スタンドの変遷

たまに質問を受けることがあります。「溶接はどこで覚えたのですか?」その時なんと答えたかは覚えておりませんが、事実は次のとおりと思っています。最初の体験はガス溶接でしたが高専の工作実習でした。そこでは、あくまで体験というレベルで何の習得もしていなかったです。やがて会社員になって、量産前の車両をテストする部署に配属されて、テスト装置も自ら製作しなければならず、テスト治具を溶接で組み立てるという目的で作業ピットにあったアーク溶接機を使ったのが、仕事としての溶接の始まりでした。

会社のオートバイにも乗っていましたが、スタンドは全て自作で、会社の工作室に鉄パイプとアーク溶接機があって、オートバイ部員は自由に使えましたので、暇さえあればスタンド作りをしていました。スタンドとは、ピットで整備するときやパドックでマシンを立てておくものですが、オフロード車は独特の形態で移り変わってきました。今ではスタンドはオートバイ用品店で売っているのが当たり前になっていますが、私のスタンドライフには買ってくるという言葉はありませんでした。

10代のころ貧乏学生のくせにモトクロスはやっていて70年代後半から80年代前半は一升瓶のケースがスタンドの定番でお醤油やお酒の一升瓶が入るケースを逆さまにしてマシンを乗せていました。あのスタイルが誠にカッコよくて惚れ惚れしたものですが、時代は水冷、モノサスに移り変わるころ、ワンタッチ式のスタンドが登場してからはスタンドの形態が変わっていきました。

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こういう形のスタンドをモトクロスをやったことがある人は一度は使ったことがあるでしょう。このデザインの元祖は、日本全体では分りませんが、関東地方では、うず潮RCのお店で販売するために、川越の甲斐野製作所に依頼して作ったものであります。最も材料を簡素にすることが目的で、これ以上シンプルな構造のワンタッチスタンドはないでしょう。

その後、外国製の廉価なスタンドが大量に生産され、この方式のスタンドは見かけなくなりましたが、このシンプルさと使い勝手のよさは捨てがたく、さらに改良を施して作ったのがこのタイプです。

基本構造はアルミ6063角パイプを使用し、強度の必要なリフトアップ部分はSUS304を使用し、総重量3.2kgという軽量さでフルサイズのモトクロッサーも楽々とリフトアップできます。自分のスタンドは8年間使用中ですが、故障したことがないくらい耐久性もあります。

ときどき、動かないワンタッチスタンドをひたすら踏みつけて、壊している人を見かけますが、稼動部分のメンテナンスをしてやれば、問題なく動くのに愛情を持って使ってやらなければ不調になるのはオートバイもスタンドも同じでしょう。

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