2012年7月アーカイブ

私は言い訳をしなければなりません。これで許されることとは思っていませんが、競技者、製造者、顧客などの立場を考慮した結果このような処置をとることにしました。

マフラーの製作依頼を受けて順番に作業を進めていますが、手作業のため2ヶ月程度お待ちいただいている状況ですが、突発で頼まれる依頼に対応しなければなりません。

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レース中のアクシデントでマフラーとサブフレームが曲がってしまい、タイヤがマフラーに擦りながら走行した結果このようになりました。

折れ曲がったジョイントパイプ、切れたバンド、エンドキャップ割れ、が損傷箇所です。

パーツを取り寄せて交換したらどうか?と言いましても高価で買えないと言います。

しかし、スペアの新品マフラーは来るということなので、これに金を掛ける気は無いということです。

それならば、金が掛からないように修理方法を考えなくてはなりません。金は掛けませんが、時間は丸一日掛かっていますので、その分お待ちいただいているお客さんの仕事が遅れるということです。時々、突発の仕事が入りますので作成した工程表の通りに予定が運ばないことが言い訳の内容です。

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ここが折れ曲がったジョイントパイプ部分ですが画像は炙り戻した後です。若干のシワが残っていますが、マフラーの向きは正常に修復できました。

曲がったサブフレームも正常な位置に戻して取り付け状態を回復しておきます。

 

 

 

 

 

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割れたエンドキャップはプラスチック製です。

このパーツは単品で購入できないそうで、マフラーASSYで8万円掛かるということで迷わず製作です。

コストを抑えるため鉄板で板金製作です。

仕上げはつや消しブラック耐熱塗装です。

 

 

 

 

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擦り切れたカーボンバンドは単品購入できるらしいですが1万2千円掛かります。

ここもアルミステーとステンレスバンドを作って代用です。気に入らなかったら部品発注してください。

オリジナルを見たことが無い人は改造したことが分らないでしょう。

07年を最後に生産中止になってしまったCR85ですが、ここに保存されようとしている1台があります。

05モデルを私も所有していましたので、チャンバーとサイレンサー、アルミサブフレームなど作っていました。MFJ公認レースではサブフレームの純正以外の使用を禁じていますので、趣味的使い方が目的です。中古で入手したサブフレームが歪んでいたらしくシートが取り付かなくなっていたのを修正に持ってこられた車両です。

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サブフレームの歴史は83年モデルCRシリーズ125、250が最初です。それまではシートレールがメインフレームに溶接されていましたから、クリーナーBOXの脱着性が悪かったり、シートレールが大きく曲がったときは直し辛かったでしょう。

アルミサブフレームを初めて作って一般向けに販売したのはトライアラーRTL用で、川越街道沿いのホンダショップ和光で扱っていました。

製造はドリーム・トキで、CR用も作っていて神戸のワールド零パワー(杉尾良文さんの店)でも扱っていました。

それ以外ではアルミサブフレームは成りを潜めていた感じでしたが、MFJレギュレーションで使用禁止では現役レーサーはレースで使えませんから仕方ないでしょう。

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なんと、この車両は我社のチャンバーとサイレンサーもチョイスしていただいてます。

サスペンションもブリッツ・シュネルでモディファイされているようで、大人のミニモトという感じに仕上がっています。

2ストCRは段々部品が無くなっていき、現在レースで乗っている人もいずれは、別の車両に乗り換えていくことになりますので、いつか誰も持っていない時期が来るでしょう。

そのときに本当に貴重な1台となっていることでしょう。

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苦労して作ったサブフレームもカバーをつけてしまうと、殆ど見えなくなってしまうのが残念なとこです。

 

これは30年前に高専の同級生に撮ってもらった写真です。場所は松山オートテックの駐車場

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82年このころは昼間は学校、夜はクラブでバーテンのアルバイトやっていて、親に内緒でCR125の中古車を買って練習していました。このころでモトクロスは3年目でしたからモトクロス始めて33年も経ちます。

このあとコースで前転して初めて骨折を経験するのですが同級生と軽トラックで来ていたので帰りは助かりましたが、骨折を親に報告するのに焦りました。「階段から落ちた」とか嘘をついて騙しました。

親にバレないようにしないと止めさせられると思っていたので必死でした。

勉強もしないでオートバイの練習をするなどという行為を認めるような家庭ではなかったのです。

体力だけは無尽蔵かと思うくらいありましたので学校が終わって、毎日7kmくらいランニングしてからアルバイトに行っていました。今では当時の2割くらいしか体力も柔軟性も残ってない感じなのでモトクロスするのも相当疲れます。従って仕事に差し支えないようにあまり乗りに行かなくなってしまいました。

会社員辞めたころから転落人生で、自営業は定年はありませんが、退職金も厚生年金もゼロですからいつまで働けるかが、老後の生活に係ってきます。あと10年で高齢者と呼ばれる年代に突入しますので気力を強く持っていかなくてはならないと思っています。

そういうわけで、また古い音楽ですが、このジャンルの曲が最強であると思っているのでFIGHT MAN

'>野呂一生と渡辺香津美が一緒にやるなんていうのは2度とないことなので、これは残しておかなくてはなりません。

しかし野呂さんのギターはカッコイイ、どうしましょう。

96年型CR125のチャンバーです。弊社創業当時93年型CR125を所有していましたので、CR125チャンバーの製作、修理が主要な業務であった時期もありました。

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既に個体数が減っていますので、これで最後の修理と思い紹介します。

凹み具合は普通です。車体が横倒しになったり下から石などが当たればこのようになります。

 

 

 

 

 

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ホンダ純正チャンバーの特徴としてプレス部材を接合してパイプ状にする「シーム溶接」という工法が採られています。

これはガソリン缶と同じ工法で、いわゆるモナカ構造の接合部分を二つのローラーで挟みつけながら抵抗溶接していますので、接合部の気密性が高い工法と言えます。

しかし、シーム溶接の欠点としまして、プレス成型時に生じる板厚の減少と直角に折り曲げた断面形状が切り欠きの効果となって排気による高周波の振動で亀裂が生じることです。

亀裂が発生して運転を続けていると亀裂が伸展して、鉄板が欠落することもあります。

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このようにシーム溶接のリブの上から凹んだ状態ではリブが突っ張って、元に戻るのを邪魔しようとしますので、凹んだシーム溶接を削り落として溶接します。

 

 

 

 

 

 

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亀裂が入ったシーム溶接も削り落として突き合わせ溶接とします。こうすることで振動をうけても亀裂が入り難くなります。

欠落した部分は鉄板で塞ぎ、くもの巣状に伸びた亀裂も溶接して、水圧成型の前段取りができました。

古いチャンバーは内側にオイル分が付着していて、溶接は上手くいきません。鉄板が解けるときに内側で勝手に火がついて溶接ビードに気泡が混じってしまうためです。根気強く何度も修正する必要があります。

 

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下側のリブを削り落とすことによって凹みが盛り上がってきました。

パイプの強度が落ちていますので、あまり高圧はかけられません。水圧によって新たに亀裂が生じてしまいますので、いい加減で止めておきます。

 

 

 

 

 

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欠落部分を修復すれば主要な凹みも直ります。

亀裂は発見した時点で直しておけば、このような大作業には至らないで済んだでしょう。

このCRは大学の2輪部所有だということで、理系の大学であれば修理可能な設備をお持ちのはずですので、次回は是非、部活動で修理トライされるとよろしいかと思います。

難しい理論は必要ありません。手先の技能が如何に必要であるかが分る題材でした。