ヤマハマリーナ沼津

人生2度目、42年ぶりにヨットに乗せてもらいにいきました。
前回は叔父さんの船で瀬戸内海の小島にキャンプしに連れて行ってもらっただけですが
今回は本物のヨットレースにクルーとして乗船(専門用語もロープワークも全く知らないまま、ただの錘になって)してヨットセーリングなるものを体験させていただきました。
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義父がオーナーのヨット。
IOTA(イオタ)といいます。
船の規格もわからないですが
搭乗定員8名のサイズで

今回オーナー含めて6名のクルーでレースします。
小さい船の場合は人数(重量)が多いほど不利ですが、セールの上げ下げ、ロープワークにポールの架け替えなど傾く船上での作業が多くスピードが要求されるので、船の仕様とチームワーク、風や潮の流れを読む経験値と相手船との駆け引きを考える戦術が勝敗を決める、知能と体力両方を使ったマリンスポーツだと感じました。
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IOTAは沼津港に保管されていますので
装備点検後大型クレーンで海面に下ろされます。
レース会場のヤマハマリーナ沼津まではエンジンで走行して移動します。
約30分の距離です。








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さあレース会場へ出発です。港湾から外洋へ出航です。
先ほどヤマハマリーナでブリーフィングを受けた内容をクルーたちと打ち合わせします。

ブリーフィングでは当日決められる
スタート時間、レース距離(往復回数)
ゴール位置
旋回方法(マークを半時計回りに)
本日の大まかな風向き風速などをチェックします。




CIMG3406.JPG

今回1往復半のレースを2回行います。10:30スタートで推定終了時間は14:30とのことです。
スタート地点とゴールラインは本部艇とブイをアンカーにて固定した直線で引いたラインを通過しますが
スタート直前までなかなか決めません。
適切な風待ちと、位置が決まることでレース艇が試走する機会を失くす目的があるみたいです。

スタート地点にヨットが集まってきました。
有利なポジションを獲得するための駆け引きが始まっています。
普通は風上の船が走行に有利だそうです。
そこで衝突回避するときは風下の船に優先権があります。
遅い船はいいポジションについても速い船のブランケット(風よけ)に入ってしまい速力が落ちるため
風下にいても単独走行した方が結果はいいそうです。
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わー!横風を受けてヨットが傾いたまま走行しますが、船底に重いバラストが積んであるので転覆はしません。
セールは中央のメインセールと前側のジョブセールの二つを駆使して風を受けます。
本当に風力だけで走行できます。
素人的には追い風をセールに受けて進むのかと思っていましたが
マストの横に付いているポールでセールの方向を変えてセールの背面を流れる風の揚力を利用して引っ張られているらしいです。
風を受ける方向はポールの向きとオーナーが舵取りを行っているので自在に変えられますが、目標物に到達する距離が伸びたり
失敗すると通過できなかったりするので
この風を読む計算に緻密さが要求されると思います。
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デッドヒート中のヨットたち。
駿河湾らしく富士山を背景にレースする姿は優雅なものです。

今回はエントリー台数17ですが
船の規格がバラバラで
2輪でいうとセローからCRF450くらいの差があるそうで、速い船にゴールタイムを加算するハンデレースで総合9位という結果でした。
IOTAは遅い方だということで、まあまあ順当な身分相応の結果だそうです。
トップクラスはロンドン5輪の日本代表もいたらしいです。(チンプンカンプン)
画像の黒っぽいセールはカーボンファイバー製で軽くて強いそうですが、1幕100万円くらいするそうです。一般的にはサテン生地使うそうです。
レース終了後はヤマハマリーナのクラブハウスでテクニカルアドバイス(居眠りして聞いてなっかった)
と表彰式、バーベキューパーティーなど開いていただいて、エントリーフィーはクルー1人あたり2千円という安さ。
お金儲けではなくてマリンスポーツの衰退を防ぐ目的のイベントでスタッフも手弁当でやっていただいているみたいです。メーカー色や販売店がらみが一切なく、大人っぽい社交的なスポーツだと感じました。
年に5回くらいやっているそうなので、機会があったら参加してロープワーク挑戦したいと思いました。

CIMG3416.JPG

スタート地点に戻る様子、ほぼ追い風を受けるのですが
ジョブセールの色と形が違っていますね。
スピンというセールに付け替えますがこれが時間に影響するテクニックなので
大忙しで作業するクルーの真剣さに惹かれました。







大事なこと思い出しました。
ヨットなんてお金もちの道楽じゃないかと思う人がいるかもしれません。
学生時代からずっとヨットレースしている人は必ずしもそうでないことを言いたい。
なぜなら、40年以上クルマやオートバイに乗っていない、免許さえ持たないでヨットに没頭しているとすればこれに掛ける情熱の強さを伺い知るでしょう。
自分はクルマ、オートバイに相当無駄使いしてきたものだなと気がつかされる経験でした。
逆に言えばこの道しかないと思って集中しているときは、別のことは考えられなくなるのかもしれません。

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