金型4

4輪の新機種を立ち上げる仕事で、研究所と製作所が合同で進めることがあります。
新しい部品の製造トライには開発者(設計)と品質管理が製造部門へ集まって製造トライに立会います。
目的は製品が図面通りに出来ているか、出来立ての品物を前に多角的検証を行うのです。
主に鋳造や鍛造のトライでしたが、出席していたACE(アシスタント・チーフエンジニア)から、こんなこと聞きました。
立ち上がり日程の迫っている新機種の製造トライ現場にオヤジさん(本田宗一郎最高顧問)が視察に来られて、大型プレス機にセットされた金型の中に入り込んでグラインダーで削り始めたそうです。
慌てた開発担当者が言いました「やめてください!立ち上がりに間に合わなくなります」
するとオヤジさんは「うるさい!俺の金型だッ」と一喝したそうです。
金型を壊したとしても決済権を持った人物ですから怖いものがありません。
どんな役職の社員であっても創設者に適うはずがないという意味のことでした。
そして、そのACEは不思議とオヤジさんが指摘したことは、いつも正解でそのとおりに直していけば上手くいったと話しました。
開発者といっても、初めて担当する量産車の場合は間違いがあってもおかしくはなかったのです。
だから開発者の殆どは旧式車には見向きもしないと思います。
それは最初に作ったものより後で作った品物のほうが優れているから、過去の製品を見たくないことによります。

CIMG3959.JPG

マフラー内部に取り付ける隔壁になる部品をプレス成型しております。

製造コストを抑えるため自作の金型を使っています。
クリアランスバッチリで使いやすいです。
これで同寸の隔壁が作れますが
レベルの低さに大会社にお勤めの人から笑われると思います。
しかし、設備代や金型代を会社の予算で払ってもらっている立場の人からは分からない苦労でしょう。
私を笑いたければ会社を辞めて、同じ立場にしてからにしていただきたいと思います。


それでは、年内は代金前振込みの品物だけ作って終わりますので、新ネタは来年までございませんので、良い新年を迎えましょう。

トラックバック(0)

トラックバックURL: http://www.precious-factory.com/mt4/mt-tb.cgi/494

コメントする