2015年1月アーカイブ

我が家にやってきて、はや2年。走行6200kmになった1976年式CJ360Tであります。
今月になってから点火の不調に悩まされ、
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IGコイル交換により調子が戻っている今のうちに車検を取っておこうと思います。


よりによって予約日に雪が降るんかい!

午後一番の3ラウンド予約ですが、路面の状況が気になるので午前中に移動してきました。

ビショ濡れにして電気系統がトラブっては時間が無駄になるので、ブルーシートで養生しながらの運搬です。



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最初の難関は雪でラダーが滑ります。

タイヤが確実に乗っかるまで勢いをつけるとラダーもろとも落下転倒することになります。

隣のレッドバロンは二人掛りで降ろしていました。 クソー!







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第3ラウンドはホールショット取れましたが
待機所に屋根はありません。

みぞれで濡れながら1時間待機は簡便してほしい。
誰もいない検査場に入れさしてもらって時間を待ちます。









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2年間、タンクの錆取りやキャブのオーバーホール、ポイントの調整くらいしかしておらず、走行も100キロ未満なので
そのまま車検通るだろうと思っていましたが
甘い考えだったようです。

1回目にライト検査で落ちました。
H10年からヘッドライト常時点灯が義務ずけられており、手元のON、OFFスイッチが不合格だと言われました。

そのあと光軸も不合格で再車検となりました。

手元のスイッチは取り外して常時点灯に直しました。
ライトテストはレンズに付着した水滴が原因で光量が足らなかったのだろうと思って、レンズを拭いて臨みましたが、今度はライトが下向きで検出できないと言われて不合格。

仕方なく雨の中、テスター屋へ押していって光軸調整してもらいにいきました。
すると、ライトステーが曲がっていてランプが右向いていると指摘されて、確認すると確かに曲がっている。俺は何もやっておらんぞ、と文句いっても仕方ないので、一日で限度の3回目再検査へ行きました。

曲がったライトステーのまま、あて舵でライトを正面に向けてテスターに入ったら合格できました。
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気がついたら4ラウンド目に入っていました。

これで車検終了です。
すっかり雪は解けて、積み込みも安全にできました。

あと2年間公道走行OKになりました。
今年こそ奥多摩ツーリング決行しますぞ。

あ、受付事務所でA級ライダー村野秀弥選手に遭遇しました。(ミーハーやな俺)
一昨日の深夜、1時過ぎのことです。就寝中に携帯電話が鳴っていました。
夜中の電話なんかロクなもんじゃないと思って「どうせ酔っ払いが間違い電話でもしてるんだろう」
放っておいたが10回くらいコールしたら切って、また10回くらい鳴らすを延々と繰り返すので、うるさくて寝られたもんじゃありません。
文句言ってやろうと電話に出てみたら、「クドウさんですね、高速警察隊です」
おや、俺最近捕まるようなことしてないはずですが、25年前の検問突破を今更追及されるのか?

いや自分でやったんじゃなく、オートテクニックの先輩に特別従販で購入したオートバイを譲渡していました。新車の横流しを防止するため1年間は名義変更が認められませんので、私名義のオートバイで
警察の制止を振り切り、料金所も突破して逃走したということで、茨城県警から狭山の自宅に電話が掛かったことがありました。
ワシャ知らんを通していましたが、警察は「悪質な行為なので許し難い、出頭してもらいますよ」と言われたのですが結局ウヤムヤになって忘れてしまいました。
若い頃なら「トランスポーター」ジェイソン・ステイサムばりの運転で逃げ回ったと思いますが、あれは映画の話、今では自分の運転技術を充分わきまえていますので、警察に呼ばれたら大人しく停まることにしています。

さて、夜中に呼び出された理由は「あなたの身内の者が高速道路で事故を起こして捕まえているので、身元引き受け人になってほしい」ということでした。
眠いから明日にしてくれ、と思いましたが事実確認が先決だと考え関越所沢ICの高速警察隊事務所へ向かいました。
到着して警部に「状況を説明してください」といいました。
その内容は、夜11時過ぎに関越道の追い越し車線で真横に停車した車があると、多数の通報が寄せられ急行すると、前方がつぶれた乗用車が左向きに追い越し車線を塞いで停まっている。
当然照灯は壊れ、エンジンは掛かったまま、冷却水かオイルのような液体が漏れ出している、車体前部がフロントタイヤに食い込んでハンドルは回りそうにない。
エアバックは作動していて、運転者らしき人物は路肩に離れて立っているので怪我はなさそう。

この状況では運転者が誰であったかは確認できません。問題発覚を恐れて逃走したかもしれない。
考えられる問題とは、アルコール、薬物使用または所持、不法外国人、指名手配犯、盗難車・・・
事故車の名義は使用者と同じ、車検も取ってありクルマに問題はなさそう、では事故に至った経緯を取り調べるため、逮捕はせずに警察隊事務所へ連行したということでした。

もちろん重大な危険障害物のクルマはレッカー移動して警察隊事務所の駐車場に移送済みでした。
事故車の確認をしました。
ホンダFIT、前部だけが大破してエンジンルームむき出しです。
タカタ製エアバックも運転席、助手席共、作動済みです。
前が大破している割にはフロントガラスも割れておらず、ドアの開閉も問題ありません。
衝突安全性が高い証拠だと思いました。時速80キロ以上で正面からガードレールに当たって乗員が無傷なのですから。

では何故直線の高速道路上で中央分離帯のガードレールに当たらなければならなかったか?
天候は小雨で路面は濡れていましたが、気温からすると凍結はなかったでしょう。
運転者の供述によると、「追い越し車線走行中、前走者が急に減速した、ブレーキランプは付いていないので発見が遅れて追突を回避するため急ブレーキと共に右にハンドルを切ったらスピンして中央分離帯に突っ込んだ」
どれほど近付くまで判断できなかったかはわかりませんが、前方不注意でもなく回避できなかったことから言えることは未熟運転しかないと考えられます。
それからFF車の特性上、操舵輪が駆動輪なのでアクセルオンの状態でコーナリングはオーバーステアです。しかしコーナリング中に急にアクセルオフにすることで一瞬オーバーステアになって内側に切れ込む「タック・イン」の状態だったことが推察されます。

自動車(2輪車でも)に乗る人は緊急時危険回避をしたければ、安全な場所を見つけて実際に急がつく操作を体験しておくべきです。そうすれば自分が乗っているクルマの挙動が経験的に理解できるので
実際に危険に遭遇するとき役にたつはずです。
そのうえで自分の運転技術を過信せず、常に危険予知する眼力を持って運転することで、事故は防げると考えています。
全然気が乗らない社外サイレンサーの修理ですが、3ヶ月も放置してしまって、今こそやる時がきました。
転倒のためか傷モンになったカーボンパイプをアルミに交換するだけの依頼だったのですが
損傷がフロントキャップに及んでいることが判り、一気に工数が上がってしまうため、優先順位から後回しになっていたのでした。

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カーボンパイプと同寸でアルミ板を巻いておきます。












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損傷していたフロントキャップも鉄板巻いて
溶接で修復しておきます。

リベット穴はアルミ筒を差し込んでから同時加工で
穴開けします。








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アルミパイプの溶接にはこれをつかいます。

パイプの内側にシールドガスの通路となるトンネルを取り付けて

表から突き合わせ溶接します。

裏ビードを酸化させないで健全な溶け込みを得られます。





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使い方はこんな感じです。

シールドガスは垂れ流しですが、流量を手元のバルブで調節して溶接作業します。

薄板の場合は裏側が酸化して溶接欠陥になりやすいので、溶接強度と作業性が向上します。







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アルミパイプにリプレイス完了しました。

頼まれたのは筒の交換だけですが
それ以外のことに労力が掛かる事例でした。
最大の難関はカーボンパイプの取り外しで、
前後キャップがパンチングと一体のため
パイプが抜ける力でパンチングが壊れていくという代物でした。

たぶん、安価にメンテナンスしようとするお客が、まともに分解できずに壊してしまうのが狙いかもしれません。
そうすれば、また新しいのが売れるかも(信頼を損ねるだけですが)しれないことを期待しての作りだと推察します。
とにかく人がいらなくなった中古品に手をだしていると、余計な金や労力が掛かるということです。

CJ360T対応のイグニッションコイルのリプレイス品を取り寄せました。
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上は純正品、下が社外新品のIGコイルです。

形状や大きさが違います。
ポイントとアースに接続するコードも短く延長する必要があります。

ギボシもオス、メスが逆で
マウント方法も違うため取り付け金具を作る必要があります。

ボルトオンでないのに適合品として売られているのは驚きですが
新品購入できるだけでもありがたいと思いましょう。

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取り付け金具製作して純正ブラケットに結合しました。
コードも延長してギボシのオス、メスを付け替えました。

これで装着の準備が整いました。








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火花の出なかったL側イグニッションコイルの交換が完了しました。

ハイテンションコードにプラグつないでキックを踏んでみました。

左右共、強力な火花が出ました。
おそらく直っているでしょう。

今日は夜遅いので走行確認は明日以降ということにします。






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翌日、雨も上がって路面乾いてきたので
近所の試走コースで乗ってみました。

修理前のような症状は起こらず、元に戻った感じなのでこのまま様子みます。
社外品の耐久性が分かりませんからね。

今月末に車検切れになるため、直しておく必要があったのです。
一時は諦めておりましたが
これで継続検査に行けそうです。



これに乗ってツーリングに出かける予定はないですが、少年時代に戻れる貴重なアイテムとして保存していきたいのです。出来れば、奥多摩か房総方面へ乗っていければ満足すると思っているので、そのときの為に調子を整えておかないといけません。



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こちらの方はカウル外してみました。

このままでもいい感じのネイキッドじゃないですか。
2気筒にしてはコンパクトなエンジンも魅力的です。
廉価版のためか鉄フレームに鉄スイングアームですが、モトクロッサーの150よりちょっと高いだけで販売に踏み切ったのが驚異的です。
保安部品なし、単気筒エンジンの250モトクロッサーより20万以上安いのです。

フロントフォークも正立ですがインナーパイプφ41です。430(CR250)がφ39だったのに、この太さは剛性ありそうです。
減衰調整無しですが、コンぺモデルじゃないので充分でしょう。
まずはセパハンとフェンダーレスの構想のため思案中です。
旧車ライフには消耗部品の入手ができなければ故障したまま動かなくなってしまいます。
2年前に来たCJ360ですが、最初から問題を抱えていて、走行距離は100キロも走っていません。
問題箇所を見つけながら調整しては試運転を繰り返しただけでした。
ポイントのギャップ調整と点火時期確認は毎回、キャブレターの清掃と同調、ガソリンタンクの錆の除去とコーティングをしてきましたが、普通に運転できる時間は10分程度で直ぐにエンジン不調になるというトラブルです。
要約すると始動直後は普通にアイドリングするが、走り出して数分で、加速不良が始まりアイドリング不安定になり、エンジンストップします。
プラグ火花をチェックすると左側が火花が弱いか火花が出なくなります。
この症状に行き着くまで2年かかりました。

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火花が弱くなる原因をつきとめたいと思います。

バッテリー点火のためメインキーをONにしてキックしますが、
スイッチを切り忘れてバッテリーが上がってしまいましたので充電中です。







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残念なことに中学生の理科レベルの電気知識しかないのでテスターで抵抗測るくらいしか思いつきませんが、現状から推測するに
コンデンサーかIGコイルの寿命がきたのではないかと思います。

加速不良やアイドリング不安定になる原因ですが、キャブレターや燃料系を調べて不具合ないと確認したので、ここに違いないと決めました。

しかし、良品と交換しないと正否はわかりません。
部品を探してみることにしました。

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純正新品は廃盤のため(1976年式のため)
社外新品を取り寄せてみました。
車種は適合していますが、左のとおり外観が違います。

LAの業者が現地の電装メーカーにオーダーして作った物でしょう。
本体取り付けは問題ないですが
コードの長さが4cmも短いです。配線に無理しないとギボシが届きませんので、装着はコード延長が必要ですね。

とりあえず仮付けで火花チェックしてみましたが、同様の事象なので、コンデンサーが原因ではないようです。
次はIGコイルですが、火花の状態から故障しているのは片側だけのようです。
これも純正廃盤で、新品は社外品以外に見つかりませんでした。
他機種流用も視野にいれて、まずは社外新品を取り寄せ中なので、装着できたら試運転してみます。

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これも来てしまいました。

とりあえず耕運機ハンドルを普通のセパハンに交換しようとしています。
アクセルワイヤーがカウルに干渉してしまうはずなので、アクセルホルダーのストッパーをかっ飛ばして、ワイヤーの取り出しを上向きに変更しました。

高すぎるバックミラーも小さいタイプに、スクリーンも小さくする予定です。
リヤウインカーとナンバープレートの位置もカッコ悪いので、フェンダーレスに改造します。
それが終わったらマフラー作りという段取りですが、他にやること多すぎなので当分先です。

先月から残務ばかりで、今日現在まで1円も売り上げていない上、支払いしかしていません。
この状態では半年もたないで倒産するでしょう・・・
前にもこんなこと書いていたと思いますが、あれから1年以上経っているので、何やって食べているのかわかりませんね。(ある有名な冒険家は霞を食べていると言っていました)

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去年葬式のあとに愛媛から乗って帰ったサンバーの名義変更がようやくできました。

陸運事務所の三芳出張所、軽自動車検査協会に来ております。

父親が畑と農協の間しか乗ってなかったので平成21年車なのに1万kmしか乗っていません。
快調そのもので地元の自動車販売店で法廷検査も受けてあったので
このままユーザー車検に持っていきます。
これで晴れて川越ナンバーになりました。




年末に某メーカーのデザイン部門の人とディスカッションしました。
いろいろ話した中で、職場に3Dプリンターを導入したそうです。
自動車や家電製品の製造に無くてはならないのは工業モデルです。
実際に製品を作る前に実物大のモデルを製作してデザインの検討を行ったり、組み付け性の検査に役立ちますが、これをやらないでいきなり何千万、何億円も掛かる金型を起こすわけにいかないのです。
ところが、工業モデルも専門の会社に発注して、時間も費用も莫大にかかります。
それを設計した3Dデータさえあれば安価に早くモデル製作ができるわけですから、初期投資は仕方ないですが、新機種の開発にかかるスピードやコストが大幅に削減されるなら、いいことですね。

最も有効に働いている3Dプリンターの例は医療の現場です。
患者の病根となっている臓器をCTスキャンしたデータで3Dプリンターを使って臓器モデルを製作して
手術方法のシュミレーションに役立つという、デジタル技術の勝利ともいえる活用術に感心したりしましたが
ジャーナリストや評論家の中には「何でも作れる、製造業界の革命」などと大ウソを吹く人の話を読んだり、聞いたりすると、原発の話と同様に報道は真実を語らないものだと、つくずく感じました。
私の見立てでは、3Dプリンターによる製作物は実物には取って換わることはないということです。
私のいう本物かそうでないかは、形状や色だけでなく、材質が合っているかということです。
実用強度を満足できない製作物があったとすると設計不良といいます。
そもそも設計もしないで他人が作った物をスキャンして形状だけ真似することを盗作といいます。
どちらも正常な価値観の人なら製造物とは似ても似つかないことがわかるでしょう。

材質は図面値として最重要な数値と同様です。
金属部品であれば材料の硬さを決定する因子が材質で、母材金属に強化元素の添加する割合を決めてあるので、その配合割合が違っていると設計された図面値と違うので不良品となるのです。
また熱処理条件も材料の硬さを決定する要素ですが表面硬さを図面指示された部品も多く見られます。
熱処理とは鉄鋼なら浸炭焼き入れや高周波焼き入れ、窒化などです。
アルミ合金なら溶体化T4後強制時硬T6が代表的ですが、これらは材質が違うことで所定の硬さが出ませんので材料メーカーの成分分析表を確認後、熱処理工程に入るという取り決めをして保証するものです。
このようなコストも手間もかかる製造工程を経て部品が作られているのを知っていれば「何でも作れる」発言は無いのではないかと思います。
本当にできるのだったら、3Dプリンターで作ったクランクシャフトに組み換えますか?
耐熱鋼のバルブと同寸に作ってエンジン運転できますか?
キャストホイールくらいは容易に出来るでしょうからタイヤ履かせて走ってみますか?
どれかひとつでも本物と同等の物ができたとしたら、今の仕事は全部辞めて最新式の3Dプリンター買って商売変えします。

現役のデザイナーさんも言っておられましたけど、デザインというものは3Dの加工データが出来たらおしまいではないということ。
試作したもので実際に性能試験や耐久テストを実施して保証することを含めてデザインというのであって、形状寸法がクリアされただけで量産されていたら不具合だらけで、返って不良品改修にコストが掛かって商売にならないだろうと思います。
「3Dプリンターで何でも出来まーす」といった話は「STAP細胞は在りまーす」と似たようなことで
現実にありもしないことを、さも在りそうなこととして吹聴していることになります。
やはり日本の伝統文化は刀鍛冶に端を発する、道具作りのことであって
鍛えられた職人だけが得られる技術を机上の理論だけで機械任せに作ってしまおうとする
終末的な人類の行為ではないかと思っているのです。

何故なら、人間の仕事が機械に取って変わられた後に残るものが何であるか、想像すれば分かるではありませんか。
原材料やエネルギーの分野をみてもわかるように、機械で行えることは大勢の人の手によってお膳立てされた末端の世界でのことに過ぎないことがわかるでしょう。



正月から騒音を立てるわけにもいかず、通常の業務とは違った内容の作業をしてみました。
部品取りに使っても構わないということで、預かっていましたアルミタンクですが
僅かな凹みがあるため、このまま商品にはならない状態ですが、部品取りにして壊してしまうには惜しいと思って修復してみることにします。

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非常に僅かな凹みですが、醜い表面です。
これが中古車に付けて売るとすると、査定に影響するでしょう。
なんたってタンクはオートバイの顔と言える重要な意匠部品だからです。

自動車の板金修理工場に頼むと100%
パテ修正して塗装されることでしょう。

また修理代が安ければそれで問題ないと考えるお客さんも多いことでしょう。

しかし、本当のレストアということを目指すならパテ修正は、ハッキリ邪道であると申しておきます。
なぜなら、レストアの大儀は「元の状態に復元する」ことだからです。
メーカーで製造する部品も同様ですが、図面通りに作る(修復する)ことが命題なのであって、図面と違ったものを見た目だけ誤魔化して商品にするなどということが、製造屋(修理屋)のやることだとは到底考えられないことです。
従って素材のアルミだけを修正して形状を復元することに専念します。

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タンクの上面にも僅かな凹みがあります。
見過ごしても問題ないと思われるかもしれませんが
もし、新車のオートバイにこれくらいの凹みがあったとするなら、あなたは買いますか?

おそらく100%のお客さんが、クレームを言つけて、「別のに取り換えてくれ」と言うに違いありません。
手間を惜しまずこれも修復することにします。




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凹み修理にはいろいろな方法がありますが
僅かな凹みのためにタンクを切開して板金する方法は最後の手段としておきます。

切開ということは、問題ない部分を切ってしまうということで、修復したとしても、さらに傷物になってしまうこともあり得るのです。

最新の外科手術では皮膚や筋肉にメスを入れる部分は最小にする方式を取ります。
それは、患者に対する負担軽減や術後の回復を早めると同時に傷跡が目立たなくできるからです。

それと同様に修理痕が最小になる方法としてデントリペアがあります。
凹み箇所に届くようにアクセスツールを作って行うので、修復毎に専用となります。

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タンクに大きな力が加わりますので、車体に装着して行うより、タンク固定用の治具を作って万力に取り付けて安定させます。

タンクの口金にダメージを与えないため、保護キャップを取り付けた上でアクセスツールを差し込みます。

上部の凹みはこの方法で容易に修復できました。
ツールで力を入れ易い位置だったのです。



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側面はツールに力が入らず無理でした。

こちらはオーソドックスな方法で
棒を溶接して引っ張ることにしました。

位置を変えて数箇所引っ張って
元の表面より高めに盛り上げておいて
ハンマーで叩いて高さを修正します。

溶接痕は平滑に研磨してから叩きます。





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引っ張ったり、叩いたり繰り返して、大体満足な表面に出来たと思います。

どんな凹みでもOKとは言えません。
修理痕を最小限度にすることが目的です。

手間と経験が必要ですが、レストレーションの定義に沿ってやることがビンテージ品に対する畏敬を表すことになるでしょう。