■ 製造技術

KX250のフルエキゾーストを作る計画が若干変更して、ノーマルマフラーを改造することにしました。

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ノーマルが少々長いのでショートサイレンサーにするため
切ってしまっては元に戻せなくなるため

アルミボディーとパンチングの長さの50mm
短縮したものを新造しました。

パンチングパイプの絞り加工が排気の乱れを生じさせるため
ストレートパンチングにしました。(騒音は若干上がると思いますので別の方法で消音させます)



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前後パイプを組み立てして、マウントブラケットの位置決めを現車で行います。

ゴムダンパーは溶接時の熱で燃えてしまうので、ダンパーと同寸のカラーを作って
ブラケット装着しています。









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マウントブラケット溶接しました。

軽量なアルミ素材ですが強度が必要な部分
は板厚を上げて応力が分散するように設計しています。

ラバーマウントとカラーはノーマルを使用します。






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見た目メーカー不詳のマフラーですが
ノーマルを50mm詰めて磨いただけです。
社外マフラーより圧倒的に低コストですが
性能も向上できれば言うことなしです。

今月末の四国戦に向けて準備中なのです。
実家帰省からHSR全日本MX第2戦、3戦
観戦後、翌週がレース日となっていますので、その前に1回乗っておこうと思います。






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音量測定実施しました。
50mmカットとストレートパンチングの状態では
2mMAXで4dBオーバーの118dB/Aという結果でした。
これでは地方戦も走行不可です。
そのため持ち帰って、サイレンサー分解し
パンチングパイプに加工を施しました。

加工方法は企業秘密で教えられません。
再測定した結果(実は2回、分解追加工を繰り返し)
114.3dB/Aという結果でした。
規則では小数点以下切り捨てなので
規定値クリアということです。
これで地方戦レース走れますので一歩前進です。



モトクロスシーズン開幕、関東選手権第1戦は先週終了。再来週には全日本選手権関東大会開催の
この時期に、主力機種ではないにも関わらずYZシリーズのチャンバーとサイレンサーに時間を費やします。
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右側の少し小さいのが65チャンバー。
左の二つは85チャンバー
それぞれサイレンサーとセットの商品となります。

新型のYZ65とモデルチェンジされたYZ85発売当初から製作していて
既に実戦経験豊富な仕様のエキゾーストパイプ達です。

出荷先は決まっているので在庫はありません。
ご注文後の受注生産のみ対応できます。


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今回は新しい試みで、通常アルミサイレンサーはバフ研磨仕上げでしたが
オフロード走行の宿命で土砂のスプラッシュ攻撃を受け、アルミ表面が荒れて外観が損なわれてしまいます。

その都度磨けばよいのですが、中々手間がかかります。
そこで表面硬度を上げてアルミ表面の劣化を防ぐ効果で、ガンコート仕上げしてみました。
金属表面と塗膜の密着を強固にするため
サンドブラスト後、ハイブリッドプライマー+ガンコート、170°Cオーブン焼き付けという
高度な塗装技術をビンテージMXでお世話になっているHollyエクイップさんに発注して施工していただきました。費用はサイレンサー本体と同等くらい掛かりますが、この際採算は度外視で商品性向上の見極めのため実施することを決めました。(一般のお客さんに進言するための確認作業です)

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全日本選手権第1戦から投入予定です。

外観で直ぐにわかるようになっているので
ご興味のある方は探してみてください。

21モデルKX250Fは新型とはそれほど違いが感じられないので今更ですがスペアエキゾースト製作に
着手します。
KXのオーナーさんは気付いていると思いますが、エキパイ、ミドルパイプ、パイプエンド、ノーマルは鉄です。大した重量メリットは無いように思いますが部品を外して手に持った瞬間に分かるはずです。

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エキパイは管長を主体にモデルチェンジされていますが
21モデルからすると若干の延長と
レゾネータ寸法形状などが違うところです。

難関はφ35からφ45までの拡管ですが
油圧のパイプエキスパンダーは導入していないので(コストの問題)
切断したパイプに油圧プレスでマンドレル(芯棒)を押し込んで広げる方法です。





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テーパー状に滑らかに接続したいので
φ35⇒φ38.1⇒φ42.7⇒φ45、という具合に
3段階で拡管しております。

扇形の板を巻いて繋ぐ手法もありますが
パイプの板厚が1.2tなので同じ板厚のパイプに揃えた方が内径、外径の段差を極力無くすことができます。
レゾネーターは最もシンプルで横幅が増えない円筒を上乗せするタイプ。
ノーマルのようなプレスのチャンバーより
容積の計算が容易なこともメリットの一つ。

当然容積で排気騒音も変わるし、パワーフィーリングにも影響するはずです。

業務の都合でサイレンサー部分は後日製作実施する予定で、ノーマルサイレンサーと組み合わせです。

70年代旧車モトクロッサーのチャンバーは、ご注文された時だけ小ロット生産していますが
前回生産から数か月や1年以上経過すると忘却曲線に従い作り方を忘れてしまうので
取り付けレイアウトの隙間10mm以下の部分などは実車で確認しないと保証できなくなります。

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サイレンサーは直線的なパイプなので
取り付けの差は出ないですから支給品で確認します。

問題なくハマることは分かりました。

幾つかチェックポイントがあります。







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ダウンチューブとパイプ内側の隙間
5mm設定とします。













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ガソリンタンク下とフロントフェンダーとの
最も近い部分で10mm空いています。
前後どちらに移動しても当たりそうです。











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この位置でシリンダーヘッドとの隙間は
最も近いフィンの角で8mm空いています。
ここも僅かに後ろに傾いたら当たります。
前に傾くとフェンダーに擦るというわけです。

このパイプを基準に組み立て治具に隙間を記しておいたので、今回の製造ロットは同じレイアウトを守れるはずです。

ワンオフ製作だと比較するものが無いので
1回クリアすればOKですが
ロット生産の場合はクリアさせる回数が増えるのでその分難しくなります。

来月半ばまでこれに掛かりきりになる予定です。

国内に新車で買える2スト車(公道走行用)は絶滅していますが、海外向けにはあるようです。
TS185がそれですが、外観はハスラーの125と250の間のように見えます。1977年型から生産を続けていて、南米向けのみ販売されているらしく近年の排ガス規制などが無縁の仕向け地なのでしょう。
この車両の存在を知ったのは、お客さんからのメールでチャンバーをオリジナル製作して換装したいという依頼が何件も届いていましたが、多忙を理由に受注する返事はしたことがありませんでした。

ところが、今回は半年ほど前から問い合わせをいただいていたお客さんから再三の問い合わせで
空返事していたのが正式な約束と取られたみたいで車体をお持ち込みになられたため
預かりスペースが少ないので早急にチャンバー製作することにします。

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車体色も塗り替えられ、カスタムしていく方向を説明され、こちらでエキゾースト部分だけ作ることになったのですが
アメリカの方で2ストトレール車をダートトラック専用車に改造したものがあり、その写真が見本として提示されたのですが
その写真の車種も車体もTS185とは別の物であることから
当然完成品もなくスペックも不明な状態からの新造となります。

先ずはエキパイの形状から決めていくのですが膨らましパイプのカーブが想定通りに出来ませんので1本目は曲げカーブのデータ取りにして2本目に着手しております。

この製法真似して作られる方の多くは狙った形状にするのが困難で諦めてしまうらしいですが
私がやっても初めての物は一回で完成できず、やり直しているんです。
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上のエキパイが曲げカーブが下向きで失敗したので、切断面が2?ほど上向きになるようにやり直したものです。

このエキパイに合わせて輪切りのテーパーパイプを作ってレイアウト検討です。

理想的な形状ではないですが予算に限りがあると思うで、このパイプを切り開いて
展開図とします。
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この展開図を画張りにして鉄板に罫書いて作っていきます。

ワンオフの場合でも、二度と使いませんが
製造上このプロセスが必要です。

ヤマハの市販モトクロッサーYZ250の初期型は1年限りのツインショック、74年からモノクロスサスに変更されるので希少なモデルです。
73年の僕は小学6年生でオートバイとは全く無縁の生活でしたのでオートバイという乗り物を百科図鑑でしか見たことがありませんでした。
最初に興味を持ったのは中学2年のころ、家で取っていた朝日新聞の広告欄で「月刊オートバイ」を見つけましたが本屋も無い田舎に住んでいたので、西条高校に通学していた兄に小遣い渡して町の本屋でオートバイ誌を買ってきてもらいました。最初に読んだ記事はエグリ・フレームの特集だったのを覚えています。
実際にオートバイに触れるのは高専に入学してから(1年生のころ中古のCB250Tが最初に買ったオートバイ)なので、73年ころの市販モトクロッサーと言われてもスペックは全くわかりません。
何故か70年代のモトクロッサーに詳しい人が、何も知らない僕にマフラー作りを頼むのですから
無い知恵を絞って製作に着手するのです。

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しかも5台分、同じ形状のマフラーステーが
1台当たり3個使うので
15個作る必要があります。











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ヤマハが手配したメーカーなら
金型を作って、10秒で1個作れるような形状ですが
低レベルな板金技術で15個8時間もかけて作っています。









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これを先に作っておかないと
テールパイプやサイレンサーの位置決めが
決まらないことになりますので
マフラー本体フィッティング時に使います。










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エキパイ口元ですが
製作前に準備しておくものがあります。

排気口に嵌める寸法は現品から寸法測定して図面描きますが
同時に純正のOリングも寸法測定に必要です。







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ところが、支給いただいた当時物の新品が
ゴム硬化して組めません。
プラスチックのように硬くてリング溝に入らないのです。

50年経過したゴムですからね、新品を保存しても意味が無かったのですね。
既に純正廃番なので
供給可能な別機種の0リングを取り寄せ
代用することにしました。
問題はリング外径が違うので溝加工はやり直しということになります。



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スペック、形状は支給いただいた当時物のパイプを基に贋作作りました。

マウントステーの位置やスプリングフックの形状など純正品に倣って可能なかぎり再現してあります。

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シリンダーヘッドとタンクの間を通るパイプは
オーバル断面になりますので
成形の難易度が丸パイプよりは上ですね。

どんな性能であるかは知る由もありません。
たまたま、この車体を見た元ヤマハの契約ライダーだった人が仰ったことは「これ、速かったんだよねー」
キットパーツ時代から市販レーサーへ切り替わったころですから、その衝撃が忘れられないんでしょうね。


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マフラーの取り付けは、純正のラバーマウント使うのですが
純正新品でストックされているわけは
アメリカのコレクターから倉庫ごと在庫品を買い取ったらしいので
ケチな収集家でないことが伺えます。

なんだか自分が知らない時代のマシンの一部だけですが、ここで得られた経験が貴重な感じがします。

お引き取りは長距離運搬になりますが
費用は依頼者様ご負担ということで
お願いしてあります。

ジュニアクロスの入門車、YZ65のチャンバー製作の依頼を地元のお客さんから受けて
ワンオフですが製作しました。

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初めて作るチャンバーはパイプのカーブを決めるために、円形の鉄板を鉄棒に刺したモデルを作って検討します。

円形はパイプの内径を鉄棒は長さを表します。

計測したチャンバーの図面を起こしてストレート図を描いて直線の串刺しモデルを作り、
車体に合わせながら手曲げでカーブを決める作業です。
そして造形された曲げカーブになるように
板金の展開図を作成して水圧成形でパイプの基を製作します。

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溶接接合する前にパイプの外径や長さを測定して、設計値に合っているか確認します。

違っていたら展開図の寸法を調整して
再度、水圧成形することを繰り返して
図面値に近付けていきます。




構成部品が全て溶接できました。



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車体取り付けしてシリンダー横、ケースカバー上等の隙間が適切であるか確認します。

サイレンサーはノーマルでフィッティングしましたが、YZ85と位置関係が共通のため
後日サイレンサー製作とします。

次の関東選手権から出走すると思うので
性能は証明されるでしょう。
ノーマルから諸元変更しているので
良い方向へ向かうことを期待します。

正月休みのうちに完了しておきたいNSRカウリング装着。
残務は、ステムパイプとフロントカウルを連結するステー製作。
NSF用の別売りステーを買ってきてつけるのでは面白くない、自分で作ることが遊びになります。

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昨日で位置決めはできていたので
ステムパイプの穴からカウルビスの穴までの空間を連結するアルミのステーです。

左右対称ですが、車体中心線に対して
垂直の部分がありません。
斜めの棒とプレートの結合のため
溶接に関しては少し工夫しました。







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これでフロントカウルの固定は完了です。

スクリーンもアクリル板から作って取り付けましたが、アクリル板の曲面に加工するのが上手く出来なくて、失敗して2枚目で取り付いたことを白状します。

初めてやったのでこんなもんかな、次回作るときはもう少し上手くできると思います。


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これで正月休みの遊びは終了です。

明日(5日)から通常業務にかかります。

サーキット走行は路面温度が低い季節は行いません。
12インチタイヤが滑ったときの対応できるテクニックを持ち合わせてないので
温暖な季節だけ出動することにしています。

モトクロス・スタートの、今や必需品とも言えるローンチ・デバイス。
フロントフォークを沈めてフロントアップを抑制することで確実なスタートダッシュを得る装置ですが
誰でも使っているので、装備してないと不利です。
殆どの人は用品店で販売されているものを購入して使っていると思いますが、
人と同じことをするのが嫌いなマイノリティーの私は買うより自作派であります。
何故か?その方が圧倒的に面白いからですね。

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初めての構造なので、考えながら作りましたが
想像したとおり動作するかは
実際に使ってみないと分からないと思います。

だから図面値は無くてイメージだけで加工しました。

初めてというのは、既存のデバイスは
ライダーがフロントを沈めて
メカニックがプッシュしてセットする必要がありましたが、これはライダー自身でセットできるしくみになっています。


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セット方法はこのとおり

引っかける爪を押した位置で抜け止めピンを指しておきます。

この状態でフロントフォークに荷重をかけて
沈めたところで自動セットされます。

爪が引っ掛かったらピンを手で抜いて
スタート準備OKとなります。




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フロントブレーキをかけて勢いよくフォークを沈めるだけでセット完了

メカニックが付いてなくても一人でできます。











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外したピンはタイラップなどに差し込んでおけば捨てることなく再使用できます。

私の走るクラスはサイティングラップ後に
素早くデバイスをセットする必要があり
手間取ることがスタート前のストレスになってしまうので、何としても完遂させたかったアイテムでした。

(買ってきて付ければ手間はかかりませんが、作った方が面白いからやっていると冒頭で書きました。)

いよいよビモータマフラー製作最終段階です。
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レーザー加工したφ100ディスクをプレス成型し、パイプに差し込むセパレータを溶接した構造のフロント、エンドキャップ


マフラー外筒にリベット止めします。









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ツインマフラーなので左右の整列を見なければなりません。

パイプエンドの高さと車体との隙間が
丁度良い位置に合わせて、マウントステーを取り付けます。









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チタンプレートを油圧プレスで曲げたステーを作って、ノーマルのマウントブラケットに位置合わせします。

プレートの曲げ角度は現車合わせでないとわかりません。
曲げ角度を微調整しながらプレスで3回くらい曲げ加工して溶接ラインを決めます。








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下2本がノーマルマフラー
マウント方法はバンドなのですが
オーナーさんの希望で溶接ステーにしました。

振動でバンド締め付け部分が擦れるのを防ぐ目的です。

重量はマフラー片側でノーマルは3.0kg
チタンマフラー1.8kg

中身がストレートパンチングになっている効果が大きいと思います。
グラスウールは4ストレーサー用入れてます。
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パイプエンド形状

リベットの下に0.3mmのステンバンドをレーザー加工したオリジナル品を使っています。

リベットを外すときにパイプ本体を傷つけない目的です。






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ジョイントパイプ側の形状

溶接固定していますが、板厚2mmなので
大丈夫とは思いますが
念のため内側に補強プレート入れて
2重にジョイントパイプを支える構造にしてあります。







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取り付け完了したので
明日エンジン掛けて排気音聞いてみます。














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エンジン始動してみました。
実は昨日やったのですが
フロントキャップのコーキング無しで組み立てたため隙間から排気がもれていたので
リベット外してコーキングし、一晩置いてあったのです。

冷間始動でもセル一発で目覚める90度Vツインはシングルやマルチとは違う独特のサウンドで周囲の空気を揺るがすハーモニーを奏でます。
音量大き目ですがブリッピングしても破裂音は出ないから心地いい音色です。
同時に外観だけでなく明らかな存在感のある音で、この音を発しながら移動することを想像するとシールドの中は笑みに溢れると思います。
ストレート排気なので騒音によってはディフューザーも検討するつもりでしたが、これでいいと思います。

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どちら側から見てもイケてるスタイル

ハブステアのフロントはセリアーニタイプに比べて軽快なハンドリングです。
フロントフォークの重量がステアリングに掛からないことが大きく影響していると思います。
汚れてはいけないので試乗ではなく
押し歩いた感想です。
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年末に車体搬入いただき
着手してから2か月近くかかりましたのは
チタン材の切断にシャーリングやレーザー加工外注と、溶接治具、プレス成型治具など整えてからの製作によるもので、
外注や治具製作には図面作成(紙と鉛筆で)など、アナログ的作業満載のハンドメイドであることによります。

外注品の待ち時間にはバックオーダーの仕事を進めているので業務は滞りなく続いていきます。

着々と進行中ですが、作業時間の大部分は治具作りなのです。

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筒に嵌める部品作りですが
巻いた輪の端面に円盤を溶接中
バックシールド用の治具に嵌めて内側に
アルゴンを流しています。


突合せ角だけ溶接すると裏側は酸化して
排圧の振動で割れる恐れがあるから
裏側もシールドしなければなりません。





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このように筒に嵌めて、後で穴開けしてリベット結合します。

前後の板はレーザー加工が上がってきたら
プレス成型して組み立てします。









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治具の構造はこのようになっています。

リングを上面の板が突き当たるまで圧入して、中央の穴から供給されたアルゴンが溝の中に充填される仕組みです。

そのため角の内側がシールドされます。








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次の治具はディスクのプレス成型用

右の2種類の棒を押し込んで絞ります。
下側の棒でテーパー形状にして
上側の棒で内径のサイジングを行います。

2枚の鉄板で挟んでいるのは平板を歪ませないためです。






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絞ったディスクをパイプに嵌めて、補強のために使うので筒の中の部品です。

これでサイレンサー内部に使う部品の加工は終わりました。





仮組みしたマフラーでマウントステーの寸法を決めます。
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ステーは2.0tチタン板をレーザー加工で頼みますので、SP(スチールプレート)代用で
形状確認します。

このSPと同寸法の図面を描いて発注するわけです。

パイプ前後のフタも同じ板材でレーザー加工します。





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ツインマフラーなので左右パイプの整列も
確認しておきます。

これがアンバランスだと残念な仕上がりになるのですね。









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上からみた左右マフラーの収まり具合。

よろしいではないでしょうか。

内幅はリヤフォークに干渉しないことなので
これで限界です。









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450mm、長いパンチングなので
ロールベンダー使っても中央がたわんで曲げRが不均一になります。

結局、芯棒を作って手巻きになりました。

溶接はパイプ中央付近から始めないと
芯棒が抜けなくなってしまいます。
最後に端っこを溶接する順序で上手くいきます。




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穴が空いた0.8tの板、突合せ溶接は難しいですよ。
アーク熱で歪んで隙間が開こうとするので
開かないように溶かす技術が必要です。


ステンパンチング2本完成です。

レーザー加工外注するので、続きは加工上がってきてからです。

しばらくはバックオーダーのチャンバー作りしながら待つことにします。


チタン板0.8t φ100×450パイプ2本作ってありましたが、気に入らない部分があってやり直しました。

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材料代13000円掛かりますが
前回のは捨てることにします。

右2本がやり直したパイプです。
前回のは突合せした溶接面が歪んでしまい
真円度が悪いのです。

溶接ビードを止めないように努めたのですが
これが原因で熱が入り過ぎたようです。
溶融した金属が冷えるときに収縮するので
材料を引っ張って、突合せ面が盛り上がってしまいます。

溶接条件を変えてやり直した方は熱影響が少なく、突合せ面が平滑になりました。

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マフラーの主要な部分なので、妥協できなかったですね。

高価な材料を試作で失うことになりますが
加工方法の経験にはなりますので
必要な作業です。(鉄やアルミと同じ方法では上手くできません)

板厚0.8mmなので熱が上がらないように溶接スピードを遅く、
クレータ電流と溶接電流の繰り返しで溶かしていくのですが、溶接電流を短時間にすることで熱影響を減らします。

それと前工程で板をロールベンダーで巻くときに、少し小さめのRで曲げて突き合わせると
熱影響を受けて、希望したRになります。


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うちの猫、シロちゃん11歳
体重6キロ、肥満気味

なかなか賢いネコちゃんで
名前を呼ぶと確実にお返事します。
さすがに会話はできませんが
自分の名前は認識しているようです。

エサをネダルときしつこいので
ダイエット食にシーバか懐石を混ぜてご機嫌を取らないといけません。

縁側にやってくる外猫に警戒して
至るところにマーキングするので家中ペットシーツだらけなのが悩みです。

まあ、こいつも共同生活者なので人生に癒しを与えてくれる大事な存在、何をしても許します。

チタンφ100×450ツインマフラーの続きです。

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ジョイントパイプの部分です。

φ54のチタンパイプR曲げ4本

丁度良い長さで切断して接合します。
前側の差し込みはφ52なので
φ50.8から拡管して作りました。

溶接はパイプ両端を密閉して
アルゴンを充填して行います。






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エンドパイプは斜めに切断したピースを接合するため
ポジショナーの回転軸に対して接合面が水平に回るように治具を作りました。
接合面の水平とセンターが容易に合わせられます。

これで一回転連続して溶接できます。
溶接を止めたところにブローホールが出来るのを避ける目的です。




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溶接完了です。
ジョイントパイプは炙りの焼け跡を消すため
ヘアラインに磨いておきました。

パイプエンドはキャップに溶接するので、まだ磨きません。








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パイプの曲げは完了しているので
マフラーのレイアウトはこのとおりです。

この位置でマウントステーの寸法を決めます。

前後キャップとインナーパイプを作ればマフラーの加工は終わりです。
その他部品はレーザー加工外注なので上がってきたら
一気に組み立てます。

ありふれた形状ですが、滅多にやらない加工なので悪戦苦闘しました。

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他の人はどうやって作っているか知りません。
こうすれば出来るんじゃないかという一例です。



最初はフレア加工から始めます。
パイプエンドを横に広げます。






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テーパー状に面取りした穴に押し込んで
パイプエンドが裏返しになるようにして圧入します。

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下まで押し込んで抜きます。











再びフレア加工。

先端がテーパー状の棒を押し込んで
パイプエンドを広げます。

エンドが広がったら逆さまにして
テーパー穴に圧入する。
これを3回繰り返すことでパイプエンドが
カール形状になります。




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これで加工完了です。

ツインマフラーなので2個です。











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実はこれだけ失敗しました。

形状不良なのがおわかりでしょう。

加工トライが1回で成功するとは限りません。

どのような原因で失敗するか、やってみて初めて分かるといったものです。
大体コツは掴めました。





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Φ54のパイプの極小曲げが無理なので
輪切りにして繋ぎます。

これからバックシールド用のフタを作って溶接です。



去年からお預かりのビモータ用マフラー、材料が入荷しましたので加工を始めます。

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0.8mmチタン2種板のロール曲げです。

長さが、これまで最長の450mmもありますので、いきなり3本ロールでは曲がらないです。

そこで鼻曲げは、このような方法を採りました。
曲げRより小さめの棒を板の端末に当てて曲げます。
この状態でダンプカーのアオリを持ち上げるようにして力任せに曲げます。



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この辺はロールでは曲がらないので予め曲げておきます。

ロールベンダーの会社はあるのですが
なるべく内作で加工することがコスト削減の秘訣ですが、知恵と労力は掛かります。

棒に巻き付けて全部巻くことはできません。
曲げRが均一にならないためです。
Rが均一でないと真円パイプ作ることは不可能です。




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あとはロールベンダーで巻いていきますが
Rの緩いとこ、キツイとこが出来るのでロールのすき間を調整しながら巻いていく必要があります。

道具があれば誰でも簡単ということはないと思います。
ハンマー持っていても上手に板金できないのと同じです。

材料代も高価なのでお釈迦にしないように慎重に進めていきます。
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大まかに曲がれば、芯棒に嵌めて形を整えて真円パイプに成形していきます。











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450mmのパイプなのでバックシールド用の治具を作りました。
板をお付き合わせして、裏側をアルゴンでシールドして溶接する方法です。

酸化チタンは脆い性質なので、バックシールドして酸化を防ぎます。







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付き合わせ溶接できました。

付き合わせの端に溶接棒をチョットだけ置いてナメ付けするだけです。
なるべく止めないで一気にビードを引くようにしています。

熱で歪んでくるので、また芯棒に嵌めて矯正します。


このパイプを基に次の部品が加工されていくことになります。



エアブラシの上手な先輩から助言をいただき、メインフレームのサンドブラストを施しました。

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実は以前から機会があれば頼もうと思ってきた表面処理屋さんが近所にあって
その会社へ持っていきました。
うちからクルマで5分の場所なので気軽に行けます。

その会社は大手企業も多数依頼されているそうで、なんと宮内庁の仕事もやられたといいます。
皇室の護衛に使っているゴールドウイングが経年劣化しており、天皇のご意見は買い替えでなく修理して使うということなので
フレームは再塗装になったそうで
そのときのサンドブラストを請け負ったということです。
この上ない信頼度です。
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ヘッドパイプやボルトの穴は全てマスキングしてあります。
そのまま塗装へまわすので、塗装範囲とブラスト範囲が同じというわけです。

特に強力ボルト(8T以上)の締め付け座面に何トンもの圧力が掛かるので
塗膜を介して締め付けるのはNGです。
エンジンマウントやリンクの取り付け面はマスキングで塗膜が乗らないようにするのが
設計上の組み立てだと思いますので厳守しております。


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前後ハブとリヤリンク

ベアリングの圧入面のマスキング方法は
アルミカラーを製作し、軽圧入して
隙間ができないようにボルト・ナットで締め付けです。

ドリブンスプロケットとブレーキ・ディスク取り付け面も当然マスキングしてあります。


これで塗装の準備が整いました。


狭山品管強度グループのメンバーにとって忌み嫌う「鉄ミニウム」、高張力鋼管のフレームやリヤフォークなどアルミ風にシルバー色に塗装した部品のことをそう呼んで揶揄していました。
重いくせに軽合金であるかのような外観に見せる意味が分かりません。
市販モトクロッサーは本田の戦闘機、宗一郎さんが生きていたころは車体色は赤と決まっていましたが
ご逝去された後から赤フレームを止めてしまいました。
市販ミニモトクロッサー初の4スト4バルブエンジンのCRF150Rはアルミフレームの試作車もあったそうでライバルメーカーの出方次第で発売に踏み切る用意はあったみたいですが、結局鋼管フレームで落ち着いたことで「鉄ミニウム」としてシルバー色塗装になりました。
元テストグループとしては戦闘機の色ではないなと思い、違う色で塗装して乗っていました。
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2010年に新車だったCRFですが、今年で12年も乗り続けています。

途中でエンジンや足回りのオーバーホールはしているので、機能的には問題ないですが
フレームの塗装は色褪せや剥がれで劣化が著しいので、再塗装のため全剥離しました。






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12年乗ったと思えない程度良好です。

錆びや凹みが全く見当たりません。
高張力鋼管フレームは強靭です。

アルミフレームではこのような外観は保てないでしょう。







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前後ハブとリヤリンクも同色で塗装しようと思っています。

剥離に当たって高圧洗浄など掛けるため
ベアリングは全て抜き取ってあります。

剥離の方法はスケルトンで塗装を侵して浮き上がったところを高圧洗浄で飛ばしますので、凹んだところも隅々まで剥離できます。






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剥離したサブフレームは新品同様です。

溶接課から出荷されたばかりのようです。

泥水入って腐食しないように穴埋めしてあったのが功を奏しました。








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複雑なパイプワークやガセットなどプレス部品。
溶接課ではMIG溶接の職人が組み立てしているので、アルミフレームより製造コストが掛かっているのではないでしょうか。

クロモリ鋼が最高の材料ですが、材料コストが軽合金より高いので、機械的性質が高く比較的コストが低いことがハイテン材(高張力鋼管や板)選定の理由です。


さて、塗装はプロにお任せするのでマスキングまでが私の作業。
仕上がりは続編で公開します。











元国際A級、Y田部さんからの依頼でKLX250改のエキゾースト製作しました。
22年初仕事になりますが、私に手間を掛けさせないためなのか材料支給で車体お持ち込みいただきました。
別機種の社外エキパイとカワサキKXFの年式不詳サイレンサーを切ったハッタして付けてほしいという内容です。

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エキパイ切ったハッタして、全然別物の形状にしてフィッティングしました。

KXのサイレンサーは切断なしで、マウントステーだけ溶接追加して取り付きました。

ほぼ一日で出来ましたので、通常のワンオフ製作より大幅に時間短縮です。
それなりに安上がりになります。
(お友達価格)




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支給されたエキパイはもっと長いものでしたが、不要な部分を切除してパイプの向きと接合部の直径を合わせて、溶接で組み立てします。

材質はSUS304のようです。

レゾネーター部分はそのまま流用です。
管長が短いので少しでも容量があった方が都合がいいからです。
(管長短いと低速トルク落ちると思います。)
サイレンサーミドルパイプが長いので、まあまあのバランスだと思います。


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サイレンサーマウントブラケットの位置を合わせるためアルミ板t8.0を溶接で追加しています。
ミドルマウントはフレームのネジ穴とミドルパイプ側のネジ穴が離れているので
ステンレス板を介してボルト締めしてあります。

私は前職強度屋だったので、取り付け部分の信頼性に配慮して作っています。





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サイレンサーの位置は、車体持ち込み時に打ち合わせした通りにやっています。

250レーサー用のサイレンサーですが
エンジン始動して、アイドリング時が非常に静粛です。
この年式では近接騒音の94dBを目指していたはずなので、高回転ではそれなりにレーシーなサウンドに変わります。





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サイドカバー装着確認して全行程完了です。

社外の外装とタイヤも新品で、あとは何するんでしょう。
Y田部さん自動車塗装屋だから外装オールペンするかな。
完成形見たいから
暖かくなったらツーリングでも誘ってもらおう。





路面の凍結が無くなってきた午後、試走してみました。これはキャブ車なのでチョーク引いて暖気運転し、3分くらいでアイドリング安定してきたので近所の裏道でぶっ飛ばしてみました。
心配していた低速は全く問題なく、極小ターンも楽々回れます。交通量のないストレート、加速時のレスポンスが鈍いのはCVキャブの特徴で、負圧に応じた可変ベンチュリーの賜物。
マイルドだけど谷間の無いトルク感で一気に加速し、数秒で100キロに到達してさらに伸びる感じなので
250トレールなら十分な性能だと思います。フラットなエンジン特性で乗りやすいのでバトラックスBT46のタイヤのグリップ性能を楽しみながら峠攻める姿を想像してしまいます。
フルモデルチェンジされた22モデルCRF250のマフラーを早くも潰して修理になりました。

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幸いマフラー本体に損傷はありません。

この潰れたエンドパイプ部分の修理になります。
本来なら純正部品を取り寄せ交換するだけなのですが

今週末のレースで土曜日から使います。
さらに移動日は木曜ということですから
あまり猶予がありません。

そのためパイプエンド製作にします。



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先ずはセパレーターの外周をアルミ板で巻いて作ります。

圧入するくらいピッチリ嵌めないと組み立てできなくなる重要な部分です。

次にパイプエンドの蓋
フライス加工でツバ出し形状にして装着してあります。

二つのパーツの間を繋ぐ板の展開図を作成して溶接組み立てします。



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傾いた2面を上底と下底に持つ多角形台

ちょっと難解な展開図を作成し
t1.5のA5052を曲げ加工して作りました。

ここまで来れば出来たも同然。








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溶接して研磨仕上げで外形は完了です。

M5ボルト用の穴加工をすれば組み立てできますが

本体に嵌め合いが上手くできるかが
寸法の合否を決めることになりますが
計算上は組み立つことになっています。






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問題なく組み立てできました。

アルミ板は材質的に純正より硬いはずなので若干の強度アップも果たします。

祭日なのにどこにも行けませんでしたが
一日作業で完了したので
部品調達が間に合わない以上、最短で直す方法の一例として記しました。

時期的に他の手段がなかったですね。
四国に出発前、軽井沢のレースで泥水を浴びたのでKTM350SXFのリヤフォーク廻りを外して
グリスアップ整備したときだと思います。
KTMのスプロケットガードはリヤサスのボトム側チェーンスライダーを兼ねている部品なのですが
先週の練習走行で脱落、紛失してしまいました。
さすがにスプロケガード、チェーンスライダーを取り付けないで今週末のレースを走るわけにはいきません。
しかし、部品注文しても今週中に入荷することは不可能です。

一番確実なのは、スプロケットガード作ってしまうことです。

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伊田さんから450のスペアパーツ借りてきて、見本にして作ります。

先ずはチェーンスライダーを直線でフラットバーから削りだします。

中央の凸のレールがチェーンのローラーに当たるラインになります。







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スライダーを曲げて、エンジンとフレームにマウントするステーを削り出して溶接します。

この形状で車体にフィットすることは確認しておきます。

ボルト穴位置だけでなく
もちろんチェーンラインもフィットしています。







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上が見本の450用ですが350には取りつかないです。

下がアルミで作ったスプロケットガード
これで完成です。

一応、純正部品も発注済みですが
今週末はこれで間に合います。






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工場レーサー風になりました。

加工時間はほぼ一日掛かりでしたが
これが最短の方法なので迷わず実行です。











イタリア在住のお客さんからメールで教えていただきました。
3タイムス・125ccワールドチャンピオン。 キッコ・キオディ


まだ乗っているんですね。ていうか、体凄い。
小柄なライダーとして最高のお手本の人だと思っています。

忘れられないMXライダーの一人。
SUGOの世界戦で目前に見れたとき感激しました。












2輪部品は作りませんが、(メーカー純正でないと危険なので)組み立て治具や整備スタンドのようなものは自作で十分事足りると思っているのでオリジナル製作したものを使うポリシーであります。

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NSR50用のレーシングスタンドをお客さんが見つけて「いくらでできますか」と聞かれたので
「1万円くらいでいいんじゃない」
と適当に言ってしまったら
「作ってください」
と即決な感じだったので
「2輪用品店にいけば幾らでもうってますよ、
買ってきた方が早いですよ」
このように説得しようとしたんですが
「ジャストフィットのものがない、買ってきても加工しないと使えないので専用品を作っていただきたい」

なるほど既製品で満足しない理由があるのだなと思い、納期未定で作ることになりました。
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専用設計の理由は17インチホイール用ですがリヤフォークのスタンドアップ用に溶接されたカラーの位置が特殊で、既製品では使えないだろうという点です。

サイドスタンドしか装備されておらず、ダウンチャンバー仕様とアンダーカウル付きなのでジャッキアップも迅速でないです。

コスト削減のためパイプの加工は最小限度に難解なパイプ曲げ一切なしのシンプル設計です。



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ローラーはホームセンターで売っている
キャスターから金具を外したものです。

スムーズに動きます。

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スタンド解除用のグリップです。
50×25の角パイプを切って溶接しました。

この斜めカットで繋ぐ角度でリヤフォーク
外幅に収める必要がありますので正確さが要求される部分です。(目見当ですがね)


実際に作ってみて、材料代と加工時間で
1万円では時給300円くらいになってしまうので、口約束より割り増しでいただきました。
中々大変です。
2か月掛かりで同じ型のチャンバー作ってました。
数量は10個ですが1本あたり3日掛っているので、このような期間になりました。

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鉄板の膨らましから始めますが
水圧かけてブクッと膨らむわけではありません。
この機種は4種類の曲がったパイプを素材にするのですが
1本のパイプ膨らませるのにハンマーで叩く回数を数えてみました。

大きさやカーブが違うので一律ではないですが、大体1000回叩いてこの形状に出来ています。
水圧だけではここまでいきません。
ハイドロフォーミングではなく
ハンマーフォーミングです。

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そして不要な部分を切り取り
製品の元となるパイプが得られるのですが

このまま溶接にはなりません。
切断面が真円でないので
お互いの溶接面が寸分の狂い無く
合わさっていなければ溶接不可能です。

そのため切断面の真円を出すために
1断面あたり1000回くらい叩いて形状を整えます。



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合わせ面を完全に一致させたら
仮り付けして動かないようにします。

仮付けが不十分だと、溶接しながらパイプが歪んできて、接合面が狂ってしまいます。

そのためなるべく多数の点溶接をしておきます。






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曲がってないパイプの溶接はポジショナーで回しながら溶接を止めないように着けます。

溶接を止めたところがピンホールになりやすいので、止めない方が後処理が楽です。









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曲がったパイプの接合面を一致させるのが容易でありません。
接合する前に隙間や段差がないように
裏金を当てながらハンマーで叩いて均していきます。

仮止めしたら修正は無理なので、根気よく合わせていきます。

この時点でチャンバー1本作るのに1万回以上叩いていることになります。
10本作ったから10万回ですね。


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曲がったパイプはポジショナーで回せないので、パイプを固定して人間が回るように溶接するので、不連続になります。

溶接止めたところがピンホールにならないように確認しながらの作業です。

他にも車体に合わせて位置決めするので
接合だけで1日掛かりになります。






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車体に装着確認して完成です。

小ロット生産ですが、他の仕事止めているので一気にやりました。

次の予定がありますので、これにて終了。










一昨年、桶川SLで転倒して後続車に轢かれ、潰れていたガソリンタンクを修理するはずが、
今まで放置してしまいました。

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ノーマルタンクのアッパーとロアーに分解して凹みを叩き出しました。

塗装を剥離しようとしたら、全面パテ盛りで
全体がデコボコであることが判明しました。

オリジナル塗装でない中古タンクは
このような修理がされている疑いがあります。
これでは凹んだままの方が価値があると思います。パテ盛りされた鉄板は板金できませんからね。


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こんな分厚いパテが剥がれ落ちるのです。

二度と凹ませないタンクならいいですが
常に転倒リスクのあるサーキット走行ですから、こんなタンク使えませんね。





NSRのタンクはジャンク品でも高額で取引されています。
どうせこんなタンクを買うくらいなら、アルミで作ってしまえという今回の企画です。

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ノーマル形状にこだわっていませんので
単純な方法で作りました。

車体に問題なく取りついてガソリンが漏れなければいいだけの要件です。










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ウラ側はこんな感じです。

ラジエターキャップとキャブレターのワイヤーを逃がす凹み加工が施されています。

燃料コックのパイプはノーマルから切り取ってボルト止めにしました。







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コックの位置決めが難しくて
フレームギリギリなので、取り付け角度など
苦心しましたが
問題なくキャブレターとの接続も完了しました。

リザーブ付きのコックなんですが
フィルターの状態が悪くONではガソリンの落ちが悪いことが判明、
フィルターを外して、RES専用にしました。

ガソリン容量9L入りますのでサーキット走行に差し支えないと思います。


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ガソリンタンクが付いたおかげで
一年半ぶりにエンジン始動できました。

チョコチョコ手を入れながら、サーキット練習していく予定でおります。


オフロードの乗り方が染みついていてオンロードが上手く乗れませんので、サーキット走行で矯正したいと思います。
今年59歳になってしまったので、競争目的ではありません。どうせ下手だし、誰かに勝たなければならない理由がないですからね。
公道で安全に攻められるように運転技術の習得が目的で、誤解のないように、危険運転にならないようまずはミニバイク
からということです。
パーツリストなどでは排気系というカテゴリーで分類されているチャンバーという部品ですが
完成車組み立ての観点から、エンジン部品だと思いますか、それとも車体部品だと思いますか?
エンジンの動力性能に関わるのでエンジン補器であるか、エンジン組み立ての後、取り付けはフレームに搭載してからという順番なので車体部品と考えるか。

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これは某廃盤のチャンバーから測った諸元(スペック)をストレート図で表した模型です。

エンジン設計では、このストレート図までを図面化して、車体設計部門へ引き継ぎます。

すなわち排気系のレイアウトを決めて配管を行うのは車体設計の役割になります。
従ってチャンバーやマフラーはエンジンでなく、車体部品ということになります。

私は開発者じゃないので、オリジナルチャンバーを作るときは図面値に極力近い寸法で
製作します。
ところが、図面は設計部門と製造部門で機密管理されて部外者が見ることはできません。どうやって図面値を知りえるかというと、純正部品を実測することで知ることができます。
2輪メーカーの純正チャンバーは1日に何百台も製造できるように金型を使ってプレス成型されたものです。ブレス成型された鉄板をモナカのように張り合わせて作ったパイプの外周を計測するのですが
縦と横の数値が違っていて、真円でないことが分かります。
鉄板を金型で絞った場合、半円まで絞ると高圧で雌型に食い込んでしまい鉄板の型抜けが困難になるので若干の勾配をつけた断面形状で金型設計する必要があります。
そのため、勾配が付いた半分のパイプを張り合わせたら真円になりません。
パイプの図面値は真円で設計されているはずですが製造上の問題で図面値でなくても量産することにしているわけです。
僅かな寸法差で性能にバラツキがでる部品なので、まずは図面値どおりに作り直すことがオリジナルチャンバーを製作する理由なのであります。

余談ですがエンジンのファインチューニングで吸排気ポートの研磨を行うことがあります。
シリンダーヘッドは鋳造で製造されますがポート内部には砂をレジンで固めた中子を入れて注型します。
この中子を成形するときに金型の合わせ面に段差やバリが出ることがあります。それが製品に転写されて残るわけですが、量産では手仕上げで均されることはないので図面値にない段差やバリを除去する作業はエンジンを図面通りにするということですね。
燃焼室内のカーボン除去も、カーボンは図面にないものだから除去する。
そうやって内燃機関の効率を設計どおりのものにする目的です。

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では車体部品、チャンバーのワンオフ製作ですが
ここからは板金屋の仕事になります。

寸法測定したストレート図の模型は
中心の棒がパイプの長さを表し、
円盤がパイプの内径を表します。

そして中心の棒を曲げた形は車体に合わせてレイアウト検討の指標となるものです。
この形状でパイプの基となる展開図を作成します。

エキパイ部分のカーブですが排気ガスは流体なので、カーブを流れることによって
ストレート管に比べて損失が出ます。
だからなるべく滑らかなカーブを描くように膨らまし成型とします。
後半はカーブがないので設計通りに作りやすい巻きパイプとします。

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パイプの成型ができたので全体のレイアウトが車体に適切かどうか実車に仮組みして
確認してから、溶接作業に掛かります。


私がお客さんに提示させていただいている
型制作の中身はこういうことです。








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溶接完了しました。

車体取り付け、アンダーカウル装着確認

諸元は老舗チャンバー屋の設計なので
私の責任ではありませんが
寸法的に見て、よく回りそうです。

車種は非公開ですが、オーナーさん以外から同じ物を頼まれても作らないことにします。



隣の空き地を駐車場として借りているのですが、地主が土地の境界にある塀を撤去して、新たにブロック塀を作る工事を発注してしまいました。
狭い敷地内に資材置き場として塀に沿ってスチール棚を置いて、雨に濡れないように屋根も設置してあったのを工事の妨げにならないように移動させられました。
丸一日掛かって物置の移動をやりましたが、ブロック塀が完成したら元の位置に戻さなければなりません。
年末の忙しい時期になんと迷惑なことか、当然、資材置き場の移動や復元に掛かる人件費はでません。
本気で隣の空き地を売りに出したいようなので、駐車場が無くなってしまうため預かり車両の保管場所も
縮小されることになるので、なるべく長く土地が売れないことを祈ります。(こんな場所買う人いるんかな)

357のチャンバーは見通しが立ったので、今度はサイレンサー作りです。

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スチールプレートのオーバルパイプを巻いて
パイプエンドの蓋をプレス成型しました。

ピッチリハマると気持ちイイです。



今回は2個取りになります。







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パンチングとジョイントパイプを接合して

オーバルパイプにグラスウールを巻いて差し込みします。


ジョイントパイプは車体レイアウトに合わせて微妙に曲げてあります。
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グラスウールを詰めたらパイプエンドを溶接します。

この溶接性のため嵌め合い部分をキッチリ作る必要があるのです。










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サイレンサー本体の組み立ては終わりました。

オーバルの上側に切り欠いた部分がありますが、取り付ける357のフレームがファクトリー仕様のため、リヤショックがレイダウンされています。
そのためリヤフレームに補強のガセットが増設されていて、それを避けるための切り欠き加工をしています。

なるべく見本に忠実に加工を行っています。


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マウントブラケット取り付けできました。


実は、このサイレンサー位置は満足でありません。

チャンバーテールパイプの向きがシビアなのでサイレンサーの取り付けも適切なポジションになりにくい為に
ラバーマウントステーも新造することにします。



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マウントステー2台分

フラットタイプがサイレンサー用
オフセットタイプがチャンバー用

マウントボルト2軸の締め付け面の高さが違ってきます。







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サイレンサー取り付け位置が満足でないというわけは、これです。

フェンダーに穴を開けてテールパイプを貫通させているのですが
リヤタイヤがボトム時にサイレンサー内側を擦ってしまうと思うのです。

オリジナルサイレンサーも形状に苦心の跡が見られたので、新たに作る場合は改善を試みることになります。




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新しいマウントステーにより
サイレンサーを左側に寄せて取り付けたので、タイヤクリアランスが3mm取れました。


これがオリジナルだと言い張っても誰にも分らないと思います。

快晴の土曜日、河原に音量計測しにいきました。

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2mMAXに準じて騒音計を設置し
3分ほどの暖気運転の後計測です。

チタン製とノーマルの比較ですが
MAPの1と2における相違もわかりました。

チタンMAP1  105.1ー111.9
  MAP2  111.2?112.7

ノーマルMAP1  104.9?110.7
   MAP2  110.1?110.5

スケールdB/A MAXホールドです。

ノーマルは規定値112より2dBほど余裕があります。
チタン製は大体1dB上がりましたが規定値内でした。(合格)
繰り返し計測行っていくと、段々数値が上がってきます。チタンのMAP2では0.7オーバーも出ましたが
レギュレーションでは3回計測で2回オーバーまで猶予するので問題ないです。
また、走行直後の計測は2dBオーバーまで猶予する。
そして、器差を考慮し、読み取り値に対し?1で判断する規定なので、自主計測ではOKと判断します。

問題は翌日MX408で計測を受けるのでどうなるか。

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ちなみにエキパイは自家製の手曲げチタンパイプを使用しております。

性能はどうなんだ?ときどき聞かれますが
私くらいの腕ではノーマルと比較して
デメリットは全く感じておりません。

それよりKTM純正部品も高額なので
無傷のまま残しておくということが主な目的です。





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MX408は112dBオーバーの車両は走行をお断りするという注意事項がありますから
一応従う姿勢で計測してもらいました。

うちの騒音計より若干厳しめか、走行後(朝機材の保管場所がわからず)
計測のためかギリギリでクリアできました。

これで目標達成、今年のモデルは今年のうちに、シーズン終盤でようやく完了です。

これ作るのに1週間は仕事止まる感じなんで、時間余裕のない私にはなかなか実行できなかったんです。



チタンステーはレーザー加工で切り出してもらいました。
鉄やアルミは切削で作りますが、チタンは難削材なので外注です。
材料はこちらで支給ですが、加工賃は安価にできます。

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SP(スチールプレート)でゲージ作って
図面に反映します。

曲げ角度も4枚共、微妙な曲げなので
一枚ずつ現物合わせで曲げる必要があります。









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ついでに折り曲げベンダー作って
チタンプレートを曲げます。

油圧プレスなので簡単に折り曲げできます。
90度以内と鋭角用のV溝に押し込む方法です。

実際にフレームに取り付けないと
サイレンサーとの合わせ面がわからないので2,3回微調整する必要がありました。

なかなか図面化できない工程です。


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車体に取り付けてステー溶接です。
特殊なサイドカバー形状なので
仮止めがやりにくいですね。

マウントラバーとサイドカラーは純正の部品を使用します。

確実な固定と振動対策のため、強度的なクオリティーを満足させます。





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取り外してマウントステー本溶接して
加工完了です。

今日はグラスウールも入荷したので
組み立ても完了しました。
グラスウールは社外汎用品では消音性能や耐久性が満足できないので
値段は張りますがレース用の専用品を取り寄せています。






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フルパワーだとサウンド・オブ・サンダーなので、インナーバッフルで音圧調整しました。

なかなかいい音になったので、週末天気がよくなったら音量計測してみます。

目標はMX408の計測をパスすることです。

サイレンサー重量

ノーマル 2.6kg
チタン  1.8kg
高価な材料代払った結果です。

スパークアレスター装着により消音させているサイレンサーもありますが
あからさまにパワーダウンした感じを避けるために
このサイレンサーにはスパークアレスターは装着しておりません。別の方法で音圧調整してあるので
実走と音量計測、週末が楽しみです。








今年のモデルは今年の内に、10月になってやり始めました。
実は今年のレースは一発も走っていなくて、このままは走らず仕舞いかと思いましたが
ようやく重い腰を上げて始動したのには訳があります。
慢性的な腰痛で、体力に自信が無くなりモトクロスする気分でなかったのですが
朝晩、ヨガのストレッチで、かなり背中の柔軟性が出てきて、もうすぐ180°開脚までいきそうなので
そろそろレース走ってみようかなと思ってMCFAJのモトクロス、150とフルサイズのダブルエントリー(4ヒート)したところ、今週末は台風の影響でマディー確実ではないですか。

150のレースは8年ぶりになりますが、エンジン・リニューアルしたことと、150乗った方が体が動くので
フルサイズのレース前に準備運動になる気がします。
MC出始めのころは30代だったので、ダブルエントリーしてましたが、4ヒート出走するのはたぶん20年ぶりなんで、どうなることやら。


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KTM350用リヤパイプ

今回はフルチタンにしてみました。
新規デザインのヘキサゴン断面です。

チタンの厚板をマウント・ステーにするため
板金屋さんにワイヤーカット外注しています。

ウチの切断機ではチタンのカットが困難なので精密に切ってもらうため、外注です。
切断形状と曲げ角度はこちらで図面描く必要があります。
寸法違ったら取りつかないことになります。


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今回はステンバンドも外注しました。

リベットの穴位置を決めて0.6mmステンレス板からレーザーで切り出してもらいました。

ステンバンドをしっかりとサイレンサーボディに巻き付けて穴位置を罫書き、リベット穴を開ける方法を採りました。

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ステーの製作待ちですが
今週末のレースに使う予定ではないので
余裕をもって進めたいと思います。

シェイクダウンはドライコンディションでやりたいですからね。



途中経過なので
詳細は次回にします。

40年前に製造されたファクトリー・チャンバーなので修復には慎重を記することになりました。
サイレンサー切除した後、テールパイプの向きを元通りにしないと、車体との位置関係が狂ってしまう可能性があることと、鉄板が薄板の上、腐食しているので溶接も健全にできません。
思った以上に難航しました。

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改造されたオリジナルのサイレンサー部分は切断するのですが
2重管のため、中身も外れてしまいます。

テールパイプがセンターになりますので
パイプの向きが元どおりになるように

マーカーでラインを引いておき、切断面は擦り合わせなしで溶接棒で仮止めして
傾きが無きように調節しながらの接合になります。
テールパイプから後ろが新品になります。



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拵えたサイレンサーの部品

#1の凹みはオリジナルに倣った位置で
チェンジペダルの干渉を避けるものです。

パイプの前後2か所を全周溶接して
パンチングにグラスウール巻いて
エンドキャップはリベット止めにしました。

将来ばらすことは無いと思いますが
メンテナンスできる構造にしておきます。



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組立て完了しました。

お客さんの指示で錆止めの耐熱ブラック仕上げです。











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完成車は見てないですが
若干のアレンジされている他は、フランス・カワサキ時代の形に似ていると思います。

WPとチャンバー、他に問題があるかわかりませんが、エンジンかかれば実走行も予定しているそうなので
イベントの時に見にいきたいですね。
80年代WGPサウンドが再現されることを期待します。



ウォーターポンプカバーの損傷が激しく修理不可能なので、新造して取り付けることにしました。
KR250は80年ころのワークスマシンなので純正部品というものが存在しないのです。

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本来は鋳造品なので少量生産なら
ロストワックス製法で作りたいところですが
予算に限りがあると思うので
可能な限り安価な方法を採らせていただきました。

アルミの丸棒を素材に旋盤とフライスで削り出したものです。

要はポンプの機能が回復すればいいだけなので、ケースカバーに取り付きさえすればいいシンプルな設計にしました。

この個体は日本に輸入されてから、この問題でエンジンをかけてないと思われるので
動かすことが先決のことだと聞きましたので。


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ハウジングの部分も素人ながら、このように加工してあります。

ポンプの能力云々を語る以前の問題で
取り換えるパーツがないのですから、仕方ありません。

まあ、これで水は回ると思いますよ。

余談ですが、ポンプシャフトの駆動は2番(後方)のクランク軸から伝達されています。
2番クランクは正転(前回り)してギヤを介して、インペラを上から見て半時計回りに回転させます。
冷却水はラジエター下からポンプ中央に流れ込み、羽根車の遠心力でポンプ外側の出口へ押し上げられ、シリンダーヘッドを冷却してラジエター上部へ上がって、ラジエターコア内を降りてくる。
で、よろしいですね。

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ケースやエルボーも取り付けでき、インペラも問題なく回るので、これは完了です。









明日はチャンバーのサイレンサー部分の改修に取り掛かります。

CRF150Rの部品、在庫が無くて8月末納期と言われましたが
普通に3日くらいで入荷しました。
ホンダの倉庫に無くてもデンソー社内に出荷待ちの製品はあったのでしょう。
なので発注かかったら直ぐ出荷されました。

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ついでにメインハーナスとIGコイルも新品に交換しておきます。

メインハーネスは振動で断線することがあります。

別の車種ですが、午前中エンジンが止まって、掛からなくなって
たまたまメインハーネスのスペア持っていたので、昼休みに交換して
午後から走れたということもありました。

新車から複数年走らせたモトクロッサーはいつ断線してもおかしくないと思います。
動作確認した古いハーネスとコイルはスペアとして、点火系故障したときのチェック用に保管しておきます。
これで来週ニューエンジンの慣らし運転ができます。


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先輩のトレールバイク用リフトアップ・スタンド急遽作りました。

自分のスタンド作っていたのを見て、先輩が欲しそうにしていて
「オレのも作ってくれ」というので
「注文されている仕事が終わったらやりますよ」と言っておいたのに、半年前に。

先日コマキさんのスタンドを先に作っているのを見つかってしまって、
あれは玄関の破風板取り替えしてもらった
ギブ&テイクの仕事なので早くしました。

今度は一万円札を渡されたので
作ることになりました。
前後輪同時に持ち上がるように注文されたので前後に幅広の台です。

このスタンド、頼まれても作りたくない理由があって、アルミパイプ溶接すると反ってしまうので
スライド部分が動かなくなってしまいます。そのため溶接後に歪み矯正などしながら組立てるため
非常に加工時間が長くなってしまうためです。
それに見合った金額を請求すればよさそうですが、世話になっている先輩ですからそうもいきません。
だから暇になったときにでも、と思っていましたが催促きたみたいなので実行しました。
これでひと安心。
W1スクランブラーのコマキさんから2年も前から頼まれていたスタンドです。
地上高が低く、車重が重い車体ですから、市販のオフロード・スタンドで使えるものはありません。
コマキさんは大工なので、玄関の破風板を取り替えてもらう工事を頼んだタイミングで
W1を持ちこんでもらいました。

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二日掛かりで、簡単ではなかったですが
完成にこぎ着けました。

リヤタイヤ持ち上げた状態です。

地上高200mmから80mm持ち上げる設定です。
これでタイヤ交換などの整備が迅速にできるでしょう。







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スタンドかける位置をエンジン下部にすれば
フロントタイヤが持ち上がります。

持ち上げるのも重くないし満足満足。

強いて不満を言えば
リンク機構が捻じれたり、角パイプが凹まないように十分な補強を入れたため
重量があることですね。

それでも片手で持ち運べるくらいです。



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これはリンクが振動などで戻って
スタンドが下りてしまうのを防ぐ安全装置です。

ピンを足で押し込んでストッパーをかけます。

W1倒れたら大惨事ですからね。






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重たい車体を軽々と持ち上げるための
レバーは運搬の邪魔になることを想定して

角材を差し込む脱着式にしましたので
スタンド本体はコンパクトに収納できます。








コロナ禍の影響ではないと思いますが、4月のマフラー関係注文数が例年より多いです。
全部完成するまで2か月以上かかりますので、GW中ですが休まず仕事です。

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この車体を見て車種を当てられる人は
オフロードバイク・エンスーですね。

車体は2世代前のCRF450Rで
エンジンはCRM250ARに換装されています。
このアッセンブリーには関わっておりませんので説明はいたしません。
ただこれにフィットできるチャンバーがないので、ワンオフ製作してほしいという依頼です。


ではCRM250AR改チャンバーの作り方をダイジェストでお見せします。

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CRM250R用のパイプを作ります。

取り回し可能かどうか、これを使ってレイアウト検討します。
私の憶測ですが、このままのカーブで取り付くのではないかと思います。

違っていれば作り直せばいいのです。







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フランジはオーナーさんが取り付けたものがありましたので、
これに合わせて口元設計しました。

D断面のOリングはCR250Rの最終型と思います。
付属部品は廃番になってない純正部品がいいでしょう。








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エキパイは口元から先に位置決めしていきます。

ガムテープでパイプの接合位置を決めてから溶接していきます。









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パイプを取回す最終段階は
サイレンサーのジョイントとテールパイプの位置を合わせることです。

この車体にはCR250RのUSサイレンサーが取り付いているので、それに合わせてテールパイプの位置を決めます。








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サイレンサージョイントは振動で広がってしまうので、テールパイプ側を2重にしてバックアップしています。











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CRFのフレームなので、サイレンサーのフロント・マウントがサブフレーム下側にあります。
ラバーマウント・ステーはCRM250用のままです。









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ミドルマウント・ステーも取り付き
チャンバーの製作はこれで完了ですが
ラインナップ品のチャンバーを流用しているため隙間関係はギリギリになってしまいました。
ラジエターシュラウドの下とオイルポンプ・カバーの上が1mmも空いていません。

走行に支障ないと思いますが十分な隙間を持たせるためには専用のデザインが必要でしょう。




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レーサーならRCバルブ付きCR250エンジンがいいと思いますが、これはトレールモデルCRM250だということを考えると
もし2ストモデルの生産が続行されていたならこのようなニューモデルになっていたかもしれないという架空のマシンを、このオーナーさんが作ったと言えるでしょう。

日銀は金融緩和で80兆円が国債買取り上限のところ、制限なしに買い取るように決定しました。
国債を買い取るという行為は銀行券を印刷して政府の口座に振り込むということです。(金融素人なんで
違ってたらスミマセン)
お札を大量に増やすと貨幣の価値が下がりますね。それがインフレを生むわけですが、労働者の給料が変わらないで(不況で下がると思いますが)貨幣価値が下落なら物価が上がるに等しくなります。
商品の値上げなしに原材料の価格が上げっていくので、私のような製造業にとっては明るくないですね。10万円給付よりはるかに大きい金額の損失が出ると予想しています。
(休業要請よりはマシと捉える)
だから給付金の出し方に反対です。

サイレンサーの中身はどうなっているでしょう。完成図しかお見せしてないので
途中工程は秘密でないので、参考までに公開します。

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サイレンサーエンドはビレットです。

丸棒からオーバル形状に削って
裏返して中グリもこのとおりです。

強度が必要な部分なので
板物より肉厚に加工する目的です。









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板金して作ったエンドパイプと丁度いいキツさではまるように寸法を調節しています。

分解組立てのしやすさと気密性を両立させた形です。










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ポジショナーで固定して本溶接します。

ターンテーブルを傾けているのは
溶接作業者の体型に合わせて床に腰かけた高さで無理のない溶接姿勢を保つためです。










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インナーパイプをアルミ化するには板厚を厚くしないと強度的に問題があります。

そのためインナーパイプはステンレスの
パンチングメタルを巻いて溶接します。

実は穴空きの0.8mmステンレス板を突合せ溶接するのが一番嫌いです。

気を付けて溶接しないと酸化クロムになったり、溶けすぎて穴が広がったりで、難しいのです。
これはまあまあ上手くいきました。


IMG_0642.JPGエンドパイプは研磨して溶接ビード消してしまいます。

見えなくなる部分ですが均一に溶接することに努めます。

その他はバフ研磨で艶出しています。









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これはRMX250S用のマウントステーですが
ノーマルのグロメットを使いますので
特殊な形状のステーです。

中々手間が掛かりますが最後の溶接個所なので集中力をきらさないようにしています。







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このサイレンサーまで4月中に完了する予定でしたので
日曜も休まず進めてきたおかげで間に合いました。

明日出荷です。







5月は製作業務以外の仕事が多くて、かなり中断すると思います。(近況は追々公開予定です)

新型コロナショックは某国共産党の思惑どおり、米国の出方によって変わりますが作戦成功ということに
なるんじゃないですか。
戦争の目的は国際的な覇権を掌握することに尽きます。
正当な手段で覇権を取るには生産力、技術力を拡大して世界一の経済大国になる必要がありますから
莫大な労力と費用が掛かります。そして目標達成できるのがいつになるかわかりません。
そこで安価で短期間に目標達成するには他国の経済活動を停止させ、自国の経済力を維持するだけでいいのです。
倒すべきライバル国は米、露ですから、それ以外の国は巻き添えにすぎません。
圧倒的な工業力と、肝心なのは石油、鉄鉱石、希土類金属など豊富な地下資源です。
これらを保有してない国は気の毒なことにとばっちりを受けた状態です。

日本政府はこの有事にあたって無力だということが露呈しました。
首相がやったことは緊急事態宣言を発令すると口で言っただけです。
次にやることは災害給付金です。全国民に10万円ずつ給付するというやつです。
一回限りなのか、自粛が続く限り何回も給付金だすつもりなのか、決まってないと思いますが
政府は現金を持っていません。国民から徴収した税金の使い道は予算できまっているからです。
そこで赤字国債を発行して、投資家や一般銀行などから借りるお金から支出するでしょう。

本来は赤字国債は発行してはならないと法律で決まっていますが、災害など有事には特別措置ということで1年限りの特例公債法で発行してよいことになっています。
国債は債権ですから償還期限がくれば投資家や銀行に利子をつけて返金しなければならないのです。
困っている人に払ってあげたお金ですから返すあてがない借金です。
それを償還するために毎年借り換え債を発行し続けて利子分を返済するという自転車操業です。

元本保証されて利子が確実に返済される限り続けられると思いますが、この難局でデフォルト(債務不履行)の道に突き進んでいくような気がしています。


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膨らましたパイプで何を目指しているかというと
接合面の真円度です。

接合面を合わせて0.5mm以上のズレが生じていると溶接が無理なのです。
段差を埋めるために溶接棒で肉盛りすると
溶接品質が著しく悪くなります。

鉄板の固さは肉盛りされた方が上がりますが均一さが損なわれるので
パイプの外径を同寸にすること
断面を真円にすることを目標にした成形に努めるのです。


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組立て治具にセットしながら、パイプの溶接位置をマーキングします。

突合せが上手くいけばTIGで仮止めします。

なるべく仮止めを多く付けます。
仮止めが少ないと、本溶接のときに
鉄板が歪んで合わせ面がずれてくることがあるのです。

この辺は手抜きせずに慎重に進めます。




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本溶接できました。

接合面の歪みがなく平滑な溶接ビードになっていますね。

お客さんはハンドメイドらしい外観を求めていると思うので外観はこだわっていきます。
(品質は自信ありません、あくまで努力目標です。)







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ややこしいパイプのレイアウトです。
何回やっても満足なものができません。

能力限界なのでお許しください。











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全部接合できたら
水圧ポンプ繋いで全体的な形を整えたり
溶接不良を水漏れによって検出します。

目で見えないくらいのピンホールが空いていたりするので、絶対に省けない工程です。
発見すれば水を抜いて点付けして
再度水圧かけて確認します。

そのあとマウントステー溶接して
耐熱クリア塗装してチャンバーは完成します。



外出自粛なので日曜日も仕事しますよー















新型コロナの名称が報道され始めた当時から生物化学兵器であるという噂は出ていました。
今となっては噂ではなく現実のことと確信しています。
軍事的な戦争行為では相手国に甚大な被害を与えることができても、その後の世界は攻撃を仕掛けた国の理想とはかけ離れた結果が待っていることは分かっていることなので
自国の被害が最小限度のまま西側諸国に効果的な打撃を与えることに成功した攻撃です。
もちろん日本も標的ですから思惑どおりに混乱に陥っていますね。
この戦争は被害者も認識してないかもしれないですが仕掛けられたもので、応戦する手段が無い以上
負けは確実です。
問題は負けた後、どのように復興していくかが課題です。
まだ被害は途中の段階で終わりが見えるのは何年か先だと思います。(健康的、経済的な影響が正常になるまで)
都市機能を破壊するのは古いタイプの戦争で、攻撃したことが分からないように勝利するのが新しいタイプの戦争ということです。(サイバーや電磁波、そして生物化学兵器)


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2枚の鉄板を袋状に溶接して水圧で成形していますが
圧力だけで成形完了することはありません。

自由成形なので鉄板が変形しやすい方向に曲がって行き、このような凹みが多数出てきます。

これをさらに高圧で押し出そうとしても
曲げカーブの内側だけ引張り荷重が掛かって、鉄板が破けてしまうでしょう。

これをハンマーで叩いて成形する板金テクニックが必要です。


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ハンマーリングで凹みが無くなり平滑な表面になっているでしょう。

このパイプ、1本あたり1時間程度叩き続けてパイプ断面が丸くなるように成形します。










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ハンマー痕をナイロン束子で磨いて
叩いた痕を消します。

水圧だけの成形とは比較にならない仕上がりとなりました。

これで成形完了ではありません。
切断してから当て金を入れて
さらにハンマーで叩いて真円断面に近づけていきます。

溶接接合の良し悪しを左右する重要工程です。


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今週の作業の一幕でした。















どうやら新型コロナ感染拡大対策のため、5月連休中の高速道路は通行規制と、ETC休日割引がなくなるそうなので、実家の草刈りは連休後にします。
従いまして連休中はStay Home. 仕事するだけです。
MXレーサーには安全性のため駐車スタンドを装備していませんから、走行毎に箱型かリフトアップスタンドの世話になる必要があります。最も頻度の高いエクイップメントかもしれません。
何度も使用するから使いにくさがあっては、緊迫した状況の中ではストレスになる原因になるでしょう。

現役時代から自作スタンドを使うことがトラディショナルであったのですが、最近スタンド作ってないなと思い、気がつけば最後に作ってから15年くらい経過しました。
15年使ったスタンドですが、給油などのメンテナンスを行えば何の問題もなく使えるのですが、
マシンは何台も入れ替わっているのに、スタンドは同じままです。
久しぶりにニュータイプのリフトアップスタンドに更新することにします。

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アルミ角パイプで組み立てた、リンク式の
リフトアップスタンドです。

見本になるものはありませんので
加工寸法はオリジナル設計になります。

摺動部分が多いので、滑らかな動作を行うためには寸法管理が不可欠です。
それから、溶接部分も多いので
アルミ材が歪んでしまい、摺動部分の動きを妨げてしまいます。

そこで歪み矯正とアニーリングが必要になります。
具体的には歪み矯正は外力を加えて直し

拘束した状態でアニール(焼鈍し)して常温まで冷えれば設計した形状に直ります。

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2本の柱はフラットバーから削り出し、
軽量化と摺動面積を減らす目的で
溝加工してあります。

ピボットも軸が狂わないようにアルミブロックから削ったものを溶接しています。

作り方の要点として
部品を仮止めしたら、リンクが作動するか確認しながら作業を進めます。
一気に溶接していくと歪みがでて組立たなくなる可能性がでるでしょう。




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一般に売られているスタンドで満足できない理由として、運搬しやすさがあります。

パドックや洗車場へ持ち運ぶために、片手で持てる軽量さが必要なのでアルミ製にしました。
それから、トランポ内の狭い荷室に積み込む際、コンパクトであることが重要で

リフトアップ機能をやりやすくするフットペグを脱着式にしました。スクエアシャフトを差し込んでM6ボルトでロックするだけです。
またスタンド掛けする動作を車両の左右どちらでもできるように、両側ブランクの角材を溶接してあります。

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スタンド組立てできました。
作動良好です。

スタンド下りた状態の高さも重要ですね。
ダウン時、300mm
アップ時、400mm
高さ調整は、リンクシャフトの軸距離を変更するか、上面に板材を追加したりします。

滑り止めラバーはMTB用タイヤのリサイクル品です。
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フルサイズMXerも楽々リフトアップです。

解除するのも簡単、フットペグの下につま先を差し込んで持ち上げるだけです。








以上、快適MXライフのための道具作りでした。
ワンオフ製作ですが、滅多に作らないチタンサイレンサーです。
廉価な製品作りが売りの当店では材料代が高価なので単価が安く抑えられませんので
ラインナップに加える予定はありません。

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チタン板厚1mmなので固いです。

ロールベンダーで巻くことは不可能でした。
途中までは曲がりますが
接合面が当たるまでいきませんでしたので
結局、ハンドパワーで丸くしました。

大体フライパン折り曲げるくらいの固さを想像してください。

接合面が合えば、シールドガス流しながら
TIGでナメ付けです。




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パイプ径φ65
パイプ長280mm
ジョイント部内径φ25.4
エンドパイプ径φ31.8
重量620g
価格 ASK

主なスペックです。


取り付けバンドはお客さんの車両についているので省きました。





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フロントキャップはアルミです。

ジョイント部ネジを締めて、ロックする方式です。


テンションスプリング式だと振動でパイプが広がってしまったりするので
締め付けた方が良好なジョイントになります。






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パイプエンド部カール加工しました。

エンドキャップとも金型製作してからの成形で、しかも注文数1個ですから利益少ないですね。(だから滅多にやらない)

実はKRRのチャンバー頼まれたついでなのですが、こちらの方が大変でした。









自分のレーサーは内製のマフラーで乗ってきたことは前回書きましたが、もう一つ狭山レーシング時代からの伝統があります。それはレーシングスタンドは自作して使うということです。
部室の隣に工作室があって、鋼材や溶接機など社員は自由に使ってよかったのです。
そのころからの風習でスタンドを2輪用品店で買った記憶がありません。

ZX10R用はホイール脱着の練習をしたかったので、安直にアストロで買ったことを白状します。
スタンド1台7千円なんで、絶対作れない値段です。(中国企業恐ろしや)
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50の手習い、ミニバイクに使うフロント、リヤスタンドですが、適当な寸法が分からず
悪戦苦闘しましたが、
一応、伝統のスタンド製作儀式を終えることができました。










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去年、オカマ掘られて転倒した際に
ガソリンタンクが潰れていて
中々、修理する時間が取れてないですが
先に面倒な方をやっつけておきました。

頭の中に構想が持ち上がってくると、全てを投げうって邁進するクセがあります。
若干修正したい部分があるのですが
時間オーバーなので、またの機会にします。






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なぜ前後タイヤを浮かせる必要があるかというと、ロード用のハイグリップタイヤは
適性温度を保たないと性能を発揮できないので、走行前にタイヤウォーマーで温めておくためです。

オフロードやツーリング用のタイヤはタイヤ温度に関係なく広いレンジで使えることが特徴ですが、サーキット走行は条件が一定なので、これをやることで、グリップ性能が上がり、転倒のリスクを軽減できるというものです。

92年限りでモトクロスに区切りをつけていた自分ですが、96年からミニモト乗り始めてから
モトクロッサー手に入れる度に欠かさない伝統があります。
乗っている全てのマシンにオリジナルパイプを作って乗ってきたことです。
それは自分の乏しい技術と限られた資金で何ができるかという検証のためであったり、
誰からも教わったことのないパイプ作りの考案であったりするわけです。
そして2020年モデルもオリジナルパイプの製作を行いました。

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パイプベンダーはありませんので
チタンパイプ手曲げです。

画像は失敗の曲げです。
炙り過ぎてパイプが潰れてしまったので
使えません。
大体ひと曲げ失敗すると5千円くらい材料を捨ててしまうので
失敗する度に損失がでます。

なのでやり直すときは集中力がアップして
真剣になります。(そりゃそうだ)




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チタンパイプはバックシールドしながら溶接します。
パイプの内側が酸化してしまうのを防ぐ目的ですが
シールドされてないと曲げ加工するときに割れてしまいますが、シールドが健全に行われると材料が伸びても割れずに加工できます。








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パイプの口元とジョイント部は潰れないように2重板にして耐久性を確保しました。

レゾネーターはノーマルパイプに倣って同様の容積のサブ・チャンバーを取り付けました。










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口元はエキゾーストフランジのテーパーに食い込む形で組み付けるるのですが
二重パイプでバックアップしておかないと
排気熱でチタンが柔らかくなっている状態で
テンションスプリングの力で口元が潰れていくので、それを防止する構造にしています。










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材料代が高価なので販売はできません。
KTMのパワーパーツなどで注文していただいた方が楽だと思います。

私は製造者の宿命なので、自作してみただけです。





ファクトリー・パイプには不定期ですが、続編が公開されると思います。


浅間火山レース時代から勇名を轟かせた、野口種晴さんのショップ、野口モータースで製作されたであろう、当時物のチャンバーをレストアのため、お預かりしておりました。

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このとおり50%以上が腐食で欠損したエキパイ部分。

かろうじて内側R部分が残っているので
パイプの曲げRは推定できます。

全体的に激しく錆びているので
再使用する部分は無く
新しいパイプを新造で復製することを目指します。






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エキパイ部分、見た目は完全コピーできているようですが

車体に取り付くかは分かりませんので
依頼者のTさんに接合は託します。

Tさんは板金職人なので溶接は私より本職だと思います。








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全体的にパイプ部材はできました。
見た目は同じカーブになっています。

面識の無い人に部材の供給はしません。
Tさんの作品はいくつも拝見しているので
確実に完成できることを知っているので
お引き受けしました。

前回エンジンマウントやり直したKDX125車体の200エンジン用チャンバーの製作です。

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この車体に取り付くチャンバーの型は存在しないので、一品製作です。

過去にKDX200ノーマル車体に取り付くチャンバーは2回ほど作ったことがあることが分かりましたが
資料が殆ど残っていなく、手探りで形状を決めることになりました。

3日ほど取り付け不可能なパイプを試作しては、やり直すこと5回くらい繰り返して
まあまあ取り付くであろう形状のパイプができました。
ラインナップ品ならこの作業は必要ないので
一品製作する場合は作業時間が計画できないので、納期を質問されても「やってみないとわかりません」と答えるしかありません。

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作ったパイプを全部繋ぎましたが
この状態でないと取り付けレイアウトの正確な位置はわからないのです。

下に置かれているのは取り付け不能だった
パイプの残骸です。
全部スクラップになります。









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マウントステー類が取り付けば
最後に耐熱クリア塗装で出荷状態になります。

錆止めが目的なので、ラベンの缶スプレーですが無料でサービスしています。









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車体取り付け状態です。

サイレンサーは社外品に合わせて、テールパイプ作りました。
パイプの諸元は寸法で把握しておりますが
200のエンジンということもあり
中速の吹け上がりが強力かもしれません。
推定なのであまり調節はできないんですが。

エンジン動くようになってからキャブセッティングで乗り易いところを決めるといいでしょう。


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エンジンは載っかっていますが
いろいろなパーツが取り付いていない状態ですね。
後は乗る人が考えて仕上げられると思います。

口元のOリングやテンションスプリング関係はKDX200の純正部品が供給できましたので助かりました。

機種によっては純正廃番もあるのでカワサキは比較的いいですね。


ZX10R乗るときは走りだけに集中したいので、ツーリングといえども一切、荷物を積まないでいきます。
途中で一服するためのサイフと緊急時連絡用のスマホだけ持っていきます。
さて田舎モンの私は関東近郊の道でも行ったことない場所だらけなんで
ナビゲーションがあった方がいいな、と思ってグーグル・MAPを見ながら走ってみることにします。

そんなわけで連休を利用してスマホ・ホルダー装着してみました。

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スマホホルダー本体はモト・プランニング製
ハンドルパイプにクランプするタイプにしたのですが
10Rのセパハンにはクランプできる部分がありません。

なので画像のようなステーを製作しました。

ハンドリングに影響のない固定箇所が一つだけありました。
ステアリングダンパーのフレーム側取り付けボルトを利用するものです。




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最初は正面にスマホを取り付ける予定でしたが、メーター類の視認性が悪いことが分かり、右側にステーを向けて

ハンドルフルロックで当たらない場所に固定することにしました。

高い位置なら全くハンドル廻りに当たらないですが、スマホがスクリーンからはみ出してしまうのを嫌って、極力低いポジションを取りたかったのです。





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これでタンクギリギリの高さにマウントできました。正面のメーター類を妨げることはありません。


このスマホホルダーはバッテリー電源つなぐ
充電器付きなんですが

この車両にはUSB端子を装着してあるので
元々モバイル充電機能が備わっていました。





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こんなコックピットになりました。

これで目的地しゃべってルート検索してもらえます。

昔ならゼンリンかミリオンの地図見ながら旅してましたが、今はこいつが頼りです。

こないだも都会の道が分からなくて、コンビニ寄って地図立ち読みしたり
交番で道聞いたりしましたが

もう必要ないぜ





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休みの日は仕事しないんですけど

今度作るチャンバーの車体を段取りしておくことにします。

125フレームに200エンジンを換装してあったのですが、エンジン位置が悪くて
後で問題がでても責任が負えないので

事前にエンジン位置を直しておこうと思いました。
これはエンジンハンガー切り落として
正しいであろうエンジン位置に仮置きした状態です。

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持ち込まれた状態では
ケース下側がロアーパイプに当たるので
排気側が持ち上がった位置で
キャブレターも後ろ下がりになって、エアクリーナーのジョイントも難しいでしょう。

当然取り付くマフラーもないので
車体にあわせてワンオフ製作することになったのですが

フレームの当たるところは凹ませて
エンジン前側を下げて、キャブレターも水平になりました。


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エンジンハンガーは新規に切り出し
溶接します。
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エンジンマウント装着確認できたので

剥がした塗装のタッチアップ
このあと再びエンジン載せて
ようやくチャンバー製作の段取りができました。

頼まれた内容ではないですが
エンジン位置がダメだからやり直して持ってきてください、と言うより自分でやった方が早いと思ったためですね。
久々のオンロード・チャンバー作りです。

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なんか素敵なフレーム

エンジンは違う機種に乗せ換えてあるらしい。


エンジンはRZRということで
排気系もRZRでいくわけですが
RZRオリジナルでは、この車体に取り付かないはずなので
新造して取り付けるという、ご注文です。





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2気筒なのでフランジも2個
口元も2個

Oリングは以前のRZR用は廃番で
入手できません。

なので別機種の新品を4本用意して
寸法はRZRオリジナルと違うので
口元も新設計で加工しました。






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シリンダーにフランジを取り付け
ここからエキパイの形状を作っていきます。

RZRオリジナルのエキパイを1本作って
当てがってみましたが
フロントタイヤが近すぎて使えないことは
判りました。









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エキパイ2回目ですが
まだフロントタイヤに近いようです。

フロントフォークがボトム付近で
タイヤと擦ってしまうでしょう。

下はRZR車体ではOKだったエキパイ
小さい車体に大きいエンジンを乗せ換えると
このような問題が起きるものです。


明日、エキパイ形状をエンジン側に曲げたものに変更して確認してみます。





腰痛の悪化と熱中症で3日ほどダウンしておりました。
水呑んでも吐いてしまうので体力が消耗してヘロヘロになっていましたが、今日から復活です。

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エキパイのカーブを変更しました。
エンジン下側ギリギリの取り回し、
フロントタイヤも当たらないでしょう。

左側パイプは右2本出しのため
テールパイプの向きを右側に向けてあります。

これでサイレンサーの位置決めとテールパイプ作成に掛かります。

5年くらい前からめっき処理の取り引き先が廃業したことにより、特注の場合を除きメッキ処理依頼代行をしておりません。
理由は以前の価格と納期を維持できなくなり、安価な製品を求められる弊社顧客に対してお応えできないということです。
めっき処理依頼可能な企業はたくさんありますが、単品での依頼はワンオフ製作同様、研磨や治具の設定など熟練工の作業が不可欠となり、安価なめっき処理は製品をダメにする可能性も秘めているのでリスク回避という面でもお引き受けできないという考えにいたりました。

そうは言っても、どうしてもクロームめっきで納品してほしい熱心なお客さんもおられます。
個人的にはチャンバーが排気熱で色が変わっていくのが面白いと思っているので
色が変わらないめっき被膜では楽しみが半減すると思うのですが
確かに錆対策を定期的にやらないと外観が悪くなってしまうのも煩わしいという意見も理解できます。

そこで現在では知り合いの業者さんでなくてもインターネットで全国各地メッキ業者さん検索できるので
今回は全く取引してないですが、2輪部品も多数手がけておられる有名店に依頼することにしました。


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光沢は前の業者さんと同等ですね。
内Rとか電気が流れにくいところの膜厚が乗らない傾向にありますので
そこのところは今回の方が光沢が出ている感じですね。

電気メッキなんで限界があると思います。








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品質は良好ということで

価格と納期ですね。
びっくりしますよ。

他社と比較されると困りますので
具体的には言えませんが
ざっくり前の3倍と納期は品物発送後
一か月ちょっとです。

一見さんなのに無理な注文を聞いてもらっているので妥当な仕事だと思います。

ご注文いただいたお客さんも十分理解のうえ、前金でお振込みいただいて
こちらとしても安心して処理依頼できました。


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見積もりの金額が増えないように
細かい依頼は省きました。
2輪部品多数手がけているプロですから
注文つけるのも失礼かなと。

しかし、予想したとおりの問題はありました。

パイプの端末はめっきの花咲現象が見られるのです。

このことでφ28.6のパイプ径はφ29.5くらいに拡大し
一般部でもφ29.0くらいまで膜厚が乗っているのでサイレンサーのジョイントは差し込み不可能になります。

そのことは分かっているので、前の業者さんには差し込み部分にマスキングを指定してメッキが乗らないように対策していました。
今回はそれを指定しなかったので案の定でした。

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CRM250RRサイレンサーとセットのご注文なので、組めるように加工しました。

めっきの花咲はグラインダーで面取りして
外径の太った差し込み部分は
サイレンサージョイントの加工やり直しで
差し込めるようにしました。

めっき後のパイプ径は予めわからないので
後で作ったほうが間違いないですが
その分納期が遅くなるということです。




以上です。めっき処理ご検討の方は参考にしてみてください。

全日本シーズン前になると毎年作っている気がします。
YZ250Fのノーマルマフラーを改造しているのです。

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マフラーを変更するには根拠が必要です。
手間をかけて作り変える根拠があるのですが、ノウハウに関わる部分は公開できません。


そのかわり、マフラーの役割について解説しましょう。

多くの人はマフラーは排気を促進する機能があると思うでしょう。
それは逆で、排気を滞らせる役割を持っているのです。

排気ポートが開いて高温の排気ガスが音速で排出されエキパイを通ってマフラーへ達しますが、排気ガスは水の流れのようにパイプを流れているわけではありません。
圧力の高いところから低いところへ移動(膨張)しようとして
高圧の燃焼室から圧力の低いマフラー側へ移動すると考えるのが正しいです。
そして排気ガスが必ずしもパイプの後ろに移動するわけではありません。
排気ポートが開いていれば燃焼室へ戻りますし、吸気バルブも同時に開いているタイミングではインテーク側まで達します。(バックファイヤー)
以上のことを踏まえて、音速で移動した排気ガスの後に起こることが問題になります。
移動した排気ガスの後は真空状態になります。
このことを利用してマルチエンジンでは次の排気を負圧で引張り、排気速度を増す集合管の方法がありますが、ここではシングルエンジンに限定して考えます。
もし、マフラーが無かったらどうなるか、排気は一瞬で完了して大気中に爆音となって拡散していくでしょう。最も早い排気の状態ですが、それと同時に燃焼室内に吸入された混合気も負圧で引っ張って排出するでしょう。
直ぐに排気ポートが閉じて混合気の一部は燃焼室に留まって、次の圧縮、燃焼へ繋がっていくでしょう。
そこで排気された一部の混合気は本来燃焼してエネルギーになるはずのものが、無駄に排気してパワーダウンを起こす要因となってしまうわけです。
上記は分かりやすく極端な例を挙げましたが、要するに抜けのいいマフラーがパワーアップする根拠にはならないということです。
音速で排気された後の真空を適当にコントロールできれば吸入された混合気を逃がさないで本来のパワーを発揮することができると考えるのです。
それができるのが、排気の圧力を適当に減衰させるマフラーです。

IMG_0072.JPG

純正のマフラーですから中身に問題はありません。信頼性の高い構造を採られていますから使わない手はないです。
排気ガスの圧力をコントロールするのに
エンドパイプの仕様を変更して調節しているわけですが
金型作って成形するには生産数が少ないですから資金的に無理です。

そこでステンレス板を板金して拵えて、現実的な価格に抑えようとしています。

異形断面のサイレンサーにインサートして
φ5の穴8か所がずれることなく一致しなければ装着不可能なので非常に慎重な作業です。

IMG_0073.JPG

サイレンサー本体に仮組みして
8か所の穴にM5ビスを取り付けて装着確認後、バフ研磨して完成です。

ノーマルはリベット止めなのでM5ビスに変更することでメンテナンス性が向上しています。





明日は積雪の予報なので発送は週明けということにします。





近年流行りの3Dプリンターで金属粉末を積層するとか、金型作ってハイドロフォーミングで成形するなど、高額な設備投資をした工場でないと難しいと思われる形状ですが
どの生産設備も持ち合わせていない弊社がアナログでハンドワーク満載の加工例を紹介します。

CIMG7254.JPG

某メーカーのモトクロッサー
ウォーターポンプの出口パイプです。

45度カットしたパイプをロウ付けして90°に曲がったパイプになっていますが

冷却水の流量に損失が多く、冷却性能に影響するらしく、損失の少ないエルボーに変更したいという依頼です。

右の2個はバルジ加工風に作ってみたパイプです。
丸棒に穴を空けて、外周をバルジ形状に切削したパイプを曲げたものです。
極小Rで潰れないように曲げるのがコツです。

CIMG7255.JPG

フランジ部分はエンジン側にOリングをセットする段付き加工が必要のため
無垢材からフライス加工しました。

これは2個取りしている場面です。











CIMG7256.JPG

削り出したフランジにエルボー差して溶接すれば完成です。

カネは掛かっていませんが手間が掛かりますね。











CIMG7257.JPG

エキパイの下に冷却水ホースが通っているため
出口を90°に曲げる必要があるのですが
水の抵抗を抑えるため
ワークスマシンはR曲げになっているらしいです。

オーバーヒートするのでラジエターキャップ開弁圧1.3に変えてあります。
開弁圧1.5にすると冷却水漏れの原因になるということなので注意してください。
2018排気デバイス付けて価格も50万円超えという強気なミニモト、YZ85ですが
旧型の欠点が完全に払拭されたエンジン特性らしいので、18モデルに乗り換えるのが最善だと思います。
しかし、旧型YZが遅いわけではなく乗り方次第でクラス最速を叩き出すことも事実です。
そんな旧型でもうちょっと戦いたいという熱心なお客さんもおられますので、取り替えるだけで確実に効果を発揮するチャンバーだとお伝えしたいと思います。

CIMG7249.JPG

18モデルと旧型は口元の寸法が変更されていて

旧型は外側のOリングですが
新型は内側Oリングで排気ポートに被せる形になっています。

NEWスペックに従って分割パイプを製作します。






CIMG7250.JPG

02年から使っている治具に合わせてパイプを組み立てています。

車体レイアウトは20年以上変わってないようです。

それがようやく今年フルモデルチェンジされました。

今のところ、チャンバーは旧型対応のみラインナップしています。





CIMG7252.JPG

溶接完了しました。

去年、大磯ムスタング西選手のマシンをお借りしてロードテストしましたが
ノーマルでは6000rpm付近までアクセルに付いてこないで急に吹け上がる特性なので
日本にありがちな狭いコーナー、固くて滑る路面や荒れた路面では回しっぱなしで走るのは無理なので低回転のトルクが必要なのですが
そこが弱いわけですから、乗り手次第のエンジンだと思うのですが
これに取り替えるだけで低速からアクセルに付いてくるし高回転に切り替わる部分もリニアに吹け上がるので、誰でも乗り易く改善されていると確信しています。
当分の間納期未定ですが来年、試してみたい人はご予約お待ちしております。

YZ450Fのエキパイフランジをアルミ製からチタンに更新するため
当社では加工不可能なので協力メーカーに依頼しました。

CIMG7187.JPG
チタン板 10mm厚

ワイヤーカットで切ってもらいました。
切り代は0.25mmだそうです。

下穴は放電加工

加工寸法は私が適当に計測した数値で
図面を描き
メーカーさんでCADに置き換えて加工機へ送信という手順です。

計測が違っていたら、当然取り付かないことになります。



CIMG7188.JPG

図面どおり加工完了です。

PF文字は試し切りしてもらったもので
15分くらいで切れるそうです。

精密ですね。バリも出ないので手仕上げ無しで使えます。


カネは掛かりますけどね。






CIMG7190.JPG

YZ450Fは固定フランジなので
パイプと同じ材質でないと溶接できないので、チタンフランジが必要でした。

明日、車体持ってきてもらって
位置決めしてから溶接します。










バックオーダーシリーズ第3段、RMX250Sチャンバー。6月に注文いただいた分です。

CIMG7181.JPG
CIMG7182.JPG

















曲ったパイプは買ってくるものではなく
平板から製作するものです。

切り板寸法は製品の形状を予測して
平面の板を切り出すので
2次元を3次元に変換する
幾何学的な考察が必要です。









CIMG7184.JPG

口元の方から溶接して取り付け確認しながら進めていきます。

接合面が傾くとパイプの向きが変わって取り付かなくなるので、慎重な作業です。











CIMG7185.JPG

段々出来てきました。
ここまで来れば一安心。

テールパイプ付けて、マウントステー作れば製作完了です。










CIMG7186.JPG

2000年に作った治具なので
初号機から19年も経つんですね。
ロングセラーです。

2ストトレール用チャンバーのラインナップは

CRM250RR、AR
DT200WR
RMX250S
KDX125SR
各チャンバーとサイレンサーです。

旧車なのでいつかは終了すると思いますので、来年は現行モデルのラインナップも
拡張する予定です。





盆休みで実家の草刈りや墓参りなどしようと愛媛に帰っていたのですが
恐ろしい電話がかかってきて、「チャンバーの前側が出すぎてタイヤに当たります」
あーしまった、フロントフォーク沈めて確認しておくべきだった。
気がついてもあとの祭り、やり直し決定です。

まあ一日あれば出来るはずの変更なんで、用事を済ませてから埼玉へ戻ってやり直しました。

CIMG7170.JPG

片側エアのフロントフォークを縮じめて
パイプに最も近い位置にして確認します。

画像は改修後












CIMG7169.JPG

前回はブロックの高さ分食い込んだ位置でしたが

改修後は1センチくらい隙間できました。
これで大丈夫でしょう。











CIMG7167.JPG

田舎帰っても大雨警報ばっかりで
4日滞在中毎日雨で今年は災難でした。

雨あがったら急いで
来島海峡や今治造船見にいきましたが
チャンバー出来上がっていなかったので
上の空でした。

海峡の大橋や大型船舶の建造は驚異です。(巨大さと難易度の高さ)
数10メートルの鋼材を組み立てて接合面を
精密に切削しないとブロックが傾いて組たたらなくなることは想像できますが
それが入る加工機は無いはずなので、どのように面研しているか見てみたいです。

あれに比べたら鉄板のパイプなんか比べものにならない微細さです。


連休二日目なのに働いています。
今日の午前中はこんな状態です。
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ジュニア・ワールドチャンピオンシップに向けて頼まれたチャンバー製作を実行中です。

私は「水押し」とか「膨らまし」とか呼んでいる製法で、パイプ素材を膨らませます。

鉄板が水圧で伸びてこのような形状になるので平面の展開図は違った形を予測して
鉄板を切ります。

2000回以上作っているので、初めて作るものは大体1回やり直しで思った形状になります。(絶対ではないですが)


CIMG7162.JPG

夜になってパイプを溶接し終えました。

ミニバイクとしては極太チャンバーです。

どんなパワーフィーリングでしょう。











CIMG7165.JPG

実はマスター車のエンジンが故障中で
始動できません。


確認はできませんので、このまま持っていってもらうしかありません。
一応スペアのチャンバーは送った車体に付いているはずなので、これは今回のレースのために作った特注品になります。







CIMG7164.JPG
張り出しが大きいので右側に倒したら
確実に凹むと思いますが
内側はシリンダーとの隙間がギリギリなのでこれ以上中に入らないのです。

そもそも転倒していたら成績も上位は狙えないので、ミスしないように集中して乗っていただくしかありません。


これで渡豪の日程には間に合わせましたので、役目は果たせました。


毎回取り回しに悩みラインナップを避けてきたKDX125SRチャンバーの組立て治具を作ってみました。
夜勤の派遣業務の合間ですから非常にタイトなスケジュールで1分一秒も無駄にできない感じなので
お問合せの電話などはご遠慮いただき、メールでの質問でお願いします。

CIMG7135.JPG

まず、設計寸法に従い鉄板を膨らませてパイプを作ります。

ハイドロフォーミングという呼称は正しくありません。
高圧の水圧成形には素材の外側に金型が必要で、圧力も2000気圧かけて行いますが

これは金型は使いません。
自由成形で圧力も50気圧程度です。
正式なハイドロフォーミングとは全く違う理屈で行われていることがわかります。



このパイプ素材から必要な部分を切り出して溶接していくわけですが
KDXのどの部分が難解な取り回しであったか以下に示します。

CIMG7138.JPG

右側シュラウド下
オイルタンクとの隙間

数ミリの隙間しか取れません。

個々の隙間を空けるためには
KIPSカバーの隙間が無くなってきます。








CIMG7139.JPG

KIPSカバー隙間

今回は余裕持たせた分上寄りになっています。

全体の形状に影響するのでここだけの隙間を考えていては成り立たないのです。









CIMG7136.JPG

キックアームとブレーキスイッチの隙間

今回はブレーキスイッチのゴムカバーとギリギリになってしまったので
スイッチカバーをタイラップでフレーム側に引き付ける処置を施させていただきました。

自分のマシンならスイッチの移設をしたいところです。







CIMG7142.JPG

ホーンの隙間

ここも調度チャンバーを通したい位置にあるため、形状で逃がす必要があります。

やはり、自分のマシンならホーンの移設をしたいところです。







CIMG7140.JPG


ラバーマウントステー

当たってはならない部分に注意を払うあまり
マウントステーの位置に余裕がないことが発覚。

パイプ全部溶接した後なので
なんとかギリギリ収まった感じです。

ヲーターホースのバンドは完全にボルト頭に被っていたのでバンド位置を変えさせていただきました。

このようにボルトオン?ではありますが若干の手を加えていただいて取り付けしていただくことになります。
CIMG7144.JPG


この形状でパイプ位置、車体との隙間関係を記した治具を製作しました。

口元とテールパイプ位置はノーマルチャンバーを取り付けて確認しましたので
口元とテールパイプの関係はノーマル同等になっています。


一応これで車体預かり無しで受注生産可能になっているはずです。




CIMG7143.JPG

お預かり車両と治具製作品の初物になります。

サイレンサーは社外のが付いてますが
ノーマルが取り付く治具で確認してあるので
別の車体でも大丈夫のはずです。

参考までに
当KDXチャンバーは90年代KX125スペックをモディファイして設計されており
実車での走行確認、キャブセッティングも標準でOKでした。

最もノーマルと違うと思われる点は重量で、
チャンバー単品の比較で、ノーマルが4.2kgに対し
当社品が1.4kgになっています。
あと右側に倒すと必ず凹みそうなパイプの形状もかなり内側に追い込んであるので
転倒によるダメージも軽減できると思います。(コケないのが一番)













Wワーク夜の部、早くも今週木曜日から出勤です。
始業時間が早いとPM4:00 遅いときはPM6:00と変動するので
来客や電話は夕方から対応できませんので、御用の方はメールで問い合わせていただくか
PM3:00までに電話していただきたいと思います。

今日午前中は派遣先の現場を見てきました。
守秘義務があるので会社名や職種は明かすことはできません。
午後からRH250の続きです。

CIMG6940.JPG

テールパイプ作りました。

文章だと一行ですが、難しい取り回しのため夕方までかかり

マウントステーも付いたので
装着確認です。









CIMG6943.JPG

クリーナーボックスを貫いて
リヤフレームをギリギリ避けながら
サイレンサーへ向かいます。

色んなものに隙間がありませんので
これ以外のパイプ位置が出せませんでした。









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スチール製なので
耐熱クリヤ塗装して完了です。

まあまあ予定通りの作業時間でした。




一件落着






CIMG6944.JPG

サイレンサーはオーナー自ら製作した一品だそうです。

城北SPLに似てますが別物です。

オリイ社長はレーザー加工が得意な会社を経営されているので溶接技術も私なんか比較にならないくらい上手なんです。

「アップチャンバー作ってくれ」と頼まれては恐れながらお引き受けするしかなかったですね。
55歳でもモトクロスの世界では小僧みたいなもんです。

YOGP(元神戸木の実RTでカワサキの契約ライダー、その後レーシングドライバーの従野孝司さん主催のオフロードイベント)
で快音響かせていただければ、いいのですが。

今日の午前中は派遣社員の登録に行ってきました。
近いうちに別の会社で働きますので、こっちの仕事は趣味に転向されると思います。
派遣期間終了後に正規雇用されることを目指します。

午後から製作中のRH250チャンバーの続きです。

CIMG6936.JPG

なんとか晩飯前にパイプが繋がりました。

文章だと一行ですが

チョー大変、これ以上ないほど困難な取り回しでした。

2度と出来ないんじゃないかと思うくらい
奇跡のレイアウトでした。

ゼーゼー・・・





CIMG6937.JPG

なんでこんなに上も下も隙間がないんだというくらいキッチキチです。


なんとか当たらない位置に収まっているんです。


俺の脳みそフル回転。
難しいパズルみたいなもんです。







CIMG6939.JPG

エアクリーナーの中を貫いています。
こんなのアリか!

明日はテールパイプとマウントステー作れば完成なんですが
親戚の結婚式に出席するので
仕事は無し。

日曜も休みで月曜日完成する予定なんですが

月曜は新しい職場へ見学に行く時間もあるので微妙なところです。

アルミタンクのワンオフ製作ですが、コストが掛かってもモデル製作して形状デザインするべきだと思います。
今回は予算の都合で10万円を切らなくてはなりません。
モデル成形やプレス金型作っていては絶対に不可能な金額なので、成形に必要な工程を
全て省いて、板金と溶接だけでアルミタンクを作ることになりました。
モデルも型も無いばかりか初めて触る車種なので、タンクの形にすることが容易ではありません。

CIMG6919.JPG

まだ途中なのですが
お客さんから催促の電話も入るので
(完成してないのに引き取りにくる日程は決められています)


溶接ビードは研磨して
外側はヘアラインか、時間があれば
バフ仕上げにしようと思っています。

いかにもアルミタンクらしく塗装はしないようです。

地金の肌だけで勝負ですね。


CIMG6922.JPG

大きいエンジンなのにラジエターや冷却ファン、FCRキャブレターなどで
タンクの下側スペースに余裕はありません。

いろいろな部品を避けるために複雑な形状になりますので、アルミ板を切り貼りして作っています。

一応マウントブラケットやガソリンコックのなどネジ加工は終わって取り付け確認できました。


あと一日かけて今回のタンク作りのクライマックスに掛かります。


CIMG6923.JPG

タンクキャップです。

近年2輪のタンクはカバーに覆われた
インナー・タンクが主流となりつつあります。

タンクが露出してなければ転倒などの外力で損傷することもありません。
それは安全性の目的もあるのですが
ロードレースではタンクキャップがタンク上部に突き出ていることさえ禁止しています。

昔のタンクはネジが突き出た形が当たり前でしたが、これからは口金が突き出たタンクは作られないことでしょう。

オンロードモデルではエアプレーンタイプの
フューエル・リッドが20年以上前から主流であることも、あるべき姿だったのかもしれません。
今回のはタンク上部がノーマルより高い位置にあるため、なるべく低いタンクキャップを作る必要がありました。
ネジで開閉するのではなく、バネでパッキンを押さえるタイプのキャップです。
旋盤とフライスで切削加工で作りましたが、見本もないので私のオリジナル設計によるものです。


CIMG6926.JPG


タンクを浴槽に沈めてエア漏れチェックしています。
お湯なので内圧が上がってピンホールが
開いているなら気泡がでてくるはずです。

気泡は確認されませんでしたのでガソリン容器として使えるでしょう。

容量は満タンでちょうど13L入ります。






CIMG6929.JPG

キャップが付いたので完成ですが
簡単ではなかったです。

何事も初めてやることは順調にいかないものです。

今度同じことがあれば経験値になるのですが、同じ物は作らないのがワンオフ製作ということです。

2018年モデルCRFを見て重大なことに気付きました。
ホンダが81年にシングルショックになったときから、吸気系を避けるためにリヤショックが右側にオフセットされていました。
私ら強度グループはフレームの応力測定をおこなっていました。
量産前のテスト車に歪みゲージを貼り、国際A級ライダーを雇って桶川のコースで実走計測した経験から、フレームの右側センターパイプ、ピボットの上付近の応力が左より高いことがわかっていました。
即ち、リヤクッションの荷重がフレームの右側に偏ってかかっていることを表しています。
だからギャップで跳ねられてオートバイは左向きに傾いて転倒する確率が高いはずです。
転倒はしなくてもリヤショックからの入力でフレームが捻じれる動きになります。
そこで捻じれ剛性を確保するためにフレームの強度をあげないとギャップ走行で真直ぐ走れない乗り物になるのです。

そこでリヤショックがセンターに持って来れることがどれだけのメリットがあることか、
捻じれ剛性を落とせるので同じ剛性なら軽いフレームが作れるということです。
最低重量が決められていますから、車体の軽量化できた分を補器類に回せるというメリットがでてきます。
これはFIの導入でスロットルボディをリヤショックの横に持ってくる必要がなくなったことに起因しますが
ヤマハは後方排気モデルからセンターショックになっていたので、優位性は証明されていますね。
こういうことがシングルショックになって36年の年月を経て変革されたことで、モトクロッサーは面白いなと思うのです。


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2018モデルCRF250Rマフラー

作っただけです。
これからいろいろなことが分かるでしょう。


軽量化のため、チタンとアルミの複合です。

金型、プレス機、ベンダーなど一切ありません。
全部手巻きのハンドメイドになります。





CIMG6902.JPG

チタン製エンドパイプ

チタンはバネ鋼のような性質なので
曲げるのが難しいです。
成形できる形状には限界がありますが
紙の図面を描いて形状をデザインしています。
コンピューターは使いません。
(CAD持ってないからね)







CIMG6904.JPG

アルミの筒にエンドパイプをはめ込む
キツさを調整するのに神経をくばっています。
キツ過ぎると組立てが困難になるし
緩いと排気漏れになってしまうので
絶妙の公差で板を曲げていくのですが

機械的な製造は一切ないので手加減だけが頼りになります。

やった人じゃないと分からないですね。





CIMG6906.JPG

マウントできました。

左右対称だから作りやすいでしょうと言った人がおられましたが

ゼロから作るものにやりやすいと感じることはありません。

シングルエンジンなのに2本も作るのかという気分です。







CIMG6908.JPG
18モデルのマフラーは左右の張り出しが大きく、その部分だけは直したいと思っていました。

このレイアウトで満足だと思います。
サイレンサー内部にバッフルは入れていません。
ストレート構造のパンチングですが
騒音計測してみました。

2mMAX法で

モードセレクト標準で107.2dB/A

アグレッシブで109.3dB/A
測定器誤差を鑑みても余裕の消音性ですね。

CIMG6912.JPG

サイドカバーとの隙間

ノーマルはストッパーラバーに当たる位置まで広がっているので、15mmほど内側に追い込んだ取り付けレイアウトになっています。


ついでに重量比較ですが

ノーマル左右共 2.0kg

SPLマフラー左右共 1.6kg

なかなかの軽量化です。

とりあえず今週末のMCFAJ開幕戦から使って耐久性など確認したいと思います。
(テストライダー雇うカネがないんで自分で乗ります)


CIMG6916.JPG

モードセレクト、アグレッシブで走行しました。

中速までは普通の加速で過激な感じではないのでスムーズに乗れますが
高速域に入るとパンチが効いてくるので
ジャンプなどで狙った着地位置より飛びすぎてしまって戸惑う場面がありましたので
体を慣らしていく必要があります。

全体的なフィーリングはコントロールしやすい、回せばパワーも十分という感じでした。


CIMG6918.JPG

一番の目的、マフラー後部の張り出しを内側に追い込んだ形状

ノーマルマフラーはサイドカバーにフィットした位置なので、かなり横幅狭くできました。
タイヤが擦らない程度でスリムな方が
転倒も多いモトクロッサーに適していると考えています。
チャンバー・ワンオフ製作のため、お持ち込みいただいているKMX200(87年式)です。

CIMG6835.JPG

取り回しはノーマル形状で依頼されていますので
ソックリとはいきませんがノーマル形状踏襲しました。

意外と難しい形状で、長時間費やしてしまいましたが料金は取り決めてあるので
金額アップはありません。








CIMG6834.JPG

まあまあ似てきましたね。

まだステーは取り付けていません。













CIMG6837.JPG

ノーマルサイレンサーに合わせたテールパイプ位置です。

タンク下のスペースが奇跡的に一発で収まったので助かりました。

全部繋いでみないとギリギリのところはわからないんです。








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サイレンサーも新作です。

ノーマルのフロントパイプが外側にオフセットされています。
インナーパイプのラインを食い違うようにして消音する構造ですが
当然抜けが悪いはずなので

ストレート構造にしてあります。







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エンドパイプは排気ガスがナンバープレートを避けるように左下45°方向に


大事な旧車ですからね、汚くならないことも大事です。











CIMG6840.JPG

これで完了です。
ノーマルチャンバー外形寸法測定しても
パイプが2重なので正確にはわかりません。
そのため1枚板の寸法を推測して補正したスペックを作って製作しました。
パワー特性確認のため
近所のテストコース(公道)で走らせてみました。
冬期のため水温が適性になるまで暖気運転してから急加速、10000rpmのレッドゾーン手前まで息付きなく吹け上がります。
低速トルクは思ったより少ない感じですが
アクセルだけでついてくるので問題ないでしょう。
パワーバンドは6000rpmから、(たぶんKIPSの開くタイミング)ワイドな感じでストレスありませんが十分速いので一般道では安全に気を付けましょう。


























ホーリーさんからクリスマスプレゼントが届きました。

CIMG6705.JPG
ハスラー250の76年型に
ダウンチャンバー付ける計画があるのですが
ノーマルのキックアームは外側に回らないタイプなので
ダウンチャンバーに当たってしまいます。

そこでハスラーに取り付ける外側に出るキックアームを捜していただいたものです。

スズキ純正部品で検索しましたが、殆ど入手不可になっているので
別機種であってもキックスピンドルに取り付きさえすれば使えるであろうと考えました。



CIMG6706.JPG

運よく1本だけキックスピンドルに適合するものがありました。

左がノーマルのキックアーム
右が選びだした一品

高さもノーマルより低いので
ハスラー250のアップチャンバーでも装着できると思います。







CIMG6707.JPG

ノーマルのボスがクランプ式なのに対し
アルミのアームはセンターボルト式なので

クランプ式に改造して使います。

抜け止めのサラビスの頭がナメていて
緩まなかったので
クサビで叩いてもダメでした。
ネジが錆ついて緩まない場合は
頭に溶接で突起を持ってモンキーで挟んで回します。
メスネジが熱膨張するので、大概緩みます。



CIMG6712.JPG

ボス加工完了

ボロ隠しにシルバー塗装してあります。













CIMG6713.JPG

キックスピンドルにとりつきました。

ノーマルチャンバーのヒートガードにアーム先端が触る以外は問題ないようにみえます。

ボスを奥まで差し込むとアルミのキックは厚みがあるため、ケースと擦ってしまいます。
なので、手前に少し出してクランプボルトを締めると問題なく使用できそうです。

これでダウンチャンバー製作の見通しが立ちました。



先月、四国へ帰ったときに讃岐のMさんから頼まれたエキパイ成形です。
ヤマハの最初のトレール、DT1のレーサーを作っておられましたが、エキパイの180°曲げの部分だけ
担当させてただくことになりました。

CIMG6668.JPG

これが本物から切り取った見本です。

実用に耐えないことは明らかですが
原型が残っていれば採寸できますので

これを元に作ってみたいと思います。










CIMG6669.JPG

本物のパイプは、この通り丸くありません。

そこで、真円パイプに置き換えた寸法を決めることから始めます。

周長を測るということでもいいですが
楕円断面の最大と最小の直径を測り
平均してみました。

目標値φ47






CIMG6670.JPG

展開図

2枚合わせてパイプ1本になります。













CIMG6671.JPG

外周を折り曲げて突合せ溶接します。

口元に水圧ポンプ用の金具を溶接すれば
膨らまし準備完了です。












CIMG6672.JPG

膨らませました。

展開図より曲げ角度がきつくなっています。

実物より若干緩いカーブにする必要があります。










CIMG6673.JPG

曲げカーブは合っていますね。
現物が太いようにみえますが、扁平になっているので、これで同寸です。

経験値がありますので
大体一発でできます。

外径は誤差0.5mmくらいになっています。
実用上問題ない範囲でしょう。









CIMG6674.JPG

口金はMさんが加工するので
パイプの成形はこれにて完了です。



作業時間4時間でした。

思い立ったら、その日のうちに出来る時間ですね。
役に立てれば幸いです。

パンチングメタル入荷したので早速インナーパイプ作って、マフラー組立てました。
今回のは従来型と違っていて、φ54からφ38.1に絞るので
途中で2種類のインナーパイプを結合する方法です。

CIMG6499.JPG

重量測定

エキパイ
 チタン 0.6kg(スプリング込み)
 ノーマル 1.0kg(バンド除く)

サイレンサー 
  アルミ/チタン 2.2kg
   ノーマル  3.0kg

フルエキ重量 2.8kg
 
1.2kg軽量化達成です。



CIMG6501.JPG

600gチタン

全部手曲げです。

拡管金型2種類と
口元ツバ出し金具製作が必要です。

チタン素管3種類で4。5万円くらい仕入れました。

サイレンサージョイントのφ54は1.3万円
(2m)仕入れです。
カネ掛かりますけど材料無いとつくれんけんね。


CIMG6502.JPG

ノーマルと同等の長さですが
斜め右に突き出したマフラーは
張り出しが大きく、転倒時にぶつかる懸念があるため
途中で曲がったサイレンサーにして
シートレールと並行に出しました。

インナーパイプも中で曲がっているのです。








CIMG6503.JPG

組立て完了

音量測定も実施しました。

2mMAXで 106.9dB/A

ノーマルサイレンサーも同条件で測定し
 
109.7dB/A 意外とうるさい。

計測器機差もあるため参考ですが
ノーマルを3ポイント下回る性能のため
音量オーバーしたときにディフューザーを入れることも考えていましたが、不要ですね。

ストレートパンチングを使ったサイレンサーテクノロジーの成果です。


それから、これらはラインナップ品ではありませんので、車体お持ち込みなしでは作れません。


新規製作は型作りしながら行うので、時間かかりましたが、大体見えてきました。

CIMG6493.JPG

チタン・エンドパイプ

チタン板は固いので成形は難しいと思います。
3ピースを溶接でつなぎ合わせています。

ノーマルより軽いはずです。

取り付け穴は整備性を考慮して
リベットでなく、M5ビス止めにしてあります。






CIMG6494.JPG
マフラージョイント・パイプ繋がりました。


マウントステーはこれから作ります。

実はパンチングメタル欠品に昨日気付き、
注文しましたが月曜入荷ということなので
完成は火曜日ですね。

土日は違うことして過ごします。







CIMG6496.JPG

マウントブラケット取り付けました。

6mm板に3mm補強パッチ付きで
耐久性を確保。
モtクロスの縦Gは強力なものです。

強度屋こだわりのマウント形状です。

最近のモトクロッサーはラバーマウントにしてない理由として考えられるのは
サブフレームと一体でしなるように設計されていることです。
ジョイントパイプがしなって応力を逃がす方向です。

因みに6角断面の理由は
丸や楕円よりパイプの縦横剛性が上がるためですね。
平な板はしなりやすいですが折り目を付けることで板がしなり難くなります。
また、3角断面が一番剛性高いと思いますが、最も容積が小さくなります。
角を4角、5角と増やすことで同じ板面積でパイプの容積が増していきます。
生産性とパイプの剛性確保という意味で6角断面を選択しました。


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ジョイントパイプ接続部

ガスケット無しで差し込んでいます。
絶妙の嵌め合いキツさに拡管するため
金型作っています。

ガスケットや金属バンドが重量物になるので省略できます。

φ54パイプの隙間が上下数ミリというレイアウト。製作の難易度を上げています。

早くパンチングとグラスウール入れて音を聞きたいです。

世間はお盆休みに入ってしまいました。我が社は休みなしです。どこにも行きません
それより、直ちにやるべきことが山積みなんで少しでも進めておきたいです。

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エキゾーストはこれで終了
マフラースプリングのフックを溶接するのと
先日試乗したとき、排気音が大きすぎたので、消音バッフルを装着しました。

あのままの音が最高なんですが
廻りの迷惑を考えると、やむを得ず音量下げさせていただきました。
かなり上品な音になりました。
きっと満足していただけるでしょう。






CIMG6415.JPG

実はまだオプションがありまして
社外の可倒式アルミステップを付けてほしいということで
ステップブラケット加工しました。

取り付け位置はノーマルと同寸ですが
50mm厚の板から削り出しで
材料の8割は切り粉にしてしまいました。

左右セットで丸一日掛かりです。






CIMG6416.JPG

加工完了して取り付けてみると
思わぬ問題に気つきました。

黒いのがノーマルステップですが
アルミステップの方はピンの位置がオフセットされていて、ステップ位置が下がりました。
ノーマルのゴムの厚みが無くなることでさらに低い印象です。

問題はチェンジとブレーキペダルよりステップが低くなって操作しずらいということです。
これはアジャスターをいじって、両ペダルの角度を変えて、ステップ高さに合わせましたので乗るのに支障ないでしょう。


CIMG6417.JPG

ペダル調整して、こんな感じにできました。

完成して取り付け確認するまで分からないことばっかりです。












CIMG6419.JPG

もう一つのオプションはグラブレールです。

ノーマルのタンデムバーと一体のものを外して左右のブリップだけに変更しました。

普通は鉄でクロームめっき仕上げにするのですが、ここでは日程に余裕がなく
アルミ棒で作りました。

左右セットで2時間ちょっとの加工です。

センタースタンドかけて使い勝手も確認しました。 良好です



2気筒のフルエキでちょっと時間かかりましたが、これにて終了です。







毎日暑いですが、ここの工場も35°あります。エアコンありますが日中は太陽光のエネルギーに負けて室温は下がりませんので使ってません。
それより人間の冷却機能を働かせながら仕事しています。
溶接にパイプ手曲げなんて作業は真夏にストーブ当たっているようなもんです。あー涼しい

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完成ではないですが、エキパイつなぎ終わりました。

ノーマルはブレーキペダルの上通しなんですが
φ41.3パイプは1本でギリギリです。
そこでLバンク用はエンジン下からブレーキペダル下へ取り回しました。
ブレーキ踏んでも当たらないクリアランスと
センタースタンドも使えるように考えると
あまり自由度はないです。

そのため、こんなデザインがよろしいかと。



CIMG6412.JPG

中間パイプはフレーム下にボルト止めしてあります。

ドカティやアプリリアのリヤバンクほど短くないですが、Rバンクのエキパイが短いです。
そのためサブタンク取り付けました。
パイプを回して延長すると見た目が不自然になると思いました。

あくまでお客さんの要望は右2本出し
メガホンショートマフラーという形を優先して、他は僕の裁量に任せるという仕事です。




CIMG6413.JPG

マフラーエンド
ノーマルに比べると大きい穴です。
これが小さいとつまらんものになると思いますが
肝心なのは音ですね。






昨日からエンジンかけてもRバンクの火が付いてないようで片肺でした。
プラグ外してみると火花は良好
火が飛んでてかからないのはガソリンが来てないのだな。
コックがONを確認してRESに切り替え・・・かかった。
ガソリン残量が少なく、サイドスタンドで始動する場合、Rキャブ位置が高いためガソリンが来なくなる。
よってLバンクだけ火が付くというわけです。
逆に、左コックで2気筒の車両は右旋回時にガソリンの落下が悪くエンジン不調⇒エンスト⇒転倒になることがあります。
ガソリン残量に気をつけましょう。

そういうわけでGSまで給油にいきました。
音は、ハーレーに似てます。加速していくとインディアン・スカウトにも。
Vツイン独特の不等間隔の爆発音がします。
音が大きいので後続車があきらかに車間距離をとっているのがわかるので、これは安全です。
ホーン必要ないですね。シメシメ




























































































中間パイプをレイアウトする前にマフラーを作っておきます。
マフラーの適切な位置が決まってからでないと検討しにくいからです。

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右2本出しなので2個です。

デザインはお客さんの要望どおりなので
私の意思で決めてないですが
作り方は自分で考えなくてはいけません。

過去に同じ寸法の物は作ってないので
一個限りですが、型製作が必要です。








CIMG6384.JPG

エンドキャップは金型3個作りました。

エンド部分が内側カールに成形するためです。
油圧プレスが無いので、円錐はステンレス板を巻いて作っています。

中身の部品とマウントステーは明日作ります。

発売から40年経つGLのフルエキゾースト製作頼まれました。
全く経験のない車種なので、最初の工程からお見せします。

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エキパイの曲げからですが
機械ベンダーはありませんので
手間げで作ります。

曲げられるカーブに制限がありますので
可能かどうか、鉄パイプでマスターを作ります。
鉄で曲がらないものはチタンでも曲りませんからね。

3次元曲げなので曲げながら車体合わせすることはできませんので
マスターと比較しながら曲げカーブを調整していく作業です。


CIMG6378.JPG

チタンパイプで本番です。
2mで1万円しますので失敗は許されないですね。
内Rのゲージを鉄棒で作って当てがいながら曲げRを確認します。

ここでパイプの精度が決まってしまうのですが力ではなく炙り加減が肝心なのかと思います。







CIMG6379.JPG

R、Lエキパイ曲がりました。
L側エキパイが20mm長いです。

正確にはパイプエンドは同じ位置で
L側フランジが20mm前です。

これはV型エンジンなので、コンロッド大端部の幅だけLシリンダーが前にある設計なんです。

Vバンクは77°
1本のクランクピンにコンロッドが連結されていますので、点火時期は77°ずれています。2番シリンダが点火してから283°クランクが回って1番シリンダが点火というタイミングです。
では水平対向4気筒のGL1000はというと180°クランクです。
1本のクランクシャフトに180°ずれたクランクピンが二つあり、やはりコンロッド一本の幅だけL側シリンダーが前にあります。片側のシリンダーに180°クランクのピストンが並列2気筒で動き
反対側のシリンダーがコンロッド幅だけ前後にずれて並列2気筒の動きをするボクサーエンジンでした。


CIMG6380.JPG

フランジできました。

これが決まってないと次の工程へ進めません。
口元が1度傾くとパイプエンドの位置は数センチ違ってくるので
フランジを固定してから中間ジョイントのレイアウトを検討する作業になります。



4型(78年)RM125ですが、去年ドライブスプロケット摩耗でチェーン脱落しました。
純正のスプロケットを調べたら、ナメてしまったのは13Tでしたが標準は14Tということが
判りました。
当然ドリブンスプロケットも違っていたので、この際標準にして乗ってみようというのが
問題の始まりでした。
この車両は4型だと鵜呑みにしていたので、78年の標準で59T(在庫一個限り)を注文してみたら
ハブ取り付け部が全然違っていて使えません。
どうやら3型以前のリヤホイールが取り付けられているようです。
それならば3型の59Tを注文しようとしましたが在庫が無く、海外お取り寄せなら可能だということですが
スプロケットごとき、作ってしまえという考えにいたりました。


CIMG6303.JPG
部品メーカーならCNC加工で作るところですが
当方には加工機がありませんので
フライスと旋盤だけで加工します。

A7075の板を取り寄せましたが
t8しかありませんので

スプロケットの板厚t7.3になるように
切削しています。(428サイズ)

3型のハブ穴は予め加工しておいて
ハブセンター基準で外周とピッチ円周上に
59個の下穴を空けておきます。



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刃先を加工しますが
これはバイトがビビッてダメでした。

大体の形状はできたので、後で修正します。











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刃先の形状を整えます。

正確なピッチ円と刃先の形状ができていないと
チェーンがうまく食いついてくれないです。

改めて標準のスプロケットの加工精度が重要なことに気付かされます。








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純正品に準じて、肉抜き穴加工しています。

8回段取り変えしますので
8か所穴加工で2時間かかります。

トータルで冶具加工も含めて
1.5日費やしています。

1万円以下で完成品買えることの
ありがたみをヒシヒシと体験できました。






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左は3型ハブセンターのマスターに

右が4型純正品、ピッチ円のマスターに

図面が無いので現物が役に立ちました。

下側が今回のワーク









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組立て確認OK

チェーン滑らかに回ります。

これでいつでも乗りに行けるというわけです。

スプロケット注文して作るメーカーもありますが、これは自分で作るという遊びなんで
他人に頼んでいたら遊びにならんですからね。
溜った残務を終わらせないと、新たな仕事にかかれません。必死でやってます。

CIMG6215.JPG
腐って鉄板に大きな穴が開いている
CL50マフラーです。

このようになったら普通は修理しません。
捨ててください!

ところが20年来の知人から紹介されたということで、修復を頼まれました。
(顔知ってるくらいじゃダメじゃよ)

一応、捨てたらどうかと進言したら
どうしても使いたい、形にはこだわらないから使えるようになればいい。

このように言われるので渋々うけました。
しかも、予算はいくらか?
これは安い方がいい、年金暮らしなんで新しいの買うつもりもない。
こういうわけですよ。そりゃうち以外でやってくれる業者さんは見つからないかもしれません。

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金はかけられませんから
金型作ってプレス成形など無理です。

ハンドワークで取り替える部分の板金部品を作りました。

表と裏で若干違う寸法ですので
2種類の部品になっています。








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切断して内部構造も確認できましたので
同様の寸法で復元してあります。














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直したとこが長持ちするように
開いているうちに錆止めの耐熱塗装を施しておきます。













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左右の板金部品を合わせて溶接し、
修理品と結合しました。

これで実用上は純正相当でしょう。

錆落としや耐熱塗装はお客さんが自分でやりたいそうなので
このままで修理完了です。








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ご希望通り、インナーバッフルは抜けるようにしてあります。

腐ったマフラーではバッフル脱着不可能でしたので。

工作時間は1日かかりましたので1万円くらいはもらいたいです。





一件落着
今日はちょっと残業のつもりが、大がかりになってしまいました。
もうすぐチキチキVMXの日なので、RM125の修理を行おうということで
去年の同大会でチェーンが外れてドライブプロケットのガードを欠損していました。
チェーン外れの原因はスプロケの山が摩耗したことなので、ダートプラスで部品注文して
428チェーンと共に新品交換してありましたが、ガードは無いので純正部品探すより作った方が早いかと思いました。

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3点止めなので、ネジを付ける台座をフライス加工しました。

M6ネジのスモールヘッドを使うことを考慮してTレンチが入るサイズの座グリが必要なのです。










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純正に似せた形状のプレートを台座に溶接して完了です。














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接合は裏表、しっかりと溶接します。

これでチェーンが当たっても壊れることはないでしょう。
純正はマグネシウムですがアルミにリプレイスします。










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プロテクターとブーツのホールドも兼ねているので、最適な形状だと思います。

作り方にマニュアルはありませんが
別の技術をお持ちの方は別のアプローチをすると思います。
手持ちの道具だけでやろうとするので
このような手順になりました。













2014年にモデルチェンジされたKX85ですが、今週末に関東選手権開幕ということで
急遽、チャンバー/サイレンサー作りました。

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エンドキャップを中にはめるタイプです。

アルミの丸棒から削り出すので
キャップ部分だけで3時間もかけています。

大会社なら型押しプレスで大量生産するところですが、
パンチング以外オールアルミなので
強度が必要な部分だけ厚肉にしたいことが
削り出しの理由です。






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ジョイントパイプ内径φ21から
エンドパイプ内径φ24に拡大しています。

この方がパワーフィーリングが良いということなので採用しています。
音量測定も去年合格しているので問題ありません。

2mMAX法になってから近接騒音時代より規制が緩い感じがするので
作り側からすると簡単です。





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チャンバーは一昨年、実走確認したタイプの継続です。
高回転高出力の割に低速の落ち込みも少ない仕様なので、扱い易さとパワーアップを両立できていると思います。


今週末はOFVで関東選チェックしに行きましょう。







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こんな取り付け状態です。

ノーマルと大幅に違っていますので
実車で確認するまでよくわかりませんでした。

適性なクリアランスを保って取り付いているので治具に反映させたいと思います。

ローボーイとアップチャンバーの中間のような形状でサイレンサーのマウントに合わせたか、テールパイプの距離を稼いだデザインのサイレンサー。
いろいろと考えられたデザインなのです。


CIMG6102.JPG
OSK(オーツカショウカキ株)さんとこのKX85です。
社長は18歳でHRC契約ライダーとなり
オートマチックRC250Mの勝利など
モトクロス界でも希な経歴の持ち主です。
現役時代に契約しなかったカワサキでやらせているのもメーカーのしがらみのない
独自路線で活動していく意思の表れかと推察します。

KX250F実車装着して発覚したのですが、エキパイの取り回しが右側に張り出している。
右足を前に出すときにブーツが当たってしまう、などの問題でエキパイを作り直すことにしました。

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前回、内側50Rで曲げたところを
40Rで曲げ角度180°にトライしました。
手曲げとしては限界のRでしょう。

たまたま一発でできたので、これを使います。










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パイプ切断長は前回と同様で
走行インプレッションは聞いてあるので
このままの寸法にします。

φ35からφ45まで拡管して繋いでいます。

これを溶接する前に所定の位置に穴あけしてサブチャンバーを挿入します。

低中速トルクと騒音軽減のための仕様です。





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溶接完了しました。

全体的にはホンダの250に似ていますね。












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内側40Rで右側の張り出し位置は
ノーマルエキパイと同等に仕上がっているはずです。

ノーマルは車体レイアウト上、最短距離の排気管長になっているようなので
パイプサイズアップと管長を伸ばして
出力特性の変更を行うことが目的のパーツ製作です。







CIMG6069.JPG

サイレンサーも進行中です。

去年型が全日本の音量ギリギリだったそうなので

少し消音のため加工を増やしました。

スパークアレスターは金網の線径アップと
エンドパイプにインナーバッフル装着しました。

計測は実車があるときに行います。





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2017でサイレンサーマウント位置が16mm前に変更されているのに伴い
サイレンサー更新しました。

上記インナーバッフル以外は昨年型と同等です。

私の前職は製造屋ではありませんでした。品質管理屋だったのですが
専門は新製法、新材料の鉄鋼と非鉄金属における部品品質です。
本田はエンジンやボディのような主要な部分を除いて、部品メーカーに製造を手配していますから
取引先メーカーの製造する部品品質を本田スペックに合わせることが仕事でした。
したがって会社に居ては何もわかりません。
メーカーの製造現場へ出張して製造工程を調べて重要管理項目を洗い出すことが品質管理の手法の一つでした。
そのため、単独ではなく設計や資材の担当者も交えてメーカーの会議室で打ち合わせして量産につなげていく作業を全ての重点管理部品に対して行っていたので、自分で製造はできないですが製造工程に関しては他の社員よりも熟知していたと思います。
それも25年前のことですから、技術は日々進歩しているので今は当時より高度な製造工程を展開されていることが予想されます。

そんな私は資金ない、技術ないという四面楚歌な状況から考え付いた方法でマフラー製作に取り組んできましたが、今回も人には説明できない内容を盛り込んだ新型のエキパイを公開します。

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マシンベンダーも金型もありません。
量産メーカーが持っている設備は皆無です。
お金を払ってメーカーに生産して貰えば考えることはないですが
仮に1千万円投資して1千万円売ったとしても収支はゼロですから
そんなことはしないで、一台分の材料費だけで形を作ろうとしているのが本プロジェクトの目的です。

手間げはパイプ径が太いほど、曲げRがちいさいほど難しくなります。
内側50Rで曲げていますが、90°以上は私の技術ではパイプが潰れてしまうので無理ですね。
チタンパイプφ35なら2mで一万円くらいしますから無駄にはできないので慎重に扱います。

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エキパイの仕様はライダーの意見を聞いて
ノーマルからどのように変えていくかを
自分の経験値で決めています。

細かいインプレッションはベンチテストではつかめないと思いますので実走確認しかないと思います。

今回は口元の成形方法を新製法にてトライしました。
形状を見て製法を想像してみてください。
あなたならどうするでしょうか?




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2017モデルKX250Fは16モデルから設計変更されているので
先日お預かりした車両を元に治具製作しました。
そのため、車体合わせは一度もしておりません。
これで問題なく取り付くと信じております。
(信じられるのは自分だけ)


日本の近代史が最も変革を遂げた時期は幕末から明治維新のころだと思いますが
特に鉄鋼の製造という分野において横須賀製鉄所なくしては語れないでしょう。

徳川幕府末期の勘定奉行、遣米使節団目付役を務めた小栗上野介忠順が中心となって
フランス人造船技師、フランソワ・レオンス・ヴェルニーを代表とする技術者たちに依頼して
日本で初めての近代的造船所を横須賀に建設したのは慶応元年(1865年)ということです。

名称が「横須賀製鉄所」と呼びますが鉄鋼の精錬ができたのではなく、軍艦や外国船舶の修理を行う
ドライドックという設備が主な事業であったようです。
当時は鉄鋼材料も工作機械も輸入に頼っていましたので西洋並みの機械技術に追いつくことが命題であったと考えられます。
そのなかでも日本の製造業として最も歴史的価値があるのはオランダ、ロッテルダムから輸入したスチームハンマーだといえるでしょう。

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3トンスチームハンマー

江戸時代に初めて導入された鍛造マシン

ヴェルニー記念館に展示されている、この機械は130年間現役で働き続け
90年代末期に発注を受けた仕事は
空母インディペンデンスの部品であったということから難易度の高い特注部品の成形が可能だったということが驚きです。

その後解体されショットブラストで錆落としや全部品の点検、再生を経て、当時の風合いに近い塗装を施して
この記念館の建設中に据え付けられたそうです。
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0.5トンスチームハンマー

同年式1865年製を示す鋳出し文字が巨大アームの側面に刻まれています。

江戸時代の役人や鍛造職人たちが、この刻印を読んだに違いないことから
自分も同じ物を見ることができるロマンがここには存在します。



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横須賀製鉄所にて3トンスチームハンマー稼働中の写真は70年代のもの

大きなヤットコで1200°Cに加熱した鋼材を二人掛かりで抑えます。
後方の台に乗った作業員がレバーを操作してハンマーの上下運動をコントロールします。

動力は蒸気機関でハンマーの上部にあるシリンダーに蒸気圧を送り込むバルブを手動で操作してピストンを昇降させる構造です。

江戸時代にこれを動かして造船所で使う設備の部品を製造することから始めたマザーマシンなのです。
そのころの動力は牛、馬、水車と人力しかなかった日本にとって圧倒的かつ革新的な機械だったのです。

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製品の例ですが

フックの鍛造工程を表しています。
金型に素材を置いてハンマーで打った状態は上下の金型の隙間にフラッシュ(バリ)が
はみ出します。

これを上にある型でプレスして、バリ切り一発成形します。







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これはフックの素材が丸棒であることを表します。

φ50くらいの丸棒の先端を叩いて尖らせてあり
金型に合わせたカーブに曲げるところまで
ハンマーで成形します。
その後、金型に置いて一発成形します。

そして上のバリ切りの型に付け替えて次の工程へ移行するわけです。






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日本政府は、このように歴史的に意義の高い重要文化財を保存する活動に動き出しています。

やはり実物が保存されていることが、人々の意識に残すことができる唯一の方法であろうと思います。

古さと性能の高さ、
これを作った人の知恵と労力

そして日本の近代化の先駆けとなった革命の動きに
ただ感動を覚えるのです。



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ヴェルニー公園の対岸に横須賀製鉄所の敷地があり、当時から現役のドライドックが並んでいます。

海上自衛隊の潜水艦が碇泊されていますが
噂によると世界最高の潜航能力を持っているらしく(軍事機密)
中国や北朝鮮の潜水艦は、これに狙われることを恐れて攻撃できないと言われています。





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東京湾岸から三浦半島を横断して
相模湾岸へ足を延ばし

油壷マリンパークへ行きました。


イワトビペンギン

癒されます。
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カリフォルニアアシカ


何も演技なし










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スケルトン標本

見事な染色技術に息を呑みます。













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チョウザメの群れ


原始のサメだそうです。










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ミノカサゴ

この世のものとは思えない美しさ













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生き物は
どんな人工物よりアーティスティック







下はニホンウナギ
絶滅危惧種






もうすぐ年末ですが、最後にいい物見れました。











このニンジャはチャンバー製作で終わりません。
県外から車両お持ち込みのため、いろいろとオプションをご注文いただきました。

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グラブレール

フルカウルモデルのため
取り回しするのに持つところがないという
問題を解決するものです。

パイプを曲げて、切って、溶接。

図面などはありません。
頭の中で描いた絵をハンドワークで作り上げるだけです。

リヤフレームに取り付ける場所はありませんので、リヤフェンダーに穴を空けて
マウントブラケットを溶接した後にフィッティングしたものです。
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塗装して取り付け完了です。

グラブレール下側の棒はサイドバック載せて走るときにタイヤと擦れないためのガードです。











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上がノーマルのバックミラー

下が取り付けたいバックミラー

しかし、取り付け座面が全然違う向きなので
取り付け不可能です。






そこで



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ノーマルのカウルステーに取り付けできる
アダプターを製作しました。

無垢のジュラルミンから削り出しました。
頑丈な作りです。











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バックミラー取り付け完了

狙い通りの位置で後方視界良好です。













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こんなフロントビューですが
満足いただける位置だと思います。

(これ以上どうしようもないですが)












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ご指示どおりラジエター前面に遮蔽版取り付けました。

走行風を遮るものなので
暖気運転は相変わらず必要でしょう。








それから


CIMG5943.JPG

キャブレターのJNクリップ段数
1段下げました。
見たことないキャブだったので試運転してきました。

開け始めの息付きが改善されています。
寒冷地仕様にセッティングすれば
もっとよくなるでしょう。



これにてご依頼の作業は終了いたします。

444サイレンサーの続きです。

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サイレンサー本体は組みあがりました。

まだまだ完成ではありません。













CIMG5767.JPG

マウントステーをこしらえます。

純正同様のラバーブッシュは支給品ですが
純正パーツリストに品番はありません。

マフラーCOMPに組み込まれた部品なので
ブッシュ単品の設定がないのです。

これはゴムメーカーに発注して製造していただいた部品だと思います。

ラバーブッシュはカラーに圧入しますが
圧入荷重のデータが無いために
カラーの内径を精密に加工しなければなりません。
内径が小さいと圧入できません。
内径が大きいと緩くて抜けてしまいます。
圧入荷重を適切にする加工寸法は私独自の理論がありますので、今回はそれを活用して行います。

CIMG5768.JPG


ブッシュの圧入は最後に行います。
圧入後溶接だとラバーが燃えて無くなってしまうためです。

そのためダミーのブッシュを作ってカラーの位置決めと仮溶接を行います。









CIMG5770.JPG

シートレール下のマウントステー

こちらは純正のラバーマウントステーを用いて位置決め(仮止め)します。

仮止めの熱でもゴムが焼けてきますので
本溶接は車体から取り外して行います。









CIMG5771.JPG

ラバーブッシュ圧入

完璧な圧入荷重でした。
けして外れることはないでしょう。












CIMG5772.JPG

マウントステー溶接完了。

これにて444サイレンサー全行程終了します。

ホーリーさんとこで塗装して商品化される予定となります。





誠に勝手ながら今週末からしばらく連絡とれないとこへ行くため、ご用の方は29日以降にお願いします。

444(79CR125)チャンバー無限MEタイプと呼んでおきましょうか。プロトタイプ完成です。

CIMG5752.JPG

オリジナル品のプレス成型品とは違いますが、手巻きと膨らましで作りました。

純正の444とは全く違うスペックに見えます。

計測はできませんが
お馬さんはおるかいねー。

曲ったサイレンサーに取り付けていますので、真っすぐなサイレンサー作りも急務です。




CIMG5748.JPG

このパイプは平らな板から切り出して作るのですが
最初から展開図が出来ているわけではありません。
一発目は狙いと違った寸法のものが出来てしまうので、そこから修正を加えて精度を上げていくので
このように展開した鉄板が大量にできてしまいます。







CIMG5753.JPG

車体に取り付けてクリアランスを確認します。














CIMG5749.JPG

マウンティングステー
補強のため座布団付きです。














CIMG5750.JPG

口元とスプリングフックの部分

エキパイ外径φ38













CIMG5751.JPG

テールパイプ

差し込み部分だけです。
非常にシンプルですね。












以上の仕様で初ロット50台分生産に掛かります。

急なご依頼には対応できませんので、ご了承ください。


80年代CR125の無限キットに使われていたピストンは444流用でした。
狭山レーシングで83の無限シリンダーを貰ったので、朝霞の無限本社までピストン買いに行った記憶があります。
444は市販車でもポーラスめっきシリンダーだったのですね。
それから世紀の失敗作フロント23インチもこの年(79年)だけの仕様。

CIMG5733.JPG

これはホーリーさんからの預かり物で
無限のファクトリーマシンらしく
前後サスペンションやチャンバーが量産とは違っています。
フロントも21インチに換わっています。

これが発売されたころ私は高専の2年生で
学生寮の勉強部屋にこれのカタログを貼っていましたが、高嶺の花で実車を見たのは
五明(松山オートテック)でしかありません。

まだどこの会社に入るかもわからない時代でしたから、これも何かの縁でしょう。



CIMG5734.JPG

今回はこの無限パイプの複製を頼まれましたが、プレス成型でなくハンドワークの手巻きと膨らましで似せて作ろうとしています。

量産型とは全然違う形なのでこのマシン所有しているレストアラー向けの補養パーツになるはずです。









CIMG5735.JPG

このパイプも激しく腐っています。
なんとか補修して使い続けようとした痕が見えますが、ここまで腐ったら諦めたほうがよいでしょう。

その代わりに寸法図って新品複製します。










CIMG5736.JPG

こんな感じで型を決めている最中です。

オリジナルもそうですが、ハンドル切ったときにフロントフェンダーが擦ってしまうので
なんとかギリギリ交わせたらいいのですが
難しいところです。



サイレンサーも横から突っ込まれて曲がっているので復刻する予定です。
これは位置決めの治具代わりです。




CIMG5737.JPG

なかなか似ているでしょう?

この型で行こうと思いますので明日から生産に掛かります。

完成までお待ちください。

無限ME125ですが、チャンバーとサイレンサーを繋ぐジョイントパイプはKA3同様だと思いますが
レストレーション中に紛失してしまったとのこと。
CIMG5294.JPG

85モデルですから純正廃番でしょう。

これではエンジンOH済みでも試運転できません。

部品探すより作った方が早いので
新造させていただきます。








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パイプカーブは目検討です。
ベンダーも必要ありません。
手でグイっと曲げます。

差し込みもパイプエキスパンダーなど使いませんが
φ25.4芯金作ってプレス圧入して拡管します。

これくらいなら全部ハンドワークでいけます。




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ジャストサイズにできました。

スプリングフックも取り付けて任務完了です。





このマシン、有名ですが細部を見るのはこれが初めてです。




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市販車に似ているだけで無限が各部に手を加えているようです。

例えば右ラジエターが大きいです。

多分KA5(CR500)のラジエター流用だと思います。
冷却効率はラジエターコアの表面積で決まるのです。







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リヤフォークエンドもこのとおり

量産はチェンテンショナーのボルトが後ろに突き出したタイプですが
これは突起のないエンドピースです。
転倒してボルトが腿に刺さる事故が起こるので安全のため対策されたものです。

アクスルのサイドカラーやナットがチタン合金の削り出しによるものです。

ワークスマシンは虚飾ではない実用的な機能美に溢れていて目を楽しませてくれます。

さてエンジン組み立て担当、COSMICのI岡さんとこへ急いで届けてきます。

今度はエキパイ製作です。
要件はノーマルのエキパイ、サイレンサー相互に取り替えられることなので
ノーマルとスペシャル両方で取り付け確認します。

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ノーマルに準じたパイプサイズですが
ノーマルのステンレスに対して
チタンパイプを使用します。

サブチャンバーがパイプセンターからオフセットされている理由はこれです。

パイプに排出と戻りの穴が二つ開けられていますが、穴側のチャンバーが広くなっている構造です。






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エキパイ完成です。

手曲げパイプと巻きチャンバーの組み合わせ構造になっています。

フランジはアルミ2017削り出しです。










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フルエキゾースト試作1号

2号機の予定は・・・
あります。

マスター車あるうちに治具製作しなければなりません。









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無事金曜日にオフビレのパドックへ納品できました。
青森出身、高木嵩雅レーシングの若手
国際A級平山力(リキ)選手です。

ぶつけ本番で明日の公式練習から走ってもらえるそうですが、
その前に車検通過できるか、軽く心配です。

全日本モトクロスは人生をかけた戦いだと思います。
いつでもできるわけじゃなく、体力的に最高の時期でないと通用しないので、
僕のマフラーを選んでくれた以上はマシンが快調に走ってくれることが最大の望みなのであります。

今最大の懸案項目がこのマフラーです。
昨年から新規受注に関して納期未定と回答してきましたが
全日本モトクロスの日程は待ってくれません。
そこで代替え案として社外マフラー2本修理して使っていただくことで
先延ばしにしてきましたが、今週金曜日にパドックへ納品を目指して作業しています。

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マスター車は13モデルですが
排気系は2016まで互換性あるそうなので
これに合わせて作っています。

今回はIA2クラス対応を考えて
従来の弊社オリジナルマフラーより
新に2項目の変更内容があります。

一つはサイレンサーボディーのアルミ5052板が従来の1mmに対して
1.5mmに板厚アップしています。
比重の軽い材料なので数10gしか増量しないのに剛性が格段に上がります。

おかげでベンダー無しで曲げていますので
ものすごく怪力が必要でした。
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もう一つはスパークアレスター付きにしました。

インナーパイプの中にステンレスメッシュを挿入しています。
主に排気音軽減の目的ですが
空ぶかしで未燃焼ガスがマフラー内部で
燃焼するアフターバーンが騒音を悪化させる要因なので
ステンレスメッシュを燃焼ガスが通過するときに冷却される効果があります。

以上2項目追加して対応しました。


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まだラインナップではありません。
ワンオフ製作です。

この後エキパイも作りますが、間に合えば金曜日にレース車にて取り付け確認させていただきます。


重量はノーマル3.0kg
  スペシャル2.2kg

800g軽量化はt1.5アルミとt1.0チタン使用の賜物です。






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排気騒音計測してきました。

2mMAX法で
ノーマル110.5dB/A
スペシャルは7回計測して
104.7
105.1
113.1
113.1
112.7
105.2
113.2 dB/A
アクセル開け方によってアフターバーンが起こるようです。
車検は3回計測して1回クリアすれば合格なので大体OKでしょう。
あくまで車検場の計測器で判定なので、不合格の場合は次の手も考えてあるので、ご安心ください。


チャンバーの取り回しを決めるのにフランジが無ければできません。
治具代わりのマスター車にはノーマル用のフランジが付いておりますが、リプレイス用は付いておりません。
なので、取り回しを決める前にフランジ製作が先になります。

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左右2個、アルミ2017の棒と板から削り出しです。

チャンバーの口元はOリング2本入りですが
以前使っていたOリングが廃番になっており

急きょ現行モデルから探しだして設計変更したものです。

ようやくエキパイ部分の取り回しができます。
サイレンサー2本も作らないといけませんので、あと3日くらいでしょう。




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フランジ組み付けてレイアウト検討したのですが
見当で作った型がダメで、部分的にパイプのカーブを作り直しすることにします。











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エキパイ左右共ダメだったので
こちらもカーブ作り無しです。

これはエキパイをクロスさせるだけならいいのですが、カウル装着できるようにコンパクトさが求められます。

ノーマルは左右振り分けのエキパイなので
アンダーカウルのスペースが厳しいのです。





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これでまあまあのレイアウトに収まったのではないかと思います。

予定を一日オーバーしてしまいましたが
頭が悪いんで、一回で決まらないんです。
時間がかかったからといって、余計に工賃をいただくわけにいかないので
よく考えながらやるしかないです。







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全体像が見えてきましたが
テールパイプの向きは
サイレンサーがなければ最適な位置が決まりませんので

続きはサイレンサー2本作ってからということになります。


非常に難解な3次元に傾いた形状のジョイントパイプのリプレイスを試みました。

用意したチタンパイプのサイズは、4種類 φ50.8 φ45 φ38.1 φ31.8
長さは少量ですが材料代5万円分が必要です。
φ45の曲げRが小さく、手曲げは不可能と判断し、輪切りにして繋ぐ方法にしました。

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集合マフラーの逆です。
分散マフラーです。

この二又部分に排気ガスが音速で衝突するため、突き合わせ部は尖っていた方が
抵抗が少ないでしょう。

同時に左右にハッキリと排気を分けるためにも尖っていることが必要だと思います。

集合マフラーでは1番3番、2番4番のエキパイを振り分けるために集合部分に板を入れたりしますが、点火時期別に流れる排気ガスを干渉させることが目的で
排気ガスは圧力の波ですが、高圧で流れたあと減圧したところに次ぎの排気が来ると排気ガスの流れが加速される効果を狙ったものです。
これはシングルのエキパイをツインマフラーに振り分けるものですから、このような形状になっています。
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左がノーマル、右がチタンパイプ。
パイプの仕様は同等なので
性能の変化はあまり感じられないと思いますが。
ノーマルより板厚が薄い部分と、チタンの放熱性の影響で排気ガスの温度は冷える方向になるはずです。
結果的に排気温度が下がると低速になるため低回転のレスポンスは良くなるかもしれません。

パイプの組み立ては目見当のフリーハンドでやった割りにはパイプのカーブや向きが高精度にできているではありませんか。
サイレンサーを付けるときに全く力を要せず穴位置がぴたりと合っていました。
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φ50.8のパイプはリヤショックのスプリングに擦ってしまうのを防ぐために
絞りを入れて幅を狭くしてあります。

エキパイの差し込みはガスケットなしで
スペシャルバンドで締める構造です。

重量ですが
ノーマル900gに対し
チタンパイプ390g

およそ半分の軽量化です。



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このように左右のパイプの傾きが違っていて上向き角度も左右別なので、パイプの組み立てが難解であることが想像できるでしょうか。
純正品は一日に何百台も作らなければなりませんから、型物のパーツを組み合わせていますが、これは素管から切り出したハンドメイドなので3日掛りでした。
無限さんみたいに上手にできませんが、
これは自家製なので若干の材料代と自分の時間を費やすことによってできます。

これで450フルエキの製作は完了しましたが、終わりではありません。
次の段階は実走です。
これもプロライダー頼むとギャラが必要になりますので、耐久テスト含めて自分でやります。
(鎖骨の金具が痛うて、もうしばらくできんと思います。)


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普通のMXerはマフラー1本あればよかったのですが、CRFは3点セットが必要になり
当然加工時間も3倍かかってしまいます。

では、これを頼まれると価格はいくらになるか?
悩むところですね、手間が3倍だからマフラー3台分だと高額になってしまいます。
しかし、マフラーのジョイントパイプの部分がシングルマフラーより簡素だと言えなくもない。
そこでYパイプがシングルマフラーのジョイント2台分と考えると、
マフラー2台分が妥当な価格でしょう。
弊社の場合、¥47000×2=¥94000也

純正の3点セットの価格は¥92000 税込みで¥99360とギリギリ10万円を切っています。
他社のシングルマフラーと比較すると大幅なコストアップになりますね。
それから、これは450用なので、250はベース車両ありませんから、今のところ作る予定無しです。








新品めっきも研磨が命、クロームめっきが仕上がってきました。

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車体取り付け寸法上、先端付近のボディーとのクリアランスが無いため

メガホンのキャブトン形状にしました。
完全オリジナルです。



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研磨する前に車体に取り付けて排気音を聞いてみましたが
相当の爆音でカミナリ族仕様だったので
消音のためバッフルを取り付けることにしました。

バッフルはマフラーエンドに差し込むパイプの内径と長さを変更して音量を調節します。

本体は隔壁2箇所入っていますが、グラスウール等の消音材は不要なのでメンテナンスフリーです。



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トライアンフのキャブトンタイプがあったのですが、あれは茄子のように中央が膨らんだ形状でしたから、金型を使ってプレス成形する必要があり、ワンオフは無理でしたが
これはロールベンダーでメガホンを巻いて
フタだけプレス成形しましたので
一台分だけ安価に作る手法を選んだということです。



昨日、富士総合火力演習の予行を観に、東富士演習場へ行ってきました。
日曜日の本番ははがきとネット申し込みの倍率が29倍という狭き門であるチケットが
木曜の予行ではありますがいただきました。
正規に申し込んでも入手不可能な栄誉ですから、仕事の予定を中止しても価値があるでしょう。
朝出発が遅れて5時に出発したのですが、現場到着7時半にも関わらずスタンド席は満員で
地べたのシート席に何とか座れましたが10時の開演まで雨の中濡れながら座って待つという
経験したことのない苦行。
しかし、目の前で戦車が走って大砲をぶっ放すのを見たら、一生に一度は見たほうがよいと感じました。
詳細は陸上自衛隊のHPなどで見れると思いますが、動画編集できたら後日アップいたします。


さて去年から計画していたCRF450マフラー、用事が多くて着手できずに1年が経過してしまいました。
着手しないと永久に始まらないと感じましたので着手します。

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CRFのオーナーでなければ、ツインマフラーがどのような構造なのか、不明だと思います。
このように右マフラー脱着式で、左マフラーはジョイントパイプに溶接された非対称構造です。

オリジナルマフラー作るに当たって段階を踏む必要があります。
それは、ノーマルジョイントを利用してマフラーの位置決めをするため
左マフラーも脱着式に改造します。



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まず左マフラーを分解します。
パンチングは特殊な形状をしています。
ステンメッシュが巻かれていますが
スポット溶接で固定されており抜けない構造なので切り裂いて取る必要がありました。

ウール交換だけなら切り裂く必要はないでしょう。

これからフロントキャップ部分を切断して差し込みジョイントを加工したいと思います。



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このようなパンチングですが
パワー本位の設計ではないでしょう。

騒音の自主規制のためだと思います。
折角高精度に作られたマフラーですが
多くのレーサーたちは、あっさり社外マフラーに取り換えてしまいます。

これはメーカーが考えた十分な出力と静粛性を備えた設計ですから貴重なものです。
無傷で保存しておきたいと思います。

しかし、FIのセッティングが良好なためか
カーボンの付着が全くありません。
街乗りマフラーを時々バラシますが、酷いカーボンの付着ですよ。いかにでたらめな空燃比で乗られているか予想がつきます。

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差し込みカラーの装着ができました。
スペースが無いのでマフラー内部に挿入する構造です。

パンチングがマフラー外形に対してオフセットされているので、パンチングの微妙な傾きを再現するのがコツです。








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左マフラー装着完了です。

ジョイントパイプ径φ38.1

ノーマルジョイントで左右マフラー製作が第2段階

ジョイントパイプのチタン材で製作が第3段階

こういう予定で進行しますので、不定期更新いたします。


帰省渋滞が始まっているようですが、まだ出発しないのでギリギリまで働きましょう。

キャブトンという英語が存在するのかと思っていました。
Come And Buy To Osaka Nakagawa(大阪中川まで買いに来い)の頭文字だそうです。
戦前、メグロと大型2輪車の製造を二分したメーカーでキャブトン号という車名があったそうですが
現在ではキャブトンマフラーという名称だけが引き継がれています。
ご存知W1やトライアンフのような水平で直管の中央付近が膨らんだ形状のマフラーです。

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まずはキャブトンの特徴的な丸みを帯びた
フタをこしらえるため、金型作りです。

プレス成形も素人なので、鉄板を上手く絞れるかどうか手探りの作業です。

φ90とφ110の丸棒は材料代5千円くらいですが
下手な旋盤加工で製作費を浮かせたいと思います。





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これが素材の鉄板を円錐に巻いたものです。

これを金型に押し込んで丸く膨らんだカップに成形しようと企んだのですが

それは素人の浅はかさ、
見事に期待を裏切る仕上がりでした。







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このように失敗作を繰り返しながら、
段々とやり方をつかんできました。

時間に限りもあるので、金型の修正は最小限度に、素材形状も少し変えながら
成形トライを進めてきました。

金型があれば、即OKなんて甘い考えでしたね。





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まあこんなもんですかね。

大体思った形になりました。

これをキャブトンマフラーのフタに使います。










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通常のキャブトンは筒抜けですから
いい爆音が出るんですが

オーナーが世田谷の住宅地に乗り入れるということで、少し爆音を控えるための
隔壁を2枚仕込みます。

排気ガスの速度を鈍らせる効果があります。
見本で仮組みされたトライアンフマフラーも中身に隔壁が入っておりましたので
大体の見当で作りました。



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こういうわけですよ。

テーパーになっているのは、JZRスリーホイラーのエキパイがボディーに近いサイドマフラーのため前側は太くできなかったのです。

テーパーはGL500のマフラーと同様にしてあります。

この後全周溶接して研磨しますが
めっき屋さんも休みなので
完成はお盆明けに持ち越しです。



タンク板金、溶接が終わっても、まだまだ先があります。

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アッパーロアー接合する前に、430の特徴であるラバーマウントの穴を加工します。

穴の縁からガス漏れしないようにφ22のカラーを差し込んで、両サイド溶接して密閉させます。


その後アッパーロアー接合面を全周溶接して容器になります。




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全周溶接できたら、キャップとコックを取り付け水没させます。
ピンホールなどあれば、直ちに気泡がでてきて発見できますが
これは一発OKでした。(プロなら当たり前)










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容器が完成しても、大事な加工が残っています。
後部マウントブラケットです。
3mm厚の板をプレス成形する金型を、これ1台だけのために作る気力が沸きません。

φ115の丸棒から削り出したリングから、一カケラだけ切り取ってつかいます。
ゴムバンドを引っ掛けるフックの一部になるだけですが
取り付けが上手くいかずに丸二日失敗を重ねてしまいました。



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こんな感じでゴムバンドのフックになるのですが、フレームに仮付けして取り付け位置を確認したにも関わらず

これではシートベースの前部が当たって取り付かないのです。
炙って下向きに修正したりしたがダメで
結局、切り飛ばしてやり直しすることにします。







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裏側はこんな状態ですが、これは取り外すと大工事になるので、外さないで利用します。












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ようやくシート取り付けに成功しましたが
シート無しで作っていたら完全に不良品でした。
キックも踏んでみたいですがエンジンはありませんのでノーチェックにします。

一応フロントフォーク取り付けた三つ又も左右に切って隙間を確認してあります。







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これで3年お待ちいただいたタンクができました。
これが出来ないうちは次の仕事はしないつもりでおりましたが
右肩の骨は出来ていないので、当分の間、療養モードになります。


あいかわらず、毎日のように注文が入るのですが、3月以降のオーダーが全部止まっているんですから、納期のお約束はできません。
突発の修理もご遠慮ねがいます。

タンク本体の板金が完了したら、次は機械加工部品が2つあります。
給油口のネジと燃料コックの台座です。

先ずは私の下手なフライス加工によって作られた台座です。
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これといって特筆することはないですが

ガソリン漏れを止めるのはOリングの役目です。
そのOリングが密着する面の加工は
端面から1.8mmの深さで、フィルター穴と同心で削るだけです。

M6ボルトは奥が袋になっていてボルト穴からはガソリン漏れはない構造です。




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ねじピッチ4.5ですが、当方のオンボロ旋盤にギヤが足りずに加工できませんでした。
そこで、近所のモトクロス仲間の本間さんに頼みました。
汎用の旋盤で見事に加工していただきました。
予備で2個作りましたが、一個は使う予定がないので、430タンク作ろうとしている人がいましたらお譲りします。

ネジ外径はφ44.5です。

ところで本間製作所の社長は、あの有名な野口種春さんのレーシングチーム、「スポーツライダース」の出身で、ヨーロッパメーカーと初めて契約した日本人モトクロスライダー鈴木都良夫さんの先輩にあたる人です。

若い人は野口種春さんから説明が必要ですね。 60年代、デビューレースが富士登山レースで練習無しの8位、浅間火山レースでは市販のヤマハYDSで125クラス優勝しています。
レース引退後に設立した「スポーツライダース」から輩出したヤマハワークスライダーはモトクロスの鈴木忠男、東福寺保雄。ロードレースは平忠彦。
東福寺さんと平さんはアマチュア時代から野口モータースで一緒に働いたそうで、当時の月給は5万円(70年代)だったと両人からききました。
野口モータースは早くから北米に進出してロードレーサーTZのチューニングを行っていて、野口さんに教わった弟子の一人がDGパフォーマンスを立ち上げ、DGでチューニングを習ったミッチ・ペイトンがプロサーキットを立ち上げたという図式です。
野口さんがいなかったら北米のチューニング業界も今とは違った形だったでしょう。


今日は一日サンダーマンです。
溶接したばかりのアルミを削るのは意匠を施すためです。

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先ずは盛り上がったビードをサンダーで削ります。
削り過ぎると修正が効かないので慎重に行います。
溶接はあっという間にできますが
完全にけずるには10倍くらい時間がかかります。

タンクの表面は溶接で歪みます。
ビードの端が引っ張られて凹んでくるので
これを修正するために
アッパーとロアーの組み立て前に行います。


CIMG4359.JPG


そしてダブルアクションかけます。

デフォームが分かりやすくなります。
僅かな凹みを見つけて裏側から叩いて修正します。

組み立ててから気付いても修正は不能ですからこの段階が仕上がりを決定します。







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ロアーハーフはサンダーが入らない形状なので、サンドペーパー手仕上げです。

セメント型で叩き出したのでハンマー痕が多くて滑らかになりません。

アルミ板金はイタリア職人が有名ですが
昔のGPレーサー用のカウリングもアルミ板叩き出しで作ったものでした。
最近はこういうことしなくてもハイテクのモデル造型機とプレス加工で高品質なものが作れますから板金職人目指す人もいなくなったのではないかと思います。

私は資金がないのでハンドメイドしかありません。

溶接は下手です。とてもじゃないけど溶接専門で商売できるほどの技術ではありません。
ガス溶接も、とりあえず火がつけられる程度です。
厚板なら被覆アークがやりやすいですが、1mm以下は無理です。
TIG溶接は左手に障害があって手が震えてしまうのです。
利き腕は右手なので、ガスのトーチは右手で持つのですが、TIGの電極は左手で持ちます。
左腕の上腕骨骨折してから骨にステンレスワイヤーの束が入ったままです。
そのせいか電極のスイッチを入れたときにステンレスワイヤーがコイルのようになって腕を震わせてしまうのです。
左手で慣れてしまったTIGを右手に持ち替えても、ビードコントロールが不器用でだめです。
左手が震えないように必死で我慢しながら行っているのです。

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タンクの内側を先に溶接します。
タンクはガソリンの容器ですから
ガス洩れがあってはなりません。
外側は研磨するので、溶接ビードは無くなってしまいます。
内側の繋ぎめを肉盛りすることで、完全な容器になります。

アッパーとロアーの接合部は最後に溶接しますからビードは削りません。





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次に外側を溶接します。
タンクの外側は意匠になりますから
繋ぎ目が無くなるまで削ってからサンディングで研磨します。

口金やコックの穴あけは切粉が入らないように先に空けておきます。

口金のネジが特殊ピッチのため、旋盤の換えギヤがありませんでしたのでNC加工にします。


何故、得意でもない仕事をやっているか。
目的は置いといて、方法論だけ言いますと
上手な人に頼めばいいではないか。
上手な人とは専門職ですね。専門職は高いはずなんですよ。
ある機械メーカーの金属加工の作業工賃は1時間あたり3500円で算出すると聞きました。
10時間で35000円。(設備代、材料代は別で)この時間工賃でタンク作ったら200時間で70万円ってことになります。
メーカーの試作なら普通だと思いますけど、一般のお客さんが一つの部品にそういう大金は払えないはずです。だから人件費削減して買えるくらいの値段にしています。



3年くらい前に製作を頼まれたアルミタンクを今頃になって作り始めました。
取り付けを合わせるフレームはお預かりしていますので、ご注文は継続していると勝手に解釈して
アルミ板を木ハンマーにて叩き始めました。

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ここまで成形するのに二日掛かりでした。

タンクの製作するのに必要なプレス機や金型などの設備は一切ありません。

板金鋏と万力、木ハンマーだけです。

セメントで造型しましたが、叩き台にはなりませんでした。アルミ板の形状を当てがって確認するために使います。

鉄板の作業台の上で叩いたら、大変な騒音で、警察に通報されたり、仕返しの嫌がらせをされても詰らんことになりますので
床のコンクリートの上にウエスを敷いて叩くのが一番静かでした。
ようするに、一般家庭の軒下で出来るくらいの道具ですから、どのような物ができるか保証できません。

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叩き出したアルミ板を仮止めして、形状の確認をしました。

すると、このままでは問題があることに気がつき、明日やり直しすることにします。

私は根気が無い方だと思いますので
同じ作業を繰り返していると段々仕事が雑になってくるので、気晴らしなどしながらゆっくりやるようにします。

去年はチャンバー6台分、奈良まで納品に行ったあげく、キックが当たって全部持ち帰ってやり直したんですから、
これはやり直してもタンク一個なんで大したことありません。

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不具合箇所を修正してアルミ板を仮止めしました。

この後、本溶接して研磨すればタンク本体は完了ですが、今度は溶接の鬼です。

口金とコック、後部ブラケットもこれから作りますので4日くらいの作業と思います。








第26回日本ものづくりワールドを見るため東京ビッグサイトへ行ってきました。
本田技研早期退職グループのシオハウスさんからお誘いがあり
「怪我で仕事できなくてヒマでしょう。機械要素技術展でも見にいきなさーい」と促され
仕事を投げ打って最終日の今日に間に合いました。

今回は出展社数2230社ということなので8時間かけて見て回っても1社当たり12秒しかかけられません。
広い会場なので全社素通りして歩くだけで終わってしまう出展数です。当然全部見るのは不可能なので
分かりにくい分野を飛ばして興味あるとこだけ厳選してみて回りました。
製造技術の一部だけですが、見たことを箇条書きに説明します。

3D金属積層造形   以前3Dプリンターは実物の材質までは実現できないと書いたことがありましたが、2001年ころにレーザー照射熱で金属の粉体を溶融する技術に成功したらしく、
樹脂を積層して立体模型を作る3Dプリンターと同様に金属粉末を焼成して造形する装置が既に実用化されていました。
偶然にも高専の卒業研究は粉末冶金をやったので、鋳造鍛造と違った金属結合については理解していました。しかし、レーザー溶接とプリンターの技術を導入することでこれだけ自在な成形が可能になるとは夢にも思わなかったことです。

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実用化されている部品の一つ
航空機用の主翼に使うフラップのヒンジだそうです。
材質はチタン製
チタン2種でも64チタンでも出来るそうです。
航空や宇宙開発の方が強度と軽量が必要な分野なので、早く導入されたようです。

アルミだとADC1とADC3 ダイキャストと同様です。
ステンレスや炭素を含まないスチール
ブロンズ(青銅)
耐熱材のインコネルや超硬のコバルトクロム
18ゴールドやシルバーも実用化されているようです。
スチールにカーボンの含有が不可の理由は上手く溶け合わなくて欠陥になるそうです。
したがって炭素鋼の3D積層は今のところ不可なので鉄鋼の熱処理品はできないですが
チタンやコバルトクロムで代用すれば、中強度の部品であれば実用可能ということになります。
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ジェットのノズルみたいですが複雑な集合パイプです。
材質はチタンで肉厚は1mmくらいです。
均一ですごく軽いです。

造形品はCADデータで設計されたものを基にしており、モデリングや金型製作のような工程は一切ありません。






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チェーンのように連結された造形も3Dならではの作りではないでしょうか。

粉末の中に浮いた固形物を表現すれば接触していないリング状のものを組み合わせることが出来る例です。

もちろん連結には組み立ても溶接もありません。3D積層だけでできています。








レーザー溶接とマイクロプラズマ溶接

これは画像はありません。溶接痕が見えないくらい小さいので、例えば平板を巻いた円筒の繋ぎ目が見えないくらい滑らかだからです。
最小で0.1mm厚の金属の板を突き合わせ溶接できるというのです。
TIG溶接との違いは、溶接電流10A以下になると溶接できないのに対して1Aの電流でも安定したアークが得られることにあります。しかも熱影響深さが0.1mmという極薄で溶融できるので、焼けや熱歪みが発生しにくいことも上げられます。
微小部分の溶接のため接合部を拡大鏡で見ながらの作業でした。
うちでは0.8mm以下の薄板は難しいので溶接しないですが、レーザーかマイクロプラズマ溶接機があれば出来るかなと思い、値段を聞きましたら
レーザーで1千万円、マイクロプラズマの安いタイプで350万円ということでした。
高度な溶接技術にはお金がかかるということがわかりました。


マシニング切削

今回の機械要素のブースは3Dプリンター関連のものが大半を占めていて、機械切削の分野は影を潜めてしまった感じがしますが、とんでもありません。
超絶切削加工は健在です。
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チタンの塊から削りだされた王冠

5軸の加工機を駆使して作られたオブジェですがコストを度外視すればここまで出来る技術力を宣伝したものです。

機械加工ですからワーク(加工物)をチャッキングしなければ切削できません。
ツールの移動する軌跡も不思議ですが
最後の加工ではどのような方法でワークを固定したかが謎のワークでした。

球体のマシニング切削するときのチャッキング方法は教えてもらいましたよ。

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これはプラモデルですが、キットの組み立てではありません。
おそらくゴムタイヤも切削ですが
車体もガラスもマシニング切削による
モデルだそうです。
艶出しは研磨です。









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ステンレス加工で電顕の筒の部分だそうです。
マイナス10気圧の真空で気密を保つため筒内部にアクセスするツールは全て丈夫なフランジ付きです。










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電顕の中で差し込まれたパイプはTIG溶接されています。
穴から手を入れて溶接するそうです。
熟練だねー











現在骨折治療中につきバックオーダーの製作延期または新規受注の制限など行っておりますが
毎日のように業務依頼の問い合わせがあります。
段々できるようになると思いますので、しばらくの間ご容赦いただきとうございます。

さて、骨折していても出来ることは進めておかねばなりません。
タンクのモデル造形中です。

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クレイモデルからグラスファイバーで型取りしたものです。

これの内側が製品表面を表しています。











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樹脂型にセメントを流し込んでいます。

白く見えるのは鉄板の蓋をポリエステルパテで押さえてセメントが漏れないようにしてあります。

型底は水平ではありませんので
セメントが乾きかけたところで成形して
型底形状に倣うようにしています。






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樹脂型を離型したところです。

セメントは砂を混ぜることで分子の結合力が増し、割れ難くなります。
アルミ板叩くには充分な固さです。
火炎で炙っても大丈夫です。

実はアルミ板金をフリーハンドで行うことに限界を感じていました。
なかなか思った形状にはならないです。
あと、なるべく溶接の少ない板取りをしたいんですが型紙を作成するのも
叩き台があれば、やりやすいのです。
というか、モデルがなかったら無理です。

そんなわけで過去に板金で苦労したことを思い出しながら成形トライに臨んでいるので、完成する保証はないわけですけど、一つ一つですよ。
もちろん、自分でやらなくてもお金払えば出来るメーカーさんも知っていますが頼んでしまったら永遠に技術は身につきませんので、このようなことをやっております。
世の中には大学のデザイン学科のようなものもあって、高額な授業料払って練習する人も大勢いますが、ここには先生もなけれな授業料も必要ありません。全て自分の思いのままです。


ほしいものがあれば、効率のいい仕事をして得た収入で買えばいいではないか。このように考える人もいるでしょう。

私の考えはこうです。
例えば陶芸家という仕事があります。
陶芸家は作品を買いたいと思うでしょうか?
自分で土をこねて、絵付けして、焼いて、作品を作ることに意義を感じていると思うのです。
結果的に作品の出来栄えに応じて値段がついて生活の糧となるけど
その裏には数え切れない失敗作もあることでしょう。
私も最初はオートバイメーカーで働くことを目的としていましたが
配属された職場は物を作らない職種だったことが退職の動機でした。
会社は組織ですから自分の希望どおりには物事が運べません。
ですから今は資金力や経験不足で苦労は多いですが
自分で考えたとおりの仕事を遂行しています。


肩が痛いので柔らかいものでも触ってみることにします。
アルミタンク作りの技法ですが、従来はいきなりアルミ板を板金して溶接でつないでいましたが、
それでは目標とするデザインとは違ったものが出来てしまう。
または、形状に不満があっても組み立てた後では修正もできません。

そういう問題点を解消するためには、予めモデル成形して完成予想図を見ながら検討するのがよろしいでしょう。
そして納得できるモデルができたら型取りをして叩き台を作るという手法をとります。
最初から外注するのでしたら、工業モデルから亜鉛型を起こして、大型プレス機でアルミ板を成形できる企業もありますから、予算が許されるのであれば高品質なタンクが出来ると思います。

しかし、外注するということは自分の意思は入りません。
注文者と製造メーカーとの契約があるだけです。
私が目指すものは、そういう商業的な経済活動をしたいのではなく、
自分の意思を具現化することを、自己責任(自前の資金と労力)で行うことにあります。

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先日、セメント型から叩き出したアルミの底板を乗せて位置決めします。

この状態でハンドルを切って、三つ又とタンクの隙間を確認するためです。

後ろ側はシートを乗せて、タンクとのつながりを検討しながらモデル成形します。







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先ずは発砲スチロールで大雑把な形状を作っておきます。

インダストリアル・クレイ(粘土)の量を節約するためですが、

意外と粘土の量が必要で、発砲スチロールは、なるべく完成形に近い形状になっていないとモデリングに時間が掛かることが分かりました。

なにせ素人なのに、何の勉強もせずに、いきなり実践というわけですから
わからないことが多いのは仕方がありません。

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案の定、粘土の量が分からず、成形する前に足らなくなって中断してしまいました。

明日、余分に粘土を仕入れておくので
入荷次第、モデリング続きを実施いたします。










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粘土を追加してコテで均しました。
大体こんなイメージです。

実はご依頼のデザインはワークスタンクなので見本がありません。
画像だけなので立体的な情報はありません。
しかも、装着する機種とワークスタンクはフレームが異なりますので
タンクの底板とアッパーハーフは形状が矛盾するものです。
なんとか、これを辻褄の合うようにするための造形が必要なのでした。


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見本のRC500Mですが
タンクのマウント位置が上のフレームと違いますので
250の底板と500のアッパーハーフを合体させる作業です。

クレイモデルから樹脂型を取って
セメントの叩き台を制作してから
アルミ板金という段取りを取る予定です。

力仕事なので作業は骨折の治り方次第で進行するでしょう。

最先端の高度な加工技術は高価な工作機械とコンピューターによるデザインの賜物だと思いますが
人間に掛かる工作の難易度は現代のものより昔の方がはるかに高いものだったことは容易に想像できます。
それは現代のように豊富な原材料と高性能な加工機の一切が無い状態から物作りをおこなったことを考えればわかります。
お前は現代人なんだから、先端の作り方をしろ。と言われるなら、こう答えます。
先端の作り方は会社員時代に学んだ、これからは古いやり方を尊敬して学んでいきたい。
日本人だって世界の工業技術から取り残された鎖国時代に、たたら製鉄で鉄を精錬して鉄砲や大砲を作った。
明治時代終わりごろには戦艦も作れるくらい生産能力が向上した。
当時の原材料事情や加工設備がどうであったか、などと想像してみると何でも簡単に手に入る現代の物作りなんてものは、昔の職人から比べれば全然楽な世界なんだろうと思います。
自分なんかが職人の境地に辿り着くことは到底不可能なことだろうと思いますが、少しくらい真似事をしてみたいと思うのは贅沢なことなんでしょうか。

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今日はこの金型を使って工作します。

内容は1mm厚の鉄板を巻いて
円錐台のテーパーコーンを素材に
テーパーエンドを内側にカールします。










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1個目の型を使ってテーパーエンドを折り曲げます。














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左から素材

右へ順番に工程後の加工形状を表しています。

テーパーエンドを内側に折り曲げるのに3つの工程で加工していきます。

金型を製作する旋盤が必要ですが
使用する道具は、鉄ハンマー
木ハンマーと万力だけです。

これで100年くらい前の板金方法でしょうね。

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このようなテーパーエンドが加工できました。

9速ATミッション作れるメーカーさんから見たら三流か工業高校の工作実習レベルかと
笑われそうですが

提示された予算は極僅かです。
何千万円も投資した工作機械や金型を使うわけにはいかないので、安価に作る方法を考えたらこうなっただけです。

こんなことはノウハウでもありませんので
真似して作る人は、ご自由にどうぞ。

会社辞めてから24年も経ってしまいました。
最初の3年くらいは何をやったらよいか、仕事も定まらず今のような体制になって20年が過ぎようとしています。
それは会社に在籍していたら今頃どうなっているだろうなどと未練がましいことを想像したりすることもありますが、これは不可逆反応なので失われた時間は取り戻せないのが人生というものです。
先日のホンダ経営陣の交代は、大問題になったエアバッグの責任を取った形かと思っていたら、違う理由だということです。
ホンダだけでなく多くのエンジンサプライヤーはフランスの発明家ピエール・ルペルティエの特許を購入してATミッションの製造を行っています。
初期のATは3速から始まり現在は6ATが高級セダンのパワートレインの主流らしい(買えないので情報だけ)ですが、これにホンダは意思を入れてしまって7ATを開発して製造を行いました。しかし、ハードとソフトが噛み合わず不具合を出して大きな損害が出てしまった責任を取る形が今回の退任に繋がったということです。
最新のATミッションを見ることが出来る唯一の場所は東京モーターショーで、部品館に駆動系専門メーカーのZFフリードリヒスハーフェンやアイシンAWなどのカットモデルが展示されています。
現物を目の当たりにしても複雑すぎて、私の低性能コンピュータでは理解不可能でした。
ATの部品構成はエンジン本体より部品点数や加工工数が圧倒的に多いと思いますので、最新の高性能、省エネルギー化の立役者は燃料噴射技術と並んでATミッションであると言えるでしょう。

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そしてこれがZFが開発した9ATのカットモデルだそうです。
先述のピエール氏の特許に抵触しない独自の特許を取得してあるので、世界の自動車メーカーに売り込みされていくことでしょう。

画像からみてわかることは、従来の5ATから比較してもコンパクトにまとまっています。
4つの遊星歯車機構と6つのシフト要素で構成されているようですが、その動きは画像みても理解できませんね。

目的は加速性能向上と省燃費性能です。
9速もあるわけですから超クロスミッションで変速直後のエンジン回転低下を抑え
ローギヤからトップギヤの変速比が6ATの6・04から9.84へ向上しており超ハイギヤードの運転が可能ということです。

しかもコンパクトで軽量ときてますから、このZF製9ATの今後の動向にも注目していきたいと思います。(しつこいようですが買えませんがね)


セメント型にアルミ板を当てて叩きました。

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1枚の平板から叩き出しましたが
大体1日掛かりです。

銅鍋作る方が簡単かもしれません。

プロの職人さんが見たら笑うかもしれませんが、
商品と呼ぶには程遠い出来栄えです。




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原型となる樹脂型と比較しながら形状を整えていきます。

このあと実際にフレームに乗せて
上型のモデル製作に取り掛かる予定ですが

作業場のスペースと、まとまった時間が必要なので、止まっている仕事を進めてから
進行状況を更新します。

試行錯誤、最近の人はやり方がわからないときにネット検索して予備知識を得てからやると思います。
本格的に取り組みたい人は、それ系の学校に通って訓練するでしょう。
それ以外では師匠を見つけて弟子入りなどしてパワハラなど受けることもあるでしょう。
私の場合は上記のどれでもありません。
やり方は間違っているかもしれませんが、自分で考えてやったことだから結果をみて得られることは他人から教わったこととは全然違った内容になるのです。
よく、「やり方教えてください。」または「いくらで雇ってもらえますか」と聞かれることがあります。
そんなときは、「オレは誰からも教わってないよ」「いくら貰えますかと言うなら、何ができますか?と聞きたい」
何かができないときに自分でわからなかったら、その人はいつも他人に教わらなければできない。
自分の力でできたことだけは、自分のだけの財産なのだろうと思います。
「聞くは一時の恥」という言葉があります。普通はそれでいいんだと思えますが
昔の刀匠は、刀の焼き入れのときに水の温度を測ろうとした弟子の腕を斬り落としたといいます。
教えたことで、いつか自分がやられることを防ぐための策だと推察しますが、物作りを習得することに対する真剣さが伺えます。

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なにやら金属加工とは縁のないことをやっているようですが

石膏型に流し込んだセメントが固まっていますので型から取り出すときがきました。

この時点でも多くの失敗がみてとれて
たくさんのノウハウが得られました。

今度やるときは、もう少し工夫するでしょう。





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離型剤を塗ってあり、抜け勾配も付けてありますので簡単に取り外せました。

セメント型ですが、これの使い方は、品物となるアルミ板の型紙を作って、切り出した
アルミ板を大雑把に曲げておきます。
細かな絞りを再現するために
型に合わせてハンマー成型していきます。

まだ頭の中だけの構想段階ですから
実際に成型したアルミ板の状態は次回にレポートします。←(もったいつけているわけでなく仕事もしないとマズイことになるからです)

今月に入ってから稽古ごとに専念しております。
仕事は大量に溜まっているにも関わらず、当分の間売り上げゼロになる予定です。
また霞を食べて生活しなければなりません。

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美術の成績はいつもトップでしたが、それは絵画の話です。
彫刻や粘土は殆ど経験がありません。

柔らかい素材を練って、造形することは私にとっては未知の世界です。
要するに全く素人なので、こういうことで品物が作れるとは思っていません。

だから稽古ごとだと言っているのです。
しかし、半端な気持ちで造形できるわけがありませんので、仕事を止めて専念しているという次第です。



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上はオリジナルのアルミタンクから型取りしたポリエステル樹脂です。

下は樹脂型から型取りした石膏型です。

オリジナル⇒オス型⇒メス型

こういう工程です。

このあとセメントでオス型を作ります。

何ができるやらお楽しみ。
期待はしないでください。
どうせ初めて作ったもんなんか品物になりゃしません。

後日、少し形になってきたらアップいたします。
全然気が乗らない社外サイレンサーの修理ですが、3ヶ月も放置してしまって、今こそやる時がきました。
転倒のためか傷モンになったカーボンパイプをアルミに交換するだけの依頼だったのですが
損傷がフロントキャップに及んでいることが判り、一気に工数が上がってしまうため、優先順位から後回しになっていたのでした。

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カーボンパイプと同寸でアルミ板を巻いておきます。












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損傷していたフロントキャップも鉄板巻いて
溶接で修復しておきます。

リベット穴はアルミ筒を差し込んでから同時加工で
穴開けします。








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アルミパイプの溶接にはこれをつかいます。

パイプの内側にシールドガスの通路となるトンネルを取り付けて

表から突き合わせ溶接します。

裏ビードを酸化させないで健全な溶け込みを得られます。





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使い方はこんな感じです。

シールドガスは垂れ流しですが、流量を手元のバルブで調節して溶接作業します。

薄板の場合は裏側が酸化して溶接欠陥になりやすいので、溶接強度と作業性が向上します。







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アルミパイプにリプレイス完了しました。

頼まれたのは筒の交換だけですが
それ以外のことに労力が掛かる事例でした。
最大の難関はカーボンパイプの取り外しで、
前後キャップがパンチングと一体のため
パイプが抜ける力でパンチングが壊れていくという代物でした。

たぶん、安価にメンテナンスしようとするお客が、まともに分解できずに壊してしまうのが狙いかもしれません。
そうすれば、また新しいのが売れるかも(信頼を損ねるだけですが)しれないことを期待しての作りだと推察します。
とにかく人がいらなくなった中古品に手をだしていると、余計な金や労力が掛かるということです。

ドローイングナンバーと読みます。図面番号のことですが、そのまま部品番号となって、製品を作ったり部品発注する基の番号となります。
今回はパーツの在庫が無くなってバックオーダーになった部品の製造ですが、ひょんなことから溶接工程だけ請け負う3次メーカーとして働かせていただきました。
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6角パイプにフランジを溶接するだけの単純な作業ですが、久々に量産気分です。
元請けの会社、N田製作所さんの経歴と驚異的加工技術に魅了されることになりました。

これは6角パイプとフランジの手配と穴加工がN田さんの領域です。
一本あたり8箇所の穴加工があり、108点なので864箇所,板厚4,5mmにφ8,5の穴を空けるのも大変なことですが、特筆すべきはパイプ内側にバリが一切出てないことです。パイプ内面ですから面取りは不可能です。
どのようにしてバリの出ない穴空けをおこなうのか?その手法をN田さんに聞きました。
原理は分かりましたが実際やるとなると、私の技術では到底無理だと思いました。これが加工職人の技術力です。
2次メーカーですから一般ユーザーに部品がどこで製造されたかはわからないでしょう。
しかしN田さんの加工品は2輪ユーザーならほぼ100%お世話になったことがあるはずです。
たとえば、キックアームのボス、鍛造素材に穴加工して内面にセレーションを割り出し加工とか。
横型単気筒エンジンのインテーク、鋳造のエルボーの両端に角度の付いた面だしとオフセットされたフランジのボルト穴加工。
ドラムブレーキのアームやカムの加工、セレーションは割り出しして位置決めのポンチ打ちとか、
誰でも見た事のある部品たちですが、どこの会社で加工したか知らなかったのです。
こんな物もあります。
4気筒のセンターにタイミングギヤがあるタイプのクランクシャフトとか、当然ギヤより大きい外径の丸棒から削り出しです。
コンロッドなどは単純な方、アルミメッキシリンダーの内径研磨とポートの面取り。
これらに共通することは加工難易度が高く普通の加工屋さんが嫌がる(加工不良になる可能性が高い)品物ばかりということです。
N田さんは御歳70過ぎですから経験50年以上のベテランでしょう。
親会社はこういう難易度の高い加工を押し付けてこられますが、後継者はいないので将来困ることになると思います。
加工できる会社は多く存在するでしょうが、問題はコストを決められていますので、難しく手間の掛かることに高額報酬を求める会社では親会社の要求に応えられないのです。
こんな物も見せてくださいました。
ブレーキホースの加締める前の金具です。ブレーキ液漏れなど絶対あってはならない重要保安部品ですが、その内部の加工も超A級難度だと思います。
これの加工には特殊な刃物を自作して単能機で対応したそうですが、刃物代は殆どかからないそうで
クズ鉄屋へ行って捨ててある超鋼チップをもらってきてロウ付けバイトをこしらえるので、特殊刃物で汎用品は無いそうです。
ブレーキホースのメーカーに日輪ゴムという会社がありますが、ホンダは最初、日輪ゴムにバカにされたそうです。「直接取引はしない、製品がほしい場合はマツダかNISSANを通して買ってくれ」と言われたそうです。
N田さんは見事にホース金具を作って見せました。技術力の高さを専門メーカーに認めさせた瞬間だったと思います。
身近に貴重な加工技術者がおられて、何10年も2輪車の製造分野を支えて、今でも現役であることがわかったことに感動いたしました。

会社員みたいに残業手当はつきません。予定より多く働くだけで体力と時間が消耗します。
残業理由は予定の仕事以外に納期が決まっている仕事があるためです。
以前お買い上げいただいたサイレンサーの仕様変更です。
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ロードレースですから低速より高速のパワーが重要だと思い、素人考えで内径大き目に作ってあったのですが
「低中速のトルク感が少ない」というインプレッションと
内径小さい別のサイレンサーに付け換えると改善された、という情報によって
仕様変更することになりました。
チャンバーが一つしかないワンオフなので他の同一機種でも同様かは不明です。

分解したサイレンサーの構成パーツ。
ダウンサイジングしたパンチングと、それを保持するカラー前後、左右で4個作りました。
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パンチングを差込み、内径に段差がないように寸法をそろえてあります。

外径は既存のパイプに圧入する寸法です。










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カラーは元のパイプに圧入してあります。

エンドピースを差し込む段差を残してあります。









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そしてワンランク細いエンドピースを手曲げでこしらえて、溶接です。

これでダウンサイジング加工完了です。

あとはグラスウール詰め込んで組み立てれば残業終了となります。


今日も工場内38℃ありました。
その上火炙りに溶接ですからアチチです。
世の中には鋳造や熱処理の工場もありますから、それよりマシだと思います。

ビンテージチャンバーはTIG溶接で昔の風合いを表現することは難しいと判断しました。
そこで思いついたことは、ガス溶接で作ることです。
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15年前はチャンバー作りはガス溶接で行っていました。

愛用の吹管は田中式00号。
20年前から使っています。
いや、途中で壊れたので一回更新して2機目になります。
ゴムホースもひび割れて全部取り換えました。長い年月使ってきたのです。

TIG溶接の方がビードのコントロールが容易でガス溶接を使う必要がなくなっていたのですが、外観を昔風に再現するためには製法も昔と同様にやらなくては違った感じに出来上がってしまうのです。
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そして15年ぶりにガス溶接で接合したチャンバーを作りました。

スズキのテスト屋さんが、一生懸命に板金溶接してこしらえたであろうチャンバー部分の再現です。

ところどころアレンジしていますが、大体こんな感じでいいのではないでしょうか。
駄目と言われたら、限界なので自殺するしかありません。




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焼け幅が広いのがガス溶接の特徴ですが
熱原はアセチレンと酸素を混合したガスを燃やした火炎です。
アセチレンと酸素の混合比は目盛りがあるわけではなく、火炎の色や大きさを見てガス量を調節します。
鉄に火炎の先端を近着けると焼けてきて鉄板が液体になる瞬間を待ってからトーチを移動させていきます。
初心者は鉄が溶ける状態や早さが分からないので均一なビードが引けないみたいです。溶接棒は一切使いません。
肉盛りの必要な場所だけ溶接棒を溶かします。
そしてもう一つの特徴は溶接ビードをハンマーと当て金を用いて叩き均してあることです。TIGではこの工程はやりませんので接合部に角が出ますが、ガス溶接では丸みを帯びた形状になります。ビードが生のように柔らかいのでこのような成形が可能となります。

ここに2種類のベアリングがあります。DT125から外したものですが、クランクサイドの左右でサイズもメーカーも違います。何でなんでしょう。
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ベアリングはJISで規格化されていますのでメーカーが違っても名番が合えば使用可能です。
左はL側ケース用で名番6205、Koyo製
右はR側ケース用で名盤6304 C3、NTN
左右でベアリングメーカーが違う理由は同じ車種でも2社手配していることです。
2社でコストや品質を競合させる目的と、1社の供給が間に合わないときに、もう1社で賄えるというバイヤー側のメリットがあるわけです。
因みに、このエンジン装着だったKoyo製が取り寄せたヤマハ純正部品はNTN製になっていました。
国内有名メーカーは
NTN(以前NTN東洋ベアリングと呼んでいた)
NSK 日本精工
Koyo (以前光洋精工、今JTEKT)
NACHI 不二越
などです。ラジアルボールベアリングの外輪側面に刻印を見たことがあると思います。
ベアリングといえば非常に硬い部品という印象ですが、オートバイ部品のなかで最も硬い材質であります。軸受け用材料はSUJ2を使いますが金型用のSKDに等しい硬さで比較的安価な材料でもあります。SUJ2は成分系から高炭素クロム鋼であることがわかりますが、内輪外輪はパイプを切断し、熱間鍛造で、球は丸棒切断したものを平ダイスで転がして真球を作ります。
形状が整ったら熱処理します。焼き入れ焼き戻しですが、焼き入れ(クエンチ)は鉄の変態(トランスフォーメーション)を利用して硬化させる処理です。鋼中の炭素量に応じて800度以上に加熱するとマルテンサイト変態が起こります。この温度を保持したまま油中で急冷(オイルクエンチ)します。水でなくオイルで焼き入れする理由はオイルの方が比熱が高い液体であるからです。
焼き入れ後のマルテンサイト組織は非常に硬く、ロックウェル硬度Cスケールで65以上ありますが衝撃で割れてしまう性質があるので粘り強さを出すために焼き戻し(テンパー)します。およそ600度で2時間保持すると微細なソルバイト組織に変態して硬度は60まで下がりますが靭性が高くなり実用強度が増します。
内輪外輪、球とも同じ熱処理を施したあと砥石研磨で寸法精度を高めます。ベアリングに不良品が殆どみつからないのは、寸法全検で規格に適合したものしか製品化されないためです。通常1万個が製造ロットと言われますので少量生産が不可能なことも特徴です。(ワンオフのベアリングは有り得ない)
6304とか名番のあとにC3というボールとレースの隙間(クリアランス)を示す表示があります。数字が小さい方が隙間が小さい意味ですが、隙間が小さいとガタも小さいのですがボールとレースの接触面が増えてしまい、転がり抵抗も増える結果となります。
従って接触面が少なくなる隙間の大きなベアリングがエンジンの回転にとっては有利となりますが大きすぎると往復運動のレシプロエンジンにとっては振動になってしまうので、C3かC4を採用するエンジンが殆どです。
ボールとレースの摺動部は金属接触では直ぐに磨耗して寿命が短くなるためオイル潤滑が必須です。
ベアリングに潤滑目的でグリスを封入する場合がありますが、サイドシール付きなら効果あると思いますがオープンベアリングの場合は無駄だと思います。グリスは荷重を受けてはみ出しますし、グリスが障壁となってオイルの潤滑を妨げてしまうため、頻繁にグリスの交換ができない場所にはメリットが無いだろうと考えています。
2サイクルの場合は混合油からの潤滑しか供給されないため、新品ベアリング組んだときは、混合オイルをボールとレースの隙間に給油して馴染ませてから組み立てするようにしています。

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2サイクルのクランクシャフトはベアリング内輪に圧入になります。
自作のクランクシャフトインストーラーを使っています。
サービスマニュアルには純正の特殊工具を使うようになっていますが、
用途と目的が分かっていれば特殊工具を買ってくる必要はありません。
ケースとクランクウエブの隙間がゼロにならないようにシックネスゲージで0.5mmくらいに調節します。
片側軸を引っ張りで圧入することでクランクに傾きが生じることを防止します。

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クランクシャフトインストーラーの構造はこのとおりです。
フライホイールのナットを利用して引っ張っています。シングルエンジンならこれ一つで65ccから450ccまで使えます。
実はエンジン組み立てを習ったことがないのでプロの整備士の人が、どのようにやっているかは知りません。
サービスマニュアルも持っておりませんのでいちいち考えながらやっているわけですが
構造は勿論、部品の材質や製造方法にまで思いを馳せながら組み立てるようにしているのは製造屋の本性というものかも知れません。

CIMG3255.JPGCB400SSマフラーの鍍金が仕上がってきました。

上手く研磨できています。

 

 

 

 

 

 

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エキパイ類もこのとおり

 

 

よーし、つけるぞー!

 

その前にノーマルマフラー装着して試乗しなければなりません。

元国際田舎B級の私が、試乗インプレッションいたします。

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CB400に動力性能を期待するなんてことはナンセンスです。明らかに旧車デザインのこれはCB360Tの雰囲気を現代風にアレンジしたはずなのです。

国内ロードスポーツのお客離れ、特に我々の世代は若い頃CBに乗っていたりするのはちょっと不良で勉強なんか嫌いな少年たちだった。

岩清水ヒロシみたいなガリ勉が乗っているわけがないのだ。

そして大学で勉強したエリートがデザイナーになって単車作ったって、我々世代の気持ちをつかむデザインや音がするものを作れるわけがないのだ。よって新型ロードスポーツに見向きもしないというわけだ。 CIMG3261.JPG(単なる懐古主義なだけなんですがね。スポーツ用のやつはなるべく新しいのにのるべきだと思います。)

根本的にCB360TはツインですがCB400はシングルなので乗り味が違うのは当たり前です。

シングルのデュアルエキゾーストですからエキパイは細くてよいわけですが、見た目ツインマフラーのようにしてあります。

ノーマルは3000rpm以下の低速トルクは弱いですが5、6000rpmのパワー感が良好で一般道で非常に乗りやすい特性でしょう。8000rpm以上回しても加速感は一定でパンチが効いていません。ゆっくりと流す程度に乗るのが一番心地よいでしょう。

そしてツインマフラーに交換して最初に気付くことは「音」です。ノーマルの原付みたいな大人しさに比べて明らかに存在を感じる太い音です。しかも爆音ではないので周りに存在をアピールできる調度よい感じです。走りだして低速から開けていきますが、太いマフラーにありがちな低速の落ち込みは感じません。むしろ抵抗が取れた軽い吹け上がりに変わっています。5000rpmからの加速はノーマルより若干速いかなと感じますが、大きな差はありません。同様に乗りやすいフラットなエンジン特性です。前述しましたがブン回して楽しむ必要のないクルマなので、軽くなったエンジンレスポンスと太い音で快適なドライブができると思います。

なんたってリヤビューから車種が特定できそうもないスタイルを楽しめることが最大の売りです。

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排気が抜けるようになるとキャブレターのオーダーも違ってきますが、これは走行中に違和感は特にありませんでした。

通常は抜けすぎると全開時や戻したときにアフターバーンが出ます。吸入空気が多くなってガソリンの割合が薄くなるためです。

これは走行中のアフターバーンは起こりませんが回転を上げてからアクセル全閉で少し出るくらいです。エアースクリューを若干閉めるか、スロージェットをワンランク上げる程度で改善するでしょう。

 

 

突然ですが、エキスパンションチャンバーという部品はエンジン部品か車体部品のどちらのカテゴリーに入るでしょうか。

動力性能に密接に関わる同部品ですが正解は車体部品です。エンジンの開発はエンジン設計者が担当し、車体の設計は車体専門の担当者という具合に別々に行われます。また製造もエンジン工場ではエキスパンションチャンバーは作りません。車体関係の部品メーカーが製造します。

では、その手法はエンジンの開発はベンチテストで行われ、排気系の諸元はストレート図で表すまでです。そして車体屋によってストレート図に基づいてパイプを曲げて車体に取り付く形状をデザインすることになります。

今回、手巻き製法のチャンバーを製作しますが、これはプレス成形の型を決めるための前工程となるものです。しかし量産用のプレス型をつくる必要がありませんのでワンオフで終了ということになります。

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先日寸法計測したチャンバーのストレート図を基にテーパーパイプを作成して取り回しの検討を行います。

 

 

 

 

 

 

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パイプは溶接しないで傾きを調節しながらカーブを決めていきます。

取り付ける車体は極秘なのでお見せできません。

作業の進行状況をお知らせする目的だけです。

フレームやラジエターとの隙間がギリギリに設定されていますので、取り回し検討だけで一日掛かりです。

このパイプは全部開いて展開図となります。

これからが製作本番です。

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取り掛かるまで気にしていませんでしたが問題が幾つかあることに気付きました。

それは、見本となる写真と預かった車体の仕様が異なること、チャンバー取り付けに必要なラバーマウント、ボルト類、テンションスプリングなどは一切ついてないこと、サイレンサーの取り付け位置も決まっていないなど懸案が続々です。

なんとかパイプが繋ぎ終わったのですが残念なことにテールパイプの傾きがいまいちです。シートレールに対して前下がりに見えます。

低いラジエターの干渉を避けるためチャンバー位置を下げたことが原因です。テールパイプをあと1センチ上げたいと思います。ここで妥協してしまうことは許し難い結果になります。

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こだわりの1センチです。

テンションスプリング付いていますが、見本がここでジョイントになっていたため忠実に再現します。

テールパイプがシートレールと同じ傾きに変更できました。

ホンダ純正のラバーマウントは既に廃番で入手できません。ホーリーさんとこで別メーカーの在庫を見繕っていただき、430用テンションスプリングと一緒に送っていただいたことでスムーズに取り付けステーの加工ができました。

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サイレンサーは推定84モデルKA4だと思いますが、リヤフレームとのオフセットを決めるため専用カラーをラバーマウントに装着して固定できました。

実車はお見せできませんが、チャンバーはこのとおり完成いたしました。

実に半年遅れの仕事でした。

明日から1ヶ月ほど身柄拘束されますので電話は出られないと思います。急用には対応できませんが用事のある方はメール送信していただければ、終業後に返信いたします。

 

 

量産部品は必ずロット生産されています。ロットの種類や大きさは製造過程における品質特性によって様々です。量産でロット管理しなければならない理由は、材料ロットや熱処理ロットのように納入や処理条件が同一のグループで区別してトレーサビリティー(履歴追跡)を持たせることによって、あとで不具合が発覚したときに選別することにあります。

不具合の追跡調査が出来ないと対象の製品が分からないので改修コストが莫大になることを防ぐ目的があります。

弊社では生産数が少なく一品ずつハンドワークで加工するために部品の不具合は、加工時点で分かってしまいますのでロット生産することはありません。 CIMG2915.JPG

普通は注文数は1個なので構成パーツは1台分ずつ作りますが、今回は4個一気に作ります。

 

これだけ作るのに3日も費やしています。

1日1本製作するのが難しいアルミサイレンサーです。

 

 

 

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構成パーツを溶接組み立てしたところです。

部品が揃っていれば連続溶接できるのですが、同じ姿勢を長時間続けることによって血行不良になります。

エコノミークラス症候群という症状ですが、私の場合は肩こりや腰痛になってしまいます。

もう年寄りですね。

 

 

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溶接完了したらバフ研磨です。夏場と違って体が温まるくらいなので助かります。

研磨は自社製品しかやりません。

お客さんに頼まれても専門の業者さんを紹介するだけです。

 

ここまで出来れば、グラスウールを詰め込んで組み立てるだけです。

明日の段取りを考えながら発送の準備します。

 

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おまけはCBヨンフォア専門店シオハウスさんからお借りしたVMXマガジンから

ジム・ワイナートとトニー・ディスティファーノの接戦です。

トニーの顎にジムの左グリップが入っていますね。

トニーの右ブーツはジムのフロントフォークに引っかかっています。

ものすごい勝負への執念です。安全運転至上主義の私は見習いたいです。

 

ここに無限ヘッド(CR125R)があります。ヘッドガスケットが廃番になっていて、代替のガスケットを作る必要がでてきました。

CIMG2699.JPGホーリーさんとこでシリンダーに傷がついた無限をスリーブキットで再生したのですが銅板ガスケットが圧縮漏れでよくないと聞いて

お節介に「水冷ヘッドにはバネ鋼のガスケットが良いでしょう」と提案してしまった責任を取るためにメタルガスケットを作る役を請け負うことになりました。

昔、ボアアップで純正のメタルガスケットのボアを拡大したことはありましたが、材料から新造した経験はありません。

これは自己啓発として就業後に少しずつ進めますので作業日誌は後日アップいたします。

87年型CR125の純正ガスケットも見本としてお借りしていますが、材質はアスベストです。アスベストは耐熱性が高く、弾力もあるので高温での気密性に富んでいると思われます。

ヘッドガスケットに必要な性能は高温でもバネのような弾性をもっていることです。

シリンダーヘッドはM8のスタッドボルトで締め付けられますが、この締め付け荷重はどれくらいのものかといいますと

エンジン関係に使用されるボルトは100kg級の強力ボルトです。材質はSCM400(旧435)で、めっき可能な最高強度のボルトになります。めっき後のベーキング(水素脆性除去処理)が必須です。

足回りに使われるボルトは120kg級ですが、高負荷で亀裂を防止するため、めっき処理は不可で通常は耐食性にすぐれたダクロコートを施します。

100kg級の意味はmm2あたりの引張り強度が100kgということで、強度区分で10Tと表記されます。80kg級は8T、以下7T、6Tという具合に材質と熱処理の違いで強度を設定しています。

ではヘッドのスタッドボルトはM8ですから有効断面積(ねじの呼び径ではなく、ねじ底の断面積)は36.6mm2で引張り強度3400kgですがこれは垂直に引っ張ったときの破断荷重なので、ねじの締め付けでは耐力2894kgで考えます。

耐力というのはボルトを締め付けたときの軸力と伸び(またはトルク)線図で直線で表す領域(弾性域)から0.2%軸力が下がった点(降伏点)を耐力と定めています。

実際の締め付けでは降伏点を越えるとボルトが永久伸びを起こしてしまいますので、降伏点直前がボルトの限界になります。ボルトの規定トルクは、降伏点に達しない上限と緩みが発生しない下限値が指定されています。何故規定トルクに幅があるかというと、締め付け座面やネジの状態でμ(摩擦係数)が違うために軸力がばらつくためです。締め付け作業はトルクレンチを用いたとしても締め方によって軸力が変わります。レンチを締めるスピードや回数で、同じ目盛りでも軸力が変動します。

ネジ山や座面が滑っている状態を動摩擦、止まった状態から再度締めるときは静摩擦と呼び、静摩擦の方がボルトを回転させるのに大きなトルクが必要になります。締めすぎたボルトを緩めるときに大きなトルクが必要なのは、このためです。

話を元に戻します。スタッドボルト1本あたり2800kgの締め付け力とすると6本で16.8トンの荷重がヘッド面に掛かっていることになります。この荷重に耐えられる硬さのガスケットが必要と考え、バネ材を仕入れましたが、純正部品の材料は一般の鋼材屋で扱ってないことから、それに近い性質のステンレスを選定しました。

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これからガスケットの加工に入りますが、これくらいの形状ですと図面を書いてレーザー加工を頼んだ方が安上がりで加工精度もよいと思いますが、ここでは手持ちの加工機でどこまで出来るか試してみたいと思います。

使用する道具は板金ハサミ、ボール盤、旋盤くらいです。

最初はスタッド穴基準とするため穴位置を割り出してマスター板を作って下穴を空けていきます。

 

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ステンレス板にスタッド穴を空けておきます。

スタッド穴基準でセンターと外周を旋盤加工するための加工治具はこのとおりです。

ステンレス板の外形は板金ハサミで荒く切っておきます。これら6枚を重ねてフランジにボルト締めして加工を行います。

フランジで挟むことによって薄板の剛性があがってバリの少ない切削面に仕上がります。

 

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旋盤で外径φ101、内径φ55に加工しました。

思ったとおりバネ材は硬いです。

超硬チップで切削しますが刃物の消耗が早いです。

下穴はハイス(高速度鋼)のドリルを使うので、重ねて穴空け加工は困難です。

 

 

 

 

CIMG2704.JPG右がノーマルのヘッドガスケットでスタッド穴が5個です。

ウォーターラインを同等にするための見本です。

排気側の長穴を空けるのにフライス加工だと材料が硬いのでエンドミルが割れて全部ダメになることを恐れ、地道にドリルで下穴を開けました。

穴が繋がったところで、切り残した部分はヤスリで手仕上げすることにします。

アルミホイールやメッキシリンダーなどバリが出る製品は量産でも手仕上げでバリ取りするものですから、手仕上げは立派な加工工程なのです。敢えてハイテクを使わないでハンドワークで処理することが我社の物作りの原則です。

 

CIMG2706.JPG加工終了です。6枚セット取れました。

加工治具は使い捨てになります。

量産のメタルガスケットはウェーブ加工されており、穴の周囲を囲むように凸の部分が当たって密着するようになっているのでバネ材が必要なのでした。

しかし、これは平面で密着させる構造なので、シリンダーヘッドの平坦度とヘッドナットの締め付け力が成功のKEYであると考えられます。 

 

 

1年ほど放置しておりましたCRM250の2WDの続きです。

この車両は2輪駆動車の走行性能を確認するための実験車両なので、MXやEDを目的としているのではありません。前輪を駆動する方法やその運動性能について、机上の理論や想像で語る人は時々見かけますが、実際に走行可能な車両を作った例は非常に珍しいので、廃却されるのが惜しいと思って動く状態で保存しようと思ったのです。

実は某2輪メーカーで、これと同様の機構で試作車両を作り実走テストまで行いましたが、安全性とコスト高、舗装路面における不具合などの理由で市販車としては不適切と結論つけたものです。

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おかげで世界に1台の稀有なマシンになりましたが、動態保存するためには時々走行確認する必要があります。

前回フロントタイヤが老朽化のため18インチのフロントタイヤを交換しましたが、サイズが太すぎてハンドリングが重かったので、今回は幅の狭いトレールタイヤに交換しました。

DL、D603 3.00-18

 

 

 

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前回フロントに履かせたK695はリヤにコンバートしました。

100/100-18

2WDの場合前後のタイヤ周長が同じでないとタイヤの周速に差が生じて、タイヤや駆動系に負荷が掛かってしまいます。

直進時は問題なくとも、コーナリング時にトレッドの横に接地面が移動するため、周速が前後で違ってきます。それが舗装路でのハンドリングの重さに繋がったり、フロントに駆動力があるために、アクセルを開けたときにオーバーステア気味になるなど、通常の後輪駆動車と比べるとクセがある乗り味となります。

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この方式の真価はフロントが回らなくなるような泥、砂地や急勾配で発揮するものです。

普通路面では後輪駆動車に対してメリットはありませんが、癖のあるハンドリングを味わってみたいと思います。新しい乗り方を追求してみるのも良いかもしれません。

 

 

 

 

 

CIMG2561.JPG一年以上ぶりに乗りました。コースはジャパンVETの前日で綺麗に整地された路面でしたが、フロントのストロークと減衰不足でコーナー新入のギャップで底突きます。ジャンプを飛んだ場合はもっと恐ろしいショックを受けるため、ジャンプ区間はスローダウンするしかありません。

コーナリング特性はやはり独特で乗り慣れるのに20分2ヒートが必要でした。

散水後のスリッピーな路面は当然前後タイヤが滑るのとフロントヘビーなので慎重になりますが、フロントタイヤに駆動力がありますので前輪が引っ張っている感覚が味わえます。

三つ又の幅はハンドルを切ってもチェーンが当たらないギリギリの寸法ですがフロント18インチのためかギャップで激しく振られることがあります。スピードを出したギャップ走行は要注意です。

結局通常のMXマシンよりギャップの浅いところを狙うとか、フロントから突っ込まないように工夫して走りますので体力が必要で、よいトレーニングになりました。今度MXマシンに乗るときが楽しみになりました。

CIMG2563.JPG周りのパドックに現行車は見当たりません。非常に楽しい雰囲気です。

83年型CR250は私が関東選デビューしたマシンと同型です。

新入社員で田舎者でしたから、プレイライダー誌(森岡さんが作った雑誌)の広告をみて、最初はモトレオン(後のロッキースポーツ)へMXer買いに行ったのですが在庫がなくて、帰り道にあったモトバムに寄ったら「取り寄せてあげる」といわれて初めて新車を買うことができました。勿論ローンでしたけど 

 

 

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こんなマシンもあって感激です。81年型無限ファクトリーマシンですがラジエターはアメリカのビルダーさんによる新品だそうです。

スイングアームはコークボトル、インテークとエキパイにはサブチャンバーが取り付いていたり、市販車と違う部分が多くてワクワクします。

81年型CR125は学生時代最後に乗ったマシンと同型で懐かしいです。

 

 

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綺麗なKX250、75年型。私は中学1年生でした。このころは未だMXに出会ってなかったですが、月刊MC誌のカタログで知っていました。実車に2013年に出会えた奇跡です。

しかもオーナーの田山さんがビンテージクラスで快調に走らせているのを見て、飾りじゃないことを知りました。

 

 

 

 

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他にもたくさん懐かしいマシンがありましたが、カスタムマシンではこれが目をひきました、上山さんのXT500.ビッグシングルなのに走りもよくて、エンジン、サスなどかなりチューンアップされた話を伺いました。

これをみて、鈴木忠男さんがXT500改で全日本参戦していたのを思いだしました。

体力トレーニングも出来たし、珍しいマシンも見れたし、結構満足できた一日でした。

 

 

今週はドリーム50のアルミタンク製作です。お預かりして5ヶ月くらい経過していますので、お客さんも待ちくたびれているかもしれません。

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依頼内容はRC116のような形のタンクにしたい、ということです。

実車はホンダコレクションホールにあるのですが、2月末まで館内改装のため休館です。

仕方なく画像を見ながら作ってみることにします。

しかし、驚くほど細長いタンクです。

 

 

 

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作り始めてみますと、RC116とドリーム50はフレームのレイアウトが全然違うことに気がつきました。

おそらく、ドリーム50はサーキット走行だけでなくツーリングに使っても支障ないようにシート幅が広くなっています。そのためシートレールも幅広ですから、こちらのフレームに合わせたタンク形状にしないと取りつけが困難なことがわかりました。

画像は底板の上にタンク上部と横板を仮止めして形状確認を行っています。

 

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板金で成形したアルミ板を溶接で繋ぎます。

外側の溶接ビードは研磨して消しますので内側の溶接をしっかりとつけておきます。

明日外側の溶接作業にかかります。

かなり進行しているように見えますが、完成まであと3日くらいかかるでしょう。

 

 

 

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普通のタンクはメインパイプの上まで被さっていますが、このタンクはシートレールの上まで伸びていますので、トンネルの形状が複雑になります。

2枚の隔壁はガソリンの移動を抑える目的とタンクの剛性を上げる目的があります。

RC116はワークスマシンですが、ドリーム50は市販レーサーCR110に似せて製造されたマシンですからフレームの構成が違うわけです。

 

 

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ガソリン溜まりにコックを取り付けますが

本体への溶接は研磨後にします。

突起物が無い状態の方が取り扱いしやすいためです。

RS125から移植するタンクキャップも同様です。

 

 

 

 

 

CIMG2171.JPG溶接はひととおり終わり、接合部の研磨と表面の均しを大雑把に行いました。

タンク容量は7.0Lです。ノーマルの容量は知りませんが、DE耐とか走るようでしたら気になるところですね。

ノーマルはCDIユニットがシートレールの上にはみ出しているため取り付け位置を変更してタンク底板をフラットにしてあります。

前下がりだったノーマルタンクはガソリンが前方に残ってしまい最後まで使いきらないらしいですが、このタンクは水平になっていますのでガソリンを使いきれるでしょう。(給油量を制限される耐久レースでは有効です)

CIMG2172.JPGニーグリップ部分はシートレールより狭くなっています。RC116はもっと狭いですが、フレームとのマッチングでこれくらいが狭さ限度でしょう。

本来は赤色塗装ですが、お客さんの要望でアルミ地肌で終了です。

お客さん独自のプロジェクトがある限り私の業務も続いていくでしょう。 

 

 

 

 

CIMG2179.JPG仕上げにサンドペーパーで磨きました。ハンマー痕や溶接ビードなどで表面の細かな歪みを平滑に均していきます。

60番から磨きはじめて180番で止めておきました。鏡面に仕上げるよりこれくらいの粗さの方が塗装の密着はいいでしょう。さらに磨きこんでポリッシュすることも可能ですが、あとはオーナーに委ねます。

ホンダはHSV010でGT500に挑戦しているというのに、このプロジェクトは何とささやかなものか。

全部手仕上げですからね、ハイテク一切無し!

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カーレースの方はホンダのお家芸だと思うのですが、GT500では苦戦を強いられているようです。

技術力だけでは負けないと思うのですがそれだけじゃないんですね。

F1よりこっちの方が道路で乗れるクルマに近いので好きですね。絶対乗れないわけですけど、少年時代のスーパーカーブームを彷彿させます。

 

 

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もてぎ貸切で極秘テストですかー

金持ちのレーシングチームは違いますね。というより、サーキットも自社所有でした。

研究所もテストコースも部品メーカーもなんでも揃っているのに何故、勝てないのか!

今年こそはレーシングスピリッツ見せてもらいましょう。 

しかし、この顔 強そうやな。

 

 

 

 

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エキパイの鍍金が仕上がりましたので、マフラー製作の続きです。

 

今日はマフラーのジョイント部分とマウントステー作りに取り掛かります。

見本は量産品ですから、全て金型を用いてプレス成型により作られたものです。

量産は少なくとも千個ロットの生産だったでしょう。マウントブラケットなどは下請けのプレス工場などに外注して大量生産して安価に作られたものです。

しかし、当方には金型などありません。見本の形状を真似て成形するしかありません。充分な予算をいただいてあれば安心して立派なものを作れるのですが大概の部品は製作に費やした時間分の全てを請求するわけにはまいりません。それは、必要な生産設備が無い上に初めて成形する部品であるために、長時間を要するためです。

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これはジョイント部分ですが、非常に凝った形状であります。

ボルトを差し込む部分が袋状になっており、左右で4個のフクロを作って溶接で取り付けしてありますが、この部分だけで半日費やしています。

これができれば、エキパイにマフラーを差し込んで、位置決めに掛かれます。

 

 

 

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メガホンの溶接ビードは全て消してあります。

溶接のまま研磨屋に出しますと、ピンホールやハンマー痕などが残ってしまって、鍍金の仕上がりに影響してしまうため、研磨の下地はこちらで整えておかなければなりません。

研磨は全てお任せでは、上手く仕上がってこないことが分りました。

 

 

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ちょっとユニークな形状のマウントブラケットです。

上は見本ですが、なるべくノーマルのデザインを崩さないように真似ています。

締め付け面の凹ましが必要なので、イレギュラーな方法で鉄板を成形してみました。

鉄板はなかなか、言うことを聞いてくれません。

 

 

 

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なんとかマウントブラケットの成形ができたので、左右マフラーの取り付け位置を確認しながら溶接しました。

あとはエンジン下側に付けるマウントステーが残っていますが、今日はここまで。

明日、最後のステー取り付けを行って研磨屋に持っていく段取りが整うはずです。

 

 

 

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日付が変わって、エンジン下部に取りつけるマウントステーを作って溶接しました。

2枚合わせのステーですが、これも純正になるべく似せて作ってあります。

純正に似せる理由は、それ単品で見るとオリジナルだと思わせるようにしなければならないからです。

復刻されない希少なパーツを新品で再現するということは、旧車の維持には不可欠なことで、商業的に利益を得る目的の「偽物ブランド」とは全く次元の違う話だと思います。

 

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オリジナルと再現品を並べてみます。

B級マフラーと思いますが、大体同じ形状に出来ているでしょう。

鍍金が仕上がってきて、ピカピカになれば、素人さんならどちらが本物か見分けがつかないと思います。

これで私の作業は終わり、研磨屋に持っていってカネを払ってくるだけです。

ここまでエキパイと合わせて10日ほど掛かりましたが、一段落ということで会社なんかだと祝杯を上げたりするでしょうが、私にはあのような発酵した水など飲んだら気持ち悪くなってしまうので祝杯は上げません。そのかわり、気持ちよくなる音楽でも聴くとしましょう。

スパイロ・ジャイラのモーニングダンス。ものすごく爽やかな気分になります。寒気が来ていますので気分だけでもトロピカルでいきましょう!サンキュー、Mrベッケンスタイン(SAX)

'>1979年リリースの楽曲ですから、34年も経つのですね。カセットテープが擦り切れるほど聴いていましたが、何年経ってもエエモンはエエ! 

 

 

 

バックオーダーは1ヶ月分残っていますので、社外品マフラーの修理は優先的にはできません。2ヶ月以上お待ちいただいているお客さんの注文がありますので順番に進めております。

不運にもマフラー壊してしまった場合は、新しいものに交換されることをお勧めします。

また実車は殆どありませんので取り付け確認などが必要なほど変形している場合も保証できないことをご了承いただきたいと思います。

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カーボン樹脂製のエンドキャップが割れてしまって交換が必要ですが

補修パーツもありませんので、鉄板で作って代用します。

 

 

 

 

 

 

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ビレットパーツのマウントステーですがリベットが外から外せない構造でしたので、ボディーを切って内側のフランジを削除して外しました。

マウントステーの面積が小さいので加重を受けるとボディーに食い込んでしまう難点があるようです。

 

 

 

 

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チタン材は非常に高額になりますので、アルミ板でボディーを作って代用します。

修理というより半分製作という形になります。

メーカーから補修パーツが販売されることが理想だと思います。

 

 

 

 

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マウントステーの取り付け位置は全く不明なので実車をお借りしてマーキングしてから取り付けることにしました。

今回は隣の川越市在住の国際A級ライダー松本耕太選手のガレージにお邪魔してきました。

彼はお父さんの会社で働いているのでお給料でチャド・リードと同仕様の前後サスペンションを購入してCRF450Rに奢っています。モトクロスは気が向いたときだけ乗るというお気楽モードが信条のようです。レース出てもお金になりませんからね。

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NSR250R 89モデルです。これはチャンバー製作のためお客さんに持ち込んでいただいたものですが、私が会社員時代に新車で購入して乗っていました。

2年ほど通勤やツーリングで使用しましたが出張が多くなり、オートバイとも不縁になりがちで段々乗らなくなり手放してしまいました。

あれから25年も経つのに、このように綺麗に保存されている人がいることに感心します。

 

買いなおそうと思っても、この年式は高額になっていることと、純正部品も絶販が多くなってきていますので止めておきます。チャンバー製作記は後日(1ヶ月ほど)掲載することにして

今回の題材はこれです。

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純正のサイレンサーですが、この何気ない部品に非常に高度な鍛造技術が使われています。

このボルト締めのフランジ部分と筒が一体成型であること、この製法が想像できるでしょうか。私は別の部品製造の打ち合わせで某鍛造メーカーへ出張したときに、この部品を見つけました。ホンダが発注するサイレンサーのメーカーは別にあるのですが、その会社から手配された2次メーカーだということです。

一般的には認知される企業ではありませんが鍛造専門として自動車工業界を支えている重要なスポットにあると思います。当時の打ち合わせの目的は、設計からは図面が出され、購買部でメーカーを選定して発注する、製作所では部品を受け入れて組み立てる。という自動車製造の流れの中で部品メーカーと受け入れ側の取り決めを行っていないと、担当が別々の人間が行っているので勝手に作られると量産が成り立たなくなるためです。

搬入の何週間前に発注するとか、ロットの大きさ(一回に製造する数)などは購買で取り決めします。私の担当は受け入れる部品に不良が混入しないための取り決めです。不良の検出は検査によって行いますが、製造工程で不具合を出さないことが重要で、そのための重点管理項目はどのようになっているか、現場ではどのように行っているか、実際に確認する必要があります。

そんな製造現場で見てきたものの中にこのサイレンサーのような一体成型があったわけですが、特殊な金型と大型のプレス機を使って、ビレット(仕込み重量と形状を管理された材料)を金型に押し込み、筒の部分は金型の隙間を滑りながら伸びてくるという、想像を絶する塑性変形を伴います。

通常は冷間で行うようですが、このような変形抵抗の大きいワーク(製作物)は必要におうじて加熱炉で温めて柔らかくしてから鍛造します。ここで、非常に高荷重で金型と材料が滑って変形していきますので金型と材料には特殊な潤滑材も塗布されています。

普通の鍛造はワークの型抜けを考えて「抜け勾配」がついているものですが、これは抜け勾配ゼロなのです。押し出し成型に近い製法であることが伺えます。

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これがエンドキャップ部分ですがフランジを内側カーリングで荷締めて固定されています。

これで非分解部品となるわけですが、ここまでの工程でサイレンサー外筒部分にフランジのタッピング以外に加工はありません。

全て金型と専用機で成型しますので人間の手作業はワークの運搬だけということになります。

品質は工程で作られるもの、人為的なミスや熟練の度合いで製品がバラつくことを防ぐということが量産の考え方でした。

なにしろ切削加工なしでサイレンサーが出来てしまいますので、無駄がありません。こういうことを業界用語で「歩留まりがよい」といいます。厳密にコストが算出され、安価に提供せよという親会社からの要求に応えた形ではないかと思います。

今の私の仕事は全く逆のことをやっています。量産はできないので、一個だけ作る人為的技術が製品の可否を左右します。おそらく量産を経験していないと、こういう発想も起こらなかったでしょう。

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チタンパイプに砂を詰めて手曲げします。

これはφ35ですが180°曲げは相当な経験が必要でしょう。

バーナーで炙りながら金属の固さを腕に感じながら柔らかくなったところで曲げていきますが、失敗するとパイプが潰れてしまったり、内Rにシワがよったりします。

曲げ可能な最小Rというものがありますが、これは内Rで45Rです。太いサイズほど曲げRは大きくなっていきます。

ベンダーマシンはありませんので、手曲げ技術だけが頼りの作業です。

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YZ250Fのノーマルエキパイを切ったものと比較ですが、遜色ないカーブを描いています。

オフロード用のエキパイはこれができないと形になりませんので必須テクニックでしょう。

 

 

 

 

 

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フランジの部分ですが、YZは口元が2mm拡大しています。フランジで押さえるためのツバ出し加工もしてあります。

フランジはA2017削り出しです。量産ではチタンやスチールのプレートをプレス打ち抜きやレーザーカットするのが普通ですが、スタッドボルトの締め付けで撓んでしまいますので、A2017の厚さ10mmのほうが、撓まず放熱性も良いので採用しています。

 

 

 

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後半のパイプはφ41.3ですが材料代が2mで16000円と高価なもので、2万円のエキパイを1本だけ製作すると完全に赤字です。2本作って材料代が払える程度ですから厳しい商売です。

こんな感じで購入した材料代を回収するために日々、仕事に励んでおります。

何故これを作るかといいますと、ノーマルエキパイに亀裂が入ったり、潰れたりして、修理を頼まれることがあります。修理可能な程度には限りがあります。その場合は新品購入をお勧めするのですが純正品でも相当高価なもので、なるべく出費を抑えたい要望に応えようとしているわけです。

再生中だったCRM250の2WDですが、欠品していたフロントフォークのスプリングが組み込めましたので、走行可能な状態になりました。

世の中の多くの理論は聞いた話や本で読んだりした知識に基づいています。実際に体験したことと見たり、聞いただけの知識では、理解の度合いに大きな隔たりがあるものです。やってみなければ、答えがわからないから無駄なことに、お金をいただくわけでもなく大きな労力を費やしてきたのです。そして4輪メーカーがあれだけ多くの4WD車を普及させてきたのに、2輪の2WDが普及しない理由を身をもって体験したのでした。

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この車両がトレール車のスタイルをしているため、試乗にはMXコースが適しているだろうと思いオフビレで走ってみました。

平な路面は、当たり前ですが普通に走ります。前後輪が互いに駆動力を持って転がっていくので両輪が別々の方向へ向かおうとします。そのことが独特の直進性とハンドルの重さを発揮するようです。この時点では普通の1WDの方が乗りやすいでしょう。

このクルマの構造上、MXコースを走るには問題がある点が大きく二つあるように思われます。

一つはこの三つ又の幅、ハンドルを切ってもフロントのチェーンが当たらないギリギリの幅ですが、ノーマルのそれとは大きくことなります。同時に幅広のフロントタイヤ、フロントアクスル。これらがハンドルを切ったときの慣性モーメントを増大させ悪影響を発生します。特に高速でギャップを通過するときに路面からのキックバックを激しく受けてハンドルを揺さぶります。抑えるのに相当な力を要しますので、危険でしょう。

二つ目はフロントの重量、駆動系とフロントホイールなど、おそらく10kg近く増量に加え、フロントフォークが89年式のノーマルなので、明らかにサスペンション性能不足です。中型のオンロードバイクでジャンプを飛ぶくらいのイメージです。あっさり底突きしてしまいますので、深いフープスや連続ジャンプの走破は無理でした。そもそもMXではフロントを上げてギャップを通過するテクニックが必要ですが、このクルマでは苦手です。こういう結果でオフロードをハイスピードで走ることには適さないという結論に至りました。この2WDの真価を発揮するには、グリップの悪い登坂路面か、タイヤが潜ってしまう泥か積雪の路面のような場所が適しているでしょう。また機会があれば、雪が積もった日にこのクルマを持ち出して試乗してみたいと思います。1WDでは走行不能なコンディションであれば2WDのすばらしさを堪能できると思います。

以上が2WDが市販されない理由だと思いますが、この問題点をクリアさせる技術開発をおこなったとしても販売台数的に利益が見込めないと2輪メーカーが判断したと想像します。いずれにしても、貴重な実験車両を保存して、いつでも走れる状態にしておきたいと思います。

 

英国のバーフィールド社が発明したのでバーフィールド型等速ジョイントと呼ぶこともあります。国内では富士重工と東洋ベアリングが共同開発して1966年にスバル1000に装備されたのが始まりとされています。

オートバイの2WDにはこのメカニズムが必要不可欠といえるでしょう。

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正立フォークの2本のアウターチューブを繋ぐ形で取り付けられる等速ジョイント。ジョイントの揺動中心部をステアリング中央に設置することにより、ハンドルを切りながらチェーンでフロントホイールに動力を伝達することが可能になります。

2軸の回転運動を伝える継ぎ手としてユニバーサルジョイントがありますが、これでは軸の交差角度によって回転速度に変動が生じます。また7度以上の切れ角で振動が著しくなって円滑な運転ができなくなります。これは回転数と同じ周波数でフックが揺動を繰り返すことが振動の原因になるからです。

等速ジョイントではこの問題が解決されていて、2軸の回転数を等速で、交差角度がついても円滑に伝えられることができます。

4輪車ではFFや4WDには必ず装備されているメカニズムでもあります。これは、駆動輪が操舵輪を兼ねているためで、サスペンションの揺動とステアリングの操舵と同時に軸が回転運動をするという複雑な動きをしなければ成り立ちません。

別名ダブルオフセットジョイントともいいますが、ディファレンシャル側を入力軸(インプット)、ホイール側を出力軸(アウトプット)と表現します。どちらも軸の先端にボールベアリングを装備して相手側の軸にボールを受ける溝を掘ったケースが一体となって動力を伝達します。

インプット側は変動する軸距離を吸収するようにボールがスライドしながら回転運動を伝達します。

アウトプット側は両軸間角度の2等分面上にボール溝を配置したケースがついて、操舵による揺動と回転を同時に伝達して、ハブ&ディスクに繋がっています。

これら等速ジョイントの製造にはベアリング用の鋼材を冷間鍛造と砥石研磨、熱処理という工程を踏んで作られています。本田車の等速ジョイントは栃木県の真岡製作所で内作されています。ボールベアリング部分はNTN東洋ベアリングから支給され、ボール溝のついたケースを製造してアッセンブリーしています。

冷間鍛造で溝の形状を成型し、ミクロン代の精度で砥石研磨で仕上げられます。その後、高周波焼入れで所定の硬さに熱処理されますが、加熱方式は連続炉です。治具に固定されたワーク(加工物)をベルトコンベアでトンネル型の連続炉に通し炉中の温度と加熱時間を管理されます。浸炭焼入れなので炉中雰囲気は炭酸ガスで置換されます。

高周波焼入れは部分焼入れとも呼ばれ、製品の形状毎に製作されたコイルで誘導加熱されます。加熱が充分に達すると水スプレーで急冷されて焼き入れ完了します。材料の粘り強さを持たせるため、連続で焼き戻しされます。

処理後の重要な品質特性の一つ表面硬さですが、これは熱処理ロット毎に抜き取りで破壊検査となります。ロックウェル硬さとマイクロビッカース硬さですが製品を平面にスライスして鏡面仕上げした面を測定するため検査品は破壊となります。ロックウェルCスケールでHRc58以上、マイクロビッカースで硬化層深さまで測定して品質保証されます。

この2WDに使用された等速ジョイントは車種は不明ですが、軽自動車のものと思われます。ゴムブーツが破れてグリスが飛散したためブーツ交換を行いました。塗装の剥離した部分を再塗装して組みつけたいと思います。

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NSR50のロードレーサーが今回の議題。

GPmonoでレースをされているナオキさんの練習車ですが、ミニバイクは転倒も多いそうでダウンチャンバーだと、サイレンサーは路面に擦ってしまうため

サイレンサーをリヤカウルの中を通す、センター出しに改造するためチャンバーをアップタイプに変更してフレームの中を通すレイアウトに作り変えるというもの。

 

 

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チャンバーを作るとき、最初にやることは元になるチャンバーの寸法を測ってストレート図に書き直すことです。

写真の上側は元のチャンバー

下側はストレート図に基づいて作られた模型

円盤はパイプの内径を表し、軸芯の棒はパイプの長さを表します。

この模型を曲げて車体に取り回すレイアウトを検討します。

 

 

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このようにエンジンやフレームとの隙間を確認しながら形状を決めていきます。

同じものは二度と作りません。この車両だけのためのワンオフ製作です。

このあとアンダーカウルやキャブレターの燃料ホースなどに当たらないようにクネクネと複雑なカーブを描いて、狭いフレームの隙間にチャンバーが収まっていきます。

明日は模型の形状に合わせてパイプを成型していきます。

 

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成型されたパイプを接合しました。

模型のカーブに似ていますが、車体がアップチャンバーを想定して設計されていないために取り回しはミリ単位でフレームをかわすシビアなものになりました。

アンダーカウル装着のため、フレームギリギリに寄せないと、グラスファイバーのカウルを溶かしてしまうことになります。

明日はラジエターのマウントとセンター出しサイレンサーのフィッティングを行います。

 

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震災の前日から製作に取り掛かっていたタンク作りですが、3日ほど動揺して通常の業務ができませんでした。とりあえず、やりかけた仕事を完了させるべく再開しましたが、計画停電で一日のうち3時間くらいは業務中断になってしまい、非常に効率悪いです。

被災地の電力不足、燃料供給不足を考え、工場の空調や石油ストーブを止めてやっております。幸い寒冷地ではないので、寒いですが我慢しながら仕事しています。これも支援の一つと考えております。

義援金や救援物資だけが災害支援ではありません。最も強力な支援は国の力だと思うのです。自衛隊や消防庁に指令を出したり、車両を動かしたり、職員の人件費を払ったり、全て税金でまかなうのですから被災していない地域の人ができる最も重要なことは、今やっている事業をしっかりと遂行して税金を払うということであると思っています。

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アルミ板金でこしらえたガソリンタンク。

オーナーさんはジムカーナでNSR250に乗っていますが、ノーマルタンクの張り出しが大きいことと、エアクリーナー吸気口を塞いだデザインを改善するという目的でタンク製作に踏み切りました。

フィラーキャップはノーマルを使用していますので鍵を使って開閉します。

 

 

 

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タンク底板の形状です。エアクリーナーボックスを逃がすデザインです。

中央付近に二つ穴が設けていますが、フィラーキャップの構造上、エアベントと水抜きのパイプがタンク内部を貫通しています。

 

 

 

 

 

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車体に装着した様子です。

フューエルコックは左下に設置してあります。

レーサー用の部品で、リザーブ無しです。

タンク容量は13L、大体これでご要望にお答えできると思います。

停電や燃料の調達が悪く通常より効率悪いですが、まだまだバックオーダー抱えておりますので、なるべく早く仕事を進めていくだけです。

連日猛暑日であろうと、世間はお盆休みであろうと、私には関係ない。

大勢のお客さんが私の作るマフラーを待っていることも充分承知しているが

どうしてもやらねばならないことがある。

それは、このようなものを作ることを約束してしまったからだ。 IMG_0704.JPG

これをつけて走るとどの様な喜びがあるのかは私は知らない。

これは私が考えて作ったものではないが、作った人に再び頼めない理由は

製作者がやめてしまったためであり、既に廃盤の商品になっているからだ。

それなのに、この見本だけで製作に必要な加工寸法を割り出し、材料を選定し、切削工具も購入し

取り掛かっている。

おそらく全工程に費やす時間は100時間を越えるだろう。

時間工賃を1000円で計算しても10万円になるが材料代や工具代は別に実費で払わなければならない。

おそらくこれを希望するお客さんは、そのような計算は一切、頭の中にはないだろう。

もちろん、掛かった全額をお客さんに請求するつもりは毛頭ない。

最初から利益にならない仕事だということを私は分っていたからだ。

それでは何故、儲からない仕事を引き受けたかというと

やってもいないことを、大変だということが嫌いだからだ。

自分がやって経験したことだけが、語っていいことだと思っているからだ。

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アルミの塊からマニュアルのフライス盤で削り出す。この加工時間を加工しないで算出できる人がどれだけいるだろうか。これはピボット部分のパーツ

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土曜日夕方までかかってここまで出来た。

クッションブラケットとリヤアクスルのパーツ。図面が無いので寸法計測しながら加工していくので

非常に時間がかかる。明日のレースの整備があるので、これにて中断。

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本日はアーム製作。

手前がアームの型で、上の4つが絞って出来たアームの部材。

作り方は教えてもよいが、割愛しておく。

よく、作り方を自分で考えないで他人に聞く人がいるが、

調べたり、トライする努力なしに安易に情報を得ようとする行為なので適当に答える。

自分で考えて物事を運ばない人は、新しい物を考案する能力は得られないと考えられるのだ。

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アームを溶接で接合してから、スイングアームの形状に合わせて曲げてある。

組み立て治具に各パーツを固定し、仮留めする。いよいよ本溶接ができる状態だ。

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溶接完了し、バフ研磨して組み付け確認。

100時間を超える全工程が終了した。オリジナルに引けをとらない仕上がりではないか。

こうして絶版のスイングアームは復刻された。溜まっているバックオーダーが恐ろしい。

大分のホンダウイングイワオ様から特注の製作依頼です。

10モデルCRF250Rのエキパイ製作ですが

ノーマルがステンレスと鉄のフランジに対してチタニウムとアルミフランジでリプレイスします。

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チタンパイプφ35とφ38.1の2種類を使います・

片方に蓋を溶接して砂を詰めます。

この砂詰めが不十分だとパイプが潰れたり、皺が入って不良品になってしまいます。

1台分のパイプ代が1万円くらいしますの無駄にすることはできません。

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量産のエキパイは100%機械曲げです。

パイプを潰さないように曲げるためにはR曲げ専用の機械が必要で非常に高額な投資になります。

我社は高額な投資はしません。なぜなら、お客さんの必要数は1本だけだからです。

1本だけ曲げるのでしたら、このように万力と炙りバーナーだけで充分です。

180°曲げですが熟練した手曲げ技術がないと高価な材料を何本も無駄にしてしまうでしょう。

これができないとマフラー屋とは呼べませんね。

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取り回しは車両がありませんので、このような治具を作って合わせます。

イワオさんからノーマルのエキパイと取り付け状態の画像を送っていただき、それを元に車体との位置関係がうまくいくようにゲージを作っておきました。

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曲げたパイプをつなぎ合わせてノーマル形状のエキパイが出来ました。

フランジはアルミ板をフライス加工で作ったものです。

ホンダのモトクロッサーはHRCのキットパーツが別売りされていますので純正部品はコストダウンの対象なのでしょう。

やっぱり他メーカー並みにチタニウムにしていただかないと私の仕事が増えてしまいます。

【サイドビュー】

新車のマシンを走らせる前に、先ず自分好みの仕様にコーディネートする。

コンセプトは、買ってきたものは(メーカー純正品以外は)極力使わない。自分で手間をかけた部分だけがオリジナルなのだ。
新品のホイールをばらして、リムはアルマイトにハブは塗装で足回りを引き締めて魅せる。
エンジンも下ろしてフレームやリヤサスも塗装する。
やはり、うちのレーサーは黒が純正のカラーだろう。
しかし、プラスチックパーツは本職のデザイナーが作った純正のままがいい。
実は黒と赤の色のコーディネートが最強の色相なのだ。
余計な飾りも不要、ノンスポンサーを強調することが、オリジナルの意気込みを表現する。
要するに、人にやってもらったことに対してあまり価値観を見出していなくて 自分で手間をかけた部分にマシンいじりのロマンを感じているわけだ。

【サイドカバーはずし】

ノーマルと明らかに違うスタイルはエキゾースト。
チタンニウムのエキパイは去年から使用している物でエンジン特性が気に入っているので再使用した。
焼け色が変わっていくのも楽しみの一つ。
全体が焼けたら、サンドペーパーで磨いて何度でも新しい焼け色を楽しめる。
一見ノーマル風のサイレンサーは中身とエンドパイプがオリジナルのものに取り換えてある。
シングルのエキゾーストをデュアルに作り変える試みだが、排気音とパワーの出方を変更する目的だ。
アルミのブレーキとチェンジペダルは他機種の純正部品で流用しただけ。
フロントエンジンハンガーはノーマルの高張力鋼板から超ジュラルミンの削り出しに取り換えてある。

【リアフォーク・スプロケット】

150R最大の欠点であるリヤフォークの強度不足を対策した補強リヤフォーク。

7Nー01材で曲げ応力が最大になる箇所の断面積を30%増して対応している。
町工場はメーカー任せにする必要はないのだ。
一見スペシャルのスプロケットはノーマルベースで112個の穴空けをして軽量化した。
ノーマルはなんと、820gも重量があるのだが、570gまで落とした。
しかし、タロンのアルミは270gしかないので2倍の重量だ。(残念)
但し、耐久性は3倍くらい期待できるので、コストパフォーマンスで断然勝っているはずだ。

【デュアルマフラー】

テスト中の新型構造はマフラー内部で二股に分岐させ、2本のパンチングパイプを通って排気され る。
ノーマルの開口面積と同等の2つ穴にした場合、約1dB排気音が上がることが分かった。
排気を2列にすることで排気ガスの流速があがるためと思われる。
これがパワー的に有利だということを示しているのだが、あとは、パイプ径の調整をすれば音量のコントロールも可能だ。

とにかく、いつも同じマシンに乗っていたのでは、ライディングそのものの情熱が冷めていってしまうので 常に新しい試みと、ベストコンディションを保つメンテナンスを怠らないことがモトクロスを長く楽しむ秘訣ではないかと思う。

2スト車の車体に4ストエンジンのスワッピング(換装)は何度もやってきた。 しかし今回のスワッピングは今までのとはわけが違う。

これまでのエンジンは旧式の空冷2バルブであったのに対し、これは新型の水冷4バルブだ。 おそらく日本で初めての組み合わせだろう。前後サスペンションはホワイトパワー。リヤはリンクレス。 ブレーキはフォーミュラの対向ピストン。国産には採用されないヨーロッパ製品が目を引く。 画像はエンジンのレイアウトを検討している様子でエンジン位置は決定したがフレームのパイプは繋がっていない。高くなったキャブレターにあわせたエアクリーナーの変更、シリンダーヘッドをかわしたガソリンタンク製作、フレーム中通しの専用エキゾーストパイプetc.難題山積みである。 おそらく実走できるのは夏頃だろう。

 この製作計画を聞いて殆どの人は無意味だとか、改造しないでそのまま乗るのが一番いいとか思われるだろう。 実は製作を担当している自分自身も同様に思っていたのだが、製作を諦めさせる説得をしながら、自分の気持ちが完成させて走らせてみたい方向に変化していった。

これを無意味なことと思う人は、マシン選びにどれ程の理由があるだろう。 メーカーのイメージであったりレースで上位を走る機種であったり、バイク店との付き合いであったり。いずれにしても明確な根拠は存在しないはずである。しかも、高額な支払いをして手に入れたマシーンも翌年にはあっさりモデルチェンジされて旧式になってしまう。本当に乗りたいものを決める手段が完全にメーカー任せになっていて、お客さんは踊らされている状態だ。そんな宛がわれたような選択肢では、ただ流行にながされて、他人の真似しかしない日本人の一員になってしまう。

他人と違う方式を試みる精神がこの車両の製作に現れているではないか。 これが完成して走っている姿をみて、どんな乗り味なのか興味を持つ人は多いだろう。しかしその答えは作った者、乗った者にしかわからない領域だ。

 無意味だと思う人には一生わからない答えだろう。 そしてこの製作を実現する手段に弊社を選んだ依頼者に満足していただくために腕を振るわなければならない。

チャンバーは溶接が主な作業と思われがちだが、実はこのような部材の成形に製作時間の大半を費やす。紙の上に設計されたパイプはテーパー状で、複雑に曲がっているため、形状を思い通りに仕上げることに長年の経験が必要となる。写真のパーツは一台分でつないだ全長は1メートルほどになる。ここまでできれば8割完成したも同然。 溶接でつないだパイプの完成品。成形された寸法精度が上手くできていれば溶接は容易にできるが、誤差が多いとつなぎ目に段差が出来たり、カーブが狂ってきて不良になる。パイプの成形が完成品の良否を決定する。この後、治具に装着し、テールパイプやマウントステーを取りつけて完成するが、全工程で15時間費やすのに、溶接は2時間くらいの作業だろう。コンピューター制御の工作機械全盛の世の中だが、チャンバー製作は自動化が不可能な手工業の世界でしか実現しないのだ。
アルミタンクはワークスモトクロッサーだけの物ではない。70年代後半までは量産車がアルミタンクだったのに、大物は金型でプレス成形されるが、溶接などハンドワークの部分に熟練が必要なため、生産性のよいプラスチックタンクへと変更されていったのだ。 昨今のビンテージオフロードの盛り上がりで70年代後期のレーサーもレストアされレースに参加する台数も増えてきた。ところが30年も前のプラスチックはどうしても劣化が進み、軽い衝撃でも割れてしまって、ガソリンが漏れてしまうのだ。接着材で補修しても耐ガソリン性のものはなくて使い物にならない。塗装しても揮発するガスで塗膜が剥がれてしまう。 そんな悩みを解決するためにアルミタンクを製作することにした。タンク専門の会社に依頼すると、量産とそっくりな形状の品物ができるが、必要なモデル代、金型代、を負担した上に製作費がかかるので、すくなくとも35万円は かかるらしいが、お客さんの依頼は1個だけなのでそのような金額では諦めてしまうだろう。今回はプレス成形を行なわない方法、アルミ板から叩き出す板金手法で作ったタンクだ。 全体のデザインを決めるアッパーハーフをハンマーで叩きながらカーブをつけていく。見本と見比べながら感を頼りに曲げていくのだ。一枚板では不可能なので、要所要所分割して成形して溶接で組みたてていく。フレームに組みつけるロアーハーフも車体に取り付け確認をしながら成形していく。アッパーとロアーを接合する前に形状を整えないと、後からでは叩けないのだ。溶接が全て終了したら、水を満タンに入れて洩れがないか確認する。エアーを入れて水没させる方法もあるが、加圧してタンクが膨らんでしまうことがあるので、水を入れた方が安心なのだ。これでプロの塗装を施せば、アルミ製の複製タンクであることはよく観察しないと気がつかないだろう。 アルミタンクはけしてワークスチームだけのものではない、むしろ庶民的な旧車マニアのためにあるのだ。