2019年2月アーカイブ

去年フルモデルチェンジされたCRF250Rなので新設計デュアル・エキゾーストのヒートガードも
設計者が一生懸命デザインされたと思いますが
如何せん、ガン鉄製なのである。肝いりのレーサーモデルは少なくとも軽合金を使っていただきたかった。
まあ、性能には関係ない部分だし、世界中でエキゾーストは取り換えられてしまうことを考えると
コストを抑えたかったということが想像できます。
そんなヒートガードですから、私は要らんかなと思って外して乗ってきたのです。
ところがレース中の転倒でマシンを起こす際に、焦ってモトパンが熱いエキパイに触れてしまうのです。
新品のモトパン溶かして、2回も膝に穴が開いてしまったので、こういう場合のためにヒートガードが必要なのだと気がつきました。

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上がノーマルのガン鉄
しっかりとした作りで、シルバーメタリックのカチオン電着塗装を施してあります。

下はオリジナル、アルミ製ヒートガード。

こだわりはエキパイの形状に沿った形に成形したところ。

穴開けは軽量化と風通しをよくするため。







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Rサイド取り付け状態。

サブチャンバーが乗っかった特徴的なエキパイ形状に合わせたカバーになっており

ステンレスバンドで取り付ける部分にガスケット材を挟んで締め付けてあるので
断熱効果もあるはずです。







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Lサイド取り付け状態。

こちらはシンプルな2次元カーブです。

膝元がエキパイに触れる部分を全域カバーしましたので、ナイロン製のモトパンを溶かすこともないでしょう。


ここで、「何無駄なことしよるん、ノーマル付けとけばエエやん」
と仰る人もおられるでしょう。

自分で気に入るためには作るしかないということを実践しているだけです。

イゴール・アクラポビッチがバイクレーサーだったころ、同じことを思ってマフラーメーカーになったという話です。

会社員時代、最初に配属された部署名。85から87年の3年間でしたが
埼玉製作所での2輪生産の歴史も同時に終わりました。
当時担当していた市販モトクロッサーシリーズ、KA3、KA4、ML3という機種で、車名が
CR125、CR250、CR500を同時期に量産立ち上げるための確認テストをすることが仕事でした。
実走耐久は別のグループが担当して、私は主にフレームやリヤフォークの単体耐久。
フレーム単体耐久とはヘッドパイプやリヤショックアッパーブラケットを剛性のある治具で固定し
シーケンス制御したソレノイドバルブを使ってエアシリンダーを作動させ、ステップを下方に引っ張り、加重を繰り返す耐久テストです。
入力の数値は実走応測で決めます。事務局が国際A級ライダーに連絡して雇い、桶川のモトクロスコースを走ってもらいました。フレームには応力の高そうな場所に歪みゲージを貼り、一回の計測で50か所くらい応力を測定します。
ライダーには当時は磁気テープでデータを収録するアンプ内蔵の特注レコーダーを背負って走っていただき
大ジャンプの着地など最大応力が発生する数値を再現した加重を台上でシュミレートして耐久条件としました。
社内の基準では100万回繰り返し荷重して亀裂が発生しないことを合格としました。
耐久終了後カラーチェックで亀裂の有無を調べ、もし亀裂が発生したならば、対策要求票を設計部門に送って設計変更の検討をするという流れです。
これを量産する前に確認して不具合を洗い出さないと、販売してから問題発覚することになるので重要な業務内容であったと思います。
86年からAMAモトクロスは市販車ベースのレギュレーションに(ワークスマシン禁止)改変されたので
私の勤務した工場からDベイリーやRジョンソンが乗ってAMAモトクロスを戦ったCRを送り出したことが、人生で最も充実した仕事の一幕ではなかったでしょうか。


その後、職場は4輪の部品品質係に移動となり、新機種プロジェクトや新工場建設プロジェクトを経て退職し、物作りの世界へ入ってきましたが、退職して28年、完成車技術課時代から34年経っても
モトクロッサーからは離れられませんでした。

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2019年MCFAJモトクロスシリーズも
今日開幕しました。

MCFAJは96年から走っているので23年も続けていますが、止めれない理由は全然納得いってないからですね。

最近は高齢化のため体力の衰えも著しいことは自覚していますが、なんとか衰えに歯止めを掛けたいという強い熱望からです。






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オフロード仲間のサノさんやハセガワさんがスタートグリッドまで手伝いにきてくれました。
足届かないので助かりますね。

なんとスーパーベルレーシングのヤマグチさんまで
コース脇で確認できました。
大した走りはできませんが
強風のコンディションでこれが精一杯の走りです。
SEクラス16台中ヒート1、10位ヒート2、12位の総合11位という結果でしたが
老化防止が主目的なので、また次回頑張って走りましょう。






全日本シーズン前になると毎年作っている気がします。
YZ250Fのノーマルマフラーを改造しているのです。

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マフラーを変更するには根拠が必要です。
手間をかけて作り変える根拠があるのですが、ノウハウに関わる部分は公開できません。


そのかわり、マフラーの役割について解説しましょう。

多くの人はマフラーは排気を促進する機能があると思うでしょう。
それは逆で、排気を滞らせる役割を持っているのです。

排気ポートが開いて高温の排気ガスが音速で排出されエキパイを通ってマフラーへ達しますが、排気ガスは水の流れのようにパイプを流れているわけではありません。
圧力の高いところから低いところへ移動(膨張)しようとして
高圧の燃焼室から圧力の低いマフラー側へ移動すると考えるのが正しいです。
そして排気ガスが必ずしもパイプの後ろに移動するわけではありません。
排気ポートが開いていれば燃焼室へ戻りますし、吸気バルブも同時に開いているタイミングではインテーク側まで達します。(バックファイヤー)
以上のことを踏まえて、音速で移動した排気ガスの後に起こることが問題になります。
移動した排気ガスの後は真空状態になります。
このことを利用してマルチエンジンでは次の排気を負圧で引張り、排気速度を増す集合管の方法がありますが、ここではシングルエンジンに限定して考えます。
もし、マフラーが無かったらどうなるか、排気は一瞬で完了して大気中に爆音となって拡散していくでしょう。最も早い排気の状態ですが、それと同時に燃焼室内に吸入された混合気も負圧で引っ張って排出するでしょう。
直ぐに排気ポートが閉じて混合気の一部は燃焼室に留まって、次の圧縮、燃焼へ繋がっていくでしょう。
そこで排気された一部の混合気は本来燃焼してエネルギーになるはずのものが、無駄に排気してパワーダウンを起こす要因となってしまうわけです。
上記は分かりやすく極端な例を挙げましたが、要するに抜けのいいマフラーがパワーアップする根拠にはならないということです。
音速で排気された後の真空を適当にコントロールできれば吸入された混合気を逃がさないで本来のパワーを発揮することができると考えるのです。
それができるのが、排気の圧力を適当に減衰させるマフラーです。

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純正のマフラーですから中身に問題はありません。信頼性の高い構造を採られていますから使わない手はないです。
排気ガスの圧力をコントロールするのに
エンドパイプの仕様を変更して調節しているわけですが
金型作って成形するには生産数が少ないですから資金的に無理です。

そこでステンレス板を板金して拵えて、現実的な価格に抑えようとしています。

異形断面のサイレンサーにインサートして
φ5の穴8か所がずれることなく一致しなければ装着不可能なので非常に慎重な作業です。

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サイレンサー本体に仮組みして
8か所の穴にM5ビスを取り付けて装着確認後、バフ研磨して完成です。

ノーマルはリベット止めなのでM5ビスに変更することでメンテナンス性が向上しています。





明日は積雪の予報なので発送は週明けということにします。





これは仕事の時間外でやっている自己啓発です。
寝る時間が遅くなるだけですね。

日曜日に練習行ってローンチ使ってみました。
手助け無しにセットすることには成功しましたが、不具合もわかりました。

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不具合とは走行中にフォークガードに加締めたリベットがアルミのリングを擦ってガリガリと音をたてます。

もう少し薄型のリングが必要です。

そこでステンレスバンドにストッパーを溶接して薄型リング作りました。
アルミ製より2mmクリアランスを確保することができました。






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こっちの方が見た目もスッキリですね。

ステンレスバンドなのでフロントフォーク外さないで取り付けできるようになりました。










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これで走行中も擦らないでしょう。

静的な測定ではクリアランスあったのですが、振動でフォークガードがしなって当たっていたようです。
やはり稼働部分は動的な検証をしないと
わからないものです。

本番まであと一回練習に行くので再度確認です。