外装部品の色は重点管理項目です。
板金塗装工場でボディーパーツを交換しますが、塗装はボディー色に調色しなければなりません。
修理した部分の色が合っていなければ、車両の価値を損ねることになりますので技術のみせどころだといえます。

では量産車の場合でも塗装ロット毎に調色しますので、その都度「初物事前報告書」で色の合否を判定しないと生産ラインに搬入を許可されない規則になっています。

ここで初物というのは、設計変更、金型更新、材料変更、製造条件変更、メーカー変更、etc
すなわち段取りが変わるときに最初のロットから製品の検査を行い、製品サンプルに検査成績書を添えて
受け入れ品質課から判定を受けて、生産ラインに搬入する一連の動きを差します。
もちろん不合格品は量産に流れることはできないしくみになっています。

その初物の中に「色」が含まれていて、塗装ロットからサンプルを抜き取り、受入品質課の判定を受けます。
本田狭山工場にも色のスペシャリストがいて、色差計による数値的な判定と同時に標準光の下で色見本とサンプルの比較を行って合否判定を行っていました。


CIMG4924.JPG

ここにタンクが二つ、右側は中が腐食によりガスが噴き出して塗膜が剥がれたもの。

左は未塗装の新品タンクを純正色で塗装してもらったもの。

両者の色が違っていることは明らかですが
私が色合わせのため支給したのは
フューエルリッドだけだったのです。
当然右タンク同様に日焼けした赤身の強い黄色でした。

ところが仕上がってきたニュータンクは青み掛かった黄色で我が目を疑いましたが
まもなく色違いの理由がわかりました。

塗装施工者さんが色褪せした見本を採用せず、オリジナルの色に修正していただいた結果だったのです。
お蔭さまで1976年製CJ360Tは新車当時の色に蘇っていたわけです。

依頼者の注文を鵜呑みにせず、黙って気の利いた作業をしていただいたことに心から感謝いたします。

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