2023年3月アーカイブ

ジュニアクロスの入門車、YZ65のチャンバー製作の依頼を地元のお客さんから受けて
ワンオフですが製作しました。

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初めて作るチャンバーはパイプのカーブを決めるために、円形の鉄板を鉄棒に刺したモデルを作って検討します。

円形はパイプの内径を鉄棒は長さを表します。

計測したチャンバーの図面を起こしてストレート図を描いて直線の串刺しモデルを作り、
車体に合わせながら手曲げでカーブを決める作業です。
そして造形された曲げカーブになるように
板金の展開図を作成して水圧成形でパイプの基を製作します。

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溶接接合する前にパイプの外径や長さを測定して、設計値に合っているか確認します。

違っていたら展開図の寸法を調整して
再度、水圧成形することを繰り返して
図面値に近付けていきます。




構成部品が全て溶接できました。



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車体取り付けしてシリンダー横、ケースカバー上等の隙間が適切であるか確認します。

サイレンサーはノーマルでフィッティングしましたが、YZ85と位置関係が共通のため
後日サイレンサー製作とします。

次の関東選手権から出走すると思うので
性能は証明されるでしょう。
ノーマルから諸元変更しているので
良い方向へ向かうことを期待します。

20代のころスクールボーイと呼ばれた童顔だった僕がついに今月60歳の誕生日を過ぎてしまいました。
モトクロスは10代のころからやっているので40年以上経験しているわけですが、ド素人から始めて
20代半ばでピークを迎え、後は衰えていく一方でしたが今では健康維持するのに欠かせない運動となってしまいました。
日常生活ではありえない大きなGが体に掛かったり、荒れた路面状況や相手との駆け引き、どれをとっても老体にはきつい運動であることに違いありません。
唯、無謀なことをやるのでなく自分でコントロール出来る範疇で楽しむということが大事なのかなと思って

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23年ぶりに関東選手権エントリーしてみました。
人生で3回目のノービスですが今回が最もタフなレースだったように感じます。

肉体が衰えたせいもあるのですが、他のライダーが圧倒的に若く
若くなくても最近までインターナショナルだった人が降格申請して出ていたりで
自分にとって有利な条件は何もないのです。
2組しかない予選も落ちたら終わりと思って緊張したし、
ちょっと難しい路面コンディションだったので安全ペースで予選通過を目指したので順位は13位で決勝グリッドは26番手だったので
OFVのスタートでは圧倒的に不利なアウト側しか空いていません。
スタートダッシュは上手くいきましたがイン側に大量のライダーがひしめいているのでアウトラインギリギリで攻めましたが隣のライダーの転倒に巻き込まれ大転倒!投げ出されて頭から地面に落ちたので
頸椎が折れたかと思いました。起き上がって止めようと思いましたが体が動いたので走ってみました。
3か所ぐらい打ち身で痛かったですが我慢して走って26位。
まあ還暦ライダーだから上出来だろうと納得しました。
ヒート2も痛い体を押して、やはりアウト側から渾身のスタートで集団に飲み込まれながら、ズルズルと後退して23位になりました。
ノーポイントでしたが大した怪我もなく走り終えた安堵感と筋肉痛で明日からの活力を得た気分になれました。
60歳からのモトクロス、いろいろ目標はあるのでもう少し頑張っていきたいと思いました。

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年末にNSF用カウリングをNSRに取り付けしていたのですが、それの塗装が仕上がったので組み立てしました。
確か去年12月に桶川スポーツランド走っているので3か月ぶりにサーキット練習も行く予定にしています。

オフロードとは違ったスピード感とライン取りなので
何としても身に着けたいライディングテクニックなのであります。





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因みに赤色はホンダのレッドではありません。
お得意先の自動車板金屋さんに頼んで
フェラーリのレッドにしてもらったんですが
フェラーリのレッドは年式によって4種類くらいあるらしく、これがどの色かは定かでありません。


気温も上がってきたので、これからバイクシーズン到来の感じです。
(仕事の合間ですけどね。)


箱型マフラーの内部が判明したので、同様のパイプワークでノーマル風に作っていきます。

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長いダウンマフラーですが、
500ccの単気筒の排圧は高く
限られた車体サイズの中では排気管長が足らないということで
チャンバー内でUターンして
チャンバーで膨張した後
第2の部屋へ内部のパイプを通って
サイレンサー側に抜けていくという寸法。



これでようやく箱を閉じることができます。


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マフラー全体が出来上がったので
車体に取り付けて収まり具合をチェックしてみます。

隙間が少ない部分はこの段階で修正しておきます。
ステップ廻りやリヤフォーク横の隙間がギリギリでした。

キックも忘れずに踏んでおきました。
ダウンマフラー作った時はお約束ですね。




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ヒートガードは支給されていたので
取り付け確認しました。
ネジ穴位置もコピーしましたので
イイ感じに付きました。

これが往年のXTスタイルなんですね。
中々手間のかかる作業でした。






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72年頃、新車で販売されたときは
それ程高価な車体ではなかったと思いますが、50年先まで走らせることを想像した人はいなかったではないでしょうか。

特にマフラーなんて薄板の鉄に耐熱塗装を施しただけの部品が半世紀も原形を留めていることが奇跡のようですが
腐食して穴が空いたオリジナル品は貴重なので実走に使用することはなく
レプリカ品作って、ガンガン走っていただければ幸いです。


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リヤショックを避ける形状の異形なテールパイプは、どのように作ろうか悩みましたが
最短期間(費用)で仕上げるため
このような板金製作にしました。

内部確認のために切開したオリジナル品は
使う予定はないと思いますが鉄板で塞いで
保存してただきたいと思います。


長期間(10か月)滞留してしまったXT500マフラーも大詰めを迎えます。


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錆び止めに耐熱ブラックに塗装して
外観はノーマル・ルックになりました。
カスタムバイクではないので
他車と違う自己主張をしないことが重要ですが、図面なしでオリジナルの寸法を再現することが簡単ではないことが分かる経験ができたように思います。

同じ物を二つ作る気力が残ってないので
これっきりのワンオフ製作にしておきます。
(ラインナップには加えないという意味)