工場板金

どこの自動車会社でもあるかどうかわかりませんが、工場板金という技能があります。
自動車の車体は多くのプレス成型品を組み合わせて作られていますが
量産車は全て金型と大型プレス機を用いて作られた板金部品で構成されます。
しかし自動車会社では、どんな車種を作って売るかということは工場に勤務する社員では決められません。
世界的な視野に立って販売戦略を立て、新型車の製造計画を決めるのは経営者側です。
量産化するためには膨大なテストや製造のための段取りを行う必要があります。
量産以前ですから当然、金型もできていません。
その段階では試作品をハンドワークで拵えなければなりません。
そこで車体の板金部品をハンマーで叩いたり溶接接合してつくる技能を工場板金と呼んでいます。
本田の埼玉製作所でも工場板金の技能者は希少で、勤務時間外にベテランの技能者が講習会など行って人材育成していたと思います。
残念ながら私の所属した部署では自分で板金する業務がありませんでしたので習ったことがないです。

車体組み立てに必要な板金部品の主な協力メーカーは、エフテック(福田プレス)、菊地プレス、本郷ss
東プレ、でした。
足回り部品の機械加工で主な協力メーカーは柳河精機、山田ss、都築ss、武蔵精密、
どれも聞き覚えのある会社名ですね。協力メーカーに依頼する部品は自動車全体でいうと9割以上になります。外注できない部品(機密やこだわりの部分)以外は社外に頼った自動車製造でした。

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今は必要に迫られて
自宅工場で板金です。

なるべく溶接接合が少ないように考えて
所定のパイプを作るのですが
これだけ分割しないと取り回しできません。

接合部の真円度と外径寸法が合ってないと
溶接不可能になりますので、根気と慎重さが必要なので
ここまで作るのに二日掛かっています。





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これはCRM250ARのチャンバーとサイレンサーです。
20年間で一番注文いただいた機種ですが
まだ作っています。

月産台数はかなり無くなってきましたが
治具関係は捨てないで取ってありますので
いつでも受注可能です。

よくある質問で、「ステンレスかチタンで出来ますか」というのがあります。

答えは「やってないので幾ら掛かるか分かりません。」
多分ステンレスかチタンでスチールの量産並みの価格なら頼もうと思っているかもしれませんが
難しいので他の業者さんを当たっていただきたいです。



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