マディ練習の後

最近の気象はとにかく雨が多い。MXのレース日は高い確率で雨で、全日本など9戦中6戦が雨だったそうで、主催者もエントラントも嫌気がさしていることでしょう。

プロライダーのように義務でなければ、わざわざマディの日に乗りに行きたくないところですが7月のレース以来1回くらいしか練習してない私は、そろそろ乗っておかなければ11月のレースも棄権することになると思い、雨の切れ間となった日にMX練習いきました。ドライだと快適に走ってしまって内容のない練習になってしまいますが、マディだと乗り方の悪いところが分かりやすいので上手く乗れるように改善できるところがよいです。

具体的にいうと、泥がついて車重が20kgほど重くなりハンドリングが悪くなります。タイヤも滑るし、重い泥に捕まってハンドルが振られます。そんなとき、もちろん機敏な動きはできませんが、転倒せず安全にスムーズに走るように努めます。チビ太なので難しいですが、シートに座る位置と前後バランスでかなり改善できます。一番いけないのはフロントタイヤを横滑りさせることです。即転倒に繋がりますから、フロントに荷重をかけないようにリヤ荷重重視で走らせます。マディではフロントは抵抗になります。フロント荷重を抜いて旋回性を上げながらリヤタイヤにトラクションを駆ける方法です。そのために乗る位置が重要で、腹筋と背筋を使ってアクセルは開け気味にします。

滑るところは寝かさないで通過し、アクセルを戻すとフロントヘヴィーになってアンダー気味になるので開けながら曲がるように心掛けます。

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マディで走ること自体は面白いですが、後片付けに時間が掛かるのがネックでなかなか行く気がしません。

防具一式の洗濯、マシンの洗車などで午前中つぶれます。

マシン整備できる状態にするには外装は全部外し、ラジエタも外して詰まった泥を洗い落とします。

スキッドプレートも外してエンジンケース下も綺麗にします。

これで整備スタンバイ状態です。

 

 

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前回のピストン交換から2年ほど経ちましたのでピストン交換とシリンダーヘッド周りのカーボン除去、タペット調整が今回の整備です。

乗った時間は多い月で2回、乗らない月もあったので2年でも20回程度だと思いますので調度いい機会です。

タペットは半年に1回調整していますのでエンジンの調子は変わらないですがカーボンは定期的に除去しておかないとバルブシートの消耗を早めることと、燃焼室の放熱が悪くなり熱効率が落ちることでせっかくのエンジンが台無しになります。

ピストン交換にはこれだけの部品が必要ですが、注文して初めて気がついたことがあります。

ホンダ純正部品の値上がりです。これはCRFの09モデルですが、少なくとも顧客レベルでは予告なしの変更だと思います。特に値上げ率が大きいのはピストンで26%アップです。その他は5%から15%アップなので一率ではないです。材料費や加工代の都合か倉庫代などの管理費削減のためか値上げの内容はわかりませんが、尋常じゃない上げ幅ですね。なかなか新車に乗り換えないお客からいっぱい取ってやれ方式かもしれません。

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私も製造屋ですから、このピストンが定価6100円で販売されていることに驚きを持っています。

NSF250のピストンは1個6万円だそうで、大量生産しなかったらこんな価格は実現しないということです。

今の4ストレーサーは4バルブが当たり前でショートスカートの鍛造ピストンが主流です。10年前だと夢のような仕様なので高級車を安価に手に入れたような楽しさです。

エンジンパーツはどれも芸術的価値があると個人的に思っていますが、中でもピストンは過酷な条件に耐えられる上に軽量で無駄な肉の無い機能美に溢れています。

これはエンジン設計屋でしか知りえない情報と経験が生み出した答えが形となって現れたものと言えます。

たとえばピストンピンのボス位置、ピストンの前後間の中心ではなくインテーク側に0.35mmオフセットされています。オフセット量はボアストロークの比率によって違うと思いますが、要するにピストンの側圧を軽減してピストンの寿命を延ばしたり、軽量化して動力性能を向上することに寄与した設計であるということです。燃焼圧力は上死点後に最大となりクランクピンはEX側に回ることによりシリンダー内壁のEX側に強く当たるのをコンロッドを介した反力によりIN側にピストンを押し返します。微妙な数値ですが、ピストンの首振りに影響が少ない最適な数値を導き出したものといえるでしょう。

そんなことを考えながらマシン整備して今度のレースに向けて戦闘モードに入っていくわけです。乗り手の腕は悪いんですから、マシンが戦いの道具である以上できる限りのことはやっておくのが普通だと思います。

とは言いましても、人と戦うわけではありません。人間50年、体が痛かったり、気力が衰えていたり老体に鞭打って自分との戦いであり、自分のレースを行うための営みなのです。

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燃焼室はこのとおりカーボンが付着しております。

放置しておくと段々パワーダウンしていく原因となります。

元の状態にカーボン除去したいと思います。

 

 

 

 

 

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カーボンは殆ど除去できました。

研磨材付きのナイロンたわしで磨くだけです。

シリンダーヘッド合わせ面はオイルストーンでガスケット材を除去します。

シリンダーはホーニングのスクラッチ跡が充分残っていますので再使用OKです。

ピストンも外径計測では問題ないので、スペアパーツとして保管します。

 

 

 

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バルブのカーボン付着状態です。

インテーク側はあまり汚れていませんがエキゾースト側の汚れが著しいです。

タペットクリアランスは4箇所とも詰まっていましたが、インレットバルブが1本だけバルブフェイスの磨耗で寿命が近い状態でしたので、点検のタイミングが適切だったと思います。

 

 

 

 

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バルブもカーボン除去します。

バルブフェイス、特にチタンバルブは酸化チタンの硬化層が薄いので極力研磨しないようにします。新品交換がベストですが今回はメンテナンスなので再使用します。

ステムシャフトに傷をつけないよう注意してサンドペーパーで粗く研磨した後、ボール盤で回転させながらナイロンたわしで仕上げます。

0.01mmほどタペットクリアランスが詰まりますので、研磨後再調整となります。

バルブとタペットシムは部品発注するため組み立ては入荷後ということになります。汚れた状態でクリアランスが狭くなっていても洗浄、研磨してから計測すると適正になったりします。汚れたオイルなどで異物が隙間計測に含まれている感じです。汚れを落とした状態の計測で管理することにします。

組みあがったらレース前に一回くらい練習できれば安心です。

まあこんな感じで健康増進MXのため機械の状態も維持していくというバイクライフの一環であります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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