YZ85、10年

トレールバイク以外ではMXレーサー用のチャンバーとしては最も長く作り続けている車種YZ85です。80cc時代も含めると17年になります。

現在使用している組み立て治具に年式が書いてあるのですが、02年とありますので10年間同じ型で毎年製作してきたということです。本体のエンジンも01年あたりで、クランクケースやクランクシャフトが一新されましたが、そのまま開発は止まっているようです。 CIMG1179.JPG

YZ85は80時代に比べれば低速トルクもありますが、それでも排気デバイスを持った他メーカーの車種に比べると高回転高出力なエンジン特性です。

このチャンバーのコンセプトは低速から中高速へ繋がるパワーの上昇をフラット化して乗りやすくしてあります。ノーマルでも高回転をキープできる技量のライダーなら速く走れますが、低速コーナーが続いたり、スリッピーな路面では神経質にならざるを得ないでしょう。そういう部分で乗り手を助けてくれるはずです。

サイレンサーにおいては排気抵抗を軽減して軽いエンジンレスポンスを目指しつつ騒音もノーマル以下を実現しました。

これは車両が今でも新車販売されていることもありますが、若年層を中心に扱いやすさが評価されていることで製造が継続できていると考えられます。大体年間10台ほどの注文がありますが、仮にまとめて作るとすると20日くらいで出来ます。1ヶ月に満たない仕事量ですが、10年間継続してきているということで、この企画が間違っていなかったものと確信しています。

4ストのYZ150Fの噂もありましたが、欧米で需要が見込めないと判断されたとも言われていますが、メーカーとしてもミニバイクに250クラスと同等のコストをかけて販売するという暴挙にでる必要もないという冷静な判断の結果です。

しかし、この先10年、20年と同じエンジンを作り続けるとは思えません。時期モデルがどのように変化していくかが興味を持たれるところですが、おそらく20年後私が生きている保証がありませんので、やるなら早くやっていただけませんかヤマハさん。

トラックバック(0)

トラックバックURL: http://www.precious-factory.com/mt4/mt-tb.cgi/247

コメントする