92年限りでモトクロスに区切りをつけていた自分ですが、96年からミニモト乗り始めてから
モトクロッサー手に入れる度に欠かさない伝統があります。
乗っている全てのマシンにオリジナルパイプを作って乗ってきたことです。
それは自分の乏しい技術と限られた資金で何ができるかという検証のためであったり、
誰からも教わったことのないパイプ作りの考案であったりするわけです。
そして2020年モデルもオリジナルパイプの製作を行いました。

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パイプベンダーはありませんので
チタンパイプ手曲げです。

画像は失敗の曲げです。
炙り過ぎてパイプが潰れてしまったので
使えません。
大体ひと曲げ失敗すると5千円くらい材料を捨ててしまうので
失敗する度に損失がでます。

なのでやり直すときは集中力がアップして
真剣になります。(そりゃそうだ)




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チタンパイプはバックシールドしながら溶接します。
パイプの内側が酸化してしまうのを防ぐ目的ですが
シールドされてないと曲げ加工するときに割れてしまいますが、シールドが健全に行われると材料が伸びても割れずに加工できます。








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パイプの口元とジョイント部は潰れないように2重板にして耐久性を確保しました。

レゾネーターはノーマルパイプに倣って同様の容積のサブ・チャンバーを取り付けました。










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口元はエキゾーストフランジのテーパーに食い込む形で組み付けるるのですが
二重パイプでバックアップしておかないと
排気熱でチタンが柔らかくなっている状態で
テンションスプリングの力で口元が潰れていくので、それを防止する構造にしています。










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材料代が高価なので販売はできません。
KTMのパワーパーツなどで注文していただいた方が楽だと思います。

私は製造者の宿命なので、自作してみただけです。





ファクトリー・パイプには不定期ですが、続編が公開されると思います。


トレール車のDT230は扱った実績がありませんので、チャンバーのラインナップにもありませんが
半年前からご依頼の改造車のDT230用チャンバーを作る順番がきましたので実行しました。

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先ず、大きなラジエターが付いていますが
明かにフロントフェンダーがラジエターコアに衝突すると思い
フロントフェンダーの位置をタイヤとスレスレに近く付け直し
下側のホースを切り詰めてラジエターをフレーム側に寄せました。

これでフロントフォークのトップキャップを外してフルボムさせてフェンダーとラジエターに隙間があることを確認しました。

エキパイの正面にラジエターがあるのでエキパイを前側に出すことはできません。


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この車体最大の特徴はリヤフォークがガルアームに換装されていることです。

そのためかサイレンサーを止める位置が高くなっているので、チャンバーを後ろ上がりにすることにしました。
折角のガルアームなので、そのスペースを活用したのですが
リヤサスのリンクがフレーム真下に存在するので、チャンバーを内側に追い込むことはできませんでした。




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RZ125の車体ならタンデムステップのブラケットに倣ってサイレンサーを取り付けるのですが
この車体にはタンデムステップは廃止されています。
そのためチャンバー・ミドルマウントはステップブラケット下側に
サイレンサーはシートレールからステー増設で取り付けてあります。

試乗はしてませんが2スト230ですから
相当速いバイクのような気がします。
シングルなので運動性も250ツインより上でしょう。
ブレンボの前後キャリパーがスピードに見合った制動力を発揮してくれると思います。
どうぞご安全にお乗りください。


浅間火山レース時代から勇名を轟かせた、野口種晴さんのショップ、野口モータースで製作されたであろう、当時物のチャンバーをレストアのため、お預かりしておりました。

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このとおり50%以上が腐食で欠損したエキパイ部分。

かろうじて内側R部分が残っているので
パイプの曲げRは推定できます。

全体的に激しく錆びているので
再使用する部分は無く
新しいパイプを新造で復製することを目指します。






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エキパイ部分、見た目は完全コピーできているようですが

車体に取り付くかは分かりませんので
依頼者のTさんに接合は託します。

Tさんは板金職人なので溶接は私より本職だと思います。








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全体的にパイプ部材はできました。
見た目は同じカーブになっています。

面識の無い人に部材の供給はしません。
Tさんの作品はいくつも拝見しているので
確実に完成できることを知っているので
お引き受けしました。

2年前に製作したRH72のアップチャンバーを更新しました。
前回はオリジナルのダウンチャンバーを採寸してアップタイプに形状変更したものでしたが
今回キャブレターやエンジン関係のモディファイが加わり、さらにパワーアップを求められたのでした。

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手前がモディファイ品

エキパイ長やパイプ全長に変更を加えました。
推定の仕様変更なので
パワー特性は実走して確認したいと思います。









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近所のテストロードへもってきました。

サスペンションが変わっていて車高が現行車並みに高いです。全く足届かないので
プラットホームからスタートします。

ダートでなくアスファルト路面で走ることによってチャンバー交換したときのフィーリングがつかみやすいのです。

エンジンかけて暖気運転しますが空冷の250ccはいままで体感したことのない(初めて乗った250は既に水冷でした)振動とノイズで緊張感は現行車以上です。
ブロックタイヤはあっさりグリップを失うので
ゆっくりスタートして、アクセルレスポンス確かめながら全開。
両側フェンスの道路なので直線安心して飛ばせます。
前回のとモディファイ品、両方乗ってみましたが結構違ったフィーリングであることがわかりました。
どちらも中速から高速まで息つきすることなく加速していきますが、前回の方がマイルドな感じで
モディファイ品の方が急激な加速をします。高回転は同じような伸びですがレブ特性は悪くないです。

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コース設定にもよると思いますが
関東のMXコースでは最高速は必要ないので、中間の加速を使って走るとペースアップできそうです。
振動が多いので、ブーツ履いていても足に伝わってくるバイブレーションで心配になってくる感じはありますが
アクセル開けていくと、エンジン振動だけでない車体の揺れが発生して、ステアリングのジオメトリーかフレームの剛性のためか
原因はわかりませんが、パワーを掛けたときに起こる車体の捻じれだろうと推察します。(とにかく恐ろしい)
他のどのモトクロッサーとも違う感覚で
乘りなれてないうちは怖い感じがします。

サスペンション強化されているので、現行車と張り合ってみたくなる性能は出ているかと思いました。



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年代を感じさせるエンジン形状、フレームの構成ですが、しっかりと戦闘力も持たせてあって、旧車なのに新鮮な感じがします。

依頼主さんは70年代のエキスパートジュニアチャンピオンの経歴をもっておられて
70歳をすぎてもMXレースに挑戦されている姿勢を見習わなくてはなりません。