430三つ又

現行のモトクロッサーであればマシニングで削り出しの三つ又などはバイク用品店で買ってくれば事足りるでしょう。しかし、430(77-79モデルCR250R)に付けるとなると簡単には見つかりません。

当時のファクトリーマシンの写真でしか見たことがありませんが、近年のNCマシンによる加工に比べるとかなり荒削りな作りであったように思えます。とにかく、ノーマルの三つ又が付いている量産車では唯の旧車でしかありませんが、削り出しの三つ又に交換することでファクトリーテイストに蘇るとお考えのマニアもいらっしゃるかも知れません。

CIMG0191.JPG

アルミ合金の塊、重量32kg

三つ又上下セットで5台分ということですが

NC加工頼みますと設計から加工で総額何十万円になるかわかりません。それよりNC加工で仕上がりは美しくなると思いますが79年当時の風合いを出すためにはフライスでハンドワーク加工をするしかないでしょう。

外観をそっくりにするには作り方も当時のままに、ということです。

当然、生産性悪いです。しかし、滅多にやらない加工なので記録をとっておきたいと思いました。

CIMG0192.JPG

手前がトップブリッジ、奥がボトムブリッジ。

ステムシャフトはノーマルを取り外して使います。

材料はA2017、社外のトップブリッジはA7075を使うことがありますが、実用強度は大差ありません。強度が充分で比較的安価であり何より加工性が良いことが理由です。

ノーマルを寸法測定し、無駄がないように素材を切り出してあります。

ノーマルはA6061の鍛造です。

トップブリッジにAC4Cダイキャストを使った機種もありますが、鍛造とダイキャストですと金型や成形マシンなどの設備代がダイキャストの方が量産向きでしょう。鍛造の方が材質が上なので、当時のレーサーには採用されていたのでしょう。

このように、部品の性能がらみだけでなく、加工方法に適した材質を選択することが必要です。

CIMG0193.JPG

三つ又としての最も重要な品質特性は

三つの穴が正確に空いていることです。

フロントフォーク穴のサイズ、430はφ39.

フォーク穴の距離。

そしてステム穴のオフセット量。

どちらもハンドリングに影響する数値で

フロントフォークの幅が広いとフロントの剛性が上がるが、ハンドリングが重い。

オフセットはキャスター不変のままトレールを決定し、オフセットが大きいと直進安定性が向上するがハンドリングが重い。などが一例ですが、製品としては三つの穴の精度が悪いとフレームやフロントフォークが組み付かないという不具合が生じることです。

フライスでハンドワーク加工する場合はある程度加工テクニックがないと難しい作業です。

では加工の進行に応じて状況を報告していくことにします。

CIMG0195.JPGトップブリッジとボトムブリッジ。

上面と外周を削りました。

次に裏返して下面の加工を行いますが

これだけで一日仕事です。

 

ちょっと別の用事で2日ほど加工は中断ですが週末、再開します。

トラックバック(0)

トラックバックURL: http://www.precious-factory.com/mt4/mt-tb.cgi/148

コメントする