2013年8月アーカイブ

ここに無限ヘッド(CR125R)があります。ヘッドガスケットが廃番になっていて、代替のガスケットを作る必要がでてきました。

CIMG2699.JPGホーリーさんとこでシリンダーに傷がついた無限をスリーブキットで再生したのですが銅板ガスケットが圧縮漏れでよくないと聞いて

お節介に「水冷ヘッドにはバネ鋼のガスケットが良いでしょう」と提案してしまった責任を取るためにメタルガスケットを作る役を請け負うことになりました。

昔、ボアアップで純正のメタルガスケットのボアを拡大したことはありましたが、材料から新造した経験はありません。

これは自己啓発として就業後に少しずつ進めますので作業日誌は後日アップいたします。

87年型CR125の純正ガスケットも見本としてお借りしていますが、材質はアスベストです。アスベストは耐熱性が高く、弾力もあるので高温での気密性に富んでいると思われます。

ヘッドガスケットに必要な性能は高温でもバネのような弾性をもっていることです。

シリンダーヘッドはM8のスタッドボルトで締め付けられますが、この締め付け荷重はどれくらいのものかといいますと

エンジン関係に使用されるボルトは100kg級の強力ボルトです。材質はSCM400(旧435)で、めっき可能な最高強度のボルトになります。めっき後のベーキング(水素脆性除去処理)が必須です。

足回りに使われるボルトは120kg級ですが、高負荷で亀裂を防止するため、めっき処理は不可で通常は耐食性にすぐれたダクロコートを施します。

100kg級の意味はmm2あたりの引張り強度が100kgということで、強度区分で10Tと表記されます。80kg級は8T、以下7T、6Tという具合に材質と熱処理の違いで強度を設定しています。

ではヘッドのスタッドボルトはM8ですから有効断面積(ねじの呼び径ではなく、ねじ底の断面積)は36.6mm2で引張り強度3400kgですがこれは垂直に引っ張ったときの破断荷重なので、ねじの締め付けでは耐力2894kgで考えます。

耐力というのはボルトを締め付けたときの軸力と伸び(またはトルク)線図で直線で表す領域(弾性域)から0.2%軸力が下がった点(降伏点)を耐力と定めています。

実際の締め付けでは降伏点を越えるとボルトが永久伸びを起こしてしまいますので、降伏点直前がボルトの限界になります。ボルトの規定トルクは、降伏点に達しない上限と緩みが発生しない下限値が指定されています。何故規定トルクに幅があるかというと、締め付け座面やネジの状態でμ(摩擦係数)が違うために軸力がばらつくためです。締め付け作業はトルクレンチを用いたとしても締め方によって軸力が変わります。レンチを締めるスピードや回数で、同じ目盛りでも軸力が変動します。

ネジ山や座面が滑っている状態を動摩擦、止まった状態から再度締めるときは静摩擦と呼び、静摩擦の方がボルトを回転させるのに大きなトルクが必要になります。締めすぎたボルトを緩めるときに大きなトルクが必要なのは、このためです。

話を元に戻します。スタッドボルト1本あたり2800kgの締め付け力とすると6本で16.8トンの荷重がヘッド面に掛かっていることになります。この荷重に耐えられる硬さのガスケットが必要と考え、バネ材を仕入れましたが、純正部品の材料は一般の鋼材屋で扱ってないことから、それに近い性質のステンレスを選定しました。

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これからガスケットの加工に入りますが、これくらいの形状ですと図面を書いてレーザー加工を頼んだ方が安上がりで加工精度もよいと思いますが、ここでは手持ちの加工機でどこまで出来るか試してみたいと思います。

使用する道具は板金ハサミ、ボール盤、旋盤くらいです。

最初はスタッド穴基準とするため穴位置を割り出してマスター板を作って下穴を空けていきます。

 

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ステンレス板にスタッド穴を空けておきます。

スタッド穴基準でセンターと外周を旋盤加工するための加工治具はこのとおりです。

ステンレス板の外形は板金ハサミで荒く切っておきます。これら6枚を重ねてフランジにボルト締めして加工を行います。

フランジで挟むことによって薄板の剛性があがってバリの少ない切削面に仕上がります。

 

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旋盤で外径φ101、内径φ55に加工しました。

思ったとおりバネ材は硬いです。

超硬チップで切削しますが刃物の消耗が早いです。

下穴はハイス(高速度鋼)のドリルを使うので、重ねて穴空け加工は困難です。

 

 

 

 

CIMG2704.JPG右がノーマルのヘッドガスケットでスタッド穴が5個です。

ウォーターラインを同等にするための見本です。

排気側の長穴を空けるのにフライス加工だと材料が硬いのでエンドミルが割れて全部ダメになることを恐れ、地道にドリルで下穴を開けました。

穴が繋がったところで、切り残した部分はヤスリで手仕上げすることにします。

アルミホイールやメッキシリンダーなどバリが出る製品は量産でも手仕上げでバリ取りするものですから、手仕上げは立派な加工工程なのです。敢えてハイテクを使わないでハンドワークで処理することが我社の物作りの原則です。

 

CIMG2706.JPG加工終了です。6枚セット取れました。

加工治具は使い捨てになります。

量産のメタルガスケットはウェーブ加工されており、穴の周囲を囲むように凸の部分が当たって密着するようになっているのでバネ材が必要なのでした。

しかし、これは平面で密着させる構造なので、シリンダーヘッドの平坦度とヘッドナットの締め付け力が成功のKEYであると考えられます。 

 

 

9月一杯まで非常に立て込んでいる状況ですが、電話1本でマフラー1本作ることになりました。

9月1日にJNCCが月山で開催されるのでエントリーしたというので遅くとも29日迄に完成させなくてはなりません。

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道なき道を走るエンデューロなので上手いライダーでも転倒のリスクは付きまといます。

レーサーのマフラーは軽量化も考えてチタンパイプを使ったりしますが、今回はステンレスです。

アルミの筒は同じですが、ミドルパイプの強度がステンレスパイプの方が上なので転倒による影響をなるべく抑える目的であります。

重量はチタン製と比較して500gくらい増えますが走行性能には影響ないでしょう。

 

依頼者は元ワークスライダーの大塚忠和選手ですが、私とはノービスから国際B級まで走った年代がカブっていますので、同年代のトップライダーからの呪縛にかかっていると思われます。別の年代のトップライダーですと観客としてしか見ていないので、特に意識はしていません。

それから、大塚選手はオートマチックのRC250Mを走らせて鈴鹿サーキットで宗一郎さんの前で優勝した人ですから他のライダーとは違う意味合いを持っています。優勝直後に管制塔に呼ばれて宗一郎さんと弁当食べたライダーは彼1人だけです。私ごときが彼の頼みを断れるわけありません。

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製作は間に合ったのですが、グラスウールがまだ入庫しません。ギリギリの日程なのでセッティングする時間もないでしょう。

現在違うマフラーが付いてますが、音量検査が難しいので新品頼まれたのでした。

ウエポンで聞いたのですが彼のマシンは月山終わったら売却するらしいので、突貫で作ったマフラーも一回きりで終了かもしれません。んー残念

 

大塚選手に電話したら、月山は都合で出られないそうで、次の糸魚川から出場ということでした。私、ビビリまくりで損してますね。マシンは今売っても、シーズンオフでも金額は変わらないということで、今シーズン一杯使っていただけそうです。

代わり映えしないとか、進歩がないといったネガティブなイメージのマンネリズムですが、礼儀作法や行儀の意味であるマナーと語源が同じ (mannerism、 manner)ということで一概に悪い意味ではないと思いました。

仕事のやり方がいつまでたっても同じであるとか、もっと上手い方法を考えろとか言ってマンネリ化を悪く捉えがちです。殆どの職業はマンネリズムによって成り立っているとも考えられるのです。いつも同じことをしていられるということは、安定しているということです。ダメなやり方では直ぐに廃れてしまうはずですから。

または同じことを何年も続けるということは、一つの技術をマスターするということです。

経験5年の人と10年の人では結果に違いが出てくるものです。生涯続けられる仕事なら経験40年以上になりますから熟練と呼ばれるようになるのです。残念ながら私の勤めた会社では、社員の意思とは関係なく会社の方針で配置代えさせられてしまうので、熟練する技術は身につかない体質だと感じました。製造部門では同じ職場に長く勤められるようなのでそれなりにマスターできると思います。

文化芸能の分野ではマンネリを脱却しようとして悪い方向へむかうこともあります。

以前、年末は国民的なイベントとしてK1や総合格闘技が開催されていましたが人間はより強い刺激を求めて、派手な失神KOや相手の肉体を破壊してしまうような残虐性に発展してしまうことを問題視して開催されなくなりました。FMXでも難易度の高い技を要求されるようになり選手の肉体的負担は量りしれないものになってしまいました。

人間の脳内から出てくる快楽物質がはマンネリをつまらないものと判断してもっと新しいもの、過激なものへと要求することで弊害を生んでいると思います。

 

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モトクロッサーは走る機能がしっかりしていれば外観なんかどうでもいいんだ・・・

とはなりませんでした。

最近のマシンは鉄のパーツは少なく、80年代のように赤錆びが出ることはないですが

アルミパーツは表面処理されてない物が多く、ステップブラケットもハイテン材を亜鉛鍍金したものですが、腐食が目立ちます。

走る機能には全く関係ないですが、見栄えが悪い乗り物には嫌気が差してきますのでアルミパーツはバフ研磨、鉄部品はタッチアップでイメージ一新です。

仕事じゃないので、時間もコストも掛けません。部品外している時間と研磨している時間は殆ど同じ(10分くらい)です。バフは3馬力のモーター使いますので。

 これらのアルミパーツは鍛造製品ですが、打ちっぱなしなので表面をミクロで観察するとガサガサに荒れていて水の分子が留まりやすく酸化の進行が早いので光沢が失われてきますが、表面を研磨することによって酸化しにくくなります。外観が保たれるだけでなく、泥落ちもよくなるのでマディー時の操作性が向上するというメリットもあります。

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本当は新車に乗り換えるのがいいのですが新車扱うより旧型いじることがライフワークのように思っています。

このマシンは最後のキャブレター車としてずっと保存していこうと思います。

2030年代になったら引張り出して、その時のニューマシンに混じって走らせると面白いかもしれません。

そのころまで日本のモトクロスが存続していればの話です。

 

ある人類学者が、スポーツの起源を説明していました。古代ローマ時代以前はスポーツは存在しなかったですが、労働をしなくてよい貴族階級の人が「疲れてみたい」という欲求を満たすために運動を始めたのが起源といいます。労働者は一日中働いて疲れているので、運動する余裕はなかったわけですが近代は労働者も余裕ができて余暇をどのように過ごすか考えて、スポーツでもやってみようということになったのでしょう。

ではモータースポーツのように、危険なことを何故好むようになったか、車が2台出来たときからどちらが優秀な車であるか自然に競争が始まったと聞きます。私の憶測ですが、人間は大昔から戦うことによって領土を拡大したり、家族を略奪から守ってきた歴史があって、身を守るために戦う本能がDNAに刷り込まれているだろうと思うのです。好戦的な人は戦い(=危険)を快感と捉えるようで、自ら進んでレースなどに参加することになります。その中には人間の3大欲である征服欲(食、性、征服)を満たす目的もあるでしょう。

そんな人間の戦闘行動は現代でも世界のどこかで行われていますが、私たちの身近にも戦闘の歴史が存在した場所があることに畏怖の念を抱きます。

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短い夏休みを取って海へいきました。TVでテリー伊藤さんが16年落ちのクルーザーを購入して釣りや海岸でBBQなどしているのを観たのですが、その海岸は毎年行っている長浜海岸だったので、びっくりしました。

埼玉の自宅を朝6時ころ出発し、R16を横浜方面へ走り、横浜横須賀道路、三浦縦貫と進んで長浜へ8時ころ着きます。

水が綺麗で波も穏やかなのでシュノーケル付けて海洋生物を見ながら泳ぎます。夏はこれが楽しみで、オートバイはさっぱり乗っていません。

そして近くの油壷ですが、その由来を最近知ってどうしても見に行きたい衝動に駆られて行ってきました。湾の奥は波が殆ど立たないのでヨットハーバーになっています。

500年ほど前の殺戮の歴史はこの湾の北側突端に新井城を構える豪族、三浦道寸義同(どうすんよしあつ)と小田原の豪族、北条早雲との戦いの現場でした。難攻不落の新井城を攻めあぐねた北条軍は兵糧攻めに転じ、3年間も続いたそうです。これには三浦軍もたまらず、もはやこれまでと飛び出してきたのが道寸の息子、三浦荒次郎義意(あらじろうよしおき) 身の丈七尺五寸、2メートル27センチの大男で八十五人力。3メートル半もあるこん棒を振り回し、一度に5人から8人も吹き飛ばす威力です。頭を殴ると首が胴体にめり込んだそうです。しかし、最後は自分で首を掻き切って自害しました。残りの三浦側の兵士もお互いを切りあって湾の中に身を投げたそうです。その兵士たちの血油で海面が染まったことで油壷と呼ばれたそうです。

今は皆の遊び場になっている海岸もかつては人間の宿命である戦闘の場所であったことを知ってから見にいくと感慨深いものがあります。

2年半前、あの異常事態で私たちは何を学んだか?幸いこの地域は地震による直接被害はありませんでしたが、原発停止による電力不足の状態を経験しました。大規模停電を恐れるあまり、計画停電で急場をしのいだわけですが、それでも我々の生活がいかに電力に依存したものであるか知らしめられるに充分なものでした。

計画停電ですから時間は知らされているとはいうものの、いきなりガシャン!と全部の電気製品が止まるのです。照明は勿論、暖房、冷蔵庫、給湯器、電話・・・仕事も全く出来ません収入が絶たれます。外へ出ると田舎へ来たように静かです。全ての工場、商業施設が閉鎖して、コンビニ、ガソリンスタンド、銀行も閉鎖です。ガソリンや水はポンプが動かなければ出てきません。現金やカードの決済も不能です。お金が役にたたない世界であります。パソコンやTV、ラジオも聞こえませんから情報もえられません。

短期間ではありますが電源が失われた世界を目の当たりにして、まるで現代人は水槽で飼われている金魚のように電気に依存して生きていることが分りました。

時間が経つと人は忘れてしまいますが、事故の影響は継続していることを報道を通して知らされますが、この事故収拾に関る費用は私たちが納めた電気料金以外に無いことを思いますと、「原発は関係ないんだ」とか「収拾に当たるのは東電や政府だ」とか言ってられない状況です。特に東電関内の人全てあそこからの電力で仕事をして生活してきたわけですから、事態の成り行きは注目していかなければならないと思います。

さて、汚染水漏れですが、原子炉建屋も吹き飛び、圧力容器も溶け落ちて露天にむき出しの核燃料が地中に潜りこんでいることは予想がつきますが、地下水や雨水が容赦なく核燃料を洗う状態が続いているわけです。なんとか海への流出を防ごうという努力が続いています。何故海への流出がまずいのかは誰でもわかりますよね。海産物への影響は勿論ですが、海流に乗っておそらくアメリカ西海岸に放射線物質が流れ着くのが予想されるからです。既に諸外国は注目しているわけですから、被災地域だけの問題ではなくなってきます。

東電は発電や送電のプロでありますが、異常事態に対応するプロではないので、対策が後手になりがちで、長期間続くはずの対応策も急場しのぎの状態です。汚染水の貯蔵タンクを映像で見ましたが円筒上のタンクはR曲げした鉄板の合わせ面をボルトで締め上げて気密を得る構造です。底板と天井も平板をボルトで繋ぎ合わせた大きな円盤です。

そこで疑問がありますが、鉄板のあわせ面が密着できるほど高精度な加工で、しかもあの大きさです。タンク1個で1000tの水を貯蔵できると報道されていましたが、漏れたタンクの水位が3m低下していたので300tが流出したという試算なので、タンクの寸法は内径5.6mで高さ10mということになります。水が漏れる構造のタンクを、あのような大きさで、地下水が流れ込む限り増設し続ける必要があるなど、いずれ行き詰まる対策だと思えてなりません。

しかも1000t以上のタンクは東電敷地内の土の上に置かれています。そこで地下水を汲み上げて核燃料による汚染水の増加を防ぐ対応もとられていますが、水脈が変わるとおそらく地面も沈んでくるでしょう。唯でさえ、基礎無しの地面に1000tタンク何百基ですから、底板が歪んで水漏れしているに違いありません。300トンも漏れて外観で見つからないのですから底板の合わせ面と考えるのが妥当です。

漏れる箇所は水を抜かなければ分るまいといって、汚染水を抜き始めていますが、分ったところで他のタンクも同じ構造だとどうなるのでしょう。常識的に考えると構造を再検討してやり直しということですが、財源は電気料金からということですから、とても「関係ないから」といって無視できない状況にあります。

どうなるのでしょう?これからの日本の電力事情は・・・

先月行われたMCFAJ第6戦 OFVの動画を見つけました。

trurmonkyさんありがとうございます。E450のスタートシーンは#90さんを撮っていると思われますが私の動きが分りやすかったので載せてみました。

'>80年代から同じ方法でやってきたスタート術です。背中が赤いジャージが私。

ポイントは0:23あたりを参照ください。バーが倒れる前にリヤタイヤから土埃が上がっていますね。

ここのスタートグリッドは後側にH鋼のタイヤ止めが設置されているので、後方から早めに出ることが出来なくなっています。そこで、バーが動き出してから倒れる直前を狙ってクラッチミートをします。バーが倒れてから反応しても出遅れてしまうのです。

私の場合はバーが地面に落ちる前にフロントを上げてクリアさせていきます。意図的にウイリー状態を作っているので体が遅れることはありません。後はトラクションに集中するためマシンの垂直を保ちながら体重移動してリヤ荷重に移行していきます。

旧型マシンでも真っ直ぐだけなら結構速いですね。問題はコーナーが遅いので1コーナーの処理が悪く2コーナーまでの直線で2台抜かれてしまいました。

9月のレースは走る予定なので、それまで課題を持って練習したいと思います。

これはライディングのセンスが無い寸足らずのチビがエキパイ修理を行った物語である。

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自分で作ったエキパイが大きく凹んで帰ってきました。

今までも、凹んだエキパイの修理は可能かと問い合わせがありましたが、綺麗に直すのは困難であることと、社外の製品の修理に時間をとられて自社製品の製造が遅れることは許しがたいことなので断ってきました。

しかし、今回は自社製品ですし従来だと変形した部分は切除して新たに曲げたパイプを移植する方法で直してきました。

実は新たに曲げて取り替えるのは材料代もバカになりませんし、手間も相当なものです。お客さんは新品買うより安いだろうと考えるのは分りますが、中古品に手間をかけるには、大量のバックオーダーを抱える現状では何とかして回避したいものであります。

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そこで、なんとか短時間でそこそこの品質の修理ができないものかと考え、修理治具を製作しました。

原理はエキパイを密閉して高圧ガスを封入し、凹み箇所を酸素バーナーで炙って柔らかくすることによってパイプを元の形状に戻すという方法です。

アルミはショックのリザーブタンクのキャップを流用して、バルブから窒素を封入することにします。

 

 

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治具装着はこのようになります。

ガス圧は高い方が直りやすいと考えられますが、パッキンの強度がどの程度かわかりませんので8気圧くらいからトライしてみます。

窒素封入する理由は加熱したときにチタンが酸化して脆化することを防ぐ目的です。

 

 

 

 

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案の定、常温ではビクともしませんがバーナーで赤熱することによって膨らんできました。

よーく炙ったほうが直ると思いますが、圧力で破けてしまうことを恐れて控えめにしておきます。

なにせ初めてトライするのですから、加減がわかりませんね。 CIMG2682.JPG

 

 

 

修理後はこんな感じです。小さい傷は残りますがパイプの形状はほぼ元どおりです。

実は組み立て治具で取り付け確認したところ、パイプエンドが外側に1cm開いていました。熱で歪みが発生しているわけです。

歪みは元の方向に力を加えて戻しましたから取り付けは問題ないでしょう。

しかし、ラインナップしてない機種や社外品のエキパイだと歪みの確認ができないのでやはり社外品の修理依頼はお断りすることにします。

やり方は示しましたので直したい人はご自分でトライしてください。

 

 

 

夏ですから背筋の凍るような話でもしましょう。

科学が全盛の現代において、なんと非科学的なと言われるかもしれませんが、科学で説明の付かないことの方が多いわけで、今は常識でも科学が進むことによって覆される理論もあり、お化けの話は説明の付かない不可思議な現象ですが、確かに存在すると実感する人も多いのではないでしょうか。

小泉八雲の怪談は好んで読みました。耳無し法一やろくろ首などはファンタジーを含んでいて実在のお化けの姿ではないと思います。私が話したいのは本当のお化けの話です。

先日ニュースで矢作が厨子のトンネルでバイク事故を起こしましたが、あれも霊的現象だと思います。直線道路で法廷速度以下で走行中にハンドルを取られて壁に衝突などということは、悪霊の仕業以外にありません。厨子は鎌倉も近いですし、戦国時代に相当の数の武士が殺害された場所でもありますから、恨みを持った霊が存在しても不思議ではありません。

毎月私の職場に、ものみの塔がやってきてキリスト教の話をしていきますが、ゴルゴダの丘で絶命して7日後に復活した話など、イエスが霊となって出てきたことそのものです。復活とは宗教的に表現しているだけで私にとっては完全なお化けです。

板金塗装屋のS野さんも霊的体験をよく語られます。彼自身が何度も霊に入られて苦しんできたからです。体調が悪いときに行き着けの気孔の先生に施術をうけるそうですが、そのときに「また入られたな」といって除霊をすると体が楽になるそうです。何年か前に山奥の廃屋に行って骨董品を探しにいったら、即効で入られて顔形まで別人になっていて、先生の気孔の術で出してもらったこともあるそうです。

S野さんとこの整備士のM所さんは具合が悪くなって家にも帰れず何日もクルマで寝泊りするようになって、先生に診てもらったら「性病の気がある」といわれたので病院で診察をうけたが見つからず。実はM所さんに入っている霊が性病を患っていたそうです。M所さんの家が建っている場所は江戸時代に遊郭があって、淋病を患った遊女が近くの池に沈められて祟っているということでした。このままでは捕り殺されてしまうので、しっかり除霊してもらったそうです。

私が小学生のころ近くの公民館で習字を習っていたときです。練習が終わって夜9時ころの帰り道、村上医院という開業医があるのですが、その医院の門灯のあたりを見たら出ました。人魂です、8個くらいぶんぶん回りながら飛んでいるのをハッキリとみたもんで、恐怖で悲鳴をあげていました。「ギャー」兄貴とその同級生と私、3人同時に見ましたから間違いありません。一目散に家まで走って帰りました。

人魂の正体はリンが燃えているという説があります。しかしあのような火の玉が複数飛び回ったりするものでしょうか。親戚の家が予讃線の線路脇にありまして、そばに踏み切りもあるのですが、何回も人身事故が起こります。殆ど自殺らしいですが、私の叔父は線路に座り込んでいるオジサンを目撃したそうです。警報機が鳴っているのに、すぐに列車がきて轢かれて死んでしまったそうです。それからです、夜になると線路上に炎が見えることがあると。これは、ほんとうにリンが燃えているだろうと思います。人魂ではない自然現象です。人体にはリンが含まれていますから、昔、銅像や釣鐘を鋳造するときに溶かした青銅に人身御供を捧げると鋳物の出来がいいとされて若い娘さんが入れられた話がありますが、リンが湯流れをよくする元素として今では人ではなくリンを溶湯に添加しています。

私は霊感がないため、人の形をしたお化けをみたことがないですが、うちの工場にきたお客さんで霊感の強い人がいて、工場で雑談中に突然、「あれ、今見たよね」というのです。しかももう1人来ていて二人で入り口の上のほうで顔だけ覗きこんだお客さんがいたというのです。勿論私には見えません。彼らが言うには通りすがりの男性の霊で工場の中に興味を持ってちょっと立ち寄った感じだそうです。工場の前は砂利道になっているのですが、ここが複数の霊の通り道になっていて得に悪さはしないと教えてくれました。

朝霞にある貸し工場で塗装屋のS田さんやサスペンション屋のF原さんたちが借りていた場所があるのですが、入居者は全員見ているそうです。工場の中の隅っこにお化けがいるそうなのですが、自縛霊のようで、全く動かずそこにいつも立っているそうです。害はなさそうなので無視していたらしいです。

私の体験ではクルマで重大事故に繋がりかねない事故を起こしています。居眠りと自然災害とタイヤバーストですが、そのうち2回は全損ですから死亡していて不思議ではありません。タイヤバーストも高速でトンネル中ですから、今思い出しても恐怖です。不思議とかすり傷一つ無く無事でした。自分の力ではどうしようもない状況でしたが、何者かに守られた感覚です。守護霊というものがあるならば、力のある良い霊がついてくださっていると思うようになりました。MXなどで骨折したり重傷を負うことがありますが、このときは怪我をして動けなくして、もっと致命的な災難に遭遇することを回避させてくれたのだと思っています。

高専の2つ上の先輩に霊能力者がいました。寮生活しているのですが、学友と寮部屋で雑談中に「窓のところにいる」と言うそうです。どんな姿か尋ねると「鎧をつけた武者」と答えたりしました。彼が言うにはそこら中に普通にたくさん見えるそうです。そんな馬鹿な、と思われるかもしれませんが彼がカメラで撮影すると、高い確率で心霊写真が取れるので先輩たちは「やつは化け物だ」とうわさしていました。学校や職場に1人くらいは霊能者がいるでしょう。あまり口に出して言うと変人扱いされるので黙っているだけだと思います。

どうですか、お化けを信じる信じないという問題ではなく、私たちの運命そのものを司る力が霊的現象ということに思えてしかたありません。

 

実は雑談が好きです。記憶と思考が入り混じって言葉に出して吐き出さないと脳内が処理できないことがわかりました。

LEADはスペルが同じでも読み方が二通りあります。日本では普通リードと読みますね。物事の先を行くことや犬の首につける紐のことを指します。

もう一つの読み方はレッドです。レッドは鉛のことですから鉛筆のことをレッドペンシルと呼ぶそうです。(赤鉛筆じゃないですよ)

アメリカでガソリン給油したことがないのでわかりませんがイギリスでは社用車を通勤や出張に使っていましたが、現地ではガソリンのことをペトロールと呼びます。(BPはブリティッシュペトロルブ)そこでペトロールスタンドでセルフ給油するのですが、油種が3種類あってLEADとUNLEADとディーゼルです。

そう、有鉛と無鉛ペトロールが販売されていてドライバーが選択するのです。日本でも私が子供のころは有鉛ガソリン売ってましたが最近は全く見かけませんん。日本では有鉛ガソリンの需要がなくなった、または法律で禁止されて無くなったと思います。エンジン運転して大気中に鉛の有機化合物を振りまいてしまうので鉛中毒が問題視されたのですね。イギリスはビンテージ文化が幅を利かせていて、今でもクラシックカーが普通に道路を走りまわっているので有鉛ペトロールが必需品でしょう。

昭和40年代以前の自動車は有鉛ガソリンでないと壊れてしまって走れなかったそうです。4サイクルならバルブとバルブシートの機密がエンジン性能に重要な要素となりますが、当時のバルブ材料が現在ほど強靭でなく、鉛のような柔らかい金属粉末を塗布してバルブシートを保護しないと劣化が早かったことが原因です。

耐熱鋼SUHやチタンバルブTIMETALのような金属材料の開発が有鉛ガソリンを無くし、私たちを鉛中毒から救った、救世主ということになります。便利さや経済性を重視して人類の存続を脅かしている行為は無くならないですが、自動車業界は大気汚染や資源消費の問題(安全性も)と戦い続ける宿命があるようです。

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英国にはHRE・UK(ホンダリサーチオブヨーロッパのUK出張所)があって栃木研究所から駐在員が派遣されていました。

その中の1人が自宅ガレージにピンクのロータスエスプリを所有していて駐在員の社宅がある村では相当有名になっていました。海外駐在するとまあまあの豪邸に会社から全額補助で住めますし、駐在手当てが給料と別に貰えますのでお金持ちになってしまうのです。

アメホンなども同様ですが、何年も駐在していると現地企業と仲良くなって魅力的に感じてしまって、駐在終了と同時に辞表を書いて転職することが多いようです。そんな転職者の1人、ワンダースタッフの柴田さんはアメホン駐在中にエアブラシの技術を習得して帰国してから退職して塗装屋開業したのでした。ヘルメットペイントでは国内のパイオニアだと思います残念ながら故郷高松市の工房で倒れられて永眠されましたので、このヘルメットは柴田さんの遺作として大事に保存させていただきます。

左側は増田一将らMXライダーのヘルメットペイントを手がけるペイントマンユージ君の初期のころの作品。ユージ君は柴田さんのお弟子さんで、MXは元チェッカーズ(原口さんとこ)で走っていました。

・・・あ、いかんいかん。こんな時間だ仕事しなくちゃ

8月も完全に予定埋まっております。それどころか9月末でも終わらない計算のバックオーダーです。

さらに、単車こかしてチャンバー潰れた、エキパイ凹んだ、という予定外の修理もありますので遊んでいる時間はない状況です。

あと2ヶ月後に取り掛かる、ここでは書けない極秘プロジェクトまで、なるべく多くのバックオーダーを完了させておく必要があります。

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プロジェクトの発起人はこのような貴重な書籍を提示して私を迎えてくださっています。

こんなストライクゾーンのアルバムを保管されている知人は他にいません。

先日もサスペンションショップの中村義郎さんが納品に来られた情報をメールいただきました。

87年くらいまで私はCRのテスト部隊に在籍して車体の強度テストが担当だったですが、昭和製作所からサスペンションの試験報告書が送られてきて、当時昭和SS社員だった中村さんの名前がテストライダー欄に書かれていました。それを見た上司の三浦主任(東工大卒)が「こんなことはどうでもいいんだ!」と怒っていたのを懐かしく思いだします。

懐かしのライダーアルバムというか当時の憧れの的のライダーアルバム 杉尾さんが、東福寺さんが、大関さんも! 楽しみは後にとっておいて、仕事を早よせな早よせな。

 

ちょっと補足します。三浦主任が何故怒ったか。

私なりに解釈しますと、報告書はサスペンションの実走における減衰力のデータであったと記憶しています。昭和ssは完成車を作っていないので狭山ssからテスト車を貸し出していました。昭和側からすると貸し出しのお礼というか見返りの代わりにデータの提出を行ったと推測します。そこに書かれたテストライダーの情報は不確定な走行条件の一つとして捉えられるだけで、狭山側からすると強度テストにはあまり意味をもたないデータであると主任は思ったでしょう。

因みに狭山ssで実走テストを行う場合はMXのような特殊危険なテストでありますから埼玉近郊の国際A級ライダーにEQ事務局から電話して雇うようにしていました。ロードテスト手当ては結構高額で、一桁ゼッケンなら日当5万円、5番以上のゼッケンなら10万円以上(弁当代と交通費は別)ということで実走テストには高価なテスト機器と人件費も莫大に使ったことでしょう。金額は明らかにしませんが、ある一桁ゼッケンのライダーは一ヶ月分の手当てが入った封筒が横にして立つくらいの厚みと表現していました。レースの賞金よりロードテスト手当てが安定した収入源であることは間違いないようです。