適材適所

先日、金属加工業のお客さんとディスカッションした中で驚くべきアフターパーツ業界の実態を聞きました。

私もオートバイ仲間から社外品のロッカーアームが形状不良でバルブが完全に閉じないとか、バルブのウエスト部分から破断してエンジン壊れたとか、聞いたことがありますので、やはりそうかと思いました。問題の当該品に対してクレームをつけても「レース用パーツなので自己責任でお願いします。」といって問題の論点を逸らそうとする始末。

大体、販売店の窓口が実態を把握していないか、クレーム処理のプロフェッショナルのどちらかだろうと思います。私は社外のキットパーツなどには頼りつもりはありませんし、手間やコストが掛かっても自分で加工手配するのが一番信頼性のある改造だと思っています。

金属加工では加工物に刃物を当てると異材であることに気がつきます。切削条件が変わりますから、疑問に思って支給先の担当者に材質を聞いても答えられない。即ち製造に関する知識に乏しい人が商売してお金を儲けているということです。一般のお客さんは広告を信頼してパワーアップできると信じてお金を払うわけですが、その成果はどうであったか・・・これこそ「自己責任でお願い」です。

例えばカムシャフトに熱処理が施されていないとか、某国製では常識のようです。カムシャフトは素材を鋳造か鍛造で(原価と性能の関係で)成形して高周波焼入れかLCN(塩浴軟窒化処理)してジャーナルとカム摺動面を研磨仕上げという工程になりますが、某国では熱処理の部分を省略するか、そもそも知らないとか、勿論材質も疑って間違いありません。その結果、エンジンは試運転で終了ということになります。

以前ホンダでは材料の研究部門を持っている記事を書きましたが、開発された材料は図面に反映されて量産部品の製造に投入されていくわけです。実際は加工業者や熱処理屋では材質を確認するには材料メーカーのミルシート(成分分析表)を見るわけです。そうすることで材料ロットと加工ロットが一連になって管理されるので図面通りの品質が守られるというわけです。当然品質管理にはコストが掛かりますので、ホンダと取引先の間では協議してコストと責任区分も厳密に取り決めされています。

従ってホンダに供給している部品メーカーは品質的にも量的にも超一流でないとホンダの要求に応えられないので出来てくる部品は信頼性が高いということになります。そんなメーカーの中でもホンダの要件以上に品質管理をされるメーカーもあります。たとえば東海TRWというボールジョイントのメーカーがあります。タイロッドエンドやサスペンションアームの揺動する連結部に使う部品ですが、目立たなくて過酷な条件で使用されるのですが、ボールジョイントの使用条件を熟知して通常より遥かに厳しい耐久テストをクリアさせて備えています。材質の管理は勿論、鍛造や熱処理の技術も高く専門メーカーとして理想的な会社だったことを覚えています。

実はそんな専門メーカーの技術者をゲストエンジニアとして研究所に招きいれ、開発テストや設計までやってもらっているのが実態です。自動車部品の9割は部品メーカーの供給によって成り立っているので、いかに優秀なメーカーと取引するかが自動車業界の要であると思います。

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