2017年6月アーカイブ

右手首から肘にかけて、物を掴む動作と右肘を曲げる動作のときに痛みがあり
通常の半分程度の力しか出せません。
右手首の捻挫をかばうことで筋に炎症が出た症状です。
外科的に直す方法は「安静にすること」なので
使っていると中々直らない怪我だそうです。
仕事で右手を使わないわけにはいきませんが
7月、8月はモトクロスはお休みです。
小柄なライダーは体重移動によるライディングには期待できません。
移動量が少ない代わりに腕力を使うことになりますので、怪我を直すためには
腕に負荷のかかることはやらない方がいいでしょう。

仕事の予定はバックオーダー関係で2か月程度かかりますが、
持ち込み予定の車両も幾つかありますので、お盆くらいまでは空きがないですね。

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今年の目標というほどのものではないですが

去年、ここへ行ったのが雨降りだったので
晴れの日にもう一度リベンジしたいです。

「元日本で一番海に近い駅」









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雨でもこのように澄んだ海なので
青い空の下ならどれほど美しいでしょうか。

もう一つの目的は、ここから100kmくらい南下したところにある
愛南町です。

そこには「紫電改展示館」があります。

太平洋戦争末期、松山基地の第三四三海軍航空隊から出撃した紫電改と米軍機が空中戦を戦いました。
南宇和海に墜落した同機を昭和56年に
水深40mの海底から引き上げ、修復した
日本でただ一機がそこに展示されているそうなので、愛媛県人として是非見ておきたいと思うのです。

出撃記録と搭乗員名簿も残っているそうです。
ご遺体は発見されていません。
その機体にどれだけの人が関わったか、最期の姿は永久に保存されていくと思うので
どうしても、体がいごくうちに行きたいところナンバー1です。
時期はお米と柿などを収穫するころに行く予定でおります。

先日、レッドブル・エアレースで、デモ飛行した「零戦」は飛行可能な唯一機の零として有名ですが
日本の保存委員会の人が自費で3000万円かけて運搬したそうです。
模擬飛行にかかる費用も整備代や操縦士の謝礼、保険などで一回1500万円だそうで
有料のイベント収入がなければ困難な状況だそうです。
貴重な戦争遺産ですが現物が保存できなくなったら、戦争の惨禍を語り継ぐことも難しくなるでしょう。
そういう意味で、飛べない機体でも実際に使用され墜落し、奇跡的に引き上げられ復元されたものを
見に行かない理由がありません。



実家の畑は、高速脇の平らなところは農家さんにお貸ししているので大丈夫ですが
イノシシとお猿が出る山の方は耕作放棄して雑草伸び放題です。
みかん、柿、栗の木などが植わっていますが、採り切れないので伐採しようかと思っています。
そうすれば人が入れるようになるのですが
年に一回くらいの帰省では時間が無くてどうしようもない状態です。
実家帰って重労働だけでは気が滅入ってしまうので息抜きに観光してくるのがいいかと思い
南予方面、旅行計画中です。
マツダのレーシングドライバーで2輪時代は世界GP50ccランキング2位だった故片山義美選手のことを
「刀が抜き身で立っているようだ」と形容したジャーナリストがおられたそうですが
抜き身の刀という表現が一般的に広まったのは1963年上映の東映時代劇「椿三十郎」だったのではないでしょうか。
山本周五郎の小説「日々平安」が原作で主演三船敏郎、敵役仲代達矢でした。
私が生まれた年に公開された映画ですが、ラストの決闘シーンが実に興味深いものでした。

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あまりにも速い殺陣で、どのように斬ったか見えなかったので静止画で検証しました。

左が椿三十郎、右が室戸半兵衛

これから決闘で睨み合っているのですが
普通の立ち合いより距離が近いのが気になります。








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半兵衛は普通に抜いて上段に構えようとしているところですが

三十郎は左手で逆手に持ったまま抜いていることがわかります。

どう見ても胴体を斬った太刀筋ではありません。









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医療関係者から、あんなに血が噴き出るはずがないと批評されたシーン。

血糊をポンプで噴射させる仕掛けですが
速すぎて見えないわけです。
斬ってないんですからね。

右手を峰に押し当てて斬る技は
天然理心流かと思いましたが
殺陣師、久世竜の演技指導だということでした。

リアリティーを求める黒沢明監督の映画では、この作品以降派手な流血シーンを演出することは無くなったそうです。
天然理心流は新選組の近藤勇や沖田総司らの池田屋事件で長州や土佐の尊王攘夷派の藩士を斬った剣術ですが
狭い日本家屋で刀を振り回すことなく至近距離で敵を倒す技術でした。
戦国時代の戦では槍や弓矢が主流だったという、遺骨の傷や鎧の損傷などから日本刀が戦闘の主流でなかった説がありますが、吉良邸討ち入りや池田屋事件の史実にある通り、槍や弓矢こそ屋内では使いにくい武器だったでしょう。襲撃は大概、夜で暗闇の室内ですから、柄を両手で握って広くて明るい時間の道場でやるような剣術は実戦的でなかったかもしれません。
劇中の台詞で「良い刀は鞘に入っているものだ。」というのがありましたが抜き身の刀では危なくて近寄り難いですからね。


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長年痛め続けた手首がついに、限界を迎えました。

転倒したときに右手を突いてしまうクセがあって、大怪我は免れていますが
骨と骨を繋ぐ靭帯が伸びてしまって
手首の痛みが直らなくなりました。

そして痛む手首をかばうためか、腕の筋も同様に痛んで半分くらいしか力が出ません。
モトクロスはいつ止めてもいいと思っていますが手が痛くて仕事できないようでは困りますので控えめにしておきます。


朝起きたときが最悪で、背中全体と両手首が痛くて、直ぐに動けないので血流が上がると少し楽になるため軽いストレッチしてから起きるようにしています。
この調子では10年後には運動できない体になっているかもしれません。


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今日は嫁のオートバイを取り上げて乗りました。
狭いコースで450は持て余すので
250なら少しは楽だろうと思いました。

それが3年ぶりに乗るマシンなので新鮮な印象でした。

とにかく軽快な取り回し、
エンジンは450より加速は悪いですが
よく回るし、高回転キープしないと走らない感じがミニバイクのようでもあります。
しかしフルサイズのサスペンションですから
安定性はミニバイクとは比較になりません。

要するに速さはともかく、乗り易いということです。
この車体にフロントエアサスは最も軽量です。乗る度に速度が上がっていくので面白くなってきましたが
手首が悪化しない程度で終了です。
右手首の動きは複雑で、特に右コーナーでは突っ込みのギャップをコラえながらブレーキとアクセルを操作してマシンを寝かして起こすという同時にいくつも動作がありますので、柔らかく動かない手首では難しいです。

CRF250は04年から発売されましたが、2年間はシングルマフラーでした。
05年に芹沢直樹選手が全日本参戦したときに試作のツインマフラーだったのを見て
シングルでも5万円以上するマフラーですからツインではコストが高くて量産はしないだろうと思っていました。
すると今のHRCでは量産を前提としないマシンの開発はしない。という言葉どおり06モデルからツインマフラーとして販売されたのでした。
そしてマフラーの仕様は毎年マイナーチェンジを受けて違う物に変更されていて、この09がキャブレター車の最終モデルなのです。
2010からFIが採用されているので09がCRF250キャブ車史上最も高性能ということになります。
ツインマフラーは二又のパイプのところがネックで排気抵抗になります。
出口が二つあると合計の開口面積が同等のシングルマフラーに比べて騒音が上がってしまう傾向があります。
だから騒音規制と排気効率の相反する性能のため毎年変わっていたと思います。
なので面倒なツインでなく、このマシンは旧型の450シングルマフラーを改造して付けています。

しかしながら、新めて乗ってみるとFIの優位さがよくわかりました。
特に低中速のツキの良さが全然違います。
キャブレターはパイロットスクリューで調整するだけの範囲がFIのマッピングでもっと詳細にセッティングできるのですから適うはずがありません。
いまさらキャブレターの時代は終わったと実感しましたが、この乗りにくいところをテクニックでカバーする面白さは残っていると思います。
具体的にいうと全開域はキャブレターでも遜色ないと思うのですが、低速が弱いので高回転キープしたクラッチワークができれば、FI車に付いていくことはできるかもしれません。

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そのクラッチなんですが
マグラの油圧に取り替えているので
メリットだけではないです。

ワイヤーと違ってクラッチの繋がるタイミングが分からないのです。
タイヤがトラクションしていくことでクラッチミートを認識できるのですが、手に伝わる抵抗が一定で分かりずらいようです。

昔、カツミ君が全ろうでオートバイ乗るのに
エンジン音が聞こえないから振動で回転数を感じ取ってギヤチェンジしていたという感覚に近いかもしれません。

人間の感覚は最初わからなくても繰り返し練習していくことで新しい感覚が身についてくるものでしょう。何をやるにも一緒だと思います。
私は本当に乗り物不器用で、クラッチミートできずに今日は2回、立ちゴケしてしまったことを白状します。(足届かないだけです)

ホンダのお膝元なのに低レベルな改造でメシ食べてる私ですが
工作する道具を持たないお客さんからすると、藁をも掴む思いで来るようです。
カネ次第で何でもできる世の中ですが、
普通は人並みな生活してオートバイなんぞに使える余裕はないもんです。
そんなことは承知の上での商売ですから、ウチでできることなら高いことは言わないんで遠慮なくご相談ください。

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どこやらのパイプ
内容秘密ですが
一部問題ありで、改造中です。
結構高額な商品ですが、
メーカーでは対応しないそうです。

エンジンも25時間でオーバーホールしないと壊れても知らないとわれます。
世界中で走り回って好成績は挙げていますが、モトクロスもロードレースやカーレース並みにお金かけないとまともに走れない世界になってきました。

すごく評判のECUメーカーがありますが
本体価格25万にセッティングサービス料
5万/1日では頼める人限られてくるでしょうね。年間契約は250万ですから普通の会社員では無理だと思います。
こないだも某H社の新車が走行4時間でクランクケース突き破ってバランサーでてきましたが
レーサーだから補償はうけられないんでしょうね。
恐ろしいことです。純正部品とはいえ不良品は混入することがあります。
仕様の問題で駄目な部品があるのですが、リコールにはせず内緒で設変される部品もあります。
怖いのは、お客さんが選べないので当たるか否かは運次第ということです。(滅多にないですけど
長いことやっていると何回か見ました)
07のリヤフォーク曲がる問題は私も当たりました。

こういうことをやっていては普通は疲弊してしまうので、日本では縮小モードですが
アメリカはやっぱりレースの本場です。
メーカーのサポート無しで販売店がスポンサーになって契約金(アマチュアのトップで2千万、プロなら億があたりまえ)レースの賞金も別枠で貰えるそうで、そこで活動するハードルは高いですが夢のある職業だと感じました。

フューエルインジェクテッド・CRF150も作ってしまうくらいエンジンパーツメーカーが揃っているんでしょう。(設計は2輪R&Dだと思います)
ホンダが全車4スト化した理由は排ガス規制をクリアする目的だったはず、
そのためにはFIと触媒コンバーターがなくては達成できないはずで
150のキャブレター仕様はいずれFIに置き換わると思っていました。
それの最終段階に入ってきたわけです。(フルモデルチェンジは近いですぞ)

私らは必死でやってもメシ食えなかったレベルなんで別の世界のことですが、裏の事情を聞いていると
下手な加工技術でも役にたてればいいかなと思いました。


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出来た。

何やったかは分かる人には分かると思います。
たまたま道具と材料があっただけなので誰でもできると思うんですが
メーカーさんは勿体ぶって対応しないんですよね。

口元の鉄の塊は内径のゲージです。
入ればOKってことです。

レースの話、日本で環境が整っていないから出来る子は世界へ出ていくんですね。
待っているだけでは何も来ませんから、
そして誰かが拾ってくださることになっているんです。
御目に適わなかったら実力がなかっただけということですね。
冷酷な現実です。

最近、TVなどで加計学園獣医学部の件が取り沙汰されていますが
建設中の学園所在地は愛媛県今治市、あのような田舎の景色が毎日放送されようとは
思ってもみませんでしたが
誰でも知ってる、しまなみ海道から松山道小松ICを繋ぐ今治小松自動車道の山側道路脇がその場所です。
私の小松の実家からクルマで30分という近いところですが
いきなり田園風景の真ん中に高架橋の高速道路が出来ているのですからびっくりしましたが
その高架橋から僅か100mのところに工藤家の畑があります。
実は先祖の土地ではなく、電力会社に勤めていた父が市街地開発の情報を得て、購入しておいたのでしょう。
高速道路の用地買収で道路脇の住宅はすべて新築豪邸に建て替えられていますが
わずか100メートル外れて補償金いただけなかった父親の目論見は外れ
地元の農家さんへ米30kgでお貸ししている状況です。
土地成金などというのは運だけだと思うのですが、道路計画を立てる特権階級の人が自分や親族、友人に有利なように働きかけるということは世の常であります。
「総理のご意向」なる文書は特権階級の間で大金を動かす手段の片鱗を見るような気がします。

特権というほどではないですが、会社の業務上でしか知り得ない情報をペラペラと外部の人にしゃべる自動車会社の社員。
それはそれは饒舌に新機種や技術関連の話を素人さん相手に講釈するわけですが、
自動車会社には機密保持委員会があって機密漏洩の事実が確認されれば、該当する社員は配置換えされます。
正社員は、なにも新機種に関わる仕事だけではないですからね。
車体組み立てやプレス課、溶接課、鋳造や資材調達も立派な正社員の仕事なんですから、従業員規約を守れない社員はドシドシ移動されるべきです。

06年ころでしたが、今度4バルブの150が発売されるらしいという噂がでていました。
開発者だけでなく、部品メーカーや車体組み立ての現場には、それを裏付ける現物が存在したでしょう。
それを見た者は、お友達や知り合いに言いたくて仕方がない。
私は、その150を業務でみていると推察される人物に聞きました。「4バルブ、もうできているんでしょう?」
すると「私の口からは言えません」
はは?ん職務遂行して守秘義務を貫く気だなと感じ、質問を変えました。「いつ出すんですか?」
すると「今年末、07モデルですね」
150とも、4バルブとも言ってません。暗に発売時期だけを教えてくれました。
見事守秘義務を守りながら、来年モデルの購入計画を立てろという営業トークにしてしまったのです。
そして、まんまと引っかかって07CRF150Rの第一ロットを予約していたのでした。


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06年に150待ちきれずに作ったマシーン

CRF125F(仮称)
CR85デイメンションで
アルミフレーム製作し、前後サスペンション移植。
エンジンは川越のエンジン技師
シンゾーファクトリーさんから貸与
お家芸のフルエキゾースト

XR系空冷2バルブエンジンなら負けないはずです。
モトクロスに重要な車体とサスがレーサー同等ですからね。
実際のところは2ストレーサーの方が圧倒的に速いですが
MX408主催の空冷2バルブ限定のレースに出て楽しみました。
150が納車されたら、これは必要ないんで解体してスクラップ行きになりましたので、遺影ですこれは。

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これはもっと昔、01ころですから4ストの250も発売されてなかったです。

きっかけは上腕骨折れたので、レースはもういいかなって時に
4ストモトクロッサー作って遊ぼうと思いました。
MCFAJのレギュレーションでミニモトは
2スト85まで、4スト170までと書いてあったので170近くになるビストンサイズを探したんです。
4気筒の600か2気筒の400とか取り寄せて寸法測定して、ピストンリングは流用でしたが、TTRのピストンハイトに合わせたオーバーサイズピストンとスリーブを特注しました。
ボアの限界はシリンダースタッドではなく、タイミングチエーンの穴だったので、これを2mmほど残したボアでノーマルクランクの160になりました。
燃焼室とヘッドガスケット、クランクケース拡大、ピストンスカートがバランサーに当たるのでスカート加工などしてエンジン始動できるようになりましたが
問題があって2時間くらいの運転でエンジンが破壊されるので毎週エンジン全バラ、10回くらい組直したと思いますが、3回目のピストン破損で止める決心がつきました。
私費でエンジン開発など止めた方がいいことに気つきました。
圧倒的に資金力があって優秀な技術者が開発してくれるエンジンを安価に買うことができるんですから
ただ、それを待っていればいいだけなんです。
結局、4ストレーサーでMCFAJ挑戦は叶いませんでしたが、6年後に誰でも150で走れる時代になったんです。改造していた当時からすると夢のようなことです。

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当時の残骸は残してあります。

特注のピストンと
自作の強化コンロッド

明らかにコンロッドの剛性不足と感じ
SCM435素材を削り出し
ロックウェル硬さ55度に調質してもらった
力作でしたが
2度と使われることのないメモリアルになってしまいました。


今度なんしよかなー

ホンダのリンク付きサスペンションの始まりは70年代の終盤でした。
ヤマハのモノクロスやカワサキのユニトラックは先に投入されていて
リンクサスとしては後発のホンダは天才開発者、上原研究員(当時)が考案した
ボトムリンク方式を選択しました。
キャッチフレーズは「ビギニングはソフト、ボトムはハードに」
リヤクッションのリニアな減衰特性をリンクを介することでピストンスピードが
2次曲線的に立ち上がる、プログレッシブ特性を実現しました。

PROーLINKとデルタリンクはホンダの商標ですが、最近この名称は使われておらず
クッションリンケージとしか表記されていません。
ちょうど私はプロリンク世代で、最初に乗ったホンダのモトクロッサーが最初の水冷エンジンでもあった81年型CR125でした。
そして83年にホンダ入社で秋に配属された品質管理室で車体関係の強度テストを担当していましたから
プロリンクを含むフレームやリヤフォークの単体耐久を行う業務に携わりました。
実は商標にあるデルタリンクはプロリンクの問題点を対策したデザインで
現在のCRFシリーズにも引き継がれています。
その問題点とは87年型まで続くブーメラン型のリンクの内Rが荷重によって伸びる方向に
リヤフォークの支点とテンションロッドの連結点の軸距離が変動するというものでした。
これは、リヤフォークの単体耐久で、リジッドのダミークッションに固定されたリヤアクスルに2トンの荷重をかけることで、目視でも確認できる弾性歪み(元に戻る歪み)がありました。
内側Rにひずみゲージを貼って最大応力を測りましたが降伏点に達する数値ではなかったので
問題とはされませんでしたが、市場から打ち上げられたクレームは1件だけだったと記憶しています。
そのクレームとは砂浜で走行中のCRがリンク破損したという内容でしたから
典型的な応力腐食割れの現象を表していました。
特に7075材は航空機などでも応力腐食割れ(高応力に沿って材料が腐食して割れる)の感受性が高いと言われているので、砂浜で海水に曝されたことが腐食を促進させた結果だと言えます。
そんな経緯でブーメラン型のリンクはデルタリンクにとして改良されていきました。

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先日、13年のリヤショックに取り替えようとした09型CRF250のクッションリンケージ

13とはリンクの距離が変わっていることに気付き、ノーマルのクッション性能を確認したくなり09のショックに戻しました。
車高は元通り高くなるのですが
初期のソフト感が出ると思い、こちらのメリットがいいかと思いました。







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こちらは13型CRF450のリンケージです。
寸法測定すると
リヤフォークが20mm、09より長いのに伴って、デルタリンクのピボット位置と
テンションロッド長が20mm伸びています。

ショックの取り付け長が15mm短くなっているのはアンダーブラケット部分だけ変更されており、
その目的は画像で分かるとおり
デルタリンクの角度が最初から立ち上がっています。
このことによってリヤホイールのストロークの初期から09より立ち上がるということで
減衰力が出る方向に設定されていることになります。
逆に09の方が初期がソフトということです。

ショックのバネ定数は標準で比較すると、09が5.3kg/mm、13が5.4kg/mmなので
13が固く設定されているのはリヤフォークが20mm延長されたことに対するリヤサス固さの調整だと考えられます。
リヤフォークの長さとクッションの取り付け長、そしてリンケージの寸法の3要素で構成される
プロリンク特性は上原研究員の設計の正当性を表すように
いつの間にか他のメーカーも類似した機構に落ち着いています。
違うメーカー間で特許関係の技術を使用するために、開発者どうしで取引きを行うことがあると聞きました。
当然、他の3メーカーはホンダに対して何らかの技術を使用することを許諾してクッションリンケージを生産しているものと思います。

今日は土曜日、朝起きたら家の前にCRF450が置いてありました。
先週約束したフレームの凹み修理のためです。

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ロアパイプが激しく潰れています。

口が開いて泥水がでてきました。

エンジン降ろしてやろうと思いましたが
溶接の範囲が大きいので
マウント位置が歪んだら大事になるので
エンジン搭載したまま修理します。

横に倒すので、前後足回り、ハンドル
ガソリンタンク、マフラーなど外して身軽にしておきます。





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ロアパイプは板厚3mmだと思いますが
4mm厚の板を当てて溶接しました。

先ずは内側から可能な限り肉盛りします。












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外側も同様に4mm板を当てて溶接です。

元のパイプ形状に整えて完了です。

ここまでお昼にできました。
午後1時間くらいで組み立てて終了です。

またぶつける所だから、これくらいの仕上げでいいでしょう。

こういうのはファクトリーのメカニックでも難しいのではないかな。
ていうか、自分のカネでやらなくていいプロの人はフレームASSY交換するでしょう。
修理することはアマチュアイズムなのかもしれません。
最近動画サイトで見るのだけど、水圧テストポンプを使った、チャンバーの凹み修理があります。
そのほとんどが失敗していて満足な修復ができてないことを示す動画でした。
どうやら、チャンバーの凹み修理にテストポンプが使われていることと
パイプを塞ぐ冶具を作ってトライしているようですが
ただ水圧をかけているだけで、ハンマーで叩く技術がないために破裂させたり
修復不十分な状態で諦めておられるようです。
それではテストポンプ代や冶具製作で出費しただけで役にたっていないのではないでしょうか。

2017MCFAJ第6戦OFV.JPG
これはチャンバーの製作過程で
パイプの溶接が完了した段階で
水圧をかけてピンホールや付け忘れがないか検査しているところです。

製作したチャンバーは全検していますが
30気圧かけて漏れなければOKとしています。

ある動画では弊社製のチャンバーを凹ませて修復する過程で破裂させてしまったのを見ましたが、僅か25気圧で破裂しているので、普通ではあり得ないことだと思いました。
推察されるのは、一般の鋼材では成分の保証はされていません。
鉄板の成分は均一でないはずですが
買い手側が選ぶことができないので、鉄板の強度にバラツキがあるということです。
リンや硫黄分が多い材料に当たってしまうと、運転によるダメージが蓄積されて
そこに凹み修理などという圧力をかけられたことで破裂したのではないかと考えられます。

そんな場合でも破裂した部分を戻して溶接し直せば修理可能な案件ですから
自分で修復トライして無駄にしてしまった一例だといえます。
プロの人ならともかく、滅多にやらない修理であれば出来る業者さんに頼んだ方が安上がりということです。

水圧膨らましによる成形では50気圧から70気圧くらいかけないとパイプが丸くなりませんので
鉄板自体の強度はそれに耐えられるものであります。

量産の金型でプレス成形したものは、もう少し厄介です。
高荷重で延ばされて成形されていますから、特にパイプの太い部分の端っこが板厚減少していて
1mm厚の鉄板が0.5mmくらいになっているので、水圧で修理すると凹みが直る前に亀裂が入ってしまいます。
それでも直し方はあるので、やり方が分からない場合はプロに任せるのが賢明でしょう。

そうは言っても自分で直したい気持ちはよーくわかります。
だから私の場合は自己流ですが、20年くらいで少なくとも200回以上のチャンバー修理をやってきたので、経験を積めばわかってくることだと思います。

軽井沢で痛めた右手首が、まだ腫れていて痛いです。
ペンで文字書くのも難儀なくらいなので、ハンマー振るとき激痛に耐えかねて床に落としたりします。
こんな状態なのに今週末はレースがあります。
冷静に考えると止めておけばいいのですが、来年どうなっているか分からない状況では今年しかありません。
冷静さを優先していたら何もできないでしょう。

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4ストモトクロッサーが初めて発売されたのが04年。
そのときからスロットルホルダーの構造は変わっていませんでした。
強制開閉なので、整備性と操作性そしてコストを両立した見事な作りだと思っていました。
しかし、操作性は新品の状態ならまあまあ動きがいいのですが
グリップパイプやケーブルに給油した潤滑剤の溶剤が揮発して粘度があがって固くなってくるとアクセル開閉が重たいフィーリングになってしまいます。

特にモトクロスはスピードの競技ですから操作の重いアクセルでは手が疲れるだけでなく開閉タイミングが遅れるので、入りたいラインから外れてしまったりするので
常に清浄化してスロットルやケーブルの摺動を滑らかに保つ必要がありました。

そこで2017年CRF450のスロットルとケーブルのセットに交換です。
実に13年ぶりの設計変更ですが、これは良いですよ。
まるで1本ケーブルの2ストモデルなみに軽い操作性です。
スロットルボディーの位置変更で若干ケーブルが短いのでワイヤリングを見直せば問題なく旧型に取り付きます。
これで痛めた右手首の負担を軽減できるでしょう。


ホンダは26年前に辞めた会社ですが、今思い返しても恐るべき企業でした。
4輪の足回り部品でドライブシャフトを真岡ssで内製している以外は全部品外注メーカーです。
ホイール、ハブ&ディスク、ブレーキ、ショックアブソーバ、アッパー&ロアアーム、スタビライザー、
主要な部品で社内製は一つもありません。
何故でしょう?
技術力が無い?
資金力?
いえいえ、社内で作るより既に実績のあるメーカーに頼んだ方が安いからです。
結果的に量産部品の単価を下げた結果、完成車の販売価格を抑えられたということです。
自社で開発している物は、もっと難しいことに挑戦しているのです。
例えば新材料の研究。
内製部品としてはボディーの主要パーツ。
鉄板の強度や耐食性を一般の鋼材より高めた特殊成分の材料を開発しているので
鋼板は新日鉄にホンダ専用の製造ラインを設けてコイル状に巻いて搬入していますので
ホンダと同じ鋼材は一般の材料商では買えません。

軽合金も同様に足回り部品、エンジン部品ともにホンダで開発した、JIS規格に特殊成分を添加した本田専用合金を鋳造や鍛造の分野で使用しています。
これら軽合金材料も、昭和電工、神戸製鋼、住友軽金属などのアルミ精錬工場から作ってもらっているので、やはり一般の材料商では買えません。

このようにメーカーと協力して開発して出来た部品を扱うメーカーを1次メーカーと呼び、
(本社購買が決めた発注先という意味が正式)
1次メーカーが信頼して後工程の一部を発注するメーカーを2次メーカー。
さらに2次メーカーが一部の加工や処理を依頼するのが3次メーカーというふうに
下請け、孫請けという関係が構成されています。
そんな孫請けメーカーでも大手さんから量産の発注が来たということで、
大喜びする企業がありますが無理もありません。
3次メーカーといっても不具合を出してしまっては親会社が被害を被るわけですから
そりゃどんなに小さい会社でも業績や保有設備など調べてから1次メーカーをとおして発注かけるので
なかなかホンダの量産なんか請け負える企業は少ないと思います。

内製部品で最もすごいなと思った部品はエンジンコンプリートです。
過去はFC(鋳鉄)シリンダーブロックでしたが、私が在籍中にアルミシリンダーに置き換わっていました。
アルミダイキャストのシリンダーブロック専用工場を敷地内に建設して製造しています。
鋳造技術は他のトップメーカーの工程を全て検証して練りに練った生産ラインなので
世界に誇れる鋳造技術でしょう。
そこに前出の開発した新材料を投入して作っているんです。
主流は3000ccクラスのV6や2800の直4でしたが
一体成形のシリンダーブロックに6発同時加工のホーニング、電鋳マスクによるニカジルめっき工程
全て一環した製造ラインで処理され、3D計測して合格品のみ組立て工程へ流れるというしくみで
一日に驚くべきことに2000基のエンジンを組み立てて生産ラインに乗せるという
スーパーファクトリーですから、ホンダの正社員は誇りに思ってよいと思います。

私ら下々の者にはとてもとても頭があがりませぬ。



補足ですが、何故新材料の開発を続けなければならないか、
省エネと高効率は同じ意味であることは分かりますね。
では、高効率化に貢献するのは部品の軽量化です。
軽量化のためには材料の強度を上げなければ成り立ちません。
だから現行の、これからのクルマに課せられる要求を満足するために
新材料の開発は不可欠、
こういうことです。


あの会社が作ったオートバイにずっと乗っていたいよ。(これが本音)