RD250

先日ディスカバリーchを観ていたら、長年忘れていた疑問が解けたような気にがしました。小学生のころ宮本武蔵が好きだった関係で中学生になると剣道部に入り、次第に最高の武具として有名な日本刀に興味を持つようになっていました。そして現代でも日本刀を作る仕事があると思い、普通に会社就職はせず、刀鍛冶になりたいと思ったのでした。そのために金属の勉強はしておく必要があると考え、高専に進学していたのでしたが、周囲に刀鍛冶に関する助言を出来る人がおらず、何時しか刀匠への夢は消えておりました。

ところが30年前に知りたかったことが明らかになったのでした。日本刀の原料になる玉鋼は島根県の炭焼き精錬所でのみ作られている。鉄の強度を阻害する硫黄やリンといった不純物の少ない良質の砂鉄が採れる場所であること。土釜の高炉にコークスを入れて燃やし、50トンもの砂鉄を溶かすが、温度管理は炭の焼け色を見るだけなので、社長と数人の弟子たちが3日3晩不眠不休で火の番をする。純鉄にコークスから出た炭素を少量含有することで硬い鉄が出来る。こうして取り出され、さらに厳選された玉鋼を刀匠に託す。

現存する刀匠の流派は二つのみ、その1人は京都におられるが、日本刀作りにもう一つ重要な役割、砥ぎ師があるが、こちらは以外にも東京に1人のみ。精錬と刀鍛冶と砥ぎ師という三つの専門職があってようやく日本刀は完成する。

刀を鍛錬する工程は叩き延した鉄を折り曲げては叩き延す作業を何百回と繰り返すことによって炭素を繊維状に微細に分布させる目的がある。そして鍛錬が終わってから鋼に純鉄を挟んで日本刀を成型していくが、この時点で長さやデザインは刀匠の頭の中に出来上がっているという。純鉄と鋼をサンドイッチさせる理由は、全て硬い鋼で作ったとすると衝撃が掛かったときに刀が折れてしまうためで、柔らかい鉄との二重構造により折れない刀になるというBi METALなのである。

砥ぎ工程により美しい刃紋があらわれるのが日本刀の特徴であるが、砥石研磨したとき、柔らかい鉄の部分が鏡面に仕上がり、硬い部分が白濁した色に仕上がるわけだ。金属顕微鏡でそれぞれの組織を顕鏡するとフェライト組織とマルテンサイト組織であることが確認され冶金学的に証明されている。

刀匠により鍛造成型された刀の最後の工程は焼入れである。焼きいれ温度は焼色の目視確認のみ、「エイ」という掛け声と共に一気に水焼入れをする工程は、炭素鋼をマルテンサイト変態温度に加熱保持したあと急冷する熱処理を行っていることになる。経験と勘を頼りに伝承されてきた製造技術は大量生産では置き換えられない尊いものだ。第二次大戦中、軍人に持たせるため大量生産された軍刀は粗悪品で、国宝級の日本刀とは比べ物にならなかったという。

全て映像で解説されていて昔抱いていた好奇心を呼び覚ましてくれました。いい時代になったものです。

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やはり単車のエンジンは空冷が美しいですね。

水冷になったRZでさえ保存するのに大変な労力をかけているというのに、RD250ですからね。

このころ2ストクウォーターが流行ったんですね。

スズキRG250、カワサキKH250、ホンダはCB250Tがありましたが、クウォーター路線には乗っかっていなかったですね。

空冷2ストツイン、保存する価値ありますね。

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これがオーナーさんから渡された見本のチャンバー。

凹みや傷は少ないですが、亀裂や排気漏れが多かったようで、複数のロウ付けが見られます。

個人的には、亀裂のロウ付け補修はされない方がいいと思います。理由はロウ付け箇所は溶接不可能になります。

過去にロウ付けで修復不能になったフレームを持ってこられて、真鍮ロウを除去するのに苦労した思いがありました。

空冷ですが諸元はRZと同じでよいとのことでRZの過去データを調べましたが、見本とは少し違っていました。以前はRZ用のチャンバーなら大量に出回っておりましたが、全部諸元は違っていて、どれが良いかはすべて取り寄せて、ダイナモ計測と実走テストをしないと答えはでないでしょう。

そこで妥協できるところを探ってみます。

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結局、新しく展開図を作って製作することにしました。一部は過去データに基づくものと見本品を掛け合わせた感じです。

 

 

 

 

 

 

 

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フレームのレイアウトが違っているためか、以前作ったRZ用エキパイのカーブではパイプの最適な位置は満足できないことがわかり、エキパイも新型で作り直しです。

余計に時間が掛かっておりますが、掛かった時間分代金請求することはありません。

時間が掛かるのは能力の問題なので、能力が低い部分を販売価格に転嫁するわけにはいかないのです。

幸いサイレンサーは支給されていますのであと一日くらいで完成です。

 

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ロードバイクのカスタムは楽しいですね。

ブレンボやオーリンズの装着に加えワンオフパーツを駆使してオリジナルマシンに仕上がっています。

チャンバー装着は簡単なようですが、サイドスタンドやセンタースタンドブラケットが丁度よく邪魔な位置にあるためフィッティングに丸一日悩んでようやく完成しました。

 

 

 

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美しい造形の冷却フィン。余計なものがついていないシンプルな乗り物です。

高度成長期の2輪メーカーが生んだ、実用と芸術の分野を兼ね備えた乗り物ですが、この年代のオートバイが道路に溢れていたあの時代を思いだします。

 

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