2011年4月アーカイブ

年齢を重ねてくるにつれ、新しいオートバイに興味を示さなくなることがあります。そのかわり、古いオートバイを大事にすることに楽しみを見出すようになってきます。

お金を払って新型のオートバイに乗るという行為は何度も繰り返すうちに飽きてくるものですが、乗り出しがオンボロのマシンを手にしたときから、それに手を加えていくうちに愛着というものが芽生えてくるものです。このマシンもそんな楽しみを与えてくれるオートバイでしょう。

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北陸地方のお客さんがもってきてくれたのはSUZUKI K125。

ベースはビジネスバイクらしいですがオリジナルの面影は少なく、それもそのはず、これで旧車のロードレースを走るため、レーサーに改造中なのです。

ハンドルやバックステップを自作してポジションをオーナーの体型に合わせて作られていますが、ステップブラケットの位置関係でノーマルのマフラーが取り付かなくなっています。そこで我社に頼んで新作することにしたようです。

空冷2ストローク単気筒、ロータリーディスクバルブは小型実用車にはよくあるエンジン形式ですが、特徴的なのは、排気ポートが二つに分かれていてそれぞれ独立したデュアルエキゾーストになっていることです。

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このとおり単気筒なのにエキパイが二本。

なぜこのようなデザインになっているか推測ですが、ビジネスバイクといえども、リーダーシップはホンダ車にあったのだろうと思います。スーパーカブに代表される、いわゆるカブスタイルのバイクはスズキのバーディー、ヤマハはメイトという具合に売れ筋のスタイルを作ってきたのがホンダのデザインだったわけです。そしてビジネスクラスのベンリィシリーズのスタイルに似せて作られたのがK125だったのではないかと。

プレスバックボーンのフレームや二本出しのマフラーが、非常に良く似たスタイルで、このスタイルにすることがお仕事に使うオートバイとして必要な要件だったのでしょう。

そんなビジネスバイクをこのような改造をしてロードレースを走ろうなんて、遊び心満点じゃありませんか。しかし、125の二本出しマフラーなど過去に作った経験もなし、これから頭を悩ますに違いありません。すぐに取り掛かれる状況ではありませんので2ヶ月後に作り始めるという約束をして置いて帰っていただきました。後日製作日誌を当ブログで掲載させていただきます。

2010モデルから著しく大型化したCRFのサイレンサーですが、思わぬ不具合も生じています。

張り出したサイレンサーは転倒しなくても、通常のライディングでサイドカバー越しに圧迫されてデフォーム(凹み)が発生します。また角ばった断面のアルミは平面が広くなっていますが、排気圧で膨らもうとしますので、金属疲労により亀裂が入ってしまいます。

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上は2011CRF250R、下は2010CRF450R。

250方が450よりサイレンサーが大きいことが分ります。

これらのサイレンサーは純正部品で一個9万円もしますので安々と買い換えられるものではないでしょう。

レーサーモデルも高品質化して付加価値を付けていかないと商品として受け入れてもらえなくなるということは予想できますが、限度というものがあります。

私が自分の150用のマフラーを作る理由はクラッシュで一発破壊する恐れのあるものが、純正部品で5万円もするので、作る場合は半額程度のコストで済むからです。

この高いマフラーの仕様を設定する人たちは、元々高収入で中小企業の社員とは違います。その上、このようなレーサーモデルは会社の車両に乗れるため、自分で買う必要がないですから、一般庶民の金銭感覚は持ち合わせていないのではないかと思ってしまいます。

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これはどちらも国際A級ライダーが所有しているものですが、日本ではトップクラスの彼らでさえ、スペアサイレンサーを持っていないという現状からも、その問題点が感じとれます。

とりあえず、修理するためにはリベットをはずして分解しなければなりません。

現在バックオーダーの状況が2ヶ月分溜まっているため、新規の注文を先延ばしするか諦めていただくなどの対応をさせていただいている状態なので、作業する時間がとれるかどうかわかりませんが、修理してみることにしました。

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まずは450から

アルミ筒に絞りが入っているため

切断して別々に整形してから溶接です。

大体、元の形状に直りました。

 

 

 

 

 

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次は250です。

デフォームを均してから亀裂部分を再溶接です。

古い溶接ビードを削除して溶け込ませていきます。

ビードは平滑でないと、すぐに割れてしまいます。このあと外側にアルミ板を張り付けツインウォールにしますが

これは国際A級用なのでスペシャル仕様の加工を行います。

 

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音量に余裕があることと、加速力を増す目的でショートタイプに変更。

テーパーパンチングのため繋ぎめの外径を合わせて溶接しています。

アルミ筒はデフォームになりやすい外側をツインウォールにしています。

エンドキャップの嵌め合いがきつくて、経験のない人は組み立てが難しいと思います。

 

 

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グラスウール詰めて、ステンリベットで荷締めて組み立て完了です。

高価なマフラーなので、メンテナンスして寿命を延ばしてあげないと、亀裂が拡大して使用不能となって

余計な出費が出ますからね。

 

・・・ああ、また予定が遅れてしまった・・・

今週は休みなしで働きます。