2022年5月アーカイブ

CRF125Fの新型モデル、フューエル・インジェクションの空冷2バルブ125ファンバイクですが
作ったことないのに、ブームを呼んでいるせいか、問い合わせが多いので
フルエキゾースト作ってみることにしました。

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サイレンサー、オールアルミ

フロント、リヤのエンドキャップはビレット。

サイレンサー・スキンはA5052、板厚t1.5?

インナー・パンチングメタルはSUS304板厚t0.8?

強度と軽さを兼ね備える素材を採用

リヤエンドのバッフルは
実走テストにより内径の変更する可能性があります。

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フルエキの概要です。

ノーマルエキパイがφ22のところ
φ25.4に拡大して排気効率アップ

排気の抜けすぎによる低速トルク低下を
サイレンサー側のバッフルで調整するという
構想です。






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エキパイの材質はSUS304 φ25.4

横の張り出しを極力抑えた取り回し。

ヒートガードは必要ないでしょう。









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マウントステーは板厚t4.0 2枚拝みあわせ

アルミでありながら高剛性を目指した作りとなっています。


このあと車体ごとオーナーに引き渡して
ロードテストする予定なので
リリース日程は、今のところ未定です。

21CRF450モデルからサイドカバーが小型になり、サイレンサーが露出するデザインのためか
右側面が無傷の450や250CRFを見かけません。

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サポートライダーの250用です。

もっと大きい凹みと亀裂があったので
大雑把に叩き出して、亀裂は溶接した状態です。








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欠損したフロントエンド部分を再生しましたが、
同じ板厚では、同じことが起こると思い
A5052の板厚1.5tにしておきました。

リベットはステンリベット使用します。








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この後も使っていく限り
凹み続けるはずなので
A5052 板厚1.0tを重ねて
ツインウォール化しました。
ノーマルのアルミより固いです。

これでも大破するようでしたら
全部交換するべきでしょう。



ようやく今年一回目の全日本参戦に漕ぎ着けました。

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ベース車両は私が乗っていた12年前の車体です。

消耗部品、エンジンからサスペンションまで
ほぼ全部新品交換して臨んだので

実質22モデルと呼んでいいかもしれませんが
秘密ですが幾つかの部品はライダーとのマッチングとオーダーを聞いて変更してあるのでCRF150R改と呼んでおきましょう。



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結果から言いますと
3位入賞、絶対捕りたかったポディウムに
何とか立つことができましたが
恐れていたレディース3強の一人が崩れたことに助けられてのことなので
次戦に向けて対策はしなければなりません。

とりあえずお金と労力をかけた、メッシュスタートの練習が功を奏して、ホールショットはいただいておきました。

常にコースに合わせた攻略法を模索しながらレース活動続けていきます。

ここOFVは全日本の時だけ現れるスペシャルセクションです。テーブルが2個続くIBの中段以上の選手は全員飛んでるダブルジャンプの距離は
歩幅で40歩です。

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前日マディのため洗車場の下敷きにコンパネ数枚置いてきたので
月曜日早朝に引き上げに行ってきました。
当然メカニックの仕事です。

ついでにIA1決勝ヒート3の跡をウォーキングでみてきました。

この轍、どれを選びますか?
このような路面をレース中に判断して躊躇なく走っていくライディングスキルですが
こんなグルーブは普段練習時にはできないので、レースの決勝を走ったひとだけが経験出来るスペシャルセクションといえます。

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初お目見え、6番ポストのS字は2レーンとなっております。

進入がイン側のレーンは距離が近いですが
タイトターンでスピードが落ちます。

アウト側のレーンはRが大きくハイスピードになりますが距離が遠いので
どちらがタイムが良いか判断が難しいです。

結局ウチのライダーはベストラップが練習時より5秒も遅い。
ライバルたちも同様のようです。
荒れた路面の攻略に苦しんだか、安全マージンを取って固い走りになってしまったか
実戦をもっと経験しないと答えは見えてこないでしょう。


2週間ほどレースメカニックに向けて準備を進めてきましたが
いよいよ参戦1週間を切りましたので、最終調整に入ります。

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全日本MX関東大会のスタートは
独特なエキスパンドメタル仕様なので
誰もが不慣れな、
というか誰でも真っすぐにスタート出来てしまうので他車と差をつけるために工夫をしなければならないのです。

その方法を模索するには繰り返し、何度もスタート練習する方法しかないと思います。

なので一人用スタート台を作って
本番をシュミレーションしながら何百回と繰り返します。

途中クラッチ板が熱膨張してクラッチが切れなくなってくるので、ケーブル調整をしながら
行いました。

メタル部分のスリップは安定していると思いますが、土の路面に降りた瞬間にトラクションが急変するので、その対応がライダーの腕の見せ所です。

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結局、管理人さんの計らいで
本物のゲートを使わしてもらえたので
より本番に近いシュミレーションができたではないでしょうか。

この日来場していたA級のトップライダーにも
いっぱい練習してもらいました。

有意義な一日であったと確信しております。







尚、自分のチームでない活動のため、ライダー名やマシンチューニングなどの情報公開は控えさせていただきます。
組み立てや修理以外の側面からみたメカニック業務の実態の話でした。

ここ2週間ほどメカニック業務にはまっています。
物作りは疎かになっていますが、落ち着いてきたら通常に戻ると思います。

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メカニック頼まれているライダーにスタート練習もしてもらうつもりで作った一人用スタートゲートですが

オフビのスタートライン前に設置したら
撤去しろといわれたので、あそこでは使わないことにしました。
他のチームでは使っているのですが
ウチだけダメだというので、
何か個人的恨みでもあるのだろうと思って関わらないことにいたします。




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エンジンやサスペンションの組み立ては当たり前なのですが
社外マフラーを使いやすいように改造するのもメカニック業務の一環です。

これは今後のメンテナンスのため、マフラーを分解してグラスウールの素材を確認した後、リベット外しの面倒がないように
内側にナットを溶接して
ビス止めに変更しました。

ヘキサゴンレンチだけで外せます。



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ついでに、締め付け面の摩耗を軽減するためステンレスバンドを取り付けました。

バンドの製作は、図面を描いて
近くの精密板金工場でレーザー加工してもらいました。
少量でも引き受けていただけるので助かります。

このあとノーマルでは性能不足のCRF150を全日本仕様にする特殊パーツを次々に投入していくのであります。