2011年1月アーカイブ

昨年末にピストン交換とヘッドメンテナンスしたので、新しいうちにパワーチェックしてみました。

CRF150Rの主要諸元によりますと最高出力24.5ps/12500rpm、最大トルク1.47/10000rpm

ということですがカタログ数値はカウンター出力(エンジン動力計による測定)である場合が多く後輪出力よりも数値が高く表示されているはずです。しかも上記の数値は2006年当時の96dB仕様のマフラーで現行の94dB仕様とは異なるデータに違いありません。実際のパワーは駆動系のパワーロスを含みますので実測の数値を知っておくことがチューニングの指針になることは明らかでしょう。

測定は我社から徒歩2分という近さのmotoGLADさんに依頼しました。マシンを押して行けるほどの距離にあります。

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motoGLAD店舗風景

日光街道杉並木(R407)沿い

我社から国道を隔てた向かい側に位置しておりオンロード系の販売、整備

レーサーの製作などが主な仕事です。

 

 

 

 

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ダイノジェット測定室です。

マフラーに差し込まれているのはA/Fセンサーで回転数毎の空燃比も同時に測ります。

CRFはダイレクトイグニションのため回転数のパルスをコイルから検出できません。コイルにつながるハーネスを調べてCDIユニットのカプラー付近から検出できました。

 

 

 

 

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測定は2タイプで行いました。

昨年使ったモディファイ品とSTD品をそれぞれ付け替えてみました。

普段走行に使用している状態と完全ノーマル仕様の出力カーブとA/Fを把握することが今回の目的です。

エンジン温度の変化によっても数値が変動するということで、熱ダレしてくると数値が下がってしまうということもあり、1時間くらいの冷却時間を空けて別々に測定しました。

 

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モニターの画像は左がスピードメーター、

右がタコメーター、下の横長のグラフが

Air、Fuel Ratio(空燃比)を表しています。

運転状態をリアルタイムで確認できます。

測定データーはパソコンに保存されプリントアウトできますので次に説明します。

 

 

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完全ノーマル仕様のグラフ

MAX POWER=20.3PS

9500rpm付近がピークで緩やかに下がっていきます。レブリミットは13500rpm

MAX TORQUE=1.3kgm/ 12500rpm

上の曲線は馬力のデータ、下の曲線はトルクのデータを表しています。

その下はAFレシオ(空燃比)データを表しています。

 

 

20年経過した車種なので、新規にサイレンサーのラインナップに追加することを渋っておりました。

モトショップ鷹様の熱烈なオファーによりラインナップすることになりました。                             

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上がノーマル、下が今回ラインナップに加えたアルミサイレンサー。

重量はノーマルの2kgに対して、僅か630gという軽量で、重心から遠い車体後部の軽量化に貢献するでしょう。

ノーマルは非分解で生ガスが溜まったら抜けるようにブリザーパイプがついていますが

アルミサイレンサーはリベットをはずして、湿ったグラスウールを交換できるようになっています。価格は特価¥12000也

ですが、現在バックオーダーで2ヶ月分業務が溜まっておりますので3月以降でないと作れませんのでご了承ください。

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ラインナップするためには、ノーマルのサイレンサーが取り付くように治具製作しなければなりません。

この治具で位置決めしながら製作しますが

最初は車体に合わせて確認しておかないと

取り付け保証はできませんので、マフラー現品送付でワンオフ製作を希望される場合もありますが、治具製作も含めて了承していただく必要があります。

 

 

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鷹さんの車両ですが、取り付け確認できると安心できます。

チャンバーとセットでこの様な感じで出来ました。

2スト、旧車のマフラーも続々出てくるでしょう。

現行車は高性能ですが非常に高価格で不景気な今の経済状況だと一部の富裕層しか購入できません。それほどお金かけなくても、いじって楽しめる旧車が時代のニーズに合っているのでしょう。