2011年2月アーカイブ

91年頃、会社員として最後の仕事。当時ホンダがエンジン供給して英国ローバー社で自動車を生産していましたが、次のプロジェクトは英国で完成車工場を立ち上げることでした。エンジン工場はすでに稼動していましたが、車体工場は全くの更地の状態。部品メーカーの選定や打ち合わせ、職場に導入する設備の調達などの目的で英国に長期滞在していたころの話です。

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勤務先のホンダオブUKは土日休日のため

休日は社用車を借りて観光です。

これはバッキンガム宮殿前、エリザベス女王の住居ですね。

イギリスは道路が発達していてロンドンを中心としたリングロードと放射状に伸びたモーターウェイは日本が明治時代に首都圏の道路の構造を参考にしたというほど昔から完成されたものでした。

移動の殆どは社用車で行うのですが、ロードマップを見ながら好きなところへ行きます。

大抵の日本人はゴルフ三昧で、サマータイムの時期は、夜10時ころ日没なので平日でも夕方からコースへ出てラウンドできるくらい昼間が長いのです。冬は逆ですけど

朝は3時から明るいですし、一日が非常に長く感じられます。

 

 

 

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英国は街ごとにレース場がある感じです。

国土が適当なアップダウンがあって樹木が少ないのでMXコースが自然の地形のままできるのです。一日に何回も小雨と晴れが繰り返す天気なので、コースコンディションが常に良好なのです。

それからオートバイメーカーの多さでは日本の比ではありません。さすが産業革命の国、日本メーカーは英国車の真似をすることからオートバイ製造が始まったのでしょう。

そして、ライダーの体格。250ccのマシンがまるでミニバイクのように見えます。この男たちとぶつかり合うことが日本人にとってどれだけ不利なことか、この男たちの体格を見れば想像がつくでしょう。

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ブリティッシュチャンピオンシップのスタートです。美しい緑のコース、どこでもこんな感じでパドックも観客席も緑の草で覆われています。

人口的なセクションを作らずとも、ダイナミックなコースができています。

英国ではライダーのことをジョッキー(騎手)と呼びます。オートバイが馬の代わりであることを示す文化の象徴でしょう。

このレースのスピードを観て、当時全日本チャンピオンだった宮内選手が彼らと走ったとして、はたして通用するだろうか?と思いを馳せましたが、その答えは翌年、鈴鹿サーキットで開催された世界選手権で答えを知ることができました。

 

 

CIMG0264.JPGプライベーターのマシンと思われますがメーカーのロゴを大きくアピールしたグラフィックはヨーロッパからの発案でした。

日本ではこのようなオリジナルのデカールなどはワークスマシンだけのことで

市販車に貼るデカールなどは全く見られませんでしたが、英国では既にオリジナルデカールが多数販売されていました。

 

 

 

 

CIMG0266.JPGレース場の売店で現地のオリジナルデカールを購入して自分のマシンに貼っていました。

日本ではこれが最初だったでしょう。

テクノセルというノンスリップ加工のシートレザーも現地で仕入れてきました。

マシンは91年型CR125Rですが、長期出張で練習不足。この年は殆どレースにでられませんでした。

それが会社を辞めることになった一因かもしれません。

 

レースの開催日や場所は現地のオートバイ雑誌を購入して調べて行っていましたが、その雑誌の記事のレベルが日本のものとは隔絶したものを感じました。例えば素人向けのメンテナンス講座などではなく、本職のオートバイ屋が参考にできるような解説とか。

ステアリングヘッドのベアリングの圧入が緩んでしまった場合のバックアップの方法とか、燃焼室のスキッシュの変更とその効果や排気ポートにサブチャンバーを追加して容積を変更する手法とか、実戦で培われたメンテナンスやチューンアップの方法が惜しげもなく紹介されていて、大変面白かったことを覚えています。さすがモータースポーツ先進国です。

CIMG0265.JPGこれは世界選手権125ccクラスのステファン・エバーツの走りです。

当時16歳でしたが、こんな速い125ccの走りは他に見たことがありません。

確かこの年、初チャンピオンを獲得しています。

他にも日本では見られない500ccのGPも観ましたがCR500の市販車でチャンピオンだった、ベルギー人ジョージ・ジョベも観ることができました。

 

 

CIMG0267.JPGこれはF1、イギリスGPでシルバーストンに行ったときのスナップ。

コースサイドまで自由に入って芝生でくつろぎながら観れます。現地の応援団は凄まじく、自国のドライバーに対する声援はF1サウンドに引けをとりません。

観戦のしやすさは鈴鹿とは比較にならないでしょう。コースの近くに駐車場も沢山あるので、当日渋滞もなくゆっくり来れますし、チケットも当日、自販機で購入して即入れます。

このレースはウイリアムズのナイジェル・マンセルの母国GP優勝でした。

CIMG0269.JPG帰国してしばらくして、当日の朝まで極秘でVIPが狭山工場に訪問すると聞いていました。セキュリティーのためか当日、知らされたVIPの名前はチャールズ英国皇太子妃ダイアナさんでした。

間接部門から歓迎のため100人ほど選抜されて出迎えしました。

ダイアナ妃もモータースポーツ好きでクルマの生産現場を見たいということで、東京から一番近い本田の狭山工場に白羽の矢がたったのでしょう。F1のエンジンを英国のコンストラクターに供給していることも関心を持たれた要因でしょう。

無線で「ただ今関越道川越インターを通過」という連絡が聞こえ、間もなく前後を警視庁のパトカーに護衛されたロールスロイスに乗ってダイアナ妃が入場されました。パトカーはニッサンスカイラインだったことが残念ですが、警視庁もレジェンドのパトカーを用意してもらいたかったですね。クルマから降りてきたダイアナ妃はどの男性従業員より背が高く見えましたが、もともと180cmでハイヒールをお履きですから、かないませんね。

MXの修行にアメリカを選ぶ人が多いですが、アメリカは広すぎて田舎です。イギリスはモータースポーツが凝縮されていて技術的に濃い感じがします。世界でリーダーシップを取るには、世界を知らなければならないでしょう。

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絶販車のKDX125ですが、時々チャンバー、サイレンサーの製作依頼があります。

車体がなくてはレイアウトが不明のためお断りしてきましたが、今回サイレンサーのみ治具製作してラインナップとしました。

チャンバーはカーブが複雑なので、相変わらず車体持込に限り対応させていただきます。

チャンバーはノーマルのスペックではなくKX125の諸元を用いて、形状をローボーイタイプにモディファイしてあります。

 

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サイレンサー本体はアルミ製、ステンレスパンチングを差し込んで組み立てます。

重量はノーマルが2.2kgに対して0.8kgという軽量さです。

エンドキャップはリベット止めなのでグラスウール交換できます。

価格は¥12000、受注生産で納期は要確認です。

 

 

 

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取り付け状態はこんな感じで、

現在バックオーダーで2ヶ月以上かかりますが、お時間に余裕のある方はメール等でお問い合わせください。

オール読物新人賞作品、佐々木譲原作の小説を、にっかつが実写化したビデオフィルム。

この映画封切り当時、80年ころだったと思いますが、オートバイ誌で上映されていることは知っていましたが観ることはできませんでした。それもそのはず、ポルノ映画の劇場でしか上映されていなかったので学生だった私はどこでやっているかわからなかったのです。

最近になって埼玉ラングラーズ・・・もとい、チェッカーズの島田さんからお借りして観賞できました。

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主演:石田純一(新人)が岩田貞二役、洋子役が熊谷美由紀(故松田優作夫人)という大物役者を起用しています。

2輪を題材にした映画で好きなのは「汚れた英雄」と「マッドマックス」でしたが、これを観てからは後世に残したい2輪映画として一番に挙げたいと思いました。

時代背景がモトクロスを始めたころの私たちと全く同じで、しかも練習場として映像にも登場する、吉見のコースや高坂のコースが写っているばかりか、セーフティーパーク埼玉や鈴鹿サーキットのレースシーンもたっぷりと収録されています。

しかも、映画の取材も行われたチェッカーズの原口選手や石神選手がライダー役を務めていたり、岩田貞二のライバルの根元役は鈴木秀明選手という豪華な顔ぶれで、これはフィクションではなく実録といっても過言ではありません。

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基本はポルノ映画なので、貞二と洋子は本田航空の滑走路脇でラブシーンとなりますので18禁ですが、今時の中高生はもっとすごいの見てますから問題ないでしょう。

埼玉では新入社員が筆おろしに行く大宮にある劇場に、取材協力したチェッカーズ御一行が上映中の鉄騎兵を観にいったところ、サトケンが入籍前の水沢アキ似の彼女と同じ劇場にいるところを発見したというエピソードを聞きました。  

 

 

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実際に開催されていた東京ダイナミックシリーズというレースシーンの設定で本物のプロライダーのパドックも写されています。

若き日の鈴木秀明選手と唐沢栄三郎選手。

私が初めてライディングを教わったA級ライダーは唐沢さんでした。今でもその教えは忘れていません。

貞二が所属している埼玉ラングラーズですが、推測ですけど

私が会社就職して初めて買ったマシンが83CR250だったのですが、そのお店が東京のモトバムでそこのチームスポンサーがラングラーというジーンズのメーカーだったことと、モトバムの代表池沢さんがモーターレク推進本部の出身でしたから映画製作に関って埼玉ラングラーズと命名したのでしょう。ホンダはスポンサーでないようですのでモトクロス界に顔の効く人が身内だけで好きな映画を作ったということでしょう。

映画のラストシーンはヨコハマ杯鈴鹿サーキット大会で貞二が優勝できなかったらモトクロスを辞めるという設定でしたが、惜しくも最終コーナーでライバル根元にかわされて2位でした。

私は是非、現代判「鉄器兵、跳んだ」を制作してもらいたいと思いました。石田純一と熊谷美由紀が子供を作り、モトクロスでA級ライダーを目指す物語を・・・

 

時々、質問を受けますので、2ストシングルエンジンのチャンバーをワンオフ製作する場合の費用について通常の解答内容を明記しておきます。

車体持込が前提になりますので、北海道や九州のお客さんから問い合わせられましても対応できかねますので、ご了承ください。

製作の前にチャンバーのスペックを提示いただくか、こちらで過去データーから適当なものをチョイスすることになります。試作テストは別途になりますので既存のスペックによる製作のみ対応します。

新規に製作の場合、型(展開図)を作らなければなりません。型代が¥10000、1本製作でも複数でも変わりません。仮に10本製作なら型代1本当たり¥1000ということになります。

チャンバー本体と型(展開図)

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チャンバースペック(寸法)はストレート図で表されているもので、それを車体に合わせて取り回して形状を決定します。

決定したパイプを開いて、展開図となるわけです。

これを罫書きの型として使用することによって同寸のパイプが製作できます。

チャンバー本体の製作費は型が出来ていればシングル1本で¥25000です。

排気量が違っていても工数はあまりかわりませんが、複雑なカーブが多いと¥10000程度割り増しにしていただくこともあります。

ラインナップ品は複数販売できますので、若干割安の機種もあります。

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取り付けるサイレンサーが無い場合はサイレンサーの製作も必要です。

最もシンプルなタイプで¥10000です。

チャンバーとの結合はフランジをボルト締めで排気をシールするタイプです。

エンドキャップはリベット止めなので分解してグラスウールを取り換え可能です。

 

 

 

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完成すると型代¥10000と品代¥35000でワンオフ製作できます。

材質はSPCC(鉄板)とサイレンサーはアルミを使用した金額です。ステンレスで同スペックで製作の場合は2倍程度かかります。

車体の預かり期間は1週間程度です。

 

 

 

 

 

2月13日オフロードヴィレッジ大会の開幕です。3週間以上雨が降っていない関東に金曜から雪が降ってしまって、土曜も小雨が降り続くなか、コース下見に行ってきました。

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レース前なので完全コース整備!

かと思いきや、レールは3週間前から変わらず、固く締まった路面は水が浸み込まず

このとおり非常に滑りそうな状態です。

関東地方大雪の天気予報は大袈裟でした。

これはフープス後の2コーナー

 

 

 

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最近変わった部分の一つ逆バンク

イン側のレールをはずすとタイムロスは免れません。

しかし、ここも3週間前と同じレールがそのまま残って水が溜まっています。

完全にアクセルワークとバランスの勝負が予想されます。

諦めの境地

 

 

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唯一、スタートラインだけは入念に整備されていました。

看板も4月の全日本MX用に出来上がっています。

去年の2月、3月はレースに出ませんでした

なんでこの寒いのにオートバイに乗らなければならんのか、仕事もはかどっていないし時間が勿体無いという理由でした。

今年はそんなことではいかんと思い直し、開幕から走ることにした訳は

オートバイにかぎらず、柔道とか剣道とか自分の種目を続けていく諸先輩方を何人も見てきて、尊敬の念を抱いているからです。

当然、年齢とともに体は衰えていき、実力も下がってしまうわけですが、それを受け止めて自分に向き合って生きていく姿勢が人生そのものであると考えるのです。

他人と闘っているわけではありません。自分を磨くために相手になってもらっているだけです。寒いとか路面の状況が悪いとか、言い訳を言って楽な方へ逃げてしまっては自分を堕落させていくだけでしょう。

中学のとき剣道をやっていましたが、人間関係が嫌になって辞めてしまい

高専で空手部に入りましたが、蹴りが手に当たり右手親指を開放骨折して鉛筆が持てない手になってしまい、学業に支障を来たすようになって辞めてしまい

モトクロスは幸い30年続けてこられたので、これを自分の種目と思って諦めないことにしたのでした。

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公式練習や午前中のレースは凍結した泥が解けてきて超マディーになってしまいました。

私がエントリーしているSE150のヒート1もドロドロで、無理すると転倒しそうでしたが、最終ラップにライバルと絡んでコケテしまいました。

最後まで開けきれなかった自分の弱さが出てしまった結果でした。

トップクラスのGPヒート1では元ホンダのワークスライダー対決も観れて豪華です。このころは路面もドライでスピードが上がってきました。

クラブマンMXは毎年登録するチーム名を自由に決められます。そこで去年までは、辞めた会社のクラブSAYAMA RTで登録しておりましたが、今年はHONDA SPEED CLUB(HSC)にしました。

HSCはホンダの契約ライダー、高橋国光選手や北野元選手が所属してマン島TTや世界GPへ参戦した当時の社内クラブの名前ですが、MCFAJの歴史からはその名前を聞くことはなくなってしまいました。現在でも久保和夫さんの城北ライダースや長谷見昌弘さんの青梅ファントムなど日本のレース史の創世記から残っているクラブ名があるのに、HSCもクラブマンの歴史に残したい名前であることが理由であります。(年配のライダーしか分らないでしょう)

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マディーのいやがらせから一転、ヒート2終了後の我マシン。全然汚れていません

しかし、轍が固まった路面は快適ではありませんでした。再び自分に負けて11位というリザルト(16台中)に満足はしていません。

満足しないからこそ、また挑戦するのだろうと思います。

 

先週から加工中の三つ又が大体完成したので、組み付け確認しました。

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クランプ部分のノーマルボルト装着、

φ39フロントフォークはチェッカーズ所属島田さん所有のワークス467(80年式)を拝借して挿入してみました。

ステムシャフトはノーマルを圧入してあります。

3点の穴位置が正確でないと組み立て不良になってしまいますが、装着確認できましたので安心です。

 

 

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裏側の肉抜き加工も手間をかけてあります。実車では見えない部分ですが、必要な剛性を確保しながら軽量に仕上げるという意味で重要な加工です。

本職の機械加工屋さんなら3次元測定器を使った精密な測定で寸法を割りだすでしょうが、ここではノギス測定だけで寸法を決めて設計しましたので、寸法誤差が非常に心配でしたが、組み付け確認の手ごたえは0.1mm程度の誤差で収まっているでしょう。

クランプ径が隙間ゼロで加工してありますので0.1mmほどクリアランスを増やしても良さそうな感じでした。

機械加工の工賃が聞いた話によると、日立製作所で1時間あたり3500円ということで一日10時間労働したとしますと、1日35000円になります。

ハンドワークなので全工程で6日間かかりましたから、上下セットで210000円が世間の相場ということになります。メーカーの試作でしたら、それくらいが妥当だと思いますが

これは一般のお客さん向けの商品ですから、そのような高額な取引は成り立たないでしょう。そこで大幅にディスカウントして提供ということになりますが、商売上の秘密で金額は申し上げることは差し控えさせていただきます。これは加工技術の訓練ということでお許しください。