2輪部品は作りませんが、(メーカー純正でないと危険なので)組み立て治具や整備スタンドのようなものは自作で十分事足りると思っているのでオリジナル製作したものを使うポリシーであります。

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NSR50用のレーシングスタンドをお客さんが見つけて「いくらでできますか」と聞かれたので
「1万円くらいでいいんじゃない」
と適当に言ってしまったら
「作ってください」
と即決な感じだったので
「2輪用品店にいけば幾らでもうってますよ、
買ってきた方が早いですよ」
このように説得しようとしたんですが
「ジャストフィットのものがない、買ってきても加工しないと使えないので専用品を作っていただきたい」

なるほど既製品で満足しない理由があるのだなと思い、納期未定で作ることになりました。
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専用設計の理由は17インチホイール用ですがリヤフォークのスタンドアップ用に溶接されたカラーの位置が特殊で、既製品では使えないだろうという点です。

サイドスタンドしか装備されておらず、ダウンチャンバー仕様とアンダーカウル付きなのでジャッキアップも迅速でないです。

コスト削減のためパイプの加工は最小限度に難解なパイプ曲げ一切なしのシンプル設計です。



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ローラーはホームセンターで売っている
キャスターから金具を外したものです。

スムーズに動きます。

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スタンド解除用のグリップです。
50×25の角パイプを切って溶接しました。

この斜めカットで繋ぐ角度でリヤフォーク
外幅に収める必要がありますので正確さが要求される部分です。(目見当ですがね)


実際に作ってみて、材料代と加工時間で
1万円では時給300円くらいになってしまうので、口約束より割り増しでいただきました。
中々大変です。
2か月掛かりで同じ型のチャンバー作ってました。
数量は10個ですが1本あたり3日掛っているので、このような期間になりました。

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鉄板の膨らましから始めますが
水圧かけてブクッと膨らむわけではありません。
この機種は4種類の曲がったパイプを素材にするのですが
1本のパイプ膨らませるのにハンマーで叩く回数を数えてみました。

大きさやカーブが違うので一律ではないですが、大体1000回叩いてこの形状に出来ています。
水圧だけではここまでいきません。
ハイドロフォーミングではなく
ハンマーフォーミングです。

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そして不要な部分を切り取り
製品の元となるパイプが得られるのですが

このまま溶接にはなりません。
切断面が真円でないので
お互いの溶接面が寸分の狂い無く
合わさっていなければ溶接不可能です。

そのため切断面の真円を出すために
1断面あたり1000回くらい叩いて形状を整えます。



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合わせ面を完全に一致させたら
仮り付けして動かないようにします。

仮付けが不十分だと、溶接しながらパイプが歪んできて、接合面が狂ってしまいます。

そのためなるべく多数の点溶接をしておきます。






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曲がってないパイプの溶接はポジショナーで回しながら溶接を止めないように着けます。

溶接を止めたところがピンホールになりやすいので、止めない方が後処理が楽です。









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曲がったパイプの接合面を一致させるのが容易でありません。
接合する前に隙間や段差がないように
裏金を当てながらハンマーで叩いて均していきます。

仮止めしたら修正は無理なので、根気よく合わせていきます。

この時点でチャンバー1本作るのに1万回以上叩いていることになります。
10本作ったから10万回ですね。


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曲がったパイプはポジショナーで回せないので、パイプを固定して人間が回るように溶接するので、不連続になります。

溶接止めたところがピンホールにならないように確認しながらの作業です。

他にも車体に合わせて位置決めするので
接合だけで1日掛かりになります。






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車体に装着確認して完成です。

小ロット生産ですが、他の仕事止めているので一気にやりました。

次の予定がありますので、これにて終了。










近年多くのモトブロガーが四国ツーリングの動画を上げておられます。
中でも関東のライダーが四国を目指すとき、移動手段は二つしかない、というのがありました。
一つはフェリーによる運搬、東日本フェリー(有明ー徳島)に乗っていく
もう一つは高速道路を自走で行くというものです。(もちろん往復で)
もっと簡単な移動手段あるのに、というかレーサー運搬するのが当たり前の私らからすると、どちらもかったるくてやらない方法だなー。

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愛媛の実家へ帰るついでにキャラバンに積んでいけばいいだけです。

しかしリッターSSを荷台の高いキャラバンに押し上げるのは不可能です。
エンジンかけて上がるのですが
駆動力でラダーがずれたり
ラインが偏って脱輪などということになったら大惨事なので
自分なりに安全な方法を考えました。

荷台に上がるときに右手が届かなくなるので、足場板が必須です。
ラダーは車高が低くても擦らない、後半がフラットになるタイプを選びました。

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ラダーも足場板も、ずれたら脱輪、転落の可能性があるので
動かないようにクランプをボルトで固定しました。

モトブログの積み込みシーンを見たことありますが
ラダーをタイダウンで車両に引っかけて、駆動力で後ろに外れるのを防止すると説明されています。

その方法だと横方向に踏ん張ってズレることが考えられるので、クランプで完全固定しました。
これで走行ラインを外さないかぎり失敗はないと思います。

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エンジンかけてアクセル吹かしながら
半クラッチでスピードを調節します。

車重があるので横のバランスに注意しながら一気に上がります。
スピードは速めの方がバランスを崩さないでしょう。







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ここまで入れば安心なので
クラッチを切って減速します。

まあ、簡単ですね。
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下ろすときの方がバランスに気を使います。

スピードが遅いのでふらつくんですね。

大体感覚つかめたので、もう大丈夫でしょう。








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新入社員のころ鈴鹿サーキットの駐車場でCB750Fのレーサー積んだハイエースを見て、俺もやりてえ、と思って38年も経ってしまいました。

年柄、レースは考えてないですが
サーキットには行けるな。
今後の予定はサーキット講習会行ってファミリーバイクの枠でスポーツ走行がよろしいではないでしょうか。

そのまえに四国行って、高知県の太平洋側を走破したいです。

車両生産において、図面が出図されて直ぐ量産開始ということにならないという意味で
材料の0.2%耐力=降伏点の説明をしました。
降伏点は部品の断面積に対して大きな荷重がかかったとき(高い応力)に永久変形起こして
寸法が変わってしまう状態の応力の数値(単位kgf/mm2)のことです。
設計者は設計した製品が降伏点をこえないように図面を描かなければなりませんが
新製品構想の段階で大体の目安がないと安全な設計ができません。

そこで設計のIT化に伴い、コンピュータ上のシュミレーションも開発されてきました。
FEM応力解析では走行中に車体に掛かる荷重を想定して、フレームなどの歪みを受ける構造物に発生する応力を3Dマッピングで表示するソフトウエアも実用化され多くの自動車メーカーで活用しているようです。
ただし、FEM応力解析は実測の数値ではありません。あくまでソフトウエアを使った予想ですから
それを鵜呑みにして量産車を作ると市場に出てから不具合が起こるという図式になります。

解析ソフトや3Dプリンターによるモデル製作は開発テストやテスト品試作でかかる費用を大幅に削減することに貢献できたでしょう。
私たちが量産車を製造したころは、試作した部品を破壊したり、耐久テストなどで強度的な安全性を検証した上で量産GOをかけていました。
現在はコンピューター・シュミレーションで要件満足できる数値が出れば量産にかかるという流れでしょうか、だから新型マシンが発売されて1年経たないうちにフレームに亀裂が入ったとしても、メーカーは対応しないし、対策をするどころか次期モデルも同様の設計なので変更するには巨額の改修費がかかるので隠蔽するということがあります。

私たちが強度テスト担当したころは、実走部隊は試作イベント毎に桶川で1000km実走耐久を125、250、500ccの3機種にオフシーズンにはATVも1000km耐久やって不具合を洗い出していましたし、
強度Grは車体の応力が高そうな場所に歪みゲージを貼って実走応測。測定時はプロのMXライダーを雇って桶川でジャンプしてもらったり、ギャップ走行などで計測された数値をベンチテストでシュミレーションして単体耐久をしていました。

試作イベント毎に仕様が変更されてくるのでフレームとリヤフォークはテスト治具を組み立てて荷重制御された振動試験機にかけて亀裂発生するまで昼夜運転しました。
繰り返し荷重に設定する応力の数値は実走応側で最大値を発生した場所に貼った歪みゲージで同じ応力になるように荷重調節して油圧アクチュエーターを作動させたので、実走の耐久テストより過酷だったと思います。
亀裂発生しない場合は10の7乗回で問題なければOKと報告していました。

耐久で亀裂が発生したり、応力が耐力をオーバーする数値であれば、「対策要求票」という書式で会議招集して開発者と製作所テストGrが対策案を検討して図面に反映するという流れで、問題のない車両作りを行ったと思っています。


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金属材料の強度を評価するとき
一発破壊と疲労破壊に分かれますが
市場における一発破壊は事故によるもので
通常の走行ではありえない過大な荷重と方向が破断面に現れるの破面解析すれば
殆ど解明できます。

問題は通常の走行で疲労破壊したとき
これは設計の不良で、運転者に落ち度がなく破壊したことを示すので、訴えられたら負ける案件です。

左のS・N線図は縦軸に応力、横軸に荷重繰り返し回数で表した模式図です。
応力が高いと少ない回数で降伏、または破断し応力が低いと永久に破壊しないことを表します。このような曲線を作成するのにテスト品を同じ材質、同一寸法で大量に製作しなければならず
試験時間も破壊するまで何万回も繰り返してようやく1点の座標しか得られない。
きれいな曲線に繋がるまで何10回も繰り返し試験することを考えると、一つの材料で1か月近くかかったのではないかと思われます。
50年以上前に出版された材料力学の教科書に載っているような曲線ですから、現実は考察の基礎にするくらいで、実走応測や単体テストが実際の強度を証明する方法だと思っています。

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鋼管フレームは自転車のような直線で繋がれたものはなく、エンジンやガソリンタンク、サスペンションの固定などにより曲がったパイプでレイアウトされたものが大多数です。

そこで曲がったパイプに引っ張り荷重がかかった場合の応力分布を略図に示しました。

引っ張り荷重により全体的には+の応力ですがパイプが真っすぐに変形しようとするので外R側は圧縮されようとしてマイナスの応力になる部分ができます。
すると、伸びでも圧縮でもない0応力の部分もあります。

均一なパイプを引っ張るなら途中で亀裂が入ることはないですが、パイプの接合部分や、途中に溶接ビードなど固いものが付いていると、その境目に高い応力が発生して亀裂の起点となることが考えられます。なので溶接ビードの端は0応力の場所が望ましいといえます。

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略図ですが、パイプを溶接で接合する場合
真横に溶接ビードを引くより斜めに引いた方が応力が分散するので、亀裂が発生しにくいです。

出来れば0応力付近にピードの先端がくるように溶接されているのがベストです。

それでも量産では作業効率UPのため半自動溶接を使用することが多いですが
半自動(MIG)溶接のビードは厚みがあり母材との段差が大きい傾向にあります。
そのため溶接2番(母材とビードの境目)に応力集中して耐久強度に影響することがあります。(量産フレームで亀裂が発生するのは殆どが溶接2番が起点)
そこで予算や製作時間に余裕がある試作品やレース用ワークスマシンのフレームは、熟練した溶接作業者がTIG溶接で施工するものがあります。そうすることで溶接2番が滑らかに仕上がるので応力集中が少なく結果的に耐久強度が上がるというものです。

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フゥー、梅雨明けして毎日暑いです。

工場は室温35℃になりますが
わざとエアコンなしで作業しております。
電気代ケチっているわけではなく
暑さに耐えられる体に仕上げるためです。
幸いなことに、涼しい部屋でテレワークだのリモート会議だの人間を弱体化させる仕事をする必要がありません。
夏でも疲れないでオートバイに乗りたいですからね。

フッフッフ


この事業の前はH社の4輪工場で材料品質を担当しておりましたが、その前は3年ほど市販モトクロッサーやATVの強度テストを担当しておりました。
今回は基礎的な解説になりますので、機械技術系の人はスルーしていただいて結構です。

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これは金属部品からテストピース(TP)を切り出し

引っ張り試験機で破断荷重を計測した結果を模した図です。

材料の機械的性質として代表的な引っ張り強さ(kgf・mm2)はTPに引っ張り荷重をかけていくと途中までは荷重と伸びが比例関係にあります。
この段階では荷重を止めるとTPが元の長さに戻る「弾性変形」の状態ですが
弾性域を超えて引っ張り続けると曲線が寝てきます。
この状態になると荷重を止めても元の長さに戻らない「塑性変形」が起きています。
さらに引っ張り荷重を増していくとTPの伸びが進んで材料にくびれが生じます。
最終的には荷重に対する抵抗が落ちてきて破断します。

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全ての部品からTPを切り出して検査するわけではありませんが
新機種の中でも新材料や新製法を採用した場合
従来の部品でも、生産設備の更新があったときなど、実績がない部品については
TP切り出しによる引っ張り試験を実施します。
他にも
実体強度として静破壊(一発荷重による破壊)
疲労破壊(振動試験)を調べる試験もあります。

ここで使用する試験機は
油圧の引っ張り圧縮試験機(アムスラー)
や機械式(ネジ式)の引っ張り圧縮試験機(テンシロン)などです。

試験機には荷重を測定するロードセルと
変位計(伸び量計測)が装着されており
X・Yレコーダーで計測データが曲線で記録されます。






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次に縦軸が応力を示す曲線を模した図です。

応力の概念ですが
2輪車で考えますとタイヤの設置面に車重が乗っかって、地面からの反力が外力となります。
この場合、車重と外力が同じ意味です。
そして外力を受けている車体の各部に
外力に対抗する力が「応力」といいます。

ここで外力を受けている部分によって違う応力が発生していることになります。
ホイールやサスペンション、フレームにそれぞれ固有の応力で車重(地面からの反力)を支えているということです。
走行すれば、さらに大きな応力が繰り返し発生してくることになります。

S・S線図に戻ります。引っ張り試験に類似した曲線を描きますが、応力は部品の断面積に応じて変動するので、荷重が低い場合でも断面積の小さな部品は高い応力が発生します。
しかも応力は歪みゲージを貼って電気的に計測されたポイントしかわかりません。
そのため、測定ポイントを選定する技術と経験が測定結果に影響することになります。

そしてこの計測の目的は当該部品の0.2%耐力を調査することにあります。
2輪の設計者は部品の性能や強度に対して目標要件を設定して、目標要件を満足できるように
材質や寸法、形状を決定して図面を描きます。
ここでは強度の話なので、部品の強度計算をする場合、材料固有の数値「縦弾性係数」に最小断面積をかけて耐力を推定します。
ところがこれは机上の理論、実際の負荷は単純でなく引っ張り、圧縮、曲げ、捩じりの複合でかかってくるので、実体の耐久強度は設計段階ではわからないということになります。

S・S線図では実体に歪みゲージを貼って実測した耐力(0.2%弾性域の延長線から下がった応力を
被検査部品の耐力と定める)が設計上ではなく実際の強度となります。
また弾性変形を超えた直後のポイントを降伏点と呼び、永久変形を起こしたことで、破断点に至ってないが強度限界ということで、想定される実走行で降伏点を超えない設計が必要になります。




今年は完璧な梅雨模様でオートバイ乗りに厳しい季節です。どこにも行かないで仕事に集中できます。
何年も前から懸案だったRMのリヤフォークを実家に置いてきた車体から取り外して持ってきました。
77年式でアルミのリヤフォークは当時としては先端技術だったと思いますが
ピボット部ベアリングのシール性は脆弱で泥水が容易に侵入したことでしょう。

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泥が侵入して腐食したピボット・ベアリング

アウターが摩耗してクリアランスが拡大し
ニードルもバラバラに移動しています。

マディー走行の後に分解整備して知っていたのですが、交換部品も持ってないので
何年も放置してしまいました。
このまま朽ち果てるのを待つばかりでは悲しいので、車体から外して850km自走で持って帰り修理することにしました。




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取り外したベアリング廻り

アウターが摩耗して板厚が無くなっていることが確認できます。

静的には隙間が無いようにできていても、
大きな荷重によってベアリング周辺がたわんですき間ができることで泥水が侵入します。


確信はないですが、別機種で流用できそうな部品があるので比較してから交換します。







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取り寄せた新品ベアリングは内径、外径はジャストフィットなので使用可能と判断します。

カラーは残念ながらボルト径がM10用で
RMのピボットシャフトはM12なので使用できません。

現行はM10用(厚肉)のカラーに対し
M12用(薄肉)のカラーだったということは
70年代と2000年代の設計思想がかなり違っているのだなと思いました。


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ベアリングは新しくなったので、当分の間劣化することはないでしょう。

しかし、ピボット右側の圧入荷重は許容範囲でしたが、右側(駆動側)はすき間が大きく緩んでいました。

リヤフォークピボット部新造して取り換えればなおりますが、時間が無いのでやりません。

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誰も見ないところなので、このまま実家へ運んで車体に戻しておきます。

学生時代はオートバイ禁止の家庭だったので、親が住んでいる実家では、こういう物は置いておけなかったです。

主がいなくなった実家のガレージで生涯を終えてもらおうと思っています。
最後まで実働でいてもらいます。





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ネコ飼っている人はお分かりだと思いますが
猫は箱に乗りたがるのです。

お菓子の箱が置いてあると早速乗っています。
この大きさが安心なんだと思います。

白い方が3・11の震災翌年にやってきた子で、シロといいます。
体重は6kgもあり、肥満気味なのでエサは
サイエンスダイエットのシニア用しかあたえません。
それに付き合わされている小さい方は5年前に足利からもらってきたニャン太郎。
ダイエット食でも立派に成長して体力がついてきたので、強くなったニャン太郎をシロはうっとおしく感じているようです。
なので弟分の躾役を担っているシロが甘噛みを教えてないから、ニャン太郎はじゃれ付いてくるとき、
強く噛んでくるので痛いんです。

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見てください、このシャンシャンした顔。

やんのかコラー、といわんばかりです。

たまたまカメラを警戒しただけなので普段は可愛らしくしてます。









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ほら、いいポーズです。

夜は僕の布団にやってきて一緒に寝ているのはこの子です。
かわゆうてかわゆうて、堪りません。





なにやら見覚えのあるマフラーですが、去年も修理にきたのと同じものです。
イギリス製だと思いますが、現地メーカーからサービスを受けることができないのでしょう。

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2種類あります。
詳細は知りませんが
上が旧型、下が去年の物です。

リベットを外して分解しました。
どちらも1シーズン使ったらしく
少し損傷しています。

今回の依頼は音が大きくなってきたので
グラスウールを入れ替えることですが
損傷部分の修理もやっておきます。




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2者の比較ですが
サイレンサーの長さが全然違います。
インナーパイプの径も違います。

旧型の方が長くてインナーが細い。
後期は短くてインナーが太い。

目的は前者は消音タイプ
後者はパワーアップだと推察します。
どちらも現行KX250Fに装着できます。





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後期型の出口付近にスパークアレスターが入っています。
これによって、アフターバーンが抑えられますが、パワーフィーリングも直管よりマイルドになるでしょう。

マフラーが短く出口が広いため、効果的な消音方法を採っているようです。








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旧型はスパークアレスターではなく
フィンが2枚付けられています。

これは排気ガスに乱流を起こし、排出スピードを遅らせる効果があります。

騒音はガスが急激に膨張するときに起こる
空気の振動なので
膨張する勢いを落とすことで騒音を軽減することができます。
多くの市販レーサーのマフラーに採用されている手法です。


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損傷部分はこれです。

フロントマウントのネジが壊れてボルトの締め付けが出来なくなっています。

ブラケットはネジを取り出すためにカットした状態です。


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ステンレス棒からナットを削り出して
ブラケットに装着しました。

ネジ穴の位置を微調整するために
長穴をスライドするナットになっています。

そのためナットの軸が摩耗してネジが壊れてしまったようです。






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ブラケットの削除した部分をステンレス板で修復しました。

ナットは前後にスライドする構造で回復しています。
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フレームに当たる面にワッシャーを取り付けて完成です。

M10用ワッシャーの穴にナットの軸が圧入できる加工寸法になっています。









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グラスウール・リパック完了しましたが
国産メーカーの純正部品を流用します。

銘柄は秘密にしておかないと、社外マフラーに使うことが知られると販売拒否されることがあります。

例えばY社のマフラー用グラスウールは
特約店か同社マフラーの販売証明がなければ注文できないということです。

部品代が結構掛かります。
グラスウール代1万円/一台当たり
ステンリベット1か所50円で2本で31か所加締めましたので1550円

分解と組み立て、マウント修理など工賃も含めて2本分総額3万円になりました。