3月の予定

430チャンバーは残り1本になりますので、次の予定を考えなくてはなりません。長期滞留車の最後になりますが、KR250です。
これまで長期預かり車の特注マフラー製作に集中していたわけは、作業スペースを空けて、3年ほど前から頼まれていた750SSのトリプルチャンバーを作り直す予定があったからです。ああいう大きい車体を取り回すためには場所に余裕がないとできません。
CIMG3340.JPG
84年型カワサキのレーサーレプリカKR250です。
78年から81年まで世界GP250ccクラスを4連覇した当時最速レーサーの技術をフィードバックしたタンデムツイン、ロータリーディスクバルブというユニークな構造です。
しかし、GPレーサーのようなスッキリとしたレイアウトとは程遠いスタイリングで補機類が詰め込まれた隙間をエキパイがクネクネと曲がっておさまっているデザインです。
黒塗装されたチャンバーのレイアウトは実車を前にしても分かりにくい複雑さで全く自由度がありません。
そのため良案が浮かばず10ヶ月も放置してしまいました。
オーナーが北海道在住で雪に閉ざされた冬は引き取りも無理だろうと思って春ころにできればいいかと思っていましたら、今月取りに来ると電話がありましたので「それは無理です」と答えたら5月に伸ばしてもらえましたので、1ヶ月くらいかけてツインチャンバー製作してみたいと思います。
先ずは試乗してエンジン特性を探ってみようしましたがエンジンがかかりません。
長期預かりなのでバッテリーのマイナス端子は外しておいたのですが、電圧が5Vくらいまで落ちていてこれが制御系を動かす電力が不足しているのだろうと思って新品バッテリーに取り換えて、再キックしますが、全くかかりません。2本のスパークプラグを外して点火を確認したら火花は正常です。
あとはガソリンが来てないと思って、燃料コックをいじったら大変なことになりました。
CIMG3339.JPG

このコックは負圧コックらしく、RES(リザーブ)、0N、PRI(プライマリー)という表示になっています。
通常のOFFはありません。エンジンが回っているときだけ負圧コックが作動しガソリンが降りてくるしくみです。
したがって運転時はON、ガソリン残量が少ないときはRESの位置にしますが、長期間停止したあとはPRI、すなわちダイレクトにフロートチャンバーへガソリンを降ろしてからONまたはRESに戻して始動する手順です。
先ほど始動できなかっった理由はRESの位置だったからですね。
それはわかったのですが、PRIにした直後キャブレターのベントホースからガソリンがダダ漏れになって、あっという間に床がガソリンまみれいなりました。大変危険です。工場内なのでストーブ付けていたら火ダルマになって人生終了していたでしょう。
これはキャブがオーバーフローしていますね。フロートバルブがイカレテいると思いますので直すまで試乗は不可能です。エンジン掛かりはしますが全く吹けないので、時間があるときに修理することにします。

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