2014年10月アーカイブ

急な連絡になりますが、葬儀の準備のため愛媛県西条市小松町の実家へ戻ります。
1週間程度、業務中断します。
業務ご依頼中のお客様には、ご不便をお掛けしますことをお詫び申し上げます。
再開するときは当ブログで連絡いたしますので、よろしくお願いします。
過去にありました他メーカーのカタログを見せて同様のものを注文するという理由として
商品の金額が高いから、というお客さんがいます。
こういう意図が感じられる注文には一切お答えしないという方針にいたします。
他人が考えたデザインの真似をして安く作るなどということは意匠権の侵害や営業妨害につながる恐れもあります。某国の製品にはよくあることですね。
そんなことをするために将来を約束された会社を辞めてまで独立するはずがありません。
あくまで自分の創意工夫で営むことに重点をおいて働いていきたいものです。

CIMG3841.JPG

2つ穴のサイレンサーは結局廃却することにしました。
製作に3日も費やしたのですが、完全に浪費になってしまいました。
新たにオリジナル形状のサイレンサーを作りました。

理由は3ヶ月前の注文メールを読み返したら、どうも依頼内容と一致しない部分に気がついたためです。
デザインの参考は社外品別機種のカタログ画像が添付されており、
変更箇所はテールエンド部のみ
「細身で長めのサイレンサー」と書かれていました。
元々弊社オリジナル品は250用としては細身に出来ていますから、この断面形状でよいと判断しました。
問題は長さです。オリジナル品で最もフレームに近い部分は、荷紐フックです。
同じ治具で200個以上作ったサイレンサーですが、長さを伸ばすとリヤフェンダーにぶつかってしまう可能性があります。フェンダーを避けるために外側にオフセットするにもサイドカバーの隙間が分かりません。
従って長さ変更するには実車合わせが必要になりますので、車両お持込み無しでは変更できません。
CIMG3844.JPG

依頼内容に「出口は一個で構いません」
と書かれておりましたので
見本のデザインと一個穴を両立させると
このような解釈になりました。


廃却マフラーの二股エンドパイプは全く不要だったわけです。

メールの文章だけでデザインを伝えようとしても不明な箇所が多く、希望に添えない場合も出てきます。
今後はお客さん自らのデザイン画や図面などを提示していただき、意思統一した上でないと特注の仕事はやらないことにします。





「人の真似をするくらいなら、会社が潰れた方がマシだ」 本田宗一郎さんの言葉でしたね。
一見誇り高いクリエーターらしい考えだと思われますが、はたしてそれだけでしょうか。
現在のガソリンエンジンは19世紀にドイツ人技師オットーがレシプロエンジンを発明しなければ存在しなかったわけで、そのあとに改良を加えて生産されてきたエンジンは物真似を重ねたことによって生まれてきたわけです。
もちろん、物真似の上には独自の発想や理論があって発展してきたといえますが、そもそも近代的な技術の基となる学問が、他人の考えだしたことの受け売りに過ぎないと誰かから聞きました。
物作りをする場合、他人が作ったものを一所懸命観察して真似をする場合があります。
これは自分が独自に形状を考えたり、作り方を考案できなかったことを表していて、とてもクリエーターのやることではないと考えられるのです。
世の中には特許や意匠権という法的に知的財産を守る制度があって、出願者に対して無断でデザインや製法を真似てはならないとしています。但し、それは営利目的で、出願者に対して経済的不利益を与える場合に当てはまることになります。
美術品や音楽、書物などには著作権ということで無断で真似することを盗作と呼びます。
物作りをする人はこれらに抵触しないために、他人の製作物を参考にすることなく自分の感性を信じて仕事をしていかねばなりません。
CIMG3839.JPG

先日作ったチャンバーは、このようなサイレンサートとセットで注文されたものです。

お客さんによると弊社オリジナル商品ではなくて、デザイン変更を希望されたのでした。

どうやら別機種の社外品マフラーに気に入った形状があったらしく、真似して作ってほしいという依頼でした。
過去にも、どこかの社外品のカタログ写真を送信してきて「これと同様な形で作ってほしい」と頼まれたことがありました。
その場合は、「そのカタログの商品を注文してくれ」と返事をしました。

今回の場合はそもそも機種が違うので、世の中に存在しないものを頼まれているわけです。
送信されたカタログの写真は見ましたが、4スト車のカタログなので2ストのマフラーとは大きさも形状も全く違うので、似せて作るのは困難だと返答しました。
しかし、やりもしないで難しいという理由で、やらなかったら今までの仕事は何だっただろうと考えてしまいました。簡単にできたものなど無いはずなのに、一個しか作らないのに型を作っていては効率が悪いということも今までどおり。面倒な仕事でも頼まれているうちが花だという考え方もできます。
CIMG3837.JPG

CRM250サイレンサーはラインナップ品ですが実車はありませんので、寸法変更した場合は取り付けの確認ができません。

もし取り付けに問題があった場合は、オリジナル品と交換していただくか
実車お持込みしていただいて改造して取り付けるという処置を取らせていただきます。

4スト車のデザインなのでサイレンサーボディを大きくする必要がありました。
そのため内側がタイヤに擦るか、外側がサイドカバーに触れてしまうかが問題の部分ですが、実車が無いので分からないで作っております。
一応パイプの差込み位置とマウントボルト位置は治具により合っているでしょう。
CIMG3836.JPG

エンドパイプは二股になっていて、出口穴2つです。
性能的にはメリットはないでしょう。
手間が掛かるだけですね。

自分で考えたデザインでもないので
クリエイティブとは縁のないルーティン業務だと考えています。







個性というのは1個しかないことを指すもので、自分の顔みたいなものです。大量に出回ったものは個性ではないという考えです。
優れたデザインであれば大勢の人に受け入れられるわけですが、同類の人が増殖していくということでもあります。
大勢の人と喜びを共有するか、自分だけ欲しいものを手に入れるか、そのために何をしなければならないか、人間の欲求と労働と技術の進化といった壮大なスケールで、終わりのないテーマに挑んでいる気がします。
長いこと仕事止まりました。これも私の能力不足の結果です。
しかも現在連絡待ちの状態で、呼び出された場合は1週間ほど愛媛の実家へ戻らなければならないため休業になると思います。
それまでの間、少しでも仕事を進めておかなければなりません。
CIMG3833.JPG

これはバックオーダーのチャンバーを作っているところですが
あと一日以内で完成するでしょう。

今は7月にご注文の品物を作っておりますので大体3ヶ月遅れの生産ですね。

しばらくの間、緊急事態に備えておりますので、急な用事や打ち合わせ等には対応できない状態なのでご了承ください。





CIMG3834.JPG

バックオーダー品を作りながら
金型製作も行います。
一品作るのにこれだけの種類の金型を使います。

一個だけならハンドワークで板金しても構わないですが、複数同じ寸法の品物を作るには金型を使わないと寸法が安定しないためです。
厚さ1mm程度の鉄板を成形する叩き型なのでSKDのような硬い材料は必要ありません。全部S45Cなので旋盤で加工します。


CIMG3835.JPG


メタルガスケットのレーザー加工が出来てきました。
前回はバネ鋼を重ねて旋盤加工してみたのですが、超鋼チップがあっという間に磨耗して切れなくなってしまい、切削加工は困難とわかりましたので、レーザー加工外注にしました。
手間はかかりませんが、設計は自分で行う必要があります。
手書きの図面を提示してCADに数値を打ち込んでいただくという手順です。

ガスケット試作の意図は、供給されているものではなく、市販されてない寸法のものを作れるようにすることです。
ボアアップキットのようにピストンやガスケットまでキット売りの商品が買える場合は必要ないですが、改造屋は別機種のピストンを流用したりすることもあります。ボアサイズが違っていると燃焼室の加工やガスケット製作が必須となります。
そのため、大体の工数と加工費などの見積もりをするために、実際に作ってみなければ分からないということになります。
戦前レベルの板金技術なので発展途上なのであります。











金曜の夜、愛大病院から緊急連絡があり、父親の酸素レベルが低下したと。
軽井沢のレースに行く気満々でしたが、完全に削がれました。
「1週間もたないでしょう」と主治医から告げられていましたからレース終了後に行こうと思っておりましたが罰あたりな計画だったのでしょう。
CIMG3820.JPG
夜中出発なので、徹夜で走って
昼過ぎには瀬戸大橋通過です。

先月からここを通るのは3回目なのですよ。

いい加減疲弊してしまって、心身ともに疲れてきました。
こんなきれいな青空の下で、喜んでいる人がいれば悲しみの真っ只中の人もいるものだなと。





CIMG3822.JPG


なんとか明るいうちに愛大病院に到着して
医療スタッフの懸命な処置で様態を安定させておられました。

老人神経科の病室は8階にありますので窓からの景色は見晴らしがよいのですが、
ベッドの位置からでは空しか見えないでしょう。
こんなにいい天気ですから、意識ははっきりしていないでしょうけど、少し元気がでたかもしれません。
土曜で休診でしたが主治医から、これまで検査した結果と治療の目途など説明をいただきました。

急速に全身の運動機能が低下する病気のうち、二つの病名に絞って診療を検討したそうですが、MRI、血液、髄液と検査してきたが、いずれも症状の原因となる異常が確認されない。もともと心臓の持病があり、薬を複数のんでいるのが、効き過ぎて体内に溜まるので止めているとか、毎日血液の検査データに基づきコントロールしながら、制御不能になった航空機を必死で操縦している段階であるということ。
疑っている病気は脳幹になんらかの異常をきたし、全身の動きが制御できなくなっているらしい。
筋肉が固くなることについて質問したら、肩こりや腰痛のように筋肉が固いのは筋組織が固いのではなく、脳幹の指令が緊張するように間違って出されている結果起こるそうです。
だから死亡した人の体はぐったりと柔らかくなってしまうことで理解ができました。
CIMG3825.JPG

充実した医療設備に熟練のスタッフにより24時間完全看護で、この病院でなければこのように命を繋ぐことは不可能だったでしょう。
とりあえず、様態が安定していることと
いつ、お迎えがくるか分からない状態と判断し、いつまでも付き添っていても役にたたないので、
次の連絡があるまで埼玉へ戻って仕事の続きをしなければなりません。

実家に寄ってみたら、父親の手入れしたみかんの実がついてきました。
夏ごろまで畑作業できていたのに、こんなことになるとは想像もできませんでした。

CIMG3830.JPG
病院の帰り道
故郷の小松町の有名なものは何かと聞かれたら
弘法大師の札所が3つもあるので、お遍路さんはよく知っているでしょう。
他には何もないと思っていたら、ありました。
「りんりんパーク」です。
どおです、この錦鯉の見事なこと
国道11号線沿い、大型バスも止められる大駐車場に乗り付けて中庭に入れば、錦鯉の鑑賞が無料でできます。
エサがやりたければ200円で購入できます。

CIMG3827.JPG


数えきれませんが、100匹以上は確実にいます。
一匹数百万円の鯉もいますから
全メーカーのスーパーバイク揃えるよりこちらの方が上かもしれません。

色鮮やかで丸々と肥えていて、見ていて心が和みます。

もう時間がないので急いで帰らなくては。

本番前に新型クラッチのフィーリングを確かめるため軽井沢で練習です。
前回、重いクラッチに悩まされ納得がいかない走りだったので対策しました。
450のクラッチワイヤーも不評で、90°曲げのエルボー内にテフロンコーティングが施されていますが
これがワイヤーで削られて溝が出来てさらに抵抗になるそうです。
通常はワイヤーインジェクターを用いてCRCなどを給油するところですが
私は違った方法で、ワコーケミカルのラスペネを給油します。CRCは時間が経つと蒸発して潤滑効果が薄れますが、ラスペネは長時間保持されます。
そのためテフロンコーティングの寿命も延ばせるというわけです。
給油方法は公開すると誰でも真似できそうなことなので、ここでは控えさせていただきます。

腰痛の対策は朝起きたときから始まっています。
これも独自に開発したストレッチ方法で背中や首、肩の筋肉をほぐしてから行動を起こすようにしています。そして、乗り出す前にもう一度やっておくことで、うそみたいに腰痛を防止できたのです。


浅間モーターパークは以前管理されていた重機屋さんが撤退してから、万年ギャップのコースになってしまって腰痛持ちにはつらいのです。サス性能の低い150クラスから離れたのも腰痛のせいですから
今後はフルサイズ一本で鍛錬したいと思います。
新しいクラッチフィーリングにも慣れましたが、このギャップコースで450の操作は250の倍くらい体力消耗します。なので短めに15分6ヒート練習しておきました。
今年51歳になりましたが、腰痛持ちになって10年近く、肩こりによる頭痛で毎月寝込んでしまうくらい体調が悪い日が起こります。そろそろモトクロスするには無理な体力になってきました。
しかも157cmの低身長に股下70cm体重52kgというスペックですから大型バイクを乗りこなすのが如何に困難かお分かりになる現役ライダーは少ないのではないでしょうか。
レースを走るのは結果に一喜一憂するだけではありません。努力したことの成果を確認するのに、レース結果が参考になるということだけです。

CIMG3814.JPG
MXerは85から450まで選べるので、自分の技量にあったマシンを選ぶのが妥当と思います。
そこを敢てチビ太には向いてないであろう450選ぶには単純な理由があります。
クルマに例えるなら
85は軽、450はGTカーみたいなもんです。
狭い道での機動力なら断然、軽が有利でしょう。
しかし、本当はハイスペックなGTカーに乗りたいのはクルマ好きなら共通の望みでしょう。
例えフルパワーを出せる場所が無くても有り余るパワーを楽しみたいという願望はMXerとて同じことです。
大型2輪なら750クラスのような中間排気量でなくリッターバイクの方が人気がありますね。300km/h近くスピードが出るわけですが、一般道では、その場所がないにも関わらずです。
そしてこのMXerのフラッグシップともいえる450に乗れるのも年齢的、体力的にこれが最後だということも気持ちを後押しさせる要因であったりします。
とりあえずノーマルは足が届きません。前後サスとシートをいじって車高5cm下げました。
現役時代もノーマルサスが固すぎて前後ソフトスプリングとローシートに交換することが乗り出しの儀式でした。
少し乗り始めると、もう一つの課題が見えてきました。
タイトコーナーでエンストしやすいとは聞いていましたが、なるほど極低速でコーナリング中に、おそらくリヤブレーキを踏んでいるのだと思いますが、トルクが強いのでコーナリングのラインが外へはらむ傾向があるので減速しながらパーシャル状態で曲がるときに止まりやすいです。
足つきが悪いのにキックで再始動は体力を消耗するのでエンストは避けたいところです。
そこで乗り方で対応することは、半クラッチでエンジンに掛かる負荷を逃がしながらアクセルも開け気味でコーナーに侵入することです。
ところが450のクラッチは重いんです。手が疲れてきてクラッチを握るのが嫌になるほどです。
当然微妙なクラッチワークもできなくなり、クラッチスプリングの反力で手が開いて、エンストということになります。
CIMG3812.JPG

クラッチさえ軽ければ250と同様に扱えるはず、
そう考えて新型のクラッチスプリングを取り寄せました。
14モデルからスプリングが変更になっているそうなので試してみます。

左上は250用、右と左下が新型の450用、
右下2本は2013モデル用です。

線径は全て同じφ2.3mm
新型は13より自由長が1.5mm短いです。
ばね定数を計算してみましょう。

計算式 k=G d4乗 / 8N D3乗
G=7.85×10 4乗 (硬鋼線の横弾性係数)
d=2.3 (線径)
N=9 (有効巻き数)
D=15.975 (コイル平均径)

これにより450のクラッチスプリング定数は7・48N/mm
1N=0.102kg/mm なので 0.748kg/mm となります。

スプリングを1mm圧縮するのに748gの力が必要で450は6本なので4.48kg/mmになります。
新型のスプリング自由長は50.0mm 13モデルは51.5mmですが
巻き数が同じなので新型のほうがピッチが小さいがバネ定数は同じということが分かりました。

ではバネが接触まで圧縮すると長さ20.7mmですから
新型と13モデルの圧縮ストロークはそれぞれ、29.3mmと30.8mmになります。
これを圧縮荷重に換算すると21.9kgと23.0kgですがバネ6本なので
131.4kgと138kgがクラッチプレートに掛かっている圧縮力の合計になります。
その差6.6kgですが、その分クラッチ操作が軽いということです。
実は初期圧力の138kgと131.4kgに対しクラッチレリーズとクラッチレバーの比率で操作荷重が決まっていることになります。
これにクラッチケーブルの摺動抵抗が加わるので、そこらへんの改良を行っていきたいと思います。
CIMG3813.JPG



頭が悪いということは、大勢のお客さんに迷惑をかけてしまいます。
一ヶ月遅れてしまった仕事を、どこかで挽回するなどということは元々余裕がないために不可能なことで
遅れたら遅れっぱなしという現状です。
ようやく失敗する前の状態に戻ることができました。
CIMG3810.JPG
先行で一本送っておいたチャンバーの装着確認が取れてGOサインがもらえましたので
残り5本のパイプを繋ぐことができました。

マウントステーなどは、これから作りますが
あと一日くらいで完了するでしょう。









CIMG3811.JPG


そして、失敗パイプがこんなに出来てしまいました。
キックペダルを踏み降ろす確認を一度も行わなかった罰であります。

二度と同じ過ちを犯さないように肝に銘じるつもりでおります。

この忌々しいやつらをスクラップ屋にぶち撒いてきてやります。