2016年3月アーカイブ

先日、元無限ファクトリーライダーの伊田さんから、本物の無限チャンバーの研磨を頼まれました。

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サイクルサウンズ誌に載ったこのときのマシンです。
85年全日本選手権、国際A級125ccクラス
開幕から4ヒート連続優勝。
鮮明に覚えています。
その後無限からプレゼントされたME125は伊田さんの下に、そして東希和レーシングの先輩、岸さんの店(ラフ&ロード)で展示されて20余年の月日が流れ、持ち主のところへ帰ってきました。

その歴史に残るマシンから外されたチャンバーなので丁重に扱わせていただきます。

私のモトクロス人生において当時の国際A級ライダー(全日本ランキング上位5名昇格時代の)は神様と同じ、しかもチャンピオンからの依頼ですから「俺は研磨屋じゃないよ」なんて言える立場ではありません。
「へへー、承りまして仕りまする」という具合に研磨屋に持ち運ぶ役を仰せつかりました。

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まずさび落としに高品質なウエットブラストしてもらおうとしましたら
大きすぎて機械にはいらないと言われ、やむを得ずサンドブラスト頼みました。











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仕上がってきた状態です。

完全に錆が落ちていますが、光沢はありませんので、手仕上げすることにします。












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おっとー、腐食により穴が開いています。

これは溶接で塞いでから研磨します。












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全体をサンドペーパーで擦って艶出ししました。

今回はバフはかけません。
レーサーなのでこれくらいの仕上げが本物らしいと思います。

放っておくと錆びてしまうので、耐熱クリアーを吹かせていただきます。







サンドブラストなら知り合いでいくつか出来るところあるんですが、わざわざ八潮まで持っていってやってもらったのは、もう一つの目的がありました。

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これを見せてもらう用事でした。
去年の旧車天国に展示されたのは知っておりましたが実車は見ておりませんでしたので。

80年にジョニー・OがUSGP125ccクラスにスポット参戦して優勝したマシンのレプリカです。

本物は関東某所で見たことありますが、これは本物より綺麗です。
もっとも本物はジョニー・Oが乗って痛んでいるわけですから、当たり前ですが。

じつはこの車両のレストア前の姿も見ていましたから、変貌ぶりは精巧なフィギュアと言いましょうか、もちろん動くわけですから限りなく本物に近いでしょう。

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一般公開されているわけでなく、ここへ来ないと見ることはできないですが
「走る予定は?」と聞きましたら、
「土を付けたくない」ということです。

乗りもしないものにお金を掛けられる、最高の贅沢じゃないですか。
しかも、限られた人しか見れない監禁状態ですから、うらやましい限りです。

オートバイの楽しみは乗るだけじゃないことも理解できます。
コレクションホールのように歴史に残る車両がいつでも動く状態で保管されていることに目的があるのだと思います。

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古いだけの車両はたくさんあると思いますが、ほとんどがスクラップ状態で、いつかゴミになっていく運命です。

何十台も所有している人もおられますが、家族や親戚はその価値も分からないので、持ち主が死んでしまったら
同様にゴミになっていくでしょう。

そこで、このようにキチンと仕上げた車両であれば、誰かの下に渡って生き続けることができる。
歴史を継承する役割であると、私は思っています。




オートバイ歴が長い人ほど、廃番、絶販になってしまった部品で困った経験があると思います。
メーカーや品名によって違いがありますが、製造から20年も経過したら在庫が無くなり次第、再生産されないのが普通ではないでしょうか。
理由は完全にメーカーの都合だと思います。常に新製品を開発して生産している企業にとって、圧倒的に販売数が減少した製品については、いつ売れるかわからない部品を管理しストックし続けるコストが損失になってしまうわけです。

アフターパーツの分野では違う理由で廃番になることがあります。
それは製造メーカーの事情で製造を中止したり、廃業したりすることによります。
アフターパーツの多くは少人数の経営で、体調不良や資金繰りなど事業継続し難い事由が発生することはあります。
私自身も度々業務中断しておりますから、安定とは程遠い危うい立場にあると認識しています。

そんな背景のなか、メーカーが廃業したという理由で購入不可能になった中古チャンバーの復刻を依頼されました。
通常なら、他人が作った製品の真似をして物作りをするということは製造者としてはやってはならないことなのでお断りするようにしています。
それをお引き受けするには一定の条件が必要だろうと思っています。その条件とは

復刻すべき製品の製造者が廃業していること
生産中止されてから少なくとも10年以上経過していること
復刻した製品は注文者以外には販売しない
複数作って自分のラインナップとしては扱わない

以上が法律ではありませんが、自分が決めている最低条件なので
旧品の復刻を検討されている人はご注意ください。

それにしましても、提示された見本のチャンバーそのままに写し取るようなことは
製造者としてできませんので、外観は変えて作らせていただきます。

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当該部品と同機種のチャンバーの型を持っていますよ、とお伝えしましたが
それでは駄目で、こちらの見本と同等のスペックで作ることが依頼内容です。

ようやくパイプの型(展開図)ができましたが
フランジが無いことには、車体に仮止めすることもできません。

エンジン側のフランジも提供されていないので、フランジ製作しなければなりませんが
このサイズのフランジに使っていたOリングが廃番になっていたことが分かり
急遽、別機種のOリングを見繕って注文しました。

当然Oリング寸法が違うのでフランジ設計も新規に行う必要があります。
あと1週間くらいはこれに掛かりきりでしょう。

最近の流通は恐ろしく早いですな。
月曜日注文した部品が水曜日に到着して、マシンに装着されておる。
1978年型の部品に在庫があるのもすばらしい。
部品代1736円 送料756円

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ホンダ社員時代は、もっと早かったです。

日曜日にミッションが壊れて、その日のうちにエンジン開けて部品をリストアップすれば
月曜日に所内のSFで昼休みに注文できました。
翌日部品が入荷するので
水曜日の夜にはエンジン組立ってフレームに載っていたわけです。

業務上、緊急で部品がほしい場合は
伝票持って近所の日本梱包へ直接取りに行くと即日手に入りました。

今は一般人なので無理ですが


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摩耗したスプロケは13Tでした。

STDは14Tなので、こっちを使ってみます。

いつになるかわからんけど

なかなかエンジンかけさせてくれないヴィンテージマシン。
アルミタンクに取り替えたのですが、燃料コックに問題が発生しました。
タンクにガソリンを入れた途端、コックがOFFにも関わらずガソリンが漏れ始めました。

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正面のプレートはリベットで固定されていますので
リベット切除して分解しますが
再組立ては不可能になります。

本来、新品にASSY交換するべき部分ですが部品入手が難しいので
修理することにしました。

GAS漏れの原因はゴムパッキンのヘタリと硬化です。
4つ穴が開いた円形のパッキンですが
上がリザーブ、下がONの通路で
右が出口に繋がり、左は回り止めです。

新にゴム板からパッキンを切り出し装着しました。
リベット止めのところをφ2.2mmで貫通させ、M2.6のネジ止めに変更しましたので再組立てできました。
ガソリン漏れはエンジン始動不良だけでなく引火して火災を引き起こすため、直しておく必要があります。
もう一つ不具合があって、ガス漏れするのにONにしても出口からガソリンが出てきません。
これではエンジン始動するはずがありません。

パーツクリーナーを通路に吹いてみると導通がありません。途中にゴミが詰まっているようです。
エアブローしてみると豆鉄砲のように固形物が飛び出して貫通しました。
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これで燃料コック復活です。

ガソリン入れてON、OFF動作確認、

リザーブは必要ないので
リザーブパイプは短くカットしてあります。

普通は故障しない部分ですが
40年も経過すると、思いがけないトラブルに見舞われるものです。





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今度はあっさりとエンジンかかりました。

良い圧縮、良い火花、良いガソリン
エンジン始動の3条件ですね。


カッコええのー  RMは!
突然思い立ったヘルメット改装作業です。
マスキングテープ剥がしたところが汚過ぎて、水研ぎした後に縁ゴム外して塗り直しました。

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板金でこしらえた丸バイザーはファイブスナップにして、当時のイメージを再現しました。

何をモチーフにしているかは、往年のMXファンには説明の必要はないですね。










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貼ってあるロゴはステッカーサイズ確認のためカラーコピーを使っていますが

20年来の盟友マッドフィッシュにステッカー制作頼みましたので、明日完成する予定です。

全日本前なので夜寝ないで印刷機動かしているので、打ち合わせは夜2時に三郷まで行ってきました。

ホント無駄なことに掛ける執念は半端じゃないです。



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衣装はこれだけ揃いました。

ヴィンテージMXはマシンだけ古いんじゃなく、装備も当時の雰囲気で統一しないと
ただのカッコ悪い遊びになってしまうと思うので

人がどう思おうと、自分がいいと思うスタイルで決めていきたいっちゅうもんです。

いかん、いらんことばっかりしよって
RMエンジンかけておらんかった。
仕事あるから、あれは明日にしとこう。

こんばんは、山本KIDです。今日のレース場は稲敷市のMX408でした。
EJ450、EJ450に出走して両クラス優勝できました。
前日は激マディーの中、練習して崖から転落したりコースアウトしたりで、コース攻略に悩みました。
翌日は路面も回復して、まあまあのコンディションでしたが、全く余裕がなく何度も転倒しそうになりながらも首位をキープできましたので、良い週末でありました。


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去年の骨折から10か月経った今日。
先月の復帰戦はEJ250こそ3位でしたが
激マディで全然楽しめていなかったので

あれに比べれば、今日のコンディションは気楽なもんです。
リザルトに目標設定はしませんが
普段通りの走りをして現実を受け入れるというスタンスなので
頭の中は無心にしております。







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うーん、後ろから離れずに迫ってこられますのでワンミスで逆転される状況です。

休みたいけど気を許すと走りが消極的になるので、後続のことは気にせずに路面に集中すると、自分の世界に入れます。










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CRF450Rいいマシンですよ。

13モデルですけど2年あまり一切エンジン開けていません。
だけど2ヒート共ホールショット取れましたからパワー落ちてない証拠です。

来週のヴィンテージMXに向けてよいトレーニングになりました。(ツインショックで練習はしませんので)

この話はテレビのチャンネルを手で回し、黒い電話のダイヤルを回してかけたことのある世代の人でないと分からないでしょう。
今やCAD設計したデータで3D積層で制作したモデルを石膏で型取りしてZAS型鋳型することが少量生産のプレス成型品の手法。
しかし、そのためには何千万円も設備投資しなくてはなりませんから、私のように1個だけ直ぐに欲しいといった要求には応えられません。
そこでハンドワークによる製法を身に着けることによってある程度は実現できるはずです。

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本当はAGVのジェットヘルにファイブスナップの丸バイザーを付けて
顔面はSCOTTのフェイスガードに憧れたのですが
今では売っていないので、最近のヘルメットをヴィンテージ風にデザインチェンジして我慢することにします。

先ずはSHOEI・VFXの使い古しの塗装を剥がします。

サンドペーパー70円×3枚
作業時間3時間


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マスキングして塗装します。

缶スプレー
プライマー780円
黄色780円




結構失敗します。
垂れた塗料は乾いてから水研ぎして滑らかにします。




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最近のバイザーはデザインが凝りすぎてカッコ悪いです。

目指すは丸バイザーですが、やはり売ってないのでアルミ板金でこしらえます。










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裏側はこんな感じ

ハンマー痕がハンドメイドらしいです。

2度と作らんから、これくらいで十分です。

材料端材
作業時間2時間。

デザインも成形方法も頭の中、
コンピューターも加工機も必要なし。




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何がしたいかというと、
こういうことです。

ファイブスナップは帽体に加工が必要なのでやめておいて

両面テープとガムテープで固定しようと思います。

ガムテープで目張りしたバイザーにそそられるのがワシらの年代。




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こうやって売ってない丸バイザーも頭の中で
構想を描いて、手を動かせば形になります。

商売にはなりませんが、自分で使うものは自分で作るということが基本です。

竹ひご曲げて作った骨組みに障子紙張って凧上げやったり
ベニヤ板切って作ったブーメラン投げて遊んだり、
子供のころから遊び道具を作った世代なんで、同じ感覚ですね。

排気系作りだしたらサイレンサーを避けて通るわけにいかないですよ。

なのでオリジナルサイレンサー作りました。

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φ60 前後削りだしキャップに
ステンレスパンチング入り

軽さと強度にこだわり、内径は
テールパイプφ25.4の内径に合わせて段差を極力なくして排気抵抗を抑えました。

ビンテージモデルなので光ものは似合いません
のでバフ掛けはしません。
素材のままがレーサーなのです。





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取り付けはノーマルに準じて、テンションスプリング止めです。

早く音が聞きたい衝動を抑えて
さらに作業を進めます。











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この車両はアルミハンドルが付いておりましたが

運転手からするとハンドル形状はこだわります。

ゴミ箱から何用だかわからないクロモリハンドルを見つけましたので
こいつを曲げて好みの形状にします。

ハンドル高さが調度よいので、当時のRM純正風にしてみたいと思います。





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このようにテーブルに平らに置いて、パイプエンド高さで絞り具合を調節します。

これはパイプエンド高さ50mm

ハンドル長さは両側15mmカットして
770mmが私のベストサイズです。









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見事に一文字ハンドル完成

アキラ・ワタナベタイプです。

色はシルバーで塗装します。

段々自分好みのオンナ
マシンになってきました。

RM3型アルミタンクの塗装が仕上がりました。
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う、美しい

純正に忠実に塗ったと思いますが
調色といい、艶といい、
何も言うことありません。

下手な修理のタンクを嶋野さん(フラワーオート)に持っていきましたら
即座にダメ出しをもらい
「何年これでメシ食ってるのよ」
たぶん45年くらい
ヤクザのベンツの修理から
ワーゲンのチョップド・ルーフまで
あらゆる板金修理をこなしてきただけあって
歪んだサーフェイスは許し難かったようです。

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SUZUKIのロゴはホーリーさんとこで復刻していただいたデカールです。

純正に忠実に直すためには不可欠なアイテムです。

実はタンクの修理は10年に一回くらいしかやったことがないので、満足に直せません。
というかそれくらいしか需要がないということなので、自分のやつ以外はやる必要がないという結論にいたりました。





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同時にチャンバーも組み立たりました。

ノービス時代にこんな技は持っていませんでした
レース前はチャンバー作りからという基本は

安月給で部品も買えないのに、チャンバー凹ませて修理不能になったとき
鉄板から巻いて作れば、カネはかからんという理由からです。
パワーアップでもカッコでもないんです。
要はカネがないので仕方なくやっていたことです。
これで純正と対等に走れば文句ないでしょう。



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これで昨日とは違うマシンの外観になりました。

38年落ちのマシンで速さを求めるつもりはありませんが、自分だけのテイストは注ぎ込んでいきたいと思います。











来週はMCFAJのレースで翌週がチキチキYMXなので、もうちょっと手を加える時間がありますね。

これは記録的な損傷です。(本体は不思議に大丈夫です。)

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KX250F用のアクラポビッチです。

社外のマフラーは修理しない方針ですが
これは事情があって承諾しました。


ジョイントパイプ部を切断して
新たに作って交換します。

φ48.6チタンパイプは定尺4Mで
33000円しますので無駄にすると大変な損失になります。



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パイプは手曲げで行います。

ベンダーが無いだけなんですが
熟練の技が必要です。











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お預かりしている車体に合わせて
フィッティングです。

大体狙いどおりのカーブにできました。

TIGで仮止めしてから本溶接します。










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ジョイントパイプ完成。

マウントブラケットは元のパイプから取り外して
溶接すれば早いかもしれません。












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ミドルマウントBRKT、外してみましたが
フィッティングがイマイチ良くないので
オリジナルプレートで作りました。

これにてアクラポビッチジョイントパイプ修理完了。