2024年3月アーカイブ

CR125の最終モデルのアルミフレームですが、このような亀裂は珍しいので公開します。
19年前の機種なので純正部品も廃番かもしれません。中古フレーム探すのも煩わしいですね。
IMG_2211.JPG

ヘッドパイプの前側、上から中央付近まで亀裂が入っています。
大変大きな不具合だと思いますが原因は何だったのでしょうか。

この素材はジュラルミンを鍛造で成形した物ですが型の合わせ面に見られるパーティングラインに沿って割れているので
製造工程で欠陥が生じてステムパイプからの荷重を受けて口が開いたと推察されます。

ここでは不具合の原因解析をする立場ではないので使用可能な状態に修復する作業をしたいと思います。

IMG_2213.JPG

亀裂に沿って溝を掘っています。
肉厚の厚いアルミパイプなので溶け込みを深くするため溝の底から溶かすようにして
溶接強度を増すためです。










IMG_2214.JPG


先ずパイプ部分の縦割れを溶接しておきます。
ベアリングの圧入部分は片側に大きな熱が入る溶接なので
真円が歪んで使えなくなる恐れがあります。
そのため圧入部分は切断して
新たに加工した部材を結合させる方法にします。







IMG_2218.JPG

切断した上部に新たに加工したベアリングの受けを載せてあります。

パイプの全長は切断前に測っておいて
接合後に同じ長さになるように調整します。

ベアリングの圧入代は現品を計測して同じ寸法に加工してあります。








IMG_2216.JPG

恐らく溶接過程で傾いてくると思われるので
パイプの内径φ45に軸を圧入して同軸度を保証しています。
軸は溶接後油圧プレスで抜き取ります。











IMG_2219.JPG

パイプを全周溶接して修理完了です。

純正部品と見比べなければ、最初からこのような作りだったように思うでしょう。

同梱されていたボトムブラケットとアッパーブラケットを装着して操舵確認しましたが
違和感なく操舵できましたので
これで出荷させていただきます。



モトクロスシーズン開幕、関東選手権第1戦は先週終了。再来週には全日本選手権関東大会開催の
この時期に、主力機種ではないにも関わらずYZシリーズのチャンバーとサイレンサーに時間を費やします。
IMG_2208.JPG

右側の少し小さいのが65チャンバー。
左の二つは85チャンバー
それぞれサイレンサーとセットの商品となります。

新型のYZ65とモデルチェンジされたYZ85発売当初から製作していて
既に実戦経験豊富な仕様のエキゾーストパイプ達です。

出荷先は決まっているので在庫はありません。
ご注文後の受注生産のみ対応できます。


IMG_2210.JPG

今回は新しい試みで、通常アルミサイレンサーはバフ研磨仕上げでしたが
オフロード走行の宿命で土砂のスプラッシュ攻撃を受け、アルミ表面が荒れて外観が損なわれてしまいます。

その都度磨けばよいのですが、中々手間がかかります。
そこで表面硬度を上げてアルミ表面の劣化を防ぐ効果で、ガンコート仕上げしてみました。
金属表面と塗膜の密着を強固にするため
サンドブラスト後、ハイブリッドプライマー+ガンコート、170°Cオーブン焼き付けという
高度な塗装技術をビンテージMXでお世話になっているHollyエクイップさんに発注して施工していただきました。費用はサイレンサー本体と同等くらい掛かりますが、この際採算は度外視で商品性向上の見極めのため実施することを決めました。(一般のお客さんに進言するための確認作業です)

IMG_2209.JPG


全日本選手権第1戦から投入予定です。

外観で直ぐにわかるようになっているので
ご興味のある方は探してみてください。

21モデルKX250Fは新型とはそれほど違いが感じられないので今更ですがスペアエキゾースト製作に
着手します。
KXのオーナーさんは気付いていると思いますが、エキパイ、ミドルパイプ、パイプエンド、ノーマルは鉄です。大した重量メリットは無いように思いますが部品を外して手に持った瞬間に分かるはずです。

IMG_2197.JPG

エキパイは管長を主体にモデルチェンジされていますが
21モデルからすると若干の延長と
レゾネータ寸法形状などが違うところです。

難関はφ35からφ45までの拡管ですが
油圧のパイプエキスパンダーは導入していないので(コストの問題)
切断したパイプに油圧プレスでマンドレル(芯棒)を押し込んで広げる方法です。





IMG_2198.JPG

テーパー状に滑らかに接続したいので
φ35⇒φ38.1⇒φ42.7⇒φ45、という具合に
3段階で拡管しております。

扇形の板を巻いて繋ぐ手法もありますが
パイプの板厚が1.2tなので同じ板厚のパイプに揃えた方が内径、外径の段差を極力無くすことができます。
レゾネーターは最もシンプルで横幅が増えない円筒を上乗せするタイプ。
ノーマルのようなプレスのチャンバーより
容積の計算が容易なこともメリットの一つ。

当然容積で排気騒音も変わるし、パワーフィーリングにも影響するはずです。

業務の都合でサイレンサー部分は後日製作実施する予定で、ノーマルサイレンサーと組み合わせです。