2011年3月アーカイブ

「これ直すんですか?」一応確認のため聞いてみた。そしたら「直したい」という答え。

「ものすごく大変だよ」と言うと、「いくらぐらいですか?」というので「普通の3倍くらいかかるよ」

と答えたら、「新品買った方が安いですか?」と言うので、「そこまではいかない」ということで

契約成立して修理することになった。

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普通はこのように大破している場合は新品に交換するように勧めます。

それは修理に相当な時間を費やし、製作業務に差し支えるからです。

おそらく、これは、新品交換した上で直したチャンバーはスペアとして取っておこうということだと思います。

そして、直らなければ諦めると思うのですがダメ元で聞いてみるということは、私が直せるかどうか試しているのではないかと、思わせるのです。

これが直ったとしても私の評価が上がるわけでは無いと思いますが、もしかして直せないんじゃないかと思われることが、マイナス要素なので

この挑戦に応えることにしました。

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ここが荷重の力点だと推測しますが、鉄板が破けています。

圧力をかけて直すために、溶接して穴を塞ぐ必要があります。

 

 

 

 

 

 

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エキパイにシワがよって蛇腹のように曲がっています。

ここまでいくと、水圧では直りませんので

切断して鉄棒を当てがいながらハンマーで板金修理しなければなりません。

 

 

 

 

 

夜は騒音の出る作業は近所迷惑になりますので、この続きは明日ということにします。

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パイプを切断し、潰れた部分をハンマーで整形して溶接。

その後、水圧で元の形状まで膨らましました。

しかし、そのままでは歪みが大きく車体に取り付けができないくらいパイプの向きが変わってしまいました。

結局、4箇所の切断面を削ってパイプの向き矯正して取り付くようにしました。

 

 

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震災の前日から製作に取り掛かっていたタンク作りですが、3日ほど動揺して通常の業務ができませんでした。とりあえず、やりかけた仕事を完了させるべく再開しましたが、計画停電で一日のうち3時間くらいは業務中断になってしまい、非常に効率悪いです。

被災地の電力不足、燃料供給不足を考え、工場の空調や石油ストーブを止めてやっております。幸い寒冷地ではないので、寒いですが我慢しながら仕事しています。これも支援の一つと考えております。

義援金や救援物資だけが災害支援ではありません。最も強力な支援は国の力だと思うのです。自衛隊や消防庁に指令を出したり、車両を動かしたり、職員の人件費を払ったり、全て税金でまかなうのですから被災していない地域の人ができる最も重要なことは、今やっている事業をしっかりと遂行して税金を払うということであると思っています。

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アルミ板金でこしらえたガソリンタンク。

オーナーさんはジムカーナでNSR250に乗っていますが、ノーマルタンクの張り出しが大きいことと、エアクリーナー吸気口を塞いだデザインを改善するという目的でタンク製作に踏み切りました。

フィラーキャップはノーマルを使用していますので鍵を使って開閉します。

 

 

 

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タンク底板の形状です。エアクリーナーボックスを逃がすデザインです。

中央付近に二つ穴が設けていますが、フィラーキャップの構造上、エアベントと水抜きのパイプがタンク内部を貫通しています。

 

 

 

 

 

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車体に装着した様子です。

フューエルコックは左下に設置してあります。

レーサー用の部品で、リザーブ無しです。

タンク容量は13L、大体これでご要望にお答えできると思います。

停電や燃料の調達が悪く通常より効率悪いですが、まだまだバックオーダー抱えておりますので、なるべく早く仕事を進めていくだけです。