250Xサイレンサー

マン島の公道レースについて否定的な意見の人もおられるようですが、正しい論理で批判されているということを理解しながら、現代のモータースポーツと交通社会の係わりについて思うことがあります。

批判の要点は競争社会をベースに市場原理主義の縮図としてライダーや観客の命を軽視した観光産業と言われています。これはマン島TTレースの百年間に224名の死亡者を出しても懲りもせず、毎年危険な公道レースを続け、犠牲になった人は自己責任の名の下に葬り勝者を賛美しているどうしようもない人間の集まりと批評されているわけです。

そのように採られてもしょうがない一面はあると思いますが、これは合法で運営されている以上、日本の道路で交通違反をして事故を起こしている人たちからは批判を受ける筋合いは無いでしょう。私個人的には2輪の運転技術に公道やレース場の境界は無いと思っています。同じ技術をベースに道路に合わせて運転しているだけです。運転技術が高いということはレースの成績が良いことと、公道で安全に運転できるということに相関があるはずです。

日本では毎年1万人位、自動車事故で死亡しているらしいですが、自動車業界こそ競争社会、市場原理主義の象徴と言え、一部の顧客からの危険運転により交通事故が起きている現状をわすれてはなりません。少なくともモータースポーツに参加している人は運転技術の向上を目指して練習しているわけで、練習もしてないで道路で危険な運転をされては危なくて仕方ありません。

クローズドコースにおける技術より公道レースにおける技術の方が実際の交通の流れに入ったときに有効だと思います。実際の生活道路で限界の走行ができるのですから、法廷スピードで走ったときの安全性はレースに参加してないドライバーとは比較にならないでしょう。唯、レーサーだって人間ですから僅かなミスや疲労が重なって、レース中に事故が起きてしまったので、これを批判するよりレース経験も無いのにスピードを出す一般ドライバーに対して指導したほうが効果的というものです。

道路を走行中によく見かけますが、安全な車間距離をとって走行しているのに、周りのクルマよりスピードを出して割り込んでくる輩がいます。衝突しないのは周囲の運転者が避けてくれているだけということを理解する必要があるでしょう。上手い人は他人に不安を与える運転はしないはずです。

本題から離れてしまいましたが、公道バージョンのCRF250Xにレーサー用のサイレンサーを取り付けてみました。

CIMG1232.JPG

これはお客さんの依頼でエンデューロレースに出るために作ったサイレンサーで、250Xのノーマルより軽いこととパワーも上がっているはずです。

250Xのサイレンサーは米国EPA(環境保護庁)の認定を取っていますが、排気ガスの浄化より、枯れ草に火炎が飛ばないためのスパークアレスターを装備していますのでレーサー用より重いのは仕方ありません。

国内のエンデューロのスパークアレスターは義務付けられていませんので問題ないでしょう。

トラックバック(0)

トラックバックURL: http://www.precious-factory.com/mt4/mt-tb.cgi/249

コメントする