XR80タイミングギヤ

お知り合いのS野さん所有のクランクシャフト

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ミニ耐久を長年走られていますので
スペアパーツは沢山お持ちのようですが
ノーマルをそのまま使うことはしないらしいです。

エンジンには何らかのチューンアップを施してないと競争する意味もないということ。
体力年齢や運転技術は衰えるだろうけど
経験値は蓄積されていきます。

これはXR80のクランクだけど
このまま使えない理由は100のシリンダーを使っているため。

100といっても腰上だけ交換というわけにはいきません。

ピストンピン径が80はφ13に対して100はφ15なのです。(←シンゾーさんから訂正の指摘が入り、φ15は改造ピストンのことで、ノーマルの100はφ14が正しい)
XR80エンジンに100の腰上を換装できない理由はわかりますよね。
そこでピストンピン径φ13のピストンを探すわけです。

みなさんがカネと手間をかけて探し当てたパーツ群をここで公開することはしませんが
部品の主要寸法を把握して別機種で流用できるものを探してきました。
ところが大方の純正部品が廃番となっていますので、新品部品の入手が困難です。
そこで集めておいた中古パーツを分解して使える部分を取り出す作業もしました。

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このクランクはタイミングギヤを取り替えるために
ベアリングプーラーでギヤとベアリングを抜き取ります。

専用工具使うと簡単ですね。









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これがタイミングギヤです。

左は80用14T
右は100用15T

今回は100用の15Tに交換するのが目的です。
何故ギヤの丁数が違うかというと
100のシリンダーは高いために80のカムチェーンでは短いので
チェーンのコマを足しますが今度はテンショナーで張りきれない長さですから
タイミングギヤの丁数をクランク側で1丁
カムシャフト側で2丁大きくしてチェーンの張りを調節してあります。

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問題はタイミングギヤを圧入するシャフト径が80はφ19.0に対して
100はφ21.0なのです。

基本設計がCB50と同様のXR80のままで
クランクシャフトの強度が保てなかったためのサイズアップでしょう。

クランクピン径も80がφ23に対して
100はφ26にサイズアップされています。

画像はφ19のシャフトに内径21のギヤを圧入するためのカラーを作りました。
肉厚1.5mmです。

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圧入時はクランクピンの反対側に治具を挟んでクランクが傾かないように固定します。

そしてベアリングとギヤを順番に圧入します。
ギヤの位置は100の場合、山がクランクピンのセンターに向くようにする。
(80は谷がセンターに向く)








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薄いギヤの内側に1.5mm厚のカラーですから必要な圧入荷重は期待できませんので
シャフトとギヤを溶接で止めます。

これでバルブタイミングが狂うことは避けられるでしょう。


こんなとこに熱を加えて大丈夫なのかと質問される方は
鉄鋼の熱処理を勉強してからにしてください。



S野さんの寿命を考えると、このベアリングを交換する時期まで乗っていないだろうという判断で、このまま嵌め殺しでよいということです。

ここで最初から100に乗ればいいのでは?と疑問に思う人は旧車センスありませんのでスルーしていただきたい。
これは100が発売されてない時代のエンジンなので、速さを追及するなら新型に乗るのが最善と思います。
あくまで旧車の耐久レースというカテゴリーの話です。

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