CR125チャンバー修理

96年型CR125のチャンバーです。弊社創業当時93年型CR125を所有していましたので、CR125チャンバーの製作、修理が主要な業務であった時期もありました。

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既に個体数が減っていますので、これで最後の修理と思い紹介します。

凹み具合は普通です。車体が横倒しになったり下から石などが当たればこのようになります。

 

 

 

 

 

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ホンダ純正チャンバーの特徴としてプレス部材を接合してパイプ状にする「シーム溶接」という工法が採られています。

これはガソリン缶と同じ工法で、いわゆるモナカ構造の接合部分を二つのローラーで挟みつけながら抵抗溶接していますので、接合部の気密性が高い工法と言えます。

しかし、シーム溶接の欠点としまして、プレス成型時に生じる板厚の減少と直角に折り曲げた断面形状が切り欠きの効果となって排気による高周波の振動で亀裂が生じることです。

亀裂が発生して運転を続けていると亀裂が伸展して、鉄板が欠落することもあります。

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このようにシーム溶接のリブの上から凹んだ状態ではリブが突っ張って、元に戻るのを邪魔しようとしますので、凹んだシーム溶接を削り落として溶接します。

 

 

 

 

 

 

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亀裂が入ったシーム溶接も削り落として突き合わせ溶接とします。こうすることで振動をうけても亀裂が入り難くなります。

欠落した部分は鉄板で塞ぎ、くもの巣状に伸びた亀裂も溶接して、水圧成型の前段取りができました。

古いチャンバーは内側にオイル分が付着していて、溶接は上手くいきません。鉄板が解けるときに内側で勝手に火がついて溶接ビードに気泡が混じってしまうためです。根気強く何度も修正する必要があります。

 

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下側のリブを削り落とすことによって凹みが盛り上がってきました。

パイプの強度が落ちていますので、あまり高圧はかけられません。水圧によって新たに亀裂が生じてしまいますので、いい加減で止めておきます。

 

 

 

 

 

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欠落部分を修復すれば主要な凹みも直ります。

亀裂は発見した時点で直しておけば、このような大作業には至らないで済んだでしょう。

このCRは大学の2輪部所有だということで、理系の大学であれば修理可能な設備をお持ちのはずですので、次回は是非、部活動で修理トライされるとよろしいかと思います。

難しい理論は必要ありません。手先の技能が如何に必要であるかが分る題材でした。

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