2012年3月アーカイブ

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エンジンパーツの先鋒は、やはりピストンです。燃焼圧力を直接受ける部品ですから。

ピストンヘッドの堆積物は除去します。

エンジンは内燃機関ですから熱効率を追求しなければなりません。熱サイクルを考えると廃熱された状態と燃焼状態の温度差(圧力差)が大きいほど熱効率が良いということになります。

アルミピストンを使う理由は熱伝導が良いからで、ピストンの堆積物は熱伝導を阻害する物ですから、それを除去することが整備の基本となります。

CIMG0758.JPGピストンサイドにスカートは存在しません。あのφ30クランクピンによる、コンロッドの横剛性のため、ピストンの横方向への首振りが無いのです。

前後に最小限度のスカートがありますが、アルミメッキシリンダーと鍛造ピストンのため熱膨張率が極めて近く、ピストンクリアランスを詰められる理由であります。

2ストレーサー時代は鋳造ピストンが主流でした。材質はAC8Aでダイキャスト製法なので薄肉で強度も充分だったのですが、シリンダーが磨耗してピストンクリアランスが大きくなったときだけ、スカートが割れたりしました。

CRFで4スト化と同時に鍛造ピストンを採用しているわけですが、アルミである宿命で耐熱性という観点で高温時の強度が低下することが懸念されました。特にピストン頭頂部がヒートスポットになり割れたり、解けてしまったりするトラブルも稀に起こります。アルミ素材メーカーでは鍛造ピストン用材料の開発を行いました。アルミの耐磨耗性を向上するためSiC(炭化シリコン)を添加し、耐熱性向上元素のFe、Niの配合比率を変えた溶湯から鋳込んだテストピースを作り、エンジンの通常運転状態をシュミレートした温度で引張り耐久試験を実施してAC8Aを上回る材料特性の成分を発見したそうです。

そうやって開発されたA4032という材料を押し出した丸棒を素材とした鍛造をピストンの製法に取り入れたことで、このような高強度で軽量なピストンに仕上がったわけです。点検は外径寸法に問題なくてもピストンピンの差込みがスムーズにならなければ、交換することにしています。クリップ溝にバリが出ることもありますが、これはペーパー修正で直りますが、ピンボスが僅かですが歪んで、ピンの通りが悪いこともありますので、その時点でダメージをうけているということになります。

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過酷な使用条件としてはミッションが最高だと考えられます。それは歯車の山一つにエンジンパワーと路面からのトラクションを受けて回転しているからです。

ミッションは衝撃破壊試験を実施して強度確認されています。ダミーのエンジンにミッションを組み付けて、ドリブンスプロケットにチェーンを固定して、試験機でチェーンに急激な張力を掛けて破壊させます。用件をクリアしなかった部分の材質や熱処理、肉厚形状などを検討してきたと思います。CRFの5速ミッションはCR時代から10年以上の実績がある部品ですから、信頼性が高いですが

長時間乗り込むとギヤが割れたり、シャフトが折れたりしますので、中古車は特に点検が重要でしょう。

ギヤの磨耗、欠け、ドックの磨耗、肉薄部分の亀裂などがないか入念にチェックしますので、シャフトからギヤを外しています。6速時代は、ギヤの厚みが薄かったので現行の機種よりミッションは壊れたと思います。ミッションの耐久性は乗り方で大幅に変わってくると思います。例えば、クラッチを使わないでチェンジするとトルクが掛かったままギヤが切り替わりますのでダメージを受けやすいです。負荷の大きい路面もエンジンパワーだけでなくマシンの重量と路面のトラクションの影響で、特にジャンプの着地やスタックからの抜け出しのときに衝撃が掛かると思われます。速く走るためにダメージを受けるのは仕方のないことですが、不必要に荒い乗り方をしないことを心がけることが長持ちさせる秘訣でしょう。

長々と書きましたが、現代のオートバイ部品の高性能化は加工機の性能向上だけで実現しなかったであろうということ、素材メーカーが自動車開発者の要求に答えられるように材料の添加元素や熱処理条件などを地道に研究している成果であると思います。

鉄鋼や非鉄金属材料の元は鉄やアルミといった基本材料の中に開発された添加元素を粉末にして溶湯に混ぜています。充分に撹拌したところで、蛍光X線などの分析器を使用して成分分析をしながら調合していきます。こうやって分析された溶湯が材料ロットとして記録され、押し出しされた棒や圧延の板になって、加工メーカーに納入されるという流れを採っています。

日本のメーカーは材料の研究開発にも重きを置いていますので、外国やアフターパーツのメーカーと比較にならない信頼性を誇っていると思います。これらの高品質な部品でできたマシンを安価に購入できて乗ることができる喜びを味わおうではありませんか。

 

 

脚の怪我で暫らくの間、MXはできません。特に問題はありませんが、中古マシンのため、エンジン周りを分解点検しておこうと思います。 CIMG0750.JPG

全バラにして、部品一つずつ点検します。

前オーナーが自動車整備士ということもあり、整備状態は良好のようです。

シリンダーヘッドとバルブ周りのカーボン除去、バルブシート擦り合わせ程度で大丈夫だと思います。

 

 

 

 

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OH!ヒンソンのクラッチアウターに交換されています。こういう中古マシンは歓迎です。

ノーマルのクラッチアウターはダイキャストなのでクラッチプレートで叩かれて摺面に段付き磨耗が起こりますが、ヒンソンは硬い材質で削り出しなので耐久性がUPします。

よって部品交換頻度が少なくて済みます。

 

 

 

 

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クランクシャフトの振れもはかってみます。

規定値はL(テーパー側)0.05以内

R0.03以内ですが

これはLが0.03、シャフト部分で0.01以下、Rが0.01以下ということで全く問題ありません。

 

 

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このクランクシャフトを見て、すごいなと思いました。コンロッドスモールエンドの首下とクランクウエブの隙間がこれですよ。

クランクウエブの角に逃がし加工が施されていますが、鍛造の金型に成型された形です。外周や側面の殆どが未加工の鍛造肌のままです。クランクピンの圧入基準と肉抜き穴だけ加工されているにすぎません。

これは精密熱間鍛造という製法で、厚み公差±0.15という精度が保証されています。茶色は銅鍍金で細かい傷を埋めて表面を滑らかにして、オイルの撹拌抵抗を軽減するものです。

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クランクピン径はなんとφ30です。コンロッドビッグエンドのクリアランスを一定とするとピン径が大きいほどコンロッドの横剛性が上がり、軸受けの摺動面が広がり、耐焼き付き性が向上します。

ピンとシャフトがオーバーラップしていますので圧入は内側からしか行えません。

ウエブ外周の加工面は大荷重で圧入するための基準面となります。外径がスモールエンドのギリギリまで拡大されている理由は、ビッグサイズのピン圧入によって外周が歪まないための肉厚を確保するためです。

L側シャフトセンターからオイルが圧送されクランクピン横穴からビッグエンドを潤滑してピンの反対側ドレンから排出されるようにオイルラインが加工されています。

このように部品を観察していると、設計者の思惑が推察されて非常に興味深いものです。同時に、このような精密な機械加工品を安価に手に入れることができる喜びも感じずにはいられません。

 

CIMG0755.JPG燃焼室と吸排気バルブの堆積物を除去して、バルブシートとバルブフェースの当たり具合を、光明丹を塗布して確認しています。

バルブの擦り合わせは排気バルブのみ行いました。CRF250の吸気バルブはチタン合金(推定材料Ti6AL4V)を使っていますが、酸化処理という、チタン中に高濃度に酸素を固溶させて硬度を高める熱処理が施されています。

64チタンは調質した鋼に匹敵する強度を持っていますが、耐磨耗性については問題があります。そこで、酸化処理による硬化層がバルブとしての性能を実現できるわけですが、50μmほどの硬化層深さのため、擦り合わせによって酸化チタンが失われることを問題としていますので、バルブシートの修正はシートカットで、吸気バルブは新品交換が基本となります。今回は当たり面に問題なかったので、このまま組みたてます。

では、排気バルブが耐熱鋼(推定材料SUH35)である理由ですが、チタンの酸化限界温度が700℃付近で、それを超えると急激に強度が落ちます。排気ガスの温度は800℃に達しますが、鋼材の酸化限界温度は850から1050℃なので、高温に曝される排気側は信頼性の高い耐熱鋼を選択したのでしょう。別機種では排気バルブ用チタン合金TIMETAL@1100を採用している例もありますが、コストと信頼性で現在の仕様に決まったと考えられます。

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カムシャフトも目視点検ですが、亀裂や摺動面の磨耗が無いかチェックします。

従来のカムシャフトはFC(鋳鉄)製が当たり前でしたが、レーサーモデルでは鍛造品を素材としています。目的は軽量化ですが、これも中空シャフトになっており非常に肉厚が薄くできています。そのため材料に強度がないと、変形したり亀裂が入って問題が起こります。炭素鋼かクロームモリブデン鋼で調質(焼きいれ、焼き戻し)により靭性を持たせてあります。

カム摺動面の耐磨耗、耐かじり性を向上させるためLCN(塩浴軟窒化処理)という熱処理を行い、窒素と炭素を浸透させ硬化層を形成していますので、油膜が適正であれば消耗は殆どありません。

従来のカムギヤはフランジにネジ止めでしたが、これは軽量化のために圧入されているだけです。急加速、急減速を繰り返す運転次第でカムギヤの圧入がスリップしてバルブタイミングがズレてしまうトラブルが懸念されますので、カムシャフトとギヤの境目にマーキングして確認することをお勧めします。

このようにエンジン部品の多くは塑性加工と冶金学を駆使した工業製品の塊なので用途と品質特性を踏まえた見地で確認作業を行っています。

80年代フュージョンミュージックの金字塔を打ちたてた、ギタリスト渡辺香津美の演奏動画を探していましたら偶然見つけました。

この演奏は2010年撮影らしいですが、この楽曲を収録したLP盤レコードを学生のころ持っていて、よく聴いていました。

そして、再結成されたTO CHI KAバンドのKeyボードを弾いている男に見覚えがあるなと思ったら、自分の兄でした。隣の入間市に住んでいるのは知っていましたが、一緒に遊ばないので10年くらい合っておりません。

では、先ずは演奏と動画をお楽しみください。

現在、ロード、オフロードの競技用オートバイはミニバイクと一部外車を除き、アルミフレームが主流となっていますが、その歴史は長くありません。オンロードではヤマハTZR、ホンダNSRなど80年代からアルミフレームの市販が始まっていましたが、モトクロッサーのアルミフレーム化はずっと後のことでした。

90年代末期まではオフロードにアルミフレームは向いてない、またはスチールフレームのほうが優れているとさえ思われていました。それは、アルミフレームでは激しい衝撃に耐えられずに壊れてしまうかもしれない。または製造コストが高く、商品化できないのではないか。こういう疑問があって、現実的でないと思われていました。事実、全日本MXで走ったのはYZMやホンダRC、無限MEといったワークスマシンだけでしたので、市販車でアルミは無いだろうと思っていました。 CIMG0745.JPG

では、鉄フレームを安っぽいと思われている人が多いのではないかと思いますが、それは間違っています。

一般的に実用されている鉄の種類はSS400という構造用鋼、これは引張り強度400N/mm2以上の鋼材。

S45Cなどの炭素鋼、カーボン含有率が0.45%ということでS10Cから58Cまであり、熱処理することで、強度が増します。

SCM435などのクロームモリブデン鋼、これは熱処理でさらに高強度で特に靭性がある材料です。

高張力鋼、ハイテン材ともいいますが自動車用のスチールホイールに使われているのが、この材料で引張り強度600N/mm2です。バンパービームに至っては1000N/mm2です。

このように強度の高い鋼材ですが、溶接可能な最高強度のアルミ合金7N01(T6)でさえ引張り強度430N/mm2ですから鋼材の性能がいかに高いかがわかります。比重は鉄がアルミの3倍ありますがアルミフレームと同じ強度を出すために必要な鉄フレームは断面積を小さくできるので、スペース的に有利となり、車体の設計に自由度が多くなるというメリットが生まれます。

コスト的には80年代初頭まで使用されていたクロモリ鋼管はアルミより高価です。クロームやモリブデンといった強化元素がレアメタルであるからです。そこで比較的安価で強度の高い高張力鋼管が用いられるようになりましたが、クロモリとの違いは耐久強度にありました。クロモリは、靭性があるため亀裂が入ってから破断するまで時間がかかりますが、ハイテン材は割れたら一気に進展する欠点があります。

ホンダが量産型のアルミフレームに踏み切ったのは97年型CR250からです。まだ15年しか経っていないのにいまでは当たり前のようになっています。ヤマハが最初にYZ125のアルミフレームを量産したのが06年、カワサキは05年にワークスのアルミフレーム化で失敗して全日本MXのIA250クラスからカワサキ車が消えたことがありました。翌年某メーカーと同じデザインで登場したのは有名な話です。

そしてスズキはRMZ450のデビューと同時にアルミフレームということで、一番後発のメーカーとなったわけです。あれが07年ですから、アルミフレームが4メーカー揃ってから、まだ6年めという新しさです。

随分定着した感じですが、私が想像するのにアルミ化のメリットは、設計製造上の問題だと思うのです。それは、近年のオートバイ設計はコンピューターによるもので、形状寸法のデザインは勿論、FEM有限要素法を取り入れた応力解析もコンピューター上で行っているので、板やパイプの組み合わせで作られた鉄フレームより溶接継ぎ手が少ないアルミフレームの方が都合がよいということ。

特にヘッドパイプからダウンチューブの一体成型やリヤクッションのアッパー、ロアーブラケットまわりなど、鍛造製法を採っているパーツの設計はコンピューター無しでは不可能でしょう。

コスト的にも、一体成型が多いアルミフレームは、鉄フレームのようなガセットや補強パッチが無いため構成パーツが少なく、溶接部分も減らせます。しかも塗装無しでOKなので、フレーム全体の組み立て工数が大幅に削減できて量産に向いていると考えられます。

では、アルミの材料についてですが、私がモトクロッサーの生産に係わった時期は1985から87までの3年間でKA3、KA4、ML3(CR125、250、500)ですから高張力鋼管フレーム時代なので、現行車の図面の材質欄は見た事がありませんので、推定で考えます。

アルミといってもその種類は用途によって様々ですが、フレームに使用するということで、高強度で溶接性が良くなくてはなりません。最高強度のアルミ合金は7075 T6ですが、これは溶接性が悪くて使えません。固いですが伸びがありませんので溶接後に低温割れを引き起こしてしまいます。

そこで溶接できるAL Zn Mg系合金として7N01が挙げられますが、押し出しのパイプか圧延による板材になりますので、ヘッドパイプやクッションブラケットのような鍛造材にはMgSi系の6061を使うでしょう。パイプはベンダー(曲げ)をかけるだけですが、ブラケット類は複雑な形状を型打ち鍛造で成型しますので、伸びが良く、押し出し成型性の良い材料を使います。

7N01や6061は時効硬化性の合金なので、溶接部が一旦柔らかくなります。放置しておいても元の材料の硬さに戻る性質を持っていますが、年月を要しますので、量産では強制時効という熱処理を行います。T6というのが強制時効処理ですが、その前にT4を行います。別名、溶体化処理といい、材料の内部応力を除去する目的があります。強制時効中に内部応力によって歪みが生じるのを押さえる役割があります。

熱処理は処理済かどうか見た目では判断できないですが、フレームの強度に係わる重点管理項目です。通常は不滅インク等で検印されます。熱処理炉の温度と時間の管理は記録されて保管し、熱処理ロットで決められたサンプルを抜き取り、硬さ検査します。ロックウェル硬度計は平面にスライスされた試験片を切り出し、研磨して行わないと正確な数値が出ませんので、抜き取り品は破壊検査となります。熱処理忘れや条件に不備があると製品に欠陥が生じ、全品改修となることもあり得ますので、失敗の許されない仕事です。

アルミ合金特有の問題として応力腐食割れという現象があります。航空機が飛行中に破壊して初めて具体化したものですが、溶接できない7075材をリベット結合した機体でしたので、リベット穴に沿って繰り返し応力が掛かって金属疲労したと考えられます。高い応力をうけたアルミ合金の結晶間に電気が発生して腐食を引き起こすので、材料の内部に腐食が進行した場合、局部的に強度低下を起こし、酸性雨や海水といった腐食雰囲気と複合で不具合が起こります。オートバイのフレームは応力腐食割れを起こしにくい材質と、充分な板厚を持っていますので、亀裂発生の原因の大半はジャンプ等の大荷重を繰り返し受けた金属疲労によるものと考えられます。剛性バランスと耐久強度を保ちながら軽量化とコスト削減という難題を解決してきたのが現代のアルミフレームといえるでしょう。

 

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レストア界の最高権威、小林さんから溶接肉盛りを頼まれたケースカバー。

左ケースと思いますが、車種が分らない私が質問しましたら、ホンダSAだとおっしゃいました。1955年製の同車種ですが、最近まで実動で、イタリアで開催された2000kmのラリーを完走して年代別クラスで入賞したマシンだそうです。

ヨーロッパの旧車レースは日本とは比較にならない人気とレベルの高さが予想されます。

自分を育ててもらった会社のマシンですから、恥ずかしながら調べてみましたら、これがホンダの2輪車の歴史上重要な役割を担ったマシンであることがわかりました。 ドリームSA.jpg

ホンダコレクションホールの展示車画像から拝借しました。

たしかにこの車両の左ケースが同じ形状を呈しています。

これがホンダ初の4ストエンジン、OHC単気筒250ccです。

本田宗一郎さん直々の設計で、夢の4ストロークエンジンが完成したので、ドリームという車名を与えた最初のマシンです。

製造された1955年にレースに出場しています。日本にサーキットが無かった時代で

7月に第3回富士登山レースで250ccクラス優勝。11月の第1回浅間火山レースで250ccクラス2位入賞という快挙。因みにこのレースの優勝はライラックに乗る伝説のレーサー伊藤史郎でした。

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修理内容は、オイルドレンに亀裂が発生したため溶接肉盛りをすることです。

古いダイキャストですから表面を少し削って地金を出す必要があります。

酸化皮膜が溶接不良を引き起こすためです。アルミの溶接は交流TIGを使いますが、交流は極性が+ー交互に流れる高周波です。+イオンを衝突させ酸化皮膜を除去しながらー電子でアルミを溶かします。この酸化皮膜が強固な場合、除去できずに上手く溶けてくれないため、予め削っておくことが必要です。 

 

 

 

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内側もこの通り一皮剥いて、浸み込んだオイルの脱脂も行います。

 

 

 

 

 

 

 

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ネジ穴の内側から溶かすように溶接棒で埋めてしまいます。

ここに新たなネジ穴とボルト座面を加工するのですが、私の仕事はここまで

続きは小林さんのレストア工房の加工機で行います。

サンドブラストで全体を美しく仕上げて、消耗部品も新品交換して組み上げますので、新車同様のコンディションになるでしょう。

小林さんは、ホンダのワークスレーサー、ダブルプロリンクや2気筒RCなどの開発を勤め、オートマチックRC時代のHRC監督でしたが、その後、会社命令でコレクションホールの立ち上げを任され、茂木の展示車両は同氏の作品であります。

英国バーミンガムのモーターサイクルミュージアムも見た事がありますが、展示台数は多いですが、旧車のコンディションは悪かったと思います。それに比べて、茂木のコレクションホールは全車動態保存で外観も新車同様、F1やMotoGPの歴代チャンピオンマシンも保有していることで、間違いなく世界一の2輪4輪博物館であると同時にホンダの偉業を実物で感じ取れる、後世に伝えたい異空間であることを申し上げておきます。

国内のモトクロッサーの排気量では250クラスがスタンダードだと思っていますが、中でも業界のリーダー的存在のホンダが製造しているCRFに力を注いでマフラーを作っています。 

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2012モデル用ですが

弊社オリジナルの特徴に触れてみたいと思います。

少量生産なのでアルミとチタン板、チタンパイプをハンドワークで加工しています。

 

 

 

 

 

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フロントキャップの部分です。通常、板物のキャップで作られるパーツですが、アルミ塊から削り出しています。板物の場合、クラッシュして大きな荷重が掛かったときに歪み易いのでアルミ塊の方が荷重に耐えられます。

チタンパイプが圧入してありますが、アルミが熱膨張してパイプが動いてしまうのを防ぐために、キャップ内側にフランジを溶接してボルト止めしてありますので絶対に動きません。

 

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エンドキャップ部分はチタン製です。リヤパイプの内径と長さの適正化により、騒音低減とパワーアップの両立を実現しました。騒音は2mMAX法で楽々クリアします。

菱形断面のアルミパイプは曲率の小さいR曲げと平面の面積を縮小することで、剛性を上げています。ノーマルのアルミサイレンサーより強度が高いと思います。

結合はM5のネジ止めにしてあります。ステレスリベット加締められるエアリベッターがなくてもヘキサゴンレンチだけで脱着できるのでグラスウール交換も容易にできます。

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フロントキャップの結合はM6のボルト止めで、こちらもヘキサゴンレンチで脱着可能です。

分解可能にすることで、ダメージを受けたパーツ別に修理したり交換することを前提としていますので、このマフラーのオーナーには、クラッシュしてダメージを受けても使い続けていただきたい思いを込めています。

 

 

 

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エキパイとミドルパイプの結合部分はガスケット不要です。

ノーマルのガスケット仕様ですとサブフレームの動きにあわせてサイレンサーも振られますので、ガスケットの内側でエキパイ端末が動いて、潰れてしまっているのを見た事がある人も多いと思います。

0.1mm隙間で嵌め合いしてありますので勘合部分の剛性が上がってパイプ端末が潰れないで済みます。

 

 

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手曲げエキパイはノーマルと同寸ですが重量は200g軽量、サイレンサーは、なんと1kg軽量になります。

またチタンは錆びないのは勿論ですが、泥汚れもつきにくく、マフラーの素材として理想的です。

製作費はエキパイが2万円、サイレンサーが48000円という量産品並みで提供させていただきますが、ハンドメイドなので納期は業務の状況で変動しますのでメール等でお問い合わせください。