2022年4月アーカイブ

正月明けに塗装剥離してあったCRF150Rシャーシ部品のペイントが仕上がりました。

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元国際A級ペインターに頼みましたが
代金は後日、体でお支払いする約束で
清算する予定です。

本田最高顧問が存命中は、本田の戦闘機カラーは赤と決まっていたはずですが
最近は忘れられているようです。

僕ら現役時代のホンダ車(CR)イメージに染めたかったのです。





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この車両は10年前の車体でエンジンOHやサスペンションモディファイ、ホイール組み換えを済ませ、自分で乗るつもりでしたが

別の人に貸し出す予定が出来て、最終チェックを行ってるところです。

明日試走が終わったら
またエンジン降ろして、使い古した駆動系部品を交換して本番に臨むという段取りです。

青ゼッケンはとりあえず仮の物です。
本番は白になります。


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スタートの必需品、ホールショットデバイスも
150用に作って取り付けました。
メーカー純正以外の市販品を使わないのが
我社のレースポリシーです。


外はザーザー雨が降っているので明日に備えてマディ用タイヤに交換します。
AM0:30時点










ML3(CR500R)フレームの改修が完了したつもりでしたが、ロアーパイプの凹み隠しに
ツインウォール加工した部分のやり直しすることにしました。
その理由はオリジナルの外観と違うと思われると失敗したような気がするためです。

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実は、CNC加工のクランクケースとリヤフォークも預かっていたので
治具代わりに使うことで、ロアーパイプ切除して取り換える方法で、オリジナルに近い外観で修復できると考えました。










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ロアーパイプ交換用のパイプを曲げて
接合部にパイプを差し込んで
パイプのズレを防止することと
接合部の強度アップを計ります。










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元のパイプは切断しました。

そのため残留応力が解除されたロアーパイプが自由になり
エンジンマウント位置が変わってしまいました。

フロントマウントとピボットの軸距離が5mm近くなって、マウントボルトが通りません。
ダウンチューブ下の2本のパイプを矯正して軸距離を元通りに修正して、フレーム治具を取り付けることができました。
新造のロアーパイプを溶接するときに治具で拘束したまま行います。


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ロアーパイプ仮止めしてTIGの電極が届く範囲で接合部肉盛りしてから
フレーム治具を外して残りの溶接を行います。



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ミドルマウント・プレートはオリジナルのパイプから切り離して使うことにします。

それで外観を元通りに近くなるでしょう。













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ダミーケースを取り付けてミドルマウント溶接しました。

センターガスケット厚み分のクリアランスが必要なので、ブラケット内側に0.8mmスペーサーを挟んで溶接します。


溶接熱が冷えてからマウントボルトを抜いてみましたが、スコスコ通りましたので
マウント穴位置は正常に出来ました。




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これで下回り凹みのないパイプに修復完了です。

塗装すれば修復したことが分からないようになっていると思います。











今年1回目の里帰りです。工藤家当主の私ですが先祖から引き継いだ土地を守るのには理由があります。祖父の時代は西条市の山奥、西之川という集落に住んで林業を営んでおりました。
ところが戦時中に農家の子供は兵隊に行かなくて済むと聞いて、山を売って現在の場所に移住して
農業を始めたのでした。
終戦の翌年に祖父は49歳で亡くなっており、想像でしかないですが家族思いの男気ある人物だったと思います。この家の子供で生まれ育った自分が、祖父が残した土地を粗末にするようなことはできない、
そんな親の意思にも添えることが出来なかった自分の、せめてもの罪滅ぼしのつもりで雑草の刈り取りに帰ってきました。
もちろん電気も水道も契約したまま、固定資産税も払っております。

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帰省初日は家の前を草刈り、季節的に草の量は少なく大体刈り終えたので

翌日天気が良くて、計画していたツーリングに出発します。

ZX10R、このガレージに下ろすのは2回目
前回は高知県室戸へ向かいましたが

今日は石鎚スカイラインからUFOライン(瓶ヶ森林道)を走ってきます。
絶景で有名なUFOラインは関東からも多くのバイカーが訪れる場所ですが、
私は自宅から70kmの場所なので半日で往復できる気軽さです。

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最短ルートはリッターSSには狭い道路を走ることになるので
2車線の国道33号線で行くルートは
この御三戸嶽の交差点を県道12号へ

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真っすぐ行くと面河渓
右折すると石鎚スカイライン
土小屋登山口まで10キロほどワインディングが続きます。

面河渓は小学生のころすでに母親が他界していたので家庭サービスのためか、父親がドライブに連れてきてくれた以来なので
実に50年ぶりにここへ来たのです。





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雄大な山の景色とワインディングを楽しみながら
途中の展望所で休憩です。

奥に見える尖った山が西日本最高峰石鎚山。
自宅から見える山頂は北壁ですが
ここからは南側の斜面がみえます。

おそらく笹の葉が茂って緑色に染まっていて美しいですね。
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最初の目的地、土小屋遙拝殿

石鎚登山土小屋ルートの出発点です。
この先の県道12号線が別名UFOラインとなりますが
この快晴なのに4月10日まで冬季通行止めということで、今日は通れません。

また後日出直しです。





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悔し紛れにUFOラインの中へ徒歩で入ってみます。

道幅は普通車のすれ違いは厳しいですが
2輪は問題ない幅です。
ところどころ路肩崩落はありますが
真ん中走っていれば、さほど危険は無さそうです。







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目視できる瓶ヶ森の山頂です。
木が生えてない緑色のあたりが絶景ロードの場所と思われます。

今日行きたかったなー



諦めて家に帰って明日九州へ行く支度をします。

朝8時半に家から出発しお昼前にここへ付いて、家に帰ったら2時半という距離です。

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第3の目的地は熊本です。

全日本モトクロス開幕戦HSR九州で土曜日予選見てから、宿泊地の熊本へ来ました。
熊本城初めて見ましたが震災の影響で
崩落した石垣や櫓の傷跡が多く見られ
修復は困難のようです。
そんな中でも天守部分は修理が完了し
立派な姿が見れましたが
熊本城は昭和35年に天守を再建した
新しい城なので
四国4城のような木造現存天守ではないです。

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IA2ヒート1スタート

今年J・ウイルソン♯16が全日本フル参戦だそうで、ヤマハとしては
やがて訪れるガソリンエンジン車滅亡に向けて最後のガソリンエンジン時代にチャンピオン獲得したメーカーになることを
確実とする施策に打って出たと思われます。

スタートゲートの横に武蔵重量ケンヤさんが見えますね。


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日本最速の重量鳶、違ってたら遠慮なく言ってください。

全日本会場全て出張コース整備しているそうです。
モトクロス愛も最強ですね。









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ここの特徴は第1コーナーがハイスピードで回っていくことです。
集団が直ぐにばらけないので接戦が長く続いていくので見ている方もエキサイトしてくるわけですが、当然走っている方が迫力満点だと思います。

レース内容については関わりないので語るつもりはありませんが
ホンダが作ったコースで上位をヤマハが占めるという皮肉な展開でした。
まあHRCは無くなったし、会社としてはそれほど力入れて取り組んでないのだろうと勝手に推察しています。

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日曜日帰ってきて
月曜に畑の草刈りがおわったので
翌日最終日にしようと思って
先日通行止めだったUFOラインへ行ってきましたが
天気予報は晴れ、降水確率10%なのに
瓶ヶ森林道は石鎚スカイラインの途中から雲の中
路面はウエットで恐ろしいし、視界10mという全く楽しめない状況になってしまいました。
ここへ来る場合は石鎚の山頂に雲が無いことを確認しないと来てはいけない場所だとわかりました。

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奇跡的に雲の切れた場所があったので瓶ヶ森の一部景色を楽しみます。

高知県側の斜面を厚い雲が上がってくるのが見えます。
凄い勢いなので数分後には視界不良になってしまいます。









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瓶ヶ森山頂に徒歩で行ける登山道があったので上ってみました。

全長で2kmくらいの石を積んだ階段のような道です。

緑色の正体は笹藪でした。

雲の中に県道12号線が微かにみえます。
晴れていれば絶景のはずです。



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ここまできたら四国カルストも行くべきです。
御三戸嶽へ戻って国道440から地芳峠経由で四国カルストの姫鶴平から
四国山地の稜線を4キロほど走ります。

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日本とは思えない景色はいいですが
走りそのものは途中の峠が狭いので
急勾配のタイトターンが多くストレスになります。

ここへ来るときは瓶ヶ森同様、雲が無いときに来ないと意味がないように思います。

実は四国ツーリングの醍醐味は別のところにあると、この後分かりました。




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カルストの時点で満タン給油してから150km以上走行していて、途中にガソリンスタンドも無かったので、給油最優先で
最寄りのスタンドを検索して給油に向かいました。

上浮穴郡から西予市に向かう国道197にでてきました。
地形の関係で山の斜面を削った峠や
河川に沿ったワインディングが殆どの四国路。
国道197は西予市から大洲市を流れる肱川沿いにあり、およそ50kmの間交差点や信号のない2車線のワインディングが続きます。
速度は申し上げられませんが
栃木県の国道4号バイパスくらいの速度でクルージングしながらのワインディング。おまけに平日のせいか殆どクルマに出会わないし
いたとしても対向車いないので一瞬で追い越しできる快適さです。
朝から走りっぱなしで帰路に付きますが国道197は伊予灘の国道378に出ます。
海沿いのワインディングはこの道路が一番お気に入りです。


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途中、予讃線下灘駅に寄ります。
2017年にCJ360Tで来たことがあります。
90年代まで日本で一番海に近い駅で
有名になった場所です。
カップルが撮影し合って中々どいてくれなくて、人が写り込まない1舜を狙っての撮影です。
これ撮れないと、ここを去るわけにいかないのですよ。
どれほど苦労してここまできたか分かってるか。

本日の走行距離388km、ワインディングばかり。
帰宅したのが夜7時、11時間乗りっぱなし。人生で一番四国路走った日でありました。












国内では珍しいML3(CR500R)のフレームを改修します。
レストアラーのDFさんからの依頼ですがヤフオクで中古フレーム落札したら想像以上に酷かったので
このまま塗装して組み上げるわけにはいかなかったでしょう。

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サイドビューからフレームの状態を図り知ることは無理でしょう。

最も醜い状態のテンションブラケットを削除して新造して取り付けることにするので
取り付けレイアウトを同一にするためフレーム治具製作しました。

これでテンションブラケットのボルトを外しても3点のエンジンマウントで取り付け位置は決定できます。



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テンションブラケット取り付け部分
何故このような溶接になったか疑問ですが
DFさんは、とにかくここを綺麗に直してくれと言うので、
これはもう取り外してやり直した方が簡単だろうと決心しました。










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直す部分はもう一つ
ロアーパイプ下面のデフォーム多数
平滑なパイプにしたいとのことです。

すごく荒っぽく乗られた車体だったようです。

これに長期間費やしていられないので
ごく簡単に直してみたいと思います。







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直すというか、ボロ隠し
曲げたパイプを半割りにして貼り付け
ツインウォールにしました。

板厚1.6mmなので丈夫だと思います。
溶接ビードは研磨しません。(板厚が薄くなるので)







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テンションブラケット削除しました。
溶断で切り落としてディスクサンダーで均すことで平滑になります。

2本のテンションパイプとクロスパイプの接合部、クロスパイプ両端の溶接ビード、謎の団子付けを改善すべく
TIGで舐めておきました。






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切り取ったテンションブラケットの代わりに
新造しました。

S45Cの板厚4mmを選択しました。
中強度の炭素鋼で軽く焼きが入ります。

?12ボルトがスムーズに入ることを確認して
フレームに溶接します。






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フレーム治具を組んだ状態で溶接しますのでボルト穴位置は元通りに復元されます。

ブラケット内幅のカラーに0.8mmシムを挟んで締め付けしているのは
溶接歪みで内幅が締まってしまうので
テンションロッドのディスタンスカラーが
入らなくなるのを防ぐためです。


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テンションブラケットはCRのフレームで最も引っ張り荷重が掛かる部分で
大ジャンプの着地などで最大10トン近くの力で引っ張られます。

そのため材質や溶接方法など、強度重視で配慮して加工しました。


これでML3フレーム改修完了です。