2011年1月アーカイブ

現行のモトクロッサーであればマシニングで削り出しの三つ又などはバイク用品店で買ってくれば事足りるでしょう。しかし、430(77-79モデルCR250R)に付けるとなると簡単には見つかりません。

当時のファクトリーマシンの写真でしか見たことがありませんが、近年のNCマシンによる加工に比べるとかなり荒削りな作りであったように思えます。とにかく、ノーマルの三つ又が付いている量産車では唯の旧車でしかありませんが、削り出しの三つ又に交換することでファクトリーテイストに蘇るとお考えのマニアもいらっしゃるかも知れません。

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アルミ合金の塊、重量32kg

三つ又上下セットで5台分ということですが

NC加工頼みますと設計から加工で総額何十万円になるかわかりません。それよりNC加工で仕上がりは美しくなると思いますが79年当時の風合いを出すためにはフライスでハンドワーク加工をするしかないでしょう。

外観をそっくりにするには作り方も当時のままに、ということです。

当然、生産性悪いです。しかし、滅多にやらない加工なので記録をとっておきたいと思いました。

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手前がトップブリッジ、奥がボトムブリッジ。

ステムシャフトはノーマルを取り外して使います。

材料はA2017、社外のトップブリッジはA7075を使うことがありますが、実用強度は大差ありません。強度が充分で比較的安価であり何より加工性が良いことが理由です。

ノーマルを寸法測定し、無駄がないように素材を切り出してあります。

ノーマルはA6061の鍛造です。

トップブリッジにAC4Cダイキャストを使った機種もありますが、鍛造とダイキャストですと金型や成形マシンなどの設備代がダイキャストの方が量産向きでしょう。鍛造の方が材質が上なので、当時のレーサーには採用されていたのでしょう。

このように、部品の性能がらみだけでなく、加工方法に適した材質を選択することが必要です。

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三つ又としての最も重要な品質特性は

三つの穴が正確に空いていることです。

フロントフォーク穴のサイズ、430はφ39.

フォーク穴の距離。

そしてステム穴のオフセット量。

どちらもハンドリングに影響する数値で

フロントフォークの幅が広いとフロントの剛性が上がるが、ハンドリングが重い。

オフセットはキャスター不変のままトレールを決定し、オフセットが大きいと直進安定性が向上するがハンドリングが重い。などが一例ですが、製品としては三つの穴の精度が悪いとフレームやフロントフォークが組み付かないという不具合が生じることです。

フライスでハンドワーク加工する場合はある程度加工テクニックがないと難しい作業です。

では加工の進行に応じて状況を報告していくことにします。

CIMG0195.JPGトップブリッジとボトムブリッジ。

上面と外周を削りました。

次に裏返して下面の加工を行いますが

これだけで一日仕事です。

 

ちょっと別の用事で2日ほど加工は中断ですが週末、再開します。

昨年末にピストン交換とヘッドメンテナンスしたので、新しいうちにパワーチェックしてみました。

CRF150Rの主要諸元によりますと最高出力24.5ps/12500rpm、最大トルク1.47/10000rpm

ということですがカタログ数値はカウンター出力(エンジン動力計による測定)である場合が多く後輪出力よりも数値が高く表示されているはずです。しかも上記の数値は2006年当時の96dB仕様のマフラーで現行の94dB仕様とは異なるデータに違いありません。実際のパワーは駆動系のパワーロスを含みますので実測の数値を知っておくことがチューニングの指針になることは明らかでしょう。

測定は我社から徒歩2分という近さのmotoGLADさんに依頼しました。マシンを押して行けるほどの距離にあります。

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motoGLAD店舗風景

日光街道杉並木(R407)沿い

我社から国道を隔てた向かい側に位置しておりオンロード系の販売、整備

レーサーの製作などが主な仕事です。

 

 

 

 

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ダイノジェット測定室です。

マフラーに差し込まれているのはA/Fセンサーで回転数毎の空燃比も同時に測ります。

CRFはダイレクトイグニションのため回転数のパルスをコイルから検出できません。コイルにつながるハーネスを調べてCDIユニットのカプラー付近から検出できました。

 

 

 

 

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測定は2タイプで行いました。

昨年使ったモディファイ品とSTD品をそれぞれ付け替えてみました。

普段走行に使用している状態と完全ノーマル仕様の出力カーブとA/Fを把握することが今回の目的です。

エンジン温度の変化によっても数値が変動するということで、熱ダレしてくると数値が下がってしまうということもあり、1時間くらいの冷却時間を空けて別々に測定しました。

 

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モニターの画像は左がスピードメーター、

右がタコメーター、下の横長のグラフが

Air、Fuel Ratio(空燃比)を表しています。

運転状態をリアルタイムで確認できます。

測定データーはパソコンに保存されプリントアウトできますので次に説明します。

 

 

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完全ノーマル仕様のグラフ

MAX POWER=20.3PS

9500rpm付近がピークで緩やかに下がっていきます。レブリミットは13500rpm

MAX TORQUE=1.3kgm/ 12500rpm

上の曲線は馬力のデータ、下の曲線はトルクのデータを表しています。

その下はAFレシオ(空燃比)データを表しています。

 

 

20年経過した車種なので、新規にサイレンサーのラインナップに追加することを渋っておりました。

モトショップ鷹様の熱烈なオファーによりラインナップすることになりました。                             

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上がノーマル、下が今回ラインナップに加えたアルミサイレンサー。

重量はノーマルの2kgに対して、僅か630gという軽量で、重心から遠い車体後部の軽量化に貢献するでしょう。

ノーマルは非分解で生ガスが溜まったら抜けるようにブリザーパイプがついていますが

アルミサイレンサーはリベットをはずして、湿ったグラスウールを交換できるようになっています。価格は特価¥12000也

ですが、現在バックオーダーで2ヶ月分業務が溜まっておりますので3月以降でないと作れませんのでご了承ください。

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ラインナップするためには、ノーマルのサイレンサーが取り付くように治具製作しなければなりません。

この治具で位置決めしながら製作しますが

最初は車体に合わせて確認しておかないと

取り付け保証はできませんので、マフラー現品送付でワンオフ製作を希望される場合もありますが、治具製作も含めて了承していただく必要があります。

 

 

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鷹さんの車両ですが、取り付け確認できると安心できます。

チャンバーとセットでこの様な感じで出来ました。

2スト、旧車のマフラーも続々出てくるでしょう。

現行車は高性能ですが非常に高価格で不景気な今の経済状況だと一部の富裕層しか購入できません。それほどお金かけなくても、いじって楽しめる旧車が時代のニーズに合っているのでしょう。

 

 

昨年中に終了予定の業務が大晦日の午前中まで掛かってしまい、午後からようやく工場の大掃除を始めることができました。工場の掃除は元日の夕方6時まで行いましたが、物が多くて適当なところで区切りをつけた次第です。工場は築26年経過しているため木製の柱が老朽化で倒壊しそうになっていたので鉄骨の柱3本で補強工事を行ったので予定より時間が掛かってしまいました。

元日から重労働の後、夜は翌日練習するオートバイの整備、前後サスペンションOHなど行って深夜2時ころ積み込み完了です。2日は体の試運転を兼ねて新年から逆回りになったらしいオフビレへ

CIMG0171.JPG コースは早く営業したいためか不十分な状態でしたので早々に切り上げて3日は榛名山へ行きました。

榛名とはアンリミットという名のラジコン飛行場の敷地内に建設したMXコースのことで、オーナーが若い頃、MXをやっていて20年ぶりに乗りたくなって始めたそうです。オーナーの自宅がある東京のあきるの市に程近いオートスポーツ清水さんが行き付けの店で、オープン当事はオートスポーツ清水専用練習コースとして宣伝されていました。

ここは県外のMXコースとしては一番近いので時々利用させていただいておりますが、行き始めたきっかけは、昔スガヤのチーム員だった元BELLレーシングの中沢さんグループに誘われて遊びに行ったことでした。そのころ(07年)はコースは今よりコンパクトでしたが、オーナーの本業が建設業なのでコース作りが非常に上手なのです。何しろ自分で走って楽しめるようにダイナミックかつ安全な設計です。

CIMG0169.JPG 土質は水はけのよい黒土で固く締まっているためギャップが少なくて疲労感が無く走りやすいです。

バンクの形状も美しく仕上げられていて様々なライン取りを試すことができます。

これがプロの土建屋さんのテクニックです。

 

 

 

 

 

CIMG0170.JPG ジャンプの斜面はこのように長く取られていてマシンの姿勢が乱れることなく安全にジャンプを飛んで行けます。

アクセルを開けただけ飛んでいく感じなので段階的にレベルアップしていける安全設計です。

斜面に作られたバンクのコーナーも土管が埋設されていて水溜りになる部分は全くないので雨上がりでもコースコンディションの回復が非常に早いのです。

                                                              

 

 

CIMG0167.JPG アクセル全開で評判のいい上りのストレートですが、日陰はこのように凍っている場所もありますが、この時期は仕方ないでしょう。滑る部分もコントロールする練習になりますので歓迎します。

私はレースを走ることが目的ではありませんが、体力の維持と練習の成果を試す目的でクラブマンMXでレース活動する予定です。モトクロスで走るときは実戦を想定して緊迫感を持続することにしていますが、緩く走るよりその方が楽しめるためであります。