
ラインが偏って脱輪などということになったら大惨事なので
自分なりに安全な方法を考えました。

荷台に上がるときに右手が届かなくなるので、足場板が必須です。
ラダーは車高が低くても擦らない、後半がフラットになるタイプを選びました。

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ラダーも足場板も、ずれたら脱輪、転落の可能性があるので
動かないようにクランプをボルトで固定しました。

モトブログの積み込みシーンを見たことありますが
ラダーをタイダウンで車両に引っかけて、駆動力で後ろに外れるのを防止すると説明されています。

その方法だと横方向に踏ん張ってズレることが考えられるので、クランプで完全固定しました。
これで走行ラインを外さないかぎり失敗はないと思います。

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エンジンかけてアクセル吹かしながら
半クラッチでスピードを調節します。

車重があるので横のバランスに注意しながら一気に上がります。
スピードは速めの方がバランスを崩さないでしょう。







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ここまで入れば安心なので
クラッチを切って減速します。

まあ、簡単ですね。
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下ろすときの方がバランスに気を使います。

スピードが遅いのでふらつくんですね。

大体感覚つかめたので、もう大丈夫でしょう。








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新入社員のころ鈴鹿サーキットの駐車場でCB750Fのレーサー積んだハイエースを見て、俺もやりてえ、と思って38年も経ってしまいました。

年柄、レースは考えてないですが
サーキットには行けるな。
今後の予定はサーキット講習会行ってファミリーバイクの枠でスポーツ走行がよろしいではないでしょうか。

そのまえに四国行って、高知県の太平洋側を走破したいです。

一昨年、桶川SLで転倒して後続車に轢かれ、潰れていたガソリンタンクを修理するはずが、
今まで放置してしまいました。

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ノーマルタンクのアッパーとロアーに分解して凹みを叩き出しました。

塗装を剥離しようとしたら、全面パテ盛りで
全体がデコボコであることが判明しました。

オリジナル塗装でない中古タンクは
このような修理がされている疑いがあります。
これでは凹んだままの方が価値があると思います。パテ盛りされた鉄板は板金できませんからね。


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こんな分厚いパテが剥がれ落ちるのです。

二度と凹ませないタンクならいいですが
常に転倒リスクのあるサーキット走行ですから、こんなタンク使えませんね。





NSRのタンクはジャンク品でも高額で取引されています。
どうせこんなタンクを買うくらいなら、アルミで作ってしまえという今回の企画です。

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ノーマル形状にこだわっていませんので
単純な方法で作りました。

車体に問題なく取りついてガソリンが漏れなければいいだけの要件です。










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ウラ側はこんな感じです。

ラジエターキャップとキャブレターのワイヤーを逃がす凹み加工が施されています。

燃料コックのパイプはノーマルから切り取ってボルト止めにしました。







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コックの位置決めが難しくて
フレームギリギリなので、取り付け角度など
苦心しましたが
問題なくキャブレターとの接続も完了しました。

リザーブ付きのコックなんですが
フィルターの状態が悪くONではガソリンの落ちが悪いことが判明、
フィルターを外して、RES専用にしました。

ガソリン容量9L入りますのでサーキット走行に差し支えないと思います。


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ガソリンタンクが付いたおかげで
一年半ぶりにエンジン始動できました。

チョコチョコ手を入れながら、サーキット練習していく予定でおります。


オフロードの乗り方が染みついていてオンロードが上手く乗れませんので、サーキット走行で矯正したいと思います。
今年59歳になってしまったので、競争目的ではありません。どうせ下手だし、誰かに勝たなければならない理由がないですからね。
公道で安全に攻められるように運転技術の習得が目的で、誤解のないように、危険運転にならないようまずはミニバイク
からということです。
上毛三山の一つ、去年の今頃は榛名山へ行ってきましたが、今回は妙義山です。
2車線の、快適とは言えないバンピーな路面の峠でした。
特に上り車線は崖側なんで、ガードレールしかないアウト側の景色にビビリながらワインディング楽しんできました。

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群馬県下仁田町にある奇岩がそびえ立つ絶景の山です。

週末は行楽のクルマが多いので平日の天気がいい日を狙って出発します。

うちからは片道90kmくらいの距離なので
愛車ZX10Rでも満タンでギリギリ往復できました。
トリップ180km地点で給油ランプついたので鳩山あたりでガソリン入れて帰りました。




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目的地は中之嶽神社。
巨大な岩柱の根本に本殿を構えた珍しい
立地の神殿です。

まさに山岳信仰を形にしたような場所です。

皮ツナギにレーシングシューズのいでたち
だったので石段上りは遠慮しておきました。
(罰当たりの私めをお許し給え)






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実は去年あつらえた皮ツナギと、ロードブーツの慣らしも目的の一つでしたが
プロテクション効果の高い牛皮ですから
普通のズボンより足があがりません。

テールカウルより足を上げるのに全力で
又を広げる必要があるので
乗車する度に体力を消耗します。

帰り路の信号で止まる度に立ちごけしそうなくらい疲れてしまいました。

2度と皮ツナギでツーリングはするまいと思いました。


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お誘いしたモトクロスの先輩とランデブー走行でした。

コーナーでは先輩の走り慣れた峠なんで負けますが
長い直線をみつけては200馬力の加速で引き離すの繰り返しで楽しみました。

バンピーな路面で車重200キロもあるものを寝かせていくことは危険行為以外のなにものでもありません。
(おそらく攻めていたらコケて崖下転落するでしょう)
自制心とスポーツ領域のバランスを取ってサイティングラップでもするように走ります。

大型バイクを購入した人の中に、時速300キロも出せる場所ないから必要ない、ということを言われることがあります。
その言葉に間違いはないですが、リッター200馬力や時速300キロは、そのバイクの最大能力を表す数値であって、それを使いきらなければならないという意味ではないと思います。
貯金1億円あったとしても全部使い切らなければならないと考える人はいないと思います。
持てるものは多くて困ることはないです。それを持った人が必要に応じて使えばよいだけなので
それは、サーキット走行であってもツーリングであっても、どのように使おうが違法でないかぎり、所有者の勝手なのであります。
酒もタバコもやらない、質素な暮らし、他に娯楽をもたないオートバイだけが楽しみで仕方ないです。

また天気のよい平日、思い立ったら発進します。

アルミタンク作りはあまり経験が無くて、創業以来10個足らずだと思います。
セローは一回やったことありますが、シートとサイドカバーに囲まれた限られたスペースで容量アップするのが困難だったくらいしか覚えていません。
だから頼まれても全然乗り気じゃなく、「かっこ悪くなりますよ」とか「あまり容量増えませんよ」などと
断り文句を並べたのですが、押し切られた感じで作ってみました。

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最終型のFIなのでフューエルポンプの大きなフランジを加工しました。

取り付け位置はここしかできないのですが
後で思わぬ見落としがあって
設計変更することになります。

滅多にやらないことなので、ノーミスは無理でした。
ていうか、知恵が足らないのですね。





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タンクキャップはノーマルが取りつくことが要件です。

メインキーでロックする必要がありますからね。

よしよし、これもOKだ。








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モデル製作なしで、型紙切って張りぼての製法で作ります。
いまのところこれ以上安価に作る方法がありません。

モデル製作したり、亜鉛型鋳造したりできるメーカーはありますから、予算に余裕がある人は専門メーカーに頼まれることをお勧めします。





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フューエルポンプの見落としとはこれです。

ポンプの高さが思ったより高く
タンクの天井につかえて、組みつけできなかったのです。

当たるところを切り開いて、装着時にどれだけ出っ張るか確認しました。

ここを膨らんだ形状の板で塞ぎます。





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やれやれ、こういうことが事前にわからんようだから素人は困りますね。












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装着確認

タンク単体の形状よりシートやサイドカバーのフィッティングに気を配っています。

ガソリン漏れが無いことは当然ですが
エンジン始動も確認したので、乗って帰れます。

ノーマルのタンク容量が8Lに対し、このタンクは13Lになりました。

平均燃費は35km/Lだそうなので
ノーマル満タンで東京出発すると静岡で給油しなければなりません。
13Lタンクなら京都まで無給油で行けることになります。
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ハンドルフルロックで、すき間ぎりぎりです。

これはファットバーにハンドルガードのクランプが付いているので、標準バーより厳しいですね。





これで任務完了ですかね。












世間は4連休ですが前半は雨のためどこにも行かず、タイヤ交換台を作ってみました。

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ホイール・ハブセンターにアクスルシャフトを差し込み、ホイールを保持する台です。

タイヤ交換は普通にタイヤレバーを使いますが、ビードに体重を乗せやすいので
床置きで交換するより圧倒的にやり易いです。

150と350でアクスル・シャフトサイズが
全部違うのでシャフト径に合わせたアダプターをセットしてホイールを安定させることができます。

床置きでやると腰が痛くなっていたのですが
これ使うと、腰が楽になりました。
連休後半は天気回復するのでモトクロス練習です。(健康増進)

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もちろん、仕事も進行しています。

W/Pシャフトのインペラを止めるネジが折れているので、シャフトを引張り出せません。

そこで抜き工具を作ってギヤを内側から押し出す方法を採ってみました。









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シャフト抜けました。
オイルシールとベアリングも一緒に抜けています。


これはインペラを止めるネジが根元で折れていたかと思いましたが
違いますね、シャフト先端にM6ネジがあったはずなんですが、中ではなく外側だったようです。

シャフトが硬くて、ネジ穴開けるのが困難でした。


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インペラをネジで固定できました。

次はポンプのハウジング加工すれば完了ですが
ちょっと面倒な加工なので、連休明けに
続きやります。


















この仕事では歴史的マシンに触れる機会があります。
77年から82年までカワサキが世界GP250/350ccクラスに参戦し、K・バリントンやA・マンクがチャンピオン獲得したころのマシン。
今回は5月ころ予約いただいていたチャンバーの部分改修で、順番が来ましたので持ってきていただいた、KR250のチャンバー前後(タンデム・ツインなので)とRケースカバーです。

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お客さんの了承を得て画像載せています。

車体は見てないですが、80年ころフランス・カワサキから世界GPエントリーしたKR250のチャンバー。

製作者は存命らしいですが、高齢のため
こちらに依頼が回ってきました。

フランス・カワサキから払い下げられたKRをプライベートのライダーが所有した間に改造されたテールパイプ部分を
オリジナル同様に戻す改修を行います。

フランスから東京のバイヤーが、このKRを輸入した後、現在のオーナーに渡ってきたと説明をしていただきました。

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実車見てないので、レーサーズVol.42から
車体の確認をします。

画像は神戸の川崎重工ミュージアムにある
展示車両と思われます。

画像からチャンバー形状が同一の物のようです。
ゼッケン1はK・バリントンのチャンピオンマシンですね。

お客さん所有のKRはフランス人ライダー
J・F・バルデが乗った車体らしいです。
バルデはA・マンクと共に活躍し、81年にシリーズランキング2位(チャンピオンはマンク)獲得した選手です。

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ついでに頼まれたウォーターポンプの修理です。

冷却水が入ったまま長期間保管されたためか
インペラがアルミナの堆積物で固着して動かなくなっていたのでした。

オーナーがアルミナを削って、インペラは取り出せたのですが、ハウジングは使用不可能です。




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インペラを固定するボルトは折れてシャフトの中に立て込んでいます。

シャフトを引張りださないと立て込んだネジ穴の修理ができません。

シャフトの抜き工具を作らなければなりません。


奥のギヤはタコメーターのケーブルを差し込むシャフトが入っています。



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ハウジングの損傷が激しいので
削り出しで新造した方が上手くいくと思います。

ちょっと時間の読めない作業なので
来週取り掛かりますが
それまで他の業務はできません。



一つ一つ進行です。















日曜日の朝3;00出発の予定なのに、ZX10Rのリヤタイヤのエアが1kg/cm?に落ちていました。
土曜日中にタイヤ交換しないと間に合わないので、在庫があると思われる川越2輪館へ買いにいきました。

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左は新車装着のRS10
ほぼスリックなので、ドライ路面のグリップに定評がありますが、ウエット路面は期待できないそうです。

右は今回装着のS22
トレッドのサイド寄りにグルーブが施され
セミウエットなら問題なく走れそうです。
これで天候を気にせず出かけられそうです。

もう2年経ったからフロントも同じパターンにしておこうかな。

タイヤサイズ190/55ZR17
価格¥36850(税込み)は2輪館で最も高額なタイヤでした。
これなら期待できそうだ。

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そもそもスロー・パンクの原因は
デーラーの試乗車だった10Rのリヤタイヤにボルトが刺さって修理してあったためです。
2年くらい漏れてなかったですが
この猛暑続きでノリが溶けてきたかもしれません。
こんなんじゃ不安なので速攻で取り換えです。


財布に優しくないリッターバイクです。




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治具には2000の文字が書かれています。

2000年に作った治具なので
20年も使い続けたことになります。

RMXのチャンバーは20年作り続けても
終わりません。
今月も複数のオーダーが入っています。

このようなことが予想できたでしょうか。





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20年前に製造された当時のお客さんと
今のお客さんでは世代交代していると思います。

それは、20年前新車で購入したお客さんと

最近中古車を手に入れたお客さんという意味で違う世代だと思うのです。

中には20年間維持した上でのリプレイスかもしれません。

いろいろな人生の中に関わっていく商品なのですね。

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需要があるうちが花だと思いますので
最後のご注文があるまで
この治具を使って作り続けていきたいと思います。


同様にCRM250RR DT200WR、KDX125SRと
同世代のラインナップがありますので
なかなか暇になることありません。



業務連絡、進捗状況説明のため、画像を載せています。(お客さん了承済み)

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ステンレス板を巻いて、パイプ溶接できました。

この形状を得るために新規に型作成したので、5日掛かりですが

サイレンサーまで作りますので
あと3日くらいですね。
新造はなかなか進まないのです。






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まだテールパイプもマウント・ステーも付いていません。

車体との位置関係を確認しています。
問題なければ月曜日からサイレンサー作り
始めます。



予約がたくさん控えていますので
早く完成させたい。

                   


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チャンバーのマウントステー装着と
サイレンサー製作完了しました。

車体が小さいので
KDX125SRのラインナップ品と比較して
車体が小さいため、テールパイプとサイレンサーが短くしてあります。
スペック絡みではないです。
サイレンサーエンドをタイヤエンドから突き出ないための寸法です。

排気の抵抗が若干下がるのではないでしょうか。


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これでフルエキ完成です。

ちょっと雨降ってきたので
後でエンジン掛けてみましょう。




           

 





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エンジンはノーマルのようですが
キャブレターはPWK30に交換されており
レイアウト上エアクリーナーは付けられないのでショートファンネルにステンメッシュのカバーという吸気系です。
オイルは分離給油なので
冷間始動は白煙がモウモウ出てきて
屋外でないと始動できません。

3分ほどブリッピングして白煙が消えてきたら暖気運転完了です。
後付けの水温計が役に立ちます。

騒音はトレールバイク並み、ステンレスの響きはありますが静かです。
走り出すと低速も普通にあるので
発進に神経は使いません。
KR150RRより低速域が扱い易い印象です。
チョットアクセル開けていくと中速からハッキリとパワーが立ち上がってくる。(KIPSの効果か)
そのままフラットに高速域まで吹けあがっていくので、乗り易く十分なパワー感じます。
12インチホイールなのでコーナリングは唐突な動きに気をつければ安全でしょう。

小さい車体で1クラス上の動力性能、そのままの感想です。
なんといっても、このユニークなスタイリング、面白いではないですか。












 

最近の改造車の傾向は125クラスの車体に250のエンジンを換装することが多いです。
今回はさらに小さい80クラスの車体に125のエンジンですから、補器類はかなり狭いスペースに
押し込まれることになります。

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エンジンマウントに苦心の跡が見られますが、言われなければ分からないくらい違和感のないKDX125エンジンに換装されています。

敢えて小さい車体に載せるメリットはなんでしょうか。フレームの剛性やサスペンション性能、バンク角など幾つかの犠牲はあると思いますが
レジャーバイクに一クラス上の動力性能。
これに尽きるではないでしょうか。
KDX125ノーマルより軽い車体に機動性というテーマだと思いますが
この車体専用のワンオフ・チャンバーが必要だったということです。

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お客さんの注文で、ステンレス製にすることにしました。

エキパイ部分をトレールバイクの型を流用してステンレス板の膨らましで製作しました。

小さい車体なのでパイプ前半で距離をかせいでおきたかったのです。







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パイプ後半の部分は形状を検討しなければなりません。

製作に必要な展開図を得るため
手計算で描いた図面に基づいて、鉄板でパイプの模型を作ってレイアウト検討します。

地上高が低いため極力フレームに近づけた
位置にしようと思います。

最近はPC上で展開ソフトを使って作図するみたいですが、僕は30年前から作っているので、紙と鉛筆があれば作図できますので
ソフトウエアいらないです。(時代遅れ)

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展開図作成できました。

これをステンレス板に罫書いて
板金ハサミで切り出し、手で巻いて作ります。

ステンレス板は鉄板より硬いので
切ったり巻いたりするのに2倍の労力を要しますので、製作費もスチール製の2倍ということにしています。

ワンオフの場合は型代別途一万円。




2018年11月購入のZX10Rもうちに来て1年半経ちました。
あまり乗ってない感じですが1000キロほど走りました。
行先は厳選していくので距離は伸びません。

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点検のためカウリング外しています。

全く不具合ないので
点検整備記録のため前後ホイール外して
ブレーキパッドの厚み測るくらいです。


あまり汚れてないオイルも交換です。
カワサキ純正推奨ですが
2輪館に売ってなかったので
今回はレプソル・モト・スポーツ入れておきました。





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このフェンダーレスはリフレクター無しなんで
多分不合格です。
ノーマルのリヤフェンダーに戻して検査受けます。

マフラーもノーマル、別に不服はないのですが、絶対コカすと思って、潰れてもいいように普段はバッタモンのマフラー付けて乗っています。

明日、車検予約してあるので不要不急の用事ではないので車検場へ乗っていきます。





さて翌日の午前中は12時まで工場で仕事して12時10分に自宅を出発です。
目的地は所沢車検場で、第3ラウンド予約なので昼過ぎでも間に合うはずです。
安全のため関越道で所沢ICまで行って浦所バイパス経由で20分でした。
距離は、このルートで27km。帰りは一般道で往復ちょうど50kmでしたから
高速の方が距離は4kmほど遠いのですね。(時間は半分ですが)

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事務所で重量税、自賠責払って、書類書いて、検査コースへ向かいます。

緊急事態でも車検のクルマが減るわけじゃないはずですが
割りと空いているので早く終わりそうです。









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はい、スムーズに合格して新しい車検証もらって帰ります。

帰りは急いでないので一般道です。
ストップ・アンド・ゴーが多いので210kgの車体を支える度に体力を奪われます。

ちんちくりんの小男がリッターSS乗るんですから、ひっくり返るのを恐れてか廻りのクルマも寄ってきません。
普段はシート高980mmのモトクロッサー乗っているので足届かないのは慣れているんです。
シートに座ったまま足出すと確実に転ぶので、足付く方に体重をずらして止まるので
大丈夫なんです。
左から右足に踏みかえるときもオーバーアクションで体ごと移動させる必要がありますから
信号待ちの多い一般道は、とにかく疲れます。
重量もあるし、加速も強力なので普通に乗っているだけで十分にスポーツです。
2時ころに自宅に着きましたが体が疲労でクタクタになっていましたので1時間休憩してから仕事再開です。
まあこんな距離感なんで、都内のバイク屋さんへ2往復(片道は電車移動)頼むより、所沢へ1往復で済みますので時間もお金も節約できます。

先日57歳の誕生日を迎えました。特に祝い事はありませんが自分流にやりたいことをやる日としております。平日だけど日曜日も働いたし休んでも構わんだろうということで
前々からいきたかった、漫画家「しげの秀一」氏の作品である頭文字(イニシャル)Dの舞台と思われる峠であります。
目的地は上毛三山(妙義、赤城、榛名)の一つ榛名山をスタート地点として、伊香保関所跡まで下る
峠ですが、劇中にでてくる実在の場所を楽しむことができます。

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榛名湖は山頂にある珍しい景色で
大昔火山であった火口湖ということであります。
この日暖かかったので防寒着無しで走ってこれましたが、高崎から登るルートで
最後に湖畔へ降りる下り坂に差し掛かると
山から染み出た水が路面を流れ
砂が撒かれています。
そうか寒い日は凍結するから滑り止めに砂を撒いているのでしょう。
リッターバイクにはアイスバーンの次に恐ろしい路面です。
開けれない、寝かせられない、止まれないの三重苦です。


こういう時はモトクロスの経験で、滑るところは転倒するより無難に乗り切った方が結果がよいという教訓に従い運転します。

しかし、コロナウイルス拡大の影響か観光地も閑散としていて売店や旅館など商売になってない感じです。この一件で日本経済は大打撃を被っていることでしょう。仕事できないから収入減で購買意欲もなくなるという負のスパイラルに陥っています。

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この駐車場が頭文字Dの劇中に出てくる
藤原巧がライバルと競争するスタート地点だと思います。

ここから伊香保まで下る一本道がバトルの舞台で、最初に現れる長い直線が気持ちよかったです。

路面はいいところもありますが、全体的に荒れていて、下りのヘアピンカーブが多いので
リスクが高いコースだと思います。
リッターバイクで攻めたら確実にガードレールにめり込むと思ったので、ゆっくりドライブを楽しんできました。

ここを楽しく攻めたい場合は小型で非力なエンジンのバイクの方が堪能できると思います。









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ここはギャラリーが集まっている場所。
峠の中間地点になるのですが

劇中で巧が内輪を溝に引っかけてコーナリングしていたという高速コーナーその場所だと思われます。
道路封鎖したからできる2車線たっぷり使ったコーナリング。
実写版も観ましたが芸術的走りでしたね。
2輪は危険すぎるので安全運転が一番だと思います。





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榛名富士をバックに

国立公園を散策するのもいいですが
メットホルダーも装備してないZX10R

ヘルメット抱えて歩き回るのが億劫で
峠走りだけで、そそくさといぬります。

一人旅烏丸、行く当てもなくさすらうわけでなく、ちゃんと家に帰ります。

帰路は高速ぶっ飛ばしてきました。
そんなわけで関東近郊の有名な峠もほとんど行ったことがないので、不定期に走りに行く予定でおります。

去年は奥多摩、箱根、
今年になって榛名、
次は内緒ということで。(誰も興味ないか)

自分のレーサーは内製のマフラーで乗ってきたことは前回書きましたが、もう一つ狭山レーシング時代からの伝統があります。それはレーシングスタンドは自作して使うということです。
部室の隣に工作室があって、鋼材や溶接機など社員は自由に使ってよかったのです。
そのころからの風習でスタンドを2輪用品店で買った記憶がありません。

ZX10R用はホイール脱着の練習をしたかったので、安直にアストロで買ったことを白状します。
スタンド1台7千円なんで、絶対作れない値段です。(中国企業恐ろしや)
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50の手習い、ミニバイクに使うフロント、リヤスタンドですが、適当な寸法が分からず
悪戦苦闘しましたが、
一応、伝統のスタンド製作儀式を終えることができました。










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去年、オカマ掘られて転倒した際に
ガソリンタンクが潰れていて
中々、修理する時間が取れてないですが
先に面倒な方をやっつけておきました。

頭の中に構想が持ち上がってくると、全てを投げうって邁進するクセがあります。
若干修正したい部分があるのですが
時間オーバーなので、またの機会にします。






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なぜ前後タイヤを浮かせる必要があるかというと、ロード用のハイグリップタイヤは
適性温度を保たないと性能を発揮できないので、走行前にタイヤウォーマーで温めておくためです。

オフロードやツーリング用のタイヤはタイヤ温度に関係なく広いレンジで使えることが特徴ですが、サーキット走行は条件が一定なので、これをやることで、グリップ性能が上がり、転倒のリスクを軽減できるというものです。

トレール車のDT230は扱った実績がありませんので、チャンバーのラインナップにもありませんが
半年前からご依頼の改造車のDT230用チャンバーを作る順番がきましたので実行しました。

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先ず、大きなラジエターが付いていますが
明かにフロントフェンダーがラジエターコアに衝突すると思い
フロントフェンダーの位置をタイヤとスレスレに近く付け直し
下側のホースを切り詰めてラジエターをフレーム側に寄せました。

これでフロントフォークのトップキャップを外してフルボムさせてフェンダーとラジエターに隙間があることを確認しました。

エキパイの正面にラジエターがあるのでエキパイを前側に出すことはできません。


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この車体最大の特徴はリヤフォークがガルアームに換装されていることです。

そのためかサイレンサーを止める位置が高くなっているので、チャンバーを後ろ上がりにすることにしました。
折角のガルアームなので、そのスペースを活用したのですが
リヤサスのリンクがフレーム真下に存在するので、チャンバーを内側に追い込むことはできませんでした。




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RZ125の車体ならタンデムステップのブラケットに倣ってサイレンサーを取り付けるのですが
この車体にはタンデムステップは廃止されています。
そのためチャンバー・ミドルマウントはステップブラケット下側に
サイレンサーはシートレールからステー増設で取り付けてあります。

試乗はしてませんが2スト230ですから
相当速いバイクのような気がします。
シングルなので運動性も250ツインより上でしょう。
ブレンボの前後キャリパーがスピードに見合った制動力を発揮してくれると思います。
どうぞご安全にお乗りください。


Ninja150改KRR200は依頼者の情報によると200ccのボアアップキットを組んであるらしいです。
どうやらパワーアップを期待したと思うのですが、トルク感は増したはずです。
しかし、ノーマルの200ならクランクとコンロッドやピストンとの重量バランスを取って設計するはずです。
150用のクランクにボアアップで200ccに変更した場合、燃焼室の容積やポートタイミングを適性にしたとして、ピストンの重量アップ分、アンバランスになっていると思います。
その結果、150ノーマルより高回転の伸びが劣ってくる。そんな症状に感じられたと推察されます。

僕はノーマルと200の比較を行っていないのでインプレッションできないですが
当該車両に高回転仕様(おそらくサーキット向け)のチャンバーが付いてきており、それの試乗と
今回、トレール車KDX200のスペックで作ってみたチャンバーに取り替えての試乗を行いました。

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これが高回転型、チタン製ですがメーカー不詳です。
150用は社外でいっぱい販売されているみたいです。

乗ってみましたが、以前乗った150ほど
低速が弱いわけでなく、3000rpmくらいでクラッチミートすれば、問題なく発進します。
半クラッチあてると猛ダッシュも可能です。

中速から上はフラットな吹け上がりで滑らかに回転上昇します。
そんまま1万rpmのレッドゾーンまで回りますが、そのあたりから加速が横ばいになって11000くらいまでが上限でした。

中速の加速感からレッドゾーンまでの特性は乗り易いと感じました。
200にしたら伸びが悪くなったと言われてましたが、公道走るのに十分な印象です。

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これはKDX200スペックのチャンバー。

KRR200がKDX200と同じかは分かりませんが、手持ちのデータでは、これしかないので、この車体に取り付くようにレイアウトしました。
150用よりパイプが長いのでアンダーカウルに納めるのが、通常の取り回しでは難しいと思います。

試乗した結果は、ゼロスタートは同じくらい
3000rpmでクラッチミートで問題なし。
オフロード仕様なのか、中速
6000から9000rpmあたりのトルク感が上がった感じがします。

オーバーレブ特性は、先に乗ったチタンチャンバーより落ちます。
10000rpm付近で加速が鈍ってくるので、点火時期遅角かメインジェットワンランク上げる方向が合ってくると思いますが、これも一般道で全開にするのは危険な領域で十分だと思いました。
トレールスペックなのでサーキット仕様にはなりませんでしたが、中速トルクを使って早めのシフトアップを心掛ければ車速の乗りは速くなっていると思います。



ZX10R乗るときは走りだけに集中したいので、ツーリングといえども一切、荷物を積まないでいきます。
途中で一服するためのサイフと緊急時連絡用のスマホだけ持っていきます。
さて田舎モンの私は関東近郊の道でも行ったことない場所だらけなんで
ナビゲーションがあった方がいいな、と思ってグーグル・MAPを見ながら走ってみることにします。

そんなわけで連休を利用してスマホ・ホルダー装着してみました。

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スマホホルダー本体はモト・プランニング製
ハンドルパイプにクランプするタイプにしたのですが
10Rのセパハンにはクランプできる部分がありません。

なので画像のようなステーを製作しました。

ハンドリングに影響のない固定箇所が一つだけありました。
ステアリングダンパーのフレーム側取り付けボルトを利用するものです。




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最初は正面にスマホを取り付ける予定でしたが、メーター類の視認性が悪いことが分かり、右側にステーを向けて

ハンドルフルロックで当たらない場所に固定することにしました。

高い位置なら全くハンドル廻りに当たらないですが、スマホがスクリーンからはみ出してしまうのを嫌って、極力低いポジションを取りたかったのです。





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これでタンクギリギリの高さにマウントできました。正面のメーター類を妨げることはありません。


このスマホホルダーはバッテリー電源つなぐ
充電器付きなんですが

この車両にはUSB端子を装着してあるので
元々モバイル充電機能が備わっていました。





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こんなコックピットになりました。

これで目的地しゃべってルート検索してもらえます。

昔ならゼンリンかミリオンの地図見ながら旅してましたが、今はこいつが頼りです。

こないだも都会の道が分からなくて、コンビニ寄って地図立ち読みしたり
交番で道聞いたりしましたが

もう必要ないぜ





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休みの日は仕事しないんですけど

今度作るチャンバーの車体を段取りしておくことにします。

125フレームに200エンジンを換装してあったのですが、エンジン位置が悪くて
後で問題がでても責任が負えないので

事前にエンジン位置を直しておこうと思いました。
これはエンジンハンガー切り落として
正しいであろうエンジン位置に仮置きした状態です。

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持ち込まれた状態では
ケース下側がロアーパイプに当たるので
排気側が持ち上がった位置で
キャブレターも後ろ下がりになって、エアクリーナーのジョイントも難しいでしょう。

当然取り付くマフラーもないので
車体にあわせてワンオフ製作することになったのですが

フレームの当たるところは凹ませて
エンジン前側を下げて、キャブレターも水平になりました。


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エンジンハンガーは新規に切り出し
溶接します。
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エンジンマウント装着確認できたので

剥がした塗装のタッチアップ
このあと再びエンジン載せて
ようやくチャンバー製作の段取りができました。

頼まれた内容ではないですが
エンジン位置がダメだからやり直して持ってきてください、と言うより自分でやった方が早いと思ったためですね。
盆休みを除いて2週間かかったマフラー作りもいよいよ終盤に

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チャンバーのマウントをどのようにするか、

右1本ならステップ・ブラケットのボルトから
ステーを伸ばす、など考えられますが

左側はフレームに全く取り付け可能な部分がありません。
唯一つエンジンハンガーのボルトがありましたが、ドライブチェーンの真下なので
隙間ギリギリです。

ラバーマウントにしようかと思っていましたが
全然スペース無いので、却下
アルミプレートを作ってステー代わりにしました。
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右も同様のステーです。














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サイレンサー・マウントはタンデムステップのブラケットにノーマルの取り付け穴が付いていたので利用して
サイレンサー・バンドはビレットで作りました。











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依頼されていたエンジンハンガーの溶接も施工しましたが、厚板のアルミなんで
フレーム全体が高温に加熱されてビニールが溶けるかと思いました。(養生しておいて大丈夫でした)



これで一件落着かな。








部品待ちで製作業務が中断しているうちに別の仕事をやります。
一か月以上預かっている修理依頼のマフラーをそろそろやらねば。

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今日の修理は2件

上はNC30用、カーボンが焼けて穴が空きそうなので、アルミ板で作って取り替える。


下はCBR250用、転倒で削れてしまって
修理不能なので
ステンレスの蓋とパイプをアルミ板で作って取り替える。







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1mm厚の板をφ100で巻いて
内径φ98にハマる蓋を作って組立てました。

φ98は昔作った金型があってので
ステンレス板をプレス成形しました。










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こちらは楕円断面ですが
長さが480mmもあるので
ロールベンダーでも完全に曲がりません。


ハンドワークで楕円形状に曲げて
前後の蓋にをハメた状態で溶接仮止めして成形しました。


パンチングも中で折れていて修復してから
組み立ててあります。



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リベット穴位置も12か所合わせて
組立て確認してあります。

グラスウールは現行のレーサー用を取り寄せて組み立てるので
これらも部品待ちになります。




今日はサイレンサー2本の加工とテールパイプ取り回しを行い、
パイプ全体の作成は完了しました。

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マウント関係は一切できていません。

車体側にチャンバーやサイレンサーを取り付けるステーが無いためです。

マウンティングのための材料やラバー類を取り寄せ中なので、今週はここまででストップです。








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2本のサイレンサーを平行に持ってくることがデザイン上の命題でした。

一番、2番がバラバラの向きであれば
大した問題でないのですが

パイプエンドを平行に揃えるためのチャンバーの形状であったり、テールパイプの曲げカーブであります。


最初は何も決まってないので
出来たものの形が当たり前のようにできていることが大切です。

久々のオンロード・チャンバー作りです。

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なんか素敵なフレーム

エンジンは違う機種に乗せ換えてあるらしい。


エンジンはRZRということで
排気系もRZRでいくわけですが
RZRオリジナルでは、この車体に取り付かないはずなので
新造して取り付けるという、ご注文です。





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2気筒なのでフランジも2個
口元も2個

Oリングは以前のRZR用は廃番で
入手できません。

なので別機種の新品を4本用意して
寸法はRZRオリジナルと違うので
口元も新設計で加工しました。






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シリンダーにフランジを取り付け
ここからエキパイの形状を作っていきます。

RZRオリジナルのエキパイを1本作って
当てがってみましたが
フロントタイヤが近すぎて使えないことは
判りました。









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エキパイ2回目ですが
まだフロントタイヤに近いようです。

フロントフォークがボトム付近で
タイヤと擦ってしまうでしょう。

下はRZR車体ではOKだったエキパイ
小さい車体に大きいエンジンを乗せ換えると
このような問題が起きるものです。


明日、エキパイ形状をエンジン側に曲げたものに変更して確認してみます。





腰痛の悪化と熱中症で3日ほどダウンしておりました。
水呑んでも吐いてしまうので体力が消耗してヘロヘロになっていましたが、今日から復活です。

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エキパイのカーブを変更しました。
エンジン下側ギリギリの取り回し、
フロントタイヤも当たらないでしょう。

左側パイプは右2本出しのため
テールパイプの向きを右側に向けてあります。

これでサイレンサーの位置決めとテールパイプ作成に掛かります。

HUM(honda of UK motor)に出張していたころ鈴鹿SSからの日本人駐在員から聞いた話ですが、英国のバイカーたちは正月にドーバー海峡を渡って(巨大なホーバークラフトのフェリーに乘って)
フランスへ行き、パリ・ダカールラリーのスタートを見に行くのが恒例だったそうです。
緯度が日本の北海道より高いので極寒の時期だと思うのですが、人気の車種はヤマハ・テネレやカワサキZZRが多く、凍結しているかもしれないモーターウェイを走って大型バイクがわんさか集まるという熱狂ぶりだそうです。
モータースポーツの国は一般バイカーも筋金入りなのですね。
私も初日の出暴走ではないですが太平洋側まで走って日の出見ようか一瞬思いましたが
この寒波であえなくやめとけモードに入っております。
寒いときは工場に籠ってもの作りがよかろうと思います。

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車体無しのワンオフ製作をお断り続けたKDX125SRチャンバーですが
せっかく需要があるのにラインナップしないのは心苦しいので、治具製作して作りはじめ
やっと3台めですが、隙間2mmの部分が3か所あって雁字搦め、毎回苦心しながら作っておりますので効率も悪いです。
安易に引き受けるもんじゃないですね。





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4台めのチャンバーは年末までかかりますが、サイレンサーとセットのご注文なので
来年の初荷がKDX125チャンバーとサイレンサーのセットになる予定です。











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ZX10Rのフェンダーレス化に着手しました。
私物なので売り物ではありません。

下がノーマルのリヤフェンダーとライセンスマウント。
欧州規格のためか、リヤタイヤの後ろまで伸びていてスッキリしてません。

そのためアルミ板金で小型化しました。

今時フェンダーレス・キットなんか幾らでも売っているだろうと思いますが
買って来て済ませていたのでは、何の楽しみもありません。
部品製作は自分で作って楽しむ遊びだからです。他人が作ったものを買って来てつけていては何も分からないままになってしまうでしょう。
買い物することを反対するわけではないです。少なくとも物が売れることによって経済に貢献するわけですから必要なことでもあるのですが、全部そうだとするとオートバイ乗りはカネ払って乗るだけみたいになってしまいます。


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フェンダーの後ろですから目立たないようにブラック塗装にしました。

リヤフレームにボルトオンするライセンスマウント
ウインカーハーネスを下からカバーするプレートと反射板取り付け用のステーの3点がフェンダーレス化に必要な構成部品です。






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ライセンスプレートがタイヤ後端より引っ込んだ位置になっています。

ライセンス・ランプとウインカーは純正品を移植してあります。

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秀逸なデザインのテールランプの下に野暮ったいパーツが見えない方がいいではありませんか。
法規制に合わせて最もシンプルなデザインを目指したつもりですが
社外品がどうなっているかは
一度も検索したことがありませんので
似ているものがあるとすれば偶然だと思います。






このZX10まだ高速道路で少し乗っただけで一般道での操縦性はよくわかってないこともあり、近所でUターンの練習でもしておこうと思い乗り回してみました。
35年以上モトクロッサーメインに乗ってきましたが、ハンドリングに対して全く不安が無いというか
熟成されたステアリング・ジオメトリーのため誰が乗っても違和感がないように作られているわけですが、一昨年に450のコーナリング立ち上がり時チャタリングが出てハンドルを抑えるのに力が入って疲れていたところ
ステムのオフセット2mm違いを試す機会があって、乗ってみたら完全にチャタが解消されていて腕に力を入れる必要がなくなったのでした。
翌年モデルからオフセット2mm変更とステアリングダンパーはオプションにモデルチェンジされていました。
僅か2mmで、と疑問に思うかもしれませんが操縦性はカタログ数値で表せない部分で、むしろ最高出力などのデータより実際に乗った時に感じる重要な走行性能だと思います。
これが長年の開発、車体設計の積み重ねで培ってきた数値ですから、ただ機械設計に詳しい技術者でも分からない2輪車のバランスに関わる設計はテストライダーと車体設計屋の連携がなかったら成し得ないクルマ作りでしょう。

話を戻します。ZX10の高速道路でのレーンチェンジは、初めてのリッターバイクということもあり比較するものがない、しかし100キロ以上で直進性が強いという感覚とイン側のハンドルを押してやるとあっさり傾いてレーンチェンジしていきますが、直ぐに直進に戻るという感覚です。
これは走っている限り重さは感じないが直進性の強い、またはタイヤがスリップしない限り転びにくい特性なんだろうなと思いました。
そして近所の道路です。真っすぐ走りながら軽くスラロームしてみます。
やはり予想は的中です。定常走行で勝手に起き上がってきます。
寝かせるのに意図的にバランスをくずして傾けてやらないと真直ぐ走っていこうとするんですね。
このことを理解して操縦することでかなり安心感がでてきます。
それはタイトカーブで狙ったラインより外側に膨らんでしまうのを補正してやればよいということです。
セパレートハンドルの上、タンク幅が広くリーンアウトでは内側の腕がタンクに当たるのでフル転舵はやりにくいのです。
そこで肘を外側に這って腕の短さを補うように上体をイン側に移動するライディングポジションをとることでフル転舵をキープできます。

さてステアリング・ジオメトリーはというとキャスター角25° トレール107mm
現行のCRFと比較するとキャスター角は2°29"立っている。トレールは9mm短い
この数値だけみるとCRFよりキャスターが立っていてトレールが短いので直進安定性よりハンドリングの軽さを重視していると考えられます。
では実走で直進が強いと感じたことに矛盾が出てきますね。

ここで誰も語らなかったキャスター/トレールの関係です。
フレーム単体を計測してもキャスター角は不明です。キャスター角の定義は、タイヤ接地面を基準とし、これに直行するフロントホイールセンター上の垂線とステアリング中心を通るラインが交差した挟角のことを表します。
トレールの定義は、同じくタイヤ接地面上でフロントホイールセンターを通る垂線とステアリング中心線の延長線がタイヤ接地面と交差する点との距離を表します。
このことからキャスター角というのは代用特性であり、物理的作用はトレールが影響していることが分かります。
2輪車の運動性能を勉強した人は周知のことと思いますが、走行中にフロントタイヤはステアリング延長線に引っ張られて回っていることになります。
ここでキャスター角で傾いたステアリングを切ったらタイヤの接地面は中心からトレッドのイン側に移動します。
するとタイヤの横から押される力が発生します。
これはワイドタイヤまたは深いバンク角の方が力が強くなります。(オフ車とリッターバイクの違い)
この力が元に戻ろうとしてステアリングが直進状態に向かいます。これがトレールの示す直進安定性の作用です。
ただトレールはキャスターだけで決まりません。ステムのオフセットでも変わりますし、オンロードはフロントフォークのセンターアクスルが主流ですがオフ車はリーディングアクスル(フォークの前にアクスルが設定)が主流なのでセンターアクスルよりトレールが短くなります。

ではなぜCRFのキャスター・トレールでハンドリングが重くならないか?一つは車重と重心位置が影響しているはずですが、ここでは置いといて一番の理由はサスストロークにあります。
カタログ上のキャスター・トレール値は空車接地においての寸法です。
乗員の体重や乗車位置の前後でキャスター角が変動することは当たり前ですが、ロングストロークで前向きに走っている限り、ギャップやブレーキで前下がり即ちキャスターが立つ方向に動いています。
またどういう場合にオートバイが不安定になるかというと、減速時または下りのギャップに於いてです。これは空車時よりキャスターが極端に立ってくる姿勢だからです。
そこでライダーは車体を安定させるために乗車位置を後ろにしたりアクセルを開けたりしてバランスを調節します。それこそが運転技術の違いが出る部分であるのですが
何もしないと不安定になってしまうジオメトリーを安定させる方向で空車時の寸法を決めているということです。
ですからカタログ上のキャスター・トレールの比較では矛盾が生じていた直進性の部分は動的な数値を考慮したら車体設計者の意図が垣間見れるのではないでしょうか。

因みに私はリッターバイクでは足が付かないのでアクセルターンは確実に転倒するのでトライしませんが、ZX10のステアリング切れ角でUターンできる道路幅は6メートル(普通の2車線)、アップハンドルなら4メートルでもいけると思いますが、これ以下の道幅では90°ターンまで、または降りて切り返すことにします。何より周囲の状況を視覚でとらえて確認できなかったらむやみに方向転換しないことが安全運転の秘訣かなと思います。



























昼間稼働が5時間以下になりましたから、5月一杯かかると思っていましたが
GW前半の3日で残りの#3チャンバーが完成したので、これでエンジンかけられる状態になりました。

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トリプルチャンバー、形状は3型とも違う形状です。


一型づつ作って車体に取り付けて次の型のレイアウトを決める、という手順でやりました。










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フランジはボルト固定です。

ノーマルガスケットで排気ポートをシーリングするのでオイル漏れは無いでしょう。

エンジンがラバーマウントのため
振動で動きますから
フレームの固定は無しで
テールパイプ部のみラバーマウントします。

一応振動対策です。





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テールパイプ部補強パッチのようす。

マウントステーはタンデムステップ付近に
取り付けられたラバーマウントにボルト固定されます。












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バンク角確保のため
左右のチャンバーはフレーム幅より張り出しはありません。

その代わり#3チャンバーが真下を通るレイアウトなので地上高は低いです。
縁石乗り越えは厳禁です。

ラダーでトラックに積む場合は#3だけ外さないと擦ってしまうでしょう。






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#1チャンバーはサイドスタンド内側を通していますので
バンク角は転倒しても擦らないレベルでしょう。


あと、リヤアクスルがサイレンサー装着のまま抜ける位置という要件もクリアしています。


エンジンかけてみました。

・・・・2ストトリプルのサウンド最高ですね。
オートバイの好きな音がいくつかあるのですがこれは絶対捨てがたいものです。
まさに実写版ワイルド7です。
大きくて重いのが操縦する満足度を高めた時代のマシンですが
随所に新しいパーツを組み込んであって、旧車なんだけど古めかしくないうらやましい感じのオートバイだと思います。

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量産の定義に明確な数はありませんが、一日の生産数が100個以下は量産と呼べないでしょう。
(小ロット生産といいます)
4輪なら一日2000台の完成車を作るために、エンジンはもちろん2000機生産するのですが
足回り部品は毎日8000個生産しないと間に合わないことになります。
これだけの数生産すると全数合格するわけではないですから、不良品もあわせるともっと大量になります。
最近夜の仕事しながら思っているのは一個のマフラー作るのに何日もかかっていたのでは、到底仕事とは言えないわけであります。
やはり大きい会社で働いて、空いた時間に好きなことするのが理想的な生き方だと思いました。
しかし、品質の安定化や省人化の目的で金型使っているのに、やはり大勢の人の労力を借りないと
仕上げや出荷ができないのですから
「近い将来製造の現場から人がいなくなる」と言った経済学者さんに是非製造というものを体験していただきたいものです。


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10時ー15時の時間帯でも少しずつ出来てきました。

今週は#1シリンダーのチャンバーができました。
サイドスタンドの内側を通してありますので
バンク角は十分でしょう。









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すでに2本揃ったところで、残るは#3側のエキパイを中央に回して、2本の下側に持ってこようと考えています。

会社の方は9連休なのでGW中に完成するのではないかと思います。



連休の予定は、レース1回、モトクロス練習1回の他は仕事です。



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サイレンサー組み上がったので
大体完成ですね。

カーボンパイプはお客さん支給です。

このフレームは4ストNSF用なので
サイレンサーはセンターアップがノーマルの取り付け位置なんです。

リヤカウルのマウントネジを利用して
シート下に取り付けましたので
フレーム未加工で付きました。

アルミ棒のステーが気に入らない(ちょっと重い)ので、作りなおします。



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無垢の丸棒が重かったので
フライスで平に肉抜きしてから曲げました。

やり直すと材料も時間も無駄にはなるのですが
僕が我慢ならんことはお客さんも我慢ならんと思うので、ためらいはありません。









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サイレンサーはスペアも含め2個頼まれました。

φ62カーボンパイプは支給していただいたので、ちょっと安くしておきます。











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ようやく完成です。

NSF100フレームにCR85エンジン載せるためのエンジンマウントが社外で販売されているらしいです。

どおりでフレーム加工なしでスワッピングされていて、なかなかの技術力です。








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カウルセットはNSR用だということで
脱着も簡単でよくできています。

アンダーカウルも装着確認できたので
これで納品できます。

シングルのチャンバーは簡単にできてそうに見えますが
最適なレイアウトはここしかないので逆に自由度がなくて正確さが要求される形状です。
ミニバイクは思った以上にグランドクリアランスが少ないのです。
多分サーキットでは最も寝かせて走るバイクだと思います。
バックステップ削ってますからね。
チャンバー作ったのにパワーチェックはやらないんですか。
これは以前お客さんから提示いただいたスペックに基づいて作りましたので
スペック通りに出来ていれば僕の役目は終わりです。
うちからダイノジェット計測音が聞こえるくらいの場所に「モトグラッド」さんがありますから
計測頼みに行けばいいだけですが、無料じゃないですからね。
チャンバー製作代に計測代をチャージしてよろしければ、喜んでデータお付けしますよ。
先週のmotoGPといい明日のMX日本GPも大雨のレースで、本当に日本はどうしちゃったんだろう。
こんなことでは参加する人も観戦する人も減少するのは必至だと思います。
現役のころは雨でもマディーでも練習するのが当たり前でしたが
最近の人は雨の練習をお休みすることが多いらしいですね。(マディー走行こそ上達のチャンスなのに)
私はとっくにお気楽モードですから、雨の日は出かけないで工場に籠って仕事します。

昔S80と呼んだのですが、85ccエンジン禁止のクラスがあるようです。
必然的に旧型の80エンジン探すようになるので煩わしいですよね。
そこで、レース関係ないサーキット走行なら85エンジンで作っても自由なわけです。
ミニバイクはNSR80ワンメイクな感じがしていたのですが
今回は4ストNSFの車体にエンジンスワップしたCR85エンジンのレーサーです。


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NSRに似ているようで
フレームが違うんです。

エンジンは削り出しのマウントブラケットで
フレーム未加工のままCR85エンジンが
搭載されていますが

これにボルトオンで付くチャンバーは無いんです。
だから新規製作するしかありません。

チャンバーレイアウト検討中




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本当はチャンバーをエンジン側に近づけたいのですが、ロアークロスパイプが干渉するため、高さはここが限界です。
NSRフレーム仕様より低い位置になりますが、アンダーカウルは取り付くはずなんで
このまま続けます。


私の生まれた年に生産発売されたヒストリックバイクがあります。
名神高速も開通してない1963年に鈴鹿サーキットを建設し、レース組織MFJを発足させ
同時に第一回日本GPロードレース選手権にエントリーするための市販レーサーまで生産したホンダ。

その記念すべき最初の市販レーサーCR93(125cc2気筒)であります。

CR93.jpg
CR93ロードレーサー
これと同じ車体の公道バージョンも発売され
総生産台数200台余りという希少モデルですが
同じ町内会のレストア場で全バラのCR93を見ました。
殆ど知らなかったですが
63年当時のエンジンがツインカム、シャフトドライブのギヤトレインと4バルブの2気筒であることに驚きました。
後世に同じスペックの125ccは生産されてないですからね。

そして運のいいことに、もう一台のCR93が組み上がったばかりで庭で押し掛けしてエンジン音を聞かせていただくこともできました。
過去にきいたことのないレーシングエンジンのサウンドにしびれました。
私の地元から近い香川県にはCR93が多数保存されているらしいですから不思議なものです。


市販レーサーCR93のベースとなったに違いないワークスマシン、RC143

おそらく世界でもトップクラスの予算を投じたレストア工場がホンダコレクションホールだと思いますが
そこで動態復元のための作業を収録した番組です。

展示車を見ても分からなかったエンジン内部の秘密が明かされます。
抜き取られたクランクシャフトから同爆(360°クランク)であること
2本のカムシャフトの回転方向を同一にするためのプライマリーギヤを含めて4枚のカムギヤが
ヘッドに繰み込まれていること。
通常バルブのシートリングをベリリウムカッパーで製作し、液体窒素で冷却収縮したものをはめるのが定番のヘッドチューンですが、これは燃焼室全体を一体型のベリリウムカッパーで製作して、アルミのシリンダーヘッドに繰み込んであるということ。

63年の図面は手書きの紙図面でありますから、再生する部品の生産を現代の加工機で作るための
データ化など、大会社の動態復元の手法が垣間見える、よい動画でした。

さて、今年最初のプロダクツ完成に近づいてきました。

CIMG6023.JPG 
チャンバー

2台分です。

0.8t SPCC

エンジンCR80ですが
レギュレーションにより排気量制限があるのでしょう。(80cc以下)






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サイレンサー

φ60
筒長さ230mm

テールパイプφ22.2mm

出口内径φ26mm







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サイレンサーマウントステー

シートレールとサイレンサー間を
結合する部品












CIMG6025.JPG

2台分取り付け確認しました。

チャンバースペックはお客さんの提示により
形状のみデザインしましたので
走行確認はしません。







フルカウルを装着してみましょう。



CIMG6027.JPG

見事なグラスファイバー・プラスチックです。

造形も美しいし、フィッティングも容易で
理想的なカウリングです。

R25のビキニカウル作ってもらえませんか


・・・ああ、エキゾーストの干渉もなく
上手くまとまったと思います。






CIMG6028.JPG

リヤカウル

サイレンサーのマウントのところだけ
切らせていただきました。

これで問題なくつきます。










もう一台はまだエンジン載ってないそうですが、このエキゾースト基準にエンジンマウントをこしらえるということらしいです。(製作の順序が逆やー)まあいいか

日曜日なのに昨日の練習疲れで体中が痛いです。
少し進んだ分だけ公開します。


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サイレンサー本体の加工ができました。

左のクランプは
サイレンサーマウントが無いフレームに
止めるための部品です。

シートレールに未加工で付きます。









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取り付けレイアウト確認

テールパイプ、サイレンサーは80ccエンジンに最適な寸法で作ってあります。

撮影角度によりエンドが後方に見えますが
タイヤ後端より前になっています。

チャンバーのマウントステーをエンジンミドルマウントに固定と
シートレールのクランプとサイレンサーを固定するステーを作れば、エキゾースト取り付け完了します。



S80チャンバー

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エンジン換装した車体なので
専用設計です。

他の車体にはつきません。

取り付けレイアウトはこれでいきます。

年末なのに掃除もできていないので

完成は来週にします。






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テールパイプはジョイントで

同じ物二つという指示に従い
2台分です。












CIMG5998.JPG

サイレンサーの取り付け位置

本年はここまでです。


明日はしどきで走り納めとします。

3年ぶりにCRF250のキャブレター車も走らせます。

今から30年くらい後のビンテージMXのカテゴリーはキャブ車とFI車で分けられるかもしれませんね。

ドイツではガソリンエンジン車の新車販売を禁止する法案が成立したばかり
30年後はガソリンエンジンのオートバイは生産されていないかもしれませんので
今のうちに存分にやっておかないと後悔することになるでしょう。
そのころは私も80代ですから乗ってないと思いますけど。



このニンジャはチャンバー製作で終わりません。
県外から車両お持ち込みのため、いろいろとオプションをご注文いただきました。

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グラブレール

フルカウルモデルのため
取り回しするのに持つところがないという
問題を解決するものです。

パイプを曲げて、切って、溶接。

図面などはありません。
頭の中で描いた絵をハンドワークで作り上げるだけです。

リヤフレームに取り付ける場所はありませんので、リヤフェンダーに穴を空けて
マウントブラケットを溶接した後にフィッティングしたものです。
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塗装して取り付け完了です。

グラブレール下側の棒はサイドバック載せて走るときにタイヤと擦れないためのガードです。











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上がノーマルのバックミラー

下が取り付けたいバックミラー

しかし、取り付け座面が全然違う向きなので
取り付け不可能です。






そこで



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ノーマルのカウルステーに取り付けできる
アダプターを製作しました。

無垢のジュラルミンから削り出しました。
頑丈な作りです。











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バックミラー取り付け完了

狙い通りの位置で後方視界良好です。













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こんなフロントビューですが
満足いただける位置だと思います。

(これ以上どうしようもないですが)












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ご指示どおりラジエター前面に遮蔽版取り付けました。

走行風を遮るものなので
暖気運転は相変わらず必要でしょう。








それから


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キャブレターのJNクリップ段数
1段下げました。
見たことないキャブだったので試運転してきました。

開け始めの息付きが改善されています。
寒冷地仕様にセッティングすれば
もっとよくなるでしょう。



これにてご依頼の作業は終了いたします。

新車で買える唯一つの2ストロークモデルですから最後の新作チャンバーになると思います。

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カワサキKDX125SRのスケールアップ盤エンジンですから
KDX125ベースでダウンチャンバーにしてみました。

オンロードモデルより中速域のトルクアップを狙ったスペックですが
新設計なので、実走確認したいと思います。







CIMG5935.JPG

相変わらず暖気運転に時間がかかります。
サーモスタット無しなので冷却水全体がお湯になるまでエンジンは温まりません。

5分くらい掛けてスタートしますが
4000rpm以下でクラッチミートすると
ストールしそうになります。
10分くらい走行すると低速の限界が上がります。
2000rpmから半クラッチなしで発進できますが低速トルクは全く期待できませんので
クラッチ使って4000rpm以上キープした方が快適に走ります。


パワーバンドは少し広がった感じがします。
5000rpmあたりからトルクが出てきて10000rpmまで一気に吹け上がりますがピーキーな感じでなく
フラットな立ち上がりで乗りやすいと思います。
サーキットでないのでオーバーレブ特性まで確認してないですが、7000rpmからの加速感は10000でも頭打ち感はありませんので伸びていく感じがします。
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キャブレターはVM28でノーマルだと思いますが、気温が低いせいか全体的にリーンな感じがします。
おそらく熱帯気候に合わせたセッティングのまま輸入されているせいでしょう。

低速などはパイロット系をリッチに変更すればもっとついてくると思います。
焼き付き防止にもメイン系をリッチに変更しておいた方が安全でトルク感も向上するでしょう。

分離給油なのにマフラーエンドが濡れてないのが証拠です。

まとめは、KDXより少し高回転型ですが
2ストらしい加速が味わえるエンジン特性です。


近所のテストロードへ向かう際、ラブホの前を通っていく時のことです。
仕事車が休憩に入る時間帯、正午をねらっていくのですが
ラブホの門は見通しが悪いもんと決まっていますから
こっちは注意して通過しているのに黒塗りの国産車がニュルっとでてきました。
運転手の顔を見てやったら昼間っから間抜け面のオッサンと阿保面の女が乗っていて、
「あんな奴らに突っ込まれて怪我したら大事だな」と思いました。
ライダーは忍者のようにNinjaに乗る。

日本で買える最後の2ストオンロードモデル、ニンジャ150。
タイ・カワサキ生産なので正式には外車を輸入したそうですが、既に100台以上のオーナーがいらっしゃるらしいです。
エンジン外観から推定して、KDX125SRを基本に新規金型でダイキャストしたシリンダーとケースです。
フレームは高張力鋼管製のメインパイプがツインスパーのダブルクレードルで剛性が高そうです。
前後サスペンションも減衰調整なしのシンプルなもので、ノーブランドの油圧ディスクブレーキなど
車両価格を抑えるアイディア満載の廉価盤モデルですが
その走りはと言いますと、一般道では十分に危険な領域のスピードが出る動力性能です。
日本の道路事情では、この排気量が最も真価を発揮できるサイズではないでしょうか。
4スト250モデルは完全に凌駕する加速性能と軽快な操縦性です。

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今回お客さん持ち込みの車両でワンオフ製作するエキゾーストのため

エンジンキャラクターを確認するために
近所のテストコースで試乗してみました。

ノーマルエンジン特性を頭に叩き込んで
新設計するわけですが
見本はありませんので世界に一つのエキゾーストになると思います。(安いけどね)

調子よかったらラインナップに加えると思います。
外国製のアフターパーツは出回っているらしいですが、サーキット向けで
日本の道路を走らせるには問題があるようです。

エンジンキャラクターを決める数値として排気量とボア/ストローク比がありますが、実はこれだけでは不十分で同じ排気量、ボアスト比でもポートタイミングや圧縮比が違うとまるで違う性格のエンジンになるのです。
ボアとストロークの寸法が同じエンジンをスクエアと呼び、それよりストロークの長い、短いで
それぞれロングストローク、ショートストローク(オーバースクエア)と呼んでいますが
一般的にロングストロークはトルク型と思われがちです。
トルクはクランク中心からクランクピン中心までの距離(ストロークの半分)×ピストンヘッドに受ける燃焼圧力で決まります。
ここにはピストン重量とコンロッド重量とフライホイール重量による慣性力とシリンダーとピストンの間で起こる摩擦抵抗が加算されますので
コンロッド長(ピストン側圧に影響)やピストン重量、ピストンクリアランス、潤滑オイルの種類など
部品毎の仕様がすべて影響してくることになります。

しかし、販売店や一般ユーザーはエンジン部品を寸法差まで指定して購入することができません。
規格の範囲内で違う寸法の組み合わせが届けられるわけです。
だからエンジンの当たり外れが生じてしまうのです。

ところがメーカーの試作部門やワークスマシンでは精密測定された複数の部品の中から、最も有利な寸法の部品を選択して組み合わせることができるのです。
たとえばラジアルボールベアリングなどは、回転時の偏りを無くすために転がり抵抗が増大しない範ちゅうで隙間を詰めて作ります。
リテーナーを加締める前にインナーレース、アウターレースの摺動面とボールの寸法を精測して選別してから組み立てるので指定の隙間のベアリングが作れるわけです。

ピストンクリアランスも近年主流になっているメッキシリンダーでは焼き付かない程度のきつめにホーニングします。水冷でアルミシリンダーであれば温間時のクリアランスが安定しているので、
ピストンの首振りで側圧が増大したり、機密が漏れるのを防ぐための寸法管理ですね。

量産車ではそこまで手間が掛けられませんので、オーナーに納車される物には若干の違いがあるものだと言えます。
ただ別の個体で乗り比べしないから分からないだけですね。

某モトクロス全日本チャンピオンが量産のチャンバー10本取り寄せて全部乗ってみたら、全て違うフィーリングだったというから、一番気に入ったものだけ選んで使っていたという実話があります。

さて、このニンジャ150ですが
オーナーが訴えていた「水温が全然上がらない」という意味がわかりました。
コストダウンか熱帯地方向けかわかりませんがサーモスタット無しなので
冷却水がお湯になるまで時間がかかるのですね。
適性温度は60℃と言われていますから
その温度になるまで暖気運転が必要です。
冷えたエンジンでは適性クリアランスが出てないためにエンジン回転が重くパワーもありません。
そして、アイドリングでは水温が上がりません。(サーモスタットないので)
暖気運転からガンガンエンジン回しましょう。そうすると結構短時間で暖気できます。

水温計はラジエター下部に設置されているようです。だからメーターの針はあまりうごきません。
ラジエター上部やシリンダーヲータージャケットを直接触れて温度を測るとわかりやすいです。
オンロード仕様の味付けのためか低速トルクは期待できないものです。
ノロノロ運転は全くつまらないパワーですが
7000rpmあたりからパワーが出てきます。
10500rpmからレッドゾーンなので7000から10000rpmが美味しいパワーバンドでした。

10500rpmまで引っ張ってシフトアップするより8000rpmあたりでシフトアップした方が加速がよいでしょう。
引っ張ってしまうと、それ以上伸びないので、最大トルク付近の8000から8500rpmを狙ってシフトアップすることが、このエンジンを最大限速く加速させるコツでしょう。

注文は伊豆の峠を走るときにレッドゾーンまで回さないでいいように中速トルクを増やしてほしいということでしたが、研究開発できる予算や設備はありませんので、そういう細かい注文にはお答えできませんが
同系列エンジンと思われるKDXのノウハウでいくと、申し訳ありませんが、新作するエキゾーストでは
全域パワーアップになってしまうと思いますのでご了承ください。
サイレンサー出来たのでテールパイプの形状を決めます。
スイングアーム外側ギリギリに追い込みたいのですが、旧車はアクスルシャフトとナットが飛び出していて、サスが沈むときに干渉しそうなので、あまり寄せられません。

CIMG5242.JPG

フレーム下とリヤリンクとの隙間も紙一重です。
これ以上は追い込めません。












CIMG5244.JPG

何が何でも今日中に終わらせます。

明日からの予定はさらにハードスケジュールなのです。












CIMG5249.JPG

フランジとチャンバー、サイレンサー
6点セットになります。

クロスチャンバーのメリットは
性能絡みではありません。

左右振り分けよりエキパイのカーブが長くなります。
そのためチャンバーの胴体部分が前に移動します。
TZR250のリヤリンクに胴体部分が干渉するため、内側に寄せるのに限界があり
フルバンク時に路面を擦ってしまうことになります。
そこで、胴体部分がリンクより前に位置することによってバンク角が稼げるというメリットです。
CIMG5252.JPG

カウル装着希望でしたので
装着しました。

実はボルトオンでは装着不可能でした。
エキパイが重なっている部分の厚みがあってカウルに当たってしまうのです。
当たるところをカットする方法もありますが

マウントステーを加工してカウル位置を下げることで問題なく装着できました。

見本で渡されたチャンバーも仮組みしましたがカウル装着は不可能でしたので、取り回し改善できたといえるでしょう。


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左側はサイドスタンドの収納とチェーンに干渉しないように留意しないといけません。

左右共カウルのクリアランスは取れました。

これにて絶版チャンバー製作完了ですが
同じ物はご注文いただいても作れませんので今回限定になります。









このお仕事はオファーいただいたのが去年の8月でした。
ちょうど骨折してリハビリ中だったので、直ぐできるわけはなかったですが
実に8か月掛かって完成したことになります。

新規受注をお断りしながらバックオーダー中心に作業しておりますので
ご注文のお客様は、もうしばらくお待ちください。

30年埼玉県に住んでいますが、峠ツーリングは行った記憶がありません。
愛媛育ちなんで、山や海が好きですが関東は地元感覚でないので興味がなかったのです。

ところがモトクロスつながりで、若い頃全然違うチームだった人同士が集まるようになって
昔話に花を咲かせるようになって、「それでは今度ツーリングへ行きましょう」ということになって実現しました。

定峰峠は奥武蔵グリーンラインという舗装された複数の峠道の一つで、うちから鳩山経由で東秩父村を基点に秩父市方面に山を越えるルートですが、今回は往復100キロくらいのショートコースにしました。
76年製のCJ360は峠の登り坂では明らかなパワー不足でエンジンを酷使している感じと廉価版5速ミッションのレシオがワイドで強力な加速は望めないので、これくらいの距離で充分です。

CIMG4763.JPG

堂平山天文台で休憩しました。

ツーリングメンバーは
埼玉の名門クラブの3人
チェッカーズの嶋Dさん
狭山RTのオレ(真ん中の小さいの)
スーパーベルRのS田さん。
全員80年代モトクロス国際B級です。
今は大人しいもんです。

堂平山はもちろん知りませんでしたが
関東平野全域が見える眺望です。
最初は東京大学の天体観測用だったものを
都幾川村が買い取って観光名所に整備しましたので一般公開されています。

埼玉県に疎い埼玉県人の私ですが、お二人の先輩のおかげで、いいもの見れました。

右鎖骨骨折、手術後3週間ですがチタンプレートとネジ4本で結合された状態です。
生体的には全く繋がっておりませんので、右腕を大きく動かしたり重い物を持ったりできません。
まして鉄板を曲げたり、ハンマーで叩いたりする動作は全く無理です。
骨の再生状況に応じて、段階的に動かしていくと思いますが、現状で何ができるかを把握するため
無理の無い程度に手を動かしてみました。

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R25の改造計画です。
セパレートハンドル装着の影響で
メーターとフロントマスターがハンドル左転蛇で当たってしまうので
メーター取り付け位置を前に移設するため
カウルステーの製作に着手しました。

しかしレーサーのカウルステーのように単純ではありません。

フロントカウルのマウントはバックミラーのステーを兼ねており
デュアルヘッドライトの固定とメーターの固定も付いていますから複雑な形状です。

先ずは各ボルト穴位置と取り付け角度を決めるための治具製作を行いました。


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フレームマウント ボルト2本
バックミラーステー ネジ4箇所
メーターマウント ネジ3箇所
ヘッドライトマウント ネジ4箇所

合計13箇所のネジ位置を合わせた
3次元座標を決めて作りました。

車体取り付け状態で目視確認が不可能な位置なので非常に難儀な作業でした。






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メーターのラバーマウントの状態です。

ノーマルカウルに納まって、ハンドル操作に影響しないメーターポジションは、ここしかありませんでした。

全て1mm単位しか隙間に余裕がありません。

セパハン装着の影響は最終的にこういう部分まで及んでしまいますので、安易にボルトオンすることは考えない方がいいでしょう。



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カウルステーを車体装着して確認です。

ブレーキマスターとメーターの干渉もギリギリクリアできました。

装着すると相手部品との位置関係が目視確認できないことが、お分かりいただけると思います。

これは幾何学的なセンスがないと不可能な製作物だといえるでしょう。

売り物ではありませんので、右肩骨折状態で出来るトレーニングの一環でした。

現在は上腕が肩より上に上がりませんので、右手で顔洗えないくらいです。
右手でクルマのハンドルは回せませんので、フライスのハンドル操作も無理ですね。
力の必要がない物を中心にゆっくりやっていきます。


大型連休中もどこへも行かず、こういう時しかできないことをやっておきたいと思います。
R25改造計画、第4段スリップオンサイレンサー製作です。

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ヤマハR25の消音機部分を新作して、軽量化とルックス改善する目的です。

ノーマルエキパイとサブチャンバー部分に触媒が装着されており
騒音と排ガス浄化対策ができていますので
サイレンサー部分の役割は排圧の調整と排気音がメインとなります。







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サブチャンバー出口のパイプが非常に小径のため、ジョイント部分の見た目が貧弱にみえます。
そこで、外径アップされた(φ32⇒φ42.7)
ジョイントパイプとしました。

差し込み部分の隙間を管理した寸法としてありますので
ガスケットなしで吹き返しはありません。






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サイドビューです。

ショートサイレンサーですが、容量を大きめに取ってありますので、消音性能も良好です。

近接騒音4500rpmで80dB/A

2mMAXで91dB/A

ノーマルと殆ど変わりませんね。




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リヤビューです。

出口も大きく排気抵抗はノーマルより少ないでしょう。
消音性能は外観デザインは関係ありません。
中身の仕様が肝心だということです。

サイレンサー単体の重量は1.4kg
ノーマルが2.8kgですから
ちょうど半分の重量でできました。

素材は1.0アルミと0.8ステンレスを使用しています。




今日は快晴だったので、このあと所沢航空公園へ行ってきました。
モデラーの先輩がプラモデルの展示会をやっているのを鑑賞する目的です。
昨日の夜のうちにマフラー作っておいてよかったー。


ツインチャンバーと言えばフロントフォークの方が有名ですが、これは2ストチャンバーの話。
オーナーさんの完全オーバーホールを経て最後のパーツ作りを託されているので、
ここで停滞させてしまっては申し訳ないということで、最優先業務として集中しております。

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Vツインの後方排気ですが
他の例を見ないレイアウトが可能なのは
EFIの吸気系であることです。

2本のパイプが様々な部品の干渉を避けて曲がりくねった形状になっています。

これは製作途中ですが、この後、複雑なレイアウトを検討しながら形状を決めていかなければなりません。

このマシンは普通のオートバイのように金属パイプのリヤフレームが存在しません。


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500V due、このマシンの開発に資金を使い果たして会社が倒産したと聞きました。
その後、別メーカーの傘下に入って存続したようです。

金属パイプのリヤフレームの代わりにドライカーボンのモノコックフレームが取り付きます。
このパーツ単品でR25の車体価格と同等らしいです。

チャンバーを付けるときはこれを外す必要があるのですが、取り付けレイアウト確認には、これを付けなければできません。
難解な作業になります。

右2本出しのサイレンサーも含めて、あと1週間くらい掛かりますので、完成するまで他の仕事は一切中断して集中することにします。

R25改造計画第2弾、ハンドル製作です。
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これはノーマルハンドルです。

なんと鋳鉄です。左右で1.4kgもあります。
まるでハンマーのような重さ。

交換理由はトップブリッジの上側、フロントフォーク突き出し部分にクランプされたハンドル位置が高く、セパハンなのに高さはコンチネンタルくらいに感じられます。

なのでトップブリッジ下に取り付けたレーシーなポジションに変更したかったのです。



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これが手動のフライスで削り出したセパレートハンドルです。

重要保安部品なので、頼まれても作りません。
安全性を保証するのに莫大な費用が掛かるからです。
自分で使うだけですから問題があっても自己責任なので文句をいう必要がありません。

材質はクランプ部分がA2017、パイプが7N01を使用しました。溶接は出来ない複合材料ですが、硬さ重視の選択です。

重量は片側で350gで、ノーマルの半分です。


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取り付けてみて問題発覚です。

ハンドルを切ると、ブレーキマスターがスピードメーターに思いっきり衝突します。

ノーマルハンドル位置が高い理由がよく判りました。

このメーター位置では運転できません。
しかし、ハンドル形状で交わすのも困難な位置です。

メーターの移設で対応することにしました。



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結局、ハンドル操作に問題なく固定できる位置はトップブリッジ上しかありませんでした。

軽いメーターなのでハンドリングには影響ないでしょう。

返って視認性が良くなった感じです。








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前から見ても違和感ないですね。
ハンドル周りはこれで一旦終了です。

カウル装着してから試走してライディングポジション確認してきます。

この次はバックミラーの小型化と
スリップオンサイレンサーの製作を計画中です。




ヤマハR25の改造計画第1弾、フェンダーレス・キットを作ってみました。
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材質SUS304、板厚t2

複数製作に対応するため
レーザーカット加工を外注で作ってもらいました。
私の仕事は原図の設計と部品の溶接組み立てを担当しました。

3台分ですが希望者が集まれば販売可能ですが、外注費だけで1台当たり1万円を超えていますので、数量がまとまらないと、安価に作れないでしょう。



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組み立て完了しましたが
忘れ物に気がつきました。

ライセンスライトの取り付け穴です。

ハンドワークで穴開けしてライセンスライトの取り付けを行います。









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ランプのステーはスペースの問題で
ノーマルがつかえません。

そのためライトを分解して
アルミで作ったステーに取り換えて取り付けします。

スペースが狭いので取り付けは苦心しました。





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これでフェンダーレス・KIT本体の完成です。

ようやく車体に取り付けできます。











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車体取り付け状態です。

ノーマルを知っている人は、このスッキリ感がお分かりいただけるでしょう。

ライセンスのベースプレートはオプションです。







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基本雨の日や泥の走行はしないので
リヤカウルだけで充分です。

走り出すのは4月以降なので、それまで次の改造パーツ作りを進めていく予定です。









予約いただいてから10ヶ月くらい経ってしまったので、強引に始めることにしないと何時までもできないのでRZ改DT200チャンバーの製作です。
大変お待たせしました。
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ラインナップ品にステンレスチャンバーはありません。
なるべく廉価な商品を提供することが目的の事業なので
材料代や加工コストで金額が増えてしまうステンレスチャンバーの設定は外してあるのです。

さらにスチール型があるから同様に出来るものではなく、バネのような材料特性があるため曲げても戻る性質なので
成形には腕力を必要とします。
スチール品と同じ形状が出来たとしても3倍くらい時間を費やしてしまいます。

巻いたパイプはバフを掛けてあります。
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パイプの接合ができたので、取り付けレイアウトの確認です。

製作費は同等のスチール品に対して2倍いただくようにしています。

スチールの錆が問題ならば、塗装か鍍金をすればいいだけです。
レース用なら性能はスチールで充分ですから、ステンレス品のメリットは磨いたときの艶だけということになります。

このマシンはオーナーさんがRZ125にDT200をエンジンスワップしたものですが
チャンバースペックはDT200ではなくRZ用を踏襲しています。
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チャンバーを注文されるお客さんはサイレンサーの用意はされていない場合が殆どです。
新規に製作するわけですから、ほぼ全員がサイレンサーも同時に作るように依頼されます。

特にこだわりもありませんので、最もシンプルな構造のサイレンサーをあつらえるようにしています。
そのため、このタイプのサイレンサーが当社では一番作った製品かもしれません。



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取り付けできたので試乗してみます。
このエンジンには初めてのチャンバーなので、エンジン特性を確認しておく必要があります。
公道なんでダイナモデータより実走フィーリングが分かりやすいのです。
キャブレターがPWK38に換わっているので操作性がどうなっているか問題です。
アイドリングは安定しています。
3分ほど暖気運転してからローギヤで発進します。
3000rpmでクラッチミートですが、スムーズに走りだします。ギヤレシオの関係もありますが、レーサーのような難しさはありません。
2速、3速とシフトアップしながらゆっくりと加速してみますが、8000rpmまでスムーズに吹け上がっていきます。幅広いパワーバンドを感じますので乗りやすく、ピーキーさも感じないので安心して運転できます。
ちょっと見通しのよい直線で引っ張ってみますと、10000rpmまでは一気に加速していき徐徐に伸びが衰えていく感じでオーバーレブもギクシャクすることはないでしょう。
シフトアップポイントは6000から8000rpmの間が快適に走行できる範囲ですから、一般道で10000rpm以上は必要ないでしょう。

最新モデルは非常にいいんですが、いじれる範囲が少なくて、こういう旧式モデルのほうが好き勝手にいじれる楽しみがあると思います。オジさんは今日も単車いじりでニッコリです。

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昨日のブログ記事を見て、お客さんから速攻でメールが届きまして、
「サイレンサーをもっとカチ上げに、テールパイプを短くせい!」
と指示がありましたので
今日直しました。

自分なりに総合的に判断して問題無きように考えてはいるのですが
お客さんの注文ですから、言うとおりにするのが仕事です。




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バックステップなので
テールパイプ短くしてサイレンサーをカチあげにすると、ステップに乗せた足の踵がサイレンサーに触れてしまうのを懸念してのことです。
ホンダのロードレーサー(NSR)はカチ上げが多かったですがヤマハのロードレーサー(YZR)は低いサイレンサーの位置だったのが2スト時代の特徴でした。このヤマハは上向きがお好みでしたスミマセン。

カスタムの道は難しいのう。

私は国産、外車問わずオートバイに詳しくないです。これまで販売された車種の大半に触れたこともなければ見たこともないです。
オンロードバイクはGS、ホーク、GTにKHの時代に育ちましたから80年代以降から本当にわかりません。
その詳しくないオートバイ遍歴の中でもエンジン形式には2ストロークと4ストローク、ロータリーがあって、その燃料供給方式がキャブレターであったことくらいは知っていました。
ところが、4輪車は30年前、2輪車は10年前から電子制御のFI(フューエルインジェクション)が燃料供給の主流となっていて、今では一部競技車両を除いて原付から大型バイクまで全ての車種がFI仕様になっています。
パワー出すだけならキャブレターでも充分な性能ですし、操縦性も何の問題もないように感じられました。
しかし、最新のFIモデルに乗ってしまうと、キャブレターが過去の物であったことに気がつきます。
これは近年の電子制御技術の賜物で小型で詳細な制御のできるコンピューターを車載できるようになったことが貢献しているわけです。
しかも燃料の噴射量の調整だけでなく点火時期の調整まで複雑な条件毎に制御してしまうのですからキャブレターの出番は無いということになります。

そんな万能な感じのFIですが、2ストロークエンジンに採用された例が少なく、一部のGPレーサーに搭載されたことがありますが主流にならなかった背景には制御技術の開発途上が原因であっただろうと推察できます。
そんなことで2ストロークのFI車作って、市販はされてないだろうと思い込んでいた私の浅はかさに、強烈なパンチをもらう出来事が起こりました。

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製造年は97年ころということで、日本には数台輸入されただけで、もちろん走行した同機種を目撃したこともないのですから、すっかり知りませんでした。

L型ツインの500cc2ストロークエンジンですが、最大のユニークさは燃料供給に電子制御式FIを搭載していることです。
タンク下の大きなECUとデータロガーが装備されたこのエンジンは
掃気ポートに燃料噴射しますので
潤滑系はオイルポンプで強制潤滑です。
クランクシャフトは2軸ですからエンジン幅がシングルと変わりません。

2ストロークのメリットは同じ排気量の4ストロークより馬力が出ます。(燃焼回数が4ストの2倍ですから)
そして何より、カムシャフトやバルブといった動弁系の部品を製造する必要がありません。
ですからエンジンメーカーとしては4スト作るより商業的にコストメリットが大きいということになります。
しかも、2ストの宿敵排気ガスも、混合燃料でないですから4ストと同じということになります。

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次にユニークな点は、本来リヤサスが通る部分にフロントバンクのチャンバーが居座っております。
そのためかリンク式のモノショックが横置きにオフセットされています。

このような排気管とリヤサスのレイアウトも他では見たことがありません。

フランスのELF
ニュージーランドのブリッテン
そしてイタリヤのビモータ

私の知る限りの3大コンストラクターです。

おそらく、これが動いたら国内唯一になると思いますが、私に託された使命は、紛失されたノーマルマフラーの代わりに車検対応のマフラーを製作することです。特に難しい要件は聞いてないですが、2度と作らない物を作る醍醐味を味わえる幸せなことではないでしょうか。(商業的には全く成り立ちませんけど)

我が家にやってきて、はや2年。走行6200kmになった1976年式CJ360Tであります。
今月になってから点火の不調に悩まされ、
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IGコイル交換により調子が戻っている今のうちに車検を取っておこうと思います。


よりによって予約日に雪が降るんかい!

午後一番の3ラウンド予約ですが、路面の状況が気になるので午前中に移動してきました。

ビショ濡れにして電気系統がトラブっては時間が無駄になるので、ブルーシートで養生しながらの運搬です。



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最初の難関は雪でラダーが滑ります。

タイヤが確実に乗っかるまで勢いをつけるとラダーもろとも落下転倒することになります。

隣のレッドバロンは二人掛りで降ろしていました。 クソー!







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第3ラウンドはホールショット取れましたが
待機所に屋根はありません。

みぞれで濡れながら1時間待機は簡便してほしい。
誰もいない検査場に入れさしてもらって時間を待ちます。









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2年間、タンクの錆取りやキャブのオーバーホール、ポイントの調整くらいしかしておらず、走行も100キロ未満なので
そのまま車検通るだろうと思っていましたが
甘い考えだったようです。

1回目にライト検査で落ちました。
H10年からヘッドライト常時点灯が義務ずけられており、手元のON、OFFスイッチが不合格だと言われました。

そのあと光軸も不合格で再車検となりました。

手元のスイッチは取り外して常時点灯に直しました。
ライトテストはレンズに付着した水滴が原因で光量が足らなかったのだろうと思って、レンズを拭いて臨みましたが、今度はライトが下向きで検出できないと言われて不合格。

仕方なく雨の中、テスター屋へ押していって光軸調整してもらいにいきました。
すると、ライトステーが曲がっていてランプが右向いていると指摘されて、確認すると確かに曲がっている。俺は何もやっておらんぞ、と文句いっても仕方ないので、一日で限度の3回目再検査へ行きました。

曲がったライトステーのまま、あて舵でライトを正面に向けてテスターに入ったら合格できました。
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気がついたら4ラウンド目に入っていました。

これで車検終了です。
すっかり雪は解けて、積み込みも安全にできました。

あと2年間公道走行OKになりました。
今年こそ奥多摩ツーリング決行しますぞ。

あ、受付事務所でA級ライダー村野秀弥選手に遭遇しました。(ミーハーやな俺)
物作りに必要なのは数値です。作るために必要な寸法が分かっていないのに材料を切り出すこともままなりません。
今回も製作を始める前に現物の寸法を測るところから着手しますが、通常のチャンバーとは勝手が違っていました。
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大きくなったチャンバーの胴体を路面にヒットさせないための形状だと思いますが
三角断面のチャンバーの図面など見たことがありません。

チャンバーの図面はストレート図で表します。
口元からの距離と内径で描かれますが、現物は曲げないと車体に取り付かないわけで
ストレートチャンバーと曲がったチャンバーで同等な排気効率であるかという検証もできていません。
常識的にパイプにカーブがあると流体に損失がでることになります。

では同じ断面積の丸パイプと多角形パイプで排気効率が同等かということも未検証です。
おそらく明確に答えてくれる日本人は少ないんじゃないかと思います。
レイアウト的には同じ断面積の円と三角だとどちらがロードクリアランスを稼げるか、という問題ですが
真円が三角にトランスフォーメーション(変態)することを想像してください。
三つの角が出来ますから縦横の幅は円の直径より広がるはずです。
そのかわり、角を繋ぐ線の部分が円の直径より幅が狭くなりますから、その線の部分をマシンがコーナリング時に路面と最も近くなる場所に持ってくると、ロードクリアランスを稼げるということになります。
motoGPではバンク角が61度になることもあるらしく、それでも路面にヒットする部分がないという、よく出来たレイアウトです。
このマシンは実際のバンク角こそわかりませんが、コーナリングのGでリヤサスが沈み込んだあたりでチャンバーの胴体が擦るみたいです。
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これが見本のチャンバーですが、両側とも路面に擦ってしまっています。
チャンバーが擦ってしまっては、これ以上コーナリングスピードがあげられません。
しかし、このチャンバーが他と比べると、シャシダイの数値も実走のタイムも最高だということですが、既に絶販で製造元に尋ねてもどの仕様だか不明だということなので、再生することになった次第です。

なんとか擦らないように内側に追い込んで
内側はサスのボルトにガッツリ当たるようにレイアウトしたので、もっとコーナー寝かせられると思います。

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左右出しのツインマフラーは位置決めに時間がかかります。
リヤフォークとのクリアランスを気にしながら
左右の高さや角度をそろえないと不細工な格好になってしまいます。
しかし、左右同時に見ることが不可能なので、片方のサイレンサー位置を決めてから
反対側の位置を合わせる、みたいな手順になります。





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極力フレームからはみ出さないレイアウトを心掛けましたが、実際のバンク角はサーキット走行で確認していただくしかありません。

当たるとすれば、一番張り出した部分だけだと思いますので、後で凹ませる方法を取らせていただきます。





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アンダーカウル装着が要件ではなかったのですが、大きくカットされていましたので
問題なく装着できました。

これにて製作作業終了!

リプレイスマフラー作りをハンドワークに拘る理由を理解していただくために、
敢えて恥ずかしい部分をお見せしたいと思います。
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サイレンサーのフロントエンドキャップですが0.8mm厚ステンレスで板金します。
精密板金の経験者の方はどのようになるか分かると思います。
接合面の隙間、ズレなどが0.1mmくらいの精度で合っていないと溶接不可能ですね。
パイプに嵌める部品なので溶接棒で肉盛りは不可です。
溶棒無しで共付けが必須ですが、薄板ステンレスは溶接で引っ張られて歪んでしまうので予め仮止めをしておかないと接合不可能になりますのでバイスで圧力を掛けながら溶接します。
オートバイの取説風に言うと「ステンレス板を板金して溶接する。」くらいしか説明が無いでしょうが、これを付けるに至るまで多くの手法が潜んでいることは経験者でないと分からないでしょう。
最低レベルの溶接ですね。溶接専門店ではやっていけないでしょう。
板厚が1.5mm以上あればどうってことないですが0.8以下になると途端に難易度が上がります。
要するに苦労しているということです。
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板を巻いて突き合わせで溶接してありますが、最も神経を使うところです。
接合部に僅かなズレや隙間があっては付けられません。
溶接前の下拵えで出来栄えが9割決まってくるのです。
では、このような形状の部品を金型でプレス成形しない理由は完全にコストの問題です。
プレス成形は丸い形状は比較的簡単ですが角ばった形状は難しいのです。
金型の表面を金属が滑って塑性変形していくのですが、角になった部分で滑りが妨げられるので、金型は5段階くらいの据え込みを経て徐徐に最終形状にもっていきます。

おそらく1000トンくらいの圧力が出せるプレス機と数百万円程度の金型製作費が必要なので、1個や2個の成形ではコスト的に不可能なため、ハンドワークしかありえません。
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大きいマフラーメーカーなら少なくとも1000台以上の販売を見込んでいるため、ためらわずプレス成形するでしょう。
そうすれば仮に金型300万円掛かったとすれば1台あたり3000円で型代償却できますから成り立つ計算です。

我社は一人のお客さんの要望に答えつつ赤字を出しては事業の継続ができなくなるため、人件費を削っても高額な投資をしない方針でやってきました。



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サイレンサースキン、前後キャップが出来上がりました。
マウントステーと中身を拵えれば、エンジンかけられます。
明日半日くらいで完成予定です。

どんな音になっているでしょうか。







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組みあがりました、スリップオンサイレンサー。
サイレンサーボディーを大きくしたので1300の車格とマッチしていますね。

325ccが4つのエンジンですから大容量が必要です。
昔の集合管は抜けが良ければOKだったわけですが、今はその考えは古くて
排気管内は燃焼室と直結していますから
適当な圧力を持たせることによって燃焼室の充填効率を上げることができます。
高回転時は吸入した混合気の一部を排気してしまうので燃焼室内に留める作用が必要です。
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そこで排気の抵抗を利用するのですが、抵抗をつけただけでは負荷になってしまうので
排気管内で膨張させて排気を脈動として燃焼室に伝えれば排気損失のすくないマフラーになると考えています。

また排気音についても大気中で急激に膨張する気体が爆音の正体なので、マフラー内で圧力と温度を下げてから排気することで静粛な排気音になります。
やかましいのがパワーが出ているわけではないのです。

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エンジンかけてみました。
アイドリングで暖機運転しますが、排気音が殆ど聞こえません。
4連装のFCRキャブのスロットルバルブがカタカタと鳴っているだけで、非常に静粛です。
アクセルをあおってみますがエンジン回転に比例して大きくなる感じはしません。
明らかに消音されていましたので音量計測も行いませんでした。
おそらく5000rpmで94dB以下でしょう。
一応ディフューザー付けておきましたが1dBくらいの効果なので
外しても街乗りに不都合はない程度でしょう。
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バードビューはこんな感じでツインショックの外側出しですが、なかなかスリムにまとまっているではないですか。

グラスウールは儲からないのを承知で一番高い物を入れてあります。
社外の安モンでは性能が出ないので
入れても無駄になります。
4ストモトクロッサーで8年間、マフラーを実戦投入してきて得られた結果なのでこの部分はケチるわけにいかないのです。

現行の大型2輪の規制では触媒装着が必須になりますが、これも社外の触媒が出回っていますが浄化性能も耐久性もメーカー純正品に比べ劣りますので使えません。

ホンダの栃木研究所第1設計ブロックといえばエンジン設計ですが、触媒はエンジン設計で開発しています。
そこの主任研究員から直接、触媒の仕様についてレクチャーを受けて、実際にメーカーまで出掛けて製造工程まで確認してきましたから、私は製作所では一番の触媒スペシャリストでした。
その経験から言えることは現行車で純正並みのエミッション性能をそなえたワンオフマフラーを作るとマフラーの販売価格を10倍くらい貰わないと実現しませんから、もしどうしてもノーマル同等のエミッションを求めるのでしたらノーマルマフラーを破壊して触媒部分だけを取り出して使うしかないということを申し上げておきます。

今週はドリーム50のアルミタンク製作です。お預かりして5ヶ月くらい経過していますので、お客さんも待ちくたびれているかもしれません。

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依頼内容はRC116のような形のタンクにしたい、ということです。

実車はホンダコレクションホールにあるのですが、2月末まで館内改装のため休館です。

仕方なく画像を見ながら作ってみることにします。

しかし、驚くほど細長いタンクです。

 

 

 

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作り始めてみますと、RC116とドリーム50はフレームのレイアウトが全然違うことに気がつきました。

おそらく、ドリーム50はサーキット走行だけでなくツーリングに使っても支障ないようにシート幅が広くなっています。そのためシートレールも幅広ですから、こちらのフレームに合わせたタンク形状にしないと取りつけが困難なことがわかりました。

画像は底板の上にタンク上部と横板を仮止めして形状確認を行っています。

 

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板金で成形したアルミ板を溶接で繋ぎます。

外側の溶接ビードは研磨して消しますので内側の溶接をしっかりとつけておきます。

明日外側の溶接作業にかかります。

かなり進行しているように見えますが、完成まであと3日くらいかかるでしょう。

 

 

 

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普通のタンクはメインパイプの上まで被さっていますが、このタンクはシートレールの上まで伸びていますので、トンネルの形状が複雑になります。

2枚の隔壁はガソリンの移動を抑える目的とタンクの剛性を上げる目的があります。

RC116はワークスマシンですが、ドリーム50は市販レーサーCR110に似せて製造されたマシンですからフレームの構成が違うわけです。

 

 

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ガソリン溜まりにコックを取り付けますが

本体への溶接は研磨後にします。

突起物が無い状態の方が取り扱いしやすいためです。

RS125から移植するタンクキャップも同様です。

 

 

 

 

 

CIMG2171.JPG溶接はひととおり終わり、接合部の研磨と表面の均しを大雑把に行いました。

タンク容量は7.0Lです。ノーマルの容量は知りませんが、DE耐とか走るようでしたら気になるところですね。

ノーマルはCDIユニットがシートレールの上にはみ出しているため取り付け位置を変更してタンク底板をフラットにしてあります。

前下がりだったノーマルタンクはガソリンが前方に残ってしまい最後まで使いきらないらしいですが、このタンクは水平になっていますのでガソリンを使いきれるでしょう。(給油量を制限される耐久レースでは有効です)

CIMG2172.JPGニーグリップ部分はシートレールより狭くなっています。RC116はもっと狭いですが、フレームとのマッチングでこれくらいが狭さ限度でしょう。

本来は赤色塗装ですが、お客さんの要望でアルミ地肌で終了です。

お客さん独自のプロジェクトがある限り私の業務も続いていくでしょう。 

 

 

 

 

CIMG2179.JPG仕上げにサンドペーパーで磨きました。ハンマー痕や溶接ビードなどで表面の細かな歪みを平滑に均していきます。

60番から磨きはじめて180番で止めておきました。鏡面に仕上げるよりこれくらいの粗さの方が塗装の密着はいいでしょう。さらに磨きこんでポリッシュすることも可能ですが、あとはオーナーに委ねます。

ホンダはHSV010でGT500に挑戦しているというのに、このプロジェクトは何とささやかなものか。

全部手仕上げですからね、ハイテク一切無し!

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カーレースの方はホンダのお家芸だと思うのですが、GT500では苦戦を強いられているようです。

技術力だけでは負けないと思うのですがそれだけじゃないんですね。

F1よりこっちの方が道路で乗れるクルマに近いので好きですね。絶対乗れないわけですけど、少年時代のスーパーカーブームを彷彿させます。

 

 

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もてぎ貸切で極秘テストですかー

金持ちのレーシングチームは違いますね。というより、サーキットも自社所有でした。

研究所もテストコースも部品メーカーもなんでも揃っているのに何故、勝てないのか!

今年こそはレーシングスピリッツ見せてもらいましょう。 

しかし、この顔 強そうやな。

 

 

 

 

ようやく2台目のNSR250のチャンバー作りです。製作実績がありませんので、毎回悩むところですが、今回はお客さんの要望で右二本出しのサイレンサーが特徴です。

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89モデルと思われますが外装部品は既に廃盤になっています。フルカウルは全塗装したのかと思っていましたが、じつはグラスファイバーで復刻したものでした。

ノーマルはインジェクション成型なので、裏地の肌が違うことで気がつきましたが、生産されない旧車のために、カウリングを少量生産するメーカーがあるようです。

引き締まったスタイリングが好感をもてますね。

 

 

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アンダーカウル装着のためにチャンバーの取り回しが複雑になります。

90度V型のリヤバンクは右出しに、フロントバンクはUターンして左出しという変則カーブを描きます。

通常左向きにひねったコンバージェントコーンを右向きに変更して右出しのテールパイプに繋げています。元々センタースタンドが無く、リヤサスのリンク位置も問題なく、後ろ側の取り回しは自然な形にできました。

 

 

まだまだ年内はワンオフの製作が続きます。当分の間、工房に篭って仕事していますので春ころまで掛かります。電話も出られないと思いますがご了承ください。

息抜きは必要なので、今日の音楽ネタはコテコテのジャズにロックを融合させて聴きやすい音楽を作ったフュージョン界の功労者、デイブ・グルーシンの立ち上げた演奏集団GRP AllStarsからマウントダンスです。自分はデイブ・グルーシンの演奏を観るのはこれが始めてで感動しました。ギターの神様リー・リトナーも参加されています。この楽曲聴いていると80年代が蘇ってきます。

 

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NSR250R 89モデルです。これはチャンバー製作のためお客さんに持ち込んでいただいたものですが、私が会社員時代に新車で購入して乗っていました。

2年ほど通勤やツーリングで使用しましたが出張が多くなり、オートバイとも不縁になりがちで段々乗らなくなり手放してしまいました。

あれから25年も経つのに、このように綺麗に保存されている人がいることに感心します。

 

買いなおそうと思っても、この年式は高額になっていることと、純正部品も絶販が多くなってきていますので止めておきます。チャンバー製作記は後日(1ヶ月ほど)掲載することにして

今回の題材はこれです。

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純正のサイレンサーですが、この何気ない部品に非常に高度な鍛造技術が使われています。

このボルト締めのフランジ部分と筒が一体成型であること、この製法が想像できるでしょうか。私は別の部品製造の打ち合わせで某鍛造メーカーへ出張したときに、この部品を見つけました。ホンダが発注するサイレンサーのメーカーは別にあるのですが、その会社から手配された2次メーカーだということです。

一般的には認知される企業ではありませんが鍛造専門として自動車工業界を支えている重要なスポットにあると思います。当時の打ち合わせの目的は、設計からは図面が出され、購買部でメーカーを選定して発注する、製作所では部品を受け入れて組み立てる。という自動車製造の流れの中で部品メーカーと受け入れ側の取り決めを行っていないと、担当が別々の人間が行っているので勝手に作られると量産が成り立たなくなるためです。

搬入の何週間前に発注するとか、ロットの大きさ(一回に製造する数)などは購買で取り決めします。私の担当は受け入れる部品に不良が混入しないための取り決めです。不良の検出は検査によって行いますが、製造工程で不具合を出さないことが重要で、そのための重点管理項目はどのようになっているか、現場ではどのように行っているか、実際に確認する必要があります。

そんな製造現場で見てきたものの中にこのサイレンサーのような一体成型があったわけですが、特殊な金型と大型のプレス機を使って、ビレット(仕込み重量と形状を管理された材料)を金型に押し込み、筒の部分は金型の隙間を滑りながら伸びてくるという、想像を絶する塑性変形を伴います。

通常は冷間で行うようですが、このような変形抵抗の大きいワーク(製作物)は必要におうじて加熱炉で温めて柔らかくしてから鍛造します。ここで、非常に高荷重で金型と材料が滑って変形していきますので金型と材料には特殊な潤滑材も塗布されています。

普通の鍛造はワークの型抜けを考えて「抜け勾配」がついているものですが、これは抜け勾配ゼロなのです。押し出し成型に近い製法であることが伺えます。

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これがエンドキャップ部分ですがフランジを内側カーリングで荷締めて固定されています。

これで非分解部品となるわけですが、ここまでの工程でサイレンサー外筒部分にフランジのタッピング以外に加工はありません。

全て金型と専用機で成型しますので人間の手作業はワークの運搬だけということになります。

品質は工程で作られるもの、人為的なミスや熟練の度合いで製品がバラつくことを防ぐということが量産の考え方でした。

なにしろ切削加工なしでサイレンサーが出来てしまいますので、無駄がありません。こういうことを業界用語で「歩留まりがよい」といいます。厳密にコストが算出され、安価に提供せよという親会社からの要求に応えた形ではないかと思います。

今の私の仕事は全く逆のことをやっています。量産はできないので、一個だけ作る人為的技術が製品の可否を左右します。おそらく量産を経験していないと、こういう発想も起こらなかったでしょう。

世間は大型連休中ですが、予定の業務が終了していない弊社はエンドレスで進行中です。

1ヶ月近くお預かりしているマシンのチャンバー製作に着手しているところですが、予想に反して手強いです。

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TZR250の後期モデル、89年から3年しか生産されなかった前方吸気、後方排気という珍しいレイアウトのエンジン。

91年からV型となるため並列2気筒としては最後のモデルとなります。

しかし、このレイアウトはメリットとデメリットがあって総合的にはどうなのか、いろいろ乗り込んだ人しか分らないと思いますが、私個人的には面白いですね。

何で他の機種ではこういうレイアウトが採用されなかったのか興味深いところがあります。

クランクケース吸入ですから、キャブレターが後ろでも前でも吸気量は同じですが、通常レイアウトではキャブレター周りが熱くなってしまいますが、前方なら冷やされますから、フレッシュなエアーが吸入され充填効率が上げられるでしょう。排気管も後ろ向きの排気ポートからストレートに排気され抵抗も少ないでしょう。

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チャンバーの寸法は依頼者からエクセルで作図したものをメール送信していただき、それに従って製作するだけです。ところが、真っ直ぐなパイプを作るわけではありませんので微妙なカーブを作ることで難航しています。

左右のエキパイを成型して口元フランジを固定してみると、これではパイプの位置が高すぎます。シートの下が近くて配線などが焼けてしまうことになりそうなので、やり直しです。ここまで2日かかっていますが、惜しげもなく廃却です。

 

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即効で少し下向きに変えたカーブのエキパイ2本を作成して続行です。

このようなことを繰り返していますので予定どおり業務が進まないということになります。

納期は約束しても無駄ということです。

初めて作るものはどうしても時間がかかりますが完成したときの喜びも既成品とは違うものがあるのです。

 

 

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うーむ、官能的です。

リヤストレートとは名ばかりで、クネクネ曲がってないと、サブフレームやサイドカバーと干渉してしまうので、必然的なカーブを描いています。

これからテールパイプとサイレンサー2本作らなければ完成しません。

あと20時間くらいでしょうか、もうひと頑張りします。

 

 

 

CIMG0802.JPGサイレンサー2本、リヤカウルに空いた穴から突き出しています。

4ストのセンター出しは、このモデルから発展したと言えます。センターはリヤタイヤが上がってきますので、チャンバーは両側に張り出した形状にしないと当たります。

サイドカバー付けると全部隠れて見えなくなりますのでストリップ状態だとこのようになります。

これでオーナーの設計されたチャンバースペックで製作が完了しました。

GW+3日の工程費やしましたので、この後も過密スケジュールで進行していきます。

 

 

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ダイノジェット計測でお世話になっているmotoGLADさんとこのテイスト仕様のロードレーサーです。

チャンバーのワンオフ製作をやる予定ですが、今月中の納期なのに今頃取りかかっていて大丈夫なのでしょうか。

社外品のチャンバーが付いていましたが、満足できず新作してほしいという依頼で、内容を確認しますと、中速の加速が緩く、高回転も頭打ちが早い。サーキット走行では少々物足らないと感じるようです。

チャンバースペックを測ってみましたら、どうやらストリート向けで強烈なパワー特性を控えたおとなしい乗り味になっている様子です。

幸い弊社では17年かけて溜め込んだチャンバースペックが多数、秘蔵ノートに書き込んでありますので、これは2ストパラレルツインの250ccなので125シングルエンジンのレーサースペックを引用して製作していきたいと考えています。

それから形状デザインですが、付いていたチャンバーはエキパイがクロスしたタイプでしたが、右バンクで路面とヒットしてしまうのでレイアウトを見直す必要があります。当然左右非対称となりますので、違う型を2種類作ることになります。筑波サーキットは右の高速コーナーが多いので右バンクの条件が厳しくなってしまうのです。

ではこれから1週間はこれに専念することになりますので、他の仕事は一切できません。戦闘機向けのチャンバー製作は最も意欲的な作業であります。

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チャンバー形状を見直す工程ですが、膨張部分が後ろに位置すると、リヤサスのリンクと干渉するため外側に張り出してしまいます。フレームから僅かにはみ出した部分がフルバンクしたとき、路面と擦ってしまうので

膨張部分を完全にフレームの下に収めるレイアウトを取らなければなりません。

そのためエキパイ部分をなるべく前方に取りまわすために、このようなクロス形状にしてみました。膨張部分とダイバーコーンは左右別形状になりますので、このあと展開図を作成していきます。

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右側のチャンバーは、このとおり繋がりました。膨張室を完全にエンジン下部へ追い込んであります。

次に左側のチャンバー形状を決めます。

 

 

 

 

 

 

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左側はこんな形状です。チャンバーのスペックは左右同じなのですが微妙に形状を変えないと、フレーム下にピッタリと収まりません。もうガチガチのクリアランスで5mm動かすとフレームやステップブラケットと干渉しますが、これでフルバンクでも路面と接触することはないでしょう。

あとはマウントステーとテールパイプを溶接してサイレンサーを取りつけます。

 

 

 

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取りつけ確認して完成です。

サイレンサーは125ccシングルの標準的なサイズです。サイレンサーマウントはありませんのでテールパイプ溶接部に補強パッチを当てて亀裂防止してあります。

motoGLADさんはロードレース経験豊富なので、キャブセッティング、パワーチェックなどお任せしたいと思います。

チャンバーは未塗装です。運転中の排気熱で焼けてしまえば、錆びの進行が遅くなりますので問題ないですが、長時間保管する場合は防錆スプレーか耐熱塗装がよいでしょう。

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NSR50のロードレーサーが今回の議題。

GPmonoでレースをされているナオキさんの練習車ですが、ミニバイクは転倒も多いそうでダウンチャンバーだと、サイレンサーは路面に擦ってしまうため

サイレンサーをリヤカウルの中を通す、センター出しに改造するためチャンバーをアップタイプに変更してフレームの中を通すレイアウトに作り変えるというもの。

 

 

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チャンバーを作るとき、最初にやることは元になるチャンバーの寸法を測ってストレート図に書き直すことです。

写真の上側は元のチャンバー

下側はストレート図に基づいて作られた模型

円盤はパイプの内径を表し、軸芯の棒はパイプの長さを表します。

この模型を曲げて車体に取り回すレイアウトを検討します。

 

 

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このようにエンジンやフレームとの隙間を確認しながら形状を決めていきます。

同じものは二度と作りません。この車両だけのためのワンオフ製作です。

このあとアンダーカウルやキャブレターの燃料ホースなどに当たらないようにクネクネと複雑なカーブを描いて、狭いフレームの隙間にチャンバーが収まっていきます。

明日は模型の形状に合わせてパイプを成型していきます。

 

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成型されたパイプを接合しました。

模型のカーブに似ていますが、車体がアップチャンバーを想定して設計されていないために取り回しはミリ単位でフレームをかわすシビアなものになりました。

アンダーカウル装着のため、フレームギリギリに寄せないと、グラスファイバーのカウルを溶かしてしまうことになります。

明日はラジエターのマウントとセンター出しサイレンサーのフィッティングを行います。

 

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震災の前日から製作に取り掛かっていたタンク作りですが、3日ほど動揺して通常の業務ができませんでした。とりあえず、やりかけた仕事を完了させるべく再開しましたが、計画停電で一日のうち3時間くらいは業務中断になってしまい、非常に効率悪いです。

被災地の電力不足、燃料供給不足を考え、工場の空調や石油ストーブを止めてやっております。幸い寒冷地ではないので、寒いですが我慢しながら仕事しています。これも支援の一つと考えております。

義援金や救援物資だけが災害支援ではありません。最も強力な支援は国の力だと思うのです。自衛隊や消防庁に指令を出したり、車両を動かしたり、職員の人件費を払ったり、全て税金でまかなうのですから被災していない地域の人ができる最も重要なことは、今やっている事業をしっかりと遂行して税金を払うということであると思っています。

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アルミ板金でこしらえたガソリンタンク。

オーナーさんはジムカーナでNSR250に乗っていますが、ノーマルタンクの張り出しが大きいことと、エアクリーナー吸気口を塞いだデザインを改善するという目的でタンク製作に踏み切りました。

フィラーキャップはノーマルを使用していますので鍵を使って開閉します。

 

 

 

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タンク底板の形状です。エアクリーナーボックスを逃がすデザインです。

中央付近に二つ穴が設けていますが、フィラーキャップの構造上、エアベントと水抜きのパイプがタンク内部を貫通しています。

 

 

 

 

 

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車体に装着した様子です。

フューエルコックは左下に設置してあります。

レーサー用の部品で、リザーブ無しです。

タンク容量は13L、大体これでご要望にお答えできると思います。

停電や燃料の調達が悪く通常より効率悪いですが、まだまだバックオーダー抱えておりますので、なるべく早く仕事を進めていくだけです。

そのお客さんは始め電話で場所を確認してからスポーツカー(ロータス)に乗って現れました。

怪しげな工場の下見をしてから注文しようと考えたそうです。

以前、別の業者に品物を注文したがトラブルになってしまい信用できなくなったらしく、製作を依頼するとき慎重にならざるを得なくなったそうです。

それなら大丈夫、信念の仕事をやり通す弊社を選んだあなたは大正解。

必ずや満足させてあげられるでしょう。

最初、装着されていたチャンバーも社外品だったのですが年式も古く錆びている上に素人のような溶接が割れてしまって何度も下手な補修を重ねた痕が見られました。

もちろん修理ではなく新品製作で排気漏れも解消、パワーモリモリのチャンバーがついたRD400がロータスのおじさんの通勤車として走り続けているそうです。IMG_0236.JPG IMG_0237.JPG

 スズキ B-KING チタンサイレンサー(特注品)二股のジョイントパイプとツインのサイレンサーにチタニウムを採用し、内部構造をストレート排気にした。ノーマルで160ps/9600rpm のエンジンに不満はないが、ストレスをさらに軽減した作りでモアパワーを目指した。特殊グラスウールを使用し、排気音は90dB/ 4800rpmなので車検も適合する。重量はジョイントパイプ、ツインサイレンサー合わせて3.2kgと軽量効果も大きい。価格応談(オーナーの特注品のため)

ヤマハYMー1 1964年型

当時のヤマハ最高排気量の350cc

IMG_0239.JPG2スト2気筒 ピストンバルブ

右マフラー製作

画像の右マフラーは再生後のものです。

左は無傷でしたが右マフラーだけ曲がっており

オーナーの希望で元どおりに復元したいという依頼に応え

新品製作しました。

内部も忠実に復元してあるので

サウンドもスタンダードそのままに再現できました。

表面処理はクローム鍍金で製作費は¥35000也。